JP5829938B2 - 地下貯留槽 - Google Patents

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Description

本発明は、貯水空間形成ブロックを水平方向及び垂直方向に組み立てて形成した構造体を、シート材で覆って内部に貯水空間を備えた貯留槽本体を形成し、更に、該貯留槽本体の外側を、床と側壁と天井を備えた保護枠で囲んだ状態で地面に埋設させる地下貯留槽に関するものである。
従来より、地下には、貯留槽(雨水貯留浸透施設)を設けて、降雨時に雨水を一時的に貯留できるようにし、この貯留した雨水を徐々に下水に流したり、周囲の地中に徐々に浸透させたりすることにより、洪水の発生を抑制することが行われている。
又、上記地下貯留槽に貯留した雨水は、防火用水や、花壇や畑の散水等に利用することも考えられている。
上記のような地下貯留槽は、近年では、樹脂製の貯水空間形成ブロックを用いて構築されることが多くなってきている。
この種の樹脂製の貯水空間形成ブロックを用いて構築される地下貯留槽は、たとえば、地面を掘り下げて平面形状が矩形(正方形を含む)の凹部を形成し、その内側に、コンクリート製又は鋼板製の側壁が設置されている。該側壁で周囲が区画された槽内には、表面が水平な底面となるように平板状の単位部材を配列した床部(基礎部)が形成してある。
該床部の上側には、貯水空間形成ブロック(充填用単位部材)が、水平方向に縦横に配列されると共に上下方向に積層して充填される。上記充填された貯水空間形成ブロックは、その周囲をシート材で覆うことで、内部に貯水空間が形成されている。更に、該各貯水空間形成ブロックの上側には、水平な梁となるように上記床部と同じ単位部材を配列して形成された天井部が設けられ、その後、上記凹部を埋め戻すことで全体が地下に埋設されるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
更に、樹脂製の貯水空間形成ブロックを用いて構築される地下貯留槽の別の形式のものとしては、貯水空間形成ブロックの水平方向及び上下方向に組み立てた構造体をシート材で覆ったものの周囲に設ける側壁及び床部(底)が、繊維強化プラスチック製とされた構成も従来提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
又、地下貯留槽の更に別の形式のものとしては、貯水空間を形成するための三次元構造体を、水平面内で直交する2方向に所定間隔で配列される柱状の部材と、隣接する各柱状の部材同士の間を水平方向に繋ぐ部材とからなる構成とし、且つ上載荷重及び側面からの負荷によって生じる剪断変形(貯留槽の下端部に対し上端側を水平方向に相対変位させるような変形)に耐えるようにするために、上記水平方向の部材の一部を、鉛直面内に筋交い状の構造を備えた部材とすることが従来提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
特開2007−284899号公報 特開2007−297070号公報 特開2009−209656号公報
ところが、地下貯留槽の側壁をコンクリート製とする場合は、現場で製造するには時間と手間がかかり、一方、工場製作したものは、重量が嵩むため、現場への搬入と据付けに時間と手間がかかることから、いずれの場合も施工性を高めることが難しいというのが実状である。そのため、現場での施工性を高めるには、地下貯留槽の側壁を、鋼板製等のコンクリート製以外のものとすることが考えられている。
ところで、地面に埋設された地下貯留槽は、地震発生時には、側壁の周囲の土砂より作用している土圧が増減すると共に、天井部上方の土被りの土砂が重り(マス)になり、この土被りの土砂が慣性力により揺り動かされるときの力が地下貯留槽の天井部に水平方向の荷重として作用するようになる。
この際、近年の知見によれば、上記地下貯留槽の構造に与える影響は、上記側壁に作用している土圧の増減による影響に比して、上記土被りの土砂が慣性力により揺り動かされることに起因して天井部に作用する荷重の影響が支配的であることが判明してきている。
すなわち、地震発生時に揺れが大きい場合は、上記土被りの土砂が慣性力により大きく揺り動かされるため、その力が、地下貯留槽の天井部に水平方向の大きな荷重として伝えられて、該天井部が大きく揺れるようになる。
そのため、上記特許文献1に示された地下貯留槽のように、天井部が単に平板状の単位部材を配列することで形成されている場合は、地震発生時に上記土被りの土砂より作用する水平方向の大きな荷重により、該天井部の各単位部材同士にずれが生じる虞がある。これにより、上記天井部全体では、上記各単位部材同士のずれに起因して、同一面内での平面形状が当初の矩形より変化するようになる変形(以下、面内剪断変形と云う)が生じる虞がある。
上記地下貯留槽の側壁が、鋼板製や、特許文献2に示されたような繊維強化プラスチック等の樹脂製等であって、曲げ剛性が比較的低い場合は、地震発生時に上記側壁が、該側壁の面に対して直交する方向から、上記土被りの土砂より上記面内剪断変形した天井部を介して伝えられる水平方向の荷重を受けると、該側壁の水平方向の一部又は全体が上記荷重の作用する方向に曲げられる曲げ変形(面外への曲げ変形)を生じるようになる。
更に、上記側壁が、繊維強化プラスチック等の樹脂製の場合等であって、該側壁自体の面内剪断変形に対する剛性が低い場合は、地震発生時に、側壁が、該側壁の面に平行な方向に沿って上記土被りの土砂より上記天井部を介して伝えられる水平方向の荷重を受けると、該側壁が上記荷重が作用する方向に沿って面内剪断変形を生じる虞がある。このような側壁の面内剪断変形が生じた場合は、該面内剪断変形を生じた側壁と直交する方向に配置されている別の側壁に、上下方向の一部又は全体が上記荷重の作用する方向に曲げられる曲げ変形が生じたり、該別の側壁が下端部を中心に上記荷重の作用する方向に傾いたりして、地下貯留槽全体に剪断変形(貯留槽の下端部に対し上端側を水平方向に相対変位させるような変形)が生じてしまう。
上記のように、地震発生時に地下貯留槽における側壁の曲げ変形や、傾きが大きくなると、上記側壁の内側に収容されている各貯水空間形成ブロックが、水平面内での縦横方向の配列や上下方向の配列を保持できなくなって、該各貯水空間形成ブロックの組立構造が瓦解する虞がある。このような各貯水空間ブロックの組立構造の瓦解が一旦生じてしまうと、地震が収束したとしても、上記地下貯留槽が、初期形状や初期の強度への復帰が困難になるという問題が生じる。
なお、特許文献3には、貯水空間を形成するための三次元構造体が、剪断変形に耐えるようにするための対策が示されているが、これは、たとえば、樹脂製の柱状の部材と水平方向の部材とから組み立てられる上記三次元構造体自体の剪断変形を抑制するためのものである。このため、上記特許文献3に示された手法を、上記のように、貯水空間形成ブロックによる三次元の組立構造体の外側を床部、側壁、天井部で囲う形式の地下貯留槽における天井部や側壁の面内剪断変形を防止するための対策として、そのまま適用するのは、あまり現実的ではない。
しかも、上記天井部や側壁の変形を防止するために上記三次元構造体の剪断変形に対する剛性を高める場合には、筋交い状の構造を備えた水平方向の部材を数多く必要とするため、コストが嵩むという問題が生じる。
そこで、本発明は、地震発生時に土被りの土砂より保護枠の天井部に大きな水平方向の荷重が作用しても、該保護枠の側壁の曲げ変形を抑制できて、該保護枠の内部に収容してある貯水空間形成ブロックの組立構造体の瓦解を防止することができる地下貯留槽を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、貯水空間形成ブロックを水平面内で縦横に配列すると共に、上下方向に複数積層配置して直方体形状に組み立てた構造体をシート材で覆って内部に貯水空間を形成した貯留槽本体と、上記貯留槽本体の外側を囲む保護枠とからなる地下貯留槽において記保護枠、上記貯留槽本体の底面形状に対応する平面形状を備えた床部材と、上記貯留槽本体の四方の側面の外側に配置した側壁部材と、上記貯留槽本体の上側に配置した天井部材と、を備え、上記側壁部材は、上記床部材の四方の端縁部にそれぞれ下端縁部を剛結合して備え、上記天井部材は、帯板状のパネルと、該帯板状のパネルの長手方向に沿う両端縁部から突出するリブとを設けた天井組立用単位パネルを複数配列して備えてなると共に、隣接して配置される上記組立用単位パネルの隣接するリブ同士が接するように配列して、該隣接するリブ同士の長手方向の水平方向で交差する方向に挿通したボルトとナットにより剛結合して一体構造物としてなり、上記天井部材の上面側は、上記リブと上記ボルト及びナットにより水平面内の二方向について土被りの土砂を係止させるための凹凸が形成されてなり、更に、上記天井部材は、連結部材を介して、上記貯留槽本体の上側に配置すると共に、四方の端縁部を上記各側壁部材に剛結合しなる構成とする。
更に、上記各構成において、床部材、複数の床組立用単位パネルを配列して備え、隣接する上記床組立用単位パネル同士を剛結合して一体構造物としてなる構成とし、各側壁部材、複数の側壁組立用単位パネルを配列して備え、隣接する上記側壁組立用単位パネル同士を剛結合して一体構造物としてなる構成とする。
更に又、上記構成において、複数の床組立用単位パネルと複数の側壁組立用単位パネルは端縁部から突出するリブを備え、隣接する床組立用単位パネル同士、及び、隣接する側壁組立用単位パネル同士は、上記各々の組立用単位パネルのリブ同士を剛結合してなる構成とする。
本発明の地下貯留槽によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)貯水空間形成ブロックを水平面内で縦横に配列すると共に、上下方向に複数積層配置して組み立てた構造体を、シート材で覆って内部に貯水空間を形成した貯留槽本体と、上記貯留槽本体の外側を囲む保護枠とからなり、且つ上記保護枠を、上記貯留槽本体の底面形状に対応する平面形状を備えた床部材と、該床部材の四方の端縁部にそれぞれ下端縁部を剛結合して備えた側壁部材と、上記貯留槽本体の上側に配置して四方の端縁部を上記各側壁部材の上端縁部に剛結合した天井部材とからなる構成としてあるので、貯留槽本体を、床部材と各側壁部材と天井部材からなる保護枠で囲んだ状態で地下に埋設できて、上記貯留槽本体の貯水機能を担保しているシート材が損傷する虞を防止することができて、貯水機能を確実に得ることができる。
(2)上記保護枠は、天井部材が一体構造物となっているため、地震発生時に、上記天井部材の上方に存在している土被りの土砂が慣性力により揺り動かされるときの力が、上記天井部材に対して水平方向の大きな荷重として作用しても、該天井部材の面内剪断変形を抑制することができる。又、上記各側壁部材が、それぞれ一体構造物となっていると共に、床部材と天井部材に対して共に剛結合されているため、地震発生時には、上記天井部材に対して土被りの土砂より水平方向の荷重が作用しても、該荷重が作用する方向に沿う配置の各側壁部材の面内剪断変形が抑制されることで、上記荷重が作用する方向に直交する配置の各側壁部材に生じる曲げ変形や傾きを抑制することができる。
(3)よって、本発明の地下貯水槽は、全体の剪断変形を抑えることができて、貯留槽本体における貯水空間形成ブロックの水平方向及び上下方向の配列を保持することができる。このため、本発明の地下貯留槽は、地震の収束後には、初期形状や初期の強度を備えた健全な状態に復帰させることができる。
(4)天井部材の上面側に、少なくとも水平面内で直交する2方向について土被りの土砂を係止させるための凹凸を設けるようにした構成とすることにより、地震発生時に土被りの土砂が天井部材と別な動きとなることを抑制できる。よって、地震後に各側壁部材に対して周囲の土砂より作用する土圧が、地震前と変化することを抑制させることができる。
(5)床部材を、複数の床組立用単位パネルを剛結合して一体構造物としてなる構成とし、各側壁部材を、複数の側壁組立用単位パネルを剛結合して一体構造物としてなる構成とし、天井部材を、複数の天井組立用単位パネルを剛結合して一体構造物としてなる構成とすることにより、地下貯留槽設置現場へは、床用と側壁用と天井用の各組立用単位パネルの状態で搬入することができるため、該各組立用単位パネルのサイズ及び重量を、ハンドリングが容易となるように設定することで、本発明の地下貯留槽の構築を容易なものとすることができる。
(6)複数の床組立用単位パネルと複数の側壁組立用単位パネルと複数の天井組立用単位パネルは、各々剛結合するリブを備えてなる構成とすることにより、床組立用単位パネルと側壁組立用単位パネルと天井組立用単位パネルを、それぞれ平面内で配列した状態で、隣接する各組立用単位パネルのリブ同士をボルトとナットで固定することにより、該各組立用単位パネルが剛結合されて一体構造物とされた床部材と各側壁部材と天井部材を容易に形成することができる。
本発明の地下貯留槽の実施の一形態を示す一部切断概略斜視図である。 図1の地下貯留槽を地下に埋設した状態を示す概略切断側面図である。 図1の地下貯留槽における保護枠の詳細な構成を示すもので、(a)は床部材の構造を示す切断側面図、(b)は天井部材の構造を示す切断側面図、(c)は側壁部材の構造を示す切断平面図である。 図1の地下貯留槽における保護枠の詳細な構成を示すもので、(a)は床部材と側壁部材との剛結合部分を示す切断側面図、(b)は側壁部材と天井部材との剛結合部分を示す切断側面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
本発明の地下貯留槽によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)貯水空間形成ブロックを水平面内で縦横に配列すると共に、上下方向に複数積層配置して直方体形状に組み立てた構造体をシート材で覆って内部に貯水空間を形成した貯留槽本体と、上記貯留槽本体の外側を囲む保護枠とからなる地下貯留槽において記保護枠、上記貯留槽本体の底面形状に対応する平面形状を備えた床部材と、上記貯留槽本体の四方の側面の外側に配置した側壁部材と、上記貯留槽本体の上側に配置した天井部材と、を備え、上記側壁部材は、上記床部材の四方の端縁部にそれぞれ下端縁部を剛結合して備え、上記天井部材は、帯板状のパネルと、該帯板状のパネルの長手方向に沿う両端縁部から突出するリブとを設けた天井組立用単位パネルを複数配列して備えてなると共に、隣接して配置される上記組立用単位パネルの隣接するリブ同士が接するように配列して、該隣接するリブ同士の長手方向の水平方向で交差する方向に挿通したボルトとナットにより剛結合して一体構造物としてなり、上記天井部材の上面側は、上記リブと上記ボルト及びナットにより水平面内の二方向について土被りの土砂を係止させるための凹凸が形成されてなり、更に、上記天井部材は、連結部材を介して、上記貯留槽本体の上側に配置すると共に、四方の端縁部を上記各側壁部材に剛結合しなる構成としてあるので、貯留槽本体を、床部材と各側壁部材と天井部材からなる保護枠で囲んだ状態で地下に埋設できて、上記貯留槽本体の貯水機能を担保しているシート材が損傷する虞を防止することができて、貯水機能を確実に得ることができる。
(2)上記保護枠は、天井部材が一体構造物となっているため、地震発生時に、上記天井部材の上方に存在している土被りの土砂が慣性力により揺り動かされるときの力が、上記天井部材に対して水平方向の大きな荷重として作用しても、該天井部材の面内剪断変形を抑制することができる。又、上記各側壁部材が、それぞれ一体構造物となっていると共に、床部材と天井部材に対して共に剛結合されているため、地震発生時には、上記天井部材に対して土被りの土砂より水平方向の荷重が作用しても、該荷重が作用する方向に沿う配置の各側壁部材の面内剪断変形が抑制されることで、上記荷重が作用する方向に直交する配置の各側壁部材に生じる曲げ変形や傾きを抑制することができる。
(3)よって、本発明の地下貯水槽は、全体の剪断変形を抑えることができて、貯留槽本体における貯水空間形成ブロックの水平方向及び上下方向の配列を保持することができる。このため、本発明の地下貯留槽は、地震の収束後には、初期形状や初期の強度を備えた健全な状態に復帰させることができる。
(4)天井部材の上面側は、水平面内の二方向について土被りの土砂を係止させるための凹凸を設けるようにした構成としてあるので、地震発生時に土被りの土砂が天井部材と別な動きとなることを抑制できる。よって、地震後に各側壁部材に対して周囲の土砂より作用する土圧が、地震前と変化することを抑制させることができる。
(5)床部材、複数の床組立用単位パネルを配列して備え、隣接する上記床組立用単位パネル同士を剛結合して一体構造物としてなる構成とし、各側壁部材、複数の側壁組立用単位パネルを配列して備え、隣接する上記側壁組立用単位パネル同士を剛結合して一体構造物としてなる構成とすることにより、地下貯留槽設置現場へは、床用側壁用、更に上記天井用の各組立用単位パネルの状態で搬入することができるため、該各組立用単位パネルのサイズ及び重量を、ハンドリングが容易となるように設定することで、本発明の地下貯留槽の構築を容易なものとすることができる。
(6)複数の床組立用単位パネルと複数の側壁組立用単位パネルは端縁部から突出するリブを備え、隣接する床組立用単位パネル同士、及び、隣接する側壁組立用単位パネル同士は、上記各々の組立用単位パネルのリブ同士を剛結合してなる構成とすることにより、床組立用単位パネルと側壁組立用単位パネルと、更に上記天井組立用単位パネルとを、それぞれ平面内で配列した状態で、隣接する各組立用単位パネルのリブ同士をボルトとナットで固定することにより、該各組立用単位パネルが剛結合されて一体構造物とされた床部材と各側壁部材と天井部材を容易に形成することができる。

すなわち、本発明の地下貯留槽は、図1及び図2に符号1で示すもので、内部に水を貯留できるようにしてある貯留槽本体2と、その外側を囲む保護枠3とからなり、全体を地下に埋設した構成としてある。
上記貯留槽本体2は、貯水空間形成ブロック4を、水平方向の縦横2方向に配列すると共に、上下方向に複数段積層して直方体(立方体を含む)形状に組み立てて、そのブロック組立構造体の周りを、雨水の貯留や浸透の目的に応じて遮水シートや透水シートや保護シートを適宜選択あるいは組み合わせて用いるシート材5で覆った構成としてある。これにより、上記貯留槽本体2は、シート材5の内側で且つ上記各貯水空間形成ブロック4の組立構造体の空隙となる個所に、貯水空間6を備えるようにしてある。
上記保護枠3は、上記貯留槽本体2の平面形状に対応する矩形(正方形を含む)として該貯留槽本体2の下側に接するように配置した床部材7と、上記貯留槽本体2の四方の側面形状にそれぞれ対応する矩形(正方形を含む)として該貯留槽本体2の四方の側面の外側に個別に接するように配置した側壁部材8と、上記貯留槽本体2の平面形状に対応する矩形(正方形を含む)として該貯留槽本体2の上側に接するように配置した天井部材9とから構成される。
上記床部材7と各側壁部材8と天井部材9は、いずれも、床、側壁及び天井組立用の個別の単位パネル10,11,12を平面内で必要数配列すると共に、該配列された各単位パネル10,11,12の隣接する端部同士を剛結合した構成としてある。これにより、上記床部材7と各側壁部材8と天井部材9は、それぞれが面内剪断変形に対する剛性が高い一体構造物となるようにしてある。
更に、上記床部材7は、四方の端縁部が、それぞれ対応する側壁部材8の下端縁部に対して剛結合されている。且つ、上記天井部材9も、四方の端縁部が、それぞれ対応する側壁部材8の上端縁部に対して剛結合されている。これにより、上記保護枠3は、上記貯留槽本体2の上下両側と水平方向の外周に接する直方体(立方体を含む)形状となるようにしてある。よって、本発明の地下貯留槽1に対して周囲より作用する土圧は、上記保護枠3の各部材7,8,9と上記シート材5を介して上記貯水空間形成ブロック4の組立構造体に伝えることができるようにしてある。又、上記保護枠3は、上記貯留槽本体2の貯水機能を担保する上記シート材5を、外部より保護できるようにしてある。
なお、図2では、後述する連結部材15と16を図示する便宜上、該各連結部材15と16の厚みを拡大して記載してあるため、上記貯留槽本体2と、床部材7、各側壁部材8及び天井部材9との間には、上記各連結部材15と16の厚み分の隙間が示してあるが、実際には、上記各連結部材15と16の厚み寸法は、数mmであって、上記貯留槽本体2を構築している貯水空間形成ブロック4の撓みや傾き等によって十分吸収される。よって、実際に上記貯留槽本体2と、床部材7、各側壁部材8及び天井部材9とを接触させることに何ら問題は生じない。
以下、詳述する。
上記床組立用の単位パネル10は、たとえば、図1及び図3(a)に示すように、上記床部材7の平面形状の短辺方向に延びるように並べて配置する帯板状の各鋼製パネル10aの長手方向に沿う両端縁部に、上記床部材7の上面側に直角に突出するリブ10bをそれぞれ設け、該各リブ10bの先端側に、90度内向きに屈曲したフランジ部10cを設けた構成としてある。上記各リブ10bには、長手方向所定間隔の対応する個所に、図3(a)に示すように、ボルト挿通孔10dが穿設してある。
上記構成としてある床組立用単位パネル10は、図1に示すように、平面内でリブ10b同士が接するように順次並べて、上記床部材7の平面形状の長辺方向寸法が得られるように複数配列した状態で、図3(a)に示すように、隣接配置された各床組立用単位パネル10の上記リブ10b同士を、それぞれの対応する各ボルト挿通孔10dに挿通させたボルト13とナット14により剛結合することで、上記面内剪断変形に対する剛性が高い床部材7を、一体構造物として形成できるようにしてある。
又、上記のようにして形成された床部材7は、図1に示すように、上記各床組立用単位パネル10の各フランジ部10cの上側に、上記貯留槽本体2を載置して支持できるようにしてある。よって、上記各床組立用単位パネル10は、各フランジ部10cを、後述する貯水空間形成ブロック4の支柱部18の直下位置に配置できるように、長手方向に直交する方向の幅寸法を設定することが好ましい。
上記側壁組立用の単位パネル11は、たとえば、図1及び図3(b)に示すように、上記側壁部材8の上下方向に延びるように並べて配置する帯板状の各鋼製パネル11aの長手方向に沿う両端縁部に、側壁部材8の外面側に直角に突出するリブ11bと11cをそれぞれ設け、一方のリブ11bの先端側には、他方のリブ11cの板厚寸法に対応する隙間を隔てて外側に180度屈曲する係止片11dを設けた構成としてある。更に、上記各リブ11b,11cには、長手方向所定間隔の対応する個所に、図3(b)に示すように、ボルト挿通孔11eが穿設してある。
上記構成としてある側壁組立用単位パネル11は、図1に示すように、平面内でリブ11bと11cが接するように順次並べて、上記側壁部材8の平面形状の水平方向寸法が得られるように複数配列する。この際、図3(b)に示すように、各側壁組立用単位パネル11の一方のリブ11bに設けてある上記係止片11dは、隣接する側壁組立用単位パネル11の他方のリブ11cの先端側に係止させる。この状態で、隣接配置された各側壁組立用単位パネル11の上記一方のリブ11bと他方のリブ11c同士を、それぞれの対応する各ボルト挿通孔11eに挿通させたボルト13とナット14により剛結合することで、面内剪断変形に対する剛性、特に、上記各側壁組立用単位パネル11のリブ11b,11cが上下方向に配置されることに基づいて水平方向の荷重による面内剪断変形に対する剛性が高い側壁部材8を、一体構造物として形成できるようにしてある。
上記天井組立用の単位パネル12は、たとえば、図1及び図3(c)に示すように、上記天井部材9の短辺方向に延びるように並べて配置する帯板状の各鋼製パネル12aの長手方向に沿う両端縁部に、上記側壁組立用単位パネル11と同様に、上記係止片12dを備えた一方のリブ12bと、他方のリブ12cを上方に直角に突出するように設けた構成としてある。更に、上記各リブ12b,12cには、長手方向所定間隔の対応する個所に、図3(c)に示すように、ボルト挿通孔12eが穿設してある。
上記のように両端縁部にリブ12bと12cが長手方向に沿って設けられている天井組立用単位パネル12は、図1に示すように、平面内でリブ12bと12cが接するように順次並べて、上記天井部材9の長辺方向全長に亘るように複数配列する。次いで、図3(c)に示すように、各天井組立用単位パネル12の一方のリブ12bに設けてある上記係止片12dは、隣接する天井組立用単位パネル12の他方のリブ12cの先端側に係止させると共に、隣接配置された各天井組立用単位パネル12の上記一方のリブ12bと他方のリブ12c同士を、それぞれの対応する各ボルト挿通孔12eに挿通させたボルト13とナット14により剛結合させるようにする。このようにして、面内剪断変形に対する剛性が高い天井部材9を、一体構造物として形成できるようにしてある。この際、特に、上記各天井組立用単位パネル12のリブ12b,12cが天井部材9の短辺方向に沿うように配置されることに基づいて、天井部材9の長手方向に沿う荷重による面内剪断変形に対する剛性が高い天井部材9とすることができるようにしてある。
更に、上記天井部材9の上記各天井組立用単位パネル12の各リブ12b,12cは、該天井部材9の上側に埋め戻された土被りの土砂を該天井部材9の長辺方向に対して係止させるための凹凸として機能するようにしてある。且つ上記天井部材9の長手方向に隣接する各リブ12bとリブ12cの剛結合に用いている各ボルト13とナット14の該各リブ12b,12cより突出する部分は、上記土被りの土砂を該天井部材9の短辺方向について係止させるための凹凸として機能するようにしてある。
上記床部材7と各側壁部材8の剛結合は、たとえば、図1及び図4(a)に示すように、上記床部材7の四方の端縁部に沿う位置には、断面L字形の個別の連結部材15を、垂直部の外面が床部材7の外に向く姿勢で配置させる。該各連結部材15の水平部は、対応する個所の床組立用単位パネル10のフランジ部10cの上側に載置すると共に、該水平部における長手方向所定間隔個所を、上記フランジ部10cに対してボルト13とナット14により剛結合する。更に、上記各連結部材15の垂直部は、該垂直部における長手方向所定間隔個所を、上記床部材7の四方の端縁部にそれぞれ沿わせて配置する各側壁部材8の側壁組立用単位パネル11の内側に、ボルト13とナット14により剛結合するようにしてある。
なお、上記各側壁部材8を上記床部材7と連結するときには、該床部材7の上側に上記貯留槽本体2が配置されている。そのために、上記各連結部材15の垂直部に上記ボルト13を後から配置することが困難な場合は、たとえば、図示してないが、該各連結部材15の垂直部に、予め、粘着剤やボルト軸部に掛けるクリップ等の保持手段でボルトを保持させるようにすればよい。あるいは、該各連結部材15の垂直部に、外向きに突出するスタッドボルトを取り付けた構成としてもよい。
上記天井部材9と各側壁部材8の剛結合は、たとえば、図1及び図4(b)に示すように、予め、上記天井部材9の平面形状が、上記各側壁部材8に囲まれて形成される平面形状よりもわずかに小さくなるように設計しておく。該天井部材9の四方には、断面L字形の個別の連結部材16を、垂直部の外面が天井部材9の外に向く姿勢で配置させると共に、該各連結部材16の水平部を、該天井部材9の対応する端縁部の下面側に、ボルト13とナット14により剛結合する。その後、上記天井部材9を、各側壁部材8の内側に配置されている上記貯留槽本体2の上側に載置し、この状態で、上記各連結部材16の垂直部を、それぞれ対応する各側壁部材8の側壁組立用単位パネル11内側に、ボルト13とナット14により剛結合するようにしてある。なお、上記天井部材9における天井組立用単位パネル12のリブ12b又は12cが配置されている端縁部を、上記連結部材16を介して側壁部材8に剛結合する場合は、図4(b)に示したように(図4(b)は一方のリブ12bのみ示してある)、上記連結部材16と側壁部材8の剛結合に用いるボルト13を、該各リブ12b,12cにも貫通させて配置した状態とするようにすればよい。
上記貯水空間形成ブロック4は、たとえば、図1及び図2に示すように、平面形状が正方形で且つ所定の厚み寸法を有する水平構造部17と、該水平構造部17の上面より垂直方向に所定寸法突出する単数又は複数の支柱部18(図1、図2では支柱部18が単数の形式の場合が示してある)とを一体にして備え、且つ上記水平構造部17には、上下方向に水を通過させるための図示しない透口(開口)を設けてなる構成としてある。
上記構成の貯水空間形成ブロック4は、上記貯留槽本体2の骨格となるブロック組立構造体を構築するために、水平方向の縦横2方向に配列して組み立てるときには、隣接する貯水空間形成ブロック4同士で、上記水平構造部17の外周端面を互いに突き合せて、この突合せ部分を、図示しない連結手段(固定手段)により連結するようにしてある。これにより、上記ブロック組立構造体を骨格とする上記貯留槽本体2では、或る高さ位置毎に、水平面内で各貯水空間形成ブロック4の水平構造部17が連続して配置された構造が形成されるようにして、該貯留槽本体2に対して上記保護枠3の側壁部材8を介して外周より作用する水平方向の荷重を、上記各貯水空間形成ブロック4の各水平構造部17に作用する圧縮荷重として受けて支持することができるようにしてある。
又、上記貯水空間形成ブロック4は、上下方向に多段に積層して配置するときには、最も下段の貯水空間形成ブロック4を、支柱部18が上向きとなる通常姿勢に配置すると共に、その上側に、上下を反転させた姿勢の別の貯水空間形成ブロック4を配置して、上下方向に対向配置される両者の支柱部18同士を突き合せて、この突合せ部分を、図示しない連結手段(固定手段)により連結するようにしてある。更に、その真上に、上記と同様に通常姿勢と上下反転姿勢で上下に組み合わせて連結した貯水空間形成ブロック4の組を、所定の段数で重ねて配置するようにしてある(図1、図2は3段の場合が示してある)。これにより、組み立てられた上記ブロック組立構造体を骨格とする上記貯留槽本体2では、上下方向に積層配置されている各貯水空間形成ブロック4の支柱部18が上下に連続して配置された構造が形成されるようにして、該貯留槽本体2に対して上記保護枠3の天井部材9を介して上方より作用する鉛直方向の荷重を、上記上下方向に連続配置された上記各貯水空間形成ブロック4の支柱部18に作用する圧縮荷重として受けて支持することができるようにしてある。
更に、上記貯水空間形成ブロック4は、水中や湿度の高い環境であっても腐食や脆化しない材質としてあればよく、製造の手間やコスト、重量の面から考えると、樹脂製とすることが好ましい。
以上の構成としてある本発明の地下貯留槽1を設置する場合は、先ず、図2に示すように、地面19を掘り下げて凹部(ピット)20を形成する。上記凹部20の底部には、平坦な基礎21を設ける。
次に、上記凹部20の内側で、上記床組立用単位パネル10を前述したように組み立てて保護枠3の床部材7を作製して、基礎21上に設置する。
上記床部材7が設置された後は、該床部材7の上側で、予め平坦な状態のシート材5を配置した状態で、上記貯水空間形成ブロック4を水平方向及び上下方向に配列して直方体形状に組み立てた後、組み立てられたブロック組立構造体を、上記シート材5で覆って貯留槽本体2を形成させる。
次いで、上記貯留槽本体2の周囲には、側壁組立用単位パネル11を前述したように組み立てて作製した各側壁部材8を配置すると共に、該各側壁部材8を上記床部材7の外周端部に、連結部材15を介してそれぞれ剛結合する。
その後、上記貯留槽本体2の上側には、天井組立用単位パネル12を前述したように組み立てて作製した天井部材9を載置すると共に、該天井部材9の外周端部を、対応する各側壁部材8に、連結部材16を介してそれぞれ剛結合して、上記貯留槽本体2を囲む保護枠3を形成して、本発明の地下貯留槽1を構築する。
なお、上記保護枠3は、後述するように上記貯留槽本体2を保護する機能を得るためのものであって、本発明の地下貯留槽1における貯水機能は、上記貯留槽本体2が備えている。このため、一体構造物となる上記床部材7を形成するための各床組立用単位パネル10同士の剛接合部分、一体構造物となる上記各側壁部材8を形成するための各側壁組立用単位パネル11同士の剛接合部分、一体構造物となる上記天井部材9を形成するための各天井組立用単位パネル12同士の剛接合部分は、水密を図る必要はない。同様に、床部材7と各側壁部材8との剛接合部分、及び、各側壁部材8と天井部材9との剛接合部分は、水密を図る必要はない。更に、各側壁部材8の隣接するもの同士は、連結する必要はない。なお、各側壁部材8は、隣接する端縁部同士を連結した構成としてもよいことは勿論である。
上記本発明の地下貯留槽1が比較的小型であって、床部材7、各側壁部材8、天井部材9が車両等で搬送可能なサイズに収まる場合は、これらの部材7,8,9を工場で製作してから現場へ搬入して、保護枠3の組み立てに用いるようにしてもよい。更には、本発明の地下貯留槽1全体が、搬送可能なサイズである場合は、該本発明の地下貯留槽1をすべて工場で製作してから現場へ搬入し、現場に設けてある上記凹部20内へ一体物として配置させるようにしてもよい。
上記のようにして凹部20に本発明の地下貯留槽1が配置された後は、該凹部20を埋め戻すことにより、該本発明の地下貯留槽1を地下に埋設させるようにする。
なお、図示してないが、上記本発明の地下貯留槽1には、流入管、点検用のマンホールを備えるようにしてある。又、必要に応じて、下水道へ排水を行うための排水管を装備した構成としてもよい。
このように、本発明の地下貯留槽1によれば、貯留槽本体2を、床部材7と各側壁部材8と天井部材9からなる保護枠3で囲んだ状態で地下に埋設できる。このため、上記貯留槽本体2の貯水機能を担保しているシート材5が、上記ピット20を埋め戻した土砂に含まれる石等の鋭利な部分で損傷する虞を防止することができて、貯水機能を確実に得ることができる。
更に、上記保護枠3は、天井部材9が一体構造物としてあって面内剪断変形に対する剛性が高くなっているため、地震発生時に、本発明の上記天井部材9の上方に存在している土被りの土砂が慣性力により揺り動かされるときの力が、上記天井部材9に水平方向の大きな荷重として作用しても、該天井部材9の面内剪断変形を抑制することができる。
又、上記保護枠3では、各側壁部材8がそれぞれ一体構造物としてあって面内剪断変形に対する剛性が高くなっていると共に、該各側壁部材8が、床部材7と天井部材9に対して共に剛結合されている。
このため、本発明の地下貯留槽1では、地震発生時に、上記天井部材9に対して土被りの土砂より該天井部材9の長辺方向に沿って水平方向の荷重が作用しても、該天井部材9の長辺に対応する端縁部に剛結合されている側壁部材8の面内剪断変形が抑制されることから、該側壁部材8の下端側が剛結合されている床部材7に対して、上記天井部材9が上記荷重が作用した水平方向に相対変位することが抑制される。同様に、地震発生時に、上記天井部材9に対して土被りの土砂より該天井部材9の短辺方向に沿って水平方向の荷重が作用しても、該天井部材9の短辺に対応する端縁部に剛結合されている側壁部材8の面内剪断変形が抑制されるため、床部材7に対して、上記天井部材9が上記荷重が作用した水平方向に相対変位することが抑制される。
したがって、本発明の地下貯留槽1では、地震発生時に各側壁部材8に生じる曲げ変形や傾きを、抑制することができるため、該地震発生時にも貯留槽本体2の骨格となっている貯水空間形成ブロック4の水平方向及び上下方向の配列を保持することができる。よって、地震の収束後には、本発明の地下貯留槽1は、初期形状や初期の強度を備えた健全な状態に復帰させることができる。
更に、本発明の地下貯留槽1は、天井部材9の上面側に、水平面内で直交する2方向となる該天井部材9の長辺方向と短辺方向について該天井部材9の上側に配置される土被りの土砂を係止させるための凹凸として、各天井組立用単位パネル12の各リブ12b,12c、及び、各ボルト13とナット14の該各リブ12b,12cより突出する部分が設けてあるため、地震発生時に上記土被りの土砂が上記天井部材9と別な動きとなる虞を抑制できる。
たとえば、地震発生時に、上記土被りの土砂が天井と別な動きをするようになる地下貯留槽では、地震の揺れに伴って該地下貯留槽の各側壁に周囲の土砂より作用している土圧が減少する部分に、上記土被りの土砂が落ち込むようになると、地震後に該地下貯留槽の各側壁に対して周囲の土砂より作用する土圧が、地震前と変化する虞がある。
これに対し、本発明の地下貯留槽1では、上記したように、地震発生時に上記土被りの土砂が上記天井部材9と別な動きとなる虞を抑制できるために、地震後に各側壁部材8に対して周囲の土砂より作用する土圧が、地震前と変化することを抑制することができる。
本発明の地下貯留槽1は、それぞれ一体構造物としてある床部材7、各側壁部材8、天井部材9が、いずれも床組立用単位パネル10、側壁組立用単位パネル11、天井組立用単位パネル12を剛結合することで組み立てられた組み立て構造としてあるため、本発明の地下貯留槽1が大型の場合でも、現場への搬入は、上記各組立用単位パネル10,11,12の状態で搬入することができる。よって、該組立用単位パネル10,11,12は、そのサイズ及び重量を、たとえば、作業者が手動で搬送可能なサイズ及び重量等、ハンドリングが容易となるサイズや重量に設定するようにすることで、本発明の地下貯留槽1の構築を容易なものとすることができる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、床部材7、側壁部材8、天井部材9の各組立用単位パネル10,11,12は、それぞれの組立用単位パネル10,11,12を適宜配列させた状態で互いに剛結合することで、一体構造物となる床部材7、各側壁部材8、天井部材9を形成できるようにしてあれば、該各組立用単位パネル10,11,12の平面内での縦横の配列数は適宜変更してもよく、これに合わせて、該各組立用単位パネル10,11,12の面形状は適宜変更してもよい。
又、上記各組立用単位パネル10,11,12を組み立てて床部材7、各側壁部材8、天井部材9を形成するときには、該床部材7、各側壁部材8、天井部材9にそれぞれ必要とされる平面形状に対応させるために、部分的に異なる形状の組立用単位パネル10,11,12を用いるようにしてもよい。
側壁組立用単位パネル11及び天井組立用単位パネル12には、一方のリブ11b,12bに、隣接する別の組立用単位パネル11及び12の他方のリブ11c,12cに係止させるための係止片11d,12dを設けた構成を示したが、隣接する組立用単位パネル11,12のリブ11bと11c,12bと12c同士を係止させることができれば、該各リブ11bと11c,12bと12cに、それぞれ相補的な形状の凹凸を設けるようにしてもよい。
又、上記側壁組立用単位パネル11及び天井組立用単位パネル12は、一方のリブ11b,12bの係止片11d,12dを省略した構成としてもよい。
更に、上記床部材7、側壁部材8、天井部材9を形成する場合は、上記各組立用単位パネル10,11,12同士を剛結合できるようにしてあれば、たとえば、各組立用単位パネル10,11,12の隣接する端縁部同士を、添接板を介してボルトとナットにより連結する等、隣接するリブ10bと10b,11bと11c,12bと12c同士のボルト13とナット14による連結以外の任意の剛結合手法を採用してもよい。この場合、上記各組立用単位パネル10,11,12のリブ10b,11bと11c,12bと12cは、形成する床部材7、側壁部材8、天井部材9の面内剪断剛性を高めるという観点からすると、具備することが望ましいが、各組立用単位パネル10,11,12同士の剛結合に関与しない場合は省略してもよい。
更には、上記床部材7、各側壁部材8、天井部材9は、本発明の地下貯留槽1が比較的小型である場合には、複数の組立用単位パネル10,11,12による組み立て構造ではなく、それぞれ単一構造としてもよい。
土被りの土砂を少なくとも水平面内で直交する2方向について係止させるために天井部材9の上面に設ける凹凸としては、各天井組立用単位パネル12のリブ12b,12cと、該各リブ12b,12c同士を剛結合するボルト13及びナット14の該各リブ12b,12cからの突出部分を例示したが、天井部材9の上面側に、上記土砂を係止させるための板状や棒状の突起を設けるようにしてもよい。又、上記凹凸としては、各天井組立用単位パネル12の鋼製パネル12a自体に、鋼板を上下方向に屈曲させて形成した凹凸を設けるようにしてもよい。
貯水空間形成ブロック4は、水平方向と上下方向に複数配列して組み立てることで、組み立てられたブロック組立構造体の内部に貯水空間となる空隙を形成でき、且つ上記ブロック組立構造体により、貯留槽本体2に対して保護枠3の側壁部材8を介して外周より作用する水平方向の荷重、及び、該貯留槽本体2に対して上記保護枠3の天井部材9を介して上方より作用する鉛直方向の荷重を受けて支持することができるようにしてあれば、支柱部18の数が2本以上となる構成や、その他、図示した以外の任意の構成の貯水空間ブロックを採用してよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 地下貯留槽
2 貯留槽本体
3 保護枠
4 貯水空間形成ブロック
5 シート材
6 貯水空間
7 床部材
8 側壁部材
9 天井部材
10 床組立用単位パネル
10b リブ
11 側壁組立用単位パネル
11b 一方のリブ
11c 他方のリブ
12 天井組立用単位パネル
12b 一方のリブ(凹凸)
12c 他方のリブ(凹凸)
13 ボルト(凹凸)
14 ナット(凹凸)

Claims (3)

  1. 貯水空間形成ブロックを水平面内で縦横に配列すると共に、上下方向に複数積層配置して直方体形状に組み立てた構造体をシート材で覆って内部に貯水空間を形成した貯留槽本体と、上記貯留槽本体の外側を囲む保護枠とからなる地下貯留槽において
    記保護枠、上記貯留槽本体の底面形状に対応する平面形状を備えた床部材と、上記貯留槽本体の四方の側面の外側に配置した側壁部材と、上記貯留槽本体の上側に配置した天井部材と、を備え、
    上記側壁部材は、上記床部材の四方の端縁部にそれぞれ下端縁部を剛結合して備え
    上記天井部材は、帯板状のパネルと、該帯板状のパネルの長手方向に沿う両端縁部から突出するリブとを設けた天井組立用単位パネルを複数配列して備えてなると共に、隣接して配置される上記組立用単位パネルの隣接するリブ同士が接するように配列して、該隣接するリブ同士の長手方向の水平方向で交差する方向に挿通したボルトとナットにより剛結合して一体構造物としてなり、上記天井部材の上面側は、上記リブと上記ボルト及びナットにより水平面内の二方向について土被りの土砂を係止させるための凹凸が形成されてなり、
    更に、上記天井部材は、連結部材を介して、上記貯留槽本体の上側に配置すると共に、四方の端縁部を上記各側壁部材に剛結合しなる構成としたこと
    を特徴とする地下貯留槽。
  2. 床部材、複数の床組立用単位パネルを配列して備え、隣接する上記床組立用単位パネル同士を剛結合して一体構造物としてなる構成とし、
    各側壁部材、複数の側壁組立用単位パネルを配列して備え、隣接する上記側壁組立用単位パネル同士を剛結合して一体構造物としてなる構成とし
    請求項1記載の地下貯留槽。
  3. 複数の床組立用単位パネルと複数の側壁組立用単位パネルは端縁部から突出するリブを備え、
    隣接する床組立用単位パネル同士、及び、隣接する側壁組立用単位パネル同士は、上記各々の組立用単位パネルのリブ同士を剛結合してなる構成とした
    請求項記載の地下貯留槽。
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