JP5823746B2 - 医薬組成物 - Google Patents
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Description
そこで、本発明者は、両成分の保存安定性について鋭意検討したところ、クレマスチン又はその塩とキサンチン誘導体とを混合して高温条件下で長期間保存すると、意外にも、これらの成分の間に相互作用が生じ、この相互作用により、混合物の経時的な状態変化(湿潤等)が生じ、保存安定性に問題が生じることを見出した。
医薬品の流通・保存過程においては長期に渡り高温に曝される可能性があるため、医薬組成物には、高温・長期間保存時における保存安定性の向上が要求される。
また、複雑な工程を経ることなく、簡便かつ安価に、クレマスチン又はその塩、及びキサンチン誘導体を含有する、相互作用が抑制された医薬組成物を提供することができる。
、メチル基、モノヒドロキシプロピル基又はジヒドロキシプロピル基を示す。]
ピル基が好ましい。また、ジヒドロキシプロピル基としては、2,3−ジヒドロキシプロピル基が好ましい。
(1)R1がメチル基であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であるものは、カフ
ェインを意味するものである。
(2)R1がメチル基であり、R2がメチル基であり、R3が水素原子であるものは、テオ
フィリンを意味するものである。
(3)R1が水素原子であり、R2がメチル基であり、R3がメチル基であるものは、テオ
ブロミンを意味するものである。
(4)R1がメチル基であり、R2が水素原子であり、R3がメチル基であるものは、パラ
キサンチンを意味するものである。
(5)R1がメチル基であり、R2がメチル基であり、R3が2−ヒドロキシプロピル基で
あるものは、プロキシフィリンを意味するものである。
(6)R1がメチル基であり、R2がメチル基であり、R3が2,3−ジヒドロキシプロピ
ル基であるものは、ジプロフィリンを意味するものである。
なお、キサンチン誘導体としては、上記の一般式(1)で表される化合物そのもののほか、その薬学上許容される塩(例えば、複塩を形成したもの(安息香酸ナトリウムカフェイン(安息香酸ナトリウムとカフェインの複塩)、アミノフィリン(テオフィリンとエチレンジアミンとの複塩))等)、一般式(1)で表される化合物又はその塩と水やアルコール等との溶媒和物を用いることもでき、これらも「キサンチン誘導体」に包含され、上述の化合物(カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、パラキサンチン、プロキシフィリン及びジプロフィリン)には、当該化合物、その塩やそれらの溶媒和物も包含される。なお、本発明においては、これらキサンチン誘導体のうち、1種又は2種以上を用いることができる。
従って、クレマスチン又はその塩、キサンチン誘導体及びトラネキサム酸又はその塩に加えてNSAIDを含有する医薬組成物は、NSAIDに起因する消化管障害が抑制されるため安全性に優れるという有利な効果を有する。特に、NSAIDがロキソプロフェン又はその塩である場合においては、従来よりロキソプロフェンを含有する医薬において投与禁忌とされている消化性潰瘍の罹患者や、慎重投与とされている消化性潰瘍の既往歴のある患者であっても安全に服用することができ、消化性潰瘍の罹患者及び/又は消化性潰瘍の既往歴のある者に投与するための医薬組成物としても利用できるため、好ましい。
試験例3に具体的に開示されているとおり、ロキソプロフェン又はその塩と、クレマスチン若しくはその塩又はキサンチン誘導体とを混合して保存すると、これらの成分の間に相互作用が生じ、この相互作用により混合物の湿潤、固化等の状態変化が生じ、安定性に問題が生じること、当該混合物にさらにトラネキサム酸又はその塩を共存せしめることにより、当該相互作用を抑制することができることが見出された。
従って、本発明の医薬組成物としては、ロキソプロフェン又はその塩と、クレマスチン若しくはその塩又はキサンチン誘導体の相互作用も抑制される点から、クレマスチン又はその塩、キサンチン誘導体及びトラネキサム酸又はその塩に加えて、さらにロキソプロフェン又はその塩を含有する態様の本発明の医薬組成物が、好ましい。
従って、クレマスチン又はその塩、キサンチン誘導体及びトラネキサム酸又はその塩に加えて、さらにロキソプロフェン又はその塩を含有する態様の本発明の医薬組成物は、優れた鎮痛作用を有し、鎮痛用組成物、より具体的には、頭痛、歯痛、抜歯後の疼痛、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、月経痛(生理痛)及び外傷痛から選ばれる1種以上の痛みの鎮痛;のどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の症状の緩和(なお、当該「のどの痛み」としては、かぜの諸症状としてののどの痛み及び急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状としてののどの痛みを含む。また、「頭痛」、「関節の痛み」及び「筋肉の痛み」としては、かぜの諸症状としてのこれらの症状を含む。)に用いられる医薬として好適に利用できる。
(A)クレマスチン又はその塩、キサンチン誘導体、トラネキサム酸又はその塩、及びロキソプロフェン又はその塩を含有する、頭痛、歯痛、抜歯後の疼痛、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、月経痛(生理痛)及び外傷痛から選ばれる1種以上の痛みの鎮痛用組成物、
(B)クレマスチン又はその塩、キサンチン誘導体、トラネキサム酸又はその塩、及びロキソプロフェン又はその塩を含有する、のどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の緩和(かぜの諸症状としてののどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の症状の緩和を含む)用組成物、並びに
(C)クレマスチン又はその塩、キサンチン誘導体、トラネキサム酸又はその塩、及びロキソプロフェン又はその塩を含有する、のどの痛みの緩和(急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状としてののどの痛みの緩和を含む)用組成物
が挙げられ、上記組成物(B)が特に好ましい。
本発明においては、服用の簡便性や薬物服用量の管理等の点で、固形製剤であるのが好ましく、錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤及びカプセル剤からなる群より選ばれる固形製剤であるのがより好ましく、錠剤又はカプセル剤であるのが特に好ましい。
(ロ)クレマスチン又はその塩、及びキサンチン誘導体をそれぞれ適当な方法で別個に造粒して粒状物とし、これらを含有せしめて製した散剤や顆粒剤等、並びに当該粒状物を更に適当な方法で被覆した製剤。
なお、本発明で用いられるトラネキサム酸又はその塩は、いずれか一方の粒状物中に含有させてもよいし、両方の粒状物中に含有させてもよいし、また、これら粒状物とは別に含有させてもよい。
また、(イ)又は(ロ)で製した粒状物がクレマスチンフマル酸塩を含有する場合、当該粒状物中に、セルロースやその誘導体を含有せしめてもよい。
(ハ)上記(イ)又は(ロ)で製した散剤や顆粒剤等をカプセルに充填したカプセル剤。(ニ)上記(イ)又は(ロ)で製した粒状物等を製錠して得た錠剤。
(ホ)クレマスチン又はその塩、及びキサンチン誘導体が互いに接触しないように製した多層錠、並びに当該多層錠を更に適当な方法で被覆した製剤。当該多層錠としては、クレマスチン又はその塩、及びキサンチン誘導体を、互いに異なる層に位置させたものが好ましく、三層以上の多層錠として、クレマスチン又はその塩を含む層とキサンチン誘導体を含む層が互いに接しないように位置させたものがより好ましい。なお、クレマスチン又はその塩、及びキサンチン誘導体として、上記(イ)や(ロ)で製した粒状物を用いることができる。多層錠において、トラネキサム酸又はその塩はクレマスチン又はその塩を含む層か、キサンチン誘導体を含む層のいずれかに位置させてもよいし、分けて、両方の層に位置させてもよい。さらに、いずれかの層の中間層に位置させてもよい。
(ヘ)クレマスチン又はその塩、及びキサンチン誘導体のいずれか一方を核錠に配置し、他方を外殻に配置した有核錠、並びに当該有核錠を更に適当な方法で被覆した製剤。なお、クレマスチン又はその塩、及びキサンチン誘導体として、上記(イ)や(ロ)で製した粒状物を用いることができる。有核錠において、トラネキサム酸又はその塩は核錠に位置させてもよいし、外殻に位置させてもよいし、分けて、核錠と外殻のいずれにも位置させてもよい。
上述の固形製剤は、公知の方法により、糖衣やフィルムコーティング等により、被覆されていてもよい。
気管支拡張剤としては、例えば、トリメトキノール塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩、l−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、l−メチルエフェドリンサッカリン塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、メトキシフェナミン塩酸塩等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等(例えば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル、リン酸リボフラビンナトリウム、パンテノール、パンテチン、パントテン酸ナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸エステル、シアノコバラミン、メコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、ヘスペリジン等)が挙げられる。
制酸剤としては、アミノ酢酸、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、烏賊骨、石決明、ボレイ等が挙げられる。
(a)フマル酸クレマスチン 1.34質量部と低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 150質量部とヒドロキシプロピルセルロース 60質量部とを含有する造粒粒子 211.34質量部、アセトアミノフェン 900質量部、dl−塩酸メチルエフェドリン 60質量部、グアヤコールスルホン酸カリウム 250質量部、トラネキサム酸 420質量部、無水カフェイン 75質量部、乳糖 700質量部、クロスカルメロースナトリウム 50質量部及びステアリン酸マグネシウム 30質量部を含有する、1錠約300mgの錠剤。
(b)以下の組成(1日量として3包)の顆粒剤。
トラネキサム酸 420mg、クレマスチンフマル酸塩 1.34mg、ブロムヘキシン塩酸塩 12mg、ベラドンナ総アルカロイド 0.3mg、アセトアミノフェン 900mg、ジヒドロコデインリン酸塩 24mg、メチルエフェドリン塩酸塩 60mg、ベンフォチアミン 24mg、無水カフェイン 60mg、エリスリトール 50mg、トウモロコシデンプン 50mg、結晶セルロース 適量、アスパルテーム 82mg。(c)以下の組成(1日量)の錠剤。
トラネキサム酸 420mg、クレマスチンフマル酸塩 1.34mg、ブロムヘキシン塩酸塩 12mg、ベラドンナ総アルカロイド 0.3mg、アセトアミノフェン 900mg、ジヒドロコデインリン酸塩 24mg、メチルエフェドリン塩酸塩 60mg、ベンフォチアミン 24mg、無水カフェイン 60mg、乳糖 適量、結晶セルロース 適量、ポリビニールアルコール 1mg、軽質無水ケイ酸 24mg、ステアリン酸マグネシウム 微量。
当該容器は透明、半透明、不透明のいずれでもよい。
[試験例1]クレマスチンフマル酸塩と無水カフェインの相互作用の検討
以下に示すサンプル1−A〜1−Bをそれぞれ調製後60℃で19日間保存し、保存開始直後、1日後、2日後、6日後及び19日後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表1に示す。
クレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩)10mg及び無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製:商品名 無水カフェイン)1866mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル1−Aを得た。
〔サンプル1−B〕
クレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩)2mg、無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製:商品名 無水カフェイン)373.2mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)1119.4mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル1−Bを得た。
一方、クレマスチンフマル酸塩、無水カフェインに、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、19日間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、クレマスチン又はその塩と、無水カフェインを包含するキサンチン誘導体との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
8週齢のWistar系雄性ラットを用い、被験薬物投与群、及び溶媒投与群(対照群)それぞれ1群当り4〜8匹として試験を実施した。ラットは、試験開始の16時間以上前より絶食とした。水の摂取は試験開始前1時間までは自由摂取とし、以後絶水とした。
被験薬物として、クレマスチンフマル酸塩(以下、「CF」と表記する。)を0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁し、所定量(1mg/5mL/kg体重)を経口投与した。また、溶媒投与群には0.5%メチルセルロース溶液のみ(以下、「0.5%MC」と表記する。)をそれぞれ同容量(5mL/kg)経口投与した。
被験薬物又は溶媒の投与1時間後に、ロキソプロフェンナトリウム水和物120mg/2mL生理食塩水/kg体重を経口投与し、胃粘膜障害を誘発した。ロキソプロフェンナトリウム水和物の投与5時間後、ラットを頚椎脱臼により安楽死させ、噴門部を結紮し胃を摘出した。幽門部から胃内に1%ホルマリン溶液10mLを注入し、幽門部を結紮後、胃全体を同ホルマリン溶液中に約20分間浸漬して軽度に固定した。
試験例3−1 ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩の相互作用の検討
以下に示すサンプル3−1−A〜3−1−Cをそれぞれ調製後60℃で1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表3に示す。
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及びクレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩)1.34mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル3−1−Aを得た。
〔サンプル3−1−B〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、クレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩)1.34mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル3−1−Bを得た。
〔サンプル3−1−C〕
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、クレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩)1.34mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル3−1−Cを得た。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、クレマスチンフマル酸塩に、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、クレマスチン又はその塩との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
以下に示すサンプル3−2−A〜3−2−Cをそれぞれ調製後40℃75%RHで1週間保存し、保存開始直後、1日後、3日後及び1週間後におけるサンプル中の混合物の状態を評価し、相互作用の有無を確認した。結果を表4に示す。
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg及び無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製:商品名 無水カフェイン)250mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル3−2−Aを得た。
[サンプル3−2−B]
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製:商品名 無水カフェイン)250mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、ガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル3−2−Bを得た。
[サンプル3−2−C]
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物)204.3mg、無水カフェイン(静岡カフェイン工業所製:商品名 無水カフェイン)250mg及びトラネキサム酸(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方 トラネキサム酸)750mgを混合して混合物を得、乾燥剤である合成ゼオライト(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)1gとともにガラス瓶(3K規格瓶)に入れて、サンプル3−2−Cを得た。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物、無水カフェインに、さらにトラネキサム酸を加えて混合した混合物においては、1週間保存後も保存開始直後と同様に白色粉体の状態が保たれることが判明した。
以上の試験結果から、トラネキサム酸又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩と、無水カフェインを包含するキサンチン誘導体との相互作用を抑制する作用を有することが明らかとなった。
5〜6週齢のWistar系雄性ラットの右後肢足の疼痛閾値を測定し、「炎症惹起前疼痛閾値」とした。
炎症惹起前疼痛閾値の測定後、右後肢足蹠に20%酵母液を100μL皮下投与して炎症を惹起した。炎症惹起3時間後に疼痛閾値を測定し、「薬物投与前疼痛閾値」とした。
薬物投与前疼痛閾値の測定直後に被験薬物を経口投与し、当該薬物投与の1時間後を測定ポイントとして疼痛閾値を測定し、「薬物投与後疼痛閾値」とした。
なお、疼痛閾値は、ランダルセリット式鎮痛効果測定装置(MK−201D:室町機械(株)製)を用いて測定した。
1:ロキソプロフェンナトリウム水和物 単独投与群(以下、「LX単独」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
クレマスチンフマル酸塩を3mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
3:クレマスチンフマル酸塩30mg/kg 単独投与群(以下、「CF単独(30mg/kg)」と表記する。)
クレマスチンフマル酸塩を30mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
4:ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩3mg/kgの2成分併用投与群(以下、「LX+CF(3mg/kg)」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、クレマスチンフマル酸塩を3mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて、同時に投与した。
5:ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩30mg/kgの2成分併用投与群(以下、「LX+CF(30mg/kg)」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、クレマスチンフマル酸塩を30mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて、同時に投与した。
結果を表5に示す。なお、疼痛改善率は、各群当りの平均値±標準誤差で表示した。
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
無水カフェイン 150mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1188.46mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
無水カフェイン 75mg
トラネキサム酸 750mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1263.46mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
無水カフェイン 75mg
トラネキサム酸 750mg
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1059.16mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
無水カフェイン 75mg
トラネキサム酸 750mg
イブプロフェン 450mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 813.46mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
6錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
トラネキサム酸 750mg
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
ブロムヘキシン塩酸塩 12mg
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩) 25mg
リボフラビン(ビタミンB2) 12mg
無水カフェイン 150mg
トレハロース 440mg
結晶セルロース 317.36mg
マクロゴール6000 60mg
クロスカルメロースナトリウム 240mg
ポリビニールアルコール 1mg
軽質無水ケイ酸 24mg
硬化油 65mg
ステアリン酸マグネシウム 44mg
6錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
トラネキサム酸 750mg
イブプロフェン 450mg
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
ブロムヘキシン塩酸塩 12mg
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩) 25mg
リボフラビン(ビタミンB2) 12mg
無水カフェイン 150mg
トレハロース 440mg
結晶セルロース 71.66mg
マクロゴール6000 60mg
クロスカルメロースナトリウム 240mg
ポリビニールアルコール 1mg
軽質無水ケイ酸 24mg
硬化油 65mg
ステアリン酸マグネシウム 44mg
第十五改正日本薬局方 製剤総則の「顆粒剤」の項に準じてA顆粒及びB顆粒を製造した後混合し、3包(1日量)中に以下の成分を含有する顆粒剤を常法により製造した。
<A顆粒>
トラネキサム酸 750mg
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
ブロムヘキシン塩酸塩 12mg
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
リボフラビン(ビタミンB2) 6.5mg
無水カフェイン 75mg
エリスリトール 973.5mg
結晶セルロース 445.7mg
プルラン 120mg
アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS 96mg
クロスカルメロースナトリウム 40mg
アスパルテーム(L−フェニルアラニン化合物) 18mg
<B顆粒>
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg
チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩) 25mg
リボフラビン(ビタミンB2) 5.5mg
トレハロース 590.2mg
結晶セルロース 100mg
プルラン 64mg
アスパルテーム(L−フェニルアラニン化合物) 64mg
第十五改正日本薬局方 製剤総則の「顆粒剤」の項に準じてA顆粒及びB顆粒を製造した後混合し、3包(1日量)中に以下の成分を含有する顆粒剤を常法により製造した。
<A顆粒>
イブプロフェン 450mg
ブロムヘキシン塩酸塩 12mg
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
リボフラビン(ビタミンB2) 6.5mg
無水カフェイン 75mg
エリスリトール 973.5mg
結晶セルロース 200mg
プルラン 120mg
アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS 96mg
クロスカルメロースナトリウム 40mg
アスパルテーム(L−フェニルアラニン化合物) 18mg
<B顆粒>
トラネキサム酸 750mg
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩) 25mg
リボフラビン(ビタミンB2) 5.5mg
トレハロース 590.2mg
結晶セルロース 100mg
プルラン 64mg
アスパルテーム(L−フェニルアラニン化合物) 64mg
実施例1で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
実施例2で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
実施例3で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
実施例4で得た錠剤30錠及び合成ゼオライト1g(新越化成工業製:商品名 MS−W1506)をガラス瓶(3K規格瓶)に入れ、医薬製剤を製した。
実施例5で得た錠剤12錠をアルミPTP包装した。
実施例6で得た錠剤12錠をアルミPTP包装した。
Claims (10)
- クレマスチン又はその塩、カフェイン、及びトラネキサム酸又はその塩を含有する医薬組成物。但し、以下の(1)〜(4)のものを除く。
(1)イブプロフェンと、トラネキサム酸及び/またはその塩と、アスコルビン酸及び/またはその塩とを含有することを特徴とする、解熱鎮痛組成物。
(2)メロキシカム、セラペプターゼ、トラネキサム酸、フマル酸クレマスチン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸dl−メチルエフェドリン、塩酸アンブロキソール、無水カフェイン、炭酸マグネシウム、カルシウムカルボキシメチルセルロース、マンニトール、とうもろこしでんぷん、アスパルテーム、アセサルフェームカリウム及び香料を含有する顆粒。
(3)フマル酸クレマスチンと低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとヒドロキシプロピルセルロースとからなる造粒粒子、アセトアミノフェン、dl−塩酸メチルエフェドリン、グアヤコールスルホン酸カリウム、トラネキサム酸、無水カフェイン、乳糖、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含有する錠剤。
(4)トラネキサム酸、クレマスチンフマル酸塩、ブロムヘキシン塩酸塩及び抗コリン剤を含有し、さらに、カフェインを含有することを特徴とする鼻炎用経口組成物。 - クレマスチン又はその塩が、クレマスチンフマル酸塩である請求項1記載の医薬組成物。
- クレマスチン又はその塩を、クレマスチンのフリー体換算で0.01〜5mgを1日量として含有する請求項1又は2記載の医薬組成物。
- カフェインが、カフェイン水和物、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン及びクエン酸カフェインからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成物。
- カフェインを、10〜1000mgを1日量として含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
- トラネキサム酸又はその塩を、トラネキサム酸のフリー体換算で50〜2000mgを1日量として含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の医薬組成物。
- さらにNSAIDを含有するものである請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬組成物。
- NSAIDがイブプロフェン及びロキソプロフェン並びにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である請求項7記載の医薬組成物。
- 固形製剤である、請求項1〜8のいずれか1項記載の医薬組成物。
- 剤形が、錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤又はカプセル剤である請求項1〜9のいずれか1項記載の医薬組成物。
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