以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、この実施の形態にかかる画像形成装置1は、コントローラ10と、操作パネル20と、セントロニクス30と、USBデバイス40と、IEEE1394デバイス50と、FCU60と、エンジン部70とを備える。コントローラ10には、PCI(Peripheral Component Interface)バス25によって、セントロニクス30と、USBデバイス40と、IEEE1394デバイス50と、FCU60と、エンジン部70とが接続される。
コントローラ10は、画像形成装置1全体の制御と描画、通信、操作パネル20からの入力を制御するものである。操作パネル20は、ユーザからの入力操作を受け付けるとともに、画像形成装置1の操作情報等の各種情報を表示する。
セントロニクス30、USB(Universal Serial Bus)デバイス40およびIEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)デバイス50は、それぞれの規格に準じたインターフェースである。
FCU(Facsimile Control Unit)60は、ファクシミリ通信を制御するユニットであり、メモリ(図示せず)を有する。このメモリは、例えば、画像形成装置1の電源がOFFのときに受信したファクシミリデータを一時的に格納するために利用される。
エンジン部70は、PCIバス25に接続可能なプリンタエンジン等であり、例えば、白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニット等である。なお、このエンジン部70には、プロッタ等のいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分、くるみ製本処理やステープル処理等の後処理部分が含まれる。
つぎに、コントローラ10のハードウェア構成について説明する。コントローラ10は、図1に示すように、CPU11と、システムメモリ(MEM−P)12と、ノースブリッジ(NB)13と、サウスブリッジ(SB)14と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有する。NB13とASIC16は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス15によって接続される。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
CPU11は、画像形成装置1の全体制御を行うものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGPバス15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部70との間でPCIバス25を介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。
このASIC16には、PCIバス25を介して、セントロニクス30、USBデバイス40、IEEE1394デバイス50、FCU60およびエンジン部70が接続される。一方、操作パネル20は、ASIC16に直接接続されている。
AGPバス15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリである。HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
つぎに、コントローラ10のソフトウェア構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置のコントローラのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、コントローラ10は、ソフトウェア群として、操作パネル制御部101と、ユーザ問い合わせ部102と、ジョブ制御部103と、印刷制御部104と、後処理制御部105と、結合ジョブ情報記憶部106と、文書情報記憶部107と、組合せ情報記憶部108と、設定調整部116とを有する。
これらの実体は、図1に示したMEM−P12やHDD18に記憶された各種ソフトウェアである。CPU11がこれらの各種ソフトウェアを読み出して実行することによって、各種プログラムが起動して、以下に示す各種機能が実現される。
操作パネル制御部101は、図1に示した操作パネル20の表示制御を行う。ユーザ問い合わせ部102は、複数の文書を結合した結合文書(以下、結合ジョブと称する場合がある)の設定と結合対象の文書の設定との間に矛盾がある場合に、この矛盾を解消する設定に文書の設定を変更するか否かをユーザに問い合わせる。
ジョブ制御部103は、ジョブ結合の際に、印刷制御部104、後処理制御部105および設定調整部116等のコントローラ10の各ソフトウェア部を制御する。また、ジョブ制御部103は、複数の文書を結合して結合文書を生成する結合文書生成手段として機能し、ジョブ結合の際、結合対象となる文書の設定を調整する必要があるか否か、または推奨するかを判定するよう設定調整部116に要求する。
印刷制御部104は、ジョブ制御部103によって印刷指示された結合文書を印刷するようにエンジン部70(図1参照)を制御する。後処理制御部105は、ジョブ制御部103によって指示された後処理を印刷対象の結合文書に対して実行するようにエンジン部70を制御する。
結合ジョブ情報記憶部106は、結合文書の結合条件を設定する結合文書設定情報を記憶する。この結合文書設定情報には、結合文書の設定を識別するジョブID、結合対象の文書を識別する文書ID等が含まれる。
文書情報記憶部107は、ジョブ結合の際に結合される文書の少なくとも印刷条件を設定する文書設定情報を記憶する。この文書設定情報には、文書IDと、文書ID毎に設定される印刷条件または後処理条件等が含まれる。
組合せ情報記憶部108は、結合対象の文書設定情報と結合文書設定情報との組合せに関する情報(以下、組合せ情報と称する)を記憶する。この組合せ情報には、文書設定情報と結合文書設定情報との組合せに応じて、文書設定情報の調整が必要または推奨するものであるか否かを判定するための情報、文書設定情報の調整が必要または推奨するものである場合、文書設定情報を調整させる調整手段を示す情報等が含まれる。
設定調整部116は、ジョブ制御部103の要求に基づいて、文書設定情報と結合文書設定情報との組合せに矛盾があるか否かを判定し、矛盾がある場合、結合文書設定情報に対して矛盾がある文書設定情報を矛盾がない文書設定情報に調整する。
詳細には、設定調整部116は、調整制御部109と、折り位置調整部110と、回転方向調整部111と、フィニッシング処理調整部112と、印字位置・向き調整部113と、集約調整部114と、設定付加調整部115とを有する。
調整制御部109は、ジョブ制御部103の要求を受け付け、受け付けた要求に基づいて、組合せ情報記憶部108内の組合せ情報を参照しつつ、文書設定情報と結合文書設定情報との組合せに矛盾があるか否かを判定する。矛盾がある場合、調整制御部109は、矛盾がある文書設定情報に応じて、折り位置調整部110、回転方向調整部111、フィニッシング処理調整部112、印字位置・向き調整部113、集約調整部114または設定付加調整部115の何れかに文書設定情報の調整を指示する。
折り位置調整部110は、結合文書設定情報によって設定される結合文書の綴じ位置と文書設定情報によって設定される文書の折り位置とに矛盾がある場合、この結合文書の綴じ位置に合わせて、この文書の折り位置を調整する。これによって、折り位置調整部110は、この結合文書設定情報と文書設定情報との矛盾を解消する。なお、この調整済みの文書設定情報は、文書情報記憶部107に登録される。
回転方向調整部111は、結合文書設定情報によって設定される結合文書の綴じ位置と文書設定情報によって設定される文書の綴じ位置とに矛盾がある場合、この結合文書の綴じ位置に合わせて、この文書の回転方向を調整する。この場合、回転方向調整部111は、この文書の綴じ位置および原稿方向を調整する。これによって、回転方向調整部111は、この結合文書設定情報と文書設定情報との矛盾を解消する。なお、この調整済みの文書設定情報は、文書情報記憶部107に登録される。
フィニッシング処理調整部112は、結合文書設定情報によって設定される結合文書のフィニッシング処理と文書設定情報によって設定される文書のフィニッシング処理とに矛盾がある場合、この結合文書のフィニッシング処理に合わせて、この文書のフィニッシング処理を調整する。例えば、フィニッシング処理調整部112は、この結合文書設定情報のフィニッシング処理と文書設定情報のフィニッシング処理とが同一である場合、ステープル処理等のフィニッシング処理が各文書の同一箇所に重複して実行されないように、この文書設定情報のフィニッシング処理を設定解除する。これによって、フィニッシング処理調整部112は、この結合文書設定情報と文書設定情報との矛盾を解消する。なお、この調整済みの文書設定情報は、文書情報記憶部107に登録される。
印字位置・向き調整部113は、結合文書設定情報によって設定されるフィニッシング処理と文書設定情報によって設定される文書のページ印字処理とに矛盾がある場合、このフィニッシング処理に合わせて、この文書のページ印字処理を調整する。例えば、印字位置・向き調整部113は、この文書設定情報によってページ印字位置が設定されている場合、このフィニッシング処理による綴じ位置に合わせて、このページ印字位置を調整する。これによって、印字位置・向き調整部113は、この結合文書設定情報と文書設定情報との矛盾を解消する。なお、この調整済みの文書設定情報は、文書情報記憶部107に登録される。
集約調整部114は、文書設定情報によって集約処理が設定されている場合、この集約処理を設定解除する。なお、この調整済みの文書設定情報は、文書情報記憶部107に登録される。
設定付加調整部115は、結合対象の全文書に付加可能な処理(例えば地紋印刷処理等)が少なくとも一つの結合対象文書の文書設定情報に設定されている場合、この付加可能な処理を結合対象の全文書に実行する設定に文書設定情報を調整する。なお、この調整済みの文書設定情報は、文書情報記憶部107に登録される。
つぎに、上述した結合文書設定情報および文書設定情報について具体的に説明する。図3は、結合文書設定情報のデータテーブルの一具体例を示す模式図である。図4は、文書設定情報のデータテーブルの一具体例を示す模式図である。
図3に示すように、結合文書設定情報は、ジョブIDと、結合文書の設定情報と、結合対象の文書IDとを各々対応付けたデータ構造になっている。例えば、図3に示す結合文書設定情報において、ジョブID=1に対応する結合文書の設定情報は、「ステープル左、原稿方向タテ」であり、このジョブID=1の結合文書を生成する際に用いられる各文書の文書IDは、doc1、doc7である。なお、「ステープル左」は、結合文書のステープル処理の位置が原稿の左側であることを示し、「原稿方向タテ」は、結合文書の印刷時の原稿方向が縦方向であることを示す。
一方、図4に示すように、文書設定情報は、文書IDと、文書の設定情報とを各々対応付けたデータ構造になっている。例えば、図4に示す文書設定情報において、文書ID=doc1に対応する文書の設定情報は、「パンチ右、原稿方向タテ」である。なお、「パンチ右」は、文書のパンチ穴の位置が原稿の右側であることを示す。
例えば図3、4に示すように、ジョブ結合を実行する際のジョブIDが「1」である場合、文書ID=doc1、doc7の各文書、すなわち、「パンチ穴位置が右側であり且つ原稿方向が縦」に設定された文書と、「原稿方向が縦」に設定された文書とが用いられ、「ステープル処理の位置が原稿の左側であり且つ原稿方向が縦」の結合文書が生成される。
つぎに、上述した組合せ情報について具体的に説明する。図5は、組合せ情報のデータテーブルの一具体例を示す模式図である。図5に示すように、組合せ情報には、上述した結合文書設定情報が示す結合文書設定と文書設定情報が示す文書設定との組合せに応じて、文書設定の調整の要否または推奨の何れであるかを示す情報と、文書設定の調整が必要または推奨される場合、文書設定情報を調整させる調整手段を示す情報とが含まれる。
例えば図5において、結合文書設定「ステープル左」と文書設定「原稿方向ヨコ」との組合せでは、文書設定の調製不要に対応する情報「○」が示される。これは、ステープル処理の位置が原稿の左側に設定された結合文書と、原稿方向が横方向に設定された文書とはジョブ結合において矛盾しないため、文書設定の調整が不要となるからである。
一方、結合文書設定「くるみ製本(左開き)」と文書設定「パンチ右」との組合せでは、文書設定の調製要に対応する情報「×」が示される。これは、左開きのくるみ製本処理が設定された結合文書と、パンチ穴の位置が原稿の右側に設定された文書とはジョブ結合において矛盾するため、文書設定の調整が必要となるからである。
他方、結合文書設定「原稿方向ヨコ」と文書設定「原稿方向タテ」との組合せでは、文書設定の調製推奨に対応する情報「△」が示される。これは、原稿方向が横方向に設定された結合文書と、原稿方向が縦方向に設定された文書とはジョブ結合において矛盾しないが、文書設定を調整することが望ましいからである。なお、調製推奨となる組合せでは、実際に文書設定を調整(変更)するか否かをユーザに問い合わせる処理が実行される。
ここで、図5に示す組合せ情報の文書設定欄において、「集約」は、複数の文書を縮小して1ページの文書に集約する集約処理を示し、「地紋」は、結合対象の全文書に付加可能な処理の一例である地紋印刷処理を示す。文書設定が「集約」または「地紋」である場合、すなわち、結合対象の各文書の少なくとも一つに集約処理または地紋印刷処理が設定されている場合、結合文書設定が何れの設定であっても、文書設定の調整が推奨される。
つぎに、図2に示した設定調整部116の各調整手段が保持する調整情報について具体的に説明する。図6は、折り位置調整部が保持する調整情報の一部を示す模式図である。図7は、回転方向調整部が保持する調整情報の一部を示す模式図である。図8は、フィニッシング処理調整部が保持する調整情報の一部を示す模式図である。図9は、印字位置・向き調整部が保持する調整情報の一部を示す模式図である。
上述した設定調整部116の各調整手段、すなわち、折り位置調整部110、回転方向調整部111、フィニッシング処理調整部112、印字位置・向き調整部113、集約調整部114および設定付加調整部115は、文書設定情報の調整処理に必要な調整情報を各々保持する。
折り位置調整部110は、Z折り等の折り処理が設定された文書設定情報を調整するために必要な調整情報を保持する。この調整情報には、結合文書設定情報が示す結合文書設定と折り処理の設定との組合せ毎に、結合文書設定に矛盾しない折り処理の設定を示す情報と、ユーザへの問い合わせの要否を示す情報とが含まれる。
例えば図6に示すように、折り位置調整部110の調整情報には、結合文書設定と折り処理の設定との組合せ毎に、結合文書設定「ステープル右」に矛盾しない折り処理の設定を示す情報「Z折り左」と、ユーザへの問い合わせの要否を示す情報「○」、「−」とが含まれる。
折り位置調整部110は、図6に示すような調整情報を参照し、文書設定の「Z折り右」を「ステープル右」に矛盾しない「Z折り左」に変更する。この場合、折り位置調整部110は、結合文書設定「ステープル右」に対して折り処理の設定「Z折り右」が矛盾するため、ユーザ問い合わせ不要とする。
一方、折り位置調整部110は、「Z折り右」の場合と同様に、「Z折り上」の文書設定を「Z折り左」に変更するが、結合文書設定「ステープル右」に対して折り処理の設定「Z折り上」は矛盾しないため、ユーザ問い合わせ要とする。なお、「Z折り左」は、Z折り処理を実行する位置が原稿の左側であることを示し、「Z折り上」は、Z折り処理を実行する位置が原稿の上側であることを示す。
回転方向調整部111は、原稿方向等の文書の回転方向が設定された文書設定情報を調整するために必要な調整情報を保持する。この調整情報には、結合文書設定情報が示す結合文書設定と文書の回転方向の設定との組合せ毎に、結合文書設定に矛盾しない回転方向の設定を示す情報と、ユーザへの問い合わせの要否を示す情報とが含まれる。
例えば図7に示すように、回転方向調整部111の調整情報には、結合文書設定と文書設定との組合せ毎に、結合文書設定「タテ/ステープル左」に矛盾しない文書の回転方向の設定を示す情報「−90°」と、ユーザへの問い合わせの要を示す情報「○」とが含まれる。
回転方向調整部111は、図7に示すような調整情報を参照し、文書設定の「ヨコ」を「タテ/ステープル左」に矛盾しない「−90°」、すなわち現在の原稿方向を−90°回転して縦方向に変更する。この場合、回転方向調整部111は、結合文書設定「ステープル左」に対して文書設定「ヨコ」が矛盾していないが、結合文書設定「タテ」に対して文書設定「ヨコ」が調製推奨となっている(図5参照)ため、ユーザ問い合わせ要とする。
なお、結合文書設定と原稿方向に関する文書設定との間には、図5に示すように矛盾しない組合せもある。この場合、図7には図示されていないが、回転方向調整部111の調整情報には、ユーザ問い合わせ不要に対応する「−」の情報が示される。
フィニッシング処理調整部112は、ステープル処理等のフィニッシング処理が設定された文書設定情報を調整するために必要な調整情報を保持する。この調整情報には、結合文書設定情報が示す結合文書設定と文書に対するフィニッシング処理の設定との組合せ毎に、結合文書設定に矛盾しない文書のフィニッシング処理の設定を示す情報と、ユーザへの問い合わせの要否を示す情報とが含まれる。
例えば図8に示すように、フィニッシング処理調整部112の調整情報には、結合文書設定とフィニッシング処理に関する文書設定との組合せ毎に、結合文書設定「ステープル左」または「くるみ製本(左開き)」等に矛盾しないフィニッシング処理の設定を示す「パンチ左」または「解除」等の情報と、ユーザへの問い合わせの要否を示す情報「○」、「−」とが含まれる。
フィニッシング処理調整部112は、図8に示すような調整情報を参照し、フィニッシング処理に関する文書設定の「パンチ右」および「パンチ上」を「ステープル左」に矛盾しない「パンチ左」に変更する。
ここで、フィニッシング処理調整部112は、結合文書設定「ステープル左」に対して文書設定「パンチ右」が矛盾しているため、ユーザ問い合わせ不要とする。一方、フィニッシング処理調整部112は、結合文書設定「ステープル左」に対して文書設定「パンチ上」が矛盾していないが調整要である(図5参照)ため、ユーザ問い合わせ要とする。
また、フィニッシング処理調整部112は、フィニッシング処理に関する文書設定「ステープル左」と結合文書設定「ステープル左」とが同一であるため、「解除」に変更する。これによって、フィニッシング処理調整部112は、結合対象の各文書に設定されたフィニッシング処理「ステープル左」と、結合文書に設定されたフィニッシング処理「ステープル左」とが重複して実行されることを防ぐ。このフィニッシング処理の重複は、文書設定と結合文書設定との組合せにおいて矛盾とし、ユーザ問い合わせは不要となる。
一方、フィニッシング処理調整部112は、この調整情報を参照し、フィニッシング処理に関する文書設定の「パンチ右」、「パンチ上」および「ステープル左」を「くるみ製本(左開き)」に矛盾しないよう「解除」に変更する。
ここで、フィニッシング処理調整部112は、結合文書設定「くるみ製本(左開き)」に対して文書設定「パンチ右」および「パンチ上」が矛盾しているため、ユーザ問い合わせ不要とする。一方、フィニッシング処理調整部112は、結合文書設定「くるみ製本(左開き)」に対して文書設定「ステープル左」が調製推奨である(図5参照)ため、ユーザ問い合わせ要とする。
印字位置・向き調整部113は、ページ印字位置等の文書のページ印字処理が設定された文書設定情報を調整するために必要な調整情報を保持する。この調整情報には、結合文書設定情報が示す結合文書設定と文書のページ印字処理の設定との組合せ毎に、結合文書設定に矛盾しないページ印字位置および向きの設定を示す情報と、ユーザへの問い合わせの要否を示す情報とが含まれる。
例えば図9に示すように、印字位置・向き調整部113の調整情報には、結合文書設定と文書設定との組合せ毎に、結合文書設定「ステープル左」に矛盾しないページ印字位置の設定を示す情報「右下」と、ユーザへの問い合わせの要を示す情報「○」とが含まれる。
印字位置・向き調整部113は、図9に示すような調整情報を参照し、文書設定によるページ印字位置「左下」を「ステープル左」に矛盾しない「右下」に変更する。この場合、印字位置・向き調整部113は、結合文書設定「ステープル左」に対して文書設定によるページ印字位置「左下」が矛盾しているため、ユーザ問い合わせ要とする。
なお、結合文書設定とページ印字処理に関する文書設定との間には、図5に示すように矛盾しない組合せもある。この場合、図9には図示されていないが、印字位置・向き調整部113の調整情報には、ユーザ問い合わせ不要に対応する「−」の情報が示される。
ここで、集約調整部114が調整する文書設定は、文書の集約処理に関する設定であり、図5に示したように、結合文書設定と文書設定との全組合せにおいて調製推奨となっている。このため、集約調整部114の調整情報は、特に図示しないが、結合文書設定と文書設定との全組合せにおいて、集約処理の設定解除を示す「解除」の情報と、ユーザ問い合わせ要を示す「○」の情報とを有する。
すなわち、集約調整部114は、結合文書設定と文書設定との全組合せについて、ユーザ問い合わせを必要とし、ユーザ問い合わせの結果、変更OKの場合に集約処理を設定解除し、変更NGの場合に集約処理の設定を維持する。
一方、設定付加調整部115が調整する文書設定は、文書の付加可能な処理(地紋印刷処理)に関する設定であり、図5に示したように、結合文書設定と文書設定との全組合せにおいて調製推奨となっている。このため、設定付加調整部115の調整情報は、特に図示しないが、結合文書設定と文書設定との全組合せにおいて、地紋印刷処理の設定解除を示す「解除」の情報と、ユーザ問い合わせ要を示す「○」の情報とを有する。
すなわち、設定付加調整部115は、結合文書設定と文書設定との全組合せについて、ユーザ問い合わせを必要とし、ユーザ問い合わせの結果、変更OKの場合に地紋印刷処理を全文書に設定し、変更NGの場合に地紋印刷処理の設定を解除する。
つぎに、結合文書(結合ジョブ)を生成し、印刷する際の操作手順について説明する。図10は、ジョブ結合を実行する際の操作パネルの表示画面の一具体例を示す模式図である。図10には、上から下に向かって、結合および印刷対象の文書を選択するための操作画面(印刷文書選択画面)、結合文書の印刷条件等を設定するための操作画面(印刷設定画面)、ユーザに文書設定の変更の要否を問い合わせる画面(変更要否問い合わせ画面)が図示されている。
ジョブ結合を実行して結合ジョブを生成・印刷する場合、図10に示すように、まず、操作パネル20に表示された印刷文書選択画面において、「全文書表示」ボタンを押して、印刷候補の全文書を表示させる。ついで、表示された印刷候補の全文書の中から、結合および印刷対象の文書を選択する。図10においては、ユーザ名「A」の文書(文書ID=doc1)と、ユーザ名「C」の文書(文書ID=doc4)とが選択されている。
その後、「印刷画面へ」ボタンを押して、操作パネル20に印刷設定画面を表示させる。この印刷設定画面には、図10に示すように、印刷する結合ジョブの用紙サイズ、ページ開き方向、印刷形態および後処理等を設定するためのボタンが表示されている。ユーザは、この印刷設定画面を操作して、結合ジョブの印刷条件および後処理条件を自由に設定できる。なお、図10においては、用紙サイズとして「自動用紙選択」が設定され、後処理条件として「ステープル左」が設定されている。
ここで、上述したように印刷設定画面を操作して後処理条件等を設定しても、結合ジョブの設定に対して結合対象の文書設定の調製が推奨される等の理由によって、設定した結合ジョブの条件に自動で変更しない場合、操作パネル20には、図10に示すようなユーザ問い合わせ画面が表示される。
例えば、文書ID=doc4の文書のように、ページ印字の位置が左に設定されている文書を用いてステープル位置が左側のジョブ結合を実行する場合、図5に示すように「調製推奨」であるため、この文書のページ印字位置を左から右に変更しても良いか否かを問い合わせる変更要否問い合わせ画面が表示される。
ユーザは、文書のページ印字位置を変更してもよいと判断した場合、「OK」ボタンを押し、変更しないと判断した場合、「キャンセル」ボタンを押せばよい。「OK」ボタンが押された場合、文書ID=doc4の文書のページ印字位置は左から右に変更され、「キャンセル」ボタンが押された場合、この文書のページ印字位置は、変更なく左になる。
図10に示すような画面によって操作が行われた場合、文書ID=doc1の文書と文書ID=doc4の文書とを結合した結合ジョブが、原稿の左側にステープル処理された状態で印刷される。
つぎに、結合文書設定情報が示す結合文書設定と文書設定情報が示す文書設定情報との組合せを調整する組合せ調整処理について説明する。図11は、結合文書設定と文書設定情報との組合せ調整処理の処理フローを示すフローチャートである。
図1に示した画像形成装置1において、操作パネル20は、ユーザの入力操作に対応して、結合対象である複数の文書の選択情報等の各種情報と、結合文書の印刷条件および後処理条件等の各種情報をコントローラ10に入力する。
コントローラ10は、操作パネル20によって入力された情報をもとに、複数の文書を選択するとともに、結合文書の印刷条件および後処理条件等を設定し、設定した条件に従って、これら複数の文書を結合して結合文書を生成する。その後、コントローラ10は、生成した結合文書の後処理および印刷処理をエンジン部70に実行させる。エンジン部70は、コントローラ10の制御をもとに、ユーザ指定の結合文書を出力する。
このコントローラ10では、結合文書を生成する際に、生成する結合文書の設定と、ジョブ結合に用いられる複数の文書の設定との組合せ調整処理が実行される。この組合せ調整処理は、図2に示した設定調整部116が、ジョブ制御部103の要求に基づいて実行する。
詳細には、図11に示すように、設定調整部116は、まず、結合対象の文書と結合文書との設定調整要求を受信する(ステップS101)。このステップS101において、ジョブ制御部103は、生成する結合文書のジョブIDを決定し、この決定したジョブIDを調整制御部109に送信するとともに、調整制御部109に対して、結合対象の文書の設定と結合文書の設定との組合せを調整するよう要求する。調整制御部109は、ジョブ制御部103からジョブIDを受信するとともに、この調整要求を受け付ける。
ここで、ジョブ制御部103は、結合文書を生成する前に、操作パネル制御部101から取得した情報をもとに、生成する結合文書のジョブIDを決定する。なお、この操作パネル制御部101からの取得情報として、操作パネル20による入力情報、例えば、ユーザ指定の文書ID等の結合対象の文書に関する情報と、ユーザ指定の印刷条件および結合条件等の結合文書に関する情報とが挙げられる。
つぎに、設定調整部116は、組合せ情報記憶部108に格納された組合せ情報を参照し(ステップS102)、結合対象の文書の設定と結合文書の設定との組合せ調整が必要か否かを判断する(ステップS103)。
このステップS102、S103において、調整制御部109は、結合ジョブ情報記憶部106から結合文書設定情報(図3参照)を読み込み、この結合文書設定情報とジョブ制御部103から受信したジョブIDとをもとに、結合文書の後処理条件等の設定情報と結合対象の各文書の文書IDとを特定する。
また、調整制御部109は、文書情報記憶部107から文書設定情報(図4参照)を読み込み、この文書設定情報と特定した文書IDとをもとに、結合対象の各文書の原稿方向等の設定情報を特定する。
さらに、調整制御部109は、組合せ情報記憶部108に格納された組合せ情報を参照し、上述したように特定した結合文書の設定と結合対象の各文書の設定との組合せを調整する必要があるか否かを判断する。具体的には、調整制御部109は、図5に示した組合せ情報を参照して、結合文書設定と文書設定との組合せが調整不要、調整要または調製推奨の何れであるかを確認する。
ここで、上述した組合せに対応する調整要否の判定結果情報が「○」、すなわち調整不要である場合、調整制御部109は、組合せ調整不要と判断する。一方、上述した組合せに対応する調整要否の判定結果情報が「×」または「△」、すなわち調整要または調製推奨である場合、調整制御部109は、組合せ調整要と判断する。
その後、設定調整部116は、組合せ調整要である場合(ステップS104,Yes)、ステップS105〜S116の処理手順を適宜実行し、組合せ調整不要である場合(ステップS104,No)、ステップS105〜S116の処理手順を実行せずにステップS117に進む。
すなわち、組合せ調整要である場合、調整制御部109は、図5に示した組合せ情報を参照して、組合せ調整要と判断した結合文書設定と文書設定との組合せに対応する調整手段情報をもとに、設定調整部116内の各調整手段の何れかに組合せ調整を要求する(ステップS105)。なお、この調整手段情報として、例えば図5に示したように、「折り位置」、「回転方向」、「フィニッシング」、「ページ印字」、「集約」および「設定付加」が設定される。
具体的には、調整制御部109は、この調整手段情報が「折り位置」である場合、折り位置調整部110に組合せ調整を要求し、この調整手段情報が「回転方向」である場合、回転方向調整部111に組合せ調整を要求する。一方、調整制御部109は、この調整手段情報が「フィニッシング」である場合、フィニッシング処理調整部112に組合せ調整を要求し、この調整手段情報が「ページ印字」である場合、印字位置・向き調整部113に組合せ調整を要求する。また、調整制御部109は、この調整手段情報が「集約」である場合、集約調整部114に組合せ調整を要求し、この調整手段情報が「設定付加」である場合、設定付加調整部115に組合せ調整を要求する。
その後、折り位置調整部110、回転方向調整部111、フィニッシング処理調整部112、印字位置・向き調整部113、集約調整部114および設定付加調整部115のうち、ステップS105において調整要求された調整手段は、自身が保持する調整情報を参照して(ステップS106)、ユーザに設定の問い合わせが必要か否かを判断する(ステップS107)。
例えば、調整制御部109が折り位置調整部110に調整要求した場合、折り位置調整部110は、図6に例示した調整情報を参照し、調整制御部109から取得した結合文書設定情報と文書設定情報との組合せを確認する。ついで、折り位置調整部110は、この組合せにおいて結合文書設定情報に矛盾しない文書設定情報と、ユーザ問い合わせの要否判定情報とを確認する。
ここで、この結合文書設定情報が示す結合文書設定が「ステープル右」であり、この文書設定情報が示す文書設定が「Z折り右」である場合、折り位置調整部110は、文書設定「Z折り上」を「Z折り左」に調整することについて、ユーザに問い合わせる必要なしと判断する。一方、この結合文書設定情報が示す結合文書設定が「ステープル右」であり、この文書設定情報が示す文書設定が「Z折り上」である場合、折り位置調整部110は、文書設定「Z折り上」を「Z折り左」に調整することについて、ユーザに問い合わせる必要ありと判断する。
以下、折り位置調整部110、回転方向調整部111、フィニッシング処理調整部112、印字位置・向き調整部113、集約調整部114および設定付加調整部115のうち、ステップS105において組合せ調整を要求されたものを単に「調整手段」という。
調整手段は、調整情報を参照して、文書設定の調整についてユーザに問い合わせる必要ありと判断した場合(ステップS107,Yes)、調整制御部109に対して設定変更問い合わせ画面を表示するよう要求し(ステップS108)、ユーザに問い合わせる必要なしと判断した場合(ステップS107,No)、後述するステップS111に進む。
このステップS108において、調整制御部109は、この画面表示の要求を受け付け、ジョブ制御部103に対して設定変更問い合わせ画面を表示するよう要求する。ついで、ジョブ制御部103は、ユーザ問い合わせ部102に対し、要求された設定変更問い合わせ画面を生成するよう指示する。ユーザ問い合わせ部102は、このジョブ制御部103の指示に基づいて、要求された設定変更問い合わせ画面を生成し、生成した設定変更問い合わせ画面の情報を操作パネル制御部101に入力する。操作パネル制御部101は、このユーザ問い合わせ部102から取得した情報をもとに、この設定変更問い合わせ画面を表示するよう操作パネル20(図1参照)を制御する。
その後、操作パネル制御部101は、この設定変更問い合わせ画面をもとにユーザが決定した設定の変更要否結果を操作パネル20から取得する。この変更要否結果の情報は、ジョブ制御部103を介して調整制御部109に入力される。
調整制御部109は、この変更要否結果の情報をもとに、文書設定の変更要否を判断し(ステップS109)、変更不要である場合(ステップS109,変更NG)、文書設定情報を更新しないことを調整手段に通知する(ステップS110)。この場合、調整手段は、変更予定の文書設定を変更せず、変更していない未調整の文書設定情報を文書情報記憶部107に格納する。
一方、調整制御部109は、変更要である場合(ステップS109,変更OK)、文書設定の変更要である旨を調整手段に通知する。調整手段は、この変更要の通知を受けた場合、またはステップS107においてユーザへの問い合わせ不要と判断された場合、調整文書IDの実体文書がないか否かを判断する(ステップS111)。ここで、調整文書IDは、以前に文書設定が調整されている文書であることを識別するID情報であり、文書設定調整済みの文書(すなわち調整文書)に対して付される。
調整手段は、文書情報記憶部107に格納された文書設定情報を確認し、調整文書IDの実体文書、すなわち調整文書の有無を確認する。調整手段は、調整文書が無い場合(ステップS111,Yes)、調整文書IDの実体文書として設定調整用の新規文書を作成し(ステップS112)、この作成した新規文書に対して調整後の文書設定情報を登録する(ステップS113)。
詳細には、調整手段は、未調整の文書の文書設定を変更する場合、文書設定を変更前の元文書とは別に、設定調整用の新規文書を作成する。つぎに、調整手段は、この作成した新規文書に対して変更後の文書設定を対応付け、この変更後の文書設定の新規文書に新規の調整文書IDを付与する。この調整文書IDを含む変更後の文書設定情報は、文書情報記憶部107に格納される。
このようにして、調整手段は、この新規文書に調整後の文書設定情報(変更後の文書設定および調整文書ID)を登録する。なお、この新規文書および元文書の各文書設定情報は、ID情報と調整後の文書設定以外、同じである。
一方、調整手段は、調整文書IDの実体文書がある場合(ステップS111,No)、この調整文書IDの実体文書、すなわち以前に設定調整された調整文書を更新用文書とし、この更新用文書に対して調整後の文書設定情報を上書き登録する(ステップS114)。
詳細には、調整手段は、調整文書の文書設定を更に変更する場合、この調整文書を更新用文書とし、この更新用文書に対して新たに変更した文書設定を追加する。なお、この更新用文書の調整文書IDは、この調整文書のID情報と同じである。調整手段は、文書情報記憶部107内の調整文書IDと対応付けられた文書設定情報に、この新規変更の文書設定を追加した文書設定情報を上書きする。このようにして、調整手段は、この更新用文書に追加調整後の文書設定情報を上書き登録する。
その後、調整手段は、この更新用文書の調整文書ID、すなわち、文書設定情報を更新した調整文書のID情報を調整制御部109に通知する(ステップS115)。この結果、調整制御部109は、この調整文書IDを取得し、取得した調整文書IDをもとに、文書情報記憶部107内の文書設定情報の中から、文書設定が更新された文書設定情報を特定することができる。
上述したステップS110、S113またはS115の処理手順が実行された後、調整制御部109は、処理対象の各文書の設定と結合文書の設定との組合せについて、他に組合せ調整が必要か否かを判断する(ステップS116)。
このステップS116において、調整制御部109は、組合せ情報記憶部108内の組合せ情報(図5参照)を参照し、ステップS110の処理手順後の文書設定情報が示す文書設定と結合文書設定との組合せを調整する必要があるか否かを判断する。または、調整制御部109は、この組合せ情報を参照し、ステップS113の処理手順後の文書設定情報が示す調整後の文書設定と結合文書設定との組合せを調整する必要があるか否かを判断する。あるいは、調整制御部109は、この組合せ情報を参照し、ステップS115の処理手順後の文書設定情報が示す追加調整後の文書設定と結合文書設定との組合せを調整する必要があるか否かを判断する。
ここで、上述した組合せに対応する調整要否の判定結果情報が「○」、すなわち調整不要である場合、調整制御部109は、更なる組合せ調整が不要であると判断し(ステップS116,No)、組合せ調整が不要である旨をジョブ制御部103に通知して(ステップS117)、本処理を終了する。
一方、上述した組合せに対応する調整要否の判定結果情報が「×」または「△」、すなわち調整要または調製推奨である場合、調整制御部109は、更なる組合せ調整が必要であると判断し(ステップS116,Yes)、上述したステップS105に戻り、このステップS105以降の処理手順を繰り返す。この場合、調整制御部109は、この更なる組合せ調整を実行可能な調整手段に対して、処理対象の文書設定情報、更新後の文書設定情報および結合文書設定情報を提供して、組合せ調整を要求する。
なお、ジョブ制御部103は、組合せ調整が不要である旨の通知を受けた場合、組合せ調整が不要となった文書設定情報と結合文書設定情報とをもとにジョブ結合を実行し、結合文書を生成する。その後、ジョブ制御部103は、生成した結合文書を印刷するように印刷制御部104に指示するとともに、この結合文書の後処理を実行するように後処理制御部105に指示する。
つぎに、図3に示したジョブID毎に、文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を具体的に説明する。図12は、ジョブID=1のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する模式図である。
まず、ジョブID=1のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する。ジョブID=1の場合、図3に示した結合文書設定情報によれば、結合文書設定が「ステープル左、原稿方向タテ」であり、結合対象の各文書の文書IDはdoc1およびdoc7である。また、図4に示した文書設定情報によれば、文書ID=doc1の文書設定は「パンチ右、原稿方向タテ」であり、文書ID=doc7の文書設定は「原稿方向タテ」である。
このようなジョブID=1のジョブ結合において、調整制御部109は、図5に示した組合せ情報を参照し、結合文書設定「ステープル左、原稿方向タテ」と、文書設定「(パンチ右、原稿方向タテ)+原稿方向タテ」との組合せ調整が必要か否かを確認する。
ここで、この組合せ情報によれば、結合文書設定「原稿方向タテ」に対して文書設定「パンチ右、原稿方向タテ」は調整不要である。一方、結合文書設定「ステープル左」に対して、文書設定「原稿方向タテ」は調整不要であるが、文書設定「パンチ右」は調整要であり、調整手段はフィニッシング処理調整部112である。
調整制御部109は、上述した判断結果をもとに、フィニッシング処理調整部112に対して組合せ調整を要求する。フィニッシング処理調整部112は、この要求に基づいて、図8に示した調整情報を参照し、ユーザに問い合わせることなく、図12に示すように、結合文書設定「ステープル左」に対して文書設定「パンチ右」を「パンチ左」に変更する。
ついで、フィニッシング処理調整部112は、この変更後の文書設定「パンチ左」の調整文書と調整文書IDとを新規に作成する。例えば、フィニッシング処理調整部112は、この調整文書IDを「doc11」とし、調整文書の文書設定を「パンチ左、原稿方向タテ」として、この調整文書の文書設定情報を文書情報記憶部107に登録する。また、フィニッシング処理調整部112は、この調整文書IDを調整制御部109に通知する。
つぎに、調整制御部109は、他に組合せ調整の必要がないことを確認後、元文書の文書ID=doc1、doc7と調整文書の調整文書ID=doc11とをジョブ制御部103に通知する。
ジョブ制御部103は、通知された文書ID=doc1、doc7と調整文書ID=doc11とをもとに、結合文書設定に矛盾しない文書設定を取得し、取得した文書設定と結合文書設定とをもとにジョブ結合を実行する。この結果、ジョブ制御部103は、「ステープル左、パンチ左、原稿方向タテ」に設定した結合文書を生成する。
つぎに、ジョブID=2のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する。図13は、ジョブID=2のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する模式図である。
ジョブID=2の場合、図3に示した結合文書設定情報によれば、結合文書設定が「ステープル右、原稿方向タテ」であり、結合対象の各文書の文書IDはdoc2およびdoc7である。また、図4に示した文書設定情報によれば、文書ID=doc2の文書設定は「Z折り右、原稿方向タテ」であり、文書ID=doc7の文書設定は「原稿方向タテ」である。
このようなジョブID=2のジョブ結合において、調整制御部109は、図5に示した組合せ情報を参照し、結合文書設定「ステープル右、原稿方向タテ」と、文書設定「(Z折り右、原稿方向タテ)+原稿方向タテ」との組合せ調整が必要か否かを確認する。
ここで、この組合せ情報によれば、結合文書設定「原稿方向タテ」に対して文書設定「Z折り右、原稿方向タテ」は調整不要である。一方、結合文書設定「ステープル右」に対して、文書設定「原稿方向タテ」は調整不要であるが、文書設定「Z折り右」は調整要であり、調整手段は折り位置調整部110である。
調整制御部109は、上述した判断結果をもとに、折り位置調整部110に対して組合せ調整を要求する。折り位置調整部110は、この要求に基づいて、図6に示した調整情報を参照し、ユーザに問い合わせることなく、図13に示すように、結合文書設定「ステープル右」に対して文書設定「Z折り右」を「Z折り左」に変更する。
ついで、折り位置調整部110は、この変更後の文書設定「Z折り左」の調整文書と調整文書IDとを新規に作成する。例えば、折り位置調整部110は、この調整文書IDを「doc12」とし、調整文書の文書設定を「Z折り左、原稿方向タテ」として、この調整文書の文書設定情報を文書情報記憶部107に登録する。また、折り位置調整部110は、この調整文書IDを調整制御部109に通知する。
つぎに、調整制御部109は、他に組合せ調整の必要がないことを確認後、元文書の文書ID=doc2、doc7と調整文書の調整文書ID=doc12とをジョブ制御部103に通知する。
ジョブ制御部103は、通知された文書ID=doc2、doc7と調整文書ID=doc12とをもとに、結合文書設定に矛盾しない文書設定を取得し、取得した文書設定と結合文書設定とをもとにジョブ結合を実行する。この結果、ジョブ制御部103は、「ステープル右、Z折り左、原稿方向タテ」に設定した結合文書を生成する。
つぎに、ジョブID=3のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する。図14は、ジョブID=3のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する模式図である。
ジョブID=3の場合、図3に示した結合文書設定情報によれば、結合文書設定が「ステープル左、原稿方向タテ」であり、結合対象の各文書の文書IDはdoc7およびdoc8である。また、図4に示した文書設定情報によれば、文書ID=doc7の文書設定は「原稿方向タテ」であり、文書ID=doc8の文書設定は「パンチ上、原稿方向ヨコ」である。
このようなジョブID=3のジョブ結合において、調整制御部109は、図5に示した組合せ情報を参照し、結合文書設定「ステープル左、原稿方向タテ」と、文書設定「(パンチ上、原稿方向ヨコ)+原稿方向タテ」との組合せ調整が必要か否かを確認する。
ここで、この組合せ情報によれば、結合文書設定「ステープル左」に対して文書設定「パンチ上」は調整要であり、調整手段はフィニッシング処理調整部112である。一方、結合文書設定「原稿方向タテ」に対して、文書設定「原稿方向ヨコ」は調整推奨であり、調整手段は回転方向調整部111である。
調整制御部109は、上述した判断結果をもとに、まず、フィニッシング処理調整部112に対して組合せ調整を要求する。フィニッシング処理調整部112は、この要求に基づいて、図8に示した調整情報を参照し、「パンチ上」の設定変更についてユーザに設定変更要否を問い合わせる。この結果、設定変更が必要である場合、フィニッシング処理調整部112は、図14に示すように、結合文書設定「ステープル左」に対して文書設定「パンチ上」を「パンチ左」に変更する。
ついで、フィニッシング処理調整部112は、この変更後の文書設定「パンチ左」の調整文書と調整文書IDとを新規に作成する。例えば、フィニッシング処理調整部112は、この調整文書IDを「doc18」とし、調整文書の文書設定を「パンチ左、原稿方向ヨコ」として、この調整文書の文書設定情報を文書情報記憶部107に登録する。また、フィニッシング処理調整部112は、この調整文書IDを調整制御部109に通知する。
つぎに、調整制御部109は、他に組合せ調整の必要があるか否かを判断し、結合文書設定「原稿方向タテ」に対して文書設定「原稿方向ヨコ」は調製推奨であるため、更なる組合せ調整が必要と判断する。この場合、調整制御部109は、この組合せ調整を回転方向調整部111に要求するとともに、フィニッシング処理調整部112による調整文書ID=doc18を回転方向調整部111に通知する。
回転方向調整部111は、この要求に基づいて、図7に示した調整情報を参照し、「原稿方向ヨコ」の設定変更についてユーザに設定変更要否を問い合わせる。この結果、設定変更が必要である場合、回転方向調整部111は、図14に示すように、結合文書設定「原稿方向タテ/ステープル左」に対して文書設定「原稿方向ヨコ」を−90°回転調整して「原稿方向タテ」に変更する。
ついで、回転方向調整部111は、フィニッシング処理調整部112による調整文書の設定情報に文書設定「原稿方向タテ」を追加して調整文書を更新し、且つ調整文書IDを更新する。例えば、回転方向調整部111は、この調整文書IDを「doc18A」とし、調整文書の文書設定を「パンチ左、原稿方向タテ」として、この調整文書の文書設定情報を文書情報記憶部107に上書き登録する。また、フィニッシング処理調整部112は、この更新後の調整文書IDを調整制御部109に通知する。
つぎに、調整制御部109は、他に組合せ調整の必要がないことを確認後、元文書の文書ID=doc7、doc8と最終的な調整文書の調整文書ID=doc18Aとをジョブ制御部103に通知する。
ジョブ制御部103は、通知された文書ID=doc7、doc8と調整文書ID=doc18Aとをもとに、結合文書設定に矛盾しない文書設定を取得し、取得した文書設定と結合文書設定とをもとにジョブ結合を実行する。この結果、ジョブ制御部103は、「ステープル左、パンチ左、原稿方向タテ」に設定した結合文書を生成する。
つぎに、ジョブID=4のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する。図15は、ジョブID=4のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する模式図である。
ジョブID=4の場合、図3に示した結合文書設定情報によれば、結合文書設定が「くるみ製本(左開き)、原稿方向タテ」であり、結合対象の各文書の文書IDはdoc3およびdoc7である。また、図4に示した文書設定情報によれば、文書ID=doc3の文書設定は「ステープル左、原稿方向タテ」であり、文書ID=doc7の文書設定は「原稿方向タテ」である。
このようなジョブID=4のジョブ結合において、調整制御部109は、図5に示した組合せ情報を参照し、結合文書設定「くるみ製本(左開き)、原稿方向タテ」と、文書設定「(ステープル左、原稿方向タテ)+原稿方向タテ」との組合せ調整が必要か否かを確認する。
ここで、この組合せ情報によれば、結合文書設定「原稿方向タテ」に対して文書設定「原稿方向タテ」は調整不要である。一方、結合文書設定「くるみ製本(左開き)」に対して、文書設定「ステープル左」は調整推奨であり、調整手段はフィニッシング処理調整部112である。
調整制御部109は、上述した判断結果をもとに、フィニッシング処理調整部112に対して組合せ調整を要求する。フィニッシング処理調整部112は、この要求に基づいて、図8に示した調整情報を参照し、「ステープル左」の設定変更についてユーザに設定変更要否を問い合わせる。この結果、設定変更が必要である場合、フィニッシング処理調整部112は、図15に示すように、結合文書設定「くるみ製本(左開き)」に対して文書設定「ステープル左」を設定解除する。
ついで、フィニッシング処理調整部112は、この設定解除後の文書設定の調整文書と調整文書IDとを新規に作成する。例えば、フィニッシング処理調整部112は、この調整文書IDを「doc13」とし、調整文書の文書設定を「原稿方向タテ」として、この調整文書の文書設定情報を文書情報記憶部107に登録する。また、フィニッシング処理調整部112は、この調整文書IDを調整制御部109に通知する。
つぎに、調整制御部109は、他に組合せ調整の必要がないことを確認後、元文書の文書ID=doc3、doc7と調整文書の調整文書ID=doc13とをジョブ制御部103に通知する。
ジョブ制御部103は、通知された文書ID=doc3、doc7と調整文書ID=doc13とをもとに、結合文書設定に矛盾しない文書設定を取得し、取得した文書設定と結合文書設定とをもとにジョブ結合を実行する。この結果、ジョブ制御部103は、「くるみ製本(左開き)、原稿方向タテ」の結合文書を生成する。
つぎに、ジョブID=5のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する。図16は、ジョブID=5のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する模式図である。
ジョブID=5の場合、図3に示した結合文書設定情報によれば、結合文書設定が「ステープル左、原稿方向タテ」であり、結合対象の各文書の文書IDはdoc4およびdoc7である。また、図4に示した文書設定情報によれば、文書ID=doc4の文書設定は「ページ印字左、原稿方向タテ」であり、文書ID=doc7の文書設定は「原稿方向タテ」である。
このようなジョブID=5のジョブ結合において、調整制御部109は、図5に示した組合せ情報を参照し、結合文書設定「ステープル左、原稿方向タテ」と、文書設定「(ページ印字左、原稿方向タテ)+原稿方向タテ」との組合せ調整が必要か否かを確認する。
ここで、この組合せ情報によれば、結合文書設定「原稿方向タテ」に対して文書設定「ページ印字左、原稿方向タテ」は調整不要である。一方、結合文書設定「ステープル左」に対して、文書設定「ページ印字左」は調整推奨であり、調整手段は印字位置・向き調整部113である。
調整制御部109は、上述した判断結果をもとに、印字位置・向き調整部113に対して組合せ調整を要求する。印字位置・向き調整部113は、この要求に基づいて、図9に示した調整情報を参照し、「ページ印字左(左下)」の設定変更についてユーザに設定変更要否を問い合わせる。この結果、設定変更が必要である場合、印字位置・向き調整部113は、図16に示すように、結合文書設定「ステープル左」に対してページ印字の文書設定「左下」を「右下」に変更する。
ついで、印字位置・向き調整部113は、この変更後の文書設定「右下」の調整文書と調整文書IDとを新規に作成する。例えば、印字位置・向き調整部113は、この調整文書IDを「doc14」とし、調整文書の文書設定を「ページ印字右下、原稿方向タテ」として、この調整文書の文書設定情報を文書情報記憶部107に登録する。また、印字位置・向き調整部113は、この調整文書IDを調整制御部109に通知する。
つぎに、調整制御部109は、他に組合せ調整の必要がないことを確認後、元文書の文書ID=doc4、doc7と調整文書の調整文書ID=doc14とをジョブ制御部103に通知する。
ジョブ制御部103は、通知された文書ID=doc4、doc7と調整文書ID=doc14とをもとに、結合文書設定に矛盾しない文書設定を取得し、取得した文書設定と結合文書設定とをもとにジョブ結合を実行する。この結果、ジョブ制御部103は、「ステープル左、ページ印字右下、原稿方向タテ」に設定した結合文書を生成する。
つぎに、ジョブID=6のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する。図17は、ジョブID=6のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する模式図である。
ジョブID=6の場合、図3に示した結合文書設定情報によれば、結合文書設定が「ステープル左、原稿方向タテ」であり、結合対象の各文書の文書IDはdoc5およびdoc7である。また、図4に示した文書設定情報によれば、文書ID=doc5の文書設定は「2ページ毎集約、原稿方向タテ」であり、文書ID=doc7の文書設定は「原稿方向タテ」である。
このようなジョブID=6のジョブ結合において、調整制御部109は、図5に示した組合せ情報を参照し、結合文書設定「ステープル左、原稿方向タテ」と、文書設定「(2ページ毎集約、原稿方向タテ)+原稿方向タテ」との組合せ調整が必要か否かを確認する。
ここで、この組合せ情報によれば、結合文書設定「原稿方向タテ」に対して文書設定「原稿方向タテ」は調整不要である。一方、結合文書設定「ステープル左、原稿方向タテ」に対して、文書設定「2ページ毎集約」は調整推奨であり、調整手段は集約調整部114である。
調整制御部109は、上述した判断結果をもとに、集約調整部114に対して組合せ調整を要求する。集約調整部114は、この要求に基づいて、自身の調整情報を参照し、「2ページ毎集約」の設定変更についてユーザに設定変更要否を問い合わせる。この結果、設定変更が必要である場合、集約調整部114は、図17に示すように、例えば原稿Aと原稿Bとを各々1ページに分割して文書設定「2ページ毎集約」を解除する。
ついで、集約調整部114は、この集約解除後の文書設定の調整文書と調整文書IDとを新規に作成する。例えば、集約調整部114は、この調整文書IDを「doc15」とし、調整文書の文書設定を「原稿方向タテ」として、この調整文書の文書設定情報を文書情報記憶部107に登録する。また、集約調整部114は、この調整文書IDを調整制御部109に通知する。
つぎに、調整制御部109は、他に組合せ調整の必要がないことを確認後、元文書の文書ID=doc5、doc7と調整文書の調整文書ID=doc15とをジョブ制御部103に通知する。
ジョブ制御部103は、通知された文書ID=doc5、doc7と調整文書ID=doc15とをもとに、結合文書設定に矛盾しない文書設定を取得し、取得した文書設定と結合文書設定とをもとにジョブ結合を実行する。この結果、ジョブ制御部103は、「ステープル左、原稿方向タテ」に設定した結合文書を生成する。
つぎに、ジョブID=7のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する。図18は、ジョブID=7のジョブ結合における文書設定情報と結合文書設定情報との組合せ調整処理を説明する模式図である。
ジョブID=7の場合、図3に示した結合文書設定情報によれば、結合文書設定が「ステープル左、原稿方向タテ」であり、結合対象の各文書の文書IDはdoc6およびdoc7である。また、図4に示した文書設定情報によれば、文書ID=doc6の文書設定は「地紋、原稿方向タテ」であり、文書ID=doc7の文書設定は「原稿方向タテ」である。
このようなジョブID=7のジョブ結合において、調整制御部109は、図5に示した組合せ情報を参照し、結合文書設定「ステープル左、原稿方向タテ」と、文書設定「(地紋、原稿方向タテ)+原稿方向タテ」との組合せ調整が必要か否かを確認する。
ここで、この組合せ情報によれば、結合文書設定「原稿方向タテ」に対して文書設定「原稿方向タテ」は調整不要である。一方、結合文書設定「ステープル左、原稿方向タテ」に対して、文書設定「地紋」は調整推奨であり、調整手段は設定付加調整部115である。
調整制御部109は、上述した判断結果をもとに、設定付加調整部115に対して組合せ調整を要求する。設定付加調整部115は、この要求に基づいて、自身の調整情報を参照し、「地紋」の設定変更についてユーザに設定変更要否を問い合わせる。この結果、設定変更が必要である場合、設定付加調整部115は、図18に示すように、結合対象の全文書に地紋印刷処理を設定する。
ついで、設定付加調整部115は、この地紋印刷処理を追加した後の文書設定の調整文書と調整文書IDとを新規に作成する。例えば、設定付加調整部115は、この調整文書IDを「doc16」とし、調整文書の文書設定を「地紋、原稿方向タテ」として、この調整文書の文書設定情報を文書情報記憶部107に登録する。また、設定付加調整部115は、この調整文書IDを調整制御部109に通知する。
つぎに、調整制御部109は、他に組合せ調整の必要がないことを確認後、元文書の文書ID=doc6、doc7と調整文書の調整文書ID=doc16とをジョブ制御部103に通知する。
ジョブ制御部103は、通知された文書ID=doc6、doc7と調整文書ID=doc16とをもとに、結合文書設定に矛盾しない文書設定を取得し、取得した文書設定と結合文書設定とをもとにジョブ結合を実行する。この結果、ジョブ制御部103は、図18に示すように「ステープル左、地紋、原稿方向タテ」に設定した結合文書を生成する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、結合対象である各文書の設定情報と結合文書の設定情報との組合せに矛盾があるか否かを判定し、矛盾がある場合、結合文書の設定情報に対して矛盾する文書の設定情報を矛盾しない設定情報に調整し、この調整後の設定情報が示す文書設定の各文書を結合して、結合文書を生成している。
このため、ジョブ結合の際に設定する結合文書設定と、結合される複数の文書に元来設定されている文書設定とが矛盾する場合であっても、結合文書設定に対して元来矛盾していた文書設定を文書毎に設定変更して、結合文書設定と矛盾しない文書設定の各文書を作成できる。この結果、ジョブ結合の際に設定する結合文書の設定と、結合される複数の文書の設定との間に矛盾がある場合であっても、これら複数の文書を用いて結合文書を作成することができる。
具体的には、結合文書にくるみ製本またはステープル等の綴じ処理が設定され、結合対象の各文書に、この綴じ処理と同じ位置に折り処理が設定されている場合、この折り処理の設定を変更して、この綴じ処理の位置と異なる位置に折り処理を設定でき、あるいは折り処理を解除できる。この結果、綴じ処理の位置と折り処理の位置とが重なって文書が開けなるという、矛盾した設定の結合文書の生成を防止できる。
また、結合文書に設定された綴じ処理の位置に応じて、各文書の設定を変更して原稿方向を所望の方向に変更できるため、結合文書内の各文書に印刷する文字や画像等の印刷対象物の印刷方向をユーザが意図する方向に自由に設定することができる。
さらに、結合文書にリングバインド、ステープルまたはくるみ製本処理等の綴じ処理を行う際、この結合文書の綴じ処理と同じ位置に、文書のステープルまたはパンチ等の綴じ処理が設定されていても、文書に設定された綴じ処理を変更または解除できるため、同じ位置にステープル処理を重複して行う等、不要な綴じ処理の実行を防止することができる。
また、結合文書に設定された綴じ処理の位置に応じて、各文書の設定を変更してページの印字位置および向きを所望の位置および向きに変更できるため、原稿の右下、左下または下中央等の文書内の所望の位置にページ印字でき、この結果、結合文書の綴じ位置によってページ印字が読みづらくなることを防止できる。
さらに、ユーザ問い合わせの結果に応じて、文書の集約設定を解除することができるため、結合文書内の各文書が読みづらくなることを防止できる。また、全文書に付加可能な処理を各文書に追加設定できるため、ジョブ結合の際、地紋印刷処理等の実行した方が望ましい有用な処理を全文書に容易に追加設定できる。
また、文書の設定変更の前に、この文書の設定変更がユーザにとって必要か否かをユーザに問い合わせるように構成しているため、文書の設定変更の内容がユーザが意図しない内容であった場合に、この文書の設定変更が自動的に実行されることを防止できる。
なお、上述した実施の形態では、結合対象の各文書に付加可能な処理として地紋印刷処理を例示していたが、これに限らず、結合対象の各文書に付加可能な処理は、ページ集約処理または用紙サイズ変更処理等、地紋印刷処理以外の所望の処理であってもよい。
また、上述した実施の形態では、図3に結合文書設定情報を例示したが、これに限らず、結合文書設定情報が示す結合文書設定のジョブ数は1つまたは複数の何れであってもよいし、結合文書の設定内容も図3に示すものに限定されない。例えば、くるみ製本(右開き)、リングバインド処理、原稿方向ヨコ等が結合文書に設定されてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、図4に文書設定情報を例示したが、これに限らず、文書設定情報が示す文書設定のID情報は1つまたは複数の何れであってもよいし、結合対象の文書の設定内容も図4に示すものに限定されない。例えば、Z折り左、3ページ以上集約、ページ印字位置(下中央、右)等が文書に設定されてもよい。
また、上述した実施の形態では、図5に結合文書設定と文書設定との組合せ情報を例示したが、組合せ情報が示す調整要否の情報または調整手段の情報は、図5に示すものに限定されず、ユーザが意図する所望のものであってもよい。
さらに、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムでは、結合文書設定に対して調整要または調整推奨となる組合せが同一文書に複数存在する場合、調整要または調整推奨となる組合せを所望の順序で適宜調整すればよく、調整する文書設定の順番は、文書設定の内容によらない。
また、上述した実施の形態では、CPU11が実行するソフトウェアプログラムを予めMEM−P12等に格納していたが、これに限らず、本実施の形態にかかる画像形成装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態にかかる画像形成装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。さらに、本実施の形態にかかる画像形成装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、上述した実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。