JP5826874B2

JP5826874B2 - コーヒー収納容器

Info

Publication number: JP5826874B2
Application number: JP2014030733A
Authority: JP
Inventors: 澁木　収一; 収一澁木; 忠弘真保; 雅哉高野
Original assignee: 株式会社セブン・セブン; 燕商工会議所
Priority date: 2014-02-20
Filing date: 2014-02-20
Publication date: 2015-12-02
Anticipated expiration: 2034-02-20
Also published as: JP2015155317A; US20150232232A1

Description

本発明は、コーヒー収納容器に関するものである。

近年、コーヒーの愛好者が増える中、コーヒーをお店や自宅で楽しむだけでなく、自分好みのコーヒーを持ち歩き、いつでも好きな時間に好きな場所で飲みたいという要求が増えている。

ところで、このコーヒーを収納するための容器として、例えば特開平９−２５１６号や意匠登録第１３２９１９４号などのような蓋付き容器が提案されているが、いずれも保温性が十分でないため、コーヒーの美味しさを持続することができない。一般的にコーヒーは冷めると酸味が強くなって味が落ちてしまう（旨味が薄れてしまう）と言われている。

そこで、従来、金属製の真空断熱二重容器（以下、従来例という。）にコーヒーを収納して持ち歩く人が増えており、この従来例であれば保温性が極めて高い為、コーヒーを美味しく飲むに適した温度を長く維持することができる。

特開平９−２５１６号公報意匠登録第１３２９１９４号公報

しかしながら、実際、従来例にコーヒーを入れると、コーヒーの温度が低下しないうちに味が落ちてしまう。

これは、従来例にコーヒーを入れた際、従来例のコーヒーと接する部分、具体的には容器内面の金属がコーヒーに含まれる成分の化学変化を促進してしまうからと考えられる。

本発明者等は、前述した問題点に着目し、種々の実験・研究を繰り返し行った結果、極めて商品価値の高い画期的なコーヒー収納容器を開発した。

添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。

コーヒー20を収納するコーヒー収納容器であって、外筒２内に空間部Ｓを介して金属製の内筒３を配設し、前記外筒２と前記内筒３との間の空間部Ｓを真空断熱空間部とした容器本体１と、前記容器本体１の開口部１ｂを閉塞する閉塞体４と、前記容器本体１の開口部１ｂを前記閉塞体４で閉塞した状態で該閉塞体４に被嵌されるカップ体５とを有し、前記容器本体１の上部には該容器本体１と前記閉塞体４とを連結する連結部７が設けられ、前記閉塞体４は前記連結部７に螺着されるものであり、前記閉塞体４を前記連結部７から螺出させて形成される抽出路から前記容器本体１内のコーヒーを抽出するように構成され、コーヒー20と接する前記容器本体１の内面部１ａ、前記閉塞体４のコーヒー20と接する部分４ａ、前記連結部７のコーヒー20と接する部分及び前記カップ体５の内面部５ａは、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂若しくはヒンダードアミン系光安定剤含有アクリル樹脂で構成されていることを特徴とするコーヒー収納容器に係るものである。

また、請求項１記載のコーヒー収納容器において、前記内筒３はステンレス製であることを特徴とするコーヒー収納容器に係るものである。

また、請求項１，２いずれか１項に記載のコーヒー収納容器において、前記カップ体５には取手５ｂが設けられていることを特徴とするコーヒー収納容器に係るものである。

また、請求項１〜３いずれか１項に記載のコーヒー収納容器において、前記カップ体５は前記連結部７に螺着されていることを特徴とするコーヒー収納容器に係るものである。

本発明は上述のように構成したから、前述した従来例と異なり、コーヒーの美味しい状態を長く維持することができるなど、極めて商品価値の高い画期的なコーヒー収納容器となる。

本実施例を示す斜視図である。本実施例を示す断面図である。本実施例の使用状態説明図である。実験１の結果を示す表及びグラフである。実験２の結果を示す表である。

好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。

例えば、コーヒー20を収納して持ち歩く際には、コーヒー20を容器本体１に収納し、この容器本体１の開口部１ｂを閉塞体４で閉塞する。

本発明の容器本体１は、外筒２内に空間部Ｓを介して金属製の内筒３を配設し、外筒２と内筒３との間の空間部Ｓを真空断熱空間部とした保温性の高い構造の為、コーヒー20を美味しく飲むに適した温度を長く維持することができる。

また、本発明は、コーヒー20の収納状態において、コーヒー20と接する容器本体のすべての部分はフッ素樹脂等で構成されており、よって、特に容器本体１を構成する内筒３の金属によるコーヒー20への作用が可及的に抑制され、コーヒー20の味が落ちることが阻止される。従って、この点においてもコーヒー20の美味しい状態を維持できる。

また、本発明は、容器本体１内のコーヒー20を飲む際には、閉塞体４を開放状態としてカップ体５に注いで飲む。

このコーヒー20と接するカップ体５の内面部５ａはフッ素樹脂等で構成されており、コーヒー20をカップ体５に入れても、このカップ体５の内面部５ａがコーヒー20の味に影響を及ぼさないため、この点においてもコーヒー20の美味しい状態を維持できる。

本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。

本実施例は、コーヒー20を収納するコーヒー収納容器であって、容器本体１と、この容器本体１の開口部１ｂを閉塞する閉塞体４と、容器本体１の開口部を閉塞体４で閉塞した状態で該閉塞体４に被嵌されるカップ体５とを有するものである。

尚、コーヒー20としては、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出したコーヒーや、この抽出したコーヒーを濃縮して乾燥したインスタントコーヒーを、水や温水などで適量に調整したコーヒーなどが採用され、また、本実施例では、コーヒー20はホットコーヒーであるが、アイスコーヒーでも良いのは勿論である。

以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。

容器本体１は、図１，２に図示したように適宜な金属製の部材で形成したボトル形状体であり、ステンレス製の有底外筒２内に空間部Ｓを介してステンレス製の有底内筒３を配設し、外筒２と内筒３との間の空間部Ｓを真空断熱空間部とした真空二重構造である。尚、本実施例では、外筒２及び内筒３をステンレス製としたが、その他の金属でも良く、外筒２と内筒３を異種金属しても、外筒２を合成樹脂製としても良い。

符号６は外筒２の底部に溶接される底部材である。

また、容器本体１の内面部１ａは不活性な合成樹脂で構成されている。

具体的には、内筒３の内面３ａはフッ素樹脂（オキツモ株式会社製の「Ｎｏ．８１４０」）で被覆（コーティング）されている。

このコーティング層９は、前処理として内筒３の内面３ａをブラスト処理を行い、続いて、このブラスト処理済みの内面３ａにフッ素樹脂をスプレーで付着させた後、乾燥させることで形成される。尚、内筒３の内面３ａをコーティングするものとしてフッ素樹脂の代わりにヒンダードアミン系光安定剤含有アクリル樹脂（Hindered Amine Light Stabilizer（HALS））を含有した不活性な合成樹脂としてのハルス含有樹脂（株式会社日本触媒製の「ユーダブル（登録商標）」）や後述するポリプロピレン樹脂でも良い。

従って、コーヒー20を収納した状態においてこのコーヒー20と接する容器本体１の内面部１ａは不活性な合成樹脂で構成されている。

また、容器本体１の開口部１ｂには、外筒２の上端部と内筒３の上端部との連設部位に適宜な合成樹脂製の環状体が被嵌装着されて連結部７が設けられている。

この連結部７の内面には、後述する閉塞体４の螺旋凸条４ｂと螺合する螺旋凸条７ａが一部が欠如した断続螺旋状に形成され、連結部７の外面には、後述するカップ体５の螺旋凸条５ｃと螺合する螺旋凸条７ｂが螺旋状に形成されている。

また、連結部７は、不活性な合成樹脂としてのポリプロピレン樹脂（株式会社プライムポリマー製の「プライムポリプロ（登録商標）」）で一体成形されている。

従って、例えば、コーヒーメーカーから容器本体１へコーヒー20を収納する際や、容器本体１から後述するカップ体５にコーヒー20を注いだ際など、このコーヒー20と接する容器本体１の開口部１ｂは不活性な合成樹脂で構成されている。

尚、容器本体１の開口部１ｂは、連結部７を設けず、外筒２の上端部と内筒３の上端部との連設部位で構成しても良く、この場合、後述するように内筒３の内面３ａには不活性な合成樹脂でコーティングされているため、いずれにせよコーヒー20と接する容器本体１の開口部１ｂは不活性な合成樹脂で構成される。また、連結部７を金属製とし、その表面に前述した不活性な樹脂としてのフッ素樹脂やヒンダードアミン系光安定剤含有アクリル樹脂でコーティングするようにしても良い。

閉塞体４は、図１，２に図示したように適宜な合成製樹脂製の部材で形成した中空体であり、容器本体１の開口部１ｂに螺着され、この閉塞体４を開口部１ｂから螺出させて形成される注出路から容器本体１内のコーヒー20を注出する構造であり、この閉塞体４の螺着面は不活性な合成樹脂で構成されている。

具体的には、閉塞体４は、容器形状の基体４Ａと、この基体４Ａの開口部を閉塞する蓋体４Ｂとで構成され、基体４Ａ内には断熱材としての発泡樹脂材４Ｃが収納されている。

また、閉塞体４（基体４Ａ）の下部は容器本体１の開口部１ｂに嵌入するように構成されており、この嵌入部位の周面には前述した開口部１ｂに設けた螺旋凸条７ａに螺合する螺旋凸条４ｂが一部が欠如した断続螺旋状に形成されている。

従って、閉塞体４は、容器本体１の開口部１ｂに螺着して該開口部１ｂを閉塞するように構成されている。

また、閉塞体４の嵌入部位の外周面には複数の凹条部４ｃが設けられている。

この凹条部４ｃは、閉塞体４の螺着を緩めて容器本体１からコーヒー20を注ぐ際、連結部７の内面との間に形成されるコーヒー通過路にコーヒー20が通過し易くするためのものである。

また、本実施例の閉塞体４を構成する基体４Ａ及び蓋体４Ｂは、いずれも不活性な合成樹脂としての前述したポリプロピレン樹脂で形成されている。

従って、例えば、容器本体１にコーヒー20を収納した状態の際や、容器本体１から後述するカップ体５にコーヒー20を注いだ際など、このコーヒー20と接する閉塞体４の所定部分（連結部７の内面との間で注出路を形成する外周面及び底面）は不活性な合成樹脂で構成されている。

尚、閉塞体４は容器本体１の開口部１ｂに対して被嵌する構造としても良く、また、閉塞体４を金属製とし、その表面に前述した不活性な合成樹脂としてのフッ素樹脂やヒンダードアミン系光安定剤含有アクリル樹脂でコーティングするようにしても良い。

符号８はシリコン樹脂製の環状の液漏れシール材である。

カップ体５は、図１，２に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成したものであり、容器本体１の上部に着脱自在に設けられている。

具体的には、カップ体５は連結部７に被嵌するように構成されており、この被嵌部位の内面には連結部７の外面に設けた螺旋凸条７ｂに螺合する螺旋凸条５ｃが螺旋状に形成されている。

従って、容器本体１の開口部１ｂを閉塞体４で閉塞した状態で該閉塞体４にカップ体５が被嵌されることになる。

また、カップ体５の外周面には取手５ｂが設けられている。

従って、この取手５ｂによりカップ体５は持ち易く、しかも、コーヒーカップの雰囲気を具備することでより一層コーヒー20を美味しく飲める状況が得られることになる。

また、本実施例のカップ体５は、不活性な合成樹脂としての前述したポリプロピレン樹脂で形成されている。

従って、例えば、容器本体１からカップ体５にコーヒー20を注いだ際、このコーヒー20と接するカップ体５の内面部５ａは不活性な合成樹脂で構成されている。

尚、カップ体５を金属製とし、その表面に前述した不活性な樹脂としてのフッ素樹脂やヒンダードアミン系光安定剤含有アクリル樹脂でコーティングするようにしても良い。

以上の構成から成る本実施例に係る容器本体１の有効性を確認する以下の実験を行った。

先ず、ステンレス製の容器にコーヒー20を入れた際の容器（ステンレス）とコーヒー20の化学変化との関係を確認した。酸化還元電位が高い方が化学変化が生じ易いことに基づき、ステンレス製の内筒３の内面３ａをフッ素樹脂でコーティングしない状態の容器を比較例とし、この比較例及び本実施例夫々にコーヒー20を入れて酸化還元電位計を用いてコーヒー20の酸化還元電位を計測した（実験１）。

図４は実験１の計測結果を表及びグラフにしたものである。

このグラフから任意の時間において、本実施例の場合は常に酸化還元電位が比較例の場合に比し低いことが分かる。

尚、実験１では、ポリプロピレン樹脂で形成した容器（別実施例）にコーヒー20を入れた場合における酸化還元電位も計測しており、図４のグラフから任意の時間において、別実施例の場合は常に酸化還元電位が比較例に比し低いことが分かる。

従って、コーヒー20と接する面を不活性な合成樹脂で構成することで、コーヒー20の化学変化を抑制できることを確認できた。

次に、前述した比較例及び本実施例夫々にコーヒー20を入れ、三時間経過後の味を味認識装置（株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製の「ＴＳ−５０００Ｚ」）を用いて測定した（実験２）。この味認識装置は、基準液とサンプル液との電位差を測定して味（酸味、苦味、渋味、コクなど）を数値化するものである。

図５は実験２の測定結果を表にしたものである。

即ち、コーヒー20の味の指標とされる酸味、苦味、渋味、コクにおける両者の数値を比較すると、本実施例の場合は、比較例の場合に比し酸味が少なく（一般的に酸味は少ない方が好まれる）、苦味、渋味、コクが多く残っていることが分かる（一般的に苦味、渋味、コクはあった方が好まれる。）。

従って、コーヒー20と接する面を不活性な合成樹脂で構成することでコーヒー20の味を維持できることを確認できた。

以上の実験１及び実験２から、コーヒー20と接する部位を不活性な合成樹脂で構成することで、コーヒー20の味に悪い影響を及ぼすことが抑制されることが確認でき、このことから、容器本体１に限らず、閉塞体４及びカップ体５においてもコーヒー20と接する部位を不活性な樹脂で構成することが有効であることが確認できた。

本実施例は上述のように構成したから、コーヒー20を収納して持ち歩く際には、コーヒー20を容器本体１に収納し、この容器本体１の開口部１ｂを閉塞体４で閉塞する。

本実施例の容器本体１は、外筒２内に空間部Ｓを介して金属製の内筒３を配設し、外筒２と内筒３との間の空間部Ｓを真空断熱空間部とした保温性の高い構造の為、コーヒー20を美味しく飲むに適した温度を長く維持することができる。

また、本実施例は、コーヒー20の収納状態において、コーヒー20と接する容器本体１の内面部１ａ及び閉塞体４の内面部４ａは不活性な合成樹脂で構成されており、よって、特に容器本体１を構成する金属製の内筒３によるコーヒー20に及ぼす作用が可及的に抑制され、コーヒー20の味が落ちることが阻止される。従って、この点においてもコーヒー20の美味しい状態を維持できる。つまり、前述した従来例と異なり、コーヒーの美味しい状態（作りたての美味しい状態）を長く維持することができる。

また、本実施例は、容器本体１内のコーヒー20を飲む際には、閉塞体４を開放状態としてカップ体５に注いで飲む。

このコーヒー20と接するカップ体５の内面部５ａは不活性な合成樹脂で構成されており、コーヒー20をカップ体５に入れても、このカップ体５の内面部５ａがコーヒー20の味に悪い影響を及ぼすものでないため、この点においてもコーヒー20の美味しい状態を維持できる。

また、本実施例は、容器本体１に収納したコーヒー20を、該容器本体１に直接口を付けて飲むのではなく、カップ体５に入れて飲むことになる為、例えば容器本体１に収納したコーヒー20が適温（約７０℃前後）よりも熱かった場合、容器本体１からカップ体５に注がれることでコーヒー20の温度は下がることになる為、カップ体５に入れることで美味しい状態で飲めることになる。

尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。

Ｓ空間部
１容器本体
１ａ内面部
１ｂ開口部
２外筒
３内筒
３ａ内面
４閉塞体
５カップ体
５ａ内面部
５ｂ取手
７連結部
20 コーヒー

Claims

コーヒーを収納するコーヒー収納容器であって、外筒内に空間部を介して金属製の内筒を配設し、前記外筒と前記内筒との間の空間部を真空断熱空間部とした容器本体と、前記容器本体の開口部を閉塞する閉塞体と、前記容器本体の開口部を前記閉塞体で閉塞した状態で該閉塞体に被嵌されるカップ体とを有し、前記容器本体の上部には該容器本体と前記閉塞体とを連結する連結部が設けられ、前記閉塞体は前記連結部に螺着されるものであり、前記閉塞体を前記連結部から螺出させて形成される抽出路から前記容器本体内のコーヒーを抽出するように構成され、コーヒーと接する前記容器本体の内面部、前記閉塞体のコーヒーと接する部分、前記連結部のコーヒーと接する部分及び前記カップ体の内面部は、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂若しくはヒンダードアミン系光安定剤含有アクリル樹脂で構成されていることを特徴とするコーヒー収納容器。
請求項１記載のコーヒー収納容器において、前記内筒はステンレス製であることを特徴とするコーヒー収納容器。
請求項１，２いずれか１項に記載のコーヒー収納容器において、前記カップ体には取手が設けられていることを特徴とするコーヒー収納容器。
請求項１〜３いずれか１項に記載のコーヒー収納容器において、前記カップ体は前記連結部に螺着されていることを特徴とするコーヒー収納容器。