JP5832501B2 - 給紙装置及び印刷機並びにシワ抑制方法 - Google Patents
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Description
シワの発生を抑制しつつ紙継ぎを行なう技術が、特許文献1に開示されている。この技術では、紙継ぎ準備に入る前の図7(a)に示す通常運転姿勢で紙パスが長くなると、アーム装置11を回動させずに現巻取紙を給紙位置に配置したままで、紙継ぎ装置を紙継ぎ位置に移動させて紙継ぎ装置のウェブ押さえ部材を現巻取紙のウェブの紙パス領域に当接させる(紙押さえ工程)。その後にアーム装置11を回動させて現巻取紙をガイドローラから離間させるとともに、新巻取紙を紙継ぎ位置に接近させ、新巻取紙のウェブの先端部を現巻取紙のウェブに接着し(回動及び接着工程)、その後現巻取紙のウェブを切断する(切断工程)。さらに、押さえ部材を回動して新巻取紙を給紙位置に移動させる(復帰工程)。これにより、紙パスが長くなることを回避でき、シワの発生を抑制できるとされている。
特許文献2の技術は、紙継ぎ失敗により不良となったウェブがその下方に位置する待機時の巻取紙の粘着部に貼り付く点に着目したものであるが、紙継ぎ失敗によらなくても、上記のように、紙継ぎ装置を予め紙継ぎ位置に移動させてから新巻取紙を紙継ぎ位置に移動させるという順序を取ると、新巻取紙の粘着部が走行中のウェブに触れて貼り付くおそれがある点に着目し、粘着部の貼り付きを回避する対策が求められる。
(3)前記粘着部は、前記新巻取紙の外周面に形成され保護シートを剥ぐことによって露出する粘着面であることが好ましい。
(5)前記粘着部センサが粘着部を検出しない場合に警報を発する警報装置を備えることが好ましい。
(6)前記粘着部センサは、前記紙継ぎ装置の紙継ぎ用押し付け部材を動作させるタイミングを決定するために用いられるものであることが好ましい。
(7)前記アーム装置には、前記アームが3対備えられていることが好ましい。
(8)また、本発明の印刷機は、上記の給紙装置を備えた給紙部と、前記給紙部から給紙されるウェブに印刷をする印刷部とを備えている。
なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。かかる実施形態を部分的に用いて実施したり、一部を変更して実施したり、同等の機能を有する他の機構や装置に置き換えて実施したりすることができるものである。
本実施形態にかかる給紙装置は、新聞輪転機等の輪転印刷機(輪転機、以下、単に印刷機ともいう)の給紙部に装備される。図3はタワー式の新聞輪転機の一例を示すもので、図3に示すように、新聞輪転機100は、複数の印刷ユニットT1〜T6,ウェブパス部40及び折加工部50が印刷用紙としての連続紙(ウェブ)1の走行経路にこの順にそなえて構成される。
各印刷ユニットT1〜T6の印刷部30には、ウェブ1を挟んで、刷版をそれぞれ装着された版胴31,31と、これに接触するブランケット胴32,32とがそれぞれ各印刷ユニットのインキ色の分だけ備えられている。
次に、本実施形態にかかる給紙装置を説明する。図1は本実施形態にかかる給紙装置の要部構成図である。図1に示すように、給紙装置10は、複数対(ここでは3対)のアーム13a〜13c(各アームを区別しない場合には、符号13で示す)を有する3本アーム式のアーム装置11と、ウェブ1を抑えるウェブ押さえ部材15を有し、新巻取紙の旧巻取紙への紙継ぎをする紙継ぎ装置14と、を備えている。
紙継ぎ装置14は、このアクチュエータ19によって移動され、通常運転時には、走行するウェブ1から大きく離隔した退避位置をとり、紙継ぎ時には、走行するウェブ1にウェブ押さえ部材15を圧接させる紙継ぎ位置をとる。本装置の場合、この2つの位置のほかに、紙継ぎ位置の所定距離だけ手前の位置(ウェブパス長さ短縮位置)をとるようになっている。
このような給紙装置10の各部を制御するために、制御装置60が装備されている。
制御装置60は、インターフェース,CPU,メモリなどからなるコンピュータを備え、粘着部センサ71,回転センサ72,ギャップセンサ73等の検出情報及び本装置特有の制御(ペースタ事前移動制御)のオンオフを設定するペースタ事前移動モードスイッチ74のオンオフ信号に基づいて、アーム回動装置17,巻取紙2の加速装置18,紙継ぎ装置14のアクチュエータ19等の作動を制御する。
制御装置60には、この回転数を累積しながら巻取紙2の累積回転数に基づいて給紙によって減少する巻取紙2の外径(ロール径)RORを演算するロール径演算部61が設けられる。また、制御装置60には、ロール径演算部61によって演算されたロール径RORを予め設定された第1所定径R0及び第2所定径R1(R0<R1)と大小比較判定するロール径判定部62が設けられる。
制御装置60には、さらに、アーム回動装置17の作動を制御するアーム回動制御部63と、紙継ぎ装置14のアクチュエータ19の作動を制御するペースタ移動制御部64と、巻取紙2の加速装置18の作動を制御して巻取紙(ロール)2の回転を制御するロール回転制御部65と、これらの各制御部63,64,65を統合制御する統合制御部66とをそなえている。
つまり、ペースタ事前移動モードスイッチ74がオンに設定されていて、現巻取紙2aロール径RORが、図2(a)に示すように第2所定径R1まで減少すると、図2(b)に示すように、アーム回動制御部63を通じてアーム装置11を通常運転姿勢から紙継ぎ姿勢へと回動させる。このときには、紙継ぎ装置14は退避位置のままとする。
アーム装置11が紙継ぎ姿勢になると、新巻取紙2bは紙継ぎ位置を取るので、粘着部センサ71で新巻取紙2bのウェブの粘着部3を検出することができる。ここでは、ロール回転制御部65によって、新巻取紙2bの加速装置18の作動を制御して巻取紙2を回転させながら、粘着部センサ71で新巻取紙2bのウェブの粘着部3を検出する。
なお、ここで、ウェブの粘着部3が検出されない場合には、粘着部3の保護シートがはがされていないものと判断し、警報装置67を作動させて警告する。なお、警報装置67には、ブザーやライト、或いはこれらの組み合わせを適用できる。
これによって、ウェブ1は紙継ぎ装置14のウェブ押さえ部材15の両端のローラ15a,15bと接触するため、ウェブパス部分の長さも短縮する。
本実施形態にかかる給紙装置は、上述のように構成されるので、例えば、図5,図6に示すように、紙継ぎに至る制御が実施される。
つまり、図5に示すように、ペースタ事前移動モードスイッチ74がオンに設定されているか否かを判定し(ステップS10)、ペースタ事前移動モードスイッチ74がオフであれば、通常通りのペースタサイクルを実施する。
その後、アーム装置11の回動を開始し(ステップS40)、これと並行して新巻取紙2bのロール径(NR巻径)RNRを算出し(ステップS50)、アーム装置11の回動を終了する(ステップS60)。
本実施形態にかかる給紙装置及びシワ抑制方法によれば、巻取紙2の外径が減少し紙継ぎが近づいてウェブ1のパス長が長くなってシワが発生し易くなる状況下で、ウェブ1のパス長を抑えてそのバタつきを抑制し、シワの発生を防止することができる。
また、粘着部3が供給中のウェブ1に対向しない位置とする際、既存の紙接ぎ用のセンサ71を流用するのでコスト増が抑えられる。
また、粘着部3の保護シートの剥ぎ忘れがあっても警報により事前に気づくことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
例えば、上記の実施形態では、アーム13が3本のタイプのアーム装置11を襟持したが、アームの数はこれに限定されない。
2,2a〜2c 巻取紙
3 粘着部(粘着面)
10 給紙装置
11 アーム装置
12 回転軸
13,13a〜13c アーム
14 紙継ぎ装置
15 ウェブ押さえ部材
16 最上流のガイドローラ
17 アーム回動装置
18 加速装置(巻取紙を回転させる駆動装置)
19 アクチュエータ
60 制御装置
74 ペースタ事前移動モードスイッチ
61 ロール径演算部
62 ロール径判定部
63 アーム回動制御部
64 ペースタ移動制御部
65 ロール回転制御部
66 統合制御部
71 粘着部センサ
72 回転センサ
73 ギャップセンサ
Claims (9)
- それぞれ巻取紙を支持する複数のアームを有するアーム装置と、
前記アーム装置を通常運転姿勢から紙継ぎ姿勢へと回動させるアーム回動装置と、
前記各アームに装備され、支持している前記巻取紙を回転させる駆動装置と、
前記巻取紙から供給されるウェブを案内するガイドローラと、
前記巻取紙を新旧交換する際に、給紙時の退避位置から紙継ぎ位置に移動し、新巻取紙の旧巻取紙への紙継ぎをする紙継ぎ装置と、
前記紙継ぎ装置に装備され、前記紙継ぎ位置において前記旧巻取紙のウェブの背面に当接し前記ウェブを抑えるウェブ押さえ部材と、
前記新巻取紙に設けられた紙継ぎ用の粘着部を検出する粘着部センサと、
前記ウェブを供給している巻取紙の径が紙継ぎ時の第1所定径よりも大きい第2所定径まで減少したら、前記アーム装置を通常運転姿勢から紙継ぎ姿勢へと回動させ、前記粘着部センサの検出情報に基づいて前記粘着部を前記供給中のウェブに対向しない位置になるように移動させ、前記紙継ぎ装置を、前記退避位置から前記紙継ぎ位置の手前で前記ウェブ押さえ部材が前記旧巻取紙のウェブの背面に当接する位置まで移動させる制御装置とを有し、
前記制御装置は、前記ウェブを供給している巻取紙の径が紙継ぎ時の第1所定径まで減少したら、前記紙継ぎ装置を前記紙継ぎ位置まで移動させ、前記新巻取紙の周速が前記旧巻取紙の各ウェブの移動速度と同期するように前記駆動装置を制御し、前記粘着部センサの検出情報に基づいて前記紙継ぎ装置の紙継ぎ用押し付け部材を紙継ぎ動作させる、
給紙装置。 - 前記制御装置は、前記粘着部を移動させる際に、前記粘着部が前記供給中のウェブに対向する位置から180度位相がずれた反転領域まで移動するように前記駆動装置を制御する
請求項1記載の給紙装置。 - 前記粘着部は、前記新巻取紙の外周面に形成され保護シートを剥ぐことによって露出する粘着面である
請求項1又は2記載の給紙装置。 - 前記粘着面の明度は前記新巻取紙の表面よりも明度が低く、前記保護シートの表面の明度は前記新巻取紙の外周面の明度と略同様である
請求項3記載の給紙装置。 - 前記粘着部センサが粘着部を検出しない場合に警報を発する警報装置を備える
請求項1〜4の何れか1項に記載の給紙装置。 - 前記粘着部センサは、前記紙継ぎ装置の紙継ぎ用押し付け部材を動作させるタイミングを決定するために用いられるものである
請求項1〜5の何れか1項に記載の給紙装置。 - 前記アーム装置には、前記アームが3対備えられている
請求項1〜6の何れか1項に記載の給紙装置。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載の給紙装置を備えた給紙部と、前記給紙部から給紙されるウェブに印刷をする印刷部とを備えている、印刷機。
- それぞれ巻取紙を支持する複数のアームを有するアーム装置と、前記アーム装置を通常運転姿勢から紙継ぎ姿勢へと回動させるアーム回動装置と、前記各アームに装備され、支持している前記巻取紙を回転させる駆動装置と、前記巻取紙から供給されるウェブを案内するガイドローラと、前記巻取紙を新旧交換する際に、給紙時の退避位置から紙継ぎ位置に移動し、新巻取紙の旧巻取紙への紙継ぎをする紙継ぎ装置と、前記紙継ぎ装置に装備され、前記紙継ぎ位置において旧巻取紙のウェブの背面に当接し前記ウェブを抑えるウェブ押さえ部材と、前記新巻取紙に設けられた紙継ぎ用の粘着部を検出する粘着部センサと、を備えた給紙装置によって給紙されるウェブのシワを抑制する方法であって、
前記ウェブを供給している巻取紙の径が紙継ぎ時の第1所定径よりも大きい第2所定径まで減少したら、前記アーム装置を通常運転姿勢から紙継ぎ姿勢へと回動させるアーム回動工程と、
前記粘着部センサの検出情報に基づいて前記粘着部を前記供給中のウェブに対向しない位置になるように移動させる粘着部移動工程と、
前記紙継ぎ装置を、前記退避位置から前記紙継ぎ位置の手前で前記ウェブ押さえ部材が前記旧巻取紙のウェブの背面に当接する位置まで移動させるウェブ押さえ移動工程と、
前記ウェブ押さえ移動工程後、前記ウェブを供給している巻取紙の径が紙継ぎ時の第1所定径まで減少したら、前記紙継ぎ装置を前記紙継ぎ位置まで移動させ、前記新巻取紙の周速が前記旧巻取紙の各ウェブの移動速度と同期するように前記駆動装置を制御し、前記粘着部センサの検出情報に基づいて前記紙継ぎ装置の紙継ぎ用押し付け部材を紙継ぎ動作させる紙継ぎ工程と、
を有する、シワ抑制方法。
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