JP5824624B2 - 洗浄機器 - Google Patents

Description

本発明は、洗浄機器に無線通信手段を備えてリモート制御や消費電力の見える化といった用途を行う際に、水や熱、調理物や薬剤などを扱ったり、金属筐体で構成されるのが一般的な家電機器であったりといった家電機器の特性を考慮して、最も通信品質を改善できる無線通信手段の実装箇所を一般化する技術に関するものである。

近年、環境配慮型の省エネ家電機器などが普及しつつあり、こうした家電機器では、家電機器側にも無線通信手段を備えた構成のネット家電機器システムが商品化されるようになってきている。

こうしたネット家電機器システムでは、外部のパソコンやテレビ，省エネコントローラ装置に対して、家電機器が無線通信手段を使って自機器の消費電力などの情報を送信して表示する機能や、省エネコントローラから家電機器が無線通信手段経由で受信したコマンドにより省エネ運転になるようリモート制御する機能を備える構成となっている。

この際、一般の家電機器では、調理機器や家電機器では、水や洗剤、調理物を扱うため、無線通信手段の設置箇所に配慮しないと、無線通信手段に水分が付着して回路が破損したり、アンテナに調理物や水分などが付着して伝播性能が極端に下がったりする恐れがある。また、無線通信手段が用いる周波数や通信方式が、家電機器がマグネトロンや各種モータなどの発する特有の周波数信号やノイズなどの影響を受けないよう配慮する構成も必要である。

また、洗濯機や電子レンジ、ＩＨ調理器のように、一般的に家電全体もしくは本体部分を金属筐体で構成される家電機器も多く、こうした金属筐体部分により伝播性能が低下しないように考慮することも必要である。

こうした家電機器の特性を考慮して、無線通信手段の設置箇所の選定方法を一般化する方法が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

特許文献１では、特に家電機器の一例として電子レンジにおいて、無線通信手段の周波数として使用されることの多い２．４〜２．５ＧＨｚが電子レンジの加熱電磁波の影響を受けない構成、かつ金属筐体の内部に設置して伝播性能が低下する不具合を避けうる構成、かつ、前面扉から調理物の水分や煮汁などの液体物などが付着することを避けうる構成、といった理由から、本体後脚部分に非金属で覆ったケーシングにて無線通信手段を設置するようにしている。

特開２００２−３１７９４２号公報

しかしながら、電子レンジ以外の家電機器においては、無線通信手段の設置箇所として、後脚部分は不適切と考えられる場合もある。例えば、洗濯機や洗濯乾燥機においては、後脚部分は、排水パン内に設置されているため排水の水などや洗濯物からの排水や取水口からの溢れ水が最も掛かり易く、水没する危険部位である。そのため、防水対策もその分
だけ堅牢に行う必要が生じ、伝播性能の低下や構造の複雑化を招く要因となる課題がある。

また、後脚部分は金属筐体により伝播性能の低下を軽減できる一方、筐体内部のコントローラへの配線構造が必要となり、そのための配線孔や防塵シール構造などが複雑化する課題もある。

前記従来の課題を解決するために、洗濯機のコントローラと通信したデータを外部の無線通信手段を備えた洗濯機であって、前記無線通信手段は、洗濯槽より略鉛直上部であって、かつ前記コントローラの略近傍の非金属部分の内側に設置する構成としている。

これにより、洗濯槽上面からの洗剤や水の無線通信手段への飛散を無くして防水加工を不要とするか、大幅な簡素化を可能にし、防水加工による電波強度が低下して伝播性能を劣化することない無線通信手段の実装方法を提供している。

本発明によれば、本発明の洗濯機に代表される洗浄機器は、水や洗剤などを扱う機器、金属筐体の機器であっても、確実に無線通信のできる無線通信手段を備えており、省エネルギー応用や、リモート制御による家事の省力化などに効果の高いネット家電機器として利用することができるものである。

本発明の実施の形態１における無線通信手段の設置箇所の構成を示す洗濯乾燥機の外観斜視図の一例を示す図 本発明の実施の形態１における無線通信手段のコントローラへの接続構成の一例を示すブロック図 本発明の実施の形態１における無線通信手段を洗濯乾燥機の手前方向に指向性を有するように実装する構成の一例を示すコントロータ基板の外観略図

第１の発明は、外部の通信端末と無線通信を行うアンテナ部を備える無線通信手段と、機能の選択状態や数値あるいは文字を表示する表示手段と、前記表示手段に表示する内容をコントロールする表示コントローラを備えた表示制御手段と、洗浄工程を制御する工程制御手段とを備える洗浄機器であって、前記表示手段と表示コントローラは基板上に搭載して筐体上方に設け、前記無線通信手段は前記基板の近傍、もしくは前記基板と前記筐体との間隙の何れか一方に設置され、前記アンテナ部はパターンアンテナで構成され、前記パターンアンテナの形状は、前記アンテナ部の指向性が筐体正面側に最も強くなるよう設置面に対して略垂直方向であることを特徴とするものです。

これによれば、被洗浄物の洗浄槽からの洗剤や水の無線部分への飛散を防止して防水加工を不要にし、防水加工による電波強度が低下して伝播性能を劣化することない無線通信手段の実装方法を提供している。

また、アンテナ部の指向性が筐体正面側に最も強くなるよう構成したことによって、金属筐体で機器が構成されている場合でも、より確実な通信が可能なようにしている。

また、アンテナ部はパターンアンテナで構成され、パターンアンテナの形状は設置面に対して略垂直方向とすることによって、万が一にも無線通信手段のプリント基板に飛散した水分が付着した場合でも重力により水分が落下によって除去され易いようにしている。

また、第１から第６の発明によれば、特に普及率の大きい家電機器である洗濯機もしくは洗濯乾燥機において、無線通信手段を備えた洗濯機もしくは洗濯乾燥機を実現できる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１は、本発明の本実施の形態１における無線通信手段を備えた洗濯乾燥機で一例の概観図である。洗浄機器の一例としての洗濯乾燥機は、乾燥機能を有しない洗濯機であっても構わない。

図１は、洗濯乾燥機１本体の上部には水道蛇口２からの水を給水する取水口３を備える。２点破線で示す洗濯槽上部面、すなわち筐体上部境界面４は、洗濯乾燥機１に筐体上方の１例として、洗濯槽５の上端より鉛直上下を区分する分割面を仮想的に例示したものである。

また、一点波線で示す線は、洗濯機の中央を通過する略対地垂直面である略中央鉛直面６および、略中央鉛直面６が洗濯乾燥機１表面に投影する断面位置７を示すものである。

図１では、柔軟剤および洗剤などの薬剤投入口８は、洗濯乾燥機１に向かって、略中央円直面６の左側にあり、取水口３から薬剤投入口８内の洗剤などを洗濯槽５内に流すための給水配管も、略中央鉛直面６の左側にある構造となる。

従って、本発明の実施の形態１では、洗濯乾燥機１の操作スイッチや表示ＬＥＤなどの表示手段とこの表示手段に表示する内容をコントロールするマイコンなどから構成する表示コントローラを一体化して搭載したコントローラ基板９近傍の略中央円直面６の右側、洗濯槽上部面４の上部位置に設置する構成とする。

本構成により、洗濯槽５の投入口とドア部分の間隙から飛散した水や、取水口３からこぼれた水が、無線通信手段に最も付着しづらい構成とすることができる。

この構成により、一般に洗濯乾燥機１のコントローラ基板９では防水樹脂などの防水加工を施すのが一般的であるのに比べて、無線通信手段、特にアンテナ部分に関しては、防
水樹脂などの防水加工をする必要が無くすることができる、若しくは、ごく薄く防水加工にするなどの簡略化ができる、といったメリットが生じる上、こうした防止樹脂などの影響で電波強度が弱まって伝播性能が低下するといった、無線通信手段特有の課題を大きく低減できる。

図２は、洗濯乾燥機１のコントローラ基板９に無線通信手段を接続するとともに、モータなどの負荷制御を行う負荷側コントローラも併設する構成の一例を示すブロック図である。図２の洗濯乾燥機１の表示コントローラ基板１０は、負荷側コントローラ１２と、表示側コントローラ１１から構成する。

負荷側コントローラ１２は、モータ２６や電磁便２７などの負荷を制御する負荷制御手段２１、２４、電源手段２８、コントローラ全体を制御する主制御手段２２から構成する。また、表示側コントローラ１１は、表示手段の一例であるＬＥＤ１６〜１８やスイッチ（以下、ＳＷ）１９〜２１を制御する表示操作手段２９、コントローラ全体を制御する主制御手段２３から構成する。

それぞれのコントローラの主制御手段２２、２３は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路から構成し、負荷制御手段２１、２４や表示操作手段２９は、ドライバ回路および、それぞれの主制御手段と同じマイクロコンピュータ上で動作するプログラムであっても構わない。

図２において、無線通信手段２５は、表示側コントローラ１１の主制御手段２３に接続する構成とする。無線通信手段２５を接続する構成としては、負荷のスイッチングノイズ信号などのノイズレベルが高い負荷側コントローラ１２に搭載するよりは、表示側コントローラ１１に搭載するほうが伝播性能の面で効果があると考えられる。ただし、本発明の実施の形態１の図２の構成に限定されるものではない。

図３では、図２の構成で表示側コントローラ１１のプリント基板上に無線通信手段を実装する場合のアンテナ構成の一例を示す。図３の点線で囲んだコントローラ部１０は、図１および図２で示した洗濯乾燥機１の表示操作パネルを構成するコントローラ基板９を示しており、コントローラ部１０は負荷側コントローラ１２と、表示側コントローラ１１から構成し、表示側コントローラ１１は、液晶表示部３４、複数のＬＥＤ３０、ユーザが操作する複数のＳＷ３１から構成する。

図３では、表示側コントローラ１１の破線で囲った部分に、パッチアンテナ３３、無線ドライバＬＳＩやマッチング回路（図示せず）で構成する無線通信手段３２を実装する構成を示す。

一般に洗濯乾燥機、または、洗濯機では、本体の左右前後の筐体部は金属により構成させるのが一般的である。このため、無線通信手段３２のアンテナは、表示操作パネルを構成するコントロール基板の手前側、すなわち操作パネルスイッチを操作するユーザ側、およびその上部方向により強い指向性を有するように構成する方法が有効である。

従って、一例として、図３のパッチアンテナ３３のようにアンテナを構成すれば、コントローラ基板９から垂直上方側に強く電波が放射される指向性のアンテナを構成でき、洗濯乾燥機１などの金属筐体の家電製品の表示操作パネルに無線通信手段のアンテナを設ける構成として有効である。

更に、本発明の実施の形態１のような洗浄機器では、コントローラ基板９の内部側（図３の裏側）が、防水の樹脂加工される場合が多く、表側（図３に図示側）は、洗濯機の樹
脂ボディとの間に挟まれて防水加工がされないため、パッチアンテナのように表側にアンテナパターンを形成する構成は有効である。

なお、以上の説明では、表示側コントローラに無線通信手段を実装する構成を示したが、無線通信手段は別のプリント基板に構成し、表示側コントローラとはケーブルなどで接続する構成でも構わない。

こうした構成では、無線通信手段のプリント基板をより小さく構成すれば、プリント基板の配置方法の自由度が増すため、プリント基板上にＦ字型、Ｌ字型、Ｔ字型アンテナを形成し、洗濯乾燥機の手前側により強い指向性を有するよう設置する構成が有効である。

最後に、本実施の形態１では、洗濯機または洗濯乾燥機の例で説明したが、同様に本体が金属筐体で構成され、上部より調理物の水分や煮汁などの液体物が落下する可能性のあるＩＨクッキングヒータや、食器洗い機や食器洗い乾燥機などの家電機器でも有効なものである。

特に、洗濯機やビルトイン食器洗い乾燥機などのように、床や床付近に設置する洗浄機器では、ユーザが操作しやすいように操作スイッチなどのコントローラを上部に設置し、洗浄槽を下部に設置する構成となるため、本発明の実施の形態１で示すように、洗浄槽上部のコントローラ付近に無線通信手段を設ける構成を適用する効果が大きいものである。

更に、上記した実施の形態１における構成は、必要に応じて適宜組み合わせて使用することができるものであり、実施の形態そのものの構成に限られるものではない。

以上のように、本発明にかかる洗濯機器は、水や洗剤などを扱う機器、金属筐体の機器においても確実に通信のできる無線通信手段を備えた家電機器を実現でき、省エネルギー応用や、リモート制御による家事の省力化などに効果の高い家電機器を提供できる。

１ 洗濯乾燥機
３ 取水口
５ 洗濯槽
８ 薬剤投入口
９ コントローラ基板（表示手段および表示コントローラ）

Claims (1)

1. 外部の通信端末と無線通信を行うアンテナ部を備える無線通信手段と、
   機能の選択状態や数値あるいは文字を表示する表示手段と、
   前記表示手段に表示する内容をコントロールする表示コントローラを備えた表示制御手段と、
   洗浄工程を制御する工程制御手段とを備える洗浄機器であって、
   前記表示手段と表示コントローラは基板上に搭載して筐体上方に設け、
   前記無線通信手段は前記基板の近傍、もしくは前記基板と前記筐体との間隙の何れか一方に設置され、
   前記アンテナ部はパターンアンテナで構成され、
   前記パターンアンテナの形状は、前記アンテナ部の指向性が筐体正面側に最も強くなるよう設置面に対して略垂直方向である、
   ことを特徴とする洗浄機器。