JP5823763B2 - 膜形成方法 - Google Patents
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Description
このような電子部品素子の一例である圧電振動素子200は、例えば、図4に示すように、被成膜物である圧電片210が音叉形状となっており、この圧電片210に所定の形状の膜が形成されている。
また、膜は、励振電極221(221a,221c)と接続電極222と配線部223と周波数調整用電極230とから構成されている。
また、励振電極221は、基部211の一方の主面と同一平面となっている振動腕部212の面に設けられている励振電極221aが基部211の他方の主面と同一平面となっている振動腕部212の面に設けられている励振電極221と電気的に接続されている。
また、励振電極221は、隣接する振動腕部212側を向く振動腕部212の面に設けられている励振電極221cが隣接する振動腕部212側を向く振動腕部212の面に設けられている励振電極221と電気的に接続されている。
従って、振動腕部212の対向している面に設けられている励振電極221が同電位となる構造となっている。
このとき、同一振動腕部212内の対向する面に設けられている励振電極221は、電気的に接続されている。
また、周波数調整用電極230は、一般的に、励振電極221と接続電極222と配線部223と比較して、厚みが厚くなっている。
また、周波数調整用電極230は、例えば、クロム層の上に金層が設けられた金属からなる積層構造となっている。
このとき、他方の振動腕部212では、他方の振動腕部212の所定の二つの励振電極212がマイナス電位となり、他方の振動腕部212の所定の他の二つの励振電極212がプラス電位となり、所定の他の二つの励振電極212から所定の二つの励振電極212に向かう向きに電界が生じている。
このような圧電振動素子200は、交番電圧が二つ一対の接続電極222に接続され、それぞれの振動腕部212に電界が生じることによってそれぞれの振動腕部212に伸縮現象が生じ、振動腕部212に設定した所定の共振周波数で屈曲振動する。
なお、このような圧電振動素子200は、それぞれの振動腕部212に設けられている周波数調整用電極230を構成する金属の量を増減させることで、共振周波数を調整することができる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
一般的に、励振電極221と接続電極222と配線部223はフォトリソグラフィ技術とエッチング技術によって形成されており、周波数調整用電極230はスパッタ法を用いて形成されている。
このとき、前述した圧電片210が被成膜物H(図6(b)参照)であり、周波数調整用電極230が成膜され形成される膜M2(図6(b)参照)に該当する。
このような膜形成方法は、例えば、マスク配置工程、成膜工程、マスク取り外し工程、を備えている。
マスク配置工程は、図5に示すように、一方の主面から他方の主面まで貫通し、かつ、両主面側の開口部が同形状となっている成膜用空間241を有する成膜用マスク240の一方の主面を、被成膜物Hに接触させて成膜用マスク240を配置する工程である。
このとき、成膜用マスク240の一方の主面側の開口部及び成膜用マスク240の他方の主面側の開口部の大きさは、周波数調整用電極230の大きさと同じ大きさとなっている。
また、マスク配置工程では、成膜用マスク240の他方の主面側から成膜用マスク240の一方の主面側に向かう向きで見た場合に、被成膜物Hの膜が形成される部分が成膜用マスク240の成膜用空間241の開口部と重なるように配置され保持される。
成膜工程は、膜形成工程は、図6(a)及び図6(b)に示すように、成膜用マスク240の他方の主面側から膜M(M1,M2)を成膜する工程である。
成膜工程では、例えば、スパッタ法が用いられ、図6(a)に示すように、成膜源Sが成膜用マスク240の一方の主面に対して成膜用マスク240の他方の主面側に位置した状態で、成膜用マスク240の他方の主面から成膜用マスク240の一方の主面に向かう向きに成膜を行う。
従って、成膜工程後の成膜された膜Mは、図6(b)に示すように、成膜用マスク240の他方の主面側に成膜される膜M1と成膜用空間241内を向く被成膜物Hの面に成膜される膜M2とから構成される。
前述したように、成膜用マスク240は、両主面側の成膜用空間241の開口部の大きさが同じとなっている。このため、成膜用空間241内であって被成膜物Hに成膜される膜M2は、被成膜物Hに接触している面とこの面に対向する面とが成膜用空間241内に露出する成膜用マスク240の面に接する状態で成膜される。
ここで、被成膜物Hに成膜される膜M2の被成膜物Hに接触される面を被成膜物Hに成膜される膜M2の一方の主面とし、この被成膜物Hに成膜される膜M2の一方の主面に対向する面を被成膜物Hに成膜される膜M2の他方の主面とし、被成膜物Hに成膜される膜M2の両主面に接触する面を被成膜物Hに成膜される膜M2の側面とする。
つまり、成膜用空間241内を向く被成膜物Hに成膜される膜M2は、被成膜物Hに成膜される膜M2の側面の全面が成膜用マスク240に設けられた成膜用空間241内の面に接している状態で成膜される。
マスク取り外し工程は、被成膜物Hから成膜用マスク240を取り外す工程である。
このため、従来の膜形成方法では、被成膜物と成膜された膜との密着強度が成膜用マスクと成膜された膜との密着強度より弱くなった状態で膜が成膜されるので、成膜用マスクを取り外す場合、被成膜物から成膜された膜が一緒に剥がれてしまう恐れがある。
従って、従来の膜形成方法では、被成膜物から成膜された膜が剥がれてしまい所定の形状の膜を形成することができず、生産性が低下する恐れがある。
一方の主面から他方の主面まで貫通し、かつ、一方の主面側の開口部の大きさが前記周波数調整用電極の大きさとなっており、他方の主面側の開口部の大きさが前記周波数調整用電極の大きさより小さくなっている成膜用空間を有する成膜用マスクの一方の主面を、
被成膜物に接触させて前記成膜用マスクを配置するマスク配置工程と、前記成膜用マスクの他方の主面側から前記成膜用空間を向く向きに膜を成膜する成膜工程と、前記成膜された前記被成膜物から前記成膜用マスクを取り外すマスク取り外し工程と、
を備えていることを特徴とする。
成膜用マスクの一方の主面を被成膜物に接触させて膜を成膜した場合、被成膜物に成膜される膜の被成膜物に接する面に対向する面が成膜用マスクに設けられた成膜用空間内の面に接触させずに圧電振動素子の周波数調整用電極を成膜することができる。
このため、このような膜形成方法によれば、従来の膜形成方法と比較して成膜用マスクと成膜された膜との密着強度が被成膜物と成膜された膜と密着強度より弱くなった状態で膜を成膜することができるので、成膜用マスクを取り外す場合、被成膜物から成膜された膜が一緒に剥がれることを防ぐことができる。
従って、このような膜形成方法によれば、被成膜物に成膜された膜と被成膜物との密着強度を成膜された膜と成膜用空間内を向く成膜用マスクと密着強度より従来の膜形成方法の場合と比較して強くすることができるので、成膜用マスクを取り外す際に、被成膜物から膜が剥がれることを防ぐことができ、生産性を向上させることができる。
ここで、被成膜物に膜が成膜されている電子部品素子は、例えば、図1に示すような圧電振動素子100が用いられる。
以下、圧電振動素子100について説明する。
また、圧電片210は、圧電材料からなり、例えば、水晶部材が用いられている。
また、励振電極121は、基部111の一方の主面と同一平面となっている振動腕部112の面に設けられている振動腕部112の面に設けられている励振電極121aが同一の振動腕部112であって基部111の他方の主面と同一平面となっている振動腕部112の面に設けられている振動腕部112の面に設けられている励振電極121と電気的に接続されている。
また、励振電極121は、隣接する振動腕部112側を向く振動腕部112の面に設けられている励振電極121cが同一振動腕部112であって隣接する振動腕部112側を向く面に対向する振動腕部112の面に設けられている励振電極121dと電気的に接続されている。
従って、同一の振動腕部112であって対向している二面に設けられている励振電極121が同電位となる構造となっている。
また、周波数調整用電極130は、例えば、クロム層の上に金層が設けられた金属からなる積層構造の膜となっている。
また、周波数調整用電極130は、励振電極121と接続電極123と配線部124と比較して厚みが厚くなっている。
このとき、他方の振動腕部112では、他方の振動腕部112の所定の二つの励振電極121がマイナス電位となり、他方の振動腕部112の所定の他の二つの励振電極121がプラス電位となり、所定の他の二つの励振電極121から所定の二つの励振電極121に向かう向きに電界が生じている。
従って、圧電振動素子100は、二つ一対の接続電極122に交番電圧が接続され、それぞれの振動腕部112に電界が生じることによって、それぞれの振動腕部112に伸縮現象が生じ、振動腕部112に設定した共振周波数で屈曲振動する。
なお、このような圧電振動素子100は、それぞれの振動腕部112に設けられている周波数調整用電極130を構成する金属の量を増減させることで、共振周波数を調整することができる構成となっている。
本発明の実施形態に係る膜形成方法は、マスク配置工程、膜形成工程、マスク取り外し工程、を備えている。
ここで、本発明の実施形態に係る膜形成方法では、前述した圧電振動素子200の被成膜物である圧電片110に膜である周波数調整用電極130を成膜し所定の形状の膜を形成する場合を例に説明する。
以下、圧電片110を被成膜物H(図3(b)参照)とし、周波数調整用電極130を被成膜物に成膜される膜M2(図3(b)参照)として説明する。
マスク配置工程は、図2に示すように、一方の主面から他方の主面まで貫通し、かつ、一方の主面側の開口部の大きさが他方の主面側の開口部より大きくなっている成膜用空間141を有する成膜用マスク140の一方の主面を、被成膜物Hに接触させて前記成膜用マスク140を配置する工程である。
また、成膜用マスク140は、成膜用マスク140の一方の主面から成膜用マスク140の他方の主面にかけて貫通している成膜用空間141を有している。
従って、成膜用マスク140は、成膜用マスク140の一方の主面側から成膜用空間141の開口部を見た場合、成膜用マスク140の一方の主面側の開口部の内縁側に成膜用マスク140の他方の主面側の開口部が位置しており、成膜用マスク140の他方の主面側から成膜用空間141の開口部を見た場合、成膜用マスク140の一方の主面側の開口部が見えない構造となっている。
従って、成膜用マスク140の他方の主面側の成膜用空間141の開口部の大きさは、少なくとも周波数調整用電極130(図1参照)の大きさより小さくなっている。
また、絵師幕用マスク140の一方の主面側の成膜用空間141の開口部の大きさは、周波数調整用電極130の大きさとなっている。
このとき、成膜用マスク140側から被成膜物Hである圧電片110を見た場合、成膜用マスク140の他方の主面側の成膜用空間141の底面に周波数調整用電極130が形成される部分が位置している。
ここで、成膜用マスク140が磁石によってマスク配置工程後に被成膜物Hの所定の位置に接触させた状態で保持している構成について説明しているが、マスク配置工程後に被成膜物Hの所定の一に接触させた状態で保持することができれば、例えば、ネジを用いてもよい。
成膜工程は、前記成膜用マスク140の他方の主面側から前記成膜用空間141内を向く向きに膜を成膜する工程である。
成膜工程では、例えば、スパッタ法が用いられ、図3(a)及び図3(b)に示すように、成膜源Sが成膜用マスク140の一方の主面に対して成膜用マスク140の他方の主面側に位置され、成膜用マスク140の他方の主面側から成膜用マスク140の一方の主面側に向かう向きに膜M(M1,M2)が成膜される。
従って、成膜工程後の成膜された膜Mは、図3(b)に示すように、成膜用マスク140の他方の主面側に成膜された膜M1と成膜用空間141内を向く被成膜物Hに成膜された膜M2とから構成される。
また、成膜工程では、この成膜用マスク140の一方の主面を被成膜物Hに接触させて、成膜用マスク140の他方の主面側から一方の主面側に向かう向きに膜Mを成膜している。
このため、被成膜物Hに成膜された膜M2は、被成膜物Hに接触している面に対向する面が成膜用マスク140に設けられた成膜用空間141内の面に接触しない。
ここで、被成膜物Hに成膜された膜M2の被成膜物Hに接している面及びこの面に対向する被成膜物Hに成膜された膜M2の面を被成膜物Hに成膜された膜M2の主面とし、被成膜物Hに成膜された膜M2の両主面に接している面を被成膜物Hに成膜された膜M2の側面とする。
つまり、被成膜物Hに成膜された膜M2は、被成膜物に接触している面が成膜用マスク140の成膜用空間141内の面に接触し、かつ、被成膜物に接触している面に対向する面が成膜用マスク140の成膜用空間141内の面に接触していない状態となっている。
このため、成膜工程では、被成膜物Hに成膜された膜M2と成膜用マスク140の密着強度を従来と比較し弱くすることができる。
マスク取り外し工程は、前記成膜された前記被成膜物Hから前記成膜用マスク140を取り外す工程である。
マスク取り外し工程では、被成膜物Hに成膜された膜M2と成膜用マスク140との密着強度が従来と比較し弱くなっている状態で成膜用マスク140が取り外される。
従って、マスク取り外し工程では、被成膜物Hと被成膜物Hに成膜された膜M2との密着強度が被成膜物Hに成膜された膜M2と成膜用マスク140との密着強度より強い状態で成膜用マスク140を取り外すことが可能となり、成膜用マスク140を取り外す場合に被成膜物Hから膜が剥がれることを防ぐことができる。
このため、このような本発明の実施形態に係る膜形成方法によれば、従来の膜形成方法と比較して成膜用マスク140と成膜された膜M2との密着強度が被成膜物Hと成膜された膜M2と密着強度より弱くなった状態で膜M2を成膜することができるので、成膜用マスク140を取り外す場合、被成膜物Hから成膜された膜M2が一緒に剥がれることを防ぐことができる。
従って、このような本発明の実施形態に係る膜形成方法によれば、被成膜物Hに成膜された膜M2と被成膜物Hとの密着強度を被成膜物Hに成膜された膜M2と成膜用空間141内を向く成膜用マスク140との密着強度より従来の膜形成方法の場合と比較して強くすることができるので、成膜用マスク140を取り外す際に、被成膜物Hから膜M“が剥がれることを防ぐことができ、生産性を向上させることができる。
110,210 圧電片
111,211 基部
112,212 振動腕部
121,221 励振電極
122,222 接続電極
123,223 配線部
130,230 周波数調整用電極
140,240 成膜用マスク
141,241 成膜用空間
M 膜
M1 成膜用マスクに成膜された膜
M2 被成膜物に成膜された膜
H 被成膜物
S 成膜源
Claims (1)
- 両主面が矩形形状の平板状に形成されている基部と、前記基部の所定の一つの側面から同一方向に延設されている一対の振動腕部とからなる音叉形状の圧電片と、
前記圧電片の前記振動腕部に設けられている励振電極と、
前記圧電片の前記基部に設けられている一対の接続電極と、
前記励振電極と前記接続電極、または、前記励振電極間を電気的に接続している配線部と、
前記一対の振動腕部の先端側に設けられ、前記励振電極、前記接続電極および前記配線部より厚みが厚い周波数調整用電極と、
からなる圧電振動素子の前記周波数調整用電極の膜を形成する膜の形成方法であって、
一方の主面から他方の主面まで貫通し、かつ、一方の主面側の開口部の大きさが前記周波数調整用電極の大きさと同じとなっており、他方の主面側の開口部の大きさが前記周波数調整用電極の大きさより小さくなっている成膜用空間を有する成膜用マスクの一方の主面を、被成膜物に接触させて前記成膜用マスクを配置するマスク配置工程と、
前記成膜用マスクの他方の主面側から前記成膜用空間を向く向きに膜を成膜する成膜工程と、
前記成膜された前記被成膜物から前記成膜用マスクを取り外すマスク取り外し工程と、
を備えていることを特徴とする膜形成方法。
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