JP5827183B2 - 天井補強構造及び接続金具 - Google Patents

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Description

本発明は、上部構造体から天井部材を吊下げ支持する吊ボルトを備えた天井を補強する天井補強構造及び接続金具に関する。
従来から、例えば、格子状に組み付けられた天井下地材を、上階床スラブや屋上スラブなどの上部構造体から垂設された吊ボルトの下端部に吊下げ支持させることにより構築される吊天井が知られている。
このような吊天井においては、吊ボルトが圧縮に対して比較的弱いため、圧縮補強を行わなければならない場合がある。吊ボルトを圧縮補強する方法としては、(1)吊ボルトの径をサイズアップする方法、(2)吊ボルトに鋼管や角パイプを被せる方法(特許文献1参照)、(3)吊ボルトにチャンネルやアングルを沿わせて固定する方法があった。
特開2008−208687号公報
ところで、既存の吊天井の吊ボルトを補強する場合、(1)の方法では、吊ボルト径が変わるために、上部構造体に埋設されているインサートを交換する必要があり、多くの施工手間を要する問題があった。さらに(2)の方法においても、鋼管などを吊ボルトに被せるために天井下地材を一端取り外す必要があり、多くの施工手間を要する問題があった。(3)の方法では、吊ボルトへのチャンネルなどの固定は溶接施工にて為されていたので、施工精度が一定に保たれず、十分な補強効果を得られない場合があった。さらに、天井のふところ高さが高い場合には、吊ボルトの上端部にチャンネルなどを固定するのに足場を要し、多くの施工手間を要する問題があった。
このような観点から、本発明は、容易な施工で十分な補強効果を得られる天井補強構造及び接続金具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、上部構造体から天井部材を吊下げ支持する吊ボルトを備えた天井を補強する天井補強構造であって、前記吊ボルトを圧縮補強するための溝状部材と、前記溝状部材の上端部を前記吊ボルトの上端部に接続するための接続金具とを備え、前記溝状部材は、前記吊ボルトに沿って配置されるとともにその下端部が前記天井部材に接続されており、前記接続金具は、前記吊ボルトを囲う吊ボルト囲繞部と、前記溝状部材の上端部を係止する係止部と、前記吊ボルトに一側面から係止される下部係止片と、前記下部係止片よりも上方で前記一側面の反対側の他側面から前記吊ボルトに係止される上部係止片と、を備えており、前記接続金具が前記吊ボルトに対して平行になった状態で、前記下部係止片と前記上部係止片の両方が前記吊ボルトの側面に係止されるように構成されていることを特徴とする天井補強構造である。
ここで溝状部材は、断面V字状のアングルや断面コ字状のチャンネルや断面C字状のリップ溝形鋼などにて構成される。吊ボルト囲繞部は、少なくとも吊ボルトの側面三方向を囲う部位であって、溝状部材と合わさって吊ボルトを囲ってもよいし、吊ボルト囲繞部のみで吊ボルトを囲ってもよい。このような構成によれば、溝状部材の上端部が吊ボルトから離反しようとしたときに、吊ボルト囲繞部が吊ボルトに引っ掛かるので溝状部材が吊ボルトから離反するのを防止でき、溝状部材の上端部を吊ボルトの上端部に固定することができる。また、接続金具を吊ボルトの上端部に設置するには、接続金具を溝状部材の上端部に取り付けて吊ボルト囲繞部で吊ボルトを囲った状態で、吊ボルトの下部から接続金具を上部まで持ち上げるとよい。こうすれば、既存の吊天井の補強であっても、吊ボルトの下部からの作業で、接続金具を介して溝状部材を吊ボルトの上部に固定できるので、足場などを必要とせず施工が容易となる。また、溝状部材は吊ボルトの上端部と下端部間に架け渡されることになるので、天井面への風の吹上げなどによる吊ボルトの圧縮方向への力は、吊ボルトではなく溝状部材に作用する。したがって、前記圧縮方向への力に十分に対抗することができ、吊ボルトの圧縮補強効果が得られる。また、地震時においても、吊ボルトの圧縮方向へ対抗することができるので、耐震性能を向上させることができる。
また、請求項1によれば、溝状部材を吊ボルトに対して平行にすることで、上部係止片と下部係止片が吊ボルトの両側面を挟んで係止するので、溝状部材の上端部が水平方向へ移動するのを防止できる。また、溝状部材の上端部に接続金具を取り付けた状態で、溝状部材と接続金具を吊ボルトに対して傾斜させると、上部係止片と下部係止片が吊ボルトに係止されないので、接続金具を吊ボルトに対して移動させることができる。したがって、吊ボルトの下部から接続金具を上部まで持ち上げることができる。
請求項に係る発明は、前記下部係止片および前記上部係止片には、前記吊ボルトのネジ溝と噛み合う噛合溝がそれぞれ形成されており、前記下部係止片および前記上部係止片が、前記吊ボルトのネジ溝とそれぞれ噛合することを特徴とする。このような構成によれば、接続金具と吊ボルトとの固定性能が高まる。
請求項に係る発明は、前記接続金具の前記下部係止片の上方に、切欠き部が形成されていることを特徴とする。このような構成によれば、接続金具の傾斜角度を大きく取ることができ、吊ボルトと接続金具が干渉しにくくなる。
請求項に係る発明は、前記溝状部材の下端部は、前記天井部材に固定されたブラケットに溶接またはビス止めすることによって固定されていることを特徴とする。このような構成によれば、地震時などに天井部材に作用する応力を確実に溝状部材に伝達することができる。
請求項に係る発明は、前記接続金具には、前記吊ボルトの上端部とこれに隣り合う他の吊ボルトの下端部または前記天井部材間に架け渡されるブレース材を固定するためのブレース固定金具が接続されるブラケット部が形成されており、前記ブレース固定金具は、前記ブレース材の先端に設けられたネジ部材が螺合する螺合板部と、前記螺合板部の両端部に設けられ前記螺合板部から離反するに従って互いに接近する一対の傾斜板部と、前記傾斜板部の先端に設けられ前記ブラケット部を挟む一対の接続板部とを備えており、前記一対の接続板部は、ボルトナットにて厚さ方向両側から挟まれて前記ブラケット部に対して傾動可能に接続されており、前記螺合板部から進出する前記ネジ部材が前記一対の傾斜板部を押し広げることで、前記ボルトの頭部と前記ナットを内側から押圧することを特徴とする。
このような構成によれば、吊ボルトの下部からブレース材を回転させることで、先端のネジ部材が螺合板部から傾斜板部側へ進出し、一対の傾斜板部を内側から押し広げて、ボルト頭部とナットを押圧するので、ボルトとナットが噛み合って、ブレース固定金具をブラケット部に確実に固定することができる。したがって、ブレース材を固定するに際して足場などを必要とせず施工が容易となる。また、ブレース材を設けることで天井構造全体の補強効果が高まり、耐震性能をより一層向上させることができる。
また、本発明に係る接続金具は、上部構造体から天井部材を吊下げ支持する吊ボルトを圧縮補強するための圧縮補強部材の上端部を、前記吊ボルトの上端部に接続するための接続金具であって、前記吊ボルトに一側面から係止される下部係止片と、前記下部係止片よりも上方で前記一側面の反対側の他側面から前記吊ボルトに係止される上部係止片と、前記圧縮補強部材を係止する係止部と、を備えており、前記係止部は、前記下部係止片及び前記上部係止片に対して傾動不能に構成されており、前記圧縮補強部材が前記吊ボルトに対して平行になるように、前記圧縮補強部材と共に前記接続金具を傾動させた場合に、前記下部係止片と前記上部係止片の両方が前記吊ボルトの側面に係止されるように構成されている。
また、前記圧縮補強部材が前記吊ボルトに対して傾斜するように、前記圧縮補強部材と共に前記接続金具を傾動させた場合に、前記下部係止片及び前記上部係止片の両方が前記吊ボルトに対して移動可能となるようにしてもよい。
本発明に係る天井補強構造及び接続金具によれば、容易な施工で構築できるとともに、吊ボルトの圧縮方向に対して補強効果を得ることができるといった優れた効果を発揮する。
本発明の実施形態に係る天井補強構造を示した正面図である。 本発明の実施形態に係る天井補強構造の要部を示した図であって、(a)は正面図、(b)は平面図である。 本発明の実施形態に係る天井補強構造の要部を示した背面図である。 接続金具の吊ボルトへの係止状態を示した断面図である。 接続金具の第一部材を示した図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 接続金具の第一部材を示した斜視図である。 接続金具の第二部材を示した図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 接続金具の第二部材を示した斜視図である。 ブレース固定金具を示した図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 接続金具を吊ボルトの上端へ移動させる状態を示した断面図である。 ブレース材とブレース固定金具との取り合いを示した平面図である。 溝状部材の下端部と天井部材との取り合いを示した斜視図である。 第二の実施形態の接続金具を示した背面図である。 第二の実施形態の接続金具を吊ボルトの上端へ移動させる状態を示した断面図である。 第三の実施形態の接続金具を示した図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 第三の実施形態の接続金具をリップ溝形鋼に装着した状態を示した図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 第三の実施形態の接続金具をチャンネルに装着した状態を示した図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 第四の実施形態の接続金具の第一部材を示した図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 第四の実施形態の接続金具の第二部材を示した図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 第四の実施形態に係る天井補強構造の要部を示した図であって、(a)は正面図、(b)は平面図である。 溝状部材の下端部と天井部材との取り合いの他の形態を示した斜視図である。
本発明の実施形態に係る天井補強構造について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示すように、天井補強構造1は、上階の床スラブなどの上部構造体2から天井部材3を吊り下げ支持する吊ボルト5を備えた天井を補強するためのものである。吊ボルト5は、上部構造体2の下面に埋設されたインサート6(図2参照)に螺合されて固定されている。インサート6はメネジが形成された穴を備えており、上部構造体2の下面から前記穴が下方に開口している。
天井部材3は、天井下地材4と、天井下地材4の下面に貼り付けられる天井板(図示せず)とを備えて構成されている。天井下地材4は、格子状に組み付けられている。天井下地材4は、例えば、スチール製の板材を折り曲げ加工して形成されている。なお、天井下地材4は、スチール製の板材に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム合金製の押出形材により構成して、軽量化を図ってもよい。天井下地材4は、上下方向に延びるウエブ部と、水平方向に延びるフランジ部とを備えている。また、天井下地材4は、前記形状に限定されるものではなく、断面コ字状の野縁と野縁受けにて構成されるものであってもよい。
天井補強構造1は、吊ボルト5を圧縮補強する溝状部材10と、溝状部材10の上端部を吊ボルト5の上端部に接続するための接続金具20と、ブレース材50と、ブレース材50を接続金具20に固定するためのブレース固定金具60とを備えて構成されている。
溝状部材10は、吊ボルト5に作用する圧縮力に対抗する部材(圧縮補強する部材)であって、吊ボルト5に沿ってその上端部と下端部間に架け渡される。溝状部材10は、断面コ字状を呈したチャンネルにて構成されており、吊ボルト5の三方を覆う(吊ボルト5を溝内に含む)ように吊ボルト5に沿って配置される。溝状部材10は、スチール製の鋼材にて構成されている。なお、溝状部材10は、スチール製の鋼材に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム合金製の押出形材により構成して、軽量化を図ってもよい。また、溝状部材10は、断面コ字状のチャンネル形状に限定されるものではなく、断面C字状のリップ溝形形状や、断面V字状の溝を有するアングル形状など、他の形状であってもよい。図12に示すように、溝状部材10の下端部は、天井下地材4に固定されたブラケット7に溶接またはビス止めすることによって固定されている。ブラケット7は、天井下地材4,4の連結部分を跨ぐように配置された二股状の板状部材である。ブラケット7は、天井下地材4のウエブ部の上端部に溶接またはビス止めすることによって固定されている。
図2乃至図4に示すように、接続金具20は、吊ボルト5を囲う吊ボルト囲繞部と、吊ボルト5に一側面から係止される下部係止片22と、下部係止片22よりも上方で前記一側面の反対側の他側面から吊ボルト5に係止される上部係止片32と、溝状部材10の上端部を係止する係止部24とを備えている。接続金具20は、溝型の第一部材21と第二部材31とを組み合わせてなる筒部30を備えて構成されている(図2の(b)参照)。筒部30が、吊ボルト5を囲う吊ボルト囲繞部を構成している。本実施形態では、吊ボルト囲繞部は、接続金具20のみで吊ボルト5を側面の全周方向から囲っている。
図5および図6に示すように、第一部材21は、溝構成部25と一対の固定板部26,26とを備えてなる。第一部材21は、一枚の板材を曲げ加工して形成されており、溝構成部25と固定板部26,26が一体になっている。溝構成部25の内幅寸法は、溝状部材10(図2参照)の外幅寸法と同等になっており、溝構成部25に溝状部材10が嵌合できるように構成されている。溝構成部25には、下部係止片22が設けられている。下部係止片22は、溝構成部25の底面部分を溝開口側(筒内側)に屈曲して形成されており、その結果、下部係止片22の上方(屈曲前の下部係止片22が在った位置)には、切欠き部23が形成されることとなる。下部係止片22の突出長さは、溝構成部25の溝深さと同等の寸法である。下部係止片22の先端面は、平面視でV字状に切りかかれており、その先端面が吊ボルト5の側面に当接して、吊ボルト5に係止される。下部係止片22の先端面には、吊ボルト5のネジ溝と噛み合う噛合溝22a(図6参照)が形成されており、下部係止片22が吊ボルト5のネジ溝と噛合する。
図2の(b)に示すように、溝状部材10は、断面コ字の背の部分が第一部材21の溝構成部25の底面に当接するように筒部30内に嵌合される。言い換えれば、溝状部材10の開口部分が第二部材31側に対向するように筒部30内に嵌合される。そして、接続金具20の筒部30に溝状部材10を嵌合した際には、図2の(a)に示すように、溝状部材10の上端面が下部係止片22の下面に当接して、接続金具20に係止される。つまり、下部係止片22の下面が、係止部24を構成している。なお、係止部24は、前記構成に限定されるものではない。例えば、溝状部材10を、溶接やビスによって接続金具20に固定して係止するようにしてもよい。この場合、溶接固定された溝状部材10の底面や側面、あるいはビスが設けられた溝状部材10の底面や側面が係止部を構成する。
固定板部26は、溝構成部25の溝幅方向両端から、それぞれ外側に延在して設けられている。固定板部26には、第一部材21と第二部材31を固定するためのボルト挿通孔27が形成されている。ボルト挿通孔27は、第一部材21の高さ方向の略中間部に形成されている。固定板部26は、ボルト挿通孔27よりもさらに外側下方に延在しており、その先端部が、ブレース材50を固定するためのブラケット部28を構成している。ブラケット部28には、第一部材21にブレース材50を固定するためのブレース用ボルト挿通孔29が形成されている。ブラケット部28には、ブレース固定金具60を介してブレース材50が接続される。
図7および図8に示すように、第二部材31は、溝構成部35と一対の固定板部36,36とを備えてなる。第二部材31は、一枚の板材を曲げ加工して形成されており、溝構成部35と固定板部36,36が一体になっている。溝構成部35の形状および寸法は、溝構成部25と同等となっており、溝構成部25,35同士が向かい合って組み合わさることで、内部に溝状部材10が嵌合される筒部30(図2参照)が形成される。溝構成部35には、上部係止片32が設けられている。上部係止片32は、溝構成部35の底面部分から外側上方に延在した部分を溝開口側(筒内側)に屈曲して形成されている。これによって、上部係止片32は、溝構成部35の上端部に位置している。上部係止片32の突出長さは、下部係止片22の突出長さと等しく、溝構成部35の溝深さと同等の寸法である。上部係止片32の先端面は、平面視でV字状に切りかかれており、その先端面が吊ボルト5の側面に当接して、吊ボルト5に係止される。下部係止片22の先端面のV字状切欠きおよび上部係止片32の先端面のV字状切欠きは、互いに組み合わさって吊ボルトを囲む形状となっており、接続金具20を吊ボルト5に沿って垂直に配置したときに、平面視で吊ボルト5を両側から挟むようになっている(図2の(b)参照)。上部係止片32の先端面には、吊ボルト5のネジ溝と噛み合う噛合溝32a(図9参照)が形成されており、上部係止片32が吊ボルト5のネジ溝と噛合する。
固定板部36は、溝構成部35の溝幅方向両端から、それぞれ外側に延在して設けられている。固定板部36には、第一部材21と第二部材31を固定するためのボルト挿通孔37が形成されている。ボルト挿通孔37は、第一部材21のボルト挿通孔27に相当する位置に配置され、第二部材31の高さ方向の略中間部に形成されている。固定板部36には、固定板部26のブラケット部28に相当する部分は形成されておらず、固定板部26の外側下方が切除された形状となっている。
図1に示すように、ブレース材50は、隣り合う吊ボルト5,5間に架け渡される部材であって、一方の吊ボルト5の上端部と他方の吊ボルト5の下端部に接続されている。なお、ブレース材50の設置位置は、図1の構成に限定されるものではなく、ブレース材50の下端部は、天井下地材4などの天井部材3に接続してもよい。
図2および図3に示すように、ブレース材50は、断面コ字状を呈したチャンネルにて構成されている。チャンネルの上端部にはネジ部材51が溶接されたプレート52が溶接固定されている。ブレース材50は、スチール製の鋼材にて構成されている。なお、ブレース材50は、スチール製の鋼材に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム合金製の押出形材により構成して、軽量化を図ってもよい。また、ブレース材50は、断面コ字状のチャンネルに限定されるものではなく、断面V字状の溝を有するアングルや、角パイプなど、他の形状であってもよい。
図2および図3に示すように、ブレース固定金具60は、ブレース材50のネジ部材51が螺合されるとともに、接続金具20のブラケット部28にボルトBおよびナットNを介して固定される部材である。
図9に示すように、ブレース固定金具60は、螺合板部61と、一対の傾斜板部62,62と、一対の接続板部63,63とを備えて構成されており、先端同士が接近したU字状(図9の(b)参照)を呈している。螺合板部61と、傾斜板部62,62と、接続板部63,63は、一枚の板材を折曲げ加工して一体に形成されている。
螺合板部61は、ブレース材50のネジ部材51が螺合する部分である。螺合板部61の部分の板材には、ネジ部材51が挿通する挿通孔64が形成されている。螺合板部61は矩形平面を呈しており、挿通孔64は螺合板部61の中心位置(対角線の交点)に形成されている。螺合板部61は、板材の内側面(傾斜板部62が屈曲した側の面)に、挿通孔64と同軸でナット部材65が溶接固定されて構成されている。なお、挿通孔64にメネジを形成すれば、ナット部材65は設けなくてもよい。
傾斜板部62,62は、螺合板部61の両端部から屈曲して設けられている。傾斜板部62,62は、螺合板部61から離反するに従って互いに接近する。一対の傾斜板部62は、挿通孔64の中心軸線を中心として線対称に配置されており、螺合板部61に対して等角度で屈曲している。傾斜板部62,62の先端部は、ネジ部材51の外径寸法よりも短い距離まで接近している。
接続板部63は、傾斜板部62の先端から屈曲して、螺合板部61から離反する方向に延在している。接続板部63,63は、螺合板部61に対して直交する方向に延在しており、互いに平行に配置されている。接続板部63,63間の距離は、接続金具20のブラケット部28の板厚寸法と同等になっている。接続板部63には、ブレース固定金具60を接続金具20に固定するためのボルトBが挿通するボルト挿通孔67が形成されている。
以上のような構成のブレース固定金具60では、図11に示すように、ブレース材50を回転させることで、ネジ部材51を接続板部63側に進出させる。すると、ネジ部材51が一対の傾斜板部62,62を押し広げ、接続板部63,63がボルトBの頭部とナットNを内側から押圧することとなる。これによって、ボルトBとナットNが互いに噛み合って固定されるので緩まなくなり、ブレース固定金具60と接続金具20とが固定される。
以下に、既設の吊天井に、前記構成の天井補強構造1を構築する施工手順を説明する。
まず、第一部材21と第二部材31を組み合わせて筒部(吊ボルト囲繞部)30で吊ボルト5を囲むとともに、ボルトBとナットNを用いて第一部材21と第二部材31を接合して接続金具20を形成する。このとき、吊ボルト5は筒部30内に挿通している。そして、溝状部材10の上端を、接続金具20の下方から筒部30に嵌合する。溝状部材10は、図10に示すように、その上端が下部係止片22の下面(係止部24)に当接する位置まで挿入する。
さらに、ブレース材50を取り付ける場合は、接続金具20のブラケット部28に、ブレース固定金具60およびブレース材50を仮止めする。具体的には、接続板部63,63でブラケット部28を挟み込み、ボルトBの軸部を、ボルト挿通孔67、ブレース用ボルト挿通孔29、ボルト挿通孔67に挿通させて、ナットNで仮締めする。この状態において、ブレース固定金具60は、接続金具20に対してボルトBの軸部を中心として傾動可能となっている。
ブレース固定金具60の接続金具20への仮止めが完了したならば、接続金具20を傾斜させて、吊ボルト5との係止を解除する。具体的には、図10に示すように、上部係止片32が吊ボルト5の側面から離れる方向に接続金具20を傾斜させる。このとき、溝状部材10の溝開口部は、第二部材31側に配置されているので、接続金具20を傾斜させても、溝状部材10は、吊ボルト5から離反する(相対的に吊ボルト5が溝状部材10の溝開口を通過する)だけで、吊ボルト5に干渉しない。
作業員は、この傾斜状態を保ちながら、溝状部材10を順次持ち上げて、接続金具20を吊ボルト5に沿わせて上方に移動させる。このとき、吊ボルト囲繞部が吊ボルト5を囲っているので、溝状部材10が吊ボルト5から離反することはない。接続金具20が上部構造体2の下面に当接したところで、溝状部材10を吊ボルト5に沿わせて、接続金具20と吊ボルト5を垂直の状態にする(吊ボルト5と平行の状態にする)。
すると、図4に示すように、下部係止片22が吊ボルト5の一側面に係止するとともに、上部係止片32が吊ボルト5の他側面に係止する。ここで、下部係止片22の先端面には噛合溝22aが形成され、上部係止片32の先端面には噛合溝32aが形成されているので、下部係止片22および上部係止片32がともに、吊ボルト5の側面に噛合する。これによって、接続金具20と吊ボルト5との固定性能が高まり、接続金具20が吊ボルト5の上部に確実に固定される。
また、下部係止片22の上部に切欠き部23が形成されているので、棒部材の先端に鏡が設けられた部材などを用いれば、下部係止片22、上部係止片32と吊ボルト5との係止状態を下方から確認することができる。
以上の施工手順は、吊ボルト5の下端部から作業することができるので、天井のふところ高さが高い場合であっても、作業足場等を別途設ける必要がなく、施工が容易になる。また、接続金具20の上端を上部構造体2の下面に押し付けながら、接続金具20の傾斜を戻すことで、容易に接続金具20を吊ボルト5の上端部に設置固定(係止)することができる。
溝状部材10の下端部は、天井下地材4に固定されたブラケット7(図1参照)に溶接またはビス止めすることによって固定する。この固定作業も吊ボルト5の下端部において実施できるので施工が容易である。
以上のような構成によれば、溝状部材10が天井下地材4と吊ボルト5の上端部との間に架け渡されることになるので、風の吹き上げにより天井面が持ち上げられたり、地震などにより天井部材3が撓んだりして、吊ボルト5に圧縮力が作用しようとした場合であっても、その圧縮力は溝状部材10で対抗することができるので、吊ボルト5に圧縮力が作用することはなく、吊ボルト5の圧縮方向への応力に対して十分な補強効果を得られる。したがって、風の吹上げに対して対抗できるとともに、耐震性能の高い天井構造を得ることができる。
さらには、図12に示すように、天井下地材4,4の連結部分を跨ぐブラケット7に溝状部材10を固定したことによって、溝状部材10を吊ボルト5に平行な状態で天井部材3に固定することができるので、天井部材3からの応力を確実に溝状部材10に伝達することができる。
その後、ブレース固定金具60を固定する。ブレース固定金具60を固定するに際しては、作業員は、吊ボルト5の下端部からブレース材50の基端部(下部)を把持して、その先端(上部)のネジ部材51を螺合板部61の挿通孔64に挿通させるとともに、ブレース材50を回転させて、ネジ部材51をナット部材65に螺合させる。そして、ブレース材50をさらに回転させて、図11に示すように、ネジ部材51を接続金具20側に進出させる。これによって、ネジ部材51が一対の傾斜板部62,62に内側面に当接して一対の傾斜板部62,62を押し広げることとなり、接続板部63,63がボルトBの頭部とナットNを内側から押圧する。これによって、ボルトBとナットNが互いに噛み合って緩まなくなり、ブレース固定金具60が接続金具20に固定される。ブレース材50に作用する応力は、ブレース固定金具60およびボルトBを介して、接続金具20に伝達される。
その後、ブレース材50の下端部は、溝状部材10の下端部に溶接またはビス止めすることによって固定される。以上のように、ブレース材50の上下を固定する作業においても、吊ボルト5の下端部から作業することができるので、作業足場等を別途設ける必要がなく、施工が容易になる。
なお、前記実施形態では、接続金具20にブレース固定金具60を仮止めして、吊ボルト5の上部に持ち上げた後に、ブレース材50のネジ部材51を螺合させるようにしたが、接続金具20を持ち上げる前に、ブレース材50のネジ部材51をブレース固定金具60に螺合させておいてもよい。この場合、持上げ前は、ネジ部材51を傾斜板部62に当接させず、ボルトB、ナットNと、接続板部63,63との間に隙間が存在した状態としておき、吊ボルト5の上部に設置した後に、ブレース材50を回転させて、傾斜板部62,62を押し広げる。
以上のような構成によれば、ブレース材50によって、天井部材3に作用する地震水平力に対抗することができる。これによって、天井部材3の揺動を抑制でき、周囲の壁面との衝突を押えることができるので、耐震性能の高い天井構造を得ることができる。
また、本実施形態において、吊ボルト5自体は交換する必要がないので、上部構造体2のインサート6を交換する必要もなく、施工手間の増大を抑制できる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、材質、形状や大きさなど適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態では、接続金具20を上部構造体2の下面に当接させているが、若干の隙間をあけて設置してもよい。この場合も圧縮補強の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては第一部材21の下部係止片22の上方のみに切欠き部23が形成されているが、これに追加して、図13に示すように、第二部材31の上部係止片32の下方に切欠き部33を形成してもよい(第二の実施形態)。切欠き部33は、側面から見て吊ボルト5の投影位置に相当する部分に形成する。このような切欠き部33を追加すれば、図14に示すように、吊ボルト5に対する接続金具20の傾斜角度を大きくすることができるので、接続金具20を上方に持ち上げるときに、下部係止片22および上部係止片32が吊ボルト5に干渉し難くなる。
さらには、図15に示すような、接続金具120を用いてもよい(第三の実施形態)。この接続金具120は、一の部材から構成されており、一枚の板材を折り曲げ加工して形成されている。接続金具120は、側板部121と、上板部122と、係止板部123とを備えている。
側板部121は、図16に示すように、溝状部材110に沿って、その内側に挿入される部分である。溝状部材110がリップ溝形鋼である場合は、側板部121の幅寸法は、溝状部材110aの内法幅寸法より小さい寸法で、且つ一対のリップ111,111の先端間距離より大きい寸法になっている。これにより、接続金具120を溝状部材110内に挿入した際に、側板部121がリップ111,111に係止され接続金具120が溝状部材110の側面の開口部112から外れるのを防いでいる。つまり、接続金具120は、溝状部材110に対して水平方向にはずれない。側板部121には、貫通孔124が形成されている。貫通孔124は、リップ111,111間に開口して形成されている。貫通孔124は、接続金具120の取扱いを容易にするために形成されており、作業員が指を挿入することで接続金具120の持ち運びをし易くしている。
上板部122は、側板部121の上端部から水平方向に屈曲して形成されている。上板部122は側板部121に対して直交している。上板部122は、側板部121の幅方向に二分割されて、幅方向両端部の第一上板部122aと第二上板部122bとで構成されている。第一上板部122aと、第二上板部122bとは、側板部121の幅方向に隙間をあけて配置されている。第一上板部122aと第二上板部122bと側板部121は、平面視でコ字状を呈しており、その間には、吊ボルト5が配置される(図16参照)。第一上板部122aと第二上板部122bと側板部121とで、吊ボルト5を側面の三方向から囲う吊ボルト囲繞部125が構成されている。本実施形態の吊ボルト囲繞部125は、溝状部材110の背面部112と合わさって吊ボルト5の全周を囲うようになっている。また、第一上板部122aと第二上板部122bとの離間寸法は、吊ボルト5の外径より大きく、吊ボルト5は、第一上板部122a、第二上板部122b、側板部121および溝状部材110の背面部112とは離れた状態となっている。なお、第一上板部122aと第二上板部122bとの離間寸法を、吊ボルト5の外径と同等にして、吊ボルト5を第一上板部122aと第二上板部122bとで挟み込むようにしてもよい。
係止板部123は、上板部122の端部外側(側板部121の幅方向両端部外側)に形成されている。係止板部123は、上板部122の端部から外側に延出して、先端部が下方に折り曲げられている。係止板部123の下面には、溝状部材110の上端部が当接する。係止板部123の下面が、溝状部材110の上端部を係止する係止部126を構成している。
上板部122の周縁部のうち、側板部121とは逆側の端部には、垂下部127が形成されている。垂下部127は補強リブの役目を果たす。垂下部127は、第一上板部122aと第二上板部122bの端部にそれぞれ形成されている。
以上のような構成の接続金具120を、リップ溝形鋼である溝状部材110の上端部に設置する場合は、図16に示すように、第一上板部122a、第二上板部122b、側板部121および溝状部材110の背面部112で吊ボルト5を囲うように、接続金具120を溝状部材110内に挿入する。このとき、係止板部123の下面が、溝状部材110の上端面に当接している。つまり、接続金具120は、係止板部123の厚さ分、溝状部材110の上端部から突出した状態で、溝状部材110の上端部を係止している。
また、接続金具120を、チャンネルである溝状部材110の上端部に設置する場合は、図17に示すように、溝状部材110の側面部113に、切欠き部114を形成しておく。切欠き部114は、係止板部123と同等の断面形状を呈しており、その内側に係止板部123が嵌まるようになっている。これによって、係止板部123の下面が切欠き部114の底面に当接した状態で、溝状部材110の上端部が係止板部123に係止する。係止板部123の上面は、溝状部材110の上端面と面一になっている。このとき、係止板部123は、切欠き部114によって、係止されているので、接続金具120を溝状部材110内に挿入した際に、接続金具120が溝状部材110の側面の開口部112から外れるのを防いでいる。つまり、接続金具120は、溝状部材110に対して水平方向にずれない。この状態で、第一上板部122a、第二上板部122b、側板部121および溝状部材110の背面部112で吊ボルト5が囲まれている。
このような構成の接続金具120によれば、図16および図17のいずれの場合であっても、吊ボルト囲繞部125は、吊ボルト5に対して移動可能になっている。したがって、吊ボルト囲繞部125で吊ボルト5を囲んだ状態で、接続金具120および溝状部材110を持ち上げることができる。したがって、接続金具120を吊ボルト5の上部に設置する作業を、吊ボルト5の下端部から作業することができるので、作業足場等を別途設ける必要がなく、施工が容易になる。接続金具120の上面が上部構造体(図示せず)の下面に当接するまで、接続金具120および溝状部材110を持ち上げる。その後、溝状部材110の下端部を下方の天井下地材(図示せず)に連結する。
ここで、吊ボルト5の上端部においては、吊ボルト囲繞部125が吊ボルト5を囲んでいるので、溝状部材110が傾斜しようとしても、吊ボルト囲繞部125が吊ボルト5に引っ掛かって、溝状部材110が吊ボルト5から離反しない。したがって、溝状部材110を吊ボルト5に固定されていることとなる。
以上のような構成によれば、前記実施形態と同様に、溝状部材10が天井下地材と吊ボルト5の上端部との間に架け渡されることになるので、風の吹き上げにより天井面が持ち上げられたり、地震などにより天井部材が撓んだりして、吊ボルト5に圧縮力が作用しようとした場合であっても、その圧縮力は溝状部材110で対抗することができるので、吊ボルト5に圧縮力が作用することはなく、吊ボルト5の圧縮方向への応力に対して十分な補強効果を得られる。したがって、風の吹上げに対して対抗できるとともに、耐震性能の高い天井構造を得ることができる。
さらに、本実施形態では、接続金具120が一つの部材で構成されているので、溝状部材110の上端部に設置する作業が容易になる。つまり、接続金具120は、溝状部材110の上方から降ろしてその内部に挿入するだけで、係止部126が溝状部材110に当接するとともに、溝状部材110に対して水平方向にずれなくなる。よって、第一実施形態と比較してボルトナットが不要となる分、作業が容易になる。
さらに第四の実施形態として、図18乃至図20に示すような接続金具220を用いてもよい。接続金具220は、第一実施形態(図1乃至図11に示した構成)と同様に溝型の第一部材221と第二部材231とを組み合わせてなる筒部230を備えて構成されている(図20の(b)参照)。筒部230が、吊ボルト5を囲う吊ボルト囲繞部を構成している。本実施形態では、吊ボルト囲繞部は、接続金具220のみで吊ボルト5を側面の全周方向から囲っている。
本実施形態の接続金具220は、第一実施形態の接続金具20と比較して、第一部材221の固定板部226の形状、第二部材231の上部係止片232の形状、および第二部材231の溝構成部235の形状が異なっている。なお、その他の構成は、第一実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
図18に示すように、第一部材221の固定板部226は、溝構成部25の溝幅方向両端から、それぞれ外側に延在して設けられている。固定板部226には、第一部材221と第二部材231を固定するためのボルト挿通孔227が形成されている。本実施形態では、第一部材221と第二部材231を固定するためのボルト挿通孔227が、第一部材21にブレース材50を固定するためのブレース用ボルト挿通孔を兼ねており、固定板部226にはボルト挿通孔227が形成されているだけである。
これによって、ブレース固定金具60の接続板部63,63の間には、第一部材221の固定板部226と、第二部材231の固定板部36が二枚重なった状態で挟まれる(図20の(b)参照)。
図19に示すように、第二部材231の上部係止片232は、溝構成部235の底面部分から外側上方に延在した部分を溝開口側(筒内側)に屈曲して形成されている。これによって、上部係止片232は、溝構成部235の上端部に位置している。上部係止片232の先端面には、平面視で奥が半円形状の切欠き部が形成されており、その奥端面が吊ボルト5の側面に当接して、吊ボルト5に係止される。半円部分の径は吊ボルト5の外径と同等か、あるいは吊ボルト5よりも若干大きくなっており、吊ボルト5を囲い込むことができる形状になっている。半円部分は、下部係止片22の先端面のV字状切欠きの上方に位置するように構成されており、下部係止片22の先端面のV字状切欠きおよび上部係止片232の先端面のV字状切欠きは、互いに組み合わさって吊ボルトを囲む形状となっている。接続金具220を吊ボルト5に沿って垂直に配置したときに、下部係止片22の先端面のV字状切欠きと上部係止片232の半円部分とで、平面視で吊ボルト5を両側から挟むようになっている(図20の(b)参照)。上部係止片232の半円部分には、吊ボルト5のネジ溝と噛み合う噛合溝32a(図19の(c)参照)が形成されており、上部係止片232が吊ボルト5のネジ溝と噛合する。
第二部材231の溝構成部235には、上部係止片232の下方に切欠き部233が形成されている。切欠き部233は、側面から見て吊ボルト5の投影位置に相当する部分に形成されている。切欠き部233は、吊ボルト5の外径よりも若干広い開口幅を有している。このような切欠き部233を形成することによって、吊ボルト5に対する接続金具220の傾斜角度を大きくすることができるので、接続金具220を上方に持ち上げるときに、下部係止片222および上部係止片232が吊ボルト5に干渉し難くすることができる。
以上のような構成の接続金具220においても、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
溝状部材10の下端部を天井下地材4に固定する固定金具80は、図21に示すような形状であってもよい。なお、図21では、吊ボルトおよび吊ボルトを天井下地材に固定する金具の図示を省略している。固定金具8は、天井下地材4に固定される天井下地材固定部81と、溝状部材10に固定される溝状部材固定部82とを備えて構成されている。固定金具8は、一枚の板材を折り曲げ加工して形成されている。
天井下地材固定部81は、二股状に形成されており、下端部が天井下地材4のウエブ部4aの上端部に溶接またはビス止めすることによって固定されている。溝状部材固定部82は、断面コ字状を呈している。溝状部材固定部82は、天井下地材固定部81から上方に延出して形成されている。溝状部材固定部82は、溝状部材10を背面側から囲い込んで、溶接またはビス止めすることによって溝状部材10に固定されている。天井下地材固定部81の中間部は段状に形成されており、溝状部材固定部82の背面側と面一になっている。天井下地材固定部81の表面と段状部分の側面には、補強用ビード83が両面に渡って形成されている。また、天井下地材固定部81と段状部分との入隅部には、補強リブ84が形成されている。このような固定金具80によれば、溝状部材10を天井下地材4に強固に固定することができる。
1 天井補強構造
2 上部構造体
3 天井部材
5 吊ボルト
10 溝状部材
20 接続金具
22 下部係止片
23 切欠き部
24 係止部
30 筒部(吊ボルト囲繞部)
32 上部係止片
50 ブレース材
60 ブレース固定金具
61 螺合板部
62 傾斜板部
63 接続板部
110 溝状部材
120 接続金具
125 吊ボルト囲繞部
126 係止部
220 接続金具
232 上部係止片
B ボルト
N ナット

Claims (7)

  1. 上部構造体から天井部材を吊下げ支持する吊ボルトを備えた天井を補強する天井補強構造であって、
    前記吊ボルトを圧縮補強するための溝状部材と、前記溝状部材の上端部を前記吊ボルトの上端部に接続するための接続金具とを備え、
    前記溝状部材は、前記吊ボルトに沿って配置されるとともにその下端部が前記天井部材に接続されており、
    前記接続金具は、前記吊ボルトを囲う吊ボルト囲繞部と、前記溝状部材の上端部を係止する係止部と、前記吊ボルトに一側面から係止される下部係止片と、前記下部係止片よりも上方で前記一側面の反対側の他側面から前記吊ボルトに係止される上部係止片と、を備えており、
    前記接続金具が前記吊ボルトに対して平行になった状態で、前記下部係止片と前記上部係止片の両方が前記吊ボルトの側面に係止されるように構成されている
    ことを特徴とする天井補強構造。
  2. 前記下部係止片および前記上部係止片には、前記吊ボルトのネジ溝と噛み合う噛合溝がそれぞれ形成されており、
    前記下部係止片および前記上部係止片が、前記吊ボルトのネジ溝とそれぞれ噛合する
    ことを特徴とする請求項に記載の天井補強構造。
  3. 前記接続金具の前記下部係止片の上方に、切欠き部が形成されている
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の天井補強構造。
  4. 前記溝状部材の下端部は、前記天井部材に固定されたブラケットに溶接またはビス止めすることによって固定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の天井補強構造。
  5. 前記接続金具には、前記吊ボルトの上端部と、これに隣り合う他の吊ボルトの下端部または前記天井部材間に架け渡されるブレース材を固定するためのブレース固定金具が接続されるブラケット部が形成されており、
    前記ブレース固定金具は、前記ブレース材の先端に設けられたネジ部材が螺合する螺合板部と、前記螺合板部の両端部に設けられ前記螺合板部から離反するに従って互いに接近する一対の傾斜板部と、前記傾斜板部の先端に設けられ前記ブラケット部を挟む一対の接続板部とを備えており、
    前記一対の接続板部は、ボルトナットにて厚さ方向両側から挟まれて前記ブラケット部に対して傾動可能に接続されており、前記螺合板部から進出する前記ネジ部材が前記一対の傾斜板部を押し広げることで、前記ボルトの頭部と前記ナットを内側から押圧する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の天井補強構造。
  6. 上部構造体から天井部材を吊下げ支持する吊ボルトを圧縮補強するための圧縮補強部材の上端部を、前記吊ボルトの上端部に接続するための接続金具であって、
    前記吊ボルトに一側面から係止される下部係止片と、前記下部係止片よりも上方で前記一側面の反対側の他側面から前記吊ボルトに係止される上部係止片と、前記圧縮補強部材を係止する係止部と、を備えており、
    前記係止部は、前記下部係止片及び前記上部係止片に対して傾動不能に構成されており、
    前記圧縮補強部材が前記吊ボルトに対して平行になるように、前記圧縮補強部材と共に前記接続金具を傾動させた場合に、前記下部係止片と前記上部係止片の両方が前記吊ボルトの側面に係止されるように構成されていることを特徴とする接続金具。
  7. 前記圧縮補強部材が前記吊ボルトに対して傾斜するように、前記圧縮補強部材と共に前記接続金具を傾動させた場合に、前記下部係止片と前記上部係止片の両方が前記吊ボルトに対して移動可能となることを特徴とする請求項に記載の接続金具。
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