JP5833795B2 - ホスファプラチン化合物の合成方法および精製方法ならびに該化合物の使用 - Google Patents

ホスファプラチン化合物の合成方法および精製方法ならびに該化合物の使用 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年5月24日に提出された米国仮出願番号第61/651,200号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張するものであり、当該出願は、全体として参照により本明細書中に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、ホスファプラチン化合物、特に、医薬品として有用な単量体の白金ピロリン酸化合物(platinum pyrophosphate compounds)の調製のための合成方法、ならびにこれらの白金ピロリン酸化合物の再結晶および精製のためのプロセスに関する。
発明の背景
白金錯体、特に、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン等のジアミン系白金錯体は、抗がん剤の重要な種類であり、これらは、卵巣がん、精巣がん、小細胞肺がん、および結腸直腸がんといったがんの治療に広く用いられている。
例えば、卵巣がんといったシスプラチン/カルボプラチン−耐性のがんの増加に伴い、シスプラチン/カルボプラチンを、例えば、白金シュウ酸塩、白金リン酸塩、および/またはピロリン酸錯体といった、より効果的であり耐性の低い化学治療に置き換えるための努力が当業界内において成されてきた。しかしながら、近年まで、白金リン酸塩またはピロリン酸錯体は、これらの錯体が、不溶性のリン酸架橋した二核錯体を形成する傾向にあることを理由の一つとして、がんの治療薬としての可能性において、重要性を高めていなかった。いくつかの二核リン酸白金錯体が優れた抗がん特性を有することが報告されたが、水溶液中におけるこれら錯体の溶解性が乏しいため、これらの合成だけでなく、これらの応用に関するさらなる研究もまた制限されていた。いくつかの単量体のピロ−および三リン酸白金錯体が当技術分野で知られているが、これらは、やや酸性の溶液中においてリン酸加水分解を経て不溶性の二核生成物となりうるため、医薬組成物に適していない(ボーズ(Bose)らによるInorg. Chem., 1985, 24, 3989-3996;ならびにオダニ(Odani)らによる米国特許第7,342,122および国際公開第2005/000858号を参照。これらは参照により組み込まれる)。
米国特許第7,700,649号および同第8,034,964号(双方がボーズによる)は、その双方が参照により組み込まれ(「ボーズ特許」)、合成径路および新規な種類の白金錯体、すなわち、単量体のアミンまたはジアミン白金ピロリン酸錯体を含む治療方法を開示する。ボーズ特許に開示されたピロリン酸−白金錯体の中でも、アミンまたはジアミン白金ピロリン酸錯体を図1に示す。これらの錯体は、シスプラチンおよびカルボプラチン−体制のがんを含む種々のがん治療において効果があることが見いだされた。しかしながら、本発明に至るまで、これらの化合物の合成は効率が悪いままであり、これら錯体の大規模での調製に適した処理過程は報告されていない。例えば、合成条件に対する単量体錯体の感度や、これら化合物が、ある条件下では二核の対応物を形成する傾向があるといった種々の要因により、これらの単量体錯体の大規模な調製および精製を難しくしている。
発明の概要
本願は、上記課題に対応する発明を開示する。
一実施態様において、本発明は、大規模での調製に適した、ホスファプラチン化合物の新規な調製方法を提供する。この新規な方法は、数多くの技術的な課題を克服し、数グラム、数キログラムまたは大きな規模での単量体錯体の合成および単離を可能にする。
一実施形態において、この新規な方法は、湿潤剤として水混和性溶媒を使用し、当該湿潤剤は、既存のプロセスにおいて用いられていたものよりも45〜50倍高い濃度で反応を進行させることを可能にする。他の実施形態において、反応を高温(好ましくは60℃、これに対し、ボーズ特許では40℃)で行われる。他の実施形態において、微量の着色不純物および他の不溶成分を除くための、脱色および凝集剤(好ましくは活性炭)を用いた反応混合物の処理は、生成物の単離前において、不溶性の過剰なピロリン酸塩の除去を可能にし、したがって、反応濃度の上限に関する制限を解消する。かような制限は、文献中、ピロリン酸および/またはその塩の沈澱に起因して生じる。本発明の他の実施形態において、結晶化工程中、pH調節前に反応混合物を冷却することで、生成物の分解が抑制される。本発明の他の実施形態において、生成物の沈澱のために、より濃縮された酸(例えば、1N硝酸の代わりに2N硝酸)を用いることにより、より早い酸の添加が可能になり、その結果、化合物が酸性環境に曝される時間を削減することが可能となり、これに伴い、酸に関連して生じる不純物を減らすことが可能となる。このようにより高い酸濃度は、生成物沈殿工程の間の反応混合物の希釈もまた低減し、それ故、反応母液中への生成物のロスを削減する。
他の実施態様において、本発明は、単量体のアミンまたはジアミン白金ピロリン酸錯体を再結晶および精製する新規な方法を提供する。この新規な方法は、高品質かつ高回収率で結晶性固体として白金錯体を与え、これにより、正確かつ定量的な方法によって、上記錯体の治療効果を含むがこれに限定されない特性を研究することを可能にする。
他の実施態様において、本発明は、単量体のアミンまたはジアミン白金ピロリン酸錯体または類縁体を「ワン−ドロップ(one-drop)」および/または「ワン−ポット(one-pot)」プロセスにおいて、さらなる精製工程を伴わず、高品質かつ良好な単離収率で製造する方法を提供する。このプロセスの実施に成功し、さらなる精製工程を必要とせず、以前に報告されたものに対して1,000−倍またはより大きな規模で、98.4%(w/w)純度の(R,R)−DACH−2生成物を製造している。
他の実施態様において、本発明は、本明細書中で開示された実施形態のいずれかによって調製または精製された単量体の白金ピロリン酸錯体もまた提供する。本明細書中に開示された新規な合成方法および結晶/再結晶プロセスは、以前に報告されたプロセスに関連する多くの問題を解消し、既存のプロセスに比べて多くの利点を提供する。とりわけ、本明細書中に開示された方法は、再現可能な、商業的規模で、高品質かつ高収率での白金錯体の生産に特に適している。本発明の上記および他の実施態様は、以下の図面、詳細な説明および特許請求の範囲を参照することによってより理解されるであろう。
図面の簡単な説明
図1は、ボーズ特許において開示された、抗がん剤として有用な白金ピロリン酸錯体のいくつかの重要な構造を示す。(A)シス−ジアミン−(ピロリン酸二水素)白金(II)(「am−2」);(B)シス−ジアミン−トランス−ジヒドロキソ(ピロリン酸二水素)白金(IV)(「am−4);(C)1,2−エタンジアミン−(ピロリン酸二水素)白金(II)(「en−2」);(D)1,2−エタンジアミン−トランス−ジヒドロキソ(ピロリン酸二水素)白金(IV)(「en−4」);(E)1,2−シクロヘキサンジアミン−(ピロリン酸二水素)白金(II)(「dach−2」);および(F)1,2−シクロヘキサンジアミン−トランス−ジヒドロキソ(ピロリン酸二水素)白金(IV)(「dach−4」)。 図2は、単量体アミンまたはジアミン白金(II)ピロリン酸錯体の一般的な合成スキーム、および(R,R)−DACH−2の合成において反応中に形成する、考えられるいくつかの不純物の構造を説明する。
発明の詳細な説明
単量体のジアミン(ピロリン酸)白金(II)錯体は、対応する二核白金錯体を形成する反応を容易に減ることができるため、上記錯体の合成および単離は困難である(米国特許第4,234,500および国際公開第2009/021082号を参照)。例えば、DACH−Pt−ClまたはDACH−Pt−(OHの存在下、(R,R)−DACH−2は、対応する不要な二核白金錯体または以下に示す「二量体」である[{Pt(C14)}]を形成する反応を経る可能性がある:
(R,R)−DACH−2の水和速度は、pHの低下に伴って大きくなる。したがって、低いpHでは、いくつかの(R,R)−DACH−2が、加水分解して水和した化合物であるDACH−Pt−(OHを形成し、当該化合物は、その後(R,R)−DACH−2と、溶液中で反応して二量体を形成する。本発明は、この課題を克服する。
以下の節において、本発明者らは、いかようにして既存のプロセスに関連するその他の問題が解決されたかを議論しながら、上記課題をどのように克服したかを開示するであろう。本開示において、シクロヘキサンジアミン(ピロリン酸)白金(II)(「dach−2」)は、発明の具体例として用いられ、三つの立体異性体、すなわち、シス−異性体「シス−dach−2」およびトランス生成物である二つの光学異性体「(R,R)−dach−2」および「(S,S)−dach−2」を有し、ここで、「トランス−」、「シス−」、「(R,R)−」および「(S,S)−」は、当業者に知られるように、1,2−シクロヘキサンジアミン(すなわち、1,2−ジアミノシクロヘキサン、または「DACH」)配位子の二つのアミノ基の立体配置を指す。具体的には、本開示において、出願人によって「(R,R)−DACH−2」と称される錯体は、「(R,R)−dach−2」光学異性体を指す。これらの錯体は、当業者によって理解されるであろう、他の類似の名称によっても称されうる。(R,R)−DACH−2のみを発明の具体例として用いるが、当業者には明らかなように、本発明は類似の構造である他の白金ピロリン酸錯体にも等しく適用可能であるべきであり、当該錯体は、ボーズ特許に開示された錯体を含むがこれらに制限されない。
一実施態様において、本発明は、単量体の白金ピロリン酸錯体の製造方法を提供し、前記方法は、以下の工程を含む:水および湿潤剤を含む溶媒系中で白金ジハライド化合物をピロリン酸塩と混合する工程、ここで、前記白金ジハライド化合物および前記ピロリン酸塩は、所望の単量体の白金ピロリン酸錯体を形成する反応が可能である;反応混合物から前記単量体の白金ピロリン酸錯体を沈殿させる(結晶化させる)工程;および前記反応混合物から前記単量体の白金錯体を単離する工程。一方で、好ましくは、本発明において、より濃縮された反応条件下での反応を達成するために、湿潤剤は添加する必要はない。生成物は、濾過もしくは遠心分離、または当業者に知られた任意の他の方法によっても単離することができる。単離された生成物は、水および/または低級アルキルアルコール、具体的には、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールといった有機溶媒によって洗浄される。
一実施形態において、前記方法は、前記反応混合物のpHを約2未満に調節することおよび前記単量体の白金(II)ピロリン酸錯体を単離する前に前記反応混合物を室温未満まで冷却することをさらに含む。
他の実施形態において、本発明において一般的には不要であるが、前記方法は、前記沈殿(再結晶)の前に、溶媒の一部を留去することにより、前記反応混合物を濃縮することをさらに含んでもよい。
他の実施形態において,pHは、前記反応混合物に必要量の鉱酸を加えることにより調節される。ある実施形態において、前記反応混合物は、より速やかにpHを下げるため、酸中に加えられると有利である。前記鉱酸は、好ましくは、約1N〜約2Nの濃度の硝酸であり、好ましくは約2Nである。いかなる特定の理論に拘束されることなく、より濃度の高い硝酸を用いるプロセスの利点は、酸のより早い添加が可能になり、したがって、化合物が酸性環境に曝される時間を減らすことができ、さらにこれに伴い、結果として生じる酸に関連した不純物を減らすことができる。かような高濃度の酸は、生成物の沈殿工程における前記反応混合物の希釈を抑制することもでき、それゆえ、生成物の反応母液中へのロスを減らすことができる。本開示に基づいて、当業者は、最適な結果を得るために、酸の選択および/またはその濃度の調節をすることができるであろう。例えば、特に、初期の段階で、濃硝酸を結晶化中のpHを調節するために用いてもよいが、安全性、粘度または混合時に生じる熱に起因する熱制御といった他の理由、および最後のpHの細かい調節のために、2Nおよび/または1Nといったより希釈した濃度としても好ましい。
他の実施形態において、前記反応に用いられる前記湿潤剤は、水混和性有機溶媒である。
他の実施形態において、前記反応に用いられる前記湿潤剤は、低級アルキルアルコールであり、好ましくは、C〜Cアルキルアルコールであり、より好ましくはメタノールである。
他の実施形態において、前記反応は高温で行われる。目的の説明のためであり、そのように限定されるものではないが、(R,R)−DACH−2を調製する反応は、30〜70℃、好ましくは45〜65℃の範囲の温度で行うことができる。純水中、前記反応は、さらに高い温度で行ってもよく、結果として、反応時間が短くなりうる。ある実施形態において、アルコール性湿潤剤を添加し、前記反応を還流させて行うと好ましいであろう。このようにすることにより、最大の反応速度および大規模、具体的には商業的規模における運転制御が容易となりうる。当業者が理解しうるように、好ましい温度は、基質および調製される生成物の安定性に依存する。この態様における任意の合理的な改変は、本発明の範囲内でありうる。
他の実施形態において、時に、好ましくは、前記白金ジハライド化合物は、約20℃または20℃未満の温度で、前記反応混合物のpHを約2または2未満に調節したときに少なくとも約65%の白金が前記単量体の白金ピロリン酸錯体として前記反応混合物から直接的に沈殿する濃度である。
他の実施形態において、特に、より好ましくは、前記白金ジハライド化合物は、約20℃または20℃未満の温度で、前記反応混合物のpHを約2または2未満に調節したときに約75〜85%の白金が前記単量体の白金ピロリン酸錯体として前記反応混合物から直接的に沈殿する濃度である。
本開示に基づいて、当業者は、単量体の白金ピロリン酸錯体を得るための反応および結晶化条件、具体的には特に本明細書中に開示されたものを所望の収率および許容される品質において、特定の要件に応じて、反応物の濃度、および結晶化pH、温度、時間等といったパラメータのバランスをとることにより、最適化することができるであろう。
他の実施形態において、前記反応は、前記白金ジハライド化合物の濃度が、生成物の単離のため、前記溶媒のさらなる濃縮を必要としないか、または最小限に必要とされるような濃度で行われる。好ましい反応濃度は、当業者に理解されうるように、試薬および調製される生成物の溶解性に依存しうるものであり、水と有機湿潤剤との間の比率にもまた依存しうる。したがって、任意の合理的な改変および(R,R)−DACH−2の特定の類似生成物の調製のために用いられる濃度は、本発明の範囲内でありうる。
他の実施形態において、前記方法は、脱色剤を加えること、ならびに、沈殿および結晶化工程の前に、他の未溶解の成分と共に脱色剤を濾過することをさらに含む。当業者に知られた任意の脱色剤は、前記反応条件下において不活性および安定である限り、本発明に適している。かような脱色剤の好ましい一例は、活性炭である。
他の実施形態において、前記単量体の白金ピロリン酸錯体は、NH、置換または非置換の脂肪族アミンおよび置換または非置換の芳香族アミンから独立して選択される、二つのアミン配位子を含む。他の実施形態において、前記単量体の白金ピロリン酸錯体は、ジアミン配位子を含む。
他の実施形態において、前記ジアミン配位子は、置換または非置換の脂肪族1,2−ジアミンおよび置換または非置換の芳香族1,2−ジアミンから選択される。
好ましい実施形態において、前記ジアミン配位子は、1,2−エチレンジアミンおよびシクロヘキサン−1,2−ジアミンから選択される、脂肪族1,2−ジアミンである。
他の実施態様において、本発明は、単量体の白金ピロリン酸錯体の精製方法を提供し、前記方法は、前記単量体の白金ピロリン酸錯体をバッファー中に溶解させること、および前記バッファーから前記錯体を沈殿させること(結晶化させること)を含む。
一実施形態において、前記バッファーは、pHが6〜9の範囲である重炭酸塩バッファーである。
他の実施形態において、前記精製方法は、前記単量体の白金ピロリン酸錯体が溶解するまで加熱する工程、前記溶液を脱色剤で処理する工程、前記溶液を濾過して前記脱色剤および他の未溶解の成分を除去する工程、および前記濾液を冷却して、前記錯体を結晶化する工程をさらに含む。
他の実施形態において、前記脱色剤は、活性炭である。
他の実施形態において、前記バッファーの溶液は、ピロリン酸塩をさらに含む。
他の実施形態において、前記単量体の白金ピロリン酸錯体は、NH、置換または非置換の脂肪族アミンおよび置換または非置換の芳香族アミンから独立して選択される二つのアミン配位子を含む。
他の実施形態において、前記単量体の白金ピロリン酸錯体は、ジアミン配位子を含む。
他の実施形態において、前記ジアミン配位子は、置換または非置換の脂肪族1,2−ジアミンおよび置換または非置換の芳香族1,2−ジアミンから選択される。
好ましい実施形態において、前記ジアミン配位子は、1,2−エチレンジアミンおよびシクロヘキサン−1,2−ジアミンから選択される脂肪族1,2−ジアミンである。
上記の方法のいずれかによる他の好ましい実施形態において、前記ピロリン酸−白金(II)錯体は、以下の式(I)もしくは(II)を有するか、またはこれらの塩である:
式中、
およびRは、それぞれ独立して、NH、置換または非置換の脂肪族アミン、および置換または非置換の芳香族アミンから選択され;
は、置換または非置換の脂肪族または芳香族1,2−ジアミンから選択される。
他の好ましい実施形態において、式(I)中のRおよびRは、それぞれ独立して、NH、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキサンアミン、アニリ、ピリジン、および置換されたピリジンから選択され;式(II)中のRは、エチレンジアミンおよびシクロヘキサンジアミンから選択される。
より好ましい実施形態において、前記白金錯体(II)は、以下の式およびその塩ならびにこれらの混合物から選択される。
他の実施態様において、本発明は、「ワン−ドロップ」プロセスにおいて、高品質かつ良好な単離収率で単量体のアミンまたはジアミン白金ピロリン酸錯体を製造する方法を提供する。一実施形態において、前記方法は、(a)水溶液中において、アミンまたはジアミン白金ハライド錯体を無機ピロリン酸塩と反応させる工程;(b)反応混合物を活性炭で処理する工程;(c)前記活性炭および前記反応中に形成した他の固体不純物を濾過により除去する工程;および(c)濾液を酸性にして前記白金錯体を沈殿させる工程を含む。反応条件および制御ならびに所望の生成物の目的に依存して、「ワン−ドロップ」プロセスは、再結晶といったさらなる精製工程を必要とせずに十分な品質で所望の生成物を製造することができる。
他の実施形態において、時に、前記活性炭は、前記反応混合物中に直接的に添加されないことが好ましいが、異なる方法または等価の技術によって完全に置き換えられる。例えば、活性炭−含有フィルターパッドといった、濾過剤を含むインラインフィルタカートリッジによって置換されうる。これにより、他の利点を提供することに加えて、運転、具体的には反応容器のための洗浄工程が簡素化されるであろう。
他の実施形態において、時に、前記反応中に形成した不要な固体および不純物がフィルタカートリッジ中に捕捉されるように、前記反応混合物を、活性炭−含有フィルターパッドといった濾過剤を含むインラインフィルタカートリッジに通過させ、第二の清浄な容器へ送ると好ましい。所望の生成物を得るため、前記第二の清浄な容器(tank)中で前記濾過された反応混合物を酸性とすることができる。当該濾過プロセスは、反応容器を加圧することによって実施することができ、また、当業者に知られた任意の他の技術によって実施することができる。
他の実施形態において、時に、前記反応混合物を、ポンプを介して、活性炭−含有フィルターパッドといった濾過剤を含むインラインフィルタカートリッジに強制的に通過させ、前記濾液を前記反応容器に循環させると好ましい。所定量の液体を循環させる際、前記反応中に形成した不要な固体および不純物が前記フィルタカートリッジによって本質的に除去されたとき、所望の生成物を得るため、濾過された反応混合物が前記反応容器中で酸性化される。この運転方法は、所望の生成物を「ワン−ポット」プロセスにおいて製造するための反応容器と同様のものを使用する利点を有しており、したがって、第二の容器に伴う運転を簡素化し、コストを節約することができる。
当業者が理解しうるように、他の任意の合成方法およびプロセスにおいて、特定の反応またはプロセスバッチにより製造される生成物の品質は、多くの条件、例えば、反応物および反応条件の品質ならびに制御によって影響を受ける可能性がある。本明細書中に記載された任意の「ワン−ドロップ」および/または「ワン−ポット」プロセスによって、特定の目的のための品質規格を満たしていない所望の生成物を製造するとき、当該得られた生成物は、本明細書中に開示されるように、再結晶プロセスによってさらに精製することができる。
したがって、他の実施形態において、時に、本明細書中に開示された任意の実施形態によるプロセスは、得られた粗生成物を精製するための再結晶工程をさらに含んでいると好ましい。当該再結晶工程は、得られる生成物を精製するために貢献するだけでなく、所望の多形体(polymorph(s))および/または特に所望の粒子径の範囲または分布を含むが、これに限定されない、特定の結晶形の最終生成物を得るためにも役立つであろう。当該プロセスおよびいかなる他の関連するプロセスも当業者の知識の範囲内であり、したがって、これらのいかなる改変も、すべて本開示によって包含される。
他の実施態様において、本発明は、上記任意の実施形態によって調製または精製された単量体の白金ピロリン酸錯体を提供する。我々の知る限り、本発明は、発明の具体例として(R,R)−DACH−2を伴う、この種の単量体のホスファプラチン化合物を、高品質な結晶形および良好な収率で、前臨床および臨床研究における化合物の使用を可能にするスケールで得るための、再現可能な方法を初めて提供する。これらのホスファプラチン化合物は、結腸直腸がんおよび肺がん、具体的にはシスプラチン−耐性の卵巣がんなどを含む種々のがんを治療するために有用な薬物候補である。
他の実施態様において、本発明は、単量体の白金(IV)ピロリン酸錯体またはその塩の製造方法を提供する。当該製造方法は、以下を含む:(1)本明細書中に開示された任意の実施形態による単量体の白金(II)ピロリン酸錯体を調製すること;(2)過酸化水素といった酸化剤を用いて(1)において調製された前記単量体の白金(II)ピロリン酸錯体を参加すること;および(3)前記単量体の白金(IV)ピロリン酸錯体を単離すること。
一実施形態において、前記単量体の白金(IV)ピロリン酸錯体は、以下の式(III)もしくは(IV)を有するか、またはこれらの塩である:
式中、
およびRは、それぞれ独立して、NH3、置換または非置換の脂肪族アミン、および置換または非置換の芳香族アミンから選択され;
R3は、置換または非置換の脂肪族ジアミンおよび置換または非置換の芳香族ジアミンから選択される。
好ましい実施形態において、前記単量体の白金(IV)ピロリン酸錯体は、式(IV)を有し、式中、Rは、1,2−エチレンジアミン(「en−4」)またはシクロヘキサン−1,2−ジアミン(「dach−4」)である。
他の実施態様において、本発明は、開示された任意の実施形態による方法によって調製または精製された、少なくとも96.0%(w/w)または少なくとも98.0%(w/w)の純度を有する、単量体の白金(II)もしくは(IV)ピロリン酸錯体またはその製薬上許容されうる塩を提供する。
他の実施態様において、本発明は、開示された任意の実施形態による方法によって調製または精製された、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチンから選択される一以上の抗がん剤に耐性を示すがんの治療に用いられる、単量体の白金(II)または(IV)ピロリン酸錯体またはその製薬上許容されうる塩を提供する。
他の実施態様において、本発明は、開示された任意の実施形態による方法によって調製または精製された単量体の白金(II)もしくは(IV)ピロリン酸錯体またはその製薬上許容されうる塩および製薬上許容されうる担体を含み、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチンから選択される一以上の抗がん剤に耐性を示すがんの治療に用いられる組成物を提供する。
好ましい実施形態において、前記薬剤耐性のがんは、卵巣がん、精巣がん、小細胞肺がんおよび頭頸部がんから選択される。本明細書中に開示された新規な合成方法および再結晶プロセスは、従来報告されたプロセスに関する多くの問題を克服し、既存のプロセスに対して多くの利点を提供する。例えば、第一に、45〜50倍の倍率で反応濃度を増大させ、約40℃から約60℃まで反応温度を高めることができ、かようなことは、反応効率を改善する。第二に、反応混合物に対する水混和性有機溶媒の添加は、出発原料、すなわち、白金ジハライド錯体の湿潤性を改善し、溶媒の凝固点を下げ、このようなことは、生成物の単離のための最終温度を低くすることができ、収率を改善する。第三に、生成物を結晶化する前に、わずかな着色不純物および他の未溶解の成分を除くため、脱色および凝集剤(好ましくは、活性炭)といった吸着剤によって反応混合物を処理することにより、生成物の単離前に不溶性の過剰のピロリン酸ナトリウムを除去することができ、それゆえ、未反応のピロリン酸ナトリウムの沈澱に起因する、反応における濃度の制限を解消する;反対に、文献の方法では、未反応のピロリン酸ナトリウム試薬の潜在的な沈澱によって、反応濃度は制限されていた。第四に、結晶化のためのpH調節の前に、反応混合物を冷却することにより、生成物の分解が抑制される。さらに、pH調節のため、より濃縮された酸(1Nに対して2N硝酸)を生成物の沈澱に用いることにより、より早く酸を添加することができ、生成物沈殿工程における反応混合物の希釈を減らし、したがって、濾過母液中への生成物のロスを削減する。最終的には、本発明は、「ワン−ポット」または「ワン−ドロップ」プロセスにおいて高品質かつ良好な収率で、さらなる精製工程を伴わずに単量体のアミンまたはジアミン白金ピロリン酸化合物を調製することができることを実証した。
本明細書中で用いられる「水混和性有機溶媒」の語は、室温で水と完全に混和する有機溶媒を指す。水混和性有機溶媒の例は、当業者によく知られている。水混和性有機溶媒は、低級アルキルアルコール、低級アルキルジオール(例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール等)、ケトン(アセトン、2−ブタノン等)、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で用いられる「低級アルキルアルコール」の語は、1〜8の炭素原子、好ましくは1〜6の炭素原子、より好ましくは1〜4の炭素原子を有する脂肪族アルコールを指し、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロパノール)、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等を含むが、これらに限定されない。
本明細書中で用いられる「沈殿」、「結晶化」等の語は、濃度、pH、および/または温度といった一以上の条件を変化させた際、固体、好ましくは所望の生成物が溶液から沈殿する工程を指す。当業者に理解されうるように、生成物が結晶性固体として沈殿するとき、「沈殿」の語は、本質的に「結晶化」の語と同様の意味を有する。したがって、二つの語は、時に交換可能である。
本明細書中で用いられる「高純度」、「高品質」等の語は、既知の純度の参照標準と比較して、HPLCにより評価された際、生成物が少なくとも96.0%(w/w)の純度、好ましくは少なくとも98.0%(w/w)の純度、より好ましくは少なくとも99.0%(w/w)の純度、そして最も好ましくは99.5%(w/w)の純度を有する生成物を意味する。このような参照標準の純度は、好ましくは少なくとも99.0%(w/w)であり、より好ましくは少なくとも99.5%(w/w)であり、最も好ましくは少なくとも99.9%(w/w)である。このような参照基準を準備し(例えば、複数回の再結晶による)、種々の分析機器および方法を使用してその純度を決定し、そして、例えば、HPLC分析のような有効な方法を用い、与えられた生成物を参照標準と比較することによって当該生成物の純度を決定することは、当業者の知識および技術の範囲内である。
「約」の語がpHおよび温度といったパラメータに適用される場合、そのパラメータが±10%で変化しうることを示し、好ましくは±5%以内である。例えば、pHが「約2」であるpHは、1.8〜2.2の範囲内であると解釈されるべきであり、好ましくは1.9〜2.1である。「約」の語が百分率として表現された純度データに適用される場合、それは、丸め(rounding)および科学的有効数字の受け入れられた慣習に従うように解釈されるべきである。例えば、96%として表された純度は、95.5%の純度以上であり、96.49パーセントの純度以下である、いずれかの試料の純度の範囲を包含することを意味する。当業者によって理解されうるように、パラメータが臨界ではない場合、数値は、制限ではなく、しばしば例示の目的のみで与えられる。
本明細書中で用いられる「一つの」、「一の」または「その」は、単数形および複数形の両方を表す。一般に、単数名詞の複数形のいずれかを使用する場合には、名詞の単数形と複数形の両方を意味する。
<文献の方法および条件との比較>
シス−1,2−シクロヘキサンジアミン−(ピロリン酸)白金(II)(「シス−dach−2」)の報告された合成では、例えば、出発材料としてのシス−1,2−シクロヘキサンジアミン−ジクロロ−白金(II)(0.100g,0.26mmol)がピロリン酸ナトリウム十水和物(0.400g)と反応するための反応溶媒として250mLの水が用いられた。約98%の溶媒を減圧下48℃で濃縮し、続いて、硝酸を用いて酸性化し、生成物を沈殿させた。
本明細書中に開示された本発明までに、単量体のジアミン白金ピロリン酸錯体の最も成功した合成は、例えば、国際公開2011/153365A1においてボーズにより報告されたものであり、参照により本明細書中に組み込まれる。一般的な合成スキームおよび(R,R)−DACH−2の合成において生じる可能性のあるいくつかの不純物の構造は、図2において開示される。ボーズは、約35℃〜約45℃までの温度範囲および約6〜約9のpH範囲における、(1,2−シクロヘキサンジアミン)−ジクロロ白金と過剰量のピロリン酸ナトリウムとの反応によるdach−2の合成を開示している。報告された方法を用いて、本発明者らは、約96.3%の純度(HPLC面積)である目的物を約6.3%から29.8%の間の収率で得ることしかできず、緑色の固体であった。この着色は、不純物の存在を示している。これらの実験は、調査または商用目的のための、この提案についての問題、および本明細書中に開示されたさらなる改善の必要性を明らかにする。
水溶性反応混合物を、ピロリン酸の沈澱が形成しない程度に濃縮した。その後、1N硝酸といった酸を添加することにより反応混合物のpHを速やかに2未満に低下させ、次に冷却し、所望の白金ピロリン酸錯体の沈澱を得た。
したがって、文献の方法は、なかでも、以下のような欠かせない条件を強調する:(1)反応および結晶化溶媒としての水の使用、(2)反応を希釈、(3)沈殿前に減圧下で大部分の溶媒(水)を除去、および(4)生成物を沈殿させるための濃縮された反応混合物の速やかな酸性化。既存の方法は、最適化された条件下であっても、一貫性のない収率および品質で所望の生成物を提供する。これまでのところ報告されているように、白金ピロリン酸錯体は、mMスケールでしか調製されておらず、例えば、0.1gmのDACH−Pt−Clを出発とした0.263mMスケールであり、収率は前臨床および臨床研究における化合物の一般的な応用のために満足のいくものではなかった。
数グラム量の(R,R)−DACH−2を調製する試みにおいて、Inorg.Chem.,47,7972(2008)における、ラセミのDACH−2の合成のための実験手順は、0.8gmのDACH−Pt−Clを出発とし、8倍にスケールアップされた。この手順を複数回繰り返した(実施例2)。出発原料であるトランス−(1R,2R)DACH−Pt−Cl(すなわち、本文書の残りにおいてDACH−Pt−Clと称される)を実施例1に従って合成した。
ラセミ類縁体の合成のための元文献の経路を(R,R)−DACH−2の合成のために単純に8倍にスケールアップしたところ、数十から数百キログラムの生成物よりも、はるかに少ない数十グラムの生成物の製造へスケールアップするために、上記手順を受け入れ難くするいくつかの問題が明らかになった。例えば、第一に、上記反応は極めて希釈されている。理論収率に従えば、10kgの生成物を調製するために、78,349L(20,697ガロン)の初期の反応体積が必要となりうる。第二に、生成物の単離には、非常にエネルギーが集中的であり、時間を要するプロセスである、減圧蒸留による大部分(98%)の初期溶媒の除去を要する。第三に、上記反応は、低い収率でしか生成物を与えない。さらに、単離された生成物は、不要なPtを含有する副生成物によってしばしば汚染される。
本発明者らは、特に、白金ピロリン酸錯体の合成は、より高い濃度では有益に実施することができることを見出した。
<高濃度での反応>
文献は、不要な副反応を最小限とするために、均一な溶液中で行われる必要がありうることを示唆している。特に出発原料を完全に溶解させなければならないと考えられているため、これまで、反応は全て非常に希釈された条件下で行われていた。
前述の反応濃度を単純に45〜50倍増加させることで、大量の未溶解の出発原料(DACH−Pt−Cl)が初期に生じることになる。この原料は、湿潤しにくいため、非常に混合しにくく、したがって、結果として一貫しない反応および収率を与える。本発明者らは、今回、湿潤剤として水混和性溶媒を添加することにより、これらの問題に対処することができることを見出した。水混和性アルコールが好ましく、(R,R)−DACH−2の溶解性に基づき、アルコールを含む種々の溶媒の中で、メタノールが最も好ましく選択された(表1)。アルコールの添加により、水の凝固点が下がり、したがって、水単独を溶媒とした時よりも、低い温度で反応を行うことが可能となる。45〜50倍で初期反応濃度を高くすることにより、生成物の単離前、反応混合物を濃縮する必要がなくなる。したがって、本発明は、以前の合成プロセスに関するすべての問題を排除し、はるかに効率的かつ経済的な方法による再現可能な(R,R)−DACH−2の合成を可能にする。新規な方法は、化合物の大規模な製造に適しており、また、高収率かつ高品質で生成物を得ることができる。最も意義深いことに、新規な方法によれば、以前、生成物の単離の前に蒸留されていた約98%の溶媒を除去することによって反応混合物を濃縮する必要性がなくなる。
本発明者らは、ある実施形態において、反応の初期に全ての出発原料DACH−Pt−Clを一度に加えた方が、時間をかけてそれを部分的に添加するよりも、有益であることもまた見出した(実施例3および4の比較により説明される)。したがって、本発明者らは、驚くべきことに、従来の信念に反して、高濃度のDACH−Pt−Clの反応により、所望の生成物がより高い収率および品質で製造されることを見出した。反応速度は、反応濃度、反応温度およびピロリン酸ナトリウムの化学量論の関数であり、実施例5が、2倍過剰のピロリン酸四ナトリウムしか用いなくても良好な収率を達成できることを示すと同時に、3.2倍過剰によって、好ましいより早い反応時間が達成された(実施例6および7)。
提供される実施例は、決して包括的な意味ではなく、反応の全体の速度に与える化学量論および反応温度の効果を単に説明するものである。したがって、より少ないピロリン酸四ナトリウムを用いる類似の反応、例えば、1モル当量しか用いないものも本発明に包含される。
<生成物の溶解性の測定>
この発見の効果を理解するために、種々の有機溶媒中の(R,R)−DACH−2の溶解性を重力測定法で測定した。この目的のために、200mgの(R,R)−DACH−2を5mLの純粋な溶媒中に懸濁させ、室温で30分間撹拌し、続いて40℃に加熱して30分間撹拌した。この懸濁液を濾過し、真空内40℃で乾燥させ、回収された原料の重量から40℃における(R,R)−DACH−2の溶解性を決定した。
<未反応のピロリン酸塩の沈澱制御>
文献は、生成物の単離前の反応混合物の濃度が、ピロリン酸の沈殿物を防ぐような方法で行われなければならないことを特に示唆している。本明細書中で開示された反応条件下、実施例8および9によって実証されるように、未反応のピロリン酸の沈澱の制御は、完全に不要である。したがって、ピロリン酸の沈澱に関する懸念によって、文献において示唆されたような反応濃度の上限が制限されるものではない。
<脱色剤の使用>
このプロセスの反応条件の両方、特に文献の反応条件下では、反応において着色不純物が形成される。生成物の単離前にこれらの不純物の除去が不十分であると、所望のオフホワイトから淡黄色の純粋な化合物とは対照的に、緑色がかったものを含む生成物からから完全に緑色生成物が単離される。活性炭といった脱色剤で反応混合物を処理することにより、色が除去されることが見いだされた(例えば、実施例5、6および9を参照)。加えて、脱色剤は、凝集剤としての役割も果たし、生成物を単離する前の濾過によって、いくらかの微粒子または未反応のピロリン酸の沈澱の除去を容易にすることが見いだされた。
<(R,R)−DACH−2溶液の安定性試験>
試験は、実施例10においてまとめられるように、pH2での(R,R)−DACH−2の飽和水溶液の安定性を測定するために行われた。このデータは、pH2の水溶液中、(R,R)−DACH−2が容易に加水分解されることを示している。この分解速度は、温度が低下するにつれて明らかに小さくなっている。したがって、このデータは、合成反応からの生成物の沈澱のために、pH調節のプロセスを可能な限り低温で行うことが大変望ましいことを示している。混合された水溶性有機溶媒系、特にアルコール中における反応は、反応溶媒の凝固点を低下させ、純水中の反応よりも低い反応温度を可能にする。
<(R,R)−DACH−2錯体の再結晶および精製>
他の実施態様において、本発明は、(R,R)−DACH−2の再結晶および精製のためのプロセスを提供する。このプロセスは、pHが約6〜約9での、重炭酸ナトリウムもしくは硝酸ナトリウムバッファー、またはハードな(hard)アニオンを含む他のバッファー系といったバッファー系中における溶解を含む。好ましくは、ピロリン酸四ナトリウムは、バッファー系中においても存在する。反応混合物は、溶解を促進するために加熱されてもよい。撹拌された溶液は、活性炭等の脱色剤で処理され、濾過され、約0℃に冷却され、そしてpHが2となるまで硝酸を用いて調節される。生じた沈殿は回収され、水およびメタノールで洗浄され、さらに乾燥される。洗浄溶媒は、必要に応じて事前に冷却されてもよい。このプロセスは、DACH−Pt−Cl、低いpHにおいて形成される二量体の分解生成物である(R,R)−DACH−、2およびピロリン酸の不純物を含む不純物の除去において特に効果的である。この新規な再結晶および精製方法は、HPLCにより測定された純度が97%よりも高い単量体の白金ピロリン酸化合物の単離を容易にすることができ、好ましくは98%よりも高い純度、さらにより好ましくは99%よりの高い純度である。したがって、一実施形態において、本発明は、これらの高純度の錯体およびこれらの調製方法を含む。
本発明は、以下の非限定的な実施例によってより十分に開示される。以下の実施例は、プロセスを示し、これらの実施例の変形例は、当業者には明らかであろう。
実施例
A.分析および(R,R)−DACH−2の関連物質の決定のためのHPLC分析方法
希釈液の調製:1000mLの容量フラスコ中で、脱イオン水で1.583gの炭酸水素アンモニウムを溶解させた。規格まで希釈し、よく撹拌した。
(R,R)−DACH−2標準の調製:32mgの(R,R)−DACH−2標準を10mLの容量フラスコに加え、溶解させて炭酸水素アンモニウム希釈液を用いて規格まで希釈した。
Pt−DACH−C1標準の調製:5mgのPt−DACH−Clを50mLの容量フラスコに加え、0.9%の塩化ナトリウム溶液を用いて溶解させて希釈した。この溶液を調製後、5mLをすぐに50mLの容量フラスコへ移し、0.9%の塩化ナトリウム溶液を用いて体積に合わせた。よく撹拌した。
B.(R,R)−DACH−2中のアニオン性不純物の決定のための分析方法
実施例1
トランス−(1R,2R)−DACH−Pt−Clの合成
テトラクロリド白金酸カリウム(85.0gm 0.02mole)を633mLの脱イオン水中に溶解させ、濾過した。得られた赤色溶液に、トランス−(1R,2R)−シクロヘキシルジアミン(28.0gm 0.24mole)を126mLの脱イオン水中に溶解させた溶液を加えた。得られた反応混合物を、66時間、20℃で撹拌し、その間、黄色の沈澱が生成した。懸濁液を濾過し、固体を脱イオン水(500mL)およびメタノール(402gm)で連続して洗浄し、続いて真空下で40℃/25mbarで乾燥し、71.11gm(91.3%)の収量で、黄色固体である、トランス−(1R,2R)−DACH−Pt−Clを得た。HPLC純度;98.8%面積。
実施例2
(R,R)−DACH−2の合成(8倍スケールでのボーズの方法の繰り返し)
トランス−(1R,2R)−DACH−Pt−Cl(0.8gm,1.649mmole)を、ピロリン酸四ナトリウム十水和物(3.2gm,7.10mmole)を1981mLの脱イオン水に溶解させた溶液に加えた。当該溶液を、2N硝酸(約0.08gm)を用いてpH8に調節し、40℃まで加熱し、15時間撹拌し、その間、pHは約6.6まで低下した。この反応混合物を、減圧下で蒸発させることにより、残留量が40mLとなるまで濃縮した。濃縮物のpHは、5.7であった。撹拌された溶液を氷浴中に浸し、2N硝酸(約1gm)を用いてpH2に調節した。沈殿物がゆっくりと形成し、これを濾過により単離し、冷脱イオン水(79mL)およびアセトン(63gm)で連続的に洗浄した。真空乾燥により、緑色がかった固体を得た。最初の実験では0.13gm(6.3%)の生成物が得られ、二回目の実験では0.30gm(29.8%)の生成物が得られた。後者の試料は+1.51ppm(重炭酸塩DO pH不明)に単一の31P NMR共鳴を示し[文献(Inorg.Chem.47,7972(2008))ラセミ体としての(R,R)−DACH−2、+1.78ppm(DO中〜100mM,pH7.93)]、−1755ppmに単一の195Pt NMR共鳴を示した[文献(Inorg.Chem.47,7972(2008))ラセミ体としての(R,R)−DACH−2,−1729ppm(DO中〜100mM,pH7.93)]。HPLC純度;96.3%面積、重力測定の白金定量による純度;97%。
実施例3
少量ずつでのDACH−Pt−Clの添加
ピロリン酸四ナトリウム十水和物(20.5gm 46mmole)を250mLの脱イオン水中に溶解させた。当該混合物を、2N硝酸(3〜5mL)を用いてpH8に調節した。この溶液を40℃まで加熱して、DACH−Pt−Cl(5.0gm,13.1mmole)を5×1gmを5回に分け、8時間にわたって加えた。得られた懸濁液をさらに15時間、40℃で撹拌し、その間、すべての固体は溶解しなかった。この反応混合物を昇温して60℃とし、さらに22時間撹拌を継続し、その間にすべての固体が溶解して透明な緑色がかった溶液が得られた。当該溶液を室温まで冷却し、2N硝酸(30〜35mL)を用いてpHを2に調節した。さらに5℃まで冷却したところ、沈殿が生成した。緑色固体を濾過によって回収し、脱イオン水(3×15mL)およびメタノール(3×15mL)で連続的に洗浄した。真空乾燥により、2.6gm(40.9%収率)の緑色がかった固体を得た。濾液から、二回目の固体を回収した。HPLC分析により、両方の固体が約75%の未反応の出発原料を含み、低収率でしか(R,R)−DACH−2を含んでいないことが示された。
実施例4
1回でのDACH−Pt−Clの添加
ピロリン酸四ナトリウム十水和物(20.5gm 46mmole)を250mLの脱イオン水および10mLのメタノール中に溶解させた溶液に、DACH−Pt−Cl(5.0gm 13.1mmole)を一度に添加した。当該混合物を、2N硝酸(3〜5mL)を用いてpH8に調節し、60℃まで加熱して15時間撹拌した。この間、すべての固体が溶解し、透明な緑色がかった溶液が得られた。当該反応混合物室温までを冷却し、2gmの活性炭を添加した。数分間撹拌した後、上記炭素原子数を濾過により除き、透明な無色の溶液が得られた。この溶液を、2N硝酸(30〜35mL)を用いてpH2に調節し、5℃まで冷却したところ、沈殿が生成した。この固体を濾過により単離し、脱イオン水(3×15mL)およびメタノール(3×15mL)で連続的に洗浄し、真空下で乾燥し、オフホワイトの固体を得た(4.8gm,75.5%収率)。HPLC分析結果:97.6%(面積)(R,R)−DACH−2、2.3%(面積)DACH−Pt−Cl、および0.1%(面積)不明な不純物。
実施例5
2.0当量のピロリン酸を用いた(R,R)−DACH−2の合成
ピロリン酸四ナトリウム十水和物(11.7gm 26.3mmole)を250mLの脱イオン水および10mLのメタノール中に溶解させた溶液に、DACH−Pt−Cl(5.0gm 13.1mmole)を一度に添加した。当該混合物を、2N硝酸(3〜5mL)を用いてpH8に調節し、60℃まで加熱して48時間撹拌し、混濁した緑色がかった溶液を得た。活性炭(2gm)を添加し、60℃で1時間撹拌した。当該溶液を濾過して、室温まで冷却したところで、2N硝酸(30〜35mL)を用いてpHを2まで調節した。この混合物を5℃まで冷却し、得られた沈殿物を濾過により回収した。この固体を、脱イオン水(3×15mL)およびメタノール(3×15mL)で連続的に洗浄した。真空乾燥により、3.6gm(56%収率)の非常にわずかに緑色がかった固体を得た。HPLC分析:97.5%(面積)(R,R)−DACH−2、1.07%(wt/wt)DACH−Pt−Cl、および0.1%(面積)不明な不純物。
実施例6
3.2当量のピロリン酸を用いた(R,R)−DACH−2の合成(HO:MeOH=25:1v/v)
ピロリン酸四ナトリウム十水和物(59.8gm 134.14mmole)を脱イオン水(750ml)およびメタノール(30ml)の混合物中に溶解させた。2N硝酸を用いてこの混合物のpHを調節して8とした。DACH−Pt−Cl(15.0gm 39.45mmole)を一度に添加し、得られた混合物を60℃に加熱した。26時間撹拌を継続し、その間、すべての固体が溶解して透明な無色の溶液が得られた。この溶液を室温まで冷却して、活性炭(1.2gm)を加えた。得られた混合物を室温で65時間撹拌した。当該溶液を濾過し、2N硝酸を用いてpH2に調節し、沈殿が生成した。スラリーを5℃に冷却し、数分間撹拌し、固体を濾過により単離した。濾過ケーキを脱イオン水(3×40mL)およびメタノール(3×40mL)で連続的に洗浄した。真空乾燥後、17.1gm(89.7%収率)の固体生成物を単離した。HPLC分析結果:95.5%(面積)(R,R)−DACH−2、2.0%(wt/wt)DACH−Pt−Cl、0.4%(面積)不明な不純物。イオンクロマトグラフ分析結果:1.19%(wt/wt)P 2−、0.1%(wt/wt)Cl、0.01%(wt/wt)PO 3−
実施例7
3.2当量のピロリン酸を用いた(R,R)−DACH−2の合成(HO:MeOH=7:3v/v)
ピロリン酸四ナトリウム十水和物(59.8gm 134.14mmole)を脱イオン水(525mL)およびメタノール(225mL)の混合物中に溶解させた。2N硝酸を用いてこの混合物のpHを調節して8とした。DACH−Pt−Cl(15.0gm 39.45mmole)を一度に添加し、得られた混合物を60℃に加熱した。16時間撹拌後、無色の混濁した溶液を得た。この溶液を室温まで冷却して2N硝酸を用いてpHを2まで調節したところ、沈殿が生成した。スラリーを5℃に冷却し、数分間撹拌し、この間、固体が増加した。数分間撹拌した後、この固体を濾過により単離し、脱イオン水(3×40mL)およびメタノール(3×40mL)で連続的に洗浄した。真空乾燥後、オフホワイトから黄色の固体(16.5gm,86.1%収率)を得た。HPLC分析:95.3%(面積)(R,R)−DACH−2、1.9%(wt/wt)DACH−Pt−Cl、および0.1%(面積)不明な不純物。イオンクロマトグラフ分析:0.87%(wt/wt)P 2−、0.05%(wt/wt)Cl、0.12%(wt/wt)NO 、および0.04%(wt/wt)PO 3−
実施例8
未反応のピロリン酸の沈澱の制御効果(脱色剤なし、実施例9を参照)
ピロリン酸四ナトリウム十水和物(151.6gm 339.83mmole)を1330mLの脱イオン水に添加し、得られた混合物を60℃に加熱した。得られた溶液を、2Nの硝酸を用いてpH8に調節し、続いてメタノール(500mL)を添加した。DACH−Pt−Cl(38.0gm99.95mmole)を一度に添加し、得られた混合物を40時間、60℃で撹拌し、ほぼ透明な溶液が得られた。1℃まで冷却した後、2N硝酸を用いてpHを調節し、撹拌した。pHが2となり、1〜2分後沈殿が生成した。さらに5分間撹拌した後、この沈澱を濾過により回収し、脱イオン水(3×40mL)およびメタノール(3×40mL)で連続的に洗浄した。真空乾燥により、44.79gm(81.2%収率)わずかに黄色の固体を得た。HPLC分析:87.6%(wt/wt)(R,R)−DACH−2、0.14%(wt/wt)DACH−Pt−Cl、0.05%(面積)不明な不純物、および0.1%(面積)(R,R)−DACH−2二量体。イオンクロマトグラフ分析:15%(wt/wt)P 2−、0.01%(wt/wt)Cl、0.02%(wt/wt)NO 、および0.04%(wt/wt)PO 3−
実施例9
未反応のピロリン酸の沈澱の制御効果(脱色剤あり)
ピロリン酸四ナトリウム十水和物(75.8gm 169.92mmole)を665mLの脱イオン水に加え、得られた混合物を60℃に加熱した。得られた溶液を、2Nの硝酸を用いてpH8に調節し、続いてメタノール(360mL)を添加した。DACH−Pt−Cl(19.0gm 49.98mmole)を一度に添加し、得られた混合物を88時間、60℃で撹拌し、白色の懸濁液が得られた。活性炭(1.5gm)を60℃で添加し、当該溶液を撹拌して濾過した。淡黄色の濾液を2℃に冷却し、2N硝酸を用いてpHを調節した。1〜2分以内に沈殿が生成し、スラリーをさらに5分間撹拌した。沈殿を濾過により回収し、脱イオン水(3×40mL)およびメタノール(3×40mL)で連続的に洗浄した。真空乾燥により、19.21gm(79.5%収率)のわずかに黄色の固体を、再結晶または精製工程が必要となりうることがない程度の純度で得た。HPLC分析:102.2%(wt/wt)(R,R)−DACH−2、0.02%(wt/wt)DACH−Pt−Cl、0.02%(面積)不明な不純物、および0.05%(面積)(R,R)−DACH−2二量体。イオンクロマトグラフ分析:0.25%(wt/wt)P 2−、0.01%(wt/wt)Cl、<0.01%(wt/wt)NO 、および0.01%(wt/wt)PO 3−
実施例10
pH2における(R,R)−DACH−2飽和水溶液の安定性
300mgの(R,R)−DACH−2を15mLの脱イオン水に加えることにより、pH2における(R,R)−DACH−2の飽和水溶液を調製した。得られた懸濁液を30分間撹拌し、0.1M硝酸を用いてpHを2に調節した。この溶液を0.45ミクロンのワットマンポリプロピレンフィルターに通し、透明な溶液を得た。溶液試料は、25℃および5℃で保管した。表2及び表3に示した時間間隔で溶液組成をHPLCにより決定した。
実施例11
(R,R)−DACH−2錯体の再結晶および精製
ピロリン酸四ナトリウム十水和物(7.31gm 16.39mmole)を168mLの脱イオン水に溶解させた。この溶液を60℃に加熱し、(R,R)−DACH−2(3.364gm 6.93mmole)を十分な量の重炭酸ナトリウムと共に加え、pHを8に調節した。約10分撹拌した後、すべての固体が溶解した。(R,R)−DACH−2(0.269gm)に対し、活性炭8%(wt/wt)を加え、混合物を30分間撹拌した。この溶液を濾過し、0℃まで冷却し、ここで、2N硝酸を用いてpHを2に調節した。約10分撹拌した後、沈殿が生成した。さらに15分間撹拌した後、スラリーを濾過し、固体を脱イオン水(3×25mL)およびメタノール(3×25mL)で連続的に洗浄し、その後、真空乾燥した。収量1.651gm(49.1%)、分析データを表4に示す。
実施例12
(R,R)−DACH−2錯体の再結晶および精製
ピロリン酸四ナトリウム十水和物(7.25gm 16.25mmole)を95mLの脱イオン水中に溶解させた。当該溶液を60℃に加熱し、(R,R)−DACH−2(3.335gm 6.87mmole)を十分な量の重炭酸ナトリウムと共に加え、pHを8に調節した。約10分撹拌した後、すべての固体が溶解した。(R,R)−DACH−2(0.267gm)に対し、活性炭8%(wt/wt)を加え、混合物を30分間撹拌した。この溶液を濾過し、0℃まで冷却し、ここで、2N硝酸を用いてpHを2に調節した。約10分撹拌した後、沈殿が生成した。さらに15分間撹拌した後、スラリーを濾過し、固体を脱イオン水(3×27mL)およびメタノール(3×27mL)で連続的に洗浄し、その後、真空乾燥した。収量1.678gm(50.3%)、分析データを表5に示す。
実施例13
(R,R)−DACH−2錯体の再結晶および精製ならびに再結晶された生成物の長期安定性
ピロリン酸四ナトリウム無水物(91.3gm 204.68mmole)を500mLの脱イオン水中に溶解させ、十分な量の重炭酸ナトリウムを加え、pHを8に調節した。このバッファーの溶液を60℃に加熱し、(R,R)−DACH−2(43gm 88.62mmole)を加えたところ、固体が完全に溶解した。少量の重炭酸ナトリウムを加えることにより、pHを8に調節した。約10分間撹拌した後、(R,R)−DACH−2(3.5gm)に対し、活性炭8%(wt/wt)を加えた。得られた混合物を30分間、60℃で撹拌した。この溶液を濾過し、2℃に冷却したところで、2N硝酸を用いてpHを2に調節した。pHが2となり、1〜2分以内に沈殿が生成した。最初の沈澱が形成した後、スラリーをさらに10分間撹拌した。このスラリーを濾過し、固体を脱イオン水(3×300mL)およびメタノール(3×300mL)で連続的に洗浄し、続いて真空乾燥した。収量15.13gm(35.2%)、分析データを表6に示す。
再結晶された試料の長期安定性試験を行った。元封容器(HDPEスクリューキャップを備えた100mLのHDPEボトル)中で、25℃を超えない温度、湿度60±5%で14か月保管した後、(R,R)−DACH−2二量体、Pt−DACH−ジアクオ(diaquo)および不明な不純物が「未検出」から0.18%面積、0.01%面積、および0.19%面積へとそれぞれ変化した一方で(表6)、生成物の純度は、99.78%面積および99.4%w/wから99.60%面積および98.4%w/wへ、わずかに変化しただけであった。これらの結果は、純粋な(R,R)−DACH−2が安定であることを示している。
実施例14
(R,R)−DACH−2参照標準の調製および安定性試験
<粗(R,R)−DACH−2の合成>
DI水(1085mL)中のピロリン酸ナトリウム四水和物(123.7g, 277.23mmol)溶液を調製し、60℃に加熱した。この溶液を、2N硝酸を用いてpH=8となるまで調節し、メタノール(588mL)を加えた。この溶液にPt−DACH−Cl(31.0g,81.54mmol)を固体として一度に加え、撹拌した。その後、わずかに混濁した白色の懸濁液が得られた。濾過し、約2℃まで冷却した後、わずかに黄色の濾液を、2N硝酸を用いてpH=2に調節して撹拌した。pHが2となったとき、1〜2分後に沈殿が生成し、最初の混濁が現れた後、懸濁液をさらに5分間撹拌した。沈殿を濾過し、粗(R,R)−DACH−2生成物(48.81g)をわずかに黄色の固体として得た。これを水およびメタノールで洗浄し、真空中40℃で96時間乾燥させた。HPLC分析は、96.8%(w/w)の純度である、基礎となる参照標準に基づき、99.62%(面積)および約67.5%(w/w)の純度を示した。HPLC分析は、他の不純物を示した:Pt−DACH−Cl,0.10%(面積);(R,R)−DACH−2二量体、0.24%(面積);および不明な不純物、0.04%(面積)。イオンクロマトグラフ分析により、P 2−の含有量が約34%(w/w)であることが示され、これは、当該生成物が相当量の未反応のピロリン酸を含んでいることを示している。
<(R,R)−DACH−2の再結晶>
重炭酸ナトリウム(18.8g)およびピロリン酸ナトリウム四水和物(53g)をDI水(914mL)中に溶解させることにより、バッファーの溶液を調製し、撹拌してpHを8に調節した。このバッファーの溶液を、60℃に加熱した。粗(R,R)−DACH−2生成物(45.56g,67.5%w/w純度、分析により30.7gの生成物を含む)を添加し、約10分間撹拌後、上記バッファーの溶液中に完全に溶解させた。活性炭(0.64g、(R,R)−DACH−2投入量に基づき2%w/w)を溶液に添加して15分撹拌した後濾過した。得られた濾液を約1℃まで冷却し、pHを約2に調節した。pHが2となり、1〜2分で沈殿が生成し、最初の混濁が現れた後、懸濁液をさらに10分間撹拌した。p5のガラスフリットを介して濾過することにより、沈殿を回収した。この固体を冷DI水およびメタノールで洗浄し、真空中で乾燥させ、96.8%(w/w)の純度である、基礎となる参照標準に対して、99.8%(面積)および101.6%(w/w)の純度で(R,R)−DACH−2(15.26g,49.6%回収)を得た。HPLC分析は、他の不純物を含むことを示した:Pt−DACH−Cl、未検出;(R,R)−DACH−2「二量体」、0.15%(面積);およびPt−DACH−ジアクオ(diaquo)、0.03%(面積);ならびにイオンクロマトグラフ分析は、0.10%(w/w)のピロリン酸アニオン(P 2−)を示した。含水重炭酸ナトリウムバッファー中における、pH7での(R,R)−DACH−2の13C NMRスペクトルは、23.56ppm、31.41ppmおよび82.44ppmにおいて三つの共鳴を示し、後者はPtカップリングに起因して分裂する。一方、112Pt NMRスペクトルは、107ppmに単一の共鳴を示す。示差走査熱量測定(DSC)分析は、310℃における熱流量スキャンにおいて、鋭い発熱の後、大きな発熱を示した。かようなことは、310℃の融点が発熱分解を伴うことを示している。(R,R)−DACH−2の熱的重力測定分析は、約310℃で質量損失が開始することを示しており、溶融における試料の分解と一致する。参照標準として用いるため、試料の純度は、全ての不純物の合計のwt%を100%から差し引く標準方法に基づいて、99.35(wt/wt)の純度と決定された。
実施例15
(R,R)−DACH−Pt−Clのスケールアップ合成
テトラクロリド白金酸カリウムKPtCl(約670.1gm)を純水(約5005gm)中に溶解させ、濾過した。得られた赤色溶液に、R,R,−1,2−ジアミノシクロヘキサン(R,R−DACH)配位子の溶液を室温で添加した。得られた混合物を48時間撹拌し、黄色の懸濁液が生成した。その後、この黄色の懸濁液を濾過した。得られた固体を初めに水(約4020gm)で、続いてアセトン(約3176gm)で洗浄し、真空中、室温で乾燥させた。(R,R)−DACH−Pt−Clを96.4%(面積)のHPLC純度で、93.2%の収率(572.4gm)で得た。
実施例16
(R,R)−DACH−2の合成のための「ワン−ドロップ」プロセスのスケールアップ
ピロリン酸ナトリウム十水和物(1117gm,2504mmole)を純水(9800g)中に溶解させ、撹拌下、60℃に加熱した。2N硝酸を用いて得られた溶液のpHを調節した。その後、メタノール(4200gm)を上記溶液に加えた。上記溶液にDACH−Pt−Cl(280gm,736mmole)を固体として一度に加え、混合物を88時間撹拌した。その後、60℃で活性炭(22.40gm)を得られた懸濁液に加えた。数分間撹拌した後、活性炭および他の固体を濾過により除去し、この濾液を約2℃に冷却し、その後、2N硝酸を用いて撹拌しながらpHを約2に調節した。pHを約2として数分間撹拌した後、沈殿が得られた。この沈殿を濾過により回収し、得られた黄色固体を水およびメタノールで洗浄し、その後、真空下、40℃で乾燥させ、(R,R)−DACH−2を80.7%の収率(288.3gm)で、HPLCにより決定された純度98.4%(w/w)で得た。他の分析結果を表7に示す。
好ましい実施形態の上記の実施例および説明は、限定としてではなく、請求の範囲によって定義される本発明の例示として解釈されるべきである。本発明の精神から逸脱することなく、多数の種々の改変がなされうることは当業者に理解されるであろう。

Claims (31)

  1. 水および少なくとも一種の水混和性有機溶媒を含む溶媒系中で白金ジハライド化合物をピロリン酸塩と混合すること;反応混合物を維持して、前記白金ジハライド化合物を前記ピロリン酸塩と反応させ、単量体の白金ピロリン酸錯体を形成すること;前記単量体の白金ピロリン酸錯体を沈殿させること;および前記反応混合物から前記単量体の白金錯体を単離することを含む、単量体の白金ピロリン酸錯体またはその塩の製造方法。
  2. 前記沈殿は、前記反応混合物のpHを2に調節すること、および前記反応混合物を20℃に冷却することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記沈殿の前に、溶媒の一部を留去することにより、前記反応混合物を濃縮することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記pHの調節は、前記反応混合物に鉱酸を含む溶液を加えることを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記pHの調節は、鉱酸を含む溶液に前記反応混合物を加えることを含む、請求項2に記載の方法。
  6. 記水混和性有機溶媒は、低級アルキルアルコール、低級アルキルジオール、ケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフランおよび酢酸からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記水混和性有機溶媒は、低級アルキルアルコールである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記反応は、高温で行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記白金ジハライド化合物は、20℃の温度で、前記反応混合物のpHを2に調節したときに少なくとも65%の白金が前記単量体の白金ピロリン酸錯体として前記反応混合物から直接的に沈殿する濃度である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記白金ジハライド化合物は、20℃の温度で、前記反応混合物のpHを2に調節したときに75〜85%の白金が前記単量体の白金ピロリン酸錯体として前記反応混合物から直接的に沈殿する濃度である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記反応混合物に吸着剤を加えること、前記反応混合物を一定時間撹拌すること、および、前記沈殿の前に、前記吸着剤を未溶解の固体と共に除去することをさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記吸着剤は、活性炭である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記沈殿の前に、濾過剤を含むインラインフィルタカートリッジ(inline filter cartridge)に前記反応混合物を通過させて、前記反応混合物の透明な濾液を得ることをさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記透明な濾液を、前記沈殿のために、他の清浄な容器(clean vessel)に移す、請求項13に記載の方法。
  15. 前記透明な濾液を、前記沈殿の前に、すべての前記反応混合物が透明な溶液となるまで反応容器に循環させる、請求項13に記載の方法。
  16. 前記白金ジハライド化合物は以下の式を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法:
    式中、
    およびRは、NH、置換または非置換の脂肪族アミン、および置換または非置換の芳香族アミンから独立して選択される二つのアミン配位子であり;かつ
    Xは、Cl、Br、およびIから選択されるハロゲンである。
  17. 前記白金ジハライド化合物は以下の式を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法:
    式中、
    は、有機ジアミン配位子であり;かつ
    Xは、Cl、Br、およびIから選択されるハロゲンである。
  18. 前記有機ジアミンは、置換または非置換の脂肪族1,2−ジアミンおよび置換または非置換の芳香族1,2−ジアミンから選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記有機ジアミンは、1,2−エチレンジアミンおよびシクロヘキサン−1,2−ジアミンから選択される、請求項17に記載の方法。
  20. 前記単量体の白金ピロリン酸錯体をバッファー(buffer)中に溶解させる工程および前記バッファーから前記錯体を結晶化させる工程をさらに含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記単量体の白金ピロリン酸錯体は、以下の式(I)もしくは(II)を有するか、またはこれらの塩である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法:
    式中、
    およびRは、それぞれ独立して、NH、置換または非置換の脂肪族アミン、および置換または非置換の芳香族アミンから選択され;
    は、置換または非置換の脂肪族ジアミン、および置換または非置換の芳香族ジアミンから選択される。
  22. およびRは、それぞれ独立して、NH、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキサンアミン、アニリン、ピリジン、および置換されたピリジンから選択され;
    は、1,2−エチレンジアミンおよびシクロヘキサン−1,2−ジアミンから選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記白金錯体(II)は、以下の式およびその塩ならびにこれらの混合物から選択される、請求項21に記載の方法:
  24. (1)請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法により単量体の白金(II)ピロリン酸錯体を調製し;
    (2)(1)において調製された前記単量体の白金(II)ピロリン酸錯体を、過酸化水素を用いて酸化し;および
    (3)単量体の白金(IV)ピロリン酸錯体を単離する、
    ことを含む、単量体の白金(IV)ピロリン酸錯体、またはその塩の製造方法。
  25. 前記単量体の白金(IV)ピロリン酸錯体は、以下の式(III)もしくは(IV)を有するか、またはこれらの塩である、請求項24に記載の方法:
    式中、
    およびRは、それぞれ独立して、NH3、置換または非置換の脂肪族アミン、および置換または非置換の芳香族アミンから選択され;
    は、置換または非置換の脂肪族ジアミンおよび置換または非置換の芳香族ジアミンから選択される。
  26. 前記単量体の白金(IV)ピロリン酸錯体は、式(IV)を有し、式中、Rは1,2−エチレンジアミンまたはシクロヘキサン−1,2−ジアミンである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記鉱酸は、硝酸である、請求項4に記載の方法。
  28. 前記鉱酸は、硝酸である、請求項5に記載の方法。
  29. 前記沈殿は、前記反応混合物のpHを2未満に調節すること、および前記反応混合物を20℃未満に冷却することを含む、請求項1に記載の方法。
  30. 前記白金ジハライド化合物は、20℃未満の温度で、前記反応混合物のpHを2未満に調節したときに少なくとも65%の白金が前記単量体の白金ピロリン酸錯体として前記反応混合物から直接的に沈殿する濃度である、請求項1に記載の方法。
  31. 前記白金ジハライド化合物は、20℃未満の温度で、前記反応混合物のpHを2未満に調節したときに75〜85%の白金が前記単量体の白金ピロリン酸錯体として前記反応混合物から直接的に沈殿する濃度である、請求項30に記載の方法。
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