JP5832125B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真プロセス方式を利用して記録材に画像を形成する複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置としては、熱ローラ方式やフィルム加熱方式の装置が広く用いられている。特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えた方法、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間にフィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム加熱方式による加熱定着方法が知られている。
また、従来の画像形成装置では、高温高湿環境下などに放置された水分量が多い紙に対して画像形成を行うと、画像の定着時に、定着ニップでの水蒸気の圧力増大で横線画像にトナーの飛散(尾引き)が発生する場合があった。
この問題を解決するべく、例えば定着フィルムを用いたオンデマンド方式の定着器においては、次のような方法が特許文献1等に提案されている。それは、例えば、定着フィルムにトナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加し、記録材に対し接地電極を設ける方法である。またそれは、例えば、記録材と接する接触部材(排出ローラ等)にトナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加し、定着フィルムを接地する方法、あるいはその両方にバイアスを印加する方法である。
特開2001−6848号公報 特開2001−209260号公報
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、次のようなことが懸念される。
すなわち、紙の含有水分量が多い状態では、感光ドラムと転写ローラとが当接した転写ニップで紙の裏面に供給される転写電荷が、紙沿面を伝播してリークしやすいことが懸念される。転写ニップを通過した紙先端が、定着ニップに到達する以前は、紙裏面の転写電荷の漏洩は空気中への放電分しかなく極わずかである。しかし、紙が定着ニップに達した場合には、転写ローラと定着器との間に紙を介した電流経路が形成され、定着器へバイアスを印加する電源の回路へと転写電荷が漏洩してしまうことが懸念される。通常は紙の抵抗値が高く漏洩電流はわずかであるが、紙の水分量が多くなると抵抗値が下がることにより、漏洩電流量が増加してしまうことが懸念される。
図6(a)は、画像形成装置の概略構成を示す断面図であり、(b)は転写ローラ5と定着器6との間に形成された電流経路の等価回路を示す図である。
図において、R0は定着器6と転写ニップT間における記録材Pの抵抗、R1は転写ローラ5の抵抗、E1は転写ローラ5に電圧を印加する転写電源、R2は定着フィルム61の抵抗、E2は定着フィルム61に電圧を印加する定着電源である。R4は、記録材Pの通紙中において、転写ニップTで記録材Pを介して感光ドラム1に流れる電流から求めた現像器4の抵抗である。転写電源E1の電流Itは、転写ローラ5の抵抗R1を流れる電流であり、記録材Pの抵抗R0を通して定着ニップNに流れる電流Itfと感光ドラム1に流れる電流Itpの合成電流である。
記録材Pの抵抗R0が十分小さくなると、電流Itfの電流量が増える。これにより電
流Itも増えるため、電圧降下により、記録材Pの裏面電位Vpが低下する。記録材の裏面電位Vpが低いと感光ドラム1への電流Itpが減り、転写に必要な電流を供給することができなくなり、転写効率が低下することが懸念される。
以上のような問題は、少なくとも一方に加熱体を内蔵した定着ローラおよび加圧ローラを備えた熱ローラ方式の定着器を用いた場合にも、同様に起こり得る。
特許文献2に転写効率低下対策として、電流に応じて、転写電圧を変更する方法が提案されている。しかし、転写電圧を変更すると、記録材や環境の条件によっては、電流が過剰に感光ドラムに供給され、ドラムゴーストなどの弊害が発生することが懸念される。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、高温高湿の環境下において低抵抗化した記録材を使用した場合に、転写効率の低下により転写抜けが発生してしまうことを防止し、良好な画像を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
像担持体との間で転写ニップを形成する転写手段であって、前記像担持体上に形成されたトナー像を、電圧が印加されることにより前記転写ニップで記録材に転写する転写手段と、
前記転写手段に電圧を印加する第1電圧印加手段と、
前記転写ニップでトナー像が転写された記録材を挟持しながら搬送し、かつ該記録材に転写されたトナー像を加熱するための一対の回転体と、を備え、
1つの記録材を前記転写ニップ及び前記一対の回転体により同時に挟持可能に構成されると共に、前記一対の回転体のうち、トナー像が転写された記録材面に当接する回転体に電圧が印加され得るように構成された画像形成装置において、
前記転写ニップよりも記録材搬送方向下流に設けられた接触部材であって、前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持された1つの記録材に接触可能に配置された接触
部材と、
1つの記録材が前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持され、かつ前記接触部材に接触している場合に、前記接触部材に電圧を印加する第2電圧印加手段と、を備え、
前記第1電圧印加手段に流れる電流を検出する電流検出手段が設けられ、
前記第2電圧印加手段により前記接触部材に印加される電圧の大きさは、1つの記録材が前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持され、かつ前記接触部材に接触している場合に、前記転写手段及び前記記録材を介した前記第1電圧印加手段から前記一対の回転体への電流の流れを抑制することが可能な関係にある、予め求められた前記第1電圧印加手段に流れる電流値と第2電圧印加手段の電圧との関係と、前記電流検出手段により検出される電流の大きさと、に基づいて導出される構成であることを特徴とする。
また、他の発明は、像担持体との間で転写ニップを形成する転写手段であって、前記像担持体上に形成されたトナー像を、電圧が印加されることにより前記転写ニップで記録材に転写する転写手段と、
前記転写手段に電圧を印加する第1電圧印加手段と、
前記転写ニップでトナー像が転写された記録材を挟持しながら搬送し、かつ該記録材に転写されたトナー像を加熱するための一対の回転体と、
前記一対の回転体のうち、記録材のトナー像側の面に接する回転体にトナーと同極性の一定の電圧を印加する定着電源と、を備え、
1つの記録材を前記転写ニップ及び前記一対の回転体により同時に挟持可能に構成されると共に、前記一対の回転体のうち、トナー像が転写された記録材面に当接する回転体に一定の電圧が印加され得るように構成された画像形成装置において、
前記転写ニップよりも記録材搬送方向下流に設けられた接触部材であって、前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持された1つの記録材に接触可能に配置された接触部材と、
1つの記録材が前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持され、かつ前記接触部材に接触している場合に、前記接触部材に電圧を印加する第2電圧印加手段と、を備え、
前記第2電圧印加手段により前記接触部材に印加される電圧の大きさは、前記転写ニップに記録材が挟持されていない状態で、前記第1電圧印加手段に流れる電流が一定となるように定電流制御される場合に、前記転写手段及び前記記録材を介した前記第1電圧印加手段から前記一対の回転体への電流の流れを抑制することが可能な関係にある、予め求められた前記第1電圧印加手段により転写手段に印加される電圧値と接触電源の電圧との関係と、前記第1電圧印加手段により前記転写手段に印加される電圧の大きさと、に基づいて導出される構成であることを特徴とする。
本発明によれば、高温高湿の環境下において低抵抗化した記録材を使用した場合に、転写効率の低下により転写抜けが発生してしまうことを防止し、良好な画像を得ることが可能となる。
実施例1の画像形成装置の概略構成を示す断面図 記録材が転写ニップ、定着ニップ及び排出ローラに接触した状態を示す図 電流値Itoと、接触電源E3の電圧V3との関係を示す図 実施例3の画像形成装置の概略構成を示す断面図 実施例4の画像形成装置の概略構成を示す断面図 画像形成装置の概略構成を示す図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置な
どは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。なお、図6を用いて説明した構成と同様の構成部分については、説明の便宜上、同一の符号を付している。
まず、画像形成装置の動作について説明する。
像担持体としての感光ドラム1は図中矢印A方向に回転し、この感光ドラム1の表面が帯電器(帯電ローラ)2によって一様に帯電され、次いで露光手段3からのレーザ光の照射により潜像が書き込まれることで、感光ドラム1表面に静電潜像が形成される。この潜像は、感光ドラム1に近接配置された現像手段としての現像器4により現像されて、トナー像として可視化される。
感光ドラム1上(像担持体上)に形成されたトナー像は転写部(転写ニップ)Tに搬送され、そこに搬送された記録材Pに、転写ローラ5を有する転写手段としての転写器によって転写される。トナー像が転写された記録材Pは、定着手段としての定着器6により定着ニップNで定着され、排出ローラ13を経て装置本体外に排出され、プリント動作が終了する。転写されずに感光ドラム1表面に残存した転写残りのトナーは、クリーニング装置7によりクリーニングされる。
本実施例においては、1つの記録材Pが転写ニップT及び定着ニップNにより同時に挟持可能となるように構成されている。
次に、転写手段としての転写器について説明する。
転写ローラ5は、本実施例では、導電性粒子が分散されたEPDMを発泡させた導電性スポンジ層が、芯金上に被覆されることで構成されている。転写ローラ5は、転写時、記録材Pを介して感光ドラム1に対し加圧当接されるように構成されている。この転写ローラ5の抵抗値特性は、印加電圧によって異なるが、本実施例では、10〜10Ω程度とする。
転写時、転写ローラ5の芯金には、第1電圧印加手段としての転写電源E1からトナーの帯電極性と逆の正帯電極性の転写バイアス(転写電圧)が印加されるが、その転写電源E1の転写電圧の出力値は、転写ローラ5の抵抗値によって適宜決定される。具体的には、転写電圧の制御は、転写ニップTに記録材Pが存在しない非通紙時において転写電源E1に流れる電流が一定となるように定電流制御を行い、このときの電圧をホールドして、通紙時にこのホールドした電圧で定電圧制御を行う制御方式により行われる。
この制御方式は、いわゆるATVC制御方式(Active Transfer Voltage Control)であり、特開平1−85189号公報等に開示されている。
本実施例における転写電圧制御は、9.6μAの定電流制御を行ったときの印加電圧値がVoであったとき、実際のプリント時の印加電圧、すなわち転写電圧値Vtを、Voと制御式に基づき出力するものである。
本実施例では、転写電源E1と転写ローラ5の間に流れる電流値(転写電源E1に流れる電流値)を検出するために、電流検出手段としての電流検出回路(CPUを備える)14を設けて、電流値をモニタする。
次に、定着器6について説明する。
定着器6はオンデマンド方式とされ、円筒状の薄肉の耐熱性フィルム(以下、定着フィルム)61と、加熱体としてのヒータ63と、加圧部材としての加圧ローラ62とからなっている。
ここで、ヒータ63は、定着フィルム61の円筒内に定着フィルム61に接触して固定配置されている。また、加圧ローラ62は、ヒータ63に対し定着フィルム61を介して対向して配置されている。定着フィルム61と加圧ローラ62は、一対の回転体を構成している。また、定着フィルム61は、一対の回転体のうち、トナー像が転写された記録材面(記録材印字面、画像形成面)に当接する回転体に相当する。
定着フィルム61と加圧ローラ62との間の定着ニップNで、トナー像が転写された記録材を挟持しながら搬送し、かつ該記録材に転写されたトナー像を加熱する。定着ニップNは、定着フィルム61を介して形成されるヒータ63と加圧ローラ62との間の定着ニップNとも換言できる。
加圧ローラ62は、画像を定着すべき記録材Pの非印字面側に接触し、ヒータ63に定着フィルム61を介して密着させるものであるとともに、定着フィルム61を駆動する駆動ローラも兼ねるものである。
この加圧ローラ62は、アルミニウム、鋳鉄等で形成された芯金がシリコーンゴム等の耐熱性の弾性体で被覆されることで構成されており、その弾性体層の表面は、トナーとの離型性がある絶縁性のフッ素樹脂等により覆われている。
ヒータ63は、良好な熱伝導性を有するセラミック等で形成された基板と通電により発熱する抵抗発熱体とからなり、定着フィルム61の回転のガイドを兼ねる支持体64により断熱支持されている。
支持体64の両端部が、図示しない付勢手段により加圧ローラ62方向に加圧されることにより、ヒータ63は定着フィルム61を介して加圧ローラ62に圧接されている。
ヒータ63の温度制御は、熱伝導性基板の外面に取り付けられた温度検知素子65の検知温度が一定となるように、ヒータ63への通電量が制御されることにより行われる。
定着フィルム61は、内層、中間層及び外層の3層構造になっている。
内層は、定着フィルム61のねじれ強度、平滑性などの機械的特性を担うベース層で、ポリイミド等の樹脂で構成されており、熱伝導率向上のため、カーボンなどのフィラーが入っていても良い。
中間層は、カーボンブラックなどの導電性粒子が分散された導電層(導電プライマ層)で、外層と内層の接合を行う接着剤の役目も担っている。
外層は、オフセットや尾引きなどと言った画像不良の防止を考慮した最適な抵抗値と膜厚に設計された層(トップ層)である。この定着フィルム61の定着電源E2から定着ニップNまでの抵抗値R2は10Ω程度である。
本実施例の画像形成装置では、定着時、記録材Pの含有水分量が多いことによるトナーの飛び散りを防止するために、定着電源(電圧印加手段)E2より定着フィルム61に電圧を印加している。
定着電源E2と定着フィルム61は、給電部材としての導電性のブラシからなる給電ブラシ(不図示)が、定着フィルム61の端部に露出した中間層に接触することで電気的に接続している。電圧は、トナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加する。本実施例では、負帯電極性トナーを使用しているため、定着フィルム61に印加する電圧も負極性とし、−500Vを印加することとしている。
排出ローラ13及び排出コロ12は、定着器6の記録材搬送方向下流側に配置され、記録材の搬送を安定させるために記録材を挟持搬送する一対の回転体である。
排出コロ12は、記録材印字面側に位置し、排出ローラ13に従動して回転する。排出ローラ13は記録材の非印字面側に接触する回転体であり、アルミニウム、鋳鉄等で形成された芯金が、シリコーンゴム等の導電性の機能を有する弾性体で覆われることで構成されている。
排出ローラ13の接触電源E3(後述)から排出ローラ13と記録材Pの接触部までの抵抗値(即ち、排出ローラ13の抵抗値)は10Ω程度である。
本実施例では、排出ローラ13が、本発明の特徴的な構成である接触部材に相当している。接触部材としての排出ローラ13は、1つの記録材Pが転写ニップT、定着ニップN及び排出ローラ13に同時に接触可能となるように設けられている。
接触部材としての排出ローラ13は、第2電圧印加手段としての接触電源E3により電圧が印加される構成になっている。この電圧値は、転写電源E1より流れる電流値により決定している。これより、排出ローラ13の芯金には、接触電源E3が接続され、転写電源E1より流れる電流値によって決められた電圧が、接触電源E3より印加される。
以下、本実施例の特徴となる排出ローラ13への印加電圧の決定方法について説明する。
図2(a)は、記録材Pが転写ニップT、定着ニップN及び排出ローラ13に接触している状態を表した概略図であり、このときの電流経路の等価回路を図2(b)に示す。
ここで、R3は、排出ローラ13の抵抗と、排出ローラ13と定着ニップN間にある記録材の抵抗の合成抵抗を示す。接触電源E3が0Vのとき、転写ニップTと定着ニップN間の記録材Pの抵抗R0が小さくなると、電流Itfの量が増えるため、電流Itも増える。これより、転写ニップTでの裏面(紙裏)電位Vpは低下する。裏面電位Vpが低下すると、感光ドラム1への電流Itpが不足し、転写効率が落ちる。
そこで本実施例では、1つの記録材Pが転写ニップT、定着ニップN及び排出ローラ13に接触しているときの電流Itの量により、接触電源E3による電圧印加量を変えることとしている。
接触電源E3の電圧V3を大きくすると、接触電源E3から定着ニップNに向かう方向に流れる電流Ihfにより、定着ニップNでの電位が正極性側にシフトする。
これにより、定着ニップNと転写ニップTでの紙裏電位の差は小さくなるため、転写ローラ5の抵抗R1及び記録材Pの抵抗R0を通して転写電源E1から定着ニップNに流れる電流Itfの量は抑制される。すなわち、接触電源E3の電圧V3を大きくすることで、転写効率を改善することが可能となる。
上記制御による本実施例の効果を説明する。
まず、効果比較を行うために、接触電源E3の電圧を0Vとした場合において、放置状態の異なる記録材Pを用いて、プリント(画像形成動作)を行い、所定状態における転写ローラ5に流れる電流Itを測定し、そのときの画像を目視により評価した。ここで、所定状態とは、転写ニップT、定着ニップN及び排出ローラ13に記録材Pが接触している状態である。
ここで、接触電源E3の電圧が0Vの時の電流Itを電流値Itoとする。評価は、高温高湿環境(H/H環境:温度32.5℃/湿度80%)で行い、記録材はXerox社製4200、坪量75g/mを用い、べた黒画像を出力した。記録材の搬送スピードは235mm/sec、定着フィルム61の加圧ローラ62への加圧力は14kgf(137.2N)、定着ニップ幅は8mmである。その結果を表1に示す。
Figure 0005832125
表1において、「乾燥放置」はL/L環境(室温15℃、湿度10%)で1日放置した紙、「開直紙」は放置なし、「1時間放置」、「1日放置」、「3日放置」は、H/H環境でそれぞれ、1時間、1日、3日放置した紙を指す。また、「転写抜け」において、「○」は転写抜けの発生がなし、「△」は軽微に発生、「×」は発生を示し、「○」と「△」は実用上問題のないレベルである。
高温高湿下での紙の放置時間が長くなると、転写抜けが悪化する。また、転写電流値Itoが多いと転写抜けが悪化している。
次に、接触電源E3の電圧を変えて、画像評価を行った。記録材Pは先に行ったのと同様に放置状態の異なる紙を用いた。他の条件も先の評価と同様である。その結果を表2に示す。
Figure 0005832125
表2は、接触電源E3の電圧V3を0V、500V、1000V、1500Vとしたときの転写抜けの結果を表している。接触電源の電圧V3を大きくすることで、転写抜けを抑制することが可能となった。また、この転写抜けが抑制されているときの転写を流れる電流Itは9μA前後となり、定着ニップNに流れ込む電流を抑制できたといえる。
しかし、表2において、※印で示したところでは、定着部により剥離オフセットが発生した。剥離オフセットとは、記録材Pが定着ニップNを抜ける際に、記録材Pの正極性の電荷が定着フィルム61に放電しまうことにより発生する画像不良である。本評価では、記録材Pの抵抗が高いときに過剰の正電荷を供給してしまったことで発生してしまったと考えられる。
これら二つの結果より、転写抜け、剥離オフセットがOKとなる電流値Itoと、接触
電源E3の電圧V3との関係を導出した。この関係を図3に示す。また、図3に示すグラフを元に、電流値Itoと接触電源E3の電圧V3との関係を下記式(1),(2)のようにすることで、剥離オフセットの発生も抑制することができた。
V3=0 (Ito<6)・・・(1)
V3=250Ito−1500 (Ito≧6)・・・(2)
以上説明したように、本実施例では、転写ニップTよりも記録材搬送方向下流側において、記録材Pと接触する接触部材を設け、さらにその接触部材に電圧を印加する接触電源を設けている。そして、電流値Itoに基づいて接触電源E3の電圧V3を決定することで、転写電源E1から電流が定着側に流れ込むことを抑制することができる。これにより、安定した転写性が得られ、転写部、定着部で画像不良を発生させることなく、高温高湿下における低抵抗化した記録材で発生する転写抜けを抑制することが可能となり、良好な画像を得ることが可能となる。
以下に、実施例2について説明する。なお、本実施例においては、実施例1に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1と同様の構成部分については、その説明を省略する。
先で説明したATVC制御方式では、電流検出回路14に基づき、定電流制御を行ったときの電圧値Voの値より、使用環境を検知することが可能である。
記録材Pの抵抗は、放置された環境に大きく依存する。本実施例では、この点に注目した。すなわち、本実施例では、定電流制御を行ったときの電圧値Voの値より転写抜けの発生しやすさを予測して、接触電源E3の電圧V3の値を決定し、転写抜けを抑制することを特徴とする。
本実施例の効果について以下に説明する。
次の3環境、すなわちH/H環境(室温32.5℃/湿度80%)、N/N環境(室温23.5℃/湿度50%)、L/L環境(室温15℃/湿度10%)では、電圧値Voは表3に示す値となる。
Figure 0005832125
表3より、電圧値Voの値より、各環境を特定することが可能となる。そこで、環境ごとに接触電源E3の電圧V3を決定する。各環境において、3日放置した紙を用いて、接触電源E3の電圧V3を変えて通紙を行った。評価は目視で行った。紙は、実施例1同様、Xerox社製4200、坪量75g/mを用い、べた黒画像を出力した。紙の搬送スピードは235mm/sec、定着フィルム61の加圧ローラ62への加圧力は14kgf、定着ニップ幅は8mmである。そのときの転写抜けの結果を表4に示す。
Figure 0005832125
表4は、各環境で放置した紙を通紙して転写抜けを評価した結果を表す。接触電源E3の電圧V3は、0V、300V、500V、1000V、1500Vとした。表4より、高温高湿環境下で放置された紙ほど、接触電源E3の電圧V3は高圧にする必要があることがわかる。また、実施例1と同様に、紙の抵抗が高いときに高い電圧を印加すると剥離オフセットが発生してしまうことが懸念される。
以上より、本実施例では、接触電源E3の電圧V3を電圧値Voに基づいて、表5で示すように決定した。
Figure 0005832125
表5に示すように、電圧値Voの値に応じて接触電源E3の電圧V3を決定することで、転写抜けを抑制でき、良好な画像を得ることが可能となる。
本実施例では、電圧値Voの値により、環境を3つに分けたが、分ける環境数が変わっても電圧値Voの値により接触電源E3の電圧V3を最適化することで、転写抜けを抑制できることは、言うまでもない。
また、本実施例では、ATVC制御方式に基づき、定電流制御での電圧値Voにより、接触電源E3の電圧V3を決定したが、これに限るものではない。すなわち、使用環境を検知することができれば、この検知結果から接触電源E3の電圧V3を決定することができる。例えば、転写ニップTに記録材Pが存在しない非通紙時において転写電源E1の電圧が一定となるように定電圧制御を行い、このときの電流Itを用いて、便宜的に接触電源E3の電圧V3を決定してもよく、これにより、上記同様の効果を得ることは可能である。
以下に、実施例3について説明する。なお、本実施例においては、実施例1に対して異なる構成部分について述べることとし、実施例1と同様の構成部分については、その説明を省略する。
図4は、本実施例の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
本実施例においては、加圧ローラ62が本発明の特徴的な構成である接触部材に相当している。
加圧ローラ62は、上述したように、芯金が耐熱性の弾性体で被覆されており、その弾
性体層の表面にはトナーとの離型性があるフッ素樹脂等の離型性層により覆われている。弾性体層と離型性層はともに導電性である。また、接触電源E3は芯金に接続するように構成されている。加圧ローラ62の芯金から定着ニップNまでの抵抗値は、10Ω程度である。
このような本実施例の構成による効果について以下に説明する。本実施例においても、実施例1と同様の評価により効果確認を行った。
評価は、高温高湿環境(H/H環境:温度32.5℃/湿度80%)で行い、紙はXerox社製4200、坪量75g/mを用い、べた黒画像を出力した。記録材の搬送スピードは235mm/sec、定着フィルムの加圧ローラへの加圧力は14kgf、定着ニップ幅は8mmである。放置状態の異なる記録材Pを用い、接触電源E3の電圧を0Vとして、電流値Itoを検知し、そのときの転写抜けを目視で評価した。その後、接触電源E3の電圧V3を変えて評価を行った。
このようにして得られた、転写抜けが抑制できる電流値Itoと接触電源E3の電圧V3との関係を表6に示す。
Figure 0005832125
本実施例では、表6に示すように、電流値Itoに基づいて、接触電源E3の電圧V3を決定するものであり、このことで、転写抜けを抑制することが可能となる。
本実施例においては、電圧V3(V)は、電流値Ito(μA)が9以下の場合には0に、9より大きく11以下の場合には500に、11より大きく13以下の場合には1000に、13より大きい場合には1500に決定される。
このように、接触部材として加圧ローラ62を用いても、電流検知結果に基づいて接触電源E3の電圧V3を決定することで、転写抜けを抑制し、良好な画像が得ることが可能である。
以下に、実施例4について説明する。
図5は、本実施例の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
実施例3では加圧ローラ62が接触部材に相当するものであったのに対して、本実施例では、定着器6よりも記録材搬送方向上流にある入口ガイド11が接触部材に相当するものである。すなわち、入口ガイド11が、接触部材として、定着器6より記録材搬送方向の上流側に位置していることが本実施例の特徴である。なお、本実施例においては、実施例3に対して異なる構成部分について述べることとする。
入口ガイド11は、転写ニップTを通過した記録材Pを定着ニップNに安定して導くための記録材搬送補助部材である。入口ガイド11は、未定着トナーを保持する記録材に接するため、記録材Pの非印字面側に接する構成となっている。また、入口ガイド11は、導電性の樹脂により形成され、接触電源E3に接続するように構成されている。接触電源E3から入口ガイド11のうち記録材Pに接する面までの抵抗値は10Ω程度である。
このような本実施例の構成による効果について以下に説明する。本実施例においても、実施例3と同様の評価により効果確認を行った。すなわち、環境、記録材の種類等の画像形成条件は実施例3と同じ条件にして評価を行った。
このようにして得られた、転写抜けが抑制できる電流値Itoと接触電源E3の電圧V3との関係を表7に示す。
Figure 0005832125
本実施例では、表7に示すように、電流値Itoに基づいて、接触電源E3の電圧V3を決定するものであり、このことで、転写抜けを抑制することが可能となる。
本実施例においては、電圧V3(V)は、電流値Ito(μA)が9以下の場合には0に、9より大きく10以下の場合には300に、10より大きく12以下の場合には700に、12より大きい場合には1300に決定される。
これより、接触部材として、定着器6よりも記録材搬送方向上流側にある入口ガイド11を適用した場合であっても、電流検知結果によって接触電源E3の電圧V3を決定することで、転写抜けを抑制し、良好な画像が得ることが可能である。
1…感光ドラム、5…転写ローラ、13…排出ローラ、61…定着フィルム、62…加圧ローラ、E1…転写電源、E3…接触電源、T…転写ニップ

Claims (5)

  1. 像担持体との間で転写ニップを形成する転写手段であって、前記像担持体上に形成されたトナー像を、電圧が印加されることにより前記転写ニップで記録材に転写する転写手段と、
    前記転写手段に電圧を印加する第1電圧印加手段と、
    前記転写ニップでトナー像が転写された記録材を挟持しながら搬送し、かつ該記録材に転写されたトナー像を加熱するための一対の回転体と、を備え、
    1つの記録材を前記転写ニップ及び前記一対の回転体により同時に挟持可能に構成されると共に、前記一対の回転体のうち、トナー像が転写された記録材面に当接する回転体に電圧が印加され得るように構成された画像形成装置において、
    前記転写ニップよりも記録材搬送方向下流に設けられた接触部材であって、前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持された1つの記録材に接触可能に配置された接触部材と、
    1つの記録材が前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持され、かつ前記接触部材に接触している場合に、前記接触部材に電圧を印加する第2電圧印加手段と、を備え、
    前記第1電圧印加手段に流れる電流を検出する電流検出手段が設けられ、
    前記第2電圧印加手段により前記接触部材に印加される電圧の大きさは、1つの記録材が前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持され、かつ前記接触部材に接触している場合に、前記転写手段及び前記記録材を介した前記第1電圧印加手段から前記一対の回転体への電流の流れを抑制することが可能な関係にある、予め求められた前記第1電圧印加手段に流れる電流値と第2電圧印加手段の電圧との関係と、前記電流検出手段により検出される電流の大きさと、に基づいて導出される構成であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2電圧印加手段により電圧が印加される接触部材は、前記一対の回転体のうち、記録材のトナー像が転写された記録材面と反対側の面に接する回転体である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記転写抜けが抑制できる電流値と第2電圧印加手段の電圧との関係に、剥離オフセットが抑制できる電圧の条件を加える請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 電流値をItoと、第2電圧印加手段の電圧をV3とすると、V3は、
    次の2式、
    V3=0 (Ito<6)
    V3=250Ito−1500 (Ito≧6)
    を満足するように設定される請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 像担持体との間で転写ニップを形成する転写手段であって、前記像担持体上に形成されたトナー像を、電圧が印加されることにより前記転写ニップで記録材に転写する転写手段と、
    前記転写手段に電圧を印加する第1電圧印加手段と、
    前記転写ニップでトナー像が転写された記録材を挟持しながら搬送し、かつ該記録材に転写されたトナー像を加熱するための一対の回転体と、を備え、
    1つの記録材を前記転写ニップ及び前記一対の回転体により同時に挟持可能に構成されると共に、前記一対の回転体のうち、トナー像が転写された記録材面に当接する回転体に一定の電圧が印加され得るように構成された画像形成装置において、
    前記転写ニップよりも記録材搬送方向下流に設けられた接触部材であって、前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持された1つの記録材に接触可能に配置された接触部材と、
    1つの記録材が前記転写ニップ及び前記一対の回転体に同時に挟持され、かつ前記接触部材に接触している場合に、前記接触部材に電圧を印加する第2電圧印加手段と、を備え、
    前記第2電圧印加手段により前記接触部材に印加される電圧の大きさは、前記転写ニップに記録材が挟持されていない状態で、前記第1電圧印加手段に流れる電流が一定となるように定電流制御される場合に、前記転写手段及び前記記録材を介した前記第1電圧印加手段から前記一対の回転体への電流の流れを抑制することが可能な関係にある、予め求められた前記第1電圧印加手段により転写手段に印加される電圧値と接触電源の電圧との関係と、前記第1電圧印加手段により前記転写手段に印加される電圧の大きさと、に基づいて導出される構成であることを特徴とする画像形成装置。
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