JP2002004034A - 蒸着用マスクおよびその製造方法 - Google Patents

蒸着用マスクおよびその製造方法

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JP2002004034A
JP2002004034A JP2000189135A JP2000189135A JP2002004034A JP 2002004034 A JP2002004034 A JP 2002004034A JP 2000189135 A JP2000189135 A JP 2000189135A JP 2000189135 A JP2000189135 A JP 2000189135A JP 2002004034 A JP2002004034 A JP 2002004034A
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deposition
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Yoshio Miyai
良雄 宮井
Isao Hasegawa
勲 長谷川
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マスク取り外し時に発生する蒸着パターンの変
形や欠落を防止することが可能な蒸着用マスクを提供す
る。 【解決手段】マスク層3を含むマスク基板10と、その
マスク層3に形成され、蒸着源に向かって先細りした形
状のマスク開口部5を有するマスクパターン4とを備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸着用マスクお
よびその製造方法に関し、より特定的には、有機EL膜
などの蒸着材料を基板に蒸着する際に用いる蒸着用マス
クおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、蒸着材料を基板に蒸着する際に用
いる蒸着用マスクが知られている。このような蒸着用マ
スクは、例えば、カラー表示の有機EL(Electr
o Luminescence)ディスプレイの製造プ
ロセスにおいて、発光層である有機EL膜の形成時に有
機EL膜を蒸着する際に用いられる。図15は、従来の
有機EL膜の蒸着の際に用いられる蒸着用マスクを示し
た断面図である。また、図16および17は、図15に
示した従来の蒸着用マスクを用いて有機EL膜を蒸着す
る際のプロセスを示した模式図である。
【0003】図15を参照して、従来の蒸着用マスクで
は、金属からなるマスク基板101にマスク開口部10
2が複数個設けられている。このような金属からなるマ
スク基板101を用いて蒸着を行う場合には、まず、図
16に示すように、被蒸着基板130の蒸着側表面にマ
スク基板101をセットする。そして、蒸着源150か
ら被蒸着基板130に向かって蒸着粒子150aを飛散
させる。これにより、蒸着粒子150aは、マスク基板
101のマスク開口部102内の被蒸着基板130上に
蒸着されて蒸着物151となる。また、蒸着粒子150
aは、マスク基板101上にも蒸着されて蒸着物152
となる。
【0004】上記のような蒸着を行った後、図17に示
すように、マスク基板101を取り外すことによって、
被蒸着基板130上に蒸着物151からなる蒸着パター
ンが形成された構造が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のマスク
基板101を用いて蒸着を行う方法では、図16に示し
たように、被蒸着基板130上に形成される蒸着物15
1は、マスク基板101のマスク開口部102の側壁に
も接触および固着して蒸着される。このため、図17に
示したように、マスク基板101を取り外す際に、蒸着
物151の一部151aが同時に除去されてしまうとい
う不都合があった。その結果、マスク基板101の取り
外し時に、蒸着物151からなる蒸着パターンの変形や
欠落が発生するという問題点があった。このため、従来
のマスク基板101では、設計通りの蒸着パターンを得
ることが困難であった。
【0006】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の一つの目的は、
マスク基板の取り外し時に発生する蒸着パターンの変形
や欠落を防止することが可能な蒸着用マスクを提供する
ことである。
【0007】この発明のもう一つの目的は、上記のよう
な蒸着用マスクを容易に製造することが可能な蒸着用マ
スクの製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1における蒸着用
マスクは、蒸着材料を基板に蒸着する際に用いる蒸着用
マスクであって、マスク層を含むマスク基板と、そのマ
スク層に形成され、蒸着源の方向に向かって先細りした
形状のマスク開口部を有するマスクパターンとを備えて
いる。請求項1では、このように構成することによっ
て、蒸着用マスクを用いて基板に蒸着物を蒸着する際
に、マスク開口部内に形成される蒸着物がマスク開口部
の側壁に接触または固着するのが防止される。これによ
り、蒸着後に、蒸着用マスクを取り外す際に、蒸着物に
変形や欠落が発生するのを有効に防止することができ
る。その結果、設計どおりの蒸着パターンを得ることが
できる。
【0009】請求項2における蒸着用マスクでは、請求
項1の構成において、マスク開口部は、マスク層をドラ
イエッチングすることによって形成されたテーパ形状の
貫通穴を含む。請求項2では、このように構成すること
によって、ドライエッチングの条件を調節することによ
り容易にテーパ形状の貫通穴を形成することができる。
また、ドライエッチングを用いることにより、マスクパ
ターンを高精度に形成することが可能となる。
【0010】請求項3における蒸着用マスクでは、請求
項1または2の構成において、マスク基板は、さらに、
マスク層の支持部となる支持層と、支持層とマスク層と
の間に形成されたエッチングストッパ層とを含む。請求
項3では、このように構成することによって、エッチン
グストッパ層をエッチングストッパとして、マスク層を
選択的にドライエッチングすることができるとともに、
支持層を選択的にエッチングすることができる。その結
果、容易に、マスク層にマスクパターンを形成すること
ができるとともに、支持層に裏面開口部を形成すること
ができる。
【0011】請求項4における蒸着用マスクでは、請求
項3の構成において、エッチングストッパ層は、マスク
層をドライエッチングする際のエッチングストッパとな
る。請求項4では、このように構成することにより、容
易にマスク層をドライエッチングすることができ、その
結果、エッチング条件を調節すれば、テーパ形状のマス
ク開口部を有する高精度なマスクパターンを得ることが
できる。
【0012】請求項5における蒸着用マスクでは、請求
項1〜4のいずれかの構成において、マスク層のマスク
パターンが形成される領域に対応する支持層およびエッ
チングストッパ層の領域には、マスクパターンに達する
裏面開口部が形成されている。請求項3では、このよう
にマスクパターンに達する裏面開口部を設けることによ
って、容易にマスクパターン部分の厚みを薄く形成する
ことができる。これにより、微細化に適した蒸着用マス
クを得ることができる。
【0013】請求項6における蒸着用マスクでは、請求
項5の構成において、エッチングストッパ層は、裏面開
口部の形成時に支持層をエッチングする際のエッチング
ストッパとなる。請求項6では、このように構成するこ
とによって、支持層をエッチングにより選択的に除去す
ることができる。その結果、容易に支持層に裏面開口部
を形成することができる。
【0014】請求項7における蒸着用マスクの製造方法
は、マスク層と、エッチングストッパ層と、支持層とを
含む蒸着用マスクの製造方法であって、支持層上にエッ
チングストッパ層を介してマスク層を形成する工程と、
エッチングストッパ層をエッチングストッパとして、マ
スク層をドライエッチングすることによって、蒸着源の
方向に向かって先細りしたテーパ形状のマスク開口部を
有するマスクパターンを形成する工程と、エッチングス
トッパ層をエッチングストッパとして、マスクパターン
を形成した領域に対応する支持層の領域をエッチングに
より除去した後、マスクパターンを形成した領域に対応
するエッチングストッパ層の領域を除去することによっ
て、マスクパターンに達する裏面開口部を形成する工程
とを備えている。請求項7では、このように構成するこ
とによって、エッチングストッパ層を用いて、テーパ形
状のマスク開口部を有するマスクパターンと、マスクパ
ターンに達する裏面開口部とを容易に形成することがで
きる。これにより、蒸着時に、基板の蒸着物がマスク開
口部の側壁に接触または固着するのを防止することが可
能な蒸着用マスクを容易に製造することができる。
【0015】請求項8における蒸着用マスクの製造方法
では、請求項7の構成において、エッチングストッパ層
をエッチングストッパとして支持層をエッチングする工
程は、エッチングストッパ層と支持層とで大きなエッチ
ングレートの差を有するエッチング溶液を用いてエッチ
ングする工程を含む。請求項8では、このように構成す
ることによって、支持層を容易に選択的にエッチングす
ることができる。
【0016】請求項9における蒸着用マスクの製造方法
では、請求項7または8の構成において、エッチングス
トッパ層をエッチングストッパとして支持層をエッチン
グする工程は、支持層をエッチング速度の速いエッチン
グ溶液で途中までエッチングする工程と、その後、エッ
チングストッパ層と支持層とで大きなエッチングレート
の差を有するエッチング溶液に切り替えて支持層の残り
の部分をエッチングする工程とを含む。請求項9では、
このようにエッチング速度の速いエッチング溶液で支持
層を途中までエッチングした後、エッチングストッパ層
と支持層とで大きなエッチングレートの差を有するエッ
チング溶液に切り替えて支持層の残りの部分をエッチン
グすることによって、エッチングによる支持層の除去時
間を短縮することができる。その結果、エッチング工程
に要する時間を短縮することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を図面に基づいて説明する。
【0018】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態による蒸着用マスクを示した断面図であり、図2
は、図1に示した第1実施形態による蒸着用マスクの上
面図である。また、図3は、図1および図2に示した第
1実施形態の蒸着用マスクを用いて蒸着を行う場合のプ
ロセスを説明するための模式図である。
【0019】まず、図1および図2を参照して、この第
1実施形態による蒸着用マスクでは、マスク基板10
は、シリコンからなる支持層1と、シリコン酸化膜から
なるエッチングストッパ層2と、シリコンからなるマス
ク層3との3層構造を有する。支持層1は、マスク基板
10全体の機械的強度を保持するためのものであり、約
100μm〜約800μmの膜厚を有する。また、支持
層1は、(100)面を持つNタイプの単結晶シリコン
からなる。
【0020】また、エッチングストッパ層2は、約1μ
m〜約10μmの膜厚を有し、マスク製造時にエッチン
グストッパとしての役割を果たす。このエッチングスト
ッパ層2は、マスク層3の加工精度を向上させる機能も
有する。マスク層3は、マスクパターン4が形成される
部分であり、約10μm〜約100μmの膜厚を有す
る。このマスク層3は、(100)面を持つNタイプの
単結晶シリコンからなる。
【0021】ここで、第1実施形態による蒸着用マスク
のマスク基板10では、マスク層3に設けられたマスク
開口部5がテーパ形状を有している。このマスク開口部
5のテーパ形状は、蒸着プロセスの際に、蒸着源の方向
に向かって先細りするテーパ形状である。また、マスク
層3のマスクパターン4が形成される領域に対応する支
持層1およびエッチングストッパ層2の領域には、裏面
開口部6が形成されている。
【0022】また、第1実施形態による蒸着マスクで
は、図2に示すように、中央部分に、周囲の梁部分より
遙かに薄いマスクパターン4が存在する。そして、その
マスクパターン4中にテーパ形状を有するマスク開口部
5が複数形成されている。
【0023】次に、図3を参照して、第1実施形態によ
るマスク基板10を使用して蒸着する際のプロセスにつ
いて説明する。まず、被蒸着基板30の表面に、マスク
基板10をセットする。この状態で、蒸着源50から被
蒸着基板30に向かって蒸着粒子50aを飛散させる。
これにより、マスク層3のマスク開口部5内の被蒸着基
板30の表面上に蒸着物51が形成される。また、マス
ク層3の裏面および支持層1の裏面にも蒸着物52が形
成される。この後、マスク基板10を被蒸着基板30か
ら取り外すことによって、その表面に蒸着物51からな
る蒸着パターンが形成された被蒸着基板30を得ること
ができる。
【0024】第1実施形態では、上記のように、蒸着源
の方向に向かって先細りしたテーパ形状のマスク開口部
5を設けることによって、そのマスク開口部5の側壁に
被蒸着物51が接触または固着するのを防止することが
できる。その結果、マスク基板10を取り外す際に、被
蒸着基板30上に形成された蒸着物51に変形や欠落が
発生するのを有効に防止することができる。
【0025】また、マスク基板10をエッチングストッ
パ層2を含むように構成することにより、後述するマス
ク基板10の製造プロセスにおいて、そのエッチングス
トッパ層2をエッチングストッパとして、マスク層3を
ドライエッチングすることができる。その結果、エッチ
ング条件を調節することにより容易にテーパ形状のマス
ク開口部5を形成することができる。また、シリコンか
らなるマスク層3をドライエッチングすることによっ
て、マスクパターン4を高精度に形成することが可能と
なる。
【0026】さらに、エッチングストッパ層2が、裏面
開口部6の形成時に支持層1をエッチングする際のエッ
チングストッパとなるので、支持層1をエッチングによ
り選択的に除去することができる。その結果、容易に支
持層1に裏面開口部6を形成することができる。
【0027】図4〜図10は、図1に示した第1実施形
態による蒸着用マスクの製造プロセスを説明するための
断面図である。図4〜図10を参照して、次に、第1実
施形態による蒸着用マスクの製造プロセスについて説明
する。
【0028】まず、図4に示すように、シリコンからな
る支持層1上に、シリコン酸化膜からなるエッチングス
トッパ層2を介して、シリコンからなるマスク層3を形
成する。これにより、3層構造のマスク基板10が得ら
れる。なお、図4に示した3層構造のマスク基板10
は、一般に、SOI(Silicon On Insu
lator)と呼ばれており、その作成方法については
既によく知られているので、ここでは詳細は省略する。
【0029】次に、図5に示すように、マスク層3上
に、プラズマCVD法などを用いて、シリコン酸化膜7
を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術とドライ
エッチング技術とを用いて、シリコン酸化膜7に、テー
パ形状の開口部9を有するパターン8を形成する。この
場合、シリコン酸化膜7のエッチングを、例えば、プラ
ズマ出力:500W、圧力:9Pa、基板温度:20
℃、ガス比率をCF4:Ar:O2=3:6:1の条件下
で行うと、約10度のテーパ角度を有する開口部9が形
成される。
【0030】このテーパ角度は、ガス比率を変えること
により容易に変更することができる。具体的には、O2
を増加し、Arを少なくすることによって、テーパ角度
を大きくすることができる。開口部9のテーパ角度は、
5度〜50度の範囲内で調整する。
【0031】次に、図6に示すように、シリコン酸化膜
7のパターン8をマスクとして、シリコンからなるマス
ク層3をドライエッチング(異方性エッチング)するこ
とによって、シリコン酸化膜7の開口部9のテーパ形状
を反映したテーパ形状を有するマスク開口部5が形成さ
れる。この場合のエッチング条件としては、プラズマ出
力:200W、圧力:13Pa、基板温度:20℃、ガ
ス比率 HBr:Cl 2=1:3である。このマスク開
口部5の形成時のドライエッチングにおいて、エッチン
グストッパ層2は、エッチングストッパとして働く。こ
のようにして、テーパ形状のマスク開口部5を有するマ
スクパターン4を形成することができる。この後、シリ
コン酸化膜7を除去する。
【0032】次に、図7に示すように、マスク層3の表
面を覆うように表面保護用シート11を形成するととも
に、支持層1の裏面の一部に、裏面エッチング用マスク
12を形成する。表面保護用シート11および裏面エッ
チング用マスク12は、PVC(ポリビニルクロライ
ド)系の材料からなり、後述するフッ酸/硝酸/水の混
合液からなるエッチング溶液に対して、ほとんどエッチ
ングされない。なお、裏面エッチング用マスク12を支
持層1の裏面に貼り付ける際には、パターンが大きく比
較的精度が要求されないので、あらかじめパターンを形
成したシートを貼り付ける程度で、精度的には十分であ
る。
【0033】次に、図8に示すように、裏面エッチング
用マスク12をマスクとして、フッ酸/硝酸/水の混合
液からなるエッチング溶液を用いて、シリコンからなる
支持層1の裏面をウェットエッチングする。このフッ酸
/硝酸/水の混合液による支持層1のエッチングは、等
方的に進行するので、エッチングされた領域は、図8に
示すような断面形状となる。フッ酸/硝酸/水の混合比
は、1:4:1であり、このときのシリコンのエッチン
グレートは約6μm/分であり、大きなエッチングレー
トを有する。これにより、シリコンからなる支持層1の
裏面エッチングを迅速に行うことができる。
【0034】ここで、このフッ酸/硝酸/水の混合液か
らなるエッチング溶液は、シリコン酸化膜からなるエッ
チングストッパ層2に対してもエッチングレートが大き
いため、このエッチング溶液を用いる場合には、シリコ
ン酸化膜からなるエッチングストッパ層2をエッチング
ストッパとして機能させることが困難である。したがっ
て、支持層1が薄く残った状態(1μm〜100μm程
度)で上記したフッ酸/硝酸/水の混合液によるウェッ
トエッチングを終了し、後述するように、KOHによる
ウェットエッチングに切り替える。なお、フッ酸/硝酸
/水の混合液によるウェットエッチングを終了した後、
表面保護用シート11および裏面エッチング用マスク1
2をアセトンなどの有機系溶剤によって除去する。
【0035】次に、図9に示すように、マスク層3上
に、アピエゾンワックス13を介してガラス板14を貼
り付けるとともに、支持層1のエッチングされていない
部分にもアピエゾンワックス15を塗布する。ガラス板
14は、機械的強度を保つために設けられており、約1
00μm〜約800μmの厚みを有する。なお、ガラス
板14は、機械的強度を保持でき、かつ、後述する裏面
エッチング時にシリコンよりも十分にエッチングレート
が低い材料であれば他の材料であってもよく、例えば、
セラミックスや石英などでもよい。
【0036】アピエゾンワックス13および15は、K
OHに対するエッチング耐性が強く、比較的低い温度で
粘性が低くなる特性を有している。支持層1の裏面に形
成されるアピエゾンワックス15は、支持層1の梁部分
をKOHのエッチングから保護する目的で塗布する。す
なわち、ガラス板14の装着後に、支持層1の開口部6
をシート状のマスクなどでマスキングした後、全体にア
ピエゾンワックス15を塗布する。そして、マスキング
を取り除くことによって、マスキングした部分以外にア
ピエゾンワックス15が形成された形状が得られる。こ
の場合、裏面開口部6は大きいので、表面側のマスク層
3の加工精度と比べて裏面開口部6の加工精度が低くて
も問題はない。したがって、上記したマスキングのよう
な手法でも加工精度的に十分機能を果たすことができ
る。
【0037】図9に示したアピエゾンワックス15をマ
スクとして、KOHによって支持層1の残りの部分をウ
ェットエッチングすることによって、図10に示される
ような形状が得られる。なお、KOHによるシリコン酸
化膜のエッチング速度は遅いため、シリコン酸化膜から
なるエッチングストッパ層2は、エッチングストッパと
しての役割を果たすことが可能となる。この後、ガラス
板14およびアピエゾンワックス13および15を有機
溶剤を用いて除去するとともに、エッチングストッパと
して用いてきた開口部6に位置する部分のエッチングス
トッパ層2をフッ酸を用いたウェットエッチングにより
除去する。これにより、図1に示したような第1実施形
態のマスク基板10が完成される。
【0038】(第2実施形態)図11〜図13は、本発
明の第2実施形態による蒸着用マスクの製造プロセスを
示した断面図である。図11〜図13を参照して、以下
に第2実施形態による蒸着用マスクの製造プロセスにつ
いて説明する。
【0039】まず、図11に示した工程以前の工程は、
図4〜図6に示した第1実施形態による製造プロセスと
同様である。そして、図6に示した工程の後、この第2
実施形態による製造プロセスでは、マスク層3のマスク
パターン4を形成する際のエッチングマスクとして使用
したシリコン酸化膜7を除去する。そして、図11に示
すように、マスク基板10の表面と裏面とにアピエゾン
ワックス23および25をそれぞれ塗布する。
【0040】そして、図12に示すように、アピエゾン
ワックス23および25をマスクとして、シリコンから
なる支持層1をKOHを用いてウェットエッチングす
る。ここで、KOHは、シリコンの結晶方向によってエ
ッチング速度が大きく異なり、支持層1のシリコンが
(100)の結晶方向を有する場合、形成される裏面開
口部6の側壁は(111)面が現れる。また、KOHは
シリコン酸化膜に対するエッチング速度も遅いため、シ
リコン酸化膜からなるエッチングストッパ層2は、エッ
チングストッパとしての役割を果たすことができる。
【0041】この第2実施形態によるプロセスでは、ア
ピエゾンワックス23および25をマスクとして、KO
Hによってシリコンからなる支持層1をウェットエッチ
ングすることによって、一度のエッチング工程で、支持
層1に裏面開口部6を形成する。この後、アピエゾンワ
ックス23および25を有機溶剤により除去する。
【0042】そして、裏面開口部6に位置するシリコン
酸化膜からなるエッチングストッパ層2をフッ酸により
ウェットエッチングすることによって除去する。これに
より、図13に示されるような第2実施形態による蒸着
用マスクが得られる。
【0043】(第3実施形態)図14は、本発明の第3
実施形態による蒸着用マスクの製造プロセスを説明する
ための断面図である。図14を参照して、この第3実施
形態による製造プロセスでは、図14に示した工程以前
の工程は、図4〜図6に示した第1実施形態による製造
プロセスと同様である。そして、この第3実施形態で
は、図6で説明した工程の後、マスク層3のマスクパタ
ーン4を形成するために用いたエッチングマスクとして
のシリコン酸化膜7を除去する。
【0044】そして、図14に示すように、マスク基板
10の表面および裏面に、LPCVD法を用いて、シリ
コン酸化膜31を1μm〜2μm程度の膜厚で形成す
る。その後、裏面側に設けたシリコン酸化膜31をパタ
ーンニングする。そして、このパターンニングされたシ
リコン酸化膜31をマスクとして、シリコンからなる支
持層1を、KOHを用いてウェットエッチングする。こ
れにより、第2実施形態の製造プロセスと同様、図12
に示されるような裏面開口部6を形成する。この後の工
程は第2実施形態の製造プロセスと同様である。
【0045】この第3実施形態においても、第2実施形
態と同様、KOHによるウェットエッチングを用いて1
回のエッチング工程で支持層1に裏面開口部6を形成す
ることができる。
【0046】なお、今回開示された実施形態は、すべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明
ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請
求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が
含まれる。
【0047】例えば、上記実施形態では、マスク基板1
0として、シリコンからなる支持層1、シリコン酸化膜
からなるエッチングストッパ層2およびシリコンからな
るマスク層3の3層構造の基板を用いたが、本発明はこ
れに限らず、他の材料からなるマスク基板を用いてもよ
い。例えば、Si、GaAsなどの半導体基板や各種セ
ラミックス基板、Al、Niなどの各種金属および金属
合金基板を用いてもよい。さらに、これらの材料の単層
構造および2層以上の複合基板を用いてもよい。
【0048】また、上記実施形態では、テーパ形状のマ
スク開口部5を形成する際に、まずテーパ形状のシリコ
ン酸化膜7からなるマスクパターン8を形成した後、こ
れをマスクとしてマスク層3をドライエッチングするこ
とによって、テーパ形状のマスク開口部5を形成した
が、本発明はこれに限らず、マスク層3の上に直接レジ
ストパターンを形成し、そのレジストパターンをマスク
としてドライエッチングすることによりマスク層3にテ
ーパ形状のマスク開口部5を設けるようにしてもよい。
【0049】また、上記実施形態では、ドライエッチン
グを用いて形成したテーパ形状のマスク開口部5を用い
たが、本発明はこれに限らず、蒸着源に向かって先細り
した形状の貫通穴であれば、他の方法で形成したマスク
開口部であってもよい。例えば、ウェットエッチングに
より形成した蒸着源に向かって先細りした形状のマスク
開口部であってもよい。
【0050】また、上記実施形態では、蒸着源として有
機EL膜を用いる例を示したが、本発明はこれに限ら
ず、他の蒸着源を用いる場合にも同様に適用可能であ
る。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、マスク
開口部を蒸着源に向かって先細りした形状に形成するこ
とによって、蒸着用マスクの取り外し時に発生する蒸着
パターンの変形や欠落を有効に防止することができる。
また、このような蒸着用マスクを容易に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による蒸着用マスクを示
した断面図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による蒸着用マスク
の上面図である。
【図3】第1実施形態による蒸着用マスクを用いて蒸着
を行う際のプロセスを説明するための模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態による蒸着用マスクの製
造プロセスを説明するための断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による蒸着用マスクの製
造プロセスを説明するための断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による蒸着用マスクの製
造プロセスを説明するための断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による蒸着用マスクの製
造プロセスを説明するための断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態による蒸着用マスクの製
造プロセスを説明するための断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態による蒸着用マスクの製
造プロセスを説明するための断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態による蒸着用マスクの
製造プロセスを説明するための断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態による蒸着用マスクの
製造プロセスを説明するための断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態による蒸着用マスクの
製造プロセスを説明するための断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態による蒸着用マスクの
製造プロセスを説明するための断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による蒸着用マスクの
製造プロセスを説明するための断面図である。
【図15】従来の蒸着用マスクを示した断面図である。
【図16】従来の蒸着用マスクを用いて蒸着する際のプ
ロセスを説明するための模式図である。
【図17】従来の蒸着用マスクを用いた場合の問題点を
説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 支持層 2 エッチングストッパ層 3 マスク層 4 マスクパターン 5 マスク開口部 6 裏面開口部 10 マスク基板 30 被蒸着基板(基板) 50 蒸着源 50a 蒸着粒子 51、52 蒸着物

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸着材料を基板に蒸着する際に用いる蒸
    着用マスクであって、 マスク層を含むマスク基板と、 前記マスク層に形成され、蒸着源の方向に向かって先細
    りした形状のマスク開口部を有するマスクパターンとを
    備えた、蒸着用マスク。
  2. 【請求項2】 前記マスク開口部は、前記マスク層をド
    ライエッチングすることによって形成されたテーパ形状
    の貫通穴を含む、請求項1に記載の蒸着用マスク。
  3. 【請求項3】 前記マスク基板は、さらに、 前記マスク層の支持部となる支持層と、 前記支持層と前記マスク層との間に形成されたエッチン
    グストッパ層とを含む、請求項1または2に記載の蒸着
    用マスク。
  4. 【請求項4】 前記エッチングストッパ層は、前記マス
    ク層をドライエッチングする際のエッチングストッパと
    なる、請求項3に記載の蒸着用マスク。
  5. 【請求項5】 前記マスク層のマスクパターンが形成さ
    れる領域に対応する前記支持層および前記エッチングス
    トッパ層の領域には、前記マスクパターンに達する裏面
    開口部が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の蒸着用マスク。
  6. 【請求項6】 前記エッチングストッパ層は、前記裏面
    開口部の形成時に前記支持層をエッチングする際のエッ
    チングストッパとなる、請求項5に記載の蒸着用マス
    ク。
  7. 【請求項7】 マスク層と、エッチングストッパ層と、
    支持層とを含む蒸着用マスクの製造方法であって、 前記支持層上に前記エッチングストッパ層を介して前記
    マスク層を形成する工程と、 前記エッチングストッパ層をエッチングストッパとし
    て、前記マスク層をドライエッチングすることによっ
    て、蒸着源の方向に向かって先細りしたテーパ形状のマ
    スク開口部を有するマスクパターンを形成する工程と、 前記エッチングストッパ層をエッチングストッパとし
    て、前記マスクパターンを形成した領域に対応する前記
    支持層の領域をエッチングにより除去した後、前記マス
    クパターンを形成した領域に対応する前記エッチングス
    トッパ層の領域を除去することによって、前記マスクパ
    ターンに達する裏面開口部を形成する工程とを備えた、
    蒸着用マスクの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記エッチングストッパ層をエッチング
    ストッパとして前記支持層をエッチングする工程は、 前記エッチングストッパ層と前記支持層とで大きなエッ
    チングレートの差を有するエッチング溶液を用いてエッ
    チングする工程を含む、請求項7に記載の蒸着用マスク
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記エッチングストッパ層をエッチング
    ストッパとして前記支持層をエッチングする工程は、 前記支持層に対してエッチング速度の速いエッチング溶
    液を用いて前記支持層を途中までエッチングする工程
    と、 その後、前記エッチングストッパ層と前記支持層とで大
    きなエッチングレートの差を有するエッチング溶液に切
    り替えて前記支持層の残りの部分をエッチングする工程
    とを含む、請求項7または8に記載の蒸着用マスクの製
    造方法。
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