JP5829439B2 - 古紙収容結束器 - Google Patents

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Description

本発明は、平積みされた古紙を容易に結束できる古紙収容結束器に関する。
廃棄予定の新聞、雑誌、広告チラシ、及びダンボール(以下、古紙ともいう。)は、家庭から廃棄される際、一般的に平積みされて紐で結ばれ、所定の回収場所まで運ばれる。平積みされた古紙を紐で結ぶことができる結束器は従来から種々提案されている。
特許文献1には、古紙収納梱包器が提案されている。この技術は、古紙の収納容器が底板と第一側板と第二側板と第三側板と第四側板とを有し、底板の下方には紐繰り出し手段を配設し、紐繰り出し手段から繰り出された紐を予め第一側板〜第四側板と底板とにおける所定の位置に導き、梱包時にはその紐を第一側板の上縁に位置する第一の部分にて切断し、その紐における第二側板の上縁と第三側板の上縁とに位置する第二の部分を収納容器内の古紙の上面に引き出すと共に、その紐における第四側板の上縁中央部より収納容器の内側にたれ下げられている第三の部分をその紐における第二の部分と第一の部分の切断端とに結着させるというものである。この技術によると、収納容器内に積み重ねられた古紙を、直方体状に整列した状態で、その直方体における各面の中央部を通る連続する一本の紐により十文字状に梱包できるとしている。
特許文献2には、古紙の一時収納具が提案されている。この技術は、上端および下端が解放され内側空間に古紙が平積み状態で収納される四つの側壁を有する筒状の収納箱と、収納箱の外側から内側又は内側から外側に折り曲げて反転する折曲反転機構が設けられ、一の折曲反転機構を収納箱の四側壁の上部に設け、他の折曲反転機構を収納箱の四側壁の下部にそれぞれ形成された窓部に設けられ、他の折曲反転機構が、収納箱に投入して収納した古紙の自重等により他の折曲反転機構から紐が下方に移動させられて他の折曲反転機構から外れる構造となっているものである。この技術によると、結束作業に先だって結束用の紐と古紙の一時収納具との係合を外す操作が必要ではなく、結束作業を迅速にかつ容易に行うことができるとしている。
特開2004−203410号公報 特開2010−247846号公報
特許文献1で提案する技術では、紐の先端を引きつづけながら収容容器の側面、底面及び上縁の案内溝に紐を配置するので、紐が収納容器の案内孔や案内溝の内壁にこすれて摩擦が生じ、その摩擦抵抗により、紐を引き回すことが困難であるという難点があった。また、この技術は、案内溝の内部に紐を配置しているだけなので、案内溝の内部に導入された紐が外れやすいという難点があった。
特許文献2で提案する技術では、先ず、結束用の紐の先端を収納箱の上部の1点に仮固定し、次いで、他端を収納箱の四側壁の上部及び下部にそれぞれ形成された計9カ所の折曲反転機構に順次引っ掛けて張り巡らせる。最後に、仮固定した紐の端部と張り巡らした紐の端部とを仮結びする。したがって、この技術では、紐の端部同士を仮結びする際、折曲反転機構に引っ掛けた紐が外れやすく、紐を全て配置する作業が困難であるという難点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、古紙の結束作業を容易に行うための古紙収容結束器であって、結束用の紐を所定の位置に容易に且つ外れないように配置できる古紙収容結束器を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る古紙収容結束器は、底面と第1から第4の側面とで構成され、古紙を収容し且つ該古紙を紐で結束するための古紙収容結束器であって、前記底面の裏側に設けられ、ロール状に巻かれた前記紐を装着するための紐ロール装着手段と、前記第1の側面の外側に設けられ、前記紐ロール装着手段から繰り出された紐の端部を掛け止めするための紐端部掛止手段と、前記第1の側面の上縁中央に設けられ、前記紐端部掛止手段で掛け止めされた紐を案内するための第1案内手段と、前記第1の側面の下部中央に設けられ、前記第1案内手段で案内された紐を係止するための第1係止手段と、前記第1の側面に対向する第2の側面の下部中央に設けられ、前記第1係止手段で係止され且つ前記底面上を引き回された紐を係止するための第2係止手段と、前記第2の側面の上縁中央に設けられ、前記第2係止手段で係止された紐を案内するための第2案内手段と、前記第2の側面の上縁外側に設けられ、前記第2案内手段で案内された紐を該上縁外側に沿って導くための第1ガイドと、前記第2の側面に隣接する第3の側面の上縁外側に設けられ、前記第1ガイドで導かれた紐を該上縁外側に沿って導くための第2ガイドと、前記第3の側面の上縁中央に設けられ、前記第2ガイドで導かれた紐を案内するための第3案内手段と、前記第3の側面の下部中央に設けられ、前記第3案内手段で案内された紐を係止するための第3係止手段と、前記第3の側面に対向する第4の側面の下部中央に設けられ、前記第3係止手段で係止され且つ前記底面上を引き回された紐を係止するための第4係止手段と、前記第4の側面の上縁中央に設けられ、前記第4係止手段で係止された紐を案内するための第4案内手段と、前記第4の側面の外側に設けられ、前記第4案内手段で案内された紐を切断するための紐切断手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、第1の側面の外側に紐端部掛止手段を備えるので、結束用の紐の端部をその紐端部掛止手段に掛け止めた後、紐ロールとの間の紐を引っ張りながら引き回すことができる。これにより、古紙収容結束器に紐を這わせる際、掛け止めた紐端部を基点として紐を引き回すことができるので、紐にたるみが生じにくい。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。また、第1から第4の各側面の下部中央に設けられた係止手段と、第1から第4の各側面の上縁中央に設けられた案内手段と、第2及び第3の側面の上縁外側に設けられたガイドとに這わせた紐が、しっかりと固定されるので、一度這わせた紐が容易に外れない。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
また、この発明によれば、底面の裏側に紐ロール装着手段を備えるので、結束用の紐を配置する作業の度に紐を用意する必要が無い。その結果、紐をその都度準備する手間が省けるので、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。また、この発明によれば、第4の側面の外側に紐切断手段を備えるので、古紙の結束時に他の紐切断手段を用意する必要がない。その結果、他の紐切断手段を用意する手間が省けるので、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
本発明に係る古紙収容結束器において、前記した紐ロール装着手段が、紐ロールの巻取方向に張力をかける付勢手段を有する。
この発明によれば、紐ロール装着手段が紐ロールの巻取方向に張力をかける付勢手段を有するので、紐を這わせる際に紐に張力を付与させながら引き回すことができる。その結果、紐にたるみが生じにくいので、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。また、第1から第4の各側面の下部中央に設けられた係止手段と、第1から第4の各側面の上縁中央に設けられた案内手段と、第2及び第3の側面の上縁外側に設けられたガイドとに這わせた紐が、しっかりと固定されるので、一度這わせた紐が容易に外れない。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
本発明に係る古紙収容結束器において、前記紐端部掛止手段が、巻き綴じ具、結わえ具及び挟み具から選ばれるいずれかである。
この発明によれば、紐端部掛止手段が、巻き綴じ具、結わえ具及び挟み具から選ばれるので、紐の端部を容易に掛止できる。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
本発明に係る古紙収容結束器において、前記紐切断手段が掛け切り式紐切断手段又は押し切り式紐切断手段である。
この発明によれば、前記した紐切断手段が、掛け切り式紐切断手段又は押し切り式紐切断手段であるので、結束用の紐を容易に切断できる。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
本発明に係る古紙収容結束器において、前記第1及び第2ガイドが、フランジ構造、突起軸及び切り欠け構造から選ばれるいずれかである。
この発明によれば、前記した第1及び第2ガイドが、フランジ構造、突起軸及び切り欠け構造から選ばれるいずれかであるので、結束用の紐が第2及び第3の側面の上縁外側から外れるのを防ぐことができる。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
本発明に係る古紙収容結束器において、前記第1から第4係止手段が、前記第1から第4の側面の下部中央に設けられた開口部と、該開口部に設けられた突起板、略矢印型突起板及びL字型突起板から選ばれるいずれかとで構成される。
この発明によれば、第1から第4係止手段が、前記した第1から第4の側面の下部中央に設けられた開口部と、その開口部に設けられた突起板、略矢印型突起板及びL字型突起板から選ばれるいずれかとで構成されるので、結束用の紐をその開口部に設けられた突起板等に引っ掛けて各側面の下部中央で係止することができる。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
本発明に係る古紙収容結束器において、前記第1から第4案内手段が、切り欠け構造又は突起軸である。
この発明によれば、第1から第4案内手段が切り欠け構造又は突起軸であるので、結束用の紐をその切り欠け構造又は突起軸に引っ掛けて引き回すことができる。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
本発明に係る古紙収容結束器によれば、結束用の紐の端部を紐端部掛止手段に掛け止めた後、紐ロールとの間の紐を引っ張りながら引き回すことができる。これにより、古紙収容結束器に紐を這わせる際、掛け止めた紐端部を基点として引き回すことができるので、紐にたるみが生じにくい。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。また、第1から第4の各側面の下部中央に設けられた係止手段と、第1から第4の各側面の上縁中央に設けられた案内手段と、第2及び第3の側面の上縁外側に設けられたガイドとに這わせた紐が、しっかりと固定されるので、一度這わせた紐が容易に外れない。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
また、本発明に係る古紙収容結束器によれば、結束用の紐を這わせる際に紐に張力を付与させながら引き回すことができるので、紐にたるみが生じにくい。その結果、紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。また、第1から第4の各側面の下部中央に設けられた係止手段と、第1から第4の各側面の上縁中央に設けられた案内手段と、第2及び第3の側面の上縁外側に設けられたガイドとに這わせた紐が、しっかりと固定されるので、一度這わせた紐が容易に外れない。その結果、結束用の紐を古紙収容結束器の所定の位置に容易に配置できる。
本発明に係る古紙収容結束器の一例を示す斜視図である。 古紙収容結束器の使用方法(その1)を示す斜視図である。 古紙収容結束器の使用方法(その2)を示す斜視図である。 古紙収容結束器の使用方法(その3)を示す斜視図である。 紐装着手段の一例を示す断面図である。 紐装着手段の他の例を示す断面図である。 装着手段の付勢手段を示す断面図である 紐端部掛止手段の例を示す斜視図である。 紐端部掛止手段の一例を示す断面図である。 案内手段の例を示す斜視図である。 案内手段の一例を示す断面図である。 係止手段の例を示す斜視図である。 係止手段の一例を示す斜視図である。 図13の係止手段の一例を示す断面図である。 ガイドの例を示す斜視図である。 ガイドの一例を示す斜視図である。 図16のガイドの一例を示す断面図である。 紐切断手段の例を示す斜視図である。 (A)は図18(A)の紐切断手段の一例を示す斜視図である。(B)は図18(A)の紐切断手段の一例を示す断面図である。 (A)図18(B)の紐切断手段の一例を示す断面図である。(B)は図18(B)の紐切断手段の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る古紙収容結束器の他の一例を示す斜視図である。
以下、本発明に係る古紙収容結束器を図面を参照しつつ説明する。本発明の技術的範囲は、下記の記載や図面のみに限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係る古紙収容結束器10は、図1に示すように、古紙を収容し且つその古紙を紐11で結束するために用いられる。この古紙収容結束器10は、底面1と第1から第4の側面2とで構成され、底面1の裏側に設けられる紐ロール装着手段7と、第1の側面2aの外側に設けられる紐端部掛止手段3と、第1の側面2aの上縁中央に設けられる第1案内手段4aと、第1の側面2aの下部中央に設けられる第1係止手段5aと、第1の側面2aに対向する第2の側面2bの下部中央に設けられる第2係止手段5bと、第2の側面2bの上縁中央に設けられる第2案内手段4bと、第2の側面2bの上縁外側に設けられる第1ガイド6bと、第2の側面2bに隣接する第3の側面2cの上縁外側に設けられる第2ガイド6cと、第3の側面2cの上縁中央に設けられる第3案内手段4cと、第3の側面2cの下部中央に設けられる第3係止手段5cと、第3の側面2cに対向する第4の側面2dの下部中央に設けられる第4係止手段5dと、第4の側面2dの上縁中央に設けられる第4案内手段4dと、第4の側面2dの外側に設けられる紐切断手段8と、を備える。
以下、各構成をそれぞれを詳しく説明する。なお、図1に示す古紙収容結束器の各面には紐を引き回す順序を示す矢印が形成されているが、これは実施形態には形成されていなくてもよい。また、図1には、第1の側面2aから正面視した場合に、第3の側面2cの位置は左側にあり、第4の側面2dの位置は右側にあるが、この側面2cと側面2dの位置は逆であってもよい。
(紐ロール装着手段)
紐ロール装着手段7は、紐ロールを底面1の裏側に装着するものであり、図1に示すように、底面1の裏側に設けられる。紐ロール装着手段7は、底面1の裏側のどこに設けられてもよいが、通常は、底面1の裏側の中央に設けられる。紐ロール装着手段7は、例えば、図5(A)に示すように、下端に板状の受け部21を設けた円筒体の装着軸20を備える紐ロール装着手段110や、図5(B)に示すように、下端に板状の受け部21を設けて、中間部の太さがテーパー状に絞られた円筒体の装着軸22を備える紐ロール装着手段111が挙げられる。なお、紐ロールとは、結束用の紐11を円筒状に巻き回したものであり、装着軸とは紐ロールを装着する軸のことである。
紐ロール装着手段としては、好ましくは、図5(B)に示すように、装着軸22を備える紐ロール装着手段111が用いられる。ここで、装着軸22は中間部の太さがテーパー状に絞られた円筒体であり、装着軸22の最短の直径dは、市販の紐ロールの紙管23の内径dよりも短くなるように形成される。このような装着軸22を備えることにより、内径が異なる種々の市販の紐ロールを装着軸22に装着できる。また、装着軸22のテーパー状の傾斜面と紙管23とが接する部分36で、装着軸22が紙管23を抑えることにより、紐ロールを装着軸22に固定して装着できる。紐ロールを装着軸22に固定して装着できることにより、紐ロール装着手段111が後述する紐ロールの巻取方向に張力をかける付勢手段を備え、且つ、装着軸22を回転自在のリール又はドラムとした際、紐ロールから巻取方向に張力をかけながら紐11を繰り出すことができるようになる。
上述したように、紐ロール装着手段111を備えることにより、例えば、市販されている内径が40mmの「スズランテープ」(シーアイ化成株式会社製)を装着軸22に固定して装着できるし、これに限らず、例えば、内径が76mmの紐ロールも固定して装着できるし、内径が25mmの紐ロールも固定して装着できる。紐ロールを紐ロール装着手段111に固定して装着する際、紙管23の内径が40mmの紐ロールは、紙管23は装着軸22のテーパー状の傾斜面の中央又は略中央で装着軸22と接して固定され、紙管23の内径が76mmの紐ロールは、装着軸22のテーパー状の傾斜面のより外側で固定され、紙管23の内径が25mmの紐ロールは、装着軸22のテーパー状の傾斜面のより内側で固定される。
一方、紐ロール装着手段110を用いる場合は、図5(A)に示すように、装着軸20に所定の紙管23の内径の紐ロールをはめ込むことで、市販の紐ロールを装着軸20に固定して装着できる。ここで、装着軸20の直径dは、市販の紐ロールの紙管23の内径dよりも短くなるように形成される。紐ロールを固定して装着できることにより、紐ロール装着手段110が後述する紐ロールの巻取方向に張力をかける付勢手段を備え、且つ、装着軸20を回転自在のリール又はドラムとした際、紐11に巻取方向に張力をかけながら紐ロールから紐11を繰り出すことができるものとなる。
上述したとおり、紐ロール装着手段7が装着軸20又は装着軸22を備えることにより、市販の紐ロールをそのまま装着できる。その結果、紐11をその都度用意する必要がないので、紐ロール装着手段7を備える古紙収容結束器10は、紐11を所定の位置に容易に配置できるものとなる。
また、紐ロール装着手段7は、装着軸で2つに分離できる構造とすることが望ましい。分離できる構造としては、例えば、図6(A)に示すように、装着軸取付部24と装着軸取り外し部25とをはめ合わせる構造や、図6(B)に示すように、装着軸取付部26の外側の凸部27と、装着軸取り外し部28の内壁の凸部29とを掛け合わせる構造や、図6(C)に示すように、装着軸取付部30の外側の凸部31を、装着軸取り外し部32の開口部33に挿し込む構造や、図6(C)に示すように、装着軸取付部34に装着軸取り外し部35をねじ込む構造が挙げられる。このうち、図6(B)の装着軸取り外し部28の内壁には、装着軸取り外し部28が着脱可能にするために、凸部29を設ける箇所と設けない箇所があることが好ましい。このような構造の装着軸とすることで、装着軸が2つに分離でき、その分離した部分に紐ロールを装着できる。なお、装着軸取付部とは、分離した装着軸のうち、底面1に固定されている部分であり、装着軸取り外し部とは、分離した装着軸のうち、底面1に固定されていない部分である。
紐ロール装着手段7は、紐ロールの巻取方向に張力をかける付勢手段を備えることができる。この付勢手段は、紐11を繰り出す際に紐11に張力を付与するためのものである。付勢手段の構造は、特に限定されないが、例えば、ゼンマイバネを用いる構造が挙げられる。図7の装着軸の水平の断面図はゼンマイバネ112を用いた構造の例を示している。この例では、装着軸の内部の空間にゼンマイバネ112が収納され、ゼンマイバネ112の巻き芯部113は底面1に固定される。また、ゼンマイバネ112の三角形状の端部115の一角が、装着軸の内壁のラチェット構造114と噛み合わさっている。
装着軸を巻取方向に回転させて、紐ロールから紐11を繰り出す場合、ゼンマイバネ112の端部115の一角がラチェット構造114と噛み合わさって固定される。これにより、ゼンマイバネ112も装着軸と一緒に回転するので、ゼンマイバネ112に繰り出された紐11を引き戻そうとする力が発生する。その結果、紐ロール装着手段7は紐ロールの巻取方向に張力をかけながら、紐11を繰り出すことができるものとなる。さらに、紐11を所定の長さよりも長く引っ張った場合、ゼンマイバネ112の端部115の一角がラチェット構造114に噛み合わさる力が大きなものとなり、ゼンマイバネ112の端部115は金属の弾性により反り曲がる。そうすると、ラチェット構造114との噛み合わせが外れるので、装着軸が巻取方向に回転し、紐11を所望の長さまで繰り出し続けることができる。
一方、装着軸を巻取方向とは反対方向に回転させて、紐ロールに紐11を巻き戻す場合、ゼンマイバネ112の端部115の一角とラチェット構造114とは噛み合わない。そのため、ゼンマイバネ112の端部115は固定されないので、装着軸22は巻取方向とは反対方向に自由に回転させることができる。その結果、紐ロールから繰り出された紐11を、自在に紐ロールに巻き戻すことができる。
なお、紐ロール装着手段7が上述の付勢手段を備える場合、装着軸は回転自在のリール(図示しない)又はドラム(図示しない)とする。装着軸を回転自在のリール又はドラムとすることで、上述の付勢手段を備える紐ロール装着手段7は巻取方向に張力を付与させながら紐11を繰り出すことができるものとなる。
上述の通り、紐ロール装着手段7が付勢手段を備えることで、紐11を古紙収容結束器10に這わせる際、紐11に張力を付与させながら紐11を引き回すことができる。その結果、紐11にたるみが生じにくいので、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できるものとなる。また、各案内手段4、各係止手段5及び各ガイド6に這わせた紐11が、付勢手段による張力によりしっかりと固定されるので、一度這わせた紐11が容易に外れない。その結果、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できるものとなる。
なお、紐ロール装着手段7が付勢手段を備えない場合であっても、各案内手段4、各係止手段5及び各ガイド6に這わされた紐11は、各案内手段4、各係止手段5及び各ガイド6と紐11との摩擦や、紐11の自重により、紐11が紐ロール装着手段7から自由に繰り出されることを防ぐことができる。各案内手段4、各係止手段5及び各ガイド6に這わせた紐11は、しっかりと固定されるので、一度這わせた紐11が容易に外れない。その結果、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できるものとなる。
(紐端部掛止手段)
紐端部掛止手段3は、紐ロール装着手段8から繰り出された紐11の端部12を掛け止めるためのものであり、図1に示すように、側面2aの外側に設けられる。紐端部掛止手段3は側面2aの外面であって、後述する古紙の結束作業が行える程度の紐11の長さを確保できれば、どこに設けられてもよいが、通常は、側面2aの外面の中心から側面2aの中央下端の間に設けられる。紐端部掛止手段3としては、例えば、巻き綴じ具、結わえ具又は挟み具が挙げられる。このような紐端部係止手段3により、紐端部12を容易に掛け止めることができるので、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。
巻き綴じ具としては、例えば、図8(A)に示すように、側面2aから突起して、紐端部12を巻き綴じることができる突起軸40や、図8(B)に示すように、側面2aから突起して、先端に平板41を設け、紐端部12を巻き綴じることができる突起軸42や、図8(C)に示すように、側面2aにねじ込まれ、紐端部12を巻き綴じることができるボルト43が挙げられる。
なお、突起軸40、突起軸42及びボルト43は、巻き綴じた紐11が外れるのを防ぐために必要な所定の長さ及び太さを有するものとする。
結わえ具としては、例えば、図8(D)に示すように、側面2aに取り付けられ、紐端部12を半円状の中空体の内側の開口部に通してから、その半円状の中空体に巻き回した後、紐端部12を結んで止めることができる半円状の中空体構造44や、図8(E)に示すように、側面2aに設けられる2つの開口部であって、紐端部12をその一の開口部に側面2aの外側から内側方向に通した後に、他の開口部に紐端部12を側面2aの内側から外側方向へ通すことで、紐11を2つの開口部の間にある側面2aに巻き回した後、紐端部12を結んで止めることができる開口部45が挙げられる。
挟み具としては、例えば、図8(F)に示すように、側面2aに取り付けられ、部材48の先端が互いに接近する方向に付勢されて接する圧接部47が形成され、後端部につまみが形成され、部材48の中心又は略中心位置で一対の部材48がねじりコイルバネ49で支持されており、ねじりコイルバネ49の弾性力により、圧接部47で紐端部12を挟んで止めることができるクリップ46や、図8(G)に示すように、側面2aに取り付けられ、矩形の金属板が長手方向に2つ折りにされ、金属板の弾性力により金属板同士が互いに接近する方向に付勢されて接する圧接部52で、紐端部12を挟んで止めることができるスライドクリップ51や、図8(H)に示すように、側面2aに取り付けられる直方体で、一の辺の中間又は略中間からその辺を共有する2つの側面の中心又は略中心まで、先端先細りのテーパー状のスリット54が設けられ、スリット54の内側の狭い幅の部分に紐11を挟み止めることができる挟み具53が挙げられる。
紐端部掛止手段3としては、好ましくは、図8(B)に示す突起軸42が用いられる。突起軸42に紐端部12を掛け止めた例を、図9の断面図に示す。この例では、平板41は、側面2aとの間の寸法dが紐11の厚さtよりも長くなるように取り付けられている。このような突起軸42を用いることで、紐11を平板41と側面2aとの間に通すことができ、こうして通した紐11を突起軸42に巻き回すことで、紐端部12を容易に掛け止めることができる。また、突起軸42の先端に平板41を設けているので、紐端部12は突起軸42から容易に外れないものとなる。その結果、紐端部掛止手段3として突起軸42を用いた古紙収容結束器10は、紐11を所定の位置に容易に配置できるものとなる。
(第1案内手段)
第1案内手段4aは、紐端部掛止手段3で掛け止めされた紐11を後述する第1係止手段5aに案内するためのものであり、図1に示すように、側面2aの上縁中央に設けられる。具体的には、第1案内手段4aは側面2aの底面1とは反対方向の端面の中央に設けられる。第1案内手段4aとしては、例えば、切り欠け構造又は突起軸が挙げられる。突起軸は、側面2b及び2cの上縁中央に好ましく設けられる。このような第1案内手段4aに紐11を引っ掛けて引き回すことができるので、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。
切り欠け構造としては、例えば、図10(A)に示すように、矩形状に側面2aを切り取った後、その切り取った矩形の幅よりも長い直径の円でさらに側面2aを切り取った円型切り欠け構造100や、図10(B)に示すように、矩形状に側面2aを切り取った矩形型切り欠け構造101や、図10(C)に示すように、U字状に側面2aを切り取ったU字型切り欠け構造102や、図10(D)に示すように、L字状に側面2aを切り取ったL字型切り欠け構造103や、図10(E)に示すように、半円状に側面2aを切り取った半円型切り欠け構造104や、図10(F)に示すように、V字状に側面2aを切り取ったV字型切り欠け構造105が挙げられる。
なお、円型切り欠け構造100、形型切り欠け構造101、U字型切り欠け構造102、L字型切り欠け構造103、半円型切り欠け構造104及びV字型切り欠け構造105は、側面2aの上端から鉛直下方向に側面2aを切り取って形成され、且つ、側面2aの上端から切り欠け構造の内部まで紐11を導入できるように形成される。
突起軸としては、例えば、図10(G)に示すように、側面2aの上端面から鉛直上方向に突起していて、紐11を引っ掛けて引き回すことができるのに必要な長さ及び太さを有する突起軸106や、図10(H)に示すように、側面2aの上端面にねじ込まれ、紐11を引っ掛けて引き回すことができるのに必要な長さ及び太さを有するボルト107が挙げられる。
上記した第1案内手段4aのうち、好ましくは、図9(A)に示す円型切り欠け構造100が用いられる。紐11を円型切り欠け構造100に引っ掛けた例を、図11の断面図に示す。この例では、円型切り欠け構造100の内面の上部から、互いに接近する方向に張り出している張り出し部108が設けられており、この張り出し部108の間の寸法dは、紐11の厚さtよりも長くなっている。このような円型切り欠け構造100を設けることで、紐11を張り出し部108の間を通して円型切り欠け構造100の内部に容易に導くことができる。また、円型切り欠け構造100の内部に導かれた紐11は張り出し部108に引っ掛かって、容易に外れないものとなる。その結果、第1案内手段4aとして円型切り欠け構造100を設けた古紙収容結束器10は、紐11を所定の位置に容易に配置できるものとなる。
(第1係止手段)
第1係止手段5aは、第1案内手段4aで案内された紐11を係止するためものであり、図1に示すように、側面2aの下部中央に設けられた開口部14の内側に設けられる。具体的には、第1係止手段5aは側面2aの底部中央で、側面2aがくりぬかれた開口部14の内側に設けられる。第1係止手段5aとしては、例えば、突起板、略矢印型突起板、又はL字型突起板が挙げられる。このような第1係止手段5aに紐11を引っ掛けて係止できるので、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。
突起板としては、例えば、図12(A)に示すように、矩形の開口部14の側面下部から、側面2aと同一平面上で、長さ方向が水平方向になるように設けられる矩形の突起板60や、図12(B)に示すように、矩形の開口部14の上面の中央又は略中央から、側面2aと同一平面上で、長さ方向が鉛直方向になるように設けられる突起板61が挙げられる。
略矢印型突起板としては、図12(C)に示すように、矩形の開口部14の側面下部から、側面2aと同一平面状で、長さ方向が水平方向になるように設けられる平板で、その平板の外面がその長さ方向の中間又は略中間で、その長さ方向と垂直に張り出した後、先端に架けて先細りとなる構造を有する略矢印型突起板62や、図12(D)に示すように、矩形の開口部14の側面下部から、側面2aと同一平面上で、長さ方向が水平方向になるように設けられる平板で、その平板の下面がその長さ方向の中央又は略中央部で、その長さ方向と垂直に張り出した後、先端に架けて先細りの構造を有する略矢印型突起板63や、図12(E)に示すように、矩形の開口部14の上面中央又は略中央から、側面2aと同一平面上で、長さ方向が鉛直方向になるように設けられる平板で、その平板の外面がその長さ方向の中間又は略中間で、その長さ方向と垂直に張り出した後、先端に架けて先細りとなる構造を有する略矢印型突起板64や、図12(F)に示すように、矩形の開口部14の上面中央又は略中央から、側面2aと同一平面上で、長さ方向が鉛直方向になるように設けられる平板で、その平板の開口部14の側面と向かい合う一の側面が、その長さ方向の中間又は略中間で、その長さ方向と垂直に張り出した後、先端に架けて先細りとなる構造を有する略矢印型突起板65が挙げられる。
L字型突起板としては、例えば、図12(G)に示すように、矩形の開口部14の側面下部から長さ方向が水平方向になるように設けられるL字型の平板で、L字の先端が古紙収容結束器10の外側に向いているL字型突起板66や、図12(H)に示すように、矩形の開口部14の側面下部から長さ方向が水平方向になるように設けられるL字型の平板で、L字の先端が鉛直下方向に向いているL字型突起板67や、図12(I)に示すように、矩形の開口部14の上面の中央又は略中央から長さ方向が鉛直下方向になるように設けられるL字型の平板で、L字の先端が古紙収容結束器10の外側に向いているL字型突起板68や、図12(J)に示すように、矩形の開口部14の上面中央又は略中央から長さ方向が鉛直下方向になるように設けられるL字型の平板で、L字の先端が開口部14の側面方向に向いているL字型突起板69が挙げられる。
なお、上記した突起板60、突起板61、略矢印型突起板62、略矢印型突起板63、略矢印型突起板64、略矢印型突起板65、L字型突起板66、L字型突起板67、L字型突起板68及びL字型突起板69は、紐11を引っ掛けて引き回すのに必要な長さ及び太さを有するものとする。
上記した第1係止手段のうち、突起板よりも略矢印型突起板又はL字型突起板の方が、引っ掛けた紐11をより外れないように係止できるので、より好ましい。中でも、係止手段の強度の面から、略矢印型突起板がより好ましい。
図13及び図14は、略矢印型突起板62に紐11を係止した例を示す斜視図及び断面図である。この例では、紐11を略矢印型突起板62に古紙収容結束器10の内側から外側に引っ掛けることで、紐11を係止する。略矢印型突起板62が古紙収納結束器10の外側方向に張り出した張り出し部71を有するので、略矢印型突起板62に一度係止された紐11は、張り出し部71に引っ掛かって容易に外れないものとなる。その結果、第1係止手段5aとして略矢印型突起板62を有する古紙収容結束器10は、紐11を所定の位置に容易に配置できるものとなる。
(第2係止手段)
第2係止手段5bは、第1係止手段5aで係止され且つ底面1上を引き回された紐11を係止するためものであり、図1に示すように、側面2bの下部中央に設けられる。具体的には、第2係止手段5bは側面2bの底部中央で、側面2bがくりぬかれた開口部14の内側に設けられる。第2係止手段5bの具体的な構造は、上記した(第1係止手段)で説明した内容と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(第2案内手段)
第2案内手段4bは、第2係止手段5bで係止された紐11を案内するためのものであり、図1に示すように、側面2bの上縁中央に設けられる。具体的には、第2案内手段4bは側面2bの底面1とは反対方向の端面中央に設けられる。第2案内手段4bの具体的な構造は、上記した(第1案内手段)で説明した内容と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(第1ガイド)
第1ガイド6bは、第2案内手段4bで案内された紐11を側面2bの上縁外側に沿って導くためのものであり、図1に示すように、側面2bの上縁外側に設けられる。具体的には、第1ガイド6bは側面2bの上部外側で、且つ、側面2bの中央よりも側面2c側に設けられる。第1ガイド6bとしては、フランジ構造、突起軸又は切り欠け構造が挙げられる。このような第1ガイド6bに紐11を這わせることで、這わされた紐11が側面2bの上縁外側から外れるのを防ぐことができる。その結果、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。
フランジ構造としては、例えば、図15(A)に示すように、側面2bの上縁から古紙収容結束器10の水平外側方向に出っ張ったフランジ構造80や、図15(B)に示すように、側面2bの上縁から古紙収容結束器10の水平外側方向に出っ張ったフランジ部分の一部の先端が鉛直下方向に張り出しているフランジ構造81が挙げられる。
突起軸としては、例えば、図15(C)に示すように、側面2bの底面1とは反対方向の端部に設けられ、紐11を這わせるのに必要な長さ及び太さを有する突起軸82や、図15(D)に示すように、側面2bの底面1とは反対方向の端部にねじ込まれ、紐11を這わせるのに必要な長さ及び太さを有するボルト83が挙げられる。
切り欠け構造としては、例えば、図15(E)に示すように、側面2bと側面2cの隅に設けられ、側面2bの上部から側面2cの上部に架けて側面を矩形に切り取った切り欠け部84や、図15(F)に示すように、側面2bと側面2cの隅に設けられ、側面2bの上部から側面2cの上部に架けて側面を三角形に切り取った切り欠け部85が挙げられる。
上記した第1ガイド6bのうち、好ましくは、図15(B)に示すフランジ構造81が用いられる。フランジ構造81に紐11を這わせた例を図16の斜視図を示す。この例では、フランジ構造81の下に紐11を這わせて、案内手段4bから案内手段4cまで紐11を導いている。フランジ構造81に紐11を這わせた例を図17の断面図を示す。この例において、フランジ部分の一部の先端が鉛直下方向に張り出している張り出し部86は、側面2bとの間の寸法dが、紐11の厚さtよりも長くなるように設けられている。このような張り出し部86を有するフランジ構造81を用いることで、フランジ構造81の下に紐11を這わせることができ、また、這わせた紐11はり出し部86に引っ掛かって容易に外れないものとなる。その結果、第1ガイド6bとしてフランジ構造81を用いた古紙収容結束器10は、紐11を所定の位置に容易に配置できるものとなる。
(第2ガイド)
第2ガイド6cは、第1ガイド6bで導かれた紐11を側面2cの上縁外側に沿って導くためのものであり、図1に示すように、側面2cの上縁外側に設けられる。具体的には、第2ガイド6cは側面2cの上部外側で且つ側面2cの中央よりも側面2b側に設けられる。第2ガイド6cの具体的な構造は、上記した(第1ガイド)で説明した内容と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(第3案内手段)
第3案内手段4cは、第2ガイド6cで導かれた紐11を案内するためのものであり、図1に示すように、側面2cの上縁中央に設けられる。具体的には、第3案内手段3cは側面2cの底面1とは反対方向の端面中央に設けられる。第3案内手段4cの具体的な構造は、上記した(第1案内手段)で説明した内容と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(第3係止手段)
第3係止手段5cは、第3案内手段4cで案内された紐11を係止するためのものであり、図1に示すように、側面2cの下部中央に設けられる。具体的には、第3係止手段5cは側面2cの底部中央で、側面2cがくりぬかれた開口部14の内側に設けられる。第2係止手段5cの具体的な構造は、上記した(第1係止手段)で説明した内容と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(第4係止手段)
第4係止手段5dは、第3係止手段5cで係止され且つ底面1上を引き回された紐11を係止するためのものであり、図1に示すように、側面2dの下部中央に設けられる。具体的には、第4係止手段5dは側面2dの底部中央で、側面2dがくりぬかれた開口部14の内側に設けられる。第4係止手段5dの具体的な構造は、上記した(第1係止手段)で説明した内容と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(第4案内手段)
第4案内手段4dは、第4係止手段5dで係止された紐11を案内するためのものであり、図1に示すように、側面2dの上縁中央に設けられる。具体的には、第4案内手段4dは側面2dの底面1とは反対方向の端面中央に設けられる。第4案内手段4dの具体的な構造は、上記した(第1案内手段)で説明した内容と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(紐切断手段)
紐切断手段8は、第4案内手段4dで案内された紐11を切断するためのものであり、図1に示すように、側面2dの外側に設けられる。紐切断手段8は側面2dの外側であって、紐11を切断後に後述する結束作業が行える程度の紐11の長さを確保できればどこに設けられてもよいが、通常は、側面2dの外面の中心から中央下端の間に設けられる。紐切断手段8の構造としては、例えば、掛け切り式紐切断手段又は押し切り式紐切断手段が挙げられる。このような紐切断手段8を備えることで、古紙の結束時に他の紐切断手段を用意する必要がない。その結果、他の紐切断手段を用意する手間が省けるので、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。
図18(A)は、掛け切り式紐切断手段90の例である。この例において、掛け切り式紐切断手段90は、正面視で矩形の平板に鉛直下側から上方向にかけてスリット92を設け、スリット92の内部にカッター刃91を備え、カッター刃91に紐11を引っ掛けて切ることができるものである。図19(A)の斜視図及び図19(B)の断面図に掛け切り式紐切断手段90で紐11を切断する例を示す。この例では、掛け切り式紐切断手段90のスリット92の幅dは、紐11の厚さtよりも長くなるように設けられている。このようなスリット92を設けることで、紐11をスリット92に通すことができ、スリット92に通した紐11をカッター刃91に引っ掛けることで紐11を容易に切断できる。
図18(B)は、押し切り式紐切断手段93の例である。この例において、押し切り式紐切断手段93は、正面視で矩形の平板の裏面でスプリング97に固定されていることにより押し込み可能な円形の可動部94を設け、可動部94の裏側にはカッター刃95を備え、可動部94を押し込むことで側面2dの外側の突起部96とカッター刃95の間に通された紐11を押し切ることができるものである。図20(A)は、側面2dの外側の突起部96とカッター刃95の間に紐11が通された状態の断面図を示しており、図20(B)は、可動部94を押し込むことで紐11を切断した後の断面図を示している。
上記した紐切断手段8のうち、片手で容易に紐11を切断することができるので、好ましくは、掛け切り式紐切断手段90が用いられる。掛け切り式紐切断手段90を備える古紙収容結束器10は、紐11を所定の位置に容易に配置できるものとなる。
(古紙収容結束器の使用)
古紙収容結束器10の使用方法について説明する。古紙収容結束器10の使用には結束用の紐11の配置作業と、古紙収容結束器10の内部に収容した古紙を結束する結束作業とがある。紐11を図2及び図3に示すように古紙収容結束器10に配置し、その後、収容した古紙を図4に示すように結束する。2つの作業について、詳しく説明する。
紐11の配置作業は、後述の古紙の結束作業を容易にするためのものであり、古紙収容結束器10の所定の位置に紐11を這わせる作業である。紐11の配置作業は、古紙収容結束器10の内部に古紙を収容する前に行う。先ず、図2に示すように、紐ロール装着手段7に紐ロールを装着し、紐ロールから繰り出した紐11の端部12を紐端部掛止手段3に掛け止める。次いで、紐端部12と紐ロールとの間の紐11を、図1の古紙収容結束器10の各面に形成された矢印の示す方向に従って引き回して、古紙収容結束器10の所定の位置に紐11を這わせる。図3には、配置作業が完了した古紙収容結束器10を示す。なお、古紙収容結束器10には上記した矢印が予め形成されていることが望ましい。
紐11の配置作業の手順をさらに詳細に説明する。先ず、図2に示すように、紐ロール装着手段7に紐ロールを装着し、紐ロールから繰り出した紐11の端部12を紐端部掛止手段3に掛け止める。次いで、紐端部12と紐ロールとの間の紐11を側面2aの外面上に這わせて、第1案内手段4aまで引き回す。次いで、側面2aの内面上に紐11を這わせて、第1係止手段5aまで引き回す。次いで、底面1上に紐11を這わせて、第2係止手段5bまで引き回す。次いで、側面2bの内面上に紐11を這わせて、第2案内手段4bまで引き回す。次いで、第一ガイド6b及び第一ガイド6cに紐11を這わせて、第3案内手段4cまで引き回す。次いで、側面2cの内面上に紐11を這わせて、第3係止手段5cまで引き回す。次いで、底面1上に紐11を這わせて、第4係止手段5dまで引き回す。最後に、側面2dの内面上に紐11を這わせて、第4案内手段4dまで引き回した後、紐切断手段8に紐11を這わせる。
先ず紐端部掛止手段3に紐端部12を掛け止めることで、掛け止めされた紐端部12を基点として、上述した手順で紐11を引き回すことができる。このため、紐11にたるみが生じにくいので、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。また、各案内手段4、各係止手段5及び各ガイド6に這わせた紐11が、しっかりと固定されるので、一度這わせた紐11が容易に外れないものとなる。その結果、古紙収容結束器10の所定の位置に紐11を容易に配置できる。
古紙の結束作業は、古紙収容結束器10の内部に平積みされた古紙を紐11で結ぶ作業である。古紙の結束作業により、古紙収容結束器10の内部に平積みされた古紙を一纏めにできる。先ず、図4に示すように、紐端部掛止手段3に掛け止められた紐端部12を紐端部掛止手段3から外すと共に、紐ロール装着手段7から繰り出されている紐11を紐切断手段8により切断する。また、各係止手段5に係止されている紐11を各係止手段5から外す。次いで、側面2b及び2cの上縁外側に配置されている紐11をガイド6b及び6cから外して、平積みされた古紙の上面の中心Oまで引き出す。最後に、平積みされた古紙の上面の中心Oに引き出された紐11に紐端部12又はもう一方の紐端部13をさし通し、もう一方の紐端部12又は紐端部13と本結びする。こうすることで、古紙は十文字に結ばれて、一纏めになる。
古紙収容結束器10から一纏めにされた古紙を運び出した後、次の古紙収容結束器10の使用のため、再度紐11の配置作業を行う。
(古紙収容結束器の製造)
古紙収容結束器10は、射出成形によって製造することができる。射出成形は、古紙収容結束器10と同一の形状の空間を有する金型に、射出成形ノズルの先端から樹脂を押し出して成形する。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。なお、古紙収容結束器10の金型は、ランナーやゲート等の形、バランス、寸法等を任意に設計して製造される。
[応用例]
古紙収容結束器10は、図21に示すように、各側面2を正面視した左右両側及び底面1の四隅に開口部15を設けることができる。このように開口部15を設けることで、収容された古紙の積載量を一目で把握できると共に、古紙収容結束器10の重量を軽くできる。また、古紙収容結束器10の内部から結束した古紙を運び出す際、古紙と古紙収容結束器10の内壁とがこすれることにより生じる摩擦抵抗を低減できるので、古紙を楽に運び出すことができるようになる。なお、図21の古紙収容結束器10の各面には、紐11を這わせる方向を分かりやすくするために、大きめの矢印を付した古紙収容結束器10の例を併せて示している。
古紙収容結束器10は、各側面2を外側に可動する構造(図示しない)を採用することができる。各側面2を外側に可動する構造とすることで、大きさの異なる古紙を収納し且つ結束することができる。また、新聞、雑誌、一定の大きさのダンボール等の大きさに応じて、それぞれの寸法を固定した種々の大きさの古紙収容結束器10とすることができる。
以上、本発明に係る古紙収容結束器10によれば、結束用の紐11の端部12を紐端部掛止手段7に掛け止めた後、紐ロールとの間の紐11を引っ張りながら引き回すことができる。これにより、古紙収容結束器10に紐11を這わせる際、掛け止めた紐端部12を基点として紐11を引き回すことができるので、紐11にたるみが生じにくい。その結果、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。また、第1から第4の各側面2の下部中央に設けられた係止手段5と、第1から第4の各側面2の上縁中央に設けられた案内手段4と、第2及び第3の側面の上縁外側に設けられたガイド6とに這わせた紐11が、しっかりと固定されるので、一度這わせた紐11が容易に外れない。その結果、結束用の紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。
また、本発明に係る古紙収容結束器10によれば、結束用の紐11を這わせる際に紐11に張力を付与させながら引き回すことができるので、紐11にたるみが生じにくい。その結果、紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。また、第1から第4の各側面2の下部中央に設けられた係止手段5と、第1から第4の各側面2の上縁中央に設けられた案内手段4と、側面2b及び側面2cの上縁外側に設けられたガイド6b及びガイド6cとに這わせた紐11が、しっかりと固定されるので、一度這わせた紐11が容易に外れない。その結果、結束用の紐11を古紙収容結束器10の所定の位置に容易に配置できる。
1 底面
2,2a,2b,2c,2d 側面
3 紐端部掛止手段
4,4a,4b,4c,4d 案内手段
5,5a,5b,5c,5d 係止手段
6,6b,6c ガイド
7 紐ロール装着手段
8 紐切断手段
10,10A,10B,10C,10D,10E 古紙収容結束器
11 結束用の紐
12,13 紐端部
14,15,33,45,84,85 開口部
20,22 装着軸
21 受け部
23 紙管
24,26,30,34 装着軸取付部
25,28,32,35 装着軸取り外し部
27,29,31 凸部
36 紙管と装着軸との接触部分
40,42,82,106 突起軸
41 平板
43,83,107 ボルト
44 中空体構造
46 クリップ
47,51 圧接部
48 クリップの部材
49 ねじりコイルバネ
50 スライドクリップ
52 挟み具
53,92 スリット
60,61 突起板
62,63,64,65 略矢印型突起板
66,67,68,69 L字型突起板
80,81 フランジ構造
86,108 張り出し部
90 掛け切り式紐切断手段
91,95 カッター刃
93 押し切り式紐切断手段
94 可動部
96 突起部
97 スプリング
100 円型切り欠け部
101 矩形型切り欠け部
102 U字型切り欠け部
103 L字型切り欠け部
104 半円型切り欠け部
105 V字型切り欠け部
110,111 装着軸を備えた紐ロール装着手段
112 ゼンマイバネ
113 ゼンマイバネの巻き芯部
114 ラチェット構造
115 ゼンマイバネの端部

Claims (6)

  1. 底面と第1から第4の側面とで構成され、古紙を収容し且つ該古紙を紐で結束するための古紙収容結束器であって、
    前記底面の裏側に設けられ、前記紐の巻取方向に張力をかける付勢手段を有し、ロール状に巻かれた前記紐を装着するための紐ロール装着手段と、
    前記第1の側面の外側に設けられ、前記紐ロール装着手段から繰り出された紐の端部を掛け止めするための紐端部掛止手段と、
    前記第1の側面の上縁中央に設けられ、前記紐端部掛止手段で掛け止めされた紐を案内するための第1案内手段と、
    前記第1の側面の下部中央に設けられ、前記第1案内手段で案内された紐を係止するための第1係止手段と、
    前記第1の側面に対向する第2の側面の下部中央に設けられ、前記第1係止手段で係止され且つ前記底面上を引き回された紐を係止するための第2係止手段と、
    前記第2の側面の上縁中央に設けられ、前記第2係止手段で係止された紐を案内するための第2案内手段と、
    前記第2の側面の上縁外側に設けられ、前記第2案内手段で案内された紐を該上縁外側に沿って導くための第1ガイドと、
    前記第2の側面に隣接する第3の側面の上縁外側に設けられ、前記第1ガイドで導かれた紐を該上縁外側に沿って導くための第2ガイドと、
    前記第3の側面の上縁中央に設けられ、前記第2ガイドで導かれた紐を案内するための第3案内手段と、
    前記第3の側面の下部中央に設けられ、前記第3案内手段で案内された紐を係止するための第3係止手段と、
    前記第3の側面に対向する第4の側面の下部中央に設けられ、前記第3係止手段で係止され且つ前記底面上を引き回された紐を係止するための第4係止手段と、
    前記第4の側面の上縁中央に設けられ、前記第4係止手段で係止された紐を案内するための第4案内手段と、
    前記第4の側面の外側に設けられ、前記第4案内手段で案内された紐を切断するための紐切断手段と、
    を備えることを特徴とする古紙収容結束器。
  2. 前記紐端部掛止手段が、巻き綴じ具、結わえ具及び挟み具から選ばれるいずれかである、請求項1に記載の古紙収容結束器。
  3. 前記紐切断手段が、掛け切り式紐切断手段又は押し切り式紐切断手段である、請求項1又は2に記載の古紙収容結束器。
  4. 前記第1及び第2ガイドが、フランジ構造、突起軸及び切り欠け構造から選ばれるいずれかである、請求項1〜のいずれか1項に記載の古紙収容結束器。
  5. 前記第1から第4係止手段が、前記第1から第4の側面の下部中央に設けられた開口部と、該開口部に設けられた突起、略矢印型突起及びL字型突起板から選ばれるいずれかとで構成される、請求項1〜のいずれか1項に記載の古紙収容結束器。
  6. 前記第1から第4案内手段が、切り欠け構造又は突起軸である、請求項1〜のいずれか1項に記載の古紙収容結束器。
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