JP2017156461A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト部材の端部が破損して定着装置が使用不能となる前に、ベルト部材の端部の変形を検知できる定着装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】回転可能な加圧ロール61と、加圧ロール61に接触しながら移動可能な定着ベルト62と、定着ベルト62を介して加圧ロール61を押圧して定着ベルト62と加圧ロール61との間にニップ部Nを形成する圧力パッド64と、定着ベルト62の幅方向の両端部に配置され、定着ベルト62の内周面を回転自在に支持するエッジガイド部材631と、定着ベルト62の幅方向の少なくとも一方の端部に設けられ、定着ベルト62を形成する材料とは異なる電荷密度を有する被検知部70と、被検知部70と対向するように配置されている電極72と、電極72における電荷の変動を計測して定着ベルト62と電極72との接触を検知する検知手段74と、を備える、用紙Pに保持されたトナー像を定着する定着装置である。【選択図】図2
Description
本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、このトナー像を感光体ドラム上から用紙等の記録媒体に転写した後、定着装置によってこのトナー像を記録媒体に定着している。
定着装置としては、例えば、回転部材と、この回転部材に接触し、且つ、回転部材に従って回転移動するベルト部材と、ベルト部材の内周面から回転部材に向けて押圧し、ベルト部材と回転部材との間に用紙等の記録媒体を通過させるニップ部を形成する押圧部材と、を備え、このニップ部に記録媒体を通過させることで、記録媒体上にトナー像を定着させる定着装置が知られている。
特許文献1には、環状に形成されたベルト部材において、ベルト周方向における所定箇所に磁力発生体を固定したベルト部材、及び、当該ベルト部材を複数の張架部材によってループ内側で支えて張架しながら無端移動せしめるベルト装置であって、磁力発生体又は磁性材料の磁気を検知する磁気検知手段を設けたベルト装置が開示されている。
特許文献2には、回転可能に支持された定着部材と、駆動手段と、加圧部材と、定着部材の外周面に設けられた被検知部と、被検知部がある領域に光を照射する発光部と、被検知部がある領域で反射された光を受光する受光部とを有し、受光部で受光された光量に変動があったときにパルス信号を生成する検知手段と、パルス信号のパルス幅及び周期を測定し、パルス幅又は周期に基づいて定着部材の周速度を演算して、基準周速度となるように駆動手段を駆動させる制御手段と、を有する定着装置が開示されている。
特許文献3には、固定の加熱体と、エンドレスの耐熱性フィルムと、加圧ローラーと、フィルムの移動速度を検知する手段と、検知速度が所定値以下の場合においてそれにもとづく表示もしくは警告をする手段を有する加熱装置が開示されている。
ところで、ベルト部材に対して幅方向の力が働いて、ベルト部材が幅方向の端部のいずれかに片寄り、更には幅方向に蛇行する、いわゆるベルトウォークが起こることがある。ベルトウォークが起こると、ベルト部材の端部がエッジガイド部材のフランジ部に押し当てられる。この幅方向の力が何らかの要因によって強く働くと、ベルト部材の端部が径方向の外側に開くように変形することがあり、更に継続して強い力が加わると、ベルト部材の端部が破損する場合もある。
ベルト部材の回転を検知する従来の非接触の光学式または磁気式の検知手段は、ベルト部材の径方向の距離の変化に対しては感度が低いため、ベルト部材の端部が変形してセンサ部に接触したとしても、その状態を検知することは困難である。光学式または磁気式の検知手段でベルト部材の端部の変形が検知されるとすれば、ベルト部材の端部が破損して定着装置が使用不能となった場合と考えられる。
そこで、本発明の目的は、ベルト部材の端部が破損して定着装置が使用不能となる前に、ベルト部材の端部の変形を検知できる定着装置、及び、その定着装置を備える画像形成装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、回転可能な回転部材と、前記回転部材に接触しながら移動可能なベルト部材と、前記ベルト部材を介して前記回転部材を押圧して前記ベルト部材と前記回転部材との間にニップ部を形成する押圧部材と、前記ベルト部材の幅方向の両端部に配置され、前記ベルト部材の内周面を回転自在に支持するエッジガイド部材と、前記ベルト部材の幅方向の少なくとも一方の端部に設けられ、前記ベルト部材を形成する材料とは異なる電荷密度を有する被検知部と、前記被検知部と対向するように配置されている電極と、前記電極における電荷の変動を計測して前記ベルト部材と前記電極との接触を検知する検知手段と、を備える、記録媒体に保持されたトナー像を定着する定着装置である。
請求項2に係る発明は、前記被検知部がエレクトレットで形成されている、請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に係る発明は、前記ベルト部材の前記被検知部が設けられている部位を含む周方向の領域において、前記ベルト部材の表面と接触している帯電部材を更に備え、前記被検知部が前記ベルト部材を形成する材料とは摩擦帯電列の異なる材料で形成されており、前記帯電部材が前記被検知部を形成する材料とは摩擦帯電列の異なる材料で形成されている、請求項1に記載の定着装置である。
請求項4に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電させた前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、転写された記録媒体上のトナー像を定着する定着手段と、を備え、前記定着手段が請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置であり、前記検知手段が計測した前記電極における電荷の変動が前記ベルト部材の回転に伴う周期的な変動とは異なる場合に前記定着装置の機能を停止する、画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、ベルト部材の端部が破損して定着装置が使用不能となる前に、ベルト部材の端部の変形を検知できる定着装置が提供される。
請求項2に係る発明によれば、ベルト部材の端部が破損して定着装置が使用不能となる前に、ベルト部材の端部の変形を検知できる定着装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、ベルト部材の端部が破損して定着装置が使用不能となる前に、ベルト部材の端部の変形を検知できる定着装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、ベルト部材の端部が破損して定着装置が使用不能となる前に、ベルト部材の端部の変形を検知できる定着装置を備える画像形成装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電させた像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、転写された記録媒体上のトナー像を定着する定着手段と、を備え、定着手段が後述する定着装置である。
図1は、本実施形態に係る定着装置を備える画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1に、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置100を示す。図1に示す画像形成装置100は、電子写真方式により各色成分(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K))のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を用紙(記録媒体)Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20(転写手段)と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11(像保持体)の周囲に、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12(帯電手段)と、レーザ等で感光体ドラム11上に静電潜像を書込む露光装置13(潜像形成手段)(図1中、露光ビームを符号Bmで示す)と、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14(現像手段)と、感光体ドラム11上に形成された各色成分のトナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16と、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17等の電子写真用デバイスが順次配置されている。これらの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、例えば、ポリイミドまたはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状のベルト部材で構成されている。そして、その体積抵抗率は、例えば、106Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚さは、例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって、図1に示すB方向に予め定めた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31と、各感光体ドラム11の配列方向に沿って延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32と、中間転写ベルト15に対して予め定められた張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33と、二次転写部20に設けられるバックアップロール25と、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34と、を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16により構成されている。一次転写ロール16は、例えば、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、例えば、鉄、ステンレス鋼(SUS)等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層は、例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とスチレン−ブタジエンゴム(SBR)とエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とのブレンドゴム等を含んで形成され、体積抵抗率が例えば107Ωcm以上109Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11を押圧するように配置され、さらに一次転写ロール16には、トナーの帯電極性(例えばマイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、例えば、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、例えば、EPDMゴム等を含んでなる内層部と、カーボンを分散したEPDM及びNBRのブレンドゴム等を含んでなるチューブ状の表面層とから構成されている。そして、例えば、その表面抵抗率が107Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えばアスカーC型ゴム硬度計による測定硬度で70°に設定されている。このバックアップロール25には、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触して配置されている。
一方、二次転写ロール22は、例えば、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、例えば、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層は、例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴム等を含んで形成され、体積抵抗率が107Ωcm以上109Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25を押圧するように配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像が二次転写される。
中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配置されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配置されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた予め定めたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは画像形成を開始するように構成されている。
また、図1に示す画像形成装置100は、用紙搬送系として、用紙Pを収容する給紙手段50と、この給紙手段50に集積された用紙Pを予め定めたタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51と、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52と、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む用紙搬送路53と、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55と、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56とを備えている。
次に、本実施形態に係る定着装置を用いた画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
図1に示す画像形成装置100では、画像読取装置(IIT)(図示せず)やパーソナルコンピュータ(PC)(図示せず)等から出力される画像データは、画像処理装置(IPS)(図示せず)により予め定めた画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の予め定めた画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、露光装置13に出力される。
露光装置13では、入力された色材階調データに応じて、例えば、半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各々の感光体ドラム11に照射する。画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各感光体ドラム11では、帯電装置12によって表面が帯電された後、この露光装置13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により、中間転写ベルト15の基材に対し、トナーの帯電極性(例えばマイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて、一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、給紙手段50から予め定められたサイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、用紙搬送路53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(例えばマイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pが定着装置60まで搬送される。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置100の排出部に設けられた排紙部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施形態に係る定着装置について説明する。
図2は、本実施形態に係る定着装置の構成の一例を示す側断面図である。図3は、記録媒体が搬送される方向から見た定着装置の構成の一例を示す断面図である。定着装置60は、回転可能な回転部材の一例としての加圧ロール61と、加圧ロール61に接触しながら移動可能なベルト部材の一例としての定着ベルト62と、定着ベルト62の内周側に配置され、定着ベルト62を介して加圧ロール61を押圧して加圧ロール61と定着ベルト62との間に記録媒体としての用紙Pが通過するニップ部Nを形成する押圧部材の一例としての圧力パッド64と、定着ベルト62の両端部に配置され、定着ベルト62の内周面を回転自在に支持するエッジガイド部材631と、定着ベルト62の幅方向の少なくとも一方の端部に設けられ、定着ベルト62を形成する材料とは異なる電荷密度を有する被検知部70と、定着ベルト62と接触せず、被検知部70と定着ベルト62の径方向で対向するように配置されている電極72と、電極72における電荷の変動を計測する検知手段74とにより、主要部が構成されている。
本明細書において、ベルト部材及び回転部材等につき「端部」と記載した場合、それは「幅方向の端部」を意味する。ベルト部材及び回転部材等における端部は、定着装置におけるベルト部材及び回転部材等の幅方向(軸方向)の末端を含む領域であればよく、例えば、ベルト部材及び回転部材等の幅方向の末端から中央に向かって、幅方向の長さの20%以下の長さを占める領域である。また、本明細書において「両端部」は、端部の両者を意味する。
加圧ロール61は、例えば、中実の金属製等のコア(円柱状芯金)611、コア611の周囲に配置される耐熱性弾性体層612、耐熱性弾性体層612の周囲に配置される表面層613を備える円筒状ロールである。加圧ロール61は、その形状、構造、大きさ等につき制限はなく、目的に応じて公知の加圧ロール61が使用される。
コア611の両端部は、例えば、不図示の軸受け部材によって回転自在に支持されていると共に、コア611の両端部に配置されたコイルバネ等の付勢部材により定着ベルト62に対して予め定められた圧力で圧接されている。
定着ベルト62は、定着ベルト62の内側に配置されている圧力パッド64と、定着ベルト62の両端部に配置されているエッジガイド部材631と、ベルトガイド部材634とによって回転自在に支持されている。定着ベルト62は、ニップ部Nにおいて加圧ロール61と接触し、矢印D方向に回転する加圧ロール61の回転に従って予め定められた回転速度(例えば、表面速度250mm/秒)で矢印C方向に回転(循環駆動)する。
図4及び図5は、本実施形態に係る定着装置60における定着ベルト62の端部の構成の一例を示す拡大断面図である。図4には、幅方向から見た定着ベルト62の端部の一例が示され、図5には、記録媒体が搬送される方向から見た定着ベルト62の端部の一例が示されている。
定着ベルト62は、基材層621と、基材層621を被覆している弾性体層622と、弾性体層622を被覆し、加圧ロール61の表面層613と接触することになる離型層623とを有する環状ベルトである。定着ベルト62の表面に離型性を有する離型層623が形成されていることにより、定着装置60の作動中、トナー像のオフセットが効果的に防止される。定着ベルト62は、その表面が離型性を有する構成であれば、多層構造に限定されるものではなく、単層構造で形成されていてもよい。
定着ベルト62の端部(以下「ベルト端部」ともいう)の少なくとも一方には、定着ベルト62を形成する材料とは異なる電荷密度を有する被検知部70が設けられている。被検知部70は、例えば、定着ベルト62が加圧ロール61とニップ部Nを形成する領域よりも幅方向の外側にある周方向領域の少なくとも1ヶ所に設けられていてもよい。被検知部70としては、例えば、被検知部70の外周側表面における電荷密度が、定着ベルト62の離型層623の外周側表面における電荷密度と異なるものが挙げられ、その電荷密度は離型層623の電荷密度よりも多くてもよく、少なくてもよい。ベルト端部に被検知部70が設けられることにより、被検知部70が設けられている部位を含むベルト端部の周方向の領域において、周方向に沿って電荷密度の多い部分と少ない部分とが周期的に存在することになる。被検知部70は、定着ベルト62の両端部のいずれの変形も検知できるため、定着ベルト62の両端部に設けられていることが好ましい。
図3に示すように、エッジガイド部材631は、定着ベルト62の両端部に設けられている。エッジガイド部材631は、フランジ部632、ベルト走行ガイド部633を有する。ベルト走行ガイド部633は、定着ベルト62の両端部から挿入され、ホルダ65の両端部に固定されている。フランジ部632は、定着ベルト62の蛇行(ベルトウォーク)の際にその端面と突き当たるように、互いに距離を置いて配置されている。また、ベルト走行ガイド部633の外周面と定着ベルト62の内周面とが接触しており、ベルト走行ガイド部633は定着ベルト62の両端部を内周面側から支持している。また、フランジ部632に対してベルト走行ガイド部633と反対側には保持部(図示せず)が設けられており、保持部が定着装置60に保持されることにより、エッジガイド部材631が固定されている。
圧力パッド64は、例えば、定着ベルト62の内側において金属製等のホルダ65に支持されている。圧力パッド64は、定着ベルト62を介して加圧ロール61と対向するように配置され、定着ベルト62の内周面から定着ベルト62を加圧ロール61へ押圧して、定着ベルト62と加圧ロール61との間に、用紙Pが通過するニップ部Nを形成している。
電極72は、被検知部70と定着ベルト62の径方向で対向するように配置されている。また電極72は、定着ベルト62の表面と接触しないように配置されている。電極72は、平面状の、または定着ベルト62の表面に沿った形状で形成されている導体で構成され、電極72の少なくとも一部が、定着ベルト62の被検知部70を含む周方向領域に対して対向するように、配置されていればよい。電極72は、例えば、検知手段74を介して接地されていてもよい。定着装置60の作動中、電極72に対向する定着ベルト62において、定着ベルト62の回転に伴い、周方向に沿って電荷密度の多い部分と少ない部分とが交互に現れることにより、電極72が静電誘導されて、電極72に生じる電荷が周期的に変動する。
検知手段74は、定着ベルト62の回転に伴って電極72に生じる電荷の周期的な変動を計測する。図6(a)に、電圧計である検知手段74が、電極72における電荷の周期的な変動を電位差として計測している態様の一例を示す。本実施形態に係る定着装置60は、被検知部70、電極72、及び検知手段74を備えることによって、例えば、定着ベルト62の回転速度等を検知することができる。
電極72と定着ベルト62の表面との距離は、被検知部70及び電極72を形成する材料、定着ベルト62における被検知部70の配置等によって異なるが、例えば、0.2mm以上2mm以下程度が好ましく、0.3mm以上1mm以下程度がより好ましい。当該距離が広すぎると、電極72に生じる静電誘導を検知手段74が計測することができない場合があり、当該距離が狭すぎると、ベルト端部の破損等に至らないわずかな変形までも検知してしまう場合がある。
検知手段74は、電極72における電荷の変動を計測できるものであればいずれの手段を使用してもよく、例えば、公知の電圧計及び電流計等が使用できる。電極72における電荷の変動は、例えば、検知手段74が電圧計である場合は電位として、検知手段74が電流計である場合は電流として、計測される。
被検知部70が定着ベルト62を形成する材料とは摩擦帯電列の異なる材料で形成されていてもよい。この場合、図7に示すように、定着装置60は帯電部材76を更に備える。帯電部材76は、定着ベルト62の被検知部70が設けられている部位を含む周方向の領域において定着ベルト62の表面と接触し、被検知部70を形成する材料とは摩擦帯電列が異なる材料で形成されている。定着ベルト62の回転によって帯電部材76が被検知部70を摩擦帯電し、被検知部70に電荷が蓄積されることにより、被検知部70と定着ベルト62とは電荷密度が異なるものとなる。
ベルトガイド部材634は、定着ベルト62の内側において、ホルダ65に取り付けられ、定着ベルト62がベルトガイド部材634の外周面に沿って周回移動するように構成されている。
定着装置60には、ベルトガイド部材634と定着ベルト62との間に加熱源として発熱体66が設けられている。発熱体66は、例えば、定着ベルト62の形状に沿うように円弧状となっている。発熱体66は、例えば、電力を供給することでジュール発熱する抵抗発熱体を一対の支持板で挟み込んだ構成となっており、抵抗発熱体から発生する熱が支持板を介して定着ベルト62に伝達される。支持板の材質は、伝熱性の観点等から、アルミニウム、ステンレス等の金属が望ましい。なお、定着装置60の加熱源としては、発熱体66に制限されず、例えば、ハロゲンランプ等の公知の加熱源を使用してもよい。
本実施形態に係る定着装置60は、定着ベルト62と圧力パッド64との間に介在し、定着ベルト62の回転方向に沿って、ニップ部Nの全域にわたって、またはニップ部Nの少なくとも一部に配置されている摺動部材(図示せず)を備えていてもよい。摺動部材は、例えば、ニップ部Nより用紙Pの搬送方向上流側の少なくとも一部が、圧力パッド64に固定されていてもよい。
本実施形態に係る定着装置60は、例えば、定着ベルト62の内周面に対して接触するように配置される潤滑剤塗布部材(図示せず)を備えていてもよい。潤滑剤塗布部材により、アミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤が定着ベルト62の内周面に供給される。
本実施形態に係る定着装置60の動作について詳細に説明する。
定着装置60では、加圧ロール61が図示しない駆動モータに連結されて矢印D方向に回転し、この回転に従って定着ベルト62が矢印C方向に回転する。用紙Pがニップ部Nを通過する際に、用紙P上のトナー像はニップ部Nに作用する圧力、定着ベルト62から供給される熱等が用紙Pに加えられ、未定着トナー像が用紙Pに定着される。定着後の用紙Pは、ニップ部Nを通過後、定着ベルト62から剥離され、定着装置60から排出される。
例えば、部品寸法のバラツキやニップ部Nを通過する用紙Pの影響を受けて、加圧ロール61からの摩擦力が幅方向で不均一になることなどにより、定着ベルト62に幅方向に移動する力が働き、定着ベルト62が幅方向の端部のいずれかに片寄って幅方向に蛇行する、いわゆるベルトウォークが起こることがある。本実施形態に係る定着装置60には、定着ベルト62の両端部にエッジガイド部材631のフランジ部632が設けられており、このフランジ部632によって、定着ベルト62のベルトウォークは抑制されている。
しかしながら、ベルトウォークが起こり、ベルト端部をフランジ部632に押し当てる幅方向の力が何らかの要因によって強く働くと、ベルト端部が径方向の外側に開くように変形することがあり、更に継続して強い力が加わると、ベルト端部が破損する場合もある。ベルト端部が破損した場合、局所的な温度上昇や紙詰まりが生じ、定着装置60が使用不能となってしまうため、ベルト端部が破損する前の段階でベルト端部の変形を検知することが望まれる。
本実施形態に係る定着装置60は、被検知部70、電極72及び検知手段74を備えることにより、ベルトウォーク等によって生じるベルト端部の変形を、ベルト端部が破損して定着装置が使用不能となる前に検知することが可能となる。例えば、検知手段74として電圧計を使用すると、ベルト端部と電極72が接触していない場合、電極72における電荷の変動は図6(a)に示すように周期的な電位差として計測される。図6(a)に示す計測結果においては、定着ベルト62の回転に伴い電極72が静電誘導されることにより、対称的な一組のピークが、定着ベルト62の回転周期に応じた間隔で周期的に現れている。
一方、ベルト端部が変形して電極72と接触すると、検知手段74によって計測される電極72における電荷の変動は、例えば図6(b)に示す通り周期的なものではなくなり、静電誘導に伴う対称的な一組のピークも計測されなくなる。検知手段74は、このような電極72における電荷の変動の計測結果に基づいて、ベルト端部と電極72との接触、即ち、ベルト端部が破損する前のベルト端部の径方向外側に変形した状態を、電気的に検知することができる。
従来の光学式または磁気式の検知手段では、ベルトウォークによるベルト端部が破損する前のベルト端部の径方向外側への変形を検知することは困難である。なぜなら、従来の検知手段は定着ベルト62の径方向の距離の変化に対しては感度が低いため、ベルト端部が変形した状態を従来の検知手段が直接計測することは難しく、また、変形したベルト端部が従来の検知手段と接触したとしても、その接触による摩擦力よりもニップ部Nでのニップ圧力が大きく、従来の検知手段が検知する定着ベルト62の回転速度は目立って低下しないと考えられるためである。
検知手段74が、電極72における電荷の変動について、定着ベルト62の回転に伴う周期的な変動とは異なる電荷の変動を計測した場合、当該検知手段74はベルト端部と電極72との接触を検知したものとすればよい。検知手段74として電圧計を用いた場合を例にすると、例えば、計測された電位差のグラフを予め定められた回転速度から算出可能な定着ベルト62の回転周期毎に区分した際に、各区間における電位差の代表値(例えば区間内の最大ピーク等)の出現時間がずれていること、或いは、電位差がゼロである範囲が消失もしくは明らかに低減していること等に基づいて、「定着ベルト62の回転に伴う周期的な変動とは異なる電荷の変動」が計測されたと判定される。
定着装置60は、ベルト端部の破損等を未然に防ぐ観点から、検知手段74が定着ベルト62と電極72との接触を検知した場合、即ち、検知手段74が計測した電極72における電荷の変動が定着ベルト62の回転に伴う周期的な変動とは異なる場合に、例えば、加圧ロール61の駆動または発熱体66への通電等を停止することによって、定着装置60の機能を停止することが好ましい。その場合、定着装置60は、定着装置60の機能を停止するとともに、或いは、それに代えて、定着ベルト62の変形を示す警告を画像形成装置100の表示部に表示するか、定着ベルト62の変形をユーザーまたは管理者等に通知するものであってもよい。これらの措置により、変形した定着ベルト62を含む定着装置60の交換をユーザー等に促すことができる。
検知手段74が定着ベルト62と電極72との接触を検知した場合における定着装置60の機能の停止、警告の表示等は、例えば、検知手段74によって行われてもよいし、或いは、検知手段74に電気的に接続され、検知手段74から送信された当該接触を示す信号を受信することができる制御手段(例えば、画像形成装置100の制御部40)等によって行われてもよい。
以下に、本実施形態に係る定着装置60を構成する各部材について説明する。
加圧ロール61のコア611は、例えば、鉄、アルミニウム(例えば、A−5052材)、SUS、銅等の熱伝導率の高い金属または合金、セラミックス、繊維強化金属(FRM)で形成されることが好ましい。
加圧ロール61の耐熱性弾性体層612の材質は、例えば、硬度(JIS−A:JIS−KA型試験機により測定される硬度)が15°以上60°以下のゴム、エラストマー、発泡状の樹脂等が挙げられ、より具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、中空ガラスビーズを充填した液状シリコーンゴム等が挙げられる。耐熱性弾性体層612の厚さは、特に制限されるものではないが、例えば、2mm以上20mm以下の範囲が好ましく、3mm以上10mm以下の範囲がより好ましい。
また、加圧ロール61の表面層613は、樹脂等で形成される。表面層613を形成する樹脂としては、例えば、耐熱性、離型性等の点から、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ化ポリイミド等が挙げられる。
表面層613は導電性を有している事が好ましく、体積抵抗率で1×104Ωcm以下の層であることが好ましい。導電性を有する表面層613を形成する材料としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性を有する粒子を含有する樹脂等が挙げられる。表面層613の厚さは、特に制限されるものではないが、例えば、10μm以上200μm以下の範囲が好ましく、20μm以上100μm以下の範囲がより好ましい。
定着ベルト62の基材層621の材質は、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等の樹脂、またはステンレス、ニッケル、銅等の金属等が挙げられる。基材層621の厚さは、例えば10μm以上100μ以下の範囲が好ましい。
定着ベルト62の弾性体層622の材質は、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴム等が挙げられ、耐熱性、熱伝導性、絶縁性等の点から、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴム等が好ましい。弾性体層622の厚さは、例えば、10μm以上500μm以下の範囲が好ましく、50μm以上500μm以下の範囲がより好ましい。弾性体層622の硬度(JIS−A:JIS−KA型試験機により測定される硬度)は60°以下が好ましく、40°以下がより好ましい。
定着ベルト62の離型層623の材質は、離型性、耐熱性の観点等から、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が好ましい。離型層623の厚さは、例えば、20μm以上100μm以下の範囲が好ましい。
エッジガイド部材631は、例えば、PPS、PET、PBT、LCP等の耐熱性樹脂や、更に耐久性や摩擦係数を下げるためのフィラーを当該耐熱性樹脂に加えたもの等を用いて形成される。
圧力パッド64は、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、PES樹脂(ポリエーテルサルフォン)、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂、例えば、カーボンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性を有する粒子を含有した樹脂、鉄、アルミニウム等の金属等で構成される。摺動部材を設置しない場合、圧力パッド64は、定着ベルト62の内周面に接触する表面が導電性を有するように、例えば導電性を有する粒子を含有した樹脂や金属等で構成されることが好ましい。
被検知部70を形成する材料としては、定着装置60の動作中に、定着ベルト62を形成する材料とは異なる電荷密度を有し得る材料であればよい。被検知部70は、電極72に対して静電誘導を引き起こして電極72の電荷を変動させ得る限り、定着ベルト62の表面に露出していてもよいし、定着ベルト62の表面に露出せずに定着ベルト62の内部に埋設されていてもよい。
被検知部70は、定着ベルト62の回転に対して影響を及ぼさない限り、いずれの形状を有していてもよい。被検知部70は、例えば、幅2mm以上10mm以下、周方向長さ2mm以上20mm以下、厚さ10μm以上500μm以下の形状を有していてもよい。また、被検知部70の周方向の長さは、例えば、定着ベルト62の周方向の長さの50分の1以上5分の1以下であってもよい。
被検知部70は、例えば、エレクトレットで形成されていてもよい。エレクトレットとは、誘電体であるエレクトレット材料を融解し、電界にかけて固化させる帯電処理を行うことにより、電界が取り除かれた後であっても材料の分極状態を保持している荷電体である。
エレクトレット材料としては、例えば、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ6フッ化ポリプロピレン(FEP)等のフッ素系高分子材料、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等の高分子材料、シリコン酸化物(SiO2)及びシリコン窒化物(SiN)等の無機電荷保持材料、イオン伝導を利用したセラミックエレクトレット材料等が挙げられる。
エレクトレット材料の帯電処理としては、エレクトレット材料を軟化点または溶融温度まで加熱して直流電圧を印加してから冷却する熱エレクトレット法、エレクトレット材料の表面に直流コロナ放電を照射するエレクトロエレクトレット法、ガンマ線や電子線等の高エネルギー放射線を照射するラジオエレクトレット法等を適用できる。簡易な装置で、短時間で処理ができ、帯電領域を容易に制御できるため、エレクトロエレクトレット法が好ましい。
被検知部70がエレクトレットで形成されている場合、例えば、帯電処理を行ったエレクトレットを貼付または埋設させることにより定着ベルト62に設けてもよく、また、未処理のエレクトレット材料を定着ベルト62に設けた後、帯電処理を行って被検知部70としてもよい。被検知部70がエレクトレットで形成されている場合、電極72に対して静電誘導を引き起こして電極72の電荷を変動させ得る限り、定着ベルト62の表面に露出していても、定着ベルト62の内部に埋設されていてもよい。
被検知部70は、例えば、定着ベルト62を形成する材料とは摩擦帯電列の異なる材料で形成されていてもよい。この場合、定着装置60は帯電部材76を更に備える。図7及び図8には、被検知部70が定着ベルト62を形成する材料とは摩擦帯電列の異なる材料で形成されている場合の本実施形態に係る定着装置60の構成の一例が示されている。
ここで、「摩擦帯電列」は、異なる2つの物質を互いに摩擦させ、正(+)に帯電したものを正側に配置し、負(−)に帯電したものを負側に配置することにより作成される、物質同士の帯電傾向を示す序列である。言い換えれば、帯電列の正側にある物質は摩擦によって電子を放出する傾向を有し、帯電列の負側にある物質は摩擦によって電子を受け取る傾向を有するともいえる。
帯電部材76は、上記の通り、被検知部70を形成する材料とは摩擦帯電列が異なる材料で形成されている。この場合、帯電部材76は、少なくとも定着ベルト62の表面と接触する部位が、被検知部70を形成する材料と摩擦帯電列が異なる材料で形成されていればよい。帯電部材76は、定着ベルト62の回転移動によって被検知部70を摩擦帯電させ、被検知部70に電荷を蓄積させる。なお、帯電部材76を形成する材料と定着ベルト62を形成する材料とで摩擦帯電列が異なる場合は、定着ベルト62の回転移動によって定着ベルト62にも電荷が蓄積されるが、その場合でも、被検知部70と定着ベルト62とは摩擦帯電列が異なるため、帯電部材76との接触により両者の電荷密度は異なるものとなる。
被検知部70が定着ベルト62を形成する材料とは摩擦帯電列の異なる材料で形成されている場合において、定着ベルト62、被検知部70、及び帯電部材76を形成する材料は、上記の条件を満たすものであればいずれも限定されない。例えば、定着ベルト62の離型層623をPFAで形成し、被検知部70をポリイミドで形成し、帯電部材76をナイロンで形成し、被検知部70が設けられている部位を含む定着ベルト62の周方向の領域に接触させるように帯電部材76を配置することにより、図7及び図8で示す本実施形態に係る定着装置60を作製することができる。ここで、摩擦帯電列の順位は、正側からナイロン、ポリイミド、PFAである。この定着装置60において定着ベルト62を回転させると、被検知部70及び離型層623が帯電部材76との摩擦によって帯電し、摩擦帯電列の違いによって、帯電部材76の帯電量が離型層623の帯電量に対して正/負側に大きくなり、被検知部70の電荷密度と離型層623の電荷密度とが異なるものとなる。
摺動部材は、導電性を有する単一層で構成されていてもよいし、導電性表面層を含む複数層で構成されていてもよい。摺動部材が複数層で構成される場合、定着ベルト62の内周面側に導電性表面層が配置される。摺動部材の導電性表面層は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性を有する粒子を含有した樹脂等が挙げられる。また、複数層で構成される摺動部材は、例えば、圧力パッド64側に、潤滑剤の枯渇を抑制する潤滑剤透過防止層が配置されることが好ましい。潤滑剤透過防止層の材質としては、例えば、耐熱性があり、潤滑剤を透過させない耐熱性樹脂フィルムや金属フィルム等が挙げられる。また、導電性表面層と潤滑剤透過防止層との間に弾性層を設けることが好ましく、弾性層の材質としては、例えば、ゴム硬度がJIS−A硬度で15°以上45°以下程度のゴム、エラストマー等の弾性体が挙げられ、より具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が用いられる。
本実施形態に係る定着装置を、ベルト部材が記録媒体上のトナー像と接する構成、即ち、ベルト部材として、記録媒体上のトナー像と接する加熱側に配置された定着ベルト62を用い、回転部材として加圧ロール61を用いた構成を例として説明した。しかしながら、本実施形態に係る定着装置におけるベルト部材及び回転部材はこれらに制限されるものではない。本実施形態に係る定着装置は、例えば、ベルト部材として記録媒体上のトナー像と接しない加圧ベルトを用い、回転部材として加熱源(例えばハロゲンヒータ等)を内周側に有する定着ロールを用いた構成を有していてもよい。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット、10 一次転写部、11 感光体ドラム、12 帯電装置、13 露光装置、14 現像装置、15 中間転写ベルト、16 一次転写ロール、17 ドラムクリーナ、20 二次転写部、22 二次転写ロール、25 バックアップロール、26 給電ロール、31 駆動ロール、32 支持ロール、33 テンションロール、34 クリーニングバックアップロール、35 中間転写ベルトクリーナ、40 制御部、42 基準センサ(ホームポジションセンサ)、43 画像濃度センサ、50 給紙手段、51 ピックアップロール、52 搬送ロール、53 用紙搬送路、55 搬送ベルト、56 定着入口ガイド、60 定着装置、61 加圧ロール、611 コア(円柱状芯金)、612 耐熱性弾性体層、613 表面層、62 ベルト部材(定着ベルト)、621 基材層、622 弾性体層、623 離型層、631 エッジガイド部材、632 フランジ部、633 ベルト走行ガイド部、634 ベルトガイド部材、64 押圧部材(圧力パッド)、65 ホルダ、66 発熱体、70 被検知部、72 電極、74 検知手段、76 帯電部材、100 画像形成装置、N ニップ部、P 用紙。
Claims (4)
- 回転可能な回転部材と、
前記回転部材に接触しながら移動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材を介して前記回転部材を押圧して前記ベルト部材と前記回転部材との間にニップ部を形成する押圧部材と、
前記ベルト部材の幅方向の両端部に配置され、前記ベルト部材の内周面を回転自在に支持するエッジガイド部材と、
前記ベルト部材の幅方向の少なくとも一方の端部に設けられ、前記ベルト部材を形成する材料とは異なる電荷密度を有する被検知部と、
前記被検知部と対向するように配置されている電極と、
前記電極における電荷の変動を計測して前記ベルト部材と前記電極との接触を検知する検知手段と、を備える、
記録媒体に保持されたトナー像を定着する定着装置。 - 前記被検知部がエレクトレットで形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
- 前記ベルト部材の前記被検知部が設けられている部位を含む周方向の領域において、前記ベルト部材の表面と接触している帯電部材を更に備え、
前記被検知部が前記ベルト部材を形成する材料とは摩擦帯電列の異なる材料で形成されており、
前記帯電部材が前記被検知部を形成する材料とは摩擦帯電列の異なる材料で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電させた前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
転写された記録媒体上のトナー像を定着する定着手段と、を備え、
前記定着手段が請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置であり、
前記検知手段が計測した前記電極における電荷の変動が前記ベルト部材の回転に伴う周期的な変動とは異なる場合に前記定着装置の機能を停止することを特徴とする、画像形成装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023127683A1 (ja) * | 2021-12-28 | 2023-07-06 | 株式会社村田製作所 | 搬送ベルトおよび搬送装置 |
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2016
- 2016-02-29 JP JP2016038006A patent/JP2017156461A/ja active Pending
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WO2023127683A1 (ja) * | 2021-12-28 | 2023-07-06 | 株式会社村田製作所 | 搬送ベルトおよび搬送装置 |
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