JP5824722B2 - 自動車の物品収納ケース - Google Patents

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この発明は、自動車の物品収納ケースであって、例えばハイブリッド車における走行用バッテリとは別に設けられた内燃機関始動用等のバッテリ(補機バッテリ)について好適に用いることができる物品収納ケースに関する。
ハイブリッド車の補機バッテリは、通常リヤホイールハウス後方のスペースであって、ラゲッジルームの例えば左側に設けられた収納スペース内に搭載されている。このラゲッジルーム側部の収納スペースには、補機バッテリの他に例えばパンク修理キットや工具類等のメンテナンス用品も収納されている。このため、限られた収納スペース内に補機バッテリの他にこれらメンテナンス用品等を効率よく収納するための工夫がなされている。下記の特許文献1には、この補機バッテリに限らずバッテリを固定するブラケットを利用してヒューズ・リレーボックスを効率よく搭載するための技術が開示されている。また、特許文献2には、ブラケットに関してバッテリをより強固に固定するための技術が開示されている。
特開2001−69673号公報 特開2010−285077号公報
しかしながら、パンク修理キット等のメンテナンス用品を効率よくバッテリ回りに搭載して収納スペースを有効活用する技術の提供が望まれていた。
本発明では、バッテリを収納する収納スペース内に、パンク修理キット等の物品を効率よく収納するための技術を提供する。
上記の課題は下記の発明により解決される。
第1の発明は、自動車のバッテリの上方に搭載する物品収納ケースであって、ケース本体部とこれを支持する支持脚部を備え、支持脚部をバッテリのプラス端子とマイナス端子の間において上面に当接させてケース本体部をバッテリの上方に支持した物品収納ケースである。
第1の発明によれば、バッテリの上方の空きスペースを有効活用して物品を収納することができる。
第2の発明は、第1の発明において、バッテリは、プラス端子とマイナス端子の間において上面に当接されたバッテリクランプにより保持されており、このバッテリクランプ上に支持脚部を当接させた物品収納ケースである。
第2の発明によれば、通常鋼板製で剛性の高いバッテリクランプを利用することによりバッテリ自体に荷重を付加することなく物品収納ケースを強固に支持することができる。
第3の発明は、第2の発明において、支持脚部の下面をバッテリクランプに凹凸嵌合させてケース本体部のバッテリ上面方向の位置決めがなされる物品収納ケースである。
第3の発明によれば、バッテリ固定用のバッテリクランプを利用してケース本体部をバッテリ上面方向に位置決めすることができる。
第4の発明は、第1〜第3の何れか一つの発明において、バッテリ固定用のブラケットに設けた締結バンドを用いてケース本体部をバッテリの上方に保持する物品収納ケースである。
第4の発明によれば、バッテリ固定用のブラケットに設けた締結バンドによってケース本体部がバッテリの上方に保持される。
第5の発明は、第1〜第4の何れか一つの発明において、バッテリは、自動車後部のラゲッジルーム側部に設けた収納スペース内に搭載されたエンジン始動用の補機バッテリである物品収納ケースである。
第5の発明によれば、いわゆる補機バッテリが収納された収納スペース内を有効活用して物品を収納することができる。
第6の発明は、第1〜第5の何れか一つの発明において、バッテリとケース本体部との間に、ジャンプスタート用の作業スペースを設けた物品収納ケースである。
第6の発明によれば、ケース本体部とバッテリ上面との間にジャンプスタート用の作業スペースが設けられていることにより、バッテリのプラス端子とマイナス端子にブースタケーブルを容易に接続してジャンプスタート作業を効率よく行うことができる。
第7の発明は、第1〜第6の何れか一つの発明において、ケース本体部に、バッテリクランプを外れてバッテリの上面に当接させる補助脚部を設けた物品収納ケースである。
第7の発明によれば、ケース本体部をより安定した状態に支持することができる。
第8の発明は、第1〜第7の何れか一つの発明において、ケース本体部を車幅方向外側へ下る方向に傾斜させた物品収納ケースである。
第8の発明によれば、ケース本体部内の物品の出し入れを容易に行うことができるようになる。また、自動車走行中の振動等によってもケース本体内に収納した物品の整列状態を良好に維持しやすくなる。
本発明の実施形態を示す図である。本図は、自動車後部のラゲッジルーム左側であって、補機バッテリを収容したバッテリ収納スペースの斜視図である。 本実施形態に係る物品収納ケースの分解斜視図である。 本実施形態に係る物品収納ケースの斜視図である。 本実施形態に係る物品収納ケースの後面図である。 本実施形態に係る物品収納ケースの縦断面図である。 バッテリの上面に対する支持脚部及び補助脚部の接地状態を示す平面図である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1は、自動車1の後部であって、ラゲッジルーム2の左側を示している。このラゲッジルーム2の左側であって、リヤホイールハウス3の後方には、バッテリ収納スペース4が設けられている。このバッテリ収納スペース4には、バッテリ10が収納されている。このバッテリ10は、いわゆる補機バッテリと称されるもので、ハイブリッド車(HV)の内燃機関始動用の電源として用いられる。このバッテリ10の上方に、本実施形態に係る物品収納ケース20が搭載されている。この物品収納ケース20内には、例えばパンク修理キットを収納しておくことができる。このバッテリ収納スペース4内には、バッテリ10や物品収納ケース20の他に、簡易型のジャッキ5が収納されている。本実施形態は、バッテリ10に対する物品収納ケース20の支持構造に特徴を有している。バッテリ10自体については特に変更を要しないが、以下簡単に説明する。
図2〜図5に示すようにバッテリ10は、トレイ形のキャリア11上に載せられた状態でバッテリ収納スペース4の床部4aに搭載されている。バッテリ10は、その上面に抑え付けられたバッテリクランプ12で固定されている。バッテリクランプ12は、鋼板を素材とする板金物で、右側のL形ブラケット13と左側の棚ブラケット14との間に掛け渡された状態で取り付けられている。右側のL形ブラケット13は、バッテリ10の右側面に沿ってリヤサイドメンバ15との間に掛け渡されたL字形を有するブラケットで、その一端側(下部)はリヤサイドメンバ15にボルト締めされて結合されている。L形ブラケット13の他端側(上部)に設けたスタッドボルト13aにナット13bをバッテリクランプ12の上面側から締め込んでバッテリクランプ12の右端部が結合されている。図5及び図6に示すようにバッテリクランプ12の左端部には引き掛け爪部12aが設けられている。この引き掛け爪部12aを棚ブラケット14に引き掛けて、バッテリクランプ12の左端部側が棚ブラケット14に結合されている。左端部の引き掛け爪を棚ブラケット14に引き掛けた状態で、スタッドボルト13aにナット13bを十分に締め込むことにより、バッテリクランプ12をバッテリ10の上面に押し付けるように固定することができ、これによりバッテリ10がバッテリクランプ12に抑え付けられるようにして固定される。
バッテリクランプ12は、バッテリ10のプラス端子10aとマイナス端子10bとの間であってその上面の前後方向ほぼ中央に沿って左右方向に掛け渡された状態で固定される。
本実施形態の物品収納ケース20は、このバッテリクランプ12を利用してバッテリ10の上方に支持されている。この物品収納ケース20は、主としてパンク修理キット等の物品を収納するための箱形のケース本体部21とこのケース本体部21を支持する支持脚部22を備えている。
ケース本体部21は、上方開放の矩形箱体をなすもので、蓋21aにより閉じられる。蓋21aは、ベルト21bによって閉じ状態に保持される。
このケース本体部21内にパンク修理キットが収容されている。このケース本体部21の下面に支持脚部22が一体に設けられている。支持脚部22は、バッテリクランプ12に沿って左右方向に延びている。図6に示すようにこの支持脚部22をバッテリクランプ12の上面に沿って当接させた状態でケース本体部21がバッテリ10の上方に支持されている。
図5及び図6に示すように支持脚部22の下面には、位置決めボス部22a,22aが下方へ突き出す状態に設けられている。一方、バッテリクランプ12には、この両位置決めボス部22a,22aに対応して位置決め孔12b,12bが設けられている。両位置決め孔12b,12b内にそれぞれ位置決めボス部22aを嵌め込んだ状態で当該支持脚部22の下面がバッテリクランプ12の上面に当接されており、これによりケース本体21のバッテリ上面方向(前後左右方向)の位置決めがなされている。
支持脚部22の前後にはそれぞれ補助脚部23,24が設けられている。両補助脚部23,24も、ケース本体部21の下面に一体に設けられている。前側の補助脚部23は、バッテリクランプ12の上面を外れた前側に沿ってバッテリ10の上面に当接されている。一方、後ろ側の補助脚部24は、バッテリクランプ12の上面を外れた後ろ側に沿った左右方向部分24aと、この左右方向部分24aの左端部から後方に延びる前後方向部分24bからなるL字形を有している。この後ろ側の補助脚部24も、その左右方向部分24aと前後方向部分24bの下面をバッテリ10の上面に当接させた状態となっている。このため、ケース本体部21は、バッテリクランプ12の上面若しくはバッテリ10の上面にそれぞれ当接させた中央の支持脚部22とその前後補助脚部23,24によって当該バッテリ10の上方に支持されている。両補助脚部23,24の下面にはゴムシートが貼り付けられてバッテリ上面に対する損傷が防止されている。
中央の支持脚部22と前後の補助脚部23,24は何れも、ケース本体部21をバッテリ10の上面に対して適切な高さ位置に支持する高さ寸法に設定されている。これにより、ケース本体部21は、バッテリ10の上面に対して十分な作業スペースSが確保されている。この作業スペースSによって、例えばプラス端子10aとマイナス端子10bにブースターケーブル(図示省略)を接続するために十分なスペースが確保されており、これによりいわゆるジャンプスタートのための作業を迅速に行えるようになっている。
図5によく示されているようにケース本体部21は、左側(車幅方向外方)へ下る方向に傾いた状態に支持されている。支持脚部22及び補助脚部23,24によってケース本体部21が上記のような傾斜状態に支持されることにより、その底部21cが車幅方向外方へ傾斜した状態となっている。このため、ケース本体部21内に収容したパンク修理キット等の物品は同方向へ移動しやすくなっており、当該物品の出し入れが楽に行えるようになっている。また、自動車1の走行に伴う振動等によって収容した物品がばらばらに散乱することなく、左側に整列された状態に保持されやすくなっている。
ケース本体21は、適度な弾性を有するばね材を枠組み形成してなる締結バンド16によってその支持状態がより確実にロックされるようになっている。この締結バンド16は、その一端部16aを介して右側のL形ブラケット13に上下に回動可能に支持されている。締結バンド16の他端部16b側は、棚ブラケット14の上部に設けた保持部14aに弾性的に保持される。他端部16bを保持部14aに保持しておくことにより、締結バンド16がケース本体部21の上面に適度な押圧力で抑え付けられた状態に保持され、これによりバッテリ10に対する当該ケース本体部21の支持状態がロックされる。
他端部16b側を下方へ弾性変形させて保持部14aから離脱させれば、締結バンド16を上方へ回動させてケース本体部21ひいては当該収納ケース20のバッテリ10の上面に対する支持状態を解除することができる。締結バンド16を上方へ回動して外せば、収納ケース20の全体をバッテリ10の上面から取り外してバッテリ収納スペース4から取り出すことができる。
支持脚部22の下面をバッテリクランプ12の上面に当接させ、かつ前後補助脚部23,24の下面をバッテリ10の上面に当接させた状態で当該物品収納ケース20をバッテリ10の上面に搭載し、さらに締結バンド16を下方(左方)へ回動してその他端部16bを保持部14aに引き掛けることにより、当該物品収納ケース20がバッテリ10に対して取り付け状態にロックされる。
ケース本体部21の前面側には、補助トレイ25が一体に設けられている。この補助トレイ25には、例えばパンク修理キット用の溶剤タンク28が収納されている。この補助トレイ25にも、ベルト26と保持バンド27が設けられている。ベルト26と保持バンド27によって溶剤タンク28が補助トレイ25内に保持されることにより、自動車走行中等における振動等によって溶剤タンク28が補助トレイ25から飛び出さないようになっている。
以上のように構成した本実施形態の物品収納ケース20によれば、バッテリ10の上方の空きスペースを有効活用して物品収納ケース20をバッテリ収納スペース4内に効率よく収納することができる。
また、バッテリ10を固定するためのバッテリクランプ12であって、鋼板製(板金物)で剛性の高いバッテリクランプ12上に支持脚部22を当接させて支持する構成であるので、バッテリ10自体に荷重を付加することなく物品収納ケース20を強固に支持することができる。
さらに、支持脚部22の下面に設けた位置決めボス部22a,22aをバッテリクランプ12に設けた位置決め孔12b,12bにそれぞれ嵌め込んで支持脚部22をバッテリクランプ12に対して凹凸嵌合させて当接させる構成であることにより、バッテリクランプ12を利用してケース本体部21をバッテリ上面方向(前後左右方向)に位置決めすることができる。
また、バッテリ10を固定するためのL形ブラケット13に設けた締結バンド16を、同じくバッテリ固定用の棚ブラケット14に引き掛けて物品収納ケース20をバッテリ10の上方に保持することができ、簡易な構成かつ簡単な操作で当該物品収納ケース20の取り付け、取り外しを行うことができる。
さらに、例示したバッテリ10は、自動車後部のラゲッジルーム2の側部に設けたバッテリ収納スペース4内に搭載されたエンジン始動用の補機バッテリであり、係る補機バッテリが収納されたバッテリ収納スペース4を有効活用して物品収納ケース20を収納することができる。
また、バッテリ10とケース本体部21との間に例えばジャンプスタート用の作業スペースSが設けられていることにより、当該物品収納ケース20をわざわざ取り外すことなく取り付けた状態のままでバッテリ10のプラス端子10aとマイナス端子10bにブースタケーブルを迅速に接続してジャンプスタート作業を効率よく行うことができる。
さらに、ケース本体部21には、支持脚部22に加えて、バッテリクランプ12を外れてバッテリ10の上面に当接させる補助脚部23,24が設けられていることから、ケース本体部21をより安定した状態に保持することができる。
また、ケース本体部21が車幅方向外側へ下る方向に傾斜した状態に保持され、これによりその底部21cが同方向に傾斜していることから、ケース本体部21内へのパンク修理キット等の物品の出し入れを容易に行うことができるようになるとともに、自動車走行中の振動等によってもケース本体部21内に収納した物品の整列状態を良好に維持しておくことができる。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、ケース本体部21の下面に支持脚部22に加えて補助脚部23,24を設けた構成を例示したが、係る補助脚部23,24は省略してもよい。補助脚部23,24を省略する場合には、当該物品収納ケース20及びこれに収納した物品の全重量をバッテリクランプ12で受けることができるので、一層バッテリ10に対する物品の荷重の付加を避けることができる。
また、ケース本体部21を車幅方向外方へ下る方向に傾斜させた構成を例示したが、ケース本体部21の傾斜方向については、車幅方向内方へ下る方向あるいは自動車前側若しくは後ろ側へ下す方向に傾斜させた構成としてもよい。さらには、ケース本体部21の傾斜配置を省略してもよい。
支持脚部22の位置決めボス部22a,22a、バッテリクランプ12の位置決め孔12b,12bは省略してもよい。
ハイブリッド車の補機バッテリに搭載する物品収納ケース20を例示したが、通常の内燃機関をエンジンとする自動車の始動用バッテリについて同様の物品収納ケースを適用することができる。また、物品収納ケース20に収納する物品については例示したパンク修理キットに限定されるものではなく、工具や各種補修部品等を収納する物品収納ケースについて適用することができる。
1…自動車(HV)
2…ラゲッジルーム
3…リヤホイールハウス
4…バッテリ収納スペース、4a…床部
5…ジャッキ
10…バッテリ(補機バッテリ)、10a…プラス端子、10b…マイナス端子
S…作業スペース
11…キャリア
12…バッテリクランプ、12a…引き掛け爪、12b…位置決め孔
13…L形ブラケット、13a…スタッドボルト、13b…ナット
14…棚ブラケット、14a…保持部
15…リヤサイドメンバ
16…締結バンド、16a…一端部、16b…他端部
20…物品収納ケース
21…ケース本体部、21a…蓋、21b…ベルト、21c…底部
22…支持脚部、22a…位置決めボス部
23…補助脚部(前側)
24…補助脚部(後ろ側)、24a…左右方向部分、24b…前後方向部分
25…補助トレイ
26…ベルト
27…保持バンド
28…溶剤タンク

Claims (6)

  1. 自動車のバッテリの上方に搭載する物品収納ケースであって、ケース本体部と該ケース本体部を支持する支持脚部を備え、
    前記バッテリは、プラス端子とマイナス端子の間において上面に当接されたバッテリクランプにより保持されており、前記支持脚部の下面を該バッテリクランプに凹凸嵌合させて前記ケース本体部の前記バッテリの上面方向の位置決めがなされた状態で前記ケース本体部を前記バッテリの上方に支持した物品収納ケース。
  2. 請求項に記載した物品収納ケースであって、バッテリ固定保持用のブラケットに設けた締結バンドを用いて前記ケース本体部を前記バッテリの上方に保持する物品収納ケース。
  3. 請求項1又は2に記載した物品収納ケースであって、前記バッテリは、自動車後部のラゲッジルーム側部に設けた収納スペース内に搭載されたエンジン始動用の補機バッテリである物品収納ケース。
  4. 請求項1〜の何れか1項に記載した物品収納ケースであって、前記バッテリと前記ケース本体部との間に、ジャンプスタート用の作業スペースを設けた物品収納ケース。
  5. 請求項1〜の何れか1項に記載した物品収納ケースであって、前記ケース本体部に、前記バッテリクランプを外れて前記バッテリの上面に当接させる補助脚部を設けた物品収納ケース。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載した物品収納ケースであって、前記ケース本体部を車幅方向外側へ下る方向に傾斜させた物品収納ケース。
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