JP5833317B2 - タイヤ形状計測方法及びタイヤ形状計測装置 - Google Patents
タイヤ形状計測方法及びタイヤ形状計測装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5833317B2 JP5833317B2 JP2011015692A JP2011015692A JP5833317B2 JP 5833317 B2 JP5833317 B2 JP 5833317B2 JP 2011015692 A JP2011015692 A JP 2011015692A JP 2011015692 A JP2011015692 A JP 2011015692A JP 5833317 B2 JP5833317 B2 JP 5833317B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- road surface
- shape
- image
- liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Tires In General (AREA)
Description
また、レーザー変位計による計測は、変位計1個に付き計測点が1点であり、ラインレーザーを用いたとしても、1個に付き1ラインしか同時に計測できないので、タイヤ接地面の周辺全体の形状計測を同時に行うことができなかった。すなわち、レーザー変位計による計測は、タイヤが走行している状態での接地面形状の計測には不向きである。
また、強化ガラス板に作用するタイヤの圧力分布からタイヤの接地面形状を推定する方法でも、光源が点光源であり、かつ、全反射光を光電子増倍管で検出する構成なので、レーザー変位計による計測と同様に、タイヤが走行している状態での接地面形状を計測することは困難であった。
なお、タイヤが走行している状態における接地面形状の測定方法としては、従来、感圧紙などの上にタイヤを押し付ける方法が知られているが、この方法では、タイヤにスリップ角や制駆動力を付与したときに紙に皺が寄るなどして正しい接地面形状を計測することは困難であった。更に、この方法では、接地面形状は獲得できるが、接地面近傍のタイヤ形状は計測することができないといった問題点がある。
また、タイヤの走行中の形状については、FEMなどによるモデル計算により接地面形状を含む接地形状やタイヤの変形を予測する試みも行われているが、結局のところ計算が正しいかどうかは最終的に実測して比較しないと分からないので、実測が困難な現状では計算の正しさを証明することは難しい。
これにより、タイヤが路面を走行する状態を実現できるので、タイヤの接地面の状態や接地面近傍のタイヤの変形状態を精度良く計測することができる。また、タイヤにスリップ角やキャンバー角を与えることで、タイヤに横力が入力したときのタイヤの変形状態についても計測することができるので、実際の走行状態におけるタイヤの形状を精度よく再現することができる。
また、タイヤ踏面内における液体の浸入量や液体に漬かっているタイヤ部分の形状についても精度よく計測することができるので、スリップ状態などのWET路におけるタイヤの走行状態を精度よく把握することができる。
また、液体をタイヤの色である黒色とは対極色である白色とし、撮影された画像の白色の濃淡で、タイヤ踏面内における液体の浸入深さや実際にタイヤの液体に漬かっている深さを精度よく計測することができるようにしたので、タイヤ形状の計測精度を更に向上させることができる。
前記移動手段は、路面を移動させる手段であってもよいし、タイヤと撮像手段とを同時に移動させる手段であってもよい。また、投光手段はタイヤと撮像手段とともに固定されるか、タイヤと撮像手段とともに移動するように設置される構成としてもよいし、路面ととともに固定されるか、路面ととともに移動するように設置してもよい。
これにより、タイヤを助走部から走行部にスムースに移動させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のタイヤ形状計測装置であって、前記タイヤに制動力及び駆動力のいずれか一方もしくは両方を付与する機構を備えることを特徴とする。
これにより、制動時や駆動時におけるスリップ率の違いによるタイヤの接地面の状態や接地面近傍のタイヤの変形状態を精度良く計測することができる。
これにより、タイヤを液体層が設けられた路面上を回転しながら走行させることができるので、タイヤ踏面内における液体の浸入量や地面との接地境界面を中心とするタイヤの形状を精度良く計測することができる。したがって、タイヤの運動性能を考察する上での指標となるデータを提供することができる。
本例では、CCDカメラ14と移動手段16とを固定部材である基台21に搭載し、タイヤ保持手段12を基台21に立設された取付フレーム22に取り付けた。また、路面11とLEDライン光源15とは路面保持部材23を介して移動手段16に取付けられる。
路面11は光を通す透明な素材で構成された走行部11aと、助走慣らし走行用の路面としての助走部11bとを備える。タイヤTは、タイヤ保持手段12により、前後方向(走行方向)が走行部11aの長手方向になるように接地する。以下、図1の左右方向を前後方向、紙面に垂直な方向を幅方向、図1の上下方向を上下方向という。
本例では、後述するように、路面11が移動するが、路面11が静止していると仮定したときのタイヤの移動方向を前側とすると、走行部11aが前側に位置し助走部11bが後側に位置している。また、助走部11bの上面の位置は走行部11aの上面よりも高い位置にある。
路面保持部材23としては、例えば、後述するガイド部材162に立設されたフレーム23aとこのフレーム23aに取付けられて強化ガラス板Gの幅方向端部を下側から支持する支持片23bとを備える。フレーム23aは上部において、強化ガラス板Gの幅方向の端部を規制する。
強化ガラス板Gの長手方向の長さから後述する路面プールを構成するための枠体19の厚さを除いた長さがタイヤTの走行する路面長となり、幅方向の長さから前記枠体19の厚さを除いた長さが路面幅となる。
路面長としては、タイヤTに前後力やスリップ角及びキャンバー角などを付与しない、いわゆる、フリーローリング状態でタイヤ形状を計測する場合には、タイヤTの転がり周長の1/4以上あれば十分である。しかし、タイヤTが制駆動されて前後力が発生した状態やスリップ角・キャンバー角の付与により横力が発生した状態でタイヤ形状を計測する場合には、タイヤの接地挙動を安定させるため、タイヤTの転がり周長の1/3〜1周分程度の路面長が必要である。
路面幅については、試験するタイヤTのタイヤ幅の1.5倍以上あれば十分である。路面幅が狭すぎると光源がカメラに写ってしまう虞れがある。また、路面幅が広すぎる場合には光源の光量を強くする必要があるが、そうすると、路面全体への光源の光の強度分布にムラができやすいので、タイヤ幅の2〜5倍とするのがよく、最大でも10倍以内とすることが好ましい。
なお、走行部11aを構成する材料である路面素材としては、本例で用いた強化ガラス板Gの他に、アクリルや透明プラスチックなどのような光の透過率の高い材料を用いてもよいが、いずれにしても、タイヤTに作用する荷重に耐えられる強度を有している必要がある。強度が弱いとタイヤ荷重や横力、前後力の付与によって路面11が変形したり傷ついてしまい、計測データの精度が低下する。
また、路面11の表面、特に、走行部11aの表面は凹凸のない平滑な面であることが好ましい。具体的な平滑度については計測する形状の必要精度により適宜決定される。例えば、必要精度が0.2mmであれば、路面11の最大凹凸は少なくともその半分である0.1mm以下にする必要がある。
この液体Lは、走行部11aを構成する強化ガラス板Gと、強化ガラス板Gの上面に設けられた枠体19とで囲まれた路面プールに収納される。この液体Lが強化ガラス板G上に液体層を構成する。本例では、枠体19として、強化ガラス板Gの上面の前後の端部に立設された前壁19a及び後壁19bと、強化ガラス板Gの幅方向の両端部に立設された左壁19c及び右壁19dとから成る断面が長方形状のものを用いた。なお、枠体19に代えて、走行部11aを構成する強化ガラス板Gを、端部を高さのあるフレームで取り囲むような形態に加工して路面プールを形成してもよい。また、素材がアクリルや透明プラスチックなどである場合には、路面プールを成形時に形成してもよい。
後壁19bの上面は助走部11bの上面と同じ高さにあり、この後壁19bの前方には斜面部(スロープ)19kが設けられている。このスロープ19kは、タイヤTが助走部11bからスムースに走行部11aに移動するために設けられたもので、図1に示すように、後方である後壁19b側の高さが後壁19bの高さに等しく前方に行くに従って高さが減少する、縦断面が直角三角形の部材から構成される。
また、路面プール内に収納される液体Lの深さとしては、最低が0.1mmで、最大でもタイヤTの全体が浸る深さであればよい。実用的には、液体Lの深さが0.5mm〜10mmの範囲であれば、実際のWET路面でのタイヤの挙動を把握することができる。
液体Lの粘度としては、水と同程度がそれ以下の粘度を有することが好ましい。これは、液体の粘度が高すぎると接地特性に影響するためである。また、雨天時の走行を再現するためには、水と同じ粘度とすることが特に好ましい。
また、液体Lとしては、タイヤTの表面が黒色であるので、水を白い顔料または染料で着色したもの、もしくは、白色の液体を用いることが好ましい。
校正用のデータの取得方法としては、例えば、図3に示すように、走行部11aを構成する強化ガラスと同じ材質のガラス板31の周囲に枠体32を設け、このガラス板31と枠体32とにより形成されたプールに液体Lを投入するとともに、液体Lの深さの半分の厚み(ここでは、0.5mm)を有し、計測するタイヤTと同じ黒色に着色した鉄板33と、厚さが1mm以上の四角柱の角材34とを準備し、鉄板33をガラス板31に密着させるとともに、角材34の一端34aを鉄板33上に載せ、他端34bをガラス板31の上に載せて、ガラス板31の下側から、CCDカメラ14を用いて鉄板33と角材34とを撮影する。ガラス板31と角材34との間の液体Lの厚さは鉄板33側で0.5mmで、角材34の他端34b側に行くに従って減少し、他端34bでは0mmとなる。したがって、図4に示すような、鉄板33の角材34側が載っている側とは反対側の端部33aを原点Oとし、原点Oから角材34の他端34b方向に向かって測った距離xと撮影した画像(撮影画像)の濃淡との関係(実線は測定例、一点鎖線は、深さに対して線形に光を透過する液体を用いた例)、及び、液体Lの深さ(液体深度)と前記距離xとの関係とから、液体の深さと撮影画像の濃淡との関係を示す校正用のデータを得ることができる。
シリンダー装置122は、一端がタイヤ支持部材121に連結されるシリンダーロッド122aとシリンダーロッド122aの他端側に設けられた図示しないピストンを駆動してシリンダーロッド122aの長さを伸縮させるシリンダー本体122bとを備える。シリンダー本体122bが取付フレーム22に取り付けられる。本例では、シリンダー装置122としては油圧シリンダーを用いた。
分力計123は、タイヤ軸Jに取付けられてタイヤ軸Jに作用する前後方向の力であるタイヤ軸力を計測して記録する機能を有する。
本例では、基台21に立設された縦フレーム22aと、縦フレーム22aの上端から水平方向でかつタイヤ幅方向に平行な方向に突出する横フレーム22bとを備えた取付フレーム22の横フレーム22bにシリンダー本体122bを固定している。
このように、タイヤTはシリンダー装置122を備えたタイヤ保持手段12に回転可能に保持されているので、路面11に所定の荷重で接地するとともに、路面11が前後方向に移動すると、タイヤTは路面11との摩擦により回転する。これにより、路面11が後方(図1の右方向)に移動した場合、路面11上の観察者から見ると、タイヤTは回転しながら路面11上を前方(図1の左方向)に走行する。すなわち、本発明のタイヤ形状計測装置10は、タイヤTが回転しながら路面11上を走行する状態を再現できる。
制駆動手段13は、出力軸がタイヤ軸Jに連結されたモーター13aと、このモーター13aの回転数と回転方向とを制御してタイヤ軸Jに付与する駆動力の大きさとブレーキ力の大きさとを制御することで、タイヤTのスリップ率を制御するスリップ率制御手段13bとを備える。
LEDライン光源15は、透過部となる走行部11aの強化ガラス板Gの下側で、かつ、フレーム23aの内側に、光源取付部材15mを介して取付けられる。
本例では、投光手段を路面11ととともに移動させる構成であるので、LEDライン光源15のような、路面11の延長方向に延長する、透過部となる走行部11aの強化ガラス板G全体に均一に光を投射する長さの長い投光手段を用いている。また、光の照射角度としては強化ガラス板Gに対して入射角がほぼ45°になるように設置することが好ましく、これにより、走行部11a全体を均一な明るさで照らすことができる。このとき、LEDライン光源15がCCDカメラ14に映らないような位置にLEDライン光源15を設置することはいうまでもない。
なお、LEDライン光源15に代えてハロゲンランプをなど他の光源を用いてもよい。要は、光量の調節が可能で、試験中の光量が安定し、かつ、走行部11aに沿って光量がバラつかないものであればよい。
本発明においては、前記のように、走行部11a全体を均一な明るさで照らすようにしているが、実際には反射映り込み等による光ムラがあるため、撮影画像を数値化したときに色ムラが発生することがある。そこで、本例では、図5(a)に示すように、走行部11aの強化ガラス板G上にタイヤTと同質のゴムシート35を載せ、液体のない状態で疑似的に走行させて画像を撮影し、この撮影された画像に基づいて色ムラ(明るさのムラ)を補正するようにしている。本来は、強化ガラス板Gは黒色のゴムシートで覆われているので、路面全体が完全な接地領域になるはずである。しかしながら、実際に撮影した画像は、図5(b)に示すように、色ムラが発生している。暗い部分が完全接地領域で明るい部分が光量ムラが大きい部分である。そこで、撮影した画像全体の明るさをマップ化しておき、実際に撮影したデータから差分処理を行うことで、光量ムラ成分を除去し計測の精度を向上させることができる。
移動機構163は、ボールねじ163aとモーター163bとを備える。ボールねじ163aのネジ軸163jの一端側にはモーター163bの出力軸が連結されてボールねじ163aのナット部163nはガイド部材162に固定されている。モーター163bは基台21上に取付けられたモーター取付台25上に固定されているので、モーター163bの回転によりネジ軸163jが回転するとともに、ナット部163nが前後方向に移動することにより、路面保持部材23を介してガイド部材162に取付けられた路面11が前後方向に移動する。
移動速度はボールねじ163aの正確な位置制御により行われ、ボールねじ163aのナット部163nはガイド部材162に固定されているので、試験時にタイヤTに荷重や前後力、横力が発生しても、ガイド部材162の動きには影響はない。
図6(a)〜(c)は、深さ1mmの白く着色した水の層を有する走行部11aをタイヤTが走行したときの撮影画像の一例を示す図で、(a)図は駆動力が作用したときの画像で、(b)図はニュートラル状態(フリーローリング状態)、(c)図は制動力が作用したときの画像である。駆動力作用時のスリップ率は−20%、制動力作用時のスリップ率は20%である。各図において、中央の白い領域Pが水が浸入していない完全接地領域、領域Pの外側の領域Qが接地面から離れている部分(タイヤTと強化ガラス板Gとの間に液体Lの層がある部分)のタイヤTの形状を示す領域、領域Qの外側の領域Rが0.5mm以上の水がある領域である。
また、図7は図6の形状切り出し位置A−Aにおけるタイヤ形状を示す図で、横軸はタイヤ幅方向中心の位置を原点(y=0)としたときの走行部11aの幅方向位置で、縦軸は画像の濃淡から求めた液体深度である。液体深度が0mmの領域Pが完全接地領域である。液体深度が0mm〜0.5mmの領域QはタイヤTの接地面近傍での反射光による像である。領域RではタイヤTには光が当たっていない。
したがって、形状計測手段18にて、図7のようなタイヤ幅方向の液体深度分布をタイヤ前後方向に沿って繋げることにより、タイヤTの接地長だけでなく、タイヤ接地面近傍でのタイヤTの3次元形状を求めることができる。
また、タイヤ軸Jに制駆動力を加えることにより、スリップ率の違いによるタイヤ形状の違いについても計測することができる。
まず、走行部11aの強化ガラス板Gと枠体19とで構成した路面プールに白色の液体Lを所定の深さだけ入れ、校正用のデータを取得する。校正用のデータは、液体Lの深さ(以下、水深という)を変更する毎に行う。なお、前もって、複数の水深について校正用のデータを取得しておいてもよい。
そして、図8(a)に示すように、路面11を路面の進行方向の最後端部である助走部11bの後端側(初期位置)に設定する。この初期位置で図示しないシリンダー装置122のシリンダーロッド122aを伸長させて、タイヤTを助走部11bの後端側に接地させる。
次に、移動機構163のモーター163bを駆動してボールねじ163aのネジ軸163jを回転させて路面11を同図の右方向である後方に移動させる。タイヤTはタイヤ保持手段12に回転可能に取付けられているので、路面11との摩擦により回転しながら助走路11からスロープ19k方向に移動し、図8(b)に示すように、走行部11aの強化ガラス板Gの上面に着地する。
CCDカメラ14によるタイヤ接地面の撮影とタイヤ軸力の測定とは、タイヤTが走行部11aの強化ガラス板Gに着地した時点から開始する。なお、このとき、タイヤTには、シリンダー装置122により、所定の荷重がかけられているものとする。
ボールねじ163aのネジ軸163jの回転により、走行部11aと助走部11bとは同図の右側である後方に更に移動する。すなわち、走行部11aが静止していると考えると、タイヤTは水深の走行部11aを前方に回転しながら走行する。
CCDカメラ14は、回転しながら走行するタイヤTを透明な強化ガラス板GのタイヤTとは反対側からタイヤTの接地面と接地面近傍を撮影する。本例では、LEDライン光源15が透過部である走行部11aの強化ガラス板Gの全長に亘って設けられているので、走行部11a全体を均一な明るさで照らすことができる。
そして、図8(c)に示すように、タイヤTが路面11の前端部まで進んだ時点で撮影を終了し、路面11の移動を停止する。
CCDカメラ14で撮影された画像のデータは画像処理手段17に送られ、画像処理手段17にて画像の各画素の輝度分布が求められる。形状計測手段18では、輝度分布から液体深度を計算して、タイヤTの3次元形状を計測する。
これにより、従来1点もしくは1ラインしか同時に計測できなかったタイヤ接地面と接地面近傍の形状を同時に計測できるので、走行中のタイヤ形状と接地状態とを精度よく計測することができる。また、タイヤ軸力も同時に計測できるので、タイヤ軸力の変化と接地特性及びタイヤ形状との関係を考察することが可能となる。更に、タイヤ接地面に入り込んだ水の量についても計測できるので、タイヤのWET特性も考察できる。
また、前記例では、路面プールに白色の液体Lを投入してタイヤ接地面の形状を計測したが、DRY路走行時おける接地面のみの形状を計測するのであれば、路面プール及び液体Lを省略してもよい。これにより、従来は計測できなかった、タイヤTを回転させながらDRY路を走行させたときのタイヤ接地面の形状を計測することができる。
また、前記例では、走行部11aを全て透明な強化ガラスで構成したが、路面幅を広くとれる場合には、幅方向中央のみを透明な強化ガラスで構成し、幅方向外側を金属板等で構成してもよい。但し、強化ガラス部分の幅としては、試験するタイヤTのタイヤ幅の2〜5倍とすることが好ましい。
また、路面11を長くする場合などには、前後方向に強化ガラスと金属板とを交互に接合した構成にしてもよい。この場合、金属板の役割は隣接する強化ガラスを連結することなので、前後方向の長さはできるだけ短い方が好ましい。
実用的には、スリップ角としては±10°程度まで付与できれば十分であり、キャンバー角としては±5°程度まで付与できれば十分である。
また、前記例では、路面11を移動させたが、路面を固定してタイヤTとCCDカメラ14とを移動させるような構成としてもよい。
また、図9(a)に示すように、投光手段であるLEDライン光源15sを、光源固定部材15nを介して基台21に固定した構成としてもよい。この場合はLEDライン光源15sの長さは、図9(b),(c)に示すように、CCDカメラ14の撮影範囲をカバーする長さがあれば十分である。
走行路は、長さ2000mm×幅800mm×厚さ50mmの透明な強化ガラス板を用い、この強化ガラス板を、ゴム層を介して、樹脂製の枠に固定した。また、樹脂とガラス板との界面は接着剤で接着するとともに、水漏れ防止のためコーキング処理を行った。樹脂製の枠は、実施の形態の枠体19と路面保持部材23とを一体化したものである。
助走路の幅は走行路の幅と同じく800mmとし、長さを1mとした。
そして、走行路と助走路とを、長さ8mのガイドレール上に設置される金属製のガイド部材に固定した。
ガイド部材には長さ8mのボールねじが設置されており、ボールねじのネジ軸はモーターに回転する。本実施例では、路面を0〜10m/min.の範囲で走行させるようにした。
CCDカメラはタイヤ軸の中心軸直下で、強化ガラス板の1m下方に設置した。撮影は、1秒に30枚(30fps)実施した。
樹脂製の枠と強化ガラスで囲まれた路面プール内には、蒸留水に顔料を加えて白く着色した水を水深が1mmになるよう入れ、試験前に校正用のデータを取得した。校正用のデータの取得方法は、実施の形態に記載した通りである。
試験タイヤは、195/65R15のパターンのないスムースタイヤを用いた。
試験タイヤの空気圧は200kPaで、荷重は4kNに設定し、スリップ角とキャンバー角とをともに0°とした。
路面速度は5m/min.の一定条件とし、スリップ率を0、±20%と振った状態でタイヤ形状計測試験を実施した。
また、撮影と同時に、タイヤ軸力を分圧計で計測した。
計測の結果、荷重4kNに対して、発生した前後力は1kNであった。また、路面μは約0.25であった。
このときのタイヤ形状は図6(a)〜(c)に示した通りである。
タイヤ形状は任意の部分け切り出し可能であり、その一部は図7に示した通りである。
図6(a)〜(c)に示すように、タイヤに制動力が付与されるとタイヤには進行方向に対して後ろ向きの力が働き、接地面が後方に移動し、駆動力が付与されると逆に接地面が前方に移動することがわかる。
このように、本発明によるタイヤ形状計測装置を用いることにより、タイヤ形状と接地状態とを精度よく計測することができることが確認された。
12 タイヤ保持手段、121 タイヤ支持部材、122 シリンダー装置、
123 分力計、13 制駆動手段、13a モーター、13b スリップ率制御手段、
14 CCDカメラ、15 LEDライン光源、15m 光源取付部材、
16 移動手段、161 ガイドレール、162 ガイド部材、163 移動機構、
163a ボールねじ、163b モーター、17 画像処理手段、
18 形状計測手段、19 枠体、19a〜19d 壁、19k スロープ、
21 基台、22 取付フレーム、23 路面保持部材、23a フレーム、
23b 支持片、24 レール保持台、25 モーター取付台、
T タイヤ、J タイヤ軸、G 強化ガラス板、L 液体。
Claims (4)
- タイヤを回転可能に保持するタイヤ保持手段と、
少なくとも前記タイヤが接地する部分が光を透過させる材料で構成された透過部を備え前記タイヤの前後方向に延長する路面と、
前記路面のタイヤ側に設けられた枠体と、
前記路面と前記枠体とにより形成された空間に収納されて前記透過部の上面に液体層を形成する、白色、もしくは、白色に着色された液体と、
前記透過部の前記タイヤが接地する側とは反対側に設置されて前記タイヤの接地面と接地面近傍とを撮影する撮像手段と、
前記撮像手段と同じ側に設置されて前記タイヤに光を照射する投光手段と、
前記撮像手段で撮影したタイヤの画像を画像処理して各画素の輝度データを算出するとともに、前記撮影した画像の濃淡分布に対応する各画素の輝度分布を求める画像処理手段と、
前記輝度分布から前記タイヤと前記透過部との間にある前記液体の厚さである深度分布を算出して、前記タイヤの3次元形状を計測する形状計測手段と、
前記路面を、前記タイヤと前記撮像手段とに対して、前記タイヤの前後方向に相対的に移動させる移動手段とを備え、
前記タイヤの3次元形状が、前記タイヤのタイヤ幅方向の深度分布をタイヤ前後方向に繋げて得られた、前記タイヤの接地面と接地面近傍の3次元形状であり、
前記形状計測手段では、
前記算出された輝度データと、予め求めておいた、前記路面上に前記タイヤと同質のゴムシートを載せて走行させた画像を撮影して得られた画像の輝度データとの差分を求める差分処理を行って、前記輝度データの光量ムラ成分を除去した後、前記液体層の深さごとに予め求めておいた前記路面と前記タイヤと同じ色の板との間の液体層の厚さと画像の濃淡との関係を示す校正用のデータと前記光量ムラ成分が除去された輝度データとから、前記タイヤの3次元形状を計測する、
ことを特徴とするタイヤ形状計測装置。 - 前記路面は、前記透過部を有する走行部と、前記走行部の前記タイヤの移動方向とは反対側に設けられる、前記タイヤ側の面である上面の位置が前記走行部の上面よりも高い助走部とを備えるとともに、
前記走行部と前記助走部との間に、前記走行部の上面と前記助走部の上面とを連結する斜面部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ形状計測装置。 - 前記タイヤに制動力及び駆動力のいずれか一方もしくは両方を付与する機構を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ形状計測装置。
- タイヤを透明板上に接地させ、前記透明板の前記タイヤが接地する側とは反対側から前記タイヤに光を照射して前記タイヤの形状を撮影し、この撮影された画像から前記タイヤの形状を計測するタイヤ形状計測方法において、
前記タイヤを回転可能に保持するとともに、前記透明板の表面に、白色の液体、もしくは、白色に着色された液体から成る液体層を設けて、前記透明板を前記タイヤの前後方向に移動させながら前記タイヤの接地面と接地面近傍とを撮影した後、
前記透明板を前記タイヤの前後方向に移動させながら撮影した画像の輝度データを用いて、前記タイヤのタイヤ幅方向における前記液体層の厚さの分布をタイヤ前後方向に繋げた前記タイヤの深度分布を求めるとともに、前記液体層の深さごとに予め求めておいた前記路面と前記タイヤと同じ色の板との間の液体層の厚さと画像の濃淡との関係を示す校正用のデータと前記タイヤの深度分布とを用いて、前記タイヤの接地面と接地面近傍の3次元形状を求めることを特徴とするタイヤ形状計測方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011015692A JP5833317B2 (ja) | 2011-01-27 | 2011-01-27 | タイヤ形状計測方法及びタイヤ形状計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011015692A JP5833317B2 (ja) | 2011-01-27 | 2011-01-27 | タイヤ形状計測方法及びタイヤ形状計測装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012154858A JP2012154858A (ja) | 2012-08-16 |
JP5833317B2 true JP5833317B2 (ja) | 2015-12-16 |
Family
ID=46836722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011015692A Expired - Fee Related JP5833317B2 (ja) | 2011-01-27 | 2011-01-27 | タイヤ形状計測方法及びタイヤ形状計測装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5833317B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9485473B2 (en) | 2012-09-13 | 2016-11-01 | Alstom Technology Ltd | Method and system for determining quality of tubes |
KR101484504B1 (ko) * | 2013-04-17 | 2015-01-20 | 장철환 | 타이어 동접지압 감지 모듈 및 이를 이용한 타이어 시험장치 |
KR101489239B1 (ko) | 2013-08-08 | 2015-02-04 | 주식회사 천일시스템 | 쇼트 트랙형 타이어 시험장치 |
GB201318824D0 (en) | 2013-10-24 | 2013-12-11 | Wheelright Ltd | Tyre condition analysis |
JP6519270B2 (ja) * | 2015-03-30 | 2019-05-29 | 横浜ゴム株式会社 | ゴムの接触面の観察装置および方法 |
JP6544018B2 (ja) * | 2015-04-21 | 2019-07-17 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ解析装置及びタイヤ解析方法 |
JP7017899B2 (ja) * | 2017-10-12 | 2022-02-09 | Toyo Tire株式会社 | タイヤ接地状態評価方法 |
JP2021012093A (ja) * | 2019-07-05 | 2021-02-04 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ接地状態観測装置 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH035117Y2 (ja) * | 1985-03-07 | 1991-02-08 | ||
US5289267A (en) * | 1991-10-04 | 1994-02-22 | Kms Fusion, Inc. | Electro-optical system for gauging surface profile deviations |
US5777731A (en) * | 1997-02-21 | 1998-07-07 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Calibration of optical properties to measure depth of a liquid |
JP2001184510A (ja) * | 1999-12-24 | 2001-07-06 | Mitsubishi Chemicals Corp | 欠陥検出方法 |
JP2001208653A (ja) * | 2000-01-31 | 2001-08-03 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 湿潤路面における車両走行時のタイヤ接地形状の撮影方法 |
JP4184564B2 (ja) * | 2000-02-10 | 2008-11-19 | 住友ゴム工業株式会社 | 室内用タイヤ接地面解析装置 |
JP2005132156A (ja) * | 2003-10-28 | 2005-05-26 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | タイヤ接地形状観測方法及びその装置 |
JP4894334B2 (ja) * | 2006-04-06 | 2012-03-14 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ接地部付近の表面形状検出方法と装置及び表面形状測定方法 |
JP4433328B2 (ja) * | 2008-01-23 | 2010-03-17 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ形状の測定方法 |
-
2011
- 2011-01-27 JP JP2011015692A patent/JP5833317B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012154858A (ja) | 2012-08-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5833317B2 (ja) | タイヤ形状計測方法及びタイヤ形状計測装置 | |
CA2632724A1 (en) | Apparatus and method for measuring the surface of a body | |
ATE447354T1 (de) | Ausrichtungsverfahren für ein ophthalmisches messgerät und ausrichtungsvorrichtung dafür | |
JP2010169503A5 (ja) | ||
EP0960318A1 (en) | Method and device for measuring and quantifying surface defects on a test surface | |
KR20140041890A (ko) | 고해상도 표면 측정 시스템 및 방법 | |
US7453777B2 (en) | Method and device for optical form measurement and/or estimation | |
CN105953742A (zh) | 基于未知环境检测的3d激光扫描仪 | |
CN105277133A (zh) | 表面倾斜或弯曲的透明材料的主体的高度图的计算方法 | |
JP2008139273A (ja) | ひずみの測定方法及び測定システム | |
CN100340840C (zh) | 光学形状测量或评定的方法及装置 | |
KR102258385B1 (ko) | 완제품 타이어의 트레드 블록 마찰에너지 측정방법 | |
US6545765B1 (en) | Method and apparatus for measuring thickness of transparent films | |
JP2014102126A (ja) | ゴム摩擦試験方法及びゴム摩擦試験装置 | |
JP2006194800A (ja) | 研磨加工測定方法及び研磨装置 | |
JP2012220254A (ja) | 帯状部材の継ぎ目形状測定方法とその装置及び変位量計測装置 | |
CN114964098A (zh) | 导轨缺陷检测以及修复方法 | |
JP7017899B2 (ja) | タイヤ接地状態評価方法 | |
CN113465886A (zh) | 一种用于激光显示散斑测量的自动对焦系统 | |
CN211652027U (zh) | 一种有效测量HUD中Combiner呈现虚像距离的装置 | |
JP2007230328A (ja) | タイヤ接地面計測装置及びタイヤ接地面計測方法 | |
TW201808597A (zh) | 用來處理薄膜的裝置以及方法 | |
CN105556241B (zh) | 在环境光下的行走机构的测量 | |
CN101119501A (zh) | 调制传递函数值测量装置及方法 | |
CN107543824A (zh) | 平面光学元件表面疵病的检测装置及其检测方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140710 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140715 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150210 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150413 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151006 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151029 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5833317 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |