JP5826726B2 - 分割式護岸の施工方法、およびその施工方法に用いられる治具 - Google Patents

分割式護岸の施工方法、およびその施工方法に用いられる治具 Download PDF

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Description

本発明は、底板部分と前壁部分とが分割された構造の分割式護岸の施工方法、およびその施工方法に用いられる治具に関する。
現在、高潮対策として海岸沿いに設置される護岸等の構造物は、消波ブロックによって海岸を被覆した消波ブロック被覆護岸が一般的であり、このような消波ブロック被覆護岸は、越波阻止効果を有する。さらに、従来では、特許文献1に記載されているように、全高さを抑えつつ越波量を低減することが可能な護岸構造物として、フレア護岸が提案されている。フレア護岸は、波を跳ね返すことが可能な略円弧状に湾曲した形状の前壁を有するので、通常の消波ブロックと比較して低い全高さで同程度の越波量を抑えることが可能であり、しかも、消波ブロック被覆護岸と比較して護岸前面の砂浜やリーフ等を確保することが可能である。
しかし、このようなフレア護岸においても現地条件によって大型化せざるを得ない場合があり、そのような場合には、当該フレア護岸を海上から輸送して据え付ける作業が必要となる。また、現地の条件によって海上からの施工が困難な場合には、フレア護岸を適用できないおそれがある。
そこで、このような護岸の大型化に伴う施工困難性を解決するために、陸上からの施工が可能な護岸として分割式護岸が提案されている。
このような分割式護岸としては、例えば、底板ブロックと、その底板ブロックの上に立設された前壁ブロックとを備えた構造が提案されている。このような分割式護岸の場合、これら2つの部品に分割した状態でそれぞれトレーラーによって施工場所の湾岸へ陸上から輸送し、現地で底板ブロックの上に前壁ブロックを立設することにより所定の寸法のフレア護岸を施工することが可能である。
特開平11−241323号公報
上記のような分割式護岸の場合、前壁ブロックをトレーラーなどを用いて陸上輸送するときには、陸上輸送時の高さ制限のために、輸送時の前壁ブロックの高さが所定の高さを超えないように前壁ブロックを横倒しの状態で搬送する必要がある。そして、分割式護岸を施工する場合には、横倒しになっている前壁ブロックを現地で立て起こす作業が必要である。
しかし、前壁ブロックは、寸法が大きく(縦6m、幅2m、奥行き1.8〜3m程度)かつ非常に重い(16トン程度)ので、このような前壁ブロックを立て起こすために重機械を用いる必要がある。ここで、重機械を用いた立て起こし作業として、例えば、油圧シリンダなどを有する立起し専用機械を用いて前壁ブロックを立て起こしたり、または、2台のクレーンによって前壁ブロックを吊り下げながら立て起こす方法などが考えられる。しかし、これらの立て起こし作業では、面積が限られた施工ヤードで安価に立て起こしを行なうことが難しいという問題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、面積が限られた施工ヤードにおいても安価でかつ容易に前壁ブロックを立て起こすことが可能な分割式護岸の施工方法およびそれに用いられる治具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明の分割式護岸の施工方法は、海岸沿いの所定の設置場所の地面に設置される底板ブロックと、当該底板ブロックの上に立てられた状態で当該底板ブロックに固定されて到来する波を沖側に返すように案内する形状の波返し面を有する前壁ブロックであって、当該底板ブロックに当接する底面を有する脚部、および前記前壁ブロックにおける当該脚部に対して反対側の端部に位置する頭部を有する前壁ブロックとを備えた分割式護岸の施工方法であって、前記底板ブロック、および横倒しの状態の前記前壁ブロックを、前記設置場所へ陸上で搬送する工程と、長尺の本体部と、当該本体部の延びる方向と異なる方向に突出する外側面を有する少なくとも1個の突出部とを有し、この外側面は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が当該外側面に沿って移動可能な形状を有する第1の治具を、前記前壁ブロックに取り付ける工程であり、前記前壁ブロックを前記地面の上で横倒しにした状態で、前記本体部を、前記前壁ブロックの前後方向に沿って延びるように、前記前壁ブロックの前記脚部の底面のうち前記地面に近い側の部分に取り付けることにより、前記突出部を前記前壁ブロックの側面から突出させて配置する治具取付け工程と、前記前壁ブロックの前記頭部にワイヤを取り付けるワイヤ取付け工程と、当該ワイヤ取付け工程の後に、前記前壁ブロックの前記頭部を前記ワイヤによって吊り上げることにより、前記突出部の前記外側面を前記地面に連続的に接地させかつその接地部分を支点として当該支点を前記外側面に沿って移動させながら前記前壁ブロックを立て起こす立起こし工程と、当該立起こし工程の後に、前記前壁ブロックから前記第1の治具を取り外す治具取外し工程と、 立て起こされた前記前壁ブロックを前記底板ブロックの上に設置する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の施工方法は、分割式護岸を構成する底板ブロックと前壁ブロックとを分離した状態で、それぞれ設置場所に搬送し、現地でこれらを組み合わせる施工方法に適用される。この施工方法では、前壁ブロックを横倒しの状態で搬送した後に、前壁ブロックの立起こしを容易する支点となる第1の治具を前壁ブロックの脚部に取り付けることにより、前壁ブロックを立て起こす作業を狭い施工ヤードで簡単に行なうことを可能にしたものである。
すなわち、本発明の施工方法では、前壁ブロックを横倒しの状態から立て起こす前に、まず、前壁ブロックの脚部のうち地面に近い側の部分に、第1の治具を取り付ける。この
第1の治具は、その本体部の延びる方向と異なる方向(例えば、直角方向)に突出部が突出する構造を有しているので、前壁ブロックを地面の上で横倒しにした状態で、第1の治具の本体部を前壁ブロックの前後方向に沿って延びるように前壁ブロックの脚部の底面のうち地面に近い側の部分に取り付けることにより、突出部を前壁ブロックの側面から突出させて配置することが可能である。これにより、前壁ブロックの頭部をワイヤによって吊り上げることによってこの突出部を接地させ、かつ、その接地部分を支点として当該支点を外側面に沿って移動させながら前壁ブロックを円滑に立て起こすことが可能である。このように、前壁ブロックを第1の治具の突出部の外側面を地面に連続的に接地させ、かつ、その接地部分を支点として当該支点を外側面に沿って移動させながら前壁ブロックを立て起こすことにより、面積が限られた施工ヤードで少ない重機械を用いて安価でかつ簡便に立て起こしを行なうことが可能である。また、前壁ブロックを立て起こした後は、第1の治具を取り外せは、前壁ブロックを底板ブロックの上に容易に立設することが可能である。
また、前記本体部は、前壁ブロックの脚部に取り付けられたときに前記前壁ブロックの前端よりも前側にはみ出る前側部分および前記前壁ブロックの後端よりも後側にはみ出る後側部分のうちの少なくとも一方の部分を有しており、前記突出部は、前記前側部分および前記後側部分の少なくとも一方の部分に配置されるのが好ましい。
かかる特徴によれば、本体部が前壁ブロックの脚部に取り付けられたときに、突出部が前壁ブロックの前端よりも前側にはみ出た前側部分および当該前壁ブロックの後端よりも後側にはみ出た後側部分の少なくとも一方の部分に配置されるので、前壁ブロックの立起こし作業中には、前壁ブロックの脚部の前後方向の長さよりも広い長さの範囲で第1の治具の突出部が地面に接触することが可能になる。これにより、前壁ブロックが立起こし作業中に前壁ブロックがその脚部を回転支点として水平回転するおそれを低減することが可能である。
また、少なくとも1個の前記突出部は、前記前壁ブロックの脚部の前後方向に並ぶ複数の突出部を含んでおり、前記治具取付け工程において、前記前壁ブロックの脚部の前後方向において、前記複数の突出部のうち最も前方側に位置する突出部と最も後方側に位置する突出部とが前記前壁ブロックの重心に対して前後に均等の距離に配置されるように、当該第1の治具の本体部を前記前壁ブロックの前記脚部の底面に取り付けるのが好ましい。
かかる特徴によれば、最も前方側に位置する突出部と最も後方側に位置する突出部とが前壁ブロックの脚部の前後方向において前壁ブロックの重心に対して前後に均等の距離に配置されることによって、立起こし作業中には、第1の治具にかかる力が前壁ブロックの前後に均等に分散されるので、立起こし作業中に前壁ブロックがその脚部を回転支点として水平回転するおそれをより低減することが可能である。
また、前記突出部の前記外側面は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含むのが好ましい。
かかる特徴によれば、突出部の外側面が前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含むので、当該外側面を連続的に接地させながら前壁ブロックを立て起こすことにより、立起こし作業の途中で前壁ブロックの立て起こし速度が急変動するおそれが低減し、円滑に立て起こし作業を行なうことが可能である。
また、前記突出部の前記外側面は、複数の平面が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成された複数の角部を有し、当該角部が前記前壁ブロックを立て起こすときに順次接地することにより支点が切り換わるものであるのが好ましい。
かかる特徴によれば、突出部の外側面が複数の角部を有し、これらの角部が複数の平面が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成されているので、突出部の外側面を連続的に接地させながら前壁ブロックを立て起こすことにより、それぞれの平面の間の角部が順次接地して支点が切り換わるので、立起こし作業の途中で前壁ブロックの立て起こし速度が急変動するおそれが低減し、円滑に立て起こし作業を行なうことが可能である。
また、少なくとも1個の前記突出部は、複数の突出部を含んでおり、前記突出部は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の前記外側面を有する板状の部材からなり、複数の前記突出部は、それぞれの前記外側面が前記地面に当接し得るように、前記本体部の長手方向に互いに間隔をあけて配置されているのが好ましい。
かかる特徴によれば、第1の治具の突出部が前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の外側面を有する板状の部材からなり、かつ、複数の突出部が、それぞれの外側面が地面に当接し得るように、本体部の長手方向に互いに間隔をあけて配置されているので、不陸(凸凹)な地面でも地面にそれぞれの突出部が地盤に食い込み、立起こし作業中に前壁ブロックがその脚部を回転支点として水平回転するおそれをより低減することが可能である。これにより、不陸な地面の影響を抑えながら立て起こし作業を円滑に行なうことが可能である。
また、前記治具取付け工程において、前記前壁ブロックを前記地面の上で横倒しにした状態で、前記前壁ブロックの前記脚部の底面のうち前記地面に遠い側の部分に、前記第1の治具の高さと同じ高さを有する第2の治具を取り付け、前記立起こし工程において、前記前壁ブロックが起き上がったときに、前記第1の治具および前記第2の治具がそれぞれ前記地面に当接した状態で前記前壁ブロックを下方から支持するのが好ましい。
かかる特徴によれば、前壁ブロックを立て起こした後に当該前壁ブロックの起立状態を安定させるために、第1の治具とは別に第2の治具をさらに取り付ける。すなわち、治具取付け工程において、前壁ブロックを地面の上で横倒しにした状態で、前壁ブロックの脚部の底面のうち地面に遠い側の部分に、第1の治具の高さと同じ高さを有する第2の治具を取り付ける。このように、第2の治具の高さが第1の治具の高さと同じであるので、立起こし工程のときに、前壁ブロックが起き上がったときに第1の治具と第2の治具とによって前壁ブロックの起立状態を安定して維持することが可能である。
また、前記治具取外し工程の後に、前記ワイヤが前記前壁ブロックの頭部に取り付けられた状態で、前記ワイヤによって前記前壁ブロックを吊り下げて、当該前壁ブロックを前記底板ブロックの上に設置する前壁ブロック設置工程をさらに含むのが好ましい。
かかる特徴によれば、治具取り外し工程の後に、前壁ブロックの立起こし作業のときに用いたワイヤを当該前壁ブロックの頭部に取り付けたまま施工を続けることにより、第1の治具の取り外し工程の後にワイヤの付け替え作業をすることなくそのまま前壁ブロックを当該ワイヤで吊り下げて底板ブロックの上まで搬送し、当該前壁ブロックを底板ブロックの上に設置する作業を行なうことである。これにより作業時間の短縮が可能である。
また、前記立起こし工程において、前記前壁ブロックの重心が前記第1の治具の上方を通過するときに、当該前壁ブロックに対して前記重心の移動方向と反対の方向へ制動力をかけて、前記前壁ブロックを立て起こす速度を減速させるのが好ましい。
かかる特徴によれば、立起こし工程のときに、前壁ブロックの重心が第1の第1の治具をまたぐときに、例えば作業者が手動ウインチ(例えば、チルホール(登録商標))などを操作することによって、当該前壁ブロックに対して重心の移動方向と反対の方向へ制動力をかけて、前壁ブロックを立て起こす速度を減速させる。これにより、前壁ブロックの立て起こす速度を微調整することが可能である。これにより、より安定して立起こし作業を行なうことが可能である。
また、前記ワイヤ取付け工程において、前記ワイヤをクレーンのフックに取り付けられた滑車に掛け回し、前記ワイヤの両端をそれぞれ前記前壁ブロックの前記頭部のうち前記地面に近い側の部分と当該地面に遠い側の部分に連結し、前記立起こし工程おいて、前記ワイヤの両端が前記前壁ブロックの前記頭部に取り付けられた状態で、前記クレーンを作動させて前記滑車を上昇させることによって前記前壁ブロックの頭部を吊り上げることにより、前記突出部の前記外側面を前記地面に連続的に接地させかつその接地部分を支点として当該支点を前記外側面に沿って移動させながら前記前壁ブロックを立て起こすのが好ましい。
かかる特徴によれば、まず、ワイヤ取付け工程において、滑車にかけられたワイヤの両端を横倒しになった前壁ブロックの頭部に取り付ける。すなわち、ワイヤをクレーンのフックに取り付けられた滑車に掛け回し、ワイヤの両端をそれぞれ前壁ブロックの頭部のうち地面に近い側の部分と当該地面に遠い側の部分に連結する。ついで、立起こし工程において、ワイヤの両端が前壁ブロックの頭部に取り付けられた状態で、クレーンを作動させて滑車を上昇させたときに、前壁ブロックが立て起こされるにつれて滑車にかけられたワイヤの両端の相対的な高さは変化するが、ワイヤの両端における張力は均等に保たれるので、前壁ブロックの両側の頭部に均等に吊り上げる力を作用させることができる。これにより、少ない重機械を用いて立起こし作業をより安定して行なうことが可能になる。
本発明の分割式護岸の施工方法に用いられる治具は、前記分割式護岸の施工方法に用いられる治具であって、前記前壁ブロックの脚部の底面に対して当該前壁ブロックの前後方向に沿って延びるように取り付けられることが可能な形状を有する長尺の本体部と、前記本体部から突出する少なくとも1個の突出部とを備えており、前記突出部は、前記本体部が前記前壁ブロックの前記脚部の底面のうち前記地面に近い側の部分に取り付けられたときに前記前壁ブロックの側面から突出する方向に、当該本体部から突出する外側面を有し、かつ、当該突出部は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が当該外側面に沿って移動可能な形状を有し、前記本体部は、前壁ブロックの脚部に取り付けられたときに前記前壁ブロックの前端よりも前側にはみ出る前側部分および前記前壁ブロックの後端よりも後側にはみ出る後側部分のうちの少なくとも一方の部分を有しており、前記突出部は、前記前側部分および前記後側部分の少なくとも一方の部分に配置されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1の治具は、本体部から突出する少なくとも1個の突出部を有し、しかも、当該突出部は、本体部が前壁ブロックの脚部の底面のうち地面に近い側の部分に取り付けられたときに前壁ブロックの側面から突出する方向に向けて当該本体部から突出する構造を有しているので、前壁ブロックを地面の上で横倒しにした状態で、本体部を前壁ブロックの前後方向に沿って延びるように前壁ブロックの脚部の底面のうち地面に近い側の部分に取り付けることにより、突出部を前壁ブロックの側面から突出させて配置することが可能である。これにより、前壁ブロックの頭部をワイヤによって吊り上げることによってこの突出部を接地させて当該前壁ブロックの立起こしの支点を連続的に切り換えながら前壁ブロックを円滑に立て起こすことが可能である。このように、前壁ブロックを第1の治具の突出部の外側面を地面に連続的に接地させ、かつ、その接地部分を支点として当該支点を外側面に沿って移動させながら前壁ブロックを立て起こすことにより、面積が限られた施工ヤードで少ない重機械を用いて安価でかつ簡便に立て起こしを行なうことが可能である。また、前壁ブロックを立て起こした後は、第1の治具を取り外せは、前壁ブロックを底板ブロックの上に容易に立設することが可能である。
また、上記の構成によれば、本体部が前壁ブロックの脚部に取り付けられたときに、突出部が前壁ブロックの前端よりも前側にはみ出た前側部分および当該前壁ブロックの後端よりも後側にはみ出た後側部分の少なくとも一方の部分に配置されるので、前壁ブロックの立起こし作業中には、前壁ブロックの脚部の前後方向の長さよりも広い長さの範囲で第1の治具の突出部が地面に接触することが可能になる。これにより、前壁ブロックが立起こし作業中に前壁ブロックがその脚部を回転支点として水平回転するおそれを低減することが可能である。
また、前記突出部の前記外側面は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含むのが好ましい。
かかる構成によれば、突出部の外側面において前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含むので、当該外側面を連続的に接地させながら前壁ブロックを立て起こすことにより、立起こし作業の途中で前壁ブロックの立て起こし速度が急変動するおそれが低減し、円滑に立て起こし作業を行なうことが可能である。
また、前記突出部の前記外側面は、複数の平面が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成された複数の角部を有し、当該角部が前記前壁ブロックを立て起こすときに順次接地することにより支点が切り換わるものであるのが好ましい。
かかる構成によれば、突出部の外側面が複数の角部を有し、これらの角部が複数の平面が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成されているので、突出部の外側面を連続的に接地させながら前壁ブロックを立て起こすことにより、それぞれの平面の間の角部が順次接地して支点が切り換わる前壁ブロックの立起こしの支点として機能するので、立起こし作業の途中で前壁ブロックの立て起こし速度が急変動するおそれが低減し、円滑に立て起こし作業を行なうことが可能である。
また、少なくとも1個の前記突出部は、複数の突出部を含んでおり、前記突出部は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の前記外側面を有する板状の部材からなり、複数の前記突出部は、それぞれの前記外側面が前記地面に当接し得るように、前記本体部の長手方向に互いに間隔をあけて配置されているのが好ましい。
かかる構成によれば、第1の治具の突出部が前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の外側面を有する板状の部材からなり、かつ、複数の突出部が、それぞれの外側面が地面に当接し得るように、本体部の長手方向に互いに間隔をあけて配置されているので、不陸(凸凹)な地面でも地面にそれぞれの突出部が地盤に食い込み、立起こし作業中に前壁ブロックがその脚部を回転支点として水平回転するおそれをより低減することが可能である。これにより、不陸な地面の影響を抑えながら立て起こし作業を円滑に行なうことが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、面積が限られた施工ヤードにおいても少ない重機械を用いて安価でかつ簡便に前壁ブロックを立て起こすことができる。
本発明の分割式護岸の施工方法によって施工される分割式護岸の側面図である。 図1の分割式護岸の正面図である。 図1の分割式護岸の背面図である。 図1の前壁ブロックをトレーラに載せて陸上輸送する作業を示す説明図である。 図1の分割式護岸の施工方法であって、底板ブロックを設置場所に設置する作業を示す説明図である。 図1の分割式護岸の施工方法であって、治具取り付け工程において、前壁ブロックに第1の治具および第2の治具を取り付ける作業を示す説明図である。 図6の前壁ブロックおよび第2の治具についての矢視C1図である。 図6の前壁ブロックおよび第1の治具についての矢視C2図である。 図6の前壁ブロック、第1の治具および第2の治具についての矢視B図である。 図6の第1の治具の平面図である。 図10の治具を矢印Aの方向から見た図である。 図6の第1の治具の縦断面図である。 図6の前壁ブロックにワイヤを取り付けた状態を押し返し面の側から見た説明図である。 図6の前壁ブロックにワイヤを取り付けた状態を前壁ブロックの頭部の側から見た説明図である。 図6の前壁ブロックにワイヤを取り付けた状態を前壁ブロックの背面側から見た説明図である。 (a)は図15の前壁ブロックをクレーンを用いて立て起こす途中の状態を示す説明図、(b)は当該(a)における第1の治具と地面との接地部分の拡大図である。 図16(a)のクレーンおよび前壁ブロックを上から見た図である。 図16の前壁ブロックの重心が第1の治具の上方を通過する前後において手動ウインチを用いて前壁ブロックの立起こし速度を調整する状態を示す図である。 図18の前壁ブロックが立て起こされた状態を示す図である。 図18の前壁ブロックを底板ブロックの上に設置する作業を示す図である。 図20の前壁ブロックが底板ブロックの上に設置された状態を示す側面図である。 後打ちコンクリートを打設する作業を示す図である。 本発明の治具の変形例である複数の角部が突出部の外側面に形成されている治具の断面図である。
つぎに本発明の分割式護岸の施工方法およびそれに用いられる治具について図面を参照しながら説明する。
本発明の分割式護岸の施工方法は、底板部分と前壁部分とが分割可能な分割式護岸を施工するための方法であり、前壁部分の立て起こしを容易にするために、前壁部分(例えば、図6に示される前壁ブロック3)を横倒しの状態から立て起こすときに用いる治具として、その接地部分が当該前壁部分の立起こしの支点として当該支点が移動可能な第1の治具(例えば、図6に示される第1の治具11)を当該前壁部分の脚部に取り付けて立起こし作業を行なうことに特徴がある。
以下、分割式護岸の施工方法の一例として、本実施形態では、分割式フレア護岸1の施工方法を例に挙げて説明する。
まず、本実施形態の施工方法で施工される分割式フレア護岸1の構造について説明する。
(分割式フレア護岸1の構造)
図1〜3に示されるように、分割式フレア護岸1は、底板ブロック2と、その底板ブロック2の上に立設された前壁ブロック3とを備えている。
底板ブロック2は、海岸沿いにおける所定の設置場所Pの地面G(図5参照)に敷設されるブロックであり、前壁ブロック3を載せる台座として機能する。底板ブロック2は、平板状のブロックからなる台座部2aと、波が当たる波当て部2bとを有する。台座部2aの上面2a1は、平坦に形成されている。波当て部2bは、台座部2aの端部に連結しており、当該底板ブロック2が設置場所Pに設置されるときには沖側S1(図1および図5参照)を向くように配置される。波当て部2bの上面は、前壁ブロック3の波返し面3cに連続するように若干湾曲した形状を有している。底板ブロック2は、コンクリートなどの材料によって一体形成されている。底板ブロック2は、設置場所Pに搬送する前に当該設置場所Pと異なる場所であらかじめ製造される。また、底板ブロック2の台座部2aは、その上面2a1から上方へ突出する複数本のアンカーボルト4(図1および図3参照)を有している。さらに、図5に示されるように、底板ブロック2の台座部2aの上面2a1には、後打ちコンクリート用の鉄筋を連結するためのひげ鉄筋2dが突出している。ひげ鉄筋2dは、台座部2aの上面のうち、前壁ブロック3が当接する部分を除く範囲に配置されている。
前壁ブロック3は、底板ブロック2の上に立てられた状態で底板ブロック2に固定されるブロックである。前壁ブロック3は、前壁ブロック本体3aと、当該前壁ブロック本体3aを陸側S2(図1および図20参照)から支持するフレーム部3bとを有している。前壁ブロック本体3aは、沖から陸へ到来する波を沖側S1(図20参照)に返すように案内する形状の波返し面3cを有する。波返し面3cは、具体的には、下端から上方へ向かうにつれて一旦陸側S2へ凹み、さらに上方へ向かうにつれて沖側S1へ突出するように全体的に湾曲した形状を有している。
前壁ブロック本体3aは、コンクリートなどによって形成されている。前壁ブロック本体3aは、フレーム部3bを横に倒した状態でフレーム部3bの沖側の部分にコンクリートを打設することにより形成される。前壁ブロック3も、底板ブロック2と同様に、設置場所Pに搬送する前に当該設置場所Pと異なる場所であらかじめ製造される。
フレーム部3bは、前壁ブロック本体3aを陸側S2から支持する部分である。フレーム部3bは、一対の縦板3dと、これら一対の縦板3dを連結する複数の梁材3eとを備えている。一対の縦板3dは、互いに対向して立てられた状態で横方向に延びる複数の梁材3によって連結されている。フレーム部3bは、鋼などの材料によって形成されている。また、図3および図7に示されるように、縦板3dの周縁のうち前壁ブロック本体3aに当接する部分と異なる部分、具体的には、図7における縦板3dの上部、下部、陸側S2を向く部分には、それぞれ縦板3dの厚さよりも大きい幅を有する上部つば部3d1、下部つば部3d2および陸側つば部3d3が形成されている。したがって、縦板3dの上側、下側および陸側の部分は、これらのつば部3d1、3d2、および3d3によって取り囲まれている。
前壁ブロック3が立てられた状態において、上記のフレーム部3の下端部は、前壁ブロック3の脚部3fとなり、一方、フレーム部3の上端部は、前壁ブロック3の頭部3gとなる。脚部3fは、底板ブロック2に当接する底面3f1を有する。底面3fは、縦板3dの下部つば部3d2の下面によって構成される。頭部3gは、前壁ブロック3の脚部3fに対して反対側の端部(すなわち縦板3dの上部つば部3d1)に位置する。
前壁ブロック3の頭部3gにおいて、一対の縦板3dのそれぞれの上端のつば部3d1には、ワイヤと連結可能な連結部3jが設けられている。連結部3jには、それぞれ貫通孔3j1が形成されている。連結部3jは、図7〜8に示されるように、前壁ブロック3の重心Gを通る当該前壁ブロック3の高さ方向に延びる中心線CLの上または近い位置に配置されている。これにより、連結部3jにワイヤをかけて前壁ブロック3の頭部3gを吊り上げることによって前壁ブロック3を立て起こすときに、連結部3jにかかる上方に吊り上げられる力によって前壁ブロック3が中心線CL回りに回転するモーメントが作用することを低減することが可能である。
本実施形態の分割式フレア護岸1では、底板ブロック2の上に立てられた状態の前壁ブロック3を当該底板ブロック2に固定するために、これらブロック2、3の間に第1後打ちコンクリート部5および第2後打ちコンクリート部6が形成されている。
前壁ブロック3の脚部3fは、底板ブロック2の台座部2aの上面2a1に当接するとともにアンカーボルト4に連結されている。具体的には、脚部3fの底面3f(具体的には、図7に示される下部つば部3d2)に開口した貫通孔(図示せず)にアンカーボルト4が貫通し、当該アンカーボルト4にナットが螺合することにより、脚部3がアンカーボルト4に連結されている。この状態で、脚部3fが埋まるように後打ちコンクリートを打設することにより、第1後打ちコンクリート部5が形成されている。さらに、前壁ブロック本体3aと底板ブロック2の波当て部2bとの隙間に膨張コンクリートを充填することにより、第2後打ちコンクリート部6が形成されている。
(第1の治具11の説明)
つぎに、前壁ブロック3の立起こしの支点として機能する第1の治具11について説明する。
図10〜12に示されるように、本実施形態に係る分割式フレア護岸1の施工方法に用いられる第1の治具11は、長尺の本体部12と、複数の突出部13とを備えている。
長尺の本体部12は、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1(具体的には、縦板3dの下部つば部3d2)に対して当該前壁ブロック3の前後方向に沿って延びるように取り付けられることが可能な形状を有する。具体的には、本体部12は、H型鋼のような形状を有しており、第1板部12a、第2板部12b、および中間板部12cを有している。第1板部12aおよび第2板部12bは、互いに向かい合った状態で平行に配置され、これら第1板部12aおよび第2板部12bが中間板部12cによって連結されている。第1板部12aは、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1が当接可能な平坦な当接面12a3と、当該脚部3fとボルト等の締結具で連結されるためのボルト孔12a4とを有する。
第1板部12aは、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1に当接した状態で当該脚部3fにボルトなどで固定される部分である。第1板部12aの厚さは、第2板部12bの厚さよりも厚くなるように設定されている。
また、第1板部12aは、本体部12の延びる方向X(図11〜12参照)と直交する方向Yに向かって突出部13の先端まで延びる複数の延長部12a1を有する。本実施形態では、複数の延長部12a1のそれぞれには、1個または2個の突出部13が固定されている。これにより、各突出部13は、延長部12a1によって補強されている。
さらに、本実施形態では、本体部12は、図8および図10に示されるように、前壁ブロック3の脚部3fに取り付けられたときに前壁ブロック3の前端よりも前側にはみ出る前側部分12a2を有している。
また、本体部12は、中間板部12cに対して突出部13の反対側の位置にそれぞれ補強板部12dが設けられている。これら補強板部12dによって突出部13および本体部12全体を補強することが可能である。これによって、前壁ブロック3を立て起こすときに突出部13に圧力がかかったときに突出部13および本体部12全体が変形または破損するおそれを低減することが可能である。
複数の突出部13は、図8〜10および図12に示されるように、本体部12の第1板部12aと第2板部12bとの間から外方へ突出する部分である。
それぞれの突出部13の外側面13aは、本体部12の第1板部12aが前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1のうち地面Gに近い側の部分に取り付けられたときに前壁ブロック3の脚部3fの側面3f2(図6参照)から突出する方向(図6における下方向)、すなわち、本体部12の延びる方向Xと直交する方向Y(図10および図12参照)に当該本体部12から突出している。
それぞれの突出部13は、板状の部材からなる。突出部13の外側面13aは、前壁ブロック3を立て起こすときに接地して当該前壁ブロック3の立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状を有する。具体的には、外側面13aは、前壁ブロック3を立て起こすときに接地してその接地部分を当該前壁ブロック3の立起こしの支点として当該支点が移動可能な形状として、外側に膨らんだ曲面形状(例えば、円弧状など)を有する。このような外側に膨らんだ曲面形状を有する外側面13aは、図16(a)、(b)に示されるように、前壁ブロック3を立て起こすときに外側面13aが地面Gに連続的に接触していくことが可能である。これにより、当該外側面13aの接地部分13a1は、前壁ブロック3の立起こしの支点として外側面13aに沿って移動することが可能である。
これらの複数の突出部13は、それぞれの外側面13aが地面Gに当接し得るように、本体部12の長手方向(すなわち図10に示される方向X)に沿って互いに間隔をあけて配置されている。
また、それぞれの突出部13における第1板部12aの延長部12a1に対向する部分は、溶接などによって連結されている。
突出部13は、本体部12bの全長にわたって等間隔に配置され、前壁ブロック3の前端よりも前側にはみ出る前側部分12a2においても配置されている。また、図10に示されるように、複数の突出部13のうち、本体部12の長手方向Xにおける両端に配置された突出部131、132は、本体部12の長手方向Xにおける中間位置CPに対して対称の位置に配置されている。
(第2の治具14の説明)
また、本実施形態の施工方法では、前壁ブロック3を立て起こしたときに当該前壁ブロック3が垂直方向に起立できるように、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1には、第1の治具11とともに第2の治具14が取り付けられる。
図6および図9に示されるように、第2の治具14は、第1の治具11よりも短尺のブロックであり、H型鋼からなる。具体的には、第2の治具14は、第1板部14a、第2板部14b、および中間板部14cを有している。第1板部14aおよび第2板部14bは、互いに向かい合った状態で平行に配置され、これら第1板部14aおよび第2板部14bが中間板部14cによって連結されている。第1板部14aは、第1の治具11の第1の板部11aと同様に、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1が当接可能な平坦な当接面14a1、および当該脚部3fとボルト等の締結具で連結されるためのボルト孔14a2をそれぞれ有する。本実施形態では、第2の治具14は、図6に示されるように、前壁ブロック3を地面Gの上で横倒しにした状態で、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1のうち地面Gに遠い側の部分(図6における上側の底面3f1の部分)における沖側S1側の端部および陸側S2側の端部にそれぞれボルトによって連結される。
第2の治具14の高さH1(図6参照)は、第1の治具11の高さH2と同じになるように設定されている。
(分割式フレア護岸1の施工方法についての説明)
以下、上記のように構成された第1の治具11および第2の治具14を用いた分割式フレア護岸1の施工方法について、各工程を図面を参照しながら順に説明する。
<搬送工程>
まず、分割式フレア護岸1を構成する底板ブロック2および前壁ブロック3を当該フレア護岸1を海岸に近い施工ヤードとは別の広い場所でそれぞれ製造する。その後、図4に示されるように、トレーラTなどの陸上輸送車両を用いて底板ブロック2および前壁ブロック3を施工ヤードに陸上輸送する。このとき、前壁ブロック3は、陸上輸送上の高さ制限により、横倒しの状態で輸送される。
これらブロック2、3を分割式フレア護岸1が設置される海岸沿いの設置場所Pに近い施工ヤードに輸送した後、クレーンによってトレーラTから地面に降ろされる。このとき、図6に示されるように、横倒しになった状態の前壁ブロック3の下には、複数の添え木Mが間隔をあけて配置されているので、前壁ブロック3は、地面Gから若干浮いた状態で陸上に横倒しの状態で置かれる。
<底板ブロック設置工程>
ついで、図5に示されるように、底板ブロック2を、陸上からクレーンCで吊り下げながら海岸沿いの所定の設置場所Pの地面Gに平行になるように設置する。このとき、底板ブロック2の波当て部2bを沖側S1に向けて配置する。
<治具取付け工程>
次に、前壁ブロック3を地面Gの上で横倒しにした状態で、図6〜9に示されるように、第1の治具11および第2の治具14を前壁ブロック3の脚部3fに取り付ける。
具体的には、まず、第1の治具11の本体部12を、前壁ブロック3の前後方向Q(図8〜9参照)に沿って延びるように、かつ、当該本体部12の前側部分12a2が前壁ブロック3の前側からはみ出るように、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1のうち地面Gに近い側の部分にボルトおよびナットを用いて取り付ける。このとき、本体部12の第1板部12aを脚部3fの底面3f1に当接させ、当該第1板部12aと脚部3fとをボルトおよびナットによって締結する。このとき、図6に示されるように突出部13を前壁ブロック3の側面3f2から下方に突出させて配置させる。このとき、突出部13は、図6に示されるように、横倒しになった前壁ブロック3の下に敷いた添え木Mの高さ分だけ、地面Gから離間している。また、このとき、図8に示されるように、本体部12の前側部分12a2が前壁ブロック3の前側からはみ出るように配置されるので、前壁ブロック3の前後方向Qにおいて、本体部12は、前壁ブロック3の重心Gを通る中心線CLに対して前後対称になるように配置される。また、それによって、本体部12の両端に配置された突出部131、132は、前壁ブロック3の重心Gを通る中心線CLに対して対称の位置に配置される。
さらに、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1のうち地面Gに遠い側の部分(図6における上側の底面3f1の部分)における沖側S1側の端部および陸側S2側の端部にそれぞれ、第2の治具14をボルトおよびナットによって取り付ける。このとき、第2の治具14の第1板部14aを脚部3fの底面3f1に当接させ、当該第1板部14aと脚部3fとをボルトおよびナットによって締結する。
<ワイヤ取り付け工程>
ついで、図13〜15に示されるように、前壁ブロック3の頭部3gにワイヤWを取り付ける。具体的には、ワイヤWをクレーンCのフックFに取り付けられた滑車Rに掛け回し、ワイヤWの両端W1をそれぞれ前壁ブロック3の頭部3gのうち地面Gに近い側の連結部3jと当該地面Gに遠い側の連結部3jに連結する。本実施形態では、滑車Rは、クレーンのフックFに対して中間ワイヤIを介して吊り下げられている。なお、滑車Rは、他の手段によってフックFに連結してもよい。
<立起こし工程>
つぎに、図16(a)、(b)および図17〜18に示されるように、クレーンCのフックFを上昇させ、前壁ブロック3の頭部3gをワイヤWによって吊り上げる。ワイヤWの両端W1が前壁ブロック3の頭部3gに取り付けられた状態で、クレーンCを作動させて滑車Rを上昇させることによって、ワイヤWの両端W1における張力を均等に保ちながら前壁ブロック3の頭部3gが吊り上げられる。そして、このようにワイヤWを用いて前壁ブロック3の頭部3を吊り上げることによって、第1の治具11の突出部13の外側面13aを地面Gに連続的に接地させながら前壁ブロック3を前記第1の治具11を支点にして立て起こす。具体的には、前壁ブロック3を立て起こしていく間、第1の治具11の突出部13の外側面13aが地面Gに接触した状態で、当該外側面13aの接地部分13a1(図16(b)参照)は、前壁ブロック3の立起こしの支点として外側面13aに沿って移動していく。それにより、前壁ブロック3を円滑に立て起こすことが可能である。
また、本実施形態では、この立起こし工程において、図18に示されるように、前壁ブロック3の重心Gが第1の治具11の上方を通過するときに、当該前壁ブロック3に対して重心Gの移動方向Kと反対の方向へ制動力をかけて、前壁ブロック3を立て起こす速度を減速させる。具体的には、クレーンCによる立起こしの角度が60度を超える付近から、チルホールなどの手動ウインチCHなどを用いて、当該前壁ブロック3に対して重心Gの移動方向Kと反対の方向へ制動力をかけて、前壁ブロック3を立て起こす速度を減速させる。これにより、前壁ブロック3の重心Gが回転支点である第1の治具11の上方を通過するときの前壁ブロック3の回転速度を減速させて、前壁ブロック3の立起こしを安全かつ確実に行なうことが可能である。
また、図17に示されるように、ワイヤWが連結されている前壁ブロック3の頭部3gの連結部3jは、前壁ブロック3の重心Gを通る当該前壁ブロック3の高さ方向に延びる中心線CLの上または近い位置に配置されている。そのため、前壁ブロック3を立て起こすときに連結部3jにかかる上方に吊り上げられる力によって発生する前壁ブロック3の中心線CL回りに回転するモーメントが低減される。
そして、図19に示されるように、前壁ブロック3の立起こしが完了して、当該前壁ブロック3が垂直に立て起こされたときには、第1の治具11および第2の治具14がそれぞれ地面Gに当接した状態で前壁ブロック3を下方から支持する。前述のように、第1の治具11および第2の治具14の高さが同じであるので、これら第1の治具11および第2の治具14によって前壁ブロック3の起立状態が安定して維持される。
<治具取り外し工程>
前壁ブロック3が垂直に立て起こされた後、前壁ブロック3から第1の治具および第2の治具を取り外す。具体的には、前壁ブロック3の立起こしが完了し、第1の治具11および第2の治具14が着地している状態で、前壁ブロック3の脚部3fと第1の治具11とを連結するボルトおよびナットを取り外し、同様に、脚部3fと第2の治具14とを連結するボルトおよびナットを取り外す。
<前壁ブロック載置工程>
ついで、図20〜21に示されるように、ワイヤWの両端が前壁ブロック3の頭部3gの連結部3jに取り付けられた状態で滑車Rを外し、クレーンCのフックFをワイヤWに引っ掛ける。その状態で、前壁ブロック3を陸上からクレーンCで吊り下げながら海岸沿いの所定の設置場所Pの地面Gにすでに接地された底板ブロック2の台座部2aの上に設置する。このとき、前壁ブロック3は、波返し面3cが沖側S1に向くように、配置される。
しかも、前壁ブロック3は、脚部3fが底板ブロック2の台座部2aの上面のうちひげ鉄筋2dが配置されていない所定の位置で当該台座部2aに当接する。さらに、前壁ブロック3の脚部3fは、底板ブロック2の台座部2aの上面2a1に当接した状態で、当該上面2a1から突出するアンカーボルト4に連結される。
なお、前壁ブロック3をワイヤWで吊り上げるときに、図19に示される滑車Rを取り外さない状態でそのまま前壁ブロック3を吊り上げてもよい。
<後打ちコンクリート形成工程>
前壁ブロック3を底板ブロック2の上に設置した後、図22に示されるように、底板ブロック2の台座部2aの上で配筋され、後打ちコンクリート用の鉄筋15を組む。鉄筋15は、底板ブロック2の台座部2aのひげ鉄筋2dおよび前壁ブロック3の脚部3fに連結させて網状に組まれる。その後、前壁ブロック3の脚部3fが埋まるように、コンクリートポンプ車CVから鉄筋15が組まれた範囲へセメントを供給して後打ちコンクリートを打設することにより、第1後打ちコンクリート部5(図1参照)を形成する。その後、前壁ブロック本体3aと底板ブロック2の波当て部2bとの隙間に膨張コンクリートを充填することにより、第2後打ちコンクリート部6(図1参照)を形成する。これにより、図1〜3に示されるような分割式フレア護岸1の製造が完了する。
分割式フレア護岸1の製造が完了した後、当該フレア護岸とその陸側の土手B(図22参照)との隙間に裏込め石を投入して一連のフレア護岸の施工作業が完了する。
(特徴)
(1)
本実施形態の分割式フレア護岸1の施工方法では、前壁ブロック3を横倒しの状態から立て起こす前に、まず、図6および図9に示されるように、前壁ブロック3の脚部3fのうち地面Gに近い側の部分に、第1の治具11を取り付ける。この第1の治具11は、その本体部12の延びる方向X(図10参照)に対して直角に延びる方向Y(図10および図12参照)に突出部13が突出する構造を有しているので、前壁ブロック3を地面Gの上で横倒しにした状態で、第1の治具11の本体部12を前壁ブロック3の前後方向に沿って延びるように前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1のうち地面Gに近い側の部分に取り付けることにより、突出部13を前壁ブロック3の側面3f2から突出させて配置することが可能である。これにより、図16(a)、(b)に示されるように、前壁ブロック3の頭部3gをワイヤWによって吊り上げることによってこの突出部13を接地させ、かつ、その接地部分13a1を支点として当該支点を外側面13aに沿って移動させながら前壁ブロック3を円滑に立て起こすことが可能である。このように、前壁ブロック3を第1の治具11の突出部13の外側面13aを地面Gに連続的に接地させ、かつ、その接地部分13a1を支点として当該支点を外側面13aに沿って移動させながら前壁ブロック3を立て起こすことにより、面積が限られた施工ヤードで少ない重機械を用いて安価でかつ簡便に立て起こしを行なうことが可能である。また、前壁ブロック3を立て起こした後は、第1の治具11を取り外せは、前壁ブロック3を底板ブロック2の上に容易に立設することが可能である。
(2)
本実施形態の施工方法では、当該施工方法に用いられる第1の治具11の本体部12が前壁ブロック3の脚部3fに取り付けられたときに、突出部13が前壁ブロック3の前端よりも前側にはみ出た前側部分12a2に配置されるので、前壁ブロック3の立起こし作業中には、前壁ブロック3の脚部3fの前後方向の長さよりも広い長さの範囲で第1の治具11の突出部13が地面Gに接触することが可能になる。これにより、前壁ブロック3が立起こし作業中に前壁ブロック3がその脚部3fを回転支点として水平回転するおそれを低減することが可能である。
(3)
また、本実施形態の施工方法では、前壁ブロック3を立て起こした後に当該前壁ブロック3の起立状態を安定させるために、第1の治具11とは別に第2の治具14をさらに取り付ける。すなわち、治具取付け工程において、図6に示されるように、前壁ブロック3を地面Gの上で横倒しにした状態で、前壁ブロック3の脚部3fの底面3f1のうち地面Gに遠い側の部分に、第1の治具11の高さH2と同じ高さH1を有する第2の治具14を取り付ける。このように、第2の治具14の高さが第1の治具11の高さと同じであるので、立起こし工程のときに、前壁ブロック3が起き上がったときに第1の治具11と第2の治具14とによって前壁ブロック3の起立状態を安定して維持することが可能である。
(4)
また、本実施形態の施工方法では、治具取り外し工程の後に、前壁ブロック3の立起こし作業のときに用いたワイヤWを当該前壁ブロック3の頭部3gに取り付けたまま施工を続けることにより、第1の治具11の取り外し工程の後にワイヤWの付け替え作業をすることなくそのまま前壁ブロック3を当該ワイヤWで吊り下げて底板ブロック2の上まで搬送し、当該前壁ブロック3を底板ブロック2の上に設置する作業を行なうことである。これにより作業時間の短縮が可能である。
(5)
また、本実施形態の施工方法では、立起こし工程のときに、前壁ブロック3の重心Gが第1の治具11をまたぐときに、作業者がチルホールなどの手動ウインチCHを操作することによって、当該前壁ブロック3に対して重心Gの移動方向と反対の方向へ制動力をかけて、前壁ブロック3を立て起こす速度を減速させる。これにより、前壁ブロック3の立て起こす速度を微調整することが可能である。これにより、より安定して立起こし作業を行なうことが可能である。
(6)
また、本実施形態の施工方法では、ワイヤ取付け工程において、ワイヤWをクレーンCのフックFに取り付けられた滑車Rに掛け回し、ワイヤWの両端W1をそれぞれ前壁ブロック3の頭部3gのうち地面Gに近い側の連結部3jと当該地面Gに遠い側の連結部3jに連結し、立起こし工程おいて、ワイヤWの両端W1が前壁ブロック3の頭部3gに取り付けられた状態で、クレーンCを作動させて滑車Rを上昇させることによって前壁ブロック3の頭部3gを吊り上げることにより、突出部13の外側面13aを地面Gに連続的に接地させかつその接地部分13a1を支点として当該支点を外側面13aに沿って移動させながら前壁ブロック3を立て起こす。これにより、クレーンCを作動させて滑車Rを上昇させたときに、前壁ブロック3が立て起こされるにつれて滑車RにかけられたワイヤWの両端W1の相対的な高さは変化するが、ワイヤWの両端W1における張力は均等に保たれるので、前壁ブロック3の両側の頭部3gに均等に吊り上げる力を作用させることができる。これにより、少ない重機械を用いて立起こし作業をより安定して行なうことが可能になる。
(7)
本実施形態の施工方法に用いられる第1の治具11では、最も前方側に位置する突出部13と最も後方側に位置する突出部13とが前壁ブロック3の脚部3fの前後方向において前壁ブロック3の重心Gに対して前後に均等の距離に配置されることによって、立起こし作業中には、第1の治具11にかかる力が前壁ブロック3の前後に均等に分散されるので、立起こし作業中に前壁ブロック3がその脚部3fを回転支点として水平回転するおそれをより低減することが可能である。
(8)
また、本実施形態の施工方法に用いられる第1の治具11では、突出部13の外側面13aが外側に膨らんだ円弧上などの曲面形状を有しており、当該外側面13aは前壁ブロック3の立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含むので、当該外側面13aを連続的に接地させながら前壁ブロック3を立て起こすことにより、立起こし作業の途中で前壁ブロック3の立て起こし速度が急変動するおそれが低減し、円滑に立て起こし作業を行なうことが可能である。
(9)
また、本実施形態の施工方法に用いられる第1の治具11では、第1の治具11の突出部13が前壁ブロック3を立て起こすときに接地して当該前壁ブロック3の立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の外側面13aを有する板状の部材からなり、かつ、複数の突出部13が、それぞれの外側面13aが地面Gに当接し得るように、本体部12の長手方向に互いに間隔をあけて配置されているので、不陸(凸凹)な地面Gでも地面Gにそれぞれの突出部13が地盤に食い込み、立起こし作業中に前壁ブロック3がその脚部3fを回転支点として水平回転するおそれをより低減することが可能である。これにより、不陸な地面Gの影響を抑えながら立て起こし作業を円滑に行なうことが可能である。
(変形例)
(A)
上記実施形態では、第1の治具11の突出部13の外側面13aが前壁ブロック3の立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含む例あげて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該外側面13aが立起こしの支点が当該外側面13aに沿って移動可能な他の形状であってもよい。例えば、図23に示されるように、第1の治具11の突出部13の外側面13bは、複数の平面13b1が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成された複数の角部13b2を有し、当該角部13b2が前壁ブロック3を立て起こすときに順次接地することにより支点が切り換わるようにしてもよい。その他の構造は、図10〜12に示される第1の治具11の構造と共通している。このような突出部13では、外側面13aが複数の角部13b2を有し、これらの角部13b2が複数の平面13b1が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成されているので、突出部13の外側面13bを連続的に接地させながら前壁ブロック3を立て起こすことにより、それぞれの平面13b1の間の角部13b2が順次接地して支点が切り換わるので、立起こし作業の途中で前壁ブロック3の立て起こし速度が急変動するおそれが低減し、円滑に立て起こし作業を行なうことが可能である。
(B)
上記実施形態では、第1の治具11の突出部13が本体部12の長手方向に沿って複数個配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前壁ブロック3を立て起こすときに接地してその接地部分を当該前壁ブロック3の立起こしの支点として当該支点が移動可能な形状の外側面13aを有する少なくとも1個の突出部13があればよい。したがって、本発明の他の変形例として、本体部の延びる方向に沿って連続的に延びる曲面を有する形状、例えば半円筒状、を有する部材なども突出部に採用することが可能である。
(C)
なお、上記実施形態では、本体部12が前壁ブロック3の前端よりも前側にはみ出る前側部分12a2を有する例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本体部12は、前壁ブロック3の脚部3fに取り付けられたときに前壁ブロック3の前端よりも前側にはみ出る前側部分12a2および前壁ブロック3の後端よりも後側にはみ出る後側部分のうちの少なくとも一方の部分を有し、突出部13は、前記前側部分12a2および前記後側部分の少なくとも一方の部分に配置されていればよい。その場合も、上記のように、前壁ブロック3の立起こし作業中には、前壁ブロック3の脚部3fの前後方向の長さよりも広い長さの範囲で第1の治具11の突出部13が地面Gに接触することが可能になり、前壁ブロック3が立起こし作業中に前壁ブロック3がその脚部3fを回転支点として水平回転するおそれを低減することが可能である。
1 分割式フレア護岸
2 底板ブロック
3 前壁ブロック
3c 波返し面
3f 脚部
3g 頭部
11 第1の治具
12 本体部
12a2 前側部分
13 突出部
13a 外側面
13a1 接地部分
C クレーン
F フック
R 滑車
W ワイヤ

Claims (14)

  1. 海岸沿いの所定の設置場所の地面に設置される底板ブロックと、当該底板ブロックの上に立てられた状態で当該底板ブロックに固定されて到来する波を沖側に返すように案内する形状の波返し面を有する前壁ブロックであって、当該底板ブロックに当接する底面を有する脚部、および前記前壁ブロックにおける当該脚部に対して反対側の端部に位置する頭部を有する前壁ブロックとを備えた分割式護岸の施工方法であって、
    前記底板ブロック、および横倒しの状態の前記前壁ブロックを、前記設置場所へ陸上で搬送する工程と、
    長尺の本体部と、当該本体部の延びる方向と異なる方向に突出する外側面を有する少なくとも1個の突出部とを有し、この外側面は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が当該外側面に沿って移動可能な形状を有する第1の治具を、前記前壁ブロックに取り付ける工程であり、前記前壁ブロックを前記地面の上で横倒しにした状態で、前記本体部を、前記前壁ブロックの前後方向に沿って延びるように、前記前壁ブロックの前記脚部の底面のうち前記地面に近い側の部分に取り付けることにより、前記突出部を前記前壁ブロックの側面から突出させて配置する治具取付け工程と、
    前記前壁ブロックの前記頭部にワイヤを取り付けるワイヤ取付け工程と、
    当該ワイヤ取付け工程の後に、前記前壁ブロックの前記頭部を前記ワイヤによって吊り上げることにより、前記突出部の前記外側面を前記地面に連続的に接地させかつその接地部分を支点として当該支点を前記外側面に沿って移動させながら前記前壁ブロックを立て起こす立起こし工程と、
    当該立起こし工程の後に、前記前壁ブロックから前記第1の治具を取り外す治具取外し工程と
    立て起こされた前記前壁ブロックを前記底板ブロックの上に設置する工程と、
    を含む
    分割式護岸の施工方法。
  2. 前記本体部は、前壁ブロックの脚部に取り付けられたときに前記前壁ブロックの前端よりも前側にはみ出る前側部分および前記前壁ブロックの後端よりも後側にはみ出る後側部分のうちの少なくとも一方の部分を有しており、前記突出部は、前記前側部分および前記後側部分の少なくとも一方の部分に配置される、
    請求項1に記載の分割式護岸の施工方法。
  3. 少なくとも1個の前記突出部は、前記前壁ブロックの脚部の前後方向に並ぶ複数の突出部を含んでおり、
    前記治具取付け工程において、前記複数の突出部のうち前記前壁ブロックの脚部の前後方向において最も前方側に位置する突出部と最も後方側に位置する突出部とが前記前壁ブロックの重心に対して前後に均等の距離に配置されるように、当該第1の治具の本体部を前記前壁ブロックの前記脚部の底面に取り付ける、
    請求項2に記載の分割式護岸の施工方法。
  4. 前記突出部の前記外側面は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含む、
    請求項1から3のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。
  5. 前記突出部の前記外側面は、複数の平面が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成された複数の角部を有し、当該角部が前記前壁ブロックを立て起こすときに順次接地することにより支点が切り換わるものである、
    請求項1から3のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。
  6. 少なくとも1個の前記突出部は、複数の突出部を含んでおり、
    前記突出部は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の前記外側面を有する板状の部材からなり、
    複数の前記突出部は、それぞれの前記外側面が前記地面に当接し得るように、前記本体部の長手方向に互いに間隔をあけて配置されている、
    請求項1から5に記載の分割式護岸の施工方法。
  7. 前記治具取付け工程において、前記前壁ブロックを前記地面の上で横倒しにした状態で、前記前壁ブロックの前記脚部の底面のうち前記地面に遠い側の部分に、前記第1の治具の高さと同じ高さを有する第2の治具を取り付け、
    前記立起こし工程において、前記前壁ブロックが起き上がったときに、前記第1の治具および前記第2の治具がそれぞれ前記地面に当接した状態で前記前壁ブロックを下方から支持する、
    請求項1から6のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。
  8. 前記治具取外し工程の後に、前記ワイヤが前記前壁ブロックの頭部に取り付けられた状態で、前記ワイヤによって前記前壁ブロックを吊り下げて、当該前壁ブロックを前記底板ブロックの上に設置する前壁ブロック設置工程をさらに含む、
    請求項1から7のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。
  9. 前記立起こし工程において、前記前壁ブロックの重心が前記第1の治具の上方を通過するときに、当該前壁ブロックに対して前記重心の移動方向と反対の方向へ制動力をかけて、前記前壁ブロックを立て起こす速度を減速させる、請求項1から8のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。
  10. 前記ワイヤ取付け工程において、前記ワイヤをクレーンのフックに取り付けられた滑車に掛け回し、前記ワイヤの両端をそれぞれ前記前壁ブロックの前記頭部のうち前記地面に近い側の部分と当該地面に遠い側の部分に連結し、
    前記立起こし工程おいて、前記ワイヤの両端が前記前壁ブロックの前記頭部に取り付けられた状態で、前記クレーンを作動させて前記滑車を上昇させることによって前記前壁ブロックの頭部を吊り上げることにより、前記突出部の前記外側面を前記地面に連続的に接地させかつその接地部分を支点として当該支点を前記外側面に沿って移動させながら前記前壁ブロックを立て起こす
    請求項1から9のいずれかに記載の分割式護岸の施工方法。
  11. 請求項1に記載されている分割式護岸の施工方法に用いられる治具であって、
    前記前壁ブロックの脚部の底面に対して当該前壁ブロックの前後方向に沿って延びるように取り付けられることが可能な形状を有する長尺の本体部と、
    前記本体部から突出する少なくとも1個の突出部とを備えており、
    前記突出部は、前記本体部が前記前壁ブロックの前記脚部の底面のうち前記地面に近い側の部分に取り付けられたときに前記前壁ブロックの側面から突出する方向に、当該本体部から突出する外側面を有し、かつ、当該突出部は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が当該外側面に沿って移動可能な形状を有し、
    前記本体部は、前壁ブロックの脚部に取り付けられたときに前記前壁ブロックの前端よりも前側にはみ出る前側部分および前記前壁ブロックの後端よりも後側にはみ出る後側部分のうちの少なくとも一方の部分を有しており、前記突出部は、前記前側部分および前記後側部分の少なくとも一方の部分に配置されている、
    ことを特徴とする治具。
  12. 前記突出部の前記外側面は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に移動するような曲面を含む、
    請求項11に記載の治具。
  13. 前記突出部の前記外側面は、複数の平面が互いに傾斜してそれぞれの縁がつながることにより構成された複数の角部を有し、当該角部が前記前壁ブロックを立て起こすときに順次接地することにより支点が切り換わるものである
    請求項11に記載の治具。
  14. 少なくとも1個の前記突出部は、複数の突出部を含んでおり、
    前記突出部は、前記前壁ブロックを立て起こすときに接地して当該前壁ブロックの立起こしの支点が連続的に切り換わることが可能な形状の前記外側面を有する板状の部材からなり、
    複数の前記突出部は、それぞれの外側面が前記地面に当接し得るように、前記本体部の長手方向に互いに間隔をあけて配置されている、
    請求項11から13に記載の治具。
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