以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に示されるように、冷凍装置1は、複数(本実施形態では3台)のコンデンシングユニット(以下、単に「ユニット」とも称する。)3a,3b,3cからなるコンデンシングユニットセットと、このコンデンシングユニットセットの各ユニット3a,3b,3cが接続されてこれら各ユニット3a,3b,3cと共に冷媒回路(冷凍サイクル)10を形成する室内ユニット2と、を備える。当該冷凍装置1における室内ユニット2は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等に設置されるショーケースや冷蔵庫、冷凍庫等である。
尚、図中において、3台のユニット3a,3b,3cは、同一の構成であるものとして、ユニット制御部4b,4c、運転スイッチSW2,SW3及び制御切換スイッチsw2,sw3を除いてユニット3b,3c内の各部の記載を省略する。また、以下では、3台のユニット3a,3b,3cを総称して説明する場合に、コンデンシングユニット3と示すものとする。同様に、各ユニット3a,3b,3cのユニット制御部4a,4b,4cを総称して説明する場合に、ユニット制御部4と示すものとする。
各ユニット3a,3b,3cは、それぞれコンデンシングユニット回路(以下、単に「ユニット回路」とも称する。)30と、運転スイッチSW1,SW2,SW3と、ユニット回路30を制御可能なユニット制御部(制御部)4a,4b,4cと、を備え、室内ユニット2は、室内ユニット回路20と、室内ユニット制御部21と、を備える。また、冷凍装置1は、液冷媒配管11とガス冷媒配管12とを備え、各ユニット回路30と室内ユニット回路20とを液冷媒配管11及びガス冷媒配管12により接続して、同一の冷媒循環系統からなる冷媒回路(冷凍サイクル)10を構成(形成)する。
液冷媒配管11の一端は、3つに分岐され、分岐された各端部が各ユニット3a,3b,3cのユニット回路30の低圧側(吸入側)の端部に設けられる閉鎖弁13に接続される。この液冷媒配管11の3つに分岐された一端には、それぞれ逆止弁である流入防止弁15がそれぞれ設けられる。一方、液冷媒配管11の他端は、室内ユニット回路20の液側に接続される。
流入防止弁15は、閉鎖弁13から室内ユニット2へ向かう冷媒の流れのみを許容する。この流入防止弁15が設けられることにより、3台のユニット3a,3b,3cのうちの1台又は2台のユニットが停止していても、運転中のユニット(例えば、ユニット3a)から吐出された冷媒がこの停止しているユニット(例えば、ユニット3b,3c)内に逆流することを防ぐことができる。尚、流入防止弁15が配置される場所は、液冷媒配管11の一端(各ユニット3a,3b,3cの外側)に限定されず、各ユニット3a,3b,3c内(例えば、第2液管66の下流側(流出側)の端部等)に設けられてもよい。
また、ガス冷媒配管12の一端は、3つに分岐され、分岐された各端部が各ユニット3a,3b,3cのユニット回路30の高圧側(吐出側)の端部に設けられる閉鎖弁14に接続される。一方、ガス冷媒配管12の他端は、室内ユニット回路20のガス側に接続される。
ユニット回路30は、3台の圧縮機31L,31M,31Rと、熱交換器(凝縮器)33と、レシーバ34と、エコノマイザ回路60と、を備える。
3台の圧縮機31L,31M,31Rは、例えば、全密閉式高圧ドーム型のスクロール圧縮機により構成され、互いに並列に接続される。圧縮機31Lは、インバータの出力周波数を変化させて電動機の回転数を変化させることによって、容量が可変な容量可変圧縮機として構成される。圧縮機31M,31Rは、電動機が常時一定の所定回転数で運転され、容量が固定された(変更不能な)一定速圧縮機として構成される。
圧縮機31L,31M,31Rは、吸入管61L,61M,61Rから流入した冷媒を圧縮し、当該圧縮した高圧の冷媒を吐出管62L,62M,62Rへ吐出する。各吐出管62L,62M,62Rの各流出端は、吐出合流管62の一端(流入端)に接続される。この吐出合流管62の他端(流出端)は、熱交換器33の一端(ガス側)に接続される。この吐出合流管62は、各吐出管62L,62M,62Rからの冷媒を合流して熱交換器33に供給する。
吐出管62L,62M,62Rは、それぞれ油セパレータ91L,91M,91Rを備える。油セパレータ91L,91M,91Rは、圧縮機31L,31M,31Rから吐出された冷媒から冷凍機油を分離させる。各油セパレータ91L,91M,91Rには、それぞれ油戻し管92L,92M,92Rが接続されている。
油戻し管92L,92M,92Rは、油戻し合流管92の一端(流入端)に合流している。一方、油戻し合流管92の他端(流出端)は、インジェクション管68に接続されている。これによって、各油セパレータ91L,91M,91Rで分離された冷凍機油は、各圧縮機31L,31M,31Rの中間圧の圧縮室に流入する。
熱交換器(凝縮器)33は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成され、近傍に設けられたファン(ユニットファン)38によって送られる室外空気と熱交換器33内に循環される冷媒との間で熱交換を行う。熱交換器33の他端(液側)は、第1液管65を介してレシーバ34の頂部に接続される。
レシーバ34は、熱交換器33とエコノマイザ回路60の過冷却熱交換器63との間に配置され、熱交換器33において凝縮された高圧冷媒を一時的に貯留する。
エコノマイザ回路60は、液冷媒を過冷却状態にする回路であり、過冷却熱交換器63と、中間インジェクション回路67と、を有する。
過冷却熱交換器63は、例えば、プレート型熱交換器により構成され、第2液管66及び中間インジェクション回路67のインジェクション管68を流れる冷媒同士を熱交換させ、第2液管66を流れる冷媒を過冷却状態にする。第2液管66の流入端は、レシーバ34の底部に接続され、第2液管66の流出端は、閉鎖弁13に接続される。
中間インジェクション回路67は、第2液管66内をレシーバ34から閉鎖弁13に向けて流れる冷媒の一部を分流させて各圧縮機31L,31M,31Rにおける中間圧の圧縮室(中間圧力部)に導入(注入)するインジェクション管68と、インジェクション管68に設けられる過冷却用膨張弁69と、を有する。
インジェクション管68の流入端は、第2液管66における過冷却熱交換器63の下流側の部位に接続され、インジェクション管68の流出端は、各圧縮機31L,31M,31Rに接続される。詳しくは、インジェクション管68の流出端側は、3つの分岐インジェクション管68L,68M,68Rに分岐し、これら3つの分岐インジェクション管68L,68M,68Rは、それぞれ、各圧縮機31L,31M,31Rに接続され、中間圧の圧縮室に連通している。
過冷却用膨張弁69は、例えば、開度が調節可能な電子膨張弁により構成される。尚、本実施形態では、過冷却用膨張弁69の開度を調節して各圧縮機31L,31M,31Rに供給される冷媒(ガス冷媒)量を変更可能にしているが、これに限定されない。例えば、インジェクション管68に、開度が固定された膨張弁と、開閉弁と、この開閉弁の開度を調節する開度調節部とを設け、開度調節部による開閉弁の開度調節によって各圧縮機31L,31M,31R側に供給される冷媒(ガス冷媒)量を変更可能にしてもよい。
また、ユニット回路30は、各種センサを備える。具体的には、吐出管62L,62M,62Rに、それぞれ吐出管62L,62M,62Rの温度を検出する吐出管温度センサTL,TM,TRが設けられ、吸入合流管61に、吸入合流管61の温度を検出する吸入管温度センサTCが設けられる。
また、ファン38の近傍には、外気温度を検出するための外気温センサ(温度検出部)Toutが設けられる。インジェクション管68には、過冷却用膨張弁69の下流側に過冷却熱交換器63に流入する冷媒の温度を検出する第1液温センサT1が設けられ、過冷却熱交換器63の下流側に当該過冷却熱交換器63から流出する冷媒の温度を検出する第2液温センサT2が設けられる。
更に、各吸入管61L,61M,61Rの合流箇所、即ち、吸入合流管61の流出端には、圧縮機31L,31M,31Rに分かれて吸入される低圧冷媒の圧力を検出する低圧圧力センサ(圧力検出部)PLが設けられる。一方、各吐出管62L,62M,62Rの合流箇所、即ち、吐出合流管62の流入端には、圧縮機31L,31M,31Rから吐き出されて合流した高圧冷媒の圧力を検出する高圧圧力センサPHが設けられる。
運転スイッチSW1,SW2,SW3は、ONにすることによりユニット3a,3b,3cの圧縮機31L,31M,31Rを駆動可能な状態にし、OFFにすることにより駆動中の圧縮機31L,31M,31Rを停止させる。また、この運転スイッチSW1,SW2,SW3は、当該運転スイッチSW1,SW2,SW3のON/OFFを切り換えることにより、当該運転スイッチSW1,SW2,SW3が設けられたユニット3a,3b,3cのユニット制御部4a,4b,4cの各種設定をリセットして当該ユニット制御部4a,4b,4cに生じた異常を解除することができる。
室内ユニット2の室内ユニット回路20は、室内膨張弁27と、室内熱交換器(蒸発器)23と、室内ファン28と、を備える。
室内膨張弁27は、例えば、開度が調整可能な電子膨張弁により構成されている。室内熱交換器23は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成され、近傍に設けられた室内ファン28によって送られる室内空気(又はショーケース内等の空気)と室内熱交換器23内に循環される冷媒との間で熱交換を行う。
室内ユニット制御部21は、室内膨張弁27の開度や室内ファン28等の室内ユニット回路の各構成要素を制御する。
ユニット制御部4は、ユニット3の各圧縮機31L,31M,31Rやファン38等の各構成要素の制御を司る部位であり、例えば、CPUと、ROMやRAM等のメモリと、を備えたマイクロコンピュータにより構成される。このユニット制御部4には、各温度センサT1,T2,TC,TL,TM,TR,Tout及び各圧力センサPL,PHの検出値を示す制御信号が入力される。
ユニット制御部4は、メモリに予め格納されている制御プログラムを実行することにより、冷媒回路10にユニット3が1台しか設けられていないときには、低圧圧力センサPLにより検出(計測)された冷媒圧力に基づいて当該ユニット制御部4を備えたユニット3の各圧縮機31L,31M,31Rやファン38等を制御することにより室内ユニット2の冷却能力を調節する。一方、ユニット制御部4は、前記制御プログラムを実行することにより、冷媒回路10に複数台のユニット3,3,…が設けられているときには、当該ユニット制御部4を備えたユニット3を親ユニット又は子ユニットとして動作させる。ここで親ユニットとは、室内ユニット2の冷却能力を調節するために、他のユニット等からの指示がなくても自己のユニット制御部4が低圧圧力センサPLにより検出された冷媒圧力に基づいて当該ユニット(親ユニット)の各圧縮機31L,31M,31Rやファン38等を制御すると共に他のユニット(子ユニット)のユニット制御部4に制御の指示を行うことが可能なユニットである。また、子ユニットとは、親ユニットからの指示に基づいて当該子ユニットのユニット制御部4が当該子ユニットの各圧縮機31L,31M,31Rやファン38等を制御するユニットである。
本実施形態では、3台のユニット3a,3b,3cのうち、ユニット3aが親ユニットとして動作し、ユニット3b,3cが子ユニットとして動作する。そして、親ユニット3aのユニット制御部4aと各子ユニット3b,3cのユニット制御部4b,4cとの間は、制御信号等をやり取りできるように有線又は無線によってそれぞれ伝送接続されている。
親ユニットとして動作する親ユニットモードと、子ユニットとして動作する子ユニットモードとの切り換えは、各ユニット3a,3b,3cに設けられた制御切換スイッチsw1,sw2,sw3によって行われる。
例えば、制御切換スイッチsw1によって親ユニット(親ユニットモード)に切り換えられたユニット3aのユニット制御部4aは、前記制御プログラムの実行により、機能的に、能力指示部41と、起動時調整部42と、冷凍サイクル運転制御部43とを備える(図2(A)参照)。
能力指示部41は、親ユニット3aの低圧圧力センサPLにより検出(計測)された冷媒圧力に基づいて各子ユニット3b,3cのユニット制御部4b,4cに対して圧縮能力の上げ下げを指示する。具体的には、能力指示部は、低圧圧力センサPLにより検出された冷媒圧力が予め設定された第1閾値(本実施形態では目標とする低圧側の冷媒圧力(目標圧力)+0.1MPa)よりも高いときに、子ユニット3b,3cのユニット制御部4b,4cに圧縮能力を上げる指示(能力UP信号)を伝送する。これにより、冷媒回路10の高圧側の冷媒圧力が上がる。一方、能力指示部41は、前記検出された冷媒圧力が予め設定された第2閾値(本実施形態では目標圧力−0.1MPa)以下のときに、子ユニット3b,3cのユニット制御部4b,4cに圧縮能力を下げる指示(能力DN信号)を伝送する。これにより、冷媒回路10の高圧側の冷媒圧力が下がる。尚、第2閾値は、第1閾値よりも低い値である。
起動時調整部42は、各ユニット制御部4a,4b,4cからの一定速圧縮機31M,31Rの複数の起動許可の求めに対し、各ユニット3a,3b,3cの一定速圧縮機31M,31Rが異なるタイミングで起動するように許可する。具体的に、起動時調整部42は、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rの起動許可の求め(許可要求信号)と子ユニット3b,3cの一定速圧縮機31M,31Rの起動許可の求め(許可要求信号)とが重なったときに、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rの起動を優先し、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rの起動後に子ユニット3b,3cの一定速圧縮機31M,31Rが起動するように許可を出す(許可信号を伝送する)。また、起動時調整部42は、複数の子ユニット3b,3cから許可要求信号を同時に受け取ったときに、これら子ユニット3b,3cの一定速圧縮機31M,31Rの起動のタイミングを判断する。本実施形態の起動時調整部42は、子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rの起動を子ユニット3cの一定速圧縮機31M,31Rの起動よりも優先する。
尚、起動時調整部42が一定速圧縮機31M,31Rの起動を許可するときに、ユニット3a,3b,3cのうちのどのユニットに対して優先して許可するようにしてもよい。例えば、起動時調整部42は、親ユニット3aよりも子ユニット3b,3cの一定速圧縮機31M,31Rの起動を優先してもよく、また、子ユニット3bよりも子ユニット3cの一定速圧縮機31M,31Rの起動を優先してもよい。即ち、起動時調整部42は、各ユニット3a,3b,3cの一定速圧縮機31M,31Rが同時に起動しないように起動の許可を出す。
冷凍サイクル運転制御部43は、親ユニット3aのユニット回路30を制御すると共に子ユニット3b,3cのユニット制御部4b,4cを介して当該子ユニット3b,3cのユニット回路30を制御することにより、冷凍装置1の冷凍サイクル運転の制御を行う。
具体的に、冷凍サイクル運転制御部43は、各ユニット3a,3b,3cにそれぞれ設けられた3台の圧縮機31L,31M,31Rのうちの少なくとも1台を起動する。また、冷凍サイクル運転制御部43は、各ユニット3a,3b,3cの過冷却用膨張弁69の開度を適宜調整する。これにより、冷媒回路10において図中の矢印方向に冷媒が循環する。
各圧縮機31L,31M,31Rによって圧縮された高圧の冷媒は、各吐出管62L,62M,62Rを介して吐出合流管62に流入することによって合流し、この吐出合流管62から熱交換器33に流入する。
各吐出管62L,62M,62Rに備えられた油セパレータ91L,91M,91Rは、各吐出管62L,62M,62Rを流れる高圧の冷媒から冷凍機油を分離して貯留する。当該貯留された冷凍機油は、各油戻し管92L,92M,92R及び油戻し合流管92を介して、インジェクション管68に流入する。
熱交換器33は、流入した高圧冷媒を室外空気へ放熱させて凝縮させる。即ち、熱交換器33は、凝縮器として働く。当該凝縮された冷媒は、第1液管65、レシーバ34、及び第2液管66を順に流れる。第2液管66に流入した冷媒は、インジェクション管68と液冷媒配管11に分流される。
インジェクション管68に流入した冷媒は、過冷却用膨張弁69において減圧されることによって温度を下げられた後、過冷却熱交換器63を通過する。過冷却熱交換器63では、第2液管66を流れる冷媒とインジェクション管68を流れる冷媒とが熱交換し、これにより、第2液管66を流れる冷媒が過冷却される一方、インジェクション管68を流れる冷媒が蒸発する。そして、第2液管66において過冷却された液冷媒が液冷媒配管11に流入し、インジェクション管68において蒸発したガス冷媒が各圧縮機31L,31M,31Rに向かう。
液冷媒配管11に流入した冷媒は、室内ユニット回路20へ流入する。このとき、停止中のユニット3a,3b,3cがあっても、流入防止弁15によって、運転中(駆動中)のユニット(例えば、3a,3b)のユニット回路30から吐出された冷媒が液冷媒配管11を介して停止中の各ユニット(例えば3c)のユニット回路30内に逆流することが防がれている。
室内ユニット回路20に流入した冷媒は、室内膨張弁27で減圧された後、室内熱交換器23に流入する。
室内熱交換器23に流入した低圧冷媒は、室内空気から吸熱して蒸発する。これによって、室内ユニット(例えば、ショーケースや冷蔵庫等)2内が冷却される。当該蒸発した冷媒は、ガス冷媒配管12を介して各ユニット回路30に分流される。
各ユニット回路30に流入した冷媒は、吸入合流管61に流入した後、各吸入管61L,61M,61Rに分流される。そして、各吸入管61L,61M,61Rに流入した冷媒は、各圧縮機31L,31M,31Rに供給され、各圧縮機31L,31M,31Rにおいて圧縮された後再び吐出される。尚、駆動していない(圧縮機31L,31M,31Rが停止状態の)ユニット3(ユニット回路30)がある場合、当該ユニット回路30において冷媒は各吸入管61L,61M,61R内を流れない。
一方、インジェクション管68に流入したガス冷媒は、油戻し合流管92に流入した冷凍機油と共に、各分岐インジェクション管68L,68M,68Rを介して各圧縮機31L,31M,31Rの圧縮機構における中間圧の圧縮室へ導入される。尚、当該ガス冷媒のインジェクション量は、過冷却用膨張弁69の開度によって調整される。
冷凍装置1の冷凍サイクル運転時には、冷凍サイクル運転制御部43による制御によってこのような冷媒の循環が繰り返される。
また、例えば、制御切換スイッチsw2,sw3によって子ユニット(子ユニットモード)に切り換えられたユニット3b,3cのユニット制御部4b,4cは、前記制御プログラムの実行により、機能的に、許可要求部44と、起動部45と、停止判断部46と、停止部47と、を備える(図2(B)参照)。
許可要求部44は、判断部44aと要求部44bとを有する。
判断部44aは、親ユニット3a(詳しくは、能力指示部41)からの能力UP信号を受け取ったときに、当該許可要求部44を備える子ユニット3b,3cの容量可変圧縮機31L及び一定速圧縮機31M,31Rのいずれを起動させるかを判断する。
要求部44bは、判断部44aが一定速圧縮機31M,31Rを起動させると判断したときに許可要求信号を親ユニット3aのユニット制御部4a(詳しくは、起動時調整部42)に伝送する。一方、要求部44bは、判断部44aが容量可変圧縮機31Lを起動させると判断したときには、親ユニット3aに許可要求信号を伝送することなく、起動部45に容量可変圧縮機31Lの起動指令を出す。これは、容量可変圧縮機31Lの起動時には電動機の回転数を徐々に上げていくため突入電流が小さく、これにより、容量可変圧縮機31Lの起動時が他のユニット3の圧縮機31L,31M,31Rの起動時と重なっても一時的な消費電力の大きな上昇による停電が生じ難いからである。
起動部45は、親ユニット3aからの許可信号を受け取ったときに許可要求部44(要求部44b)が起動の許可を求めた一定速圧縮機31M,31Rを起動させる。また、起動部45は、要求部44bから容量可変圧縮機31Lの起動指令を受け取ったときには、容量可変圧縮機31Lを起動させる。
停止判断部46は、親ユニット3a(詳しくは、能力指示部41)からの能力DN信号を受け取ったときに、当該停止判断部46を備える子ユニット3b,3cの駆動中の容量可変圧縮機31L又は一定速圧縮機31M,31Rのいずれを停止させるかを判断する。
停止部47は、停止判断部46が停止させると判断した圧縮機31L,31M,31Rを停止させる。このように、本実施形態の冷凍装置1では、駆動中の圧縮機31L,31M,31Rを停止する場合には、親ユニット3aの許可を必要としない。
以上のような親ユニット3aと子ユニット3b,3cとの間では、起動時調整部42に各ユニット3a,3b,3cの一定速圧縮機31M,31Rについての起動許可要求信号が同時(一度)に到達したときに、例えば、図3及び以下のような信号のやり取り(伝送)が行われる。本実施形態においては、親ユニット3aのユニット制御部4aと子ユニット3b,3cのユニット制御部4b,4cとの間の起動許可要求信号のやり取りは、所定間隔毎(例えば、5秒や10秒間隔毎)に行われている。このため、一回の信号のやり取りにおいて、複数の起動許可要求信号が同時に(一度に)起動時調整部42に到達する場合がある。尚、前記起動許可要求信号のやり取りが連続して行われる場合、前記の「信号が同時(一度)に到達する」は、複数の起動許可要求信号が同一時刻に起動時調整部42に到達する場合のみではなく、所定の時間間隔(例えば、数秒間隔)内に複数の起動許可要求信号が起動時調整部42に到達した場合も含む。
起動時調整部42が、親ユニット3aの冷凍サイクル運転制御部43と、各子ユニット3b,3cの要求部44bと、からの一定速圧縮機31M,31Rの起動許可要求信号を受け取る。本実施形態の起動時調整部42は、親ユニット3aを優先するため、親ユニット3aの冷凍サイクル運転制御部43に許可信号を伝送する。親ユニット3aの冷凍サイクル運転制御部43は、一定速圧縮機31M,31Rを起動する。
この起動が完了すると、親ユニット3aの起動時調整部42は、子ユニット3bの起動部45に許可信号を伝送する。子ユニット3bの起動部45は、許可信号を受け取ると、親ユニット3aの起動時調整部42に圧縮機起動信号を伝送すると共に当該子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rを起動する。子ユニット3bの起動部45は、一定速圧縮機31M,31Rの起動が完了すると、親ユニット3aの起動時調整部42に圧縮機起動信号のリセット信号及び起動許可要求信号のリセット信号を伝送する。親ユニット3aの起動時調整部42は、起動許可要求信号のリセット信号を受け取ると、子ユニット3bの起動部45に許可信号のリセット信号を伝送する。
次に、親ユニット3aの起動時調整部42は、子ユニット3cの起動部45に許可信号を伝送する。子ユニット3cの起動部45は、許可信号を受け取ると、親ユニット3aの起動時調整部42に圧縮機起動信号を伝送すると共に当該子ユニット3cの一定速圧縮機31M,31Rを起動する。子ユニット3cの起動部45は、一定速圧縮機31M,31Rの起動が完了すると、親ユニット3aの起動時調整部42に圧縮機起動信号のリセット信号及び起動許可要求信号のリセット信号を伝送する。親ユニット3aの起動時調整部42は、起動許可要求信号のリセット信号を受け取ると、子ユニット3cの起動部45に許可信号のリセット信号を伝送する。
以上のようにして、親ユニット3aの起動時調整部42は、複数の起動許可要求信号を受け取ったときに各ユニット3a,3b,3cの一定速圧縮機31M,31Lの起動のタイミングをずらしている。
ユニット制御部4は、圧縮機31L,31M,31Rに異常が生じた場合に当該異常の生じた圧縮機31L,31M,31Rを停止させる圧縮機保護制御を親ユニット3aのユニット制御部4aからの指示に基づいて実行している。しかし、親ユニット3aのユニット制御部4aと子ユニット3b,3cのユニット制御部4b,4cとの間の伝送が途切れているときに子ユニット3b,3cの圧縮機31L,31M,31Rに異常が生じた場合には、子ユニット3b,3cのユニット制御部4b,4cは、親ユニット3aからの指示なしに圧縮機保護制御を行う。
以上の冷凍装置1では、冷凍サイクル運転中において具体的には以下のような制御が行われる。図4は、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rの起動時における制御を説明するためのフロー図であり、図5は、子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rの起動時における制御を説明するためのフロー図であり、図6は、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rの停止時における制御を説明するためのフロー図であり、図7は、子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rの停止時における制御を説明するためのフロー図である。
尚、子ユニット3bと子ユニット3cとにおいて同じ制御が行われるため、以下では、子ユニット3bの制御について説明し、子ユニット3cの制御についての説明を省略する。
<親ユニットの一定速圧縮機の起動時>
ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Lが全て停止している状態のときに(ステップS1)、当該ユニット3aのユニット制御部4aは、制御切換スイッチsw1がON(即ち、自らが親ユニット)であることを確認する(ステップS2)。制御切換スイッチsw1がONであれば(ステップS2;YES)、親ユニット3aのユニット制御部4aは、運転スイッチSW1がON(即ち、圧縮機が起動可能な状態)であることを確認する。
運転スイッチSW1がONであれば(ステップS3;YES)、親ユニット3aのユニット制御部4aは、当該親ユニット3aの圧縮機31M,31Rを起動するか否かの判断を行う(ステップS4)。具体的には、低圧圧力センサPLによって検出された冷媒圧力が「目標低圧+0.1MPa」(第1閾値)より大きければ(ステップS4;YES)、能力指示部41が冷凍サイクル運転制御部43に能力UP信号を出力し、冷凍サイクル運転制御部43が当該親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rを起動する(ステップS5)。
次に、親ユニット3aのユニット制御部4aは、他のユニット3bのユニット制御部4bの制御切換スイッチsw2がOFF(ユニット3bが子ユニット)であることを確認する(ステップS6)。即ち、親ユニット3aのユニット制御部4aは、他のユニット3bが親ユニット3aからの指示に基づいて当該ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Lの制御を行う状態か否かを確認する。
他のユニット3bの制御切換スイッチsw2がOFFのときに(ステップS6;YES)、起動時調整部42が子ユニット3bからの起動許可要求信号を受け取っていれば、当該起動時調整部42は、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rの起動が完了した後に子ユニット3bに許可信号を伝送する(ステップS7)。尚、起動時調整部42が複数の起動許可要求信号を受け取っていた場合には、図3に基づいて上述した制御(各ユニット3a,3b,3cの一定速圧縮機31M,31Rが一斉に起動しないように許可信号を伝送する制御)が行われる。
尚、ステップS2において制御切換スイッチsw1がOFF(即ち、自らが子ユニット)であれば(ステップS2;NO)、制御切換スイッチsw1がONに切り換えられるまで、ユニット3aは待機状態となる。
また、ステップS3において運転スイッチSW1がOFFであれば(ステップS3;NO)、親ユニット3aは、当該親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rの停止状態を維持する(ステップS8)。
また、ステップS4において低圧圧力センサPLによって検出された冷媒圧力が第1閾値以下であれば(ステップS4;NO)、前記検出された冷媒圧力が第1閾値を超えるまで、親ユニット3aは、当該親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rの停止状態を維持する(ステップS8)。
また、ステップS6において他のユニット3bの制御切換スイッチsw2がONのとき(ステップS6;NO)、即ち、他のユニット3bが自らの低圧圧力センサPLにより検出した冷媒圧力に基づいて自己の一定速圧縮機31M,31Rの制御を行う状態(親ユニットの状態)であれば、親ユニット3aは、他のユニット3bに指示を出さない(ステップS9)。
<子ユニットの一定速圧縮機の起動時>
ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Lが全て停止している状態のときに(ステップS11)、当該ユニット3bのユニット制御部4bは、制御切換スイッチsw2がOFF(即ち、自らが子ユニット)であることを確認する(ステップS12)。制御切換スイッチsw2がOFFであれば(ステップS12;YES)、子ユニット3bのユニット制御部4bは、運転スイッチSW2がON(即ち、圧縮機が起動可能な状態)であり(第1条件)、且つ、親ユニット3aからの一定速圧縮機31M,31Rの停止要求の指示(停止要求信号)を受け取っていないこと(第2条件)を確認する(ステップS13)。
第1条件及び第2条件の両方を満たしたときに(ステップS13;YES)、子ユニット3bの起動部45が親ユニット3aからの許可信号を受け取ると(ステップS14;YES)、起動部45が当該子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rを起動する(ステップS15)。ここで、ステップS14において子ユニット3bの起動部45が受け取る許可信号は、子ユニット3bの許可要求部44が親ユニット3aの能力指示部41から能力UP信号を受け取ったときに、判断部44aが一定速圧縮機31M,31Rを起動させると判断して要求部44bが親ユニット3aの起動時調整部42に起動許可要求信号を伝送することにより、親ユニット3aの起動時調整部42から所定のタイミングで伝送される信号である。
また、第1条件及び第2条件の両方を満たしたときに(ステップS13;YES)、子ユニット3bのユニット制御部4bと親ユニット3aのユニット制御部4bとの間の伝送が途切れていた場合には、子ユニット3bのユニット制御部4bは、自己の低圧圧力センサPLにより検出された冷媒圧力が第1閾値よりも大きければ(ステップS14;YES)、当該子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rを起動する。
尚、ステップS12において制御切換スイッチsw2がONであれば(ステップS12;NO)、ユニット3bは親ユニットとして動作するためユニット3aからの指示を受け付けない。
また、ステップS13において第1条件及び第2条件の少なくとも一方の条件が満たされない場合(ステップS13;NO)、子ユニット3bのユニット制御部4bは、当該子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rの停止状態を維持する(ステップS16)。
また、ステップS14において親ユニット3aからの許可信号がない(ステップS14;NO)、及び前記検出された冷媒圧力が第1閾値以下(ステップS14;NO)の少なくとも一方を満たす場合には、子ユニット3bのユニット制御部4bは、一定速圧縮機31M,31Rの停止状態を維持する(ステップS16)。
<親ユニットの一定速圧縮機の停止時>
ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Lが駆動している状態のときに(ステップS21)、当該ユニット3aのユニット制御部4aは、制御切換スイッチsw1がON(即ち、自らが親ユニット)であることを確認する(ステップS22)。制御切換スイッチsw1がONであれば(ステップS22;YES)、親ユニット3aのユニット制御部4aは、運転スイッチSW1がON(即ち、圧縮機が起動可能な状態)であることを確認する。
運転スイッチSW1がONであれば(ステップS23;YES)、親ユニット3aのユニット制御部4aは、当該親ユニット3aの圧縮機31M,31Rを停止するか否かの判断を行う(ステップS24)。具体的には、低圧圧力センサPLによって検出された冷媒圧力が第2閾値より小さければ(ステップS24;YES)、能力指示部41が冷凍サイクル運転制御部43に能力DN信号を出力し、冷凍サイクル運転制御部43が当該親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rを停止させる(ステップS25)。
次に、親ユニット3aのユニット制御部4aは、他のユニット3bのユニット制御部4bの制御切換スイッチsw2,sw3がOFF(ユニット3bが子ユニット)であることを確認する。
他のユニット3bの制御切換スイッチsw2がOFFのときに(ステップS26;YES)、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rを停止しても低圧圧力センサPLにより検出された冷媒圧力が第2閾値より小さいままであれば、能力指示部41が子ユニット3bに停止要求信号を伝送する(ステップS27)。停止要求信号を受け取った子ユニット3aの停止判断部46は、当該子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rを停止するか否か判断する。停止判断部46が一定速圧縮機31M,31Rを停止させると判断すると、停止部47が当該子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rを停止する。
尚、ステップS22において制御切換スイッチsw1がOFF(即ち、自らが子ユニット)であれば(ステップS22;NO)、ユニット3aは、他のユニット(制御切換スイッチがONの状態のユニット)のユニット制御部からの停止要求信号を受け取るまで、一定速圧縮機31M,31Rの駆動状態を維持する。
また、ステップS23において運転スイッチSW1がOFFにされれば(ステップS23;NO)、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rは停止する(ステップS28)。
またステップS24において低圧圧力センサPLによって検出された冷媒圧力が第2閾値以上であれば(ステップS24;NO)、前記検出された冷媒圧力が第2閾値より小さくなるまで、親ユニット3aは、当該親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rの駆動状態を維持する。
また、ステップS26において他のユニット3bの制御切換スイッチsw2がONの場合(ステップS26;NO)、親ユニット3aは、他のユニット3bに指示を出さない。
<子ユニットの一定速圧縮機の停止時>
ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Lが駆動している状態のときに(ステップS31)、当該ユニット3bのユニット制御部4bは、制御切換スイッチsw2がOFF(即ち、自らが子ユニット)であることを確認する(ステップS32)。制御切換スイッチsw2がOFFであれば(ステップS32;YES)、子ユニット3bのユニット制御部4bは、運転スイッチSW2がONであることを確認する(ステップS33)。
運転スイッチSW2がONのときに(ステップS33;YES)、子ユニット3bの停止判断部46が親ユニット3aからの停止要求信号を受け取り(ステップS34;YES)、停止判断部46が一定速圧縮機31M,31Rを停止させると判断すると、停止部47が当該子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rを停止させる(ステップS35)。
また、運転スイッチSW2がONのときに(ステップS33;YES)、子ユニット3bのユニット制御部4bと親ユニット3aのユニット制御部4bとの間の伝送が途切れていた場合には、子ユニット3bのユニット制御部4bは、自己の低圧圧力センサPLにより検出された冷媒圧力が第2閾値よりも小さければ(ステップS34;YES)、当該子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rを停止させる。
尚、ステップS32において制御切換スイッチsw2がONであれば(ステップS32;NO)、ユニット3bは親ユニットとして動作するためユニット3aからの指示を受け付けない。
また、ステップS33において運転スイッチSW2がOFFにされれば(ステップS33;NO)、子ユニット3bの一定速圧縮機31M,31Rは停止する(ステップS36)。
また、ステップS34において低圧圧力センサPLにより検出された冷媒圧力が第2閾値以上であれば(ステップS34;NO)、当該子ユニット3bのユニット制御部4bは、一定速圧縮機31M,31Rの駆動状態を維持する。
以上の冷凍装置1によれば、複数の一定速圧縮機31M,31Rが同時に起動することが防がれ、これにより、複数の一定速圧縮機31M,31Rが同時に起動することにより生じる一時的な消費電力の大きな上昇を抑えて停電を防ぐことができる。具体的には、各一定速圧縮機31M,31Rの突入電流(始動電流)は、定常状態での電流値よりも大きくなる。そのため、複数の一定速圧縮機31M,31Rが同時に起動すると当該冷媒回路(冷凍サイクル)10を制御する回路において一時的に大電流が流れ、電源等の容量を超える場合がある。そこで、親ユニット3aの制御部4aが、各コンデンシングユニット3a,3b,3cからの複数の起動許可の求め(起動許可要求信号)に対し、各一定速圧縮機31M,31Rの起動のタイミングをずらして許可することにより、前記一時的な大電流が流れて停電等が生じることを防ぐことができる。
また、上記冷凍装置1によれば、低圧側の冷媒圧力に基づいて一定速圧縮機31M,31Rを起動させるときに、先ず、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rを起動させる。これにより、親ユニット3aの一定速圧縮機31M,31Rと子ユニット3b,3cの一定速圧縮機31M,31Rを同時に起動することを確実に防ぐことができる。
また、上記冷凍装置1によれば、子ユニット3b,3cの制御部4b,4cに当該子ユニット3b,3cに設けられた圧縮機31L,31M,31Rの制御の一部(容量可変圧縮機31L及び一定速圧縮機31M,31Rのいずれの圧縮機を起動させるかの判断や、起動が許可された圧縮機31L,31M,31Rの起動制御等)を行わせることにより、各子ユニット3b,3cに設けられた容量可変圧縮機31L及び一定速圧縮機31M,31Rの全ての制御を親ユニット3aが行う場合に比べて、親ユニット3aと各子ユニット3b,3cとのデータの通信量を減らすことができる。
また、上記冷凍装置1において、親ユニット3aの制御部4aと各子ユニット3b,3cの制御部4b,4cとが伝送線によってそれぞれ接続され、この伝送線による伝送が行われている場合には、無線で伝送を行う場合に比べて周囲からの影響(ノイズ等)を受け難くなる。
また、各ユニット3a,3b,3cに制御切換スイッチsw1,sw2,sw3が設けられることにより、冷媒回路(冷凍サイクル)10を構成するように各ユニット3a,3b,3cが接続された後においても、親ユニットを変更することが可能となる。また、親ユニットモードに切り換えることにより、他のコンデンシングユニットとの伝送なしに起動制御が可能となる。
尚、本発明のコンデンシングユニットセット、及びこのユニットセットを備える冷凍装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態では、親ユニットのユニット制御部(起動時許可部)が異なるタイミングで各ユニットのユニット制御部に許可信号を伝送しているが、これに限定されない。例えば、親ユニットのユニット制御部は、各ユニットのユニット制御部に同時に指示信号を伝送してもよい。この指示信号は、親ユニット3aに対しては、例えば、直ぐに一定速圧縮機を起動するように指示するものであり、子ユニット3aに対しては、例えば、5秒後に一定速圧縮機を起動するように指示するものであり、子ユニット3cに対しては、例えば、15秒後に一定速圧縮機を起動するように指示するものである。
また、上記実施形態の冷凍装置1において、ユニットの数は、2台又は4台以上でもよい。即ち、冷凍装置1において、複数(上記実施形態のように3台に限定されず、3台や4台以上でもよい)のユニット3,3,…が設けられている場合に、これらのうちのいずれか1台のユニット3を親ユニットとして動作させ、残りの全てのユニット3,3,…を子ユニットとして動作させればよい。この場合、各ユニット3,3,…は、上記実施形態同様に、冷媒回路10において全て並列に接続される。
また、上記実施形態の冷凍装置1では、室内ユニット2が1台であるが、複数台の室内ユニット2,2,…が設けられてもよい。
また、上記実施形態の冷凍装置1においてエコノマイザ回路60が省略されてもよい。