JP5826726B2 - 分割式護岸の施工方法、およびその施工方法に用いられる治具 - Google Patents
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第1の治具は、その本体部の延びる方向と異なる方向(例えば、直角方向)に突出部が突出する構造を有しているので、前壁ブロックを地面の上で横倒しにした状態で、第1の治具の本体部を前壁ブロックの前後方向に沿って延びるように前壁ブロックの脚部の底面のうち地面に近い側の部分に取り付けることにより、突出部を前壁ブロックの側面から突出させて配置することが可能である。これにより、前壁ブロックの頭部をワイヤによって吊り上げることによってこの突出部を接地させ、かつ、その接地部分を支点として当該支点を外側面に沿って移動させながら前壁ブロックを円滑に立て起こすことが可能である。このように、前壁ブロックを第1の治具の突出部の外側面を地面に連続的に接地させ、かつ、その接地部分を支点として当該支点を外側面に沿って移動させながら前壁ブロックを立て起こすことにより、面積が限られた施工ヤードで少ない重機械を用いて安価でかつ簡便に立て起こしを行なうことが可能である。また、前壁ブロックを立て起こした後は、第1の治具を取り外せは、前壁ブロックを底板ブロックの上に容易に立設することが可能である。
図1〜3に示されるように、分割式フレア護岸1は、底板ブロック2と、その底板ブロック2の上に立設された前壁ブロック3とを備えている。
つぎに、前壁ブロック3の立起こしの支点として機能する第1の治具11について説明する。
また、本実施形態の施工方法では、前壁ブロック3を立て起こしたときに当該前壁ブロック3が垂直方向に起立できるように、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1には、第1の治具11とともに第2の治具14が取り付けられる。
以下、上記のように構成された第1の治具11および第2の治具14を用いた分割式フレア護岸1の施工方法について、各工程を図面を参照しながら順に説明する。
まず、分割式フレア護岸1を構成する底板ブロック2および前壁ブロック3を当該フレア護岸1を海岸に近い施工ヤードとは別の広い場所でそれぞれ製造する。その後、図4に示されるように、トレーラTなどの陸上輸送車両を用いて底板ブロック2および前壁ブロック3を施工ヤードに陸上輸送する。このとき、前壁ブロック3は、陸上輸送上の高さ制限により、横倒しの状態で輸送される。
ついで、図5に示されるように、底板ブロック2を、陸上からクレーンCで吊り下げながら海岸沿いの所定の設置場所Pの地面Gに平行になるように設置する。このとき、底板ブロック2の波当て部2bを沖側S1に向けて配置する。
次に、前壁ブロック3を地面Gの上で横倒しにした状態で、図6〜9に示されるように、第1の治具11および第2の治具14を前壁ブロック3の脚部3fに取り付ける。
ついで、図13〜15に示されるように、前壁ブロック3の頭部3gにワイヤWを取り付ける。具体的には、ワイヤWをクレーンCのフックFに取り付けられた滑車Rに掛け回し、ワイヤWの両端W1をそれぞれ前壁ブロック3の頭部3gのうち地面Gに近い側の連結部3jと当該地面Gに遠い側の連結部3jに連結する。本実施形態では、滑車Rは、クレーンのフックFに対して中間ワイヤIを介して吊り下げられている。なお、滑車Rは、他の手段によってフックFに連結してもよい。
つぎに、図16(a)、(b)および図17〜18に示されるように、クレーンCのフックFを上昇させ、前壁ブロック3の頭部3gをワイヤWによって吊り上げる。ワイヤWの両端W1が前壁ブロック3の頭部3gに取り付けられた状態で、クレーンCを作動させて滑車Rを上昇させることによって、ワイヤWの両端W1における張力を均等に保ちながら前壁ブロック3の頭部3gが吊り上げられる。そして、このようにワイヤWを用いて前壁ブロック3の頭部3を吊り上げることによって、第1の治具11の突出部13の外側面13aを地面Gに連続的に接地させながら前壁ブロック3を前記第1の治具11を支点にして立て起こす。具体的には、前壁ブロック3を立て起こしていく間、第1の治具11の突出部13の外側面13aが地面Gに接触した状態で、当該外側面13aの接地部分13a1(図16(b)参照)は、前壁ブロック3の立起こしの支点として外側面13aに沿って移動していく。それにより、前壁ブロック3を円滑に立て起こすことが可能である。
前壁ブロック3が垂直に立て起こされた後、前壁ブロック3から第1の治具および第2の治具を取り外す。具体的には、前壁ブロック3の立起こしが完了し、第1の治具11および第2の治具14が着地している状態で、前壁ブロック3の脚部3fと第1の治具11とを連結するボルトおよびナットを取り外し、同様に、脚部3fと第2の治具14とを連結するボルトおよびナットを取り外す。
ついで、図20〜21に示されるように、ワイヤWの両端が前壁ブロック3の頭部3gの連結部3jに取り付けられた状態で滑車Rを外し、クレーンCのフックFをワイヤWに引っ掛ける。その状態で、前壁ブロック3を陸上からクレーンCで吊り下げながら海岸沿いの所定の設置場所Pの地面Gにすでに接地された底板ブロック2の台座部2aの上に設置する。このとき、前壁ブロック3は、波返し面3cが沖側S1に向くように、配置される。
前壁ブロック3を底板ブロック2の上に設置した後、図22に示されるように、底板ブロック2の台座部2aの上で配筋され、後打ちコンクリート用の鉄筋15を組む。鉄筋15は、底板ブロック2の台座部2aのひげ鉄筋2dおよび前壁ブロック3の脚部3fに連結させて網状に組まれる。その後、前壁ブロック3の脚部3fが埋まるように、コンクリートポンプ車CVから鉄筋15が組まれた範囲へセメントを供給して後打ちコンクリートを打設することにより、第1後打ちコンクリート部5(図1参照)を形成する。その後、前壁ブロック本体3aと底板ブロック2の波当て部2bとの隙間に膨張コンクリートを充填することにより、第2後打ちコンクリート部6(図1参照)を形成する。これにより、図1〜3に示されるような分割式フレア護岸1の製造が完了する。
(1)
本実施形態の分割式フレア護岸1の施工方法では、前壁ブロック3を横倒しの状態から立て起こす前に、まず、図6および図9に示されるように、前壁ブロック3の脚部3fのうち地面Gに近い側の部分に、第1の治具11を取り付ける。この第1の治具11は、その本体部12の延びる方向X(図10参照)に対して直角に延びる方向Y(図10および図12参照)に突出部13が突出する構造を有しているので、前壁ブロック3を地面Gの上で横倒しにした状態で、第1の治具11の本体部12を前壁ブロック3の前後方向に沿って延びるように前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1のうち地面Gに近い側の部分に取り付けることにより、突出部13を前壁ブロック3の側面3f2から突出させて配置することが可能である。これにより、図16(a)、(b)に示されるように、前壁ブロック3の頭部3gをワイヤWによって吊り上げることによってこの突出部13を接地させ、かつ、その接地部分13a1を支点として当該支点を外側面13aに沿って移動させながら前壁ブロック3を円滑に立て起こすことが可能である。このように、前壁ブロック3を第1の治具11の突出部13の外側面13aを地面Gに連続的に接地させ、かつ、その接地部分13a1を支点として当該支点を外側面13aに沿って移動させながら前壁ブロック3を立て起こすことにより、面積が限られた施工ヤードで少ない重機械を用いて安価でかつ簡便に立て起こしを行なうことが可能である。また、前壁ブロック3を立て起こした後は、第1の治具11を取り外せは、前壁ブロック3を底板ブロック2の上に容易に立設することが可能である。
本実施形態の施工方法では、当該施工方法に用いられる第1の治具11の本体部12が前壁ブロック3の脚部3fに取り付けられたときに、突出部13が前壁ブロック3の前端よりも前側にはみ出た前側部分12a2に配置されるので、前壁ブロック3の立起こし作業中には、前壁ブロック3の脚部3fの前後方向の長さよりも広い長さの範囲で第1の治具11の突出部13が地面Gに接触することが可能になる。これにより、前壁ブロック3が立起こし作業中に前壁ブロック3がその脚部3fを回転支点として水平回転するおそれを低減することが可能である。
また、本実施形態の施工方法では、前壁ブロック3を立て起こした後に当該前壁ブロック3の起立状態を安定させるために、第1の治具11とは別に第2の治具14をさらに取り付ける。すなわち、治具取付け工程において、図6に示されるように、前壁ブロック3を地面Gの上で横倒しにした状態で、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1のうち地面Gに遠い側の部分に、第1の治具11の高さH2と同じ高さH1を有する第2の治具14を取り付ける。このように、第2の治具14の高さが第1の治具11の高さと同じであるので、立起こし工程のときに、前壁ブロック3が起き上がったときに第1の治具11と第2の治具14とによって前壁ブロック3の起立状態を安定して維持することが可能である。
また、本実施形態の施工方法では、治具取り外し工程の後に、前壁ブロック3の立起こし作業のときに用いたワイヤWを当該前壁ブロック3の頭部3gに取り付けたまま施工を続けることにより、第1の治具11の取り外し工程の後にワイヤWの付け替え作業をすることなくそのまま前壁ブロック3を当該ワイヤWで吊り下げて底板ブロック2の上まで搬送し、当該前壁ブロック3を底板ブロック2の上に設置する作業を行なうことである。これにより作業時間の短縮が可能である。
また、本実施形態の施工方法では、立起こし工程のときに、前壁ブロック3の重心Gが第1の治具11をまたぐときに、作業者がチルホールなどの手動ウインチCHを操作することによって、当該前壁ブロック3に対して重心Gの移動方向と反対の方向へ制動力をかけて、前壁ブロック3を立て起こす速度を減速させる。これにより、前壁ブロック3の立て起こす速度を微調整することが可能である。これにより、より安定して立起こし作業を行なうことが可能である。
また、本実施形態の施工方法では、ワイヤ取付け工程において、ワイヤWをクレーンCのフックFに取り付けられた滑車Rに掛け回し、ワイヤWの両端W1をそれぞれ前壁ブロック3の頭部3gのうち地面Gに近い側の連結部3jと当該地面Gに遠い側の連結部3jに連結し、立起こし工程おいて、ワイヤWの両端W1が前壁ブロック3の頭部3gに取り付けられた状態で、クレーンCを作動させて滑車Rを上昇させることによって前壁ブロック3の頭部3gを吊り上げることにより、突出部13の外側面13aを地面Gに連続的に接地させかつその接地部分13a1を支点として当該支点を外側面13aに沿って移動させながら前壁ブロック3を立て起こす。これにより、クレーンCを作動させて滑車Rを上昇させたときに、前壁ブロック3が立て起こされるにつれて滑車RにかけられたワイヤWの両端W1の相対的な高さは変化するが、ワイヤWの両端W1における張力は均等に保たれるので、前壁ブロック3の両側の頭部3gに均等に吊り上げる力を作用させることができる。これにより、少ない重機械を用いて立起こし作業をより安定して行なうことが可能になる。
本実施形態の施工方法に用いられる第1の治具11では、最も前方側に位置する突出部13と最も後方側に位置する突出部13とが前壁ブロック3の脚部3fの前後方向において前壁ブロック3の重心Gに対して前後に均等の距離に配置されることによって、立起こし作業中には、第1の治具11にかかる力が前壁ブロック3の前後に均等に分散されるので、立起こし作業中に前壁ブロック3がその脚部3fを回転支点として水平回転するおそれをより低減することが可能である。
また、本実施形態の施工方法に用いられる第1の治具11では、突出部13の外側面13aが外側に膨らんだ円弧上などの曲面形状を有しており、当該外側面13aは前壁ブロック3の立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含むので、当該外側面13aを連続的に接地させながら前壁ブロック3を立て起こすことにより、立起こし作業の途中で前壁ブロック3の立て起こし速度が急変動するおそれが低減し、円滑に立て起こし作業を行なうことが可能である。
また、本実施形態の施工方法に用いられる第1の治具11では、第1の治具11の突出部13が前壁ブロック3を立て起こすときに接地して当該前壁ブロック3の立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の外側面13aを有する板状の部材からなり、かつ、複数の突出部13が、それぞれの外側面13aが地面Gに当接し得るように、本体部12の長手方向に互いに間隔をあけて配置されているので、不陸(凸凹)な地面Gでも地面Gにそれぞれの突出部13が地盤に食い込み、立起こし作業中に前壁ブロック3がその脚部3fを回転支点として水平回転するおそれをより低減することが可能である。これにより、不陸な地面Gの影響を抑えながら立て起こし作業を円滑に行なうことが可能である。
(A)
上記実施形態では、第1の治具11の突出部13の外側面13aが前壁ブロック3の立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含む例あげて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該外側面13aが立起こしの支点が当該外側面13aに沿って移動可能な他の形状であってもよい。例えば、図23に示されるように、第1の治具11の突出部13の外側面13bは、複数の平面13b1が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成された複数の角部13b2を有し、当該角部13b2が前壁ブロック3を立て起こすときに順次接地することにより支点が切り換わるようにしてもよい。その他の構造は、図10〜12に示される第1の治具11の構造と共通している。このような突出部13では、外側面13aが複数の角部13b2を有し、これらの角部13b2が複数の平面13b1が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成されているので、突出部13の外側面13bを連続的に接地させながら前壁ブロック3を立て起こすことにより、それぞれの平面13b1の間の角部13b2が順次接地して支点が切り換わるので、立起こし作業の途中で前壁ブロック3の立て起こし速度が急変動するおそれが低減し、円滑に立て起こし作業を行なうことが可能である。
上記実施形態では、第1の治具11の突出部13が本体部12の長手方向に沿って複数個配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前壁ブロック3を立て起こすときに接地してその接地部分を当該前壁ブロック3の立起こしの支点として当該支点が移動可能な形状の外側面13aを有する少なくとも1個の突出部13があればよい。したがって、本発明の他の変形例として、本体部の延びる方向に沿って連続的に延びる曲面を有する形状、例えば半円筒状、を有する部材なども突出部に採用することが可能である。
なお、上記実施形態では、本体部12が前壁ブロック3の前端よりも前側にはみ出る前側部分12a2を有する例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本体部12は、前壁ブロック3の脚部3fに取り付けられたときに前壁ブロック3の前端よりも前側にはみ出る前側部分12a2および前壁ブロック3の後端よりも後側にはみ出る後側部分のうちの少なくとも一方の部分を有し、突出部13は、前記前側部分12a2および前記後側部分の少なくとも一方の部分に配置されていればよい。その場合も、上記のように、前壁ブロック3の立起こし作業中には、前壁ブロック3の脚部3fの前後方向の長さよりも広い長さの範囲で第1の治具11の突出部13が地面Gに接触することが可能になり、前壁ブロック3が立起こし作業中に前壁ブロック3がその脚部3fを回転支点として水平回転するおそれを低減することが可能である。
2 底板ブロック
3 前壁ブロック
3c 波返し面
3f 脚部
3g 頭部
11 第1の治具
12 本体部
12a2 前側部分
13 突出部
13a 外側面
13a1 接地部分
C クレーン
F フック
R 滑車
W ワイヤ
Claims (14)
- 海岸沿いの所定の設置場所の地面に設置される底板ブロックと、当該底板ブロックの上に立てられた状態で当該底板ブロックに固定されて到来する波を沖側に返すように案内する形状の波返し面を有する前壁ブロックであって、当該底板ブロックに当接する底面を有する脚部、および前記前壁ブロックにおける当該脚部に対して反対側の端部に位置する頭部を有する前壁ブロックとを備えた分割式護岸の施工方法であって、
前記底板ブロック、および横倒しの状態の前記前壁ブロックを、前記設置場所へ陸上で搬送する工程と、
長尺の本体部と、当該本体部の延びる方向と異なる方向に突出する外側面を有する少なくとも1個の突出部とを有し、この外側面は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が当該外側面に沿って移動可能な形状を有する第1の治具を、前記前壁ブロックに取り付ける工程であり、前記前壁ブロックを前記地面の上で横倒しにした状態で、前記本体部を、前記前壁ブロックの前後方向に沿って延びるように、前記前壁ブロックの前記脚部の底面のうち前記地面に近い側の部分に取り付けることにより、前記突出部を前記前壁ブロックの側面から突出させて配置する治具取付け工程と、
前記前壁ブロックの前記頭部にワイヤを取り付けるワイヤ取付け工程と、
当該ワイヤ取付け工程の後に、前記前壁ブロックの前記頭部を前記ワイヤによって吊り上げることにより、前記突出部の前記外側面を前記地面に連続的に接地させかつその接地部分を支点として当該支点を前記外側面に沿って移動させながら前記前壁ブロックを立て起こす立起こし工程と、
当該立起こし工程の後に、前記前壁ブロックから前記第1の治具を取り外す治具取外し工程と、
立て起こされた前記前壁ブロックを前記底板ブロックの上に設置する工程と、
を含む
分割式護岸の施工方法。 - 前記本体部は、前壁ブロックの脚部に取り付けられたときに前記前壁ブロックの前端よりも前側にはみ出る前側部分および前記前壁ブロックの後端よりも後側にはみ出る後側部分のうちの少なくとも一方の部分を有しており、前記突出部は、前記前側部分および前記後側部分の少なくとも一方の部分に配置される、
請求項1に記載の分割式護岸の施工方法。 - 少なくとも1個の前記突出部は、前記前壁ブロックの脚部の前後方向に並ぶ複数の突出部を含んでおり、
前記治具取付け工程において、前記複数の突出部のうち前記前壁ブロックの脚部の前後方向において最も前方側に位置する突出部と最も後方側に位置する突出部とが前記前壁ブロックの重心に対して前後に均等の距離に配置されるように、当該第1の治具の本体部を前記前壁ブロックの前記脚部の底面に取り付ける、
請求項2に記載の分割式護岸の施工方法。 - 前記突出部の前記外側面は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含む、
請求項1から3のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。 - 前記突出部の前記外側面は、複数の平面が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成された複数の角部を有し、当該角部が前記前壁ブロックを立て起こすときに順次接地することにより支点が切り換わるものである、
請求項1から3のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。 - 少なくとも1個の前記突出部は、複数の突出部を含んでおり、
前記突出部は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の前記外側面を有する板状の部材からなり、
複数の前記突出部は、それぞれの前記外側面が前記地面に当接し得るように、前記本体部の長手方向に互いに間隔をあけて配置されている、
請求項1から5に記載の分割式護岸の施工方法。 - 前記治具取付け工程において、前記前壁ブロックを前記地面の上で横倒しにした状態で、前記前壁ブロックの前記脚部の底面のうち前記地面に遠い側の部分に、前記第1の治具の高さと同じ高さを有する第2の治具を取り付け、
前記立起こし工程において、前記前壁ブロックが起き上がったときに、前記第1の治具および前記第2の治具がそれぞれ前記地面に当接した状態で前記前壁ブロックを下方から支持する、
請求項1から6のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。 - 前記治具取外し工程の後に、前記ワイヤが前記前壁ブロックの頭部に取り付けられた状態で、前記ワイヤによって前記前壁ブロックを吊り下げて、当該前壁ブロックを前記底板ブロックの上に設置する前壁ブロック設置工程をさらに含む、
請求項1から7のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。 - 前記立起こし工程において、前記前壁ブロックの重心が前記第1の治具の上方を通過するときに、当該前壁ブロックに対して前記重心の移動方向と反対の方向へ制動力をかけて、前記前壁ブロックを立て起こす速度を減速させる、請求項1から8のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。
- 前記ワイヤ取付け工程において、前記ワイヤをクレーンのフックに取り付けられた滑車に掛け回し、前記ワイヤの両端をそれぞれ前記前壁ブロックの前記頭部のうち前記地面に近い側の部分と当該地面に遠い側の部分に連結し、
前記立起こし工程おいて、前記ワイヤの両端が前記前壁ブロックの前記頭部に取り付けられた状態で、前記クレーンを作動させて前記滑車を上昇させることによって前記前壁ブロックの頭部を吊り上げることにより、前記突出部の前記外側面を前記地面に連続的に接地させかつその接地部分を支点として当該支点を前記外側面に沿って移動させながら前記前壁ブロックを立て起こす
請求項1から9のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。 - 請求項1に記載されている分割式護岸の施工方法に用いられる治具であって、
前記前壁ブロックの脚部の底面に対して当該前壁ブロックの前後方向に沿って延びるように取り付けられることが可能な形状を有する長尺の本体部と、
前記本体部から突出する少なくとも1個の突出部とを備えており、
前記突出部は、前記本体部が前記前壁ブロックの前記脚部の底面のうち前記地面に近い側の部分に取り付けられたときに前記前壁ブロックの側面から突出する方向に、当該本体部から突出する外側面を有し、かつ、当該突出部は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が当該外側面に沿って移動可能な形状を有し、
前記本体部は、前壁ブロックの脚部に取り付けられたときに前記前壁ブロックの前端よりも前側にはみ出る前側部分および前記前壁ブロックの後端よりも後側にはみ出る後側部分のうちの少なくとも一方の部分を有しており、前記突出部は、前記前側部分および前記後側部分の少なくとも一方の部分に配置されている、
ことを特徴とする治具。 - 前記突出部の前記外側面は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含む、
請求項11に記載の治具。 - 前記突出部の前記外側面は、複数の平面が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成された複数の角部を有し、当該角部が前記前壁ブロックを立て起こすときに順次接地することにより支点が切り換わるものである
請求項11に記載の治具。 - 少なくとも1個の前記突出部は、複数の突出部を含んでおり、
前記突出部は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の前記外側面を有する板状の部材からなり、
複数の前記突出部は、それぞれの外側面が前記地面に当接し得るように、前記本体部の長手方向に互いに間隔をあけて配置されている、
請求項11から13に記載の治具。
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