JP5823640B1 - 遊技機用封止構造及び遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止対象穴に嵌め込まれた封止部材のガタツキを低減することのできる遊技機用封止構造を提供する。【解決手段】封止部材100に設けられた係合部Aと被封止部材200に設けられた係合部Bとが互いに係合することによって、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100の抜け止めが行われるようにするとともに、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態にあるときには、係合部Aと係合部Bとの係合を阻害しない退避位置へ変位しながらも、係合部Aと係合部Bとの係合が完了した係合完了状態となったときには、係合面α1と係合面β1との間に形成される隙間内に突出した突出位置へ変位する隙間埋め用変位部Cを、封止対象穴210の内周部又は封止部材100の外周部における少なくとも一方に設けた。【選択図】図9

Description

本発明は、その奥部に封止対象箇所を有する封止対象穴に封止部材を嵌め込むことにより、封止対象箇所が封止された状態とする遊技機用封止構造と、この遊技機用封止構造を用いて封止対象箇所を封止した遊技機とに関する。
遊技機は、様々な不正行為の対象となりうる。例えば、遊技機の筺体内部には、各種の制御基板が収容されているが、これらの制御基板における記憶装置(通常はROM)を偽造されたもの(いわゆる偽造ROM)に差し替えるという不正行為が知られている。この種の不正行為を防止するため、遊技機の各メーカーは、制御基板等の不正行為の対象となる機器をカバーで覆った状態で遊技機の筺体内部に収容し、当該機器への不正行為目的でのアクセス(以下、「不正アクセス」という。)を行いにくくする対策を行っている。この種のカバーは、ネジ止めによって固定されることが多いが、ネジが取り外された場合にその痕跡が残るようにして不正行為を発見しやすくするため、或いは、ネジを取り外しにくくして不正行為を行いにくくするために、カバーに設けた穴(封止対象穴)の奥部でネジ止めを行って、その封止対象穴に封止部材を嵌め込むことも行われている。
例えば、特許文献1には、同文献の図6に示されるように、円筒部51と、円筒部51の上端に形成されたフランジ部52と、円筒部51の外周面から外方に突出する係合突起53とで構成された遮蔽キャップ50(封止部材)を、同文献の図5に示されるように、サブ基板カバー30(カバー)に設けた結合ネジ挿入孔31(封止対象穴)に嵌め込み、同文献の図10に示されるように、係合突起53を係合開口32bに係合させる封止構造が開示されている(同文献の段落0027を参照)。
特許文献1の遊技機用封止構造では、同文献の図10に示されるように、遮蔽キャップ50(封止部材)の係合突起53の係合面(係合突起53の上向面)と、結合ネジ挿入孔31(封止対象穴)の開口端近傍に位置する内向フランジ部の係合面(当該内向フランジ部における下向面)とが互いに係合することで、遮蔽キャップ50(封止部材)の抜け止めが行われる構造となっている。これにより、遮蔽キャップ50(封止部材)を破壊する等して結合ネジ挿入孔31(封止対象穴)から取り外さない限りは、結合ネジ45(ネジ)を取り外すことができないようにすることが可能になり、不正アクセスを防止するだけでなく、仮に不正アクセスが為された場合であってもその痕跡が遮蔽キャップ50(封止部材)に残るようにして、不正アクセスが為されたことを容易に発見することができるようになるとされている(同文献の段落0038を参照)。
しかし、本願の図16に示すように、封止部材100に設けられた係合部Aを、カバー200における封止対象穴210の内周部に設けられた係合部Bに係合させることで、封止部材100の抜け止めを行う封止構造では、封止部材100を封止対象穴210に嵌め込んだ状態において、係合部Aの係合面αと、係合部Bの係合面βとの間に隙間εができるように各部材の寸法を設定しておく必要があった。というのも、この種の遊技機用封止構造において、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込む際には、本願の図17に示すように、係合部Aと係合部Bとが相手方から押圧力を受けることで互いに押し広げられる向きに弾性的に変位した後、本願の図16に示すように、係合部Aと係合部Bとが初期位置へ復帰することで、係合部Aと係合部Bとが互いに係合した状態となるところ、係合面αと係合面βとの間に隙間εが存在しないと、係合部Aが係合部Bを乗り越える深さまで封止部材100を封止対象穴210に対して挿入することができず、係合部Aと係合部Bとを互いに係合させることができないからである。
このため、封止部材100に設けられた係合部Aを、封止対象穴210の内周部に設けられた係合部Bに係合させることで、封止部材100の抜け止めを行う封止構造においては、隙間εの存在によって、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100にガタツキが生じるという問題があった。したがって、遊技機の輸送時等に封止部材100が振動するようなことがあると、封止部材100やカバー200が傷付いたり、封止部材100やカバー200から樹脂の粉が発生したりする(封止部材100やカバー200は、通常、樹脂によって形成される。)こともあり、封止部材100やカバー200が新品の状態にあるにもかかわらず、不正アクセスが為されたと誤解される虞があった。
特開2003−340092号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、封止対象穴に嵌め込まれた封止部材のガタツキを低減することのできる遊技機用封止構造を提供するものである。また、この遊技機用封止構造を用いて封止対象箇所を封止した遊技機を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
その奥部に封止対象箇所を有する封止対象穴に封止部材を嵌め込むことにより、封止対象箇所が封止された状態とする遊技機用封止構造であって、
係合面αを有する係合部Aが、封止部材に設けられる一方、
封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ際に係合面αに対向する係合面βを有する係合部Bが、封止対象穴に設けられ、
係合部Aと係合部Bとが互いに係合することによって、封止対象穴に嵌め込まれた封止部材の抜け止めが行われるようにするとともに、
封止対象穴に封止部材を嵌め込む際に、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態にあるときには、係合部Aと係合部Bとの係合を阻害しない退避位置へ変位しながらも、係合部Aと係合部Bとの係合が完了した係合完了状態となったときには、係合面αと係合面βとの間に形成される隙間(係合隙間)内に突出した突出位置へ変位する隙間埋め用変位部Cが、封止対象穴の内周部又は封止部材の外周部における少なくとも一方に設けられたことを特徴とする遊技機用封止構造
を提供することによって解決される。
ここで、「封止対象箇所」とは、それに対するアクセスを制限するために封止を行う必要がある箇所のことをいう。具体的には、遊技機を制御するためのプログラムが記録された記憶装置等、不正行為の対象となる機器を覆うカバーを固定するためにネジ止めした箇所等が例示される。
また、「封止対象穴」とは、その入口となる開口部分を有し、その奥部に封止対象箇所が設けられた穴状の部分のことをいう。封止対象穴の内周面や底面は、必ずしも、面状に連続して形成されている必要はない。
さらに、「係合部Aと係合部Bとの係合を阻害しない退避位置へ変位する隙間埋め用変位部C」との記載は、退避位置にある隙間埋め用変位部Cが係合部A又は係合部Bに当接しない構造に限定するものではない。すなわち、退避位置にある隙間埋め用変位部Cが係合部A又は係合部Bに当接する構造であっても、係合部Aと係合部Bとの当接によって生ずる抵抗力(封止部材を封止対象穴に嵌め込む際に封止部材を嵌め込む向きとは逆向きに生ずる抵抗力。以下同じ。)に比して、隙間埋め用変位部Cと係合部A又は係合部Bとの当接によって生ずる抵抗力が小さく、隙間埋め用変位部Cと係合部A又は係合部Bとが当接したことによって、係合部Aと係合部Bとの係合が著しく困難とならないのであれば、上記記載の要件を満たすものとする。
さらにまた、「係合面αと係合面βとの間に形成される隙間(係合隙間)」とは、係合部Aと係合部Bとの係合が完了した係合完了状態となったときに、係合面αの延長面と係合面βの延長面との間に形成される空間領域のことをいい、係合面αと係合面βとの間に位置する空間領域のみに限定されない。
このように、係合部Aと係合部Bとの係合が完了したときに係合面αと係合面βとの間に形成される係合隙間内に突出変位する隙間埋め用変位部Cを設けることにより、封止対象穴に嵌め込まれた封止部材がガタつく(振動する)ことのできる振幅範囲(以下、「封止部材のガタツキ振幅」と呼ぶことがある。)を係合隙間の幅よりも狭くすることが可能になる。したがって、封止対象穴に嵌め込まれた封止部材のガタツキを低減することが可能になる。よって、遊技機の輸送時等において、封止部材や、封止対象穴が形成された部材(上述したカバー等。以下において「被封止部材」と呼ぶことがある。)が傷付きにくくすることや、封止部材や被封止部材から樹脂の粉等の材料粉が発生しにくくすることも可能になり、封止部材や被封止部材が新品の状態にあるにもかかわらず、不正アクセスが為されたと誤解されないようにすることもできる。
本発明の遊技機用封止構造において、隙間埋め用変位部Cは、封止対象穴の内周部又は封止部材の外周部における双方に設けてもよいが、この場合には、封止部材や被封止部材の形態が複雑になる虞がある。また、隙間埋め用変位部Cは、封止対象穴の内周部又は封止部材の外周部のうち一方のみに設けていれば、係合隙間を埋めるというその機能は達成される。このため、隙間埋め用変位部Cは、通常、封止対象穴の内周部又は封止部材の外周部のうち一方のみに設けられる。以下においては、隙間埋め用変位部Cを封止対象穴の内周部に設ける場合と、封止部材の外周部に設ける場合とのそれぞれに分けて、本発明の遊技機用封止構造について説明する。
まず、隙間埋め用変位部Cを封止対象穴の内周部に設ける場合について説明する。この場合には、隙間埋め用変位部Cは、通常、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態にあるときに、外方(封止対象穴の中心から見て突出位置よりも遠くなる側)の退避位置へ変位し、係合途中状態から係合完了状態へと移行するときに、内方(封止対象穴の中心から見て退避位置よりも近くなる側)の突出位置へ変位するようにされる。これにより、係合途中状態においては、隙間埋め用変位部Cが係合部A又は係合部Bと干渉しないようにしながらも、係合完了状態においては、隙間埋め用変位部Cを係合隙間内に大きく突出させることが可能になり、封止部材のガタツキ振幅をさらに狭めることができる。以下においては、この遊技機用封止構造を「外方退避タイプの遊技機用封止構造」と呼ぶことがある。
この外方退避タイプの遊技機用封止構造は、例えば、以下の構造を採用することによって実現することができる。
すなわち、
その先端部が封止対象穴の外方へ弾性的に変位可能な揺動片部Dを、封止対象穴の内周部に設け、
係合部Bを、揺動片部Dにおける先端部から突出して設けるとともに、
隙間埋め用変位部Cを、係合部Bと所定間隔を隔てた状態で、揺動片部Dにおける先端部から突出して設け、
係合途中状態において係合部Bが係合部Aから押圧力を受けた際に、揺動片部Dの先端部が係合部Bとともに封止対象穴の外方へ変位するのに伴って、隙間埋め用変位部Cが封止対象穴の外方の退避位置へ変位するようにする
構造である。
これにより、外方退避タイプの遊技機用封止構造を、簡素な構造で実現することが可能になる。
外方退避タイプの遊技機用封止構造においては、隙間埋め用変位部Cにおける係合完了状態で係合面α側を向く面γを、係合面α側へ凸な曲面とすることも好ましい。これにより、退避位置にある隙間埋め用変位部Cが係合隙間内の突出位置へスムーズに変位できるようにするだけでなく、係合完了状態において隙間埋め用変位部Cを係合面αに当接させて、封止部材のガタツキ振幅を実質的に0(ゼロ)にすることも可能になる。このとき、隙間埋め用変位部Cの面γは、その具体的な形態を特に限定されないが、その断面(隙間埋め用変位部Cを封止対象穴の中心線を含む平面で切断したときの断面)が、係合完了状態で係合面α側へ凸な円弧状を為すように形成すると好ましい。これにより、上述した効果が奏されやすくすることが可能になる。
続いて、隙間埋め用変位部Cを封止部材の外周部に設ける場合について説明する。この場合には、隙間埋め用変位部Cは、通常、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態にあるときに、内方(封止部材の中心から見て突出位置よりも近くなる側)の退避位置へ変位し、係合途中状態から係合完了状態へと移行するときに、外方(封止部材の中心から見て退避位置よりも遠くなる側)の突出位置へ変位するようにされる。これにより、係合途中状態においては、隙間埋め用変位部Cが係合部A又は係合部Bと干渉しないようにしながらも、係合完了状態においては、隙間埋め用変位部Cを係合隙間内に大きく突出させることが可能になり、封止部材のガタツキ振幅をさらに狭めることができる。以下においては、この遊技機用封止構造を「内方退避タイプの遊技機用封止構造」と呼ぶことがある。
この内方退避タイプの遊技機用封止構造は、例えば、以下の構造を採用することによって実現することができる。
すなわち、
その先端部が封止部材の内方へ弾性的に変位可能な揺動片部Dを、封止部材の外周部に設け、
係合部Aを、揺動片部Dにおける先端部から突出して設けるとともに、
隙間埋め用変位部Cを、係合部Aと所定間隔を隔てた状態で、揺動片部Dにおける先端部から突出して設け、
係合途中状態において係合部Aが係合部Bから押圧力を受けた際に、揺動片部Dの先端部が係合部Aとともに封止部材の内方へ変位するのに伴って、隙間埋め用変位部Cが封止部材の内方の退避位置へ変位するようにする
構造である。
これにより、内方退避タイプの遊技機用封止構造を、簡素な構造で実現することが可能になる。
内方退避タイプの遊技機用封止構造においては、隙間埋め用変位部Cにおける係合完了状態で係合面β側を向く面γを、係合面β側へ凸な曲面とすることも好ましい。これにより、退避位置にある隙間埋め用変位部Cが係合隙間内の突出位置へスムーズに変位できるようにするだけでなく、係合完了状態において隙間埋め用変位部Cを係合面βに当接させて、封止部材のガタツキ振幅を実質的に0(ゼロ)にすることも可能になる。このとき、隙間埋め用変位部Cの面γは、その具体的な形態を特に限定されないが、その断面(隙間埋め用変位部Cを封止部材の中心線を含む平面で切断したときの断面)が、係合完了状態で係合面β側へ凸な円弧状を為すように形成すると好ましい。これにより、上述した効果が奏されやすくすることが可能になる。
本発明の遊技機用封止構造において、係合面αや係合面βは、封止部材を嵌め込む方向に対して垂直に設けてもよいが、封止部材を嵌め込む方向に垂直な面に対して傾斜させると好ましい。これにより、封止対象穴に嵌め込まれた封止部材を引き抜こうとした際に、係合部A及び係合部Bが深く噛み合うようになり、封止対象穴から封止部材をより引き抜きにくくすることが可能になる。また、係合面αや係合面βを傾斜させた場合には、係合部Aが係合部Bを乗り越える深さまで封止部材を封止対象穴に挿入できるようにするために、係合隙間をより広く確保する必要が生じ、封止部材のガタツキ振幅も大きくなりやすいところ、本発明の遊技機用封止構造を採用する意義を高めることも可能になる。
以上で述べた本発明の遊技機用封止構造は、回胴式遊技機やパチンコ遊技機等の各種遊技機における封止対象箇所を封止する際に、好適に採用することができるものとなっている。
以上のように、本発明によって、封止対象穴に嵌め込まれた封止部材のガタツキを低減することのできる遊技機用封止構造を提供することが可能になる。また、この遊技機用封止構造を用いて封止対象箇所を封止した遊技機を提供することも可能になる。
回胴式遊技機を前面側から見た正面図である。 図1の回胴式遊技機における前扉を開いた状態を示した斜視図である。 第一実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込む前の状態を示した前方斜視図である。 第一実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ後の状態を示した前方斜視図である。 第一実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込む前の状態を、y−z平面に平行で封止部材のスリットを通る平面で切断した後方断面斜視図である。 第一実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材のスリットを通る平面で切断した後方断面斜視図である。 第一実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込む前の状態を、y−z平面に平行で封止部材の中心線Lを含む平面で切断した断面図である。 第一実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んでいる途中の状態を、y−z平面に平行で封止部材の中心線Lを含む平面で切断した断面図である。 第一実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材の中心線Lを含む平面で切断した断面図である。 第二実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込む前の状態を、y−z平面に平行で封止部材のスリットを通る平面で切断した後方断面斜視図である。 第二実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材のスリットを通る平面で切断した後方断面斜視図である。 第二実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材の中心線Lを含む平面で切断した断面図である。 第三実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込む前の状態を、y−z平面に平行で封止部材のスリットを通る平面で切断した後方断面斜視図である。 第三実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材のスリットを通る平面で切断した後方断面斜視図である。 第三実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材の中心線Lを含む平面で切断した断面図である。 従来の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ後の状態を封止部材の中心線を含む平面で切断した状態を示した断面図である。 従来の遊技機用封止構造において、封止対象穴に封止部材を嵌め込んでいる途中の状態を封止部材の中心線を含む平面で切断した状態を示した断面図である。
本発明の遊技機用封止構造の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、説明の便宜上、回胴式遊技機(スロットマシン)を例に挙げて本発明の遊技機用封止構造を説明するが、本発明の遊技機用封止構造は、パチンコ遊技機等、回胴式遊技機以外の遊技機においても採用することができる。
0.回胴式遊技機
図1は、回胴式遊技機10を前面側から見た正面図である。回胴式遊技機10は、図1に示すように、メダルを投入するためのメダル投入口11と、メダルを払い出すためのメダル払出口12と、その外周面に図柄が描かれた3本のリール13,14,15と、映像演出を行うための液晶ディスプレイ16と、照明演出を行うための発光ランプ(図示省略)と、音声演出を行うためのスピ−カー17等を備えたものとなっており、操作部として、1遊技当たりの最大枚数(通常3枚)のメダルをベットするためのマックスベットボタン18と、ベットするメダルを1枚ずつ増加するためのシングルベットボタン19と、リール13,14,15の回転を開始するためのスタートレバー20と、リール13,14,15の回転をそれぞれ停止するための3個のストップボタン21,22,23と、演出を切り替えるためのチャンスボタン24と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン25等を有するものとなっている。
回胴式遊技機10では、メダルのクレジット枚数が所定枚数以上となった状態でスタートレバー20が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール13,14,15が一斉に回転を開始し、ストップボタン21,22,23がそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン21,22,23に対応するリール13,14,15の回転が停止していき、全てのリール13,14,15が停止したときにリール窓10aの有効ライン上に表示される図柄の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)に、その役に応じた枚数のメダルが払い出され、メダルのクレジット枚数が上限値に達しているときには、筺体内のメダルホッパー26(図2)から送出されたメダルがメダル払出口12を通じて払い出されるようになっている。メダルのクレジット枚数は、メダルのクレジット枚数が上限値に達していないときに、メダル投入口11にメダルが投入される、又は、入賞によってメダルが払い出されると増加するようになっている。
図2は、図1の回胴式遊技機10における前扉を開いた状態を示した斜視図である。回胴式遊技機10の筺体内には、図2に示すように、メイン制御基板ユニット30、サブ制御基板ユニット31、液晶ユニット32、電源ユニット33及びコネクタユニット34等の各種機器が納められている。メイン制御基板ユニット30は、役抽選や入賞判定等、遊技における基本的な制御を行うメイン制御基板が格納されたユニットである。サブ制御基板ユニット31は、発光ランプや音声による演出等、遊技における演出に関する制御を行うサブ制御基板が格納されたユニットである。液晶ユニット32は、液晶ディスプレイ16(図1)に表示される映像による演出に関する制御を行う映像基板が格納されたユニットである。電源ユニット33は、回胴式遊技機10における各機器に電力を供給する電源基板が格納されたユニットである。コネクタユニット34は、特定の機器に接続されたケーブルを仲介する仲介基板が格納されたユニットである。回胴式遊技機10の筺体内には、上で述べたユニット以外にも、リール13,14,15の回転を制御するリール制御基板が格納されたリール制御ユニットや、メダルホッパー26からのメダルの払出しを制御する払出し制御基板が格納された払出しユニット等のユニットが納められている。
このように、回胴式遊技機10の筺体内には、メイン制御基板、サブ制御基板、映像基板、電源基板、仲介基板、リール制御基板又は払出し制御基板等、各種の電子基板が格納されているが、これらの電子基板は、いずれも不正アクセスの対象となり得る。このため、メイン制御基板ユニット30、サブ制御基板ユニット31、液晶ユニット32、電源ユニット33及びコネクタユニット34等の各ユニットは、それに格納される電子基板をカバーで覆って封止した構造とする必要がある。この種のカバーは、電子基板の下面(電子部品が実装されない面)側を覆う下側カバーと、電子基板の上面(電子部品が実装される面)側を覆う上側カバーとで構成され、上側カバーを下側カバーに対してネジ止めすることで、互いに一体化される構造を有していることが多いが、本発明の遊技機用封止構造は、上側カバー又は下側カバーにおけるネジ止めされる箇所を封止する場合に好適に採用することができる。
以下においては、メイン制御基板ユニット30の上側カバーに設けた穴(封止対象穴)の奥部で上記のネジ止めを行い、この穴(封止対象穴)に封止部材を嵌め込むことで、そのネジ止めした箇所(封止対象箇所)を封止する場合を例に挙げて、本発明の遊技機用封止構造を説明するが、以下で述べた構成は、メイン制御基板ユニット30に限らず、サブ制御基板ユニット31等の他のユニットにおいても好適に採用することができる。また、ネジ止めを行う穴(封止対象穴)は、上側カバーに設ける必要は特になく、下側カバー等の他の部材に設けることもできる。
1. 第一実施態様の遊技機用封止構造
まず、第一実施態様の遊技機用封止構造について説明する。図3〜9はいずれも、第一実施態様の遊技機用封止構造を図示したものである。図3は、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込む前の状態を、図4は、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込んだ後の状態を、それぞれ示した前方斜視図である。また、図5は、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込む前の状態を、図6は、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込んだ後の状態を、それぞれy−z平面に平行で封止部材100のスリット112を通る平面で切断した後方断面斜視図である。さらに、図7は、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込む前の状態を、図8は、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込んでいる途中の状態を、図9は、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込んだ後の状態を、それぞれy−z平面に平行で封止部材100の中心線Lを含む平面で切断した断面図である。
第一実施態様の遊技機用封止構造は、図3〜9に示すように、被封止部材200に形成された封止対象穴210に封止部材100を嵌め込むことにより、封止対象穴210の奥部に位置する封止対象箇所(図9において網掛けハッチングで示した部分211を参照)を封止部材100で封止された状態とするためのものとなっている。図3〜9に示した被封止部材200は、図2に示したメイン制御基板ユニット30の上側カバーに相当する部材となっている。メイン制御基板ユニット30における他の部材(メイン制御基板や下側カバー等)については、図3〜9においては図示を省略している。この第一実施態様の遊技機用封止構造は、上述した「外方退避タイプの遊技機用封止構造」に相当するものとなっている。
1.1 封止部材
第一実施態様の遊技機用封止構造において、封止部材100は、図3に示すように、封止対象穴210に挿入される挿入部110と、挿入部110の一端側に設けられた蓋部120とで構成されている。封止部材100は、別個に形成された挿入部110と蓋部120とを組み合わせる等、別個に形成された部材を組み合わせることによって形成されたものであってもよいが、通常、射出成形等によりその全体が一体的に形成されたものとされる。封止部材100を形成する素材は、特に限定されないが、通常、樹脂とされ、好ましくは、透明な樹脂が用いられる。透明な樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートや、ポリスチレンや、ABS樹脂や、アクリルや、ポリカーボネート等が例示される。このように、透明な樹脂で封止部材100を形成することにより、封止部材100を封止対象穴210に嵌め込んだ状態であっても、封止対象箇所211を視認することが可能になり、不正アクセスの痕跡を発見しやすくすることができる。
1.1.1 挿入部
挿入部110は、封止対象穴210に嵌め込むことができるのであれば、その形態を特に限定されないが、図8に示すように、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態にあるときに、係合部Aが挿入部110(封止部材100)の内方へと変位できるようにするために、その内部が中空な筒状とすると好ましい。挿入部110の形態としては、円筒や楕円筒のように、その周壁が曲面部のみからなる形態や、多角筒のように、その周壁が平面部のみからなる形態のほか、その周壁に曲面部と平面部とが混在する形態等が例示される。挿入部110の太さ(外径)は、一定である必要は特になく、場所によって異なっていてもよい。第一実施態様の遊技機用封止構造において、挿入部110は、図3に示すように、その先端(y軸方向正側の端部)近傍の外周面がテーパー状に形成された筒状を為している。挿入部110の先端近傍の外周面をテーパー状に形成したことで、挿入部110を封止対象穴210に挿入しやすくなっている。
挿入部110の周壁部分には、図3に示すように、係合面αを有する係合部Aが設けられている。係合部Aの係合面αは、図6に示すように、封止部材100を封止対象穴210に嵌め込んだ際に、封止対象穴210の内周部に設けられた係合部Bの係合面βに係合するための部分となっている。このように、係合部Aの係合面αと係合部Bの係合面βとが係合する構造を採用することにより、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100を封止対象穴210に保持させるだけでなく、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100が引き抜かれないようにすることが可能となっている。
係合部Aは、封止部材100の1箇所のみに設けてもよいが、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100をより引き抜きにくくすること等を考慮すると、複数箇所に設けると好ましい。ただし、係合部Aを多く設けすぎると、封止部材100の形態が複雑になりすぎて、その成形が困難になる虞もある。このため、係合部Aの個数は、通常、8個以下、好ましくは、6個以下、より好ましくは、4個以下とされる。係合部Aを複数箇所に設ける場合、係合部Aの配置は、特に限定されないが、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100の安定性等を考慮すると、図5に示すように、封止部材100の中心線Lに対して回転対称となるように係合部Aを配置すると好ましい。第一実施態様の遊技機用封止構造においては、2個の係合部Aを、封止部材100の挿入部110の周壁部分における対向する箇所に設けている。
係合部Aは、係合部Bの係合面βに係合可能な係合面αを有するのであれば、その形態を特に限定されない。係合部Aは、挿入部110の外周面から内方に窪んだ凹部とすることもできるが、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、図5に示すように、挿入部110の外周面から外方に突出する凸部としており、当該凸部における封止部材100の嵌め込み方向手前側(y軸方向負側)を向く面が係合面αとなるようにしている。第一実施態様の遊技機用封止構造において、係合面αは、封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)に垂直な面(x−z平面に平行な面)に対して傾斜させており、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100を引き抜こうとした際に、係合部A及び係合部Bが互いに深く噛み合うようにしている。
このように、係合面αを傾斜させる場合、係合面αの傾斜角度(封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)に垂直な面(x−z平面に平行な面)に対して係合面αが為す傾斜角度。図7の傾斜角度θを参照。)をどの程度とするかは特に限定されない。しかし、係合面αの傾斜角度θを小さくしすぎる(0°に近づけすぎる)と、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100を引き抜こうとした際に、係合部A及び係合部Bが互いに深く噛み合う作用が奏されにくくなり、係合面αを傾斜させる意義が低下する。また、係合部Aと係合部Bとの係合が完了したときに係合面αと係合面βとの間に形成される係合隙間ε(図9において網掛けハッチングで示した部分εを参照)を広く確保する必要がなくなり、本発明の遊技機用封止構造を採用する意義も低下する。このため、係合面αの傾斜角度θは、1°以上とすると好ましい。係合面αの傾斜角度θは、5°以上とするとより好ましく、10°以上とするとさらに好ましい。一方、係合面αの傾斜角度θを大きくしすぎる(90°に近づけすぎる)と、そもそも係合部Aと係合部Bとが係合しにくくなる虞がある。このため、係合面αの傾斜角度θは、45°以下とすると好ましい。係合面αの傾斜角度θは、30°以下とするとより好ましく、20°以下とするとさらに好ましい。第一実施態様の遊技機用封止構造において、係合面αの傾斜角度θは、約15°としている。
係合部Aにおける封止部材100の嵌め込み方向奥側(y軸方向正側)を向く面は、図8に示すように、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態において係合部Bと当接することにより、係合部Bを外方へ変位させる、又は、係合部Aを内方へ変位させるための当接面αとなっている。このため、当接面αは、封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)に垂直な面(x−z平面に平行な面)に対して傾斜させている。これにより、係合途中状態において、係合部Bを外方へ滑らかに変位させる、又は、係合部Aを内方へ滑らかに変位させることが可能となっている。当接面αの傾斜角度(封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)に垂直な面(x−z平面に平行な面)に対して当接面αが為す傾斜角度。図7の傾斜角度θを参照。)をどの程度とするかは特に限定されないが、通常、10〜80°、好ましくは、30〜60°とされる。第一実施態様の遊技機用封止構造において、当接面αの傾斜角度θは、約55°としている。
以上で述べた係合部Aは、その周囲全体が挿入部110と連続した形態に設けてもよいが、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、図3に示すように、係合部Aの両脇にスリット111,112を設けており、係合部Aがその一部のみで挿入部110と連続する構造としている。換言すると、係合部Aは、その周囲における一部の区間のみが揺動片部Dを介して挿入部110に接続されており、他の区間においては挿入部110から切り離された状態となっている。このようにすることで、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態において、係合部Aが係合部Bに当接して係合部Bから押圧力を受けた際に、揺動片部Dが弾性変形をして、揺動片部Dの先端部(y軸方向正側の端部)が内方(封止部材100の中心線Lに近づく側)に揺動変位するようになるので、係合部Aを筒状部110(封止部材100)の内方へと大きく変位させることが可能になる。このため、封止部材100を封止対象穴210に無理に押し込まなくても、係合部Aと係合部Bを係合させることが可能になる。したがって、封止部材100を封止対象穴210に嵌め込む際に、封止部材100や被封止部材200を破損しにくくすることができる。係合部Aが係合部Bを乗り越えて、係合部Bから係合部Aへ押圧力が加えられなくなると、揺動片部D及び係合部Aが元の位置に弾性復帰し、係合部Aと係合部Bとが係合した状態となる。
係合部Aにおけるどの箇所からどの向きに揺動片部Dを設けるかは、特に限定されない。しかし、封止対象穴210に対して封止部材100を嵌め込む際に揺動片部Dが揺動しやすくすること等を考慮すると、揺動片部Dは、封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)と略平行に設けると好ましい。また、封止部材100の外周部と封止対象穴210の内周部との隙間にマイナスドライバ等の不正器具が挿入されたとしても、その不正器具の先端部が係合部Aまで到達しにくくして、係合部Aと係合部Bとの係合が解除されにくくするために、封止対象穴210におけるより奥深い箇所に係合部Aを位置させるようにすること等を考慮すると、係合部Aは、挿入部110のできるだけ先端側(蓋部120から遠くなる側)に配すると好ましい。このため、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)と平行に設けた揺動片部Dの先端(蓋部120から遠くなる側の端部)に揺動片部Dを設けている。
また、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、図3に示すように、挿入部110の基端(y軸方向負側の端部)近傍の外周面に、位置決め用凸部113を設けている。この位置決め用凸部113は、封止対象穴210の開口端近傍に環状に形成された座ぐり面δ(図7を参照)に当接することで、封止部材100が封止対象穴210に対してそれ以上深い位置へ挿入されないようにするための部分となっている。第一実施態様の遊技機用封止構造においては、後述するように、封止部材100の蓋部120に破断溝123を設けているため、蓋部120が座ぐり面δへ直接当接するようにしておくと、封止部材100を封止対象穴210に嵌め込む際に、蓋部120が破断溝123で破断する虞があるところ、位置決め用凸部113を設けることで、蓋部120が座ぐり面δへ直接当接しないようにしている。位置決め用凸部113は、挿入部110の外周部における全周に亘って連続的に設けてもよいが、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、挿入部110の外周部における複数箇所に局所的に設けている(図3では1つの位置決め用凸部113のみを図示している。)。
さらに、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、図3に示すように、挿入部110の基端(y軸方向負側の端部)近傍の外周面に、邪魔用凸部114を設けている。邪魔用凸部114は、封止部材100の外周部と封止対象穴210の内周部との隙間にマイナスドライバ等の不正器具が挿入されたとしても、その不正器具の先端部が係合部Aまで到達しにくいように邪魔をするための部分となっている。邪魔用凸部114は、挿入部110の外周部における全周に亘って連続的に設けてもよいが、分断して局所的に設けてもよい。邪魔用凸部114を局所的に設ける場合、邪魔用凸部114は、挿入部110の基端側の外周部における係合部Aと重なる区間(封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)で重なる区間)に設けると好ましい。これにより、邪魔用凸部114を挿入部110の外周部における全周に亘って設けなくても、上述した不正器具の先端部が係合部Aまで到達しにくくすることができる。第一実施態様の遊技機用封止構造においては、図7に示すように、挿入部110の基端側の外周部における一対の係合部Aとそれぞれ重なる区間に一対の邪魔用凸部114を設けている。
1.1.2 蓋部
蓋部120は、封止対象穴210に蓋をするための部分となっている。蓋部120は、図3に示すように、挿入部110の基端側(y軸方向負側の端部側)に設けられる。蓋部120の具体的な形態は、封止対象穴210の開口形状等に応じて適宜決定される。第一実施態様の遊技機用封止構造において、蓋部120は、円盤状となっており、挿入部110の基端側の開口端を塞ぐ中央部121と、挿入部110の外周部よりも外方に突出するフランジ部122とで構成されている。フランジ部122は、封止対象穴210の開口部近傍に環状に設けられた座ぐり面δ(図7を参照)に重なる箇所を塞ぐための部分となっており、封止部材100の挿入部110における外周部と封止対象穴210の内周部との隙間に不正挿入具が挿し込まれないようにするための部分となっている。
蓋部120における中央部121とフランジ部122との境界部には、図3に示すように、破断溝123を設けている。これにより、封止部材100の挿入部110における外周部と封止対象穴210の内周部との隙間に不正挿入具が挿し込まれた際に、フランジ部122が中央部121から破断しやすくし、封止部材100に不正アクセスの痕跡が残りやすくすることが可能となっている。破断溝123は、断続的に設けてもよいが、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、中央部121とフランジ部122との境界線に沿って連続的に環状に設けている。また、破断溝123は、蓋部120の下面側(挿入部110に接続される面側)に設けてもよいが、この場合には、封止部材120の成形が困難になる虞があるため、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、蓋部120の上面側(挿入部110に接続される面とは反対の面側)に設けている。
1.2 被封止部材
第一実施態様の遊技機用封止構造において、被封止部材200には、図3に示すように、封止対象穴210が形成されている。第一実施態様の遊技機用封止構造においては、被封止部材200における複数箇所に封止対象穴210が形成されており、それぞれの封止対象穴210に封止部材100を嵌め込むことができる構造となっている(図2等においては、図示の便宜上、1つの封止部材100のみを図示している。)が、これに限定されず、被封止部材200における1箇所のみに封止対象穴210が形成されていてもよい。また、被封止部材200の複数箇所に封止対象穴210を形成する場合であっても、後述する構成は、全ての封止対象穴210で採用する必要はなく、少なくとも1つの封止対象穴210で採用すればよい。
被封止部材200を形成する素材は、特に限定されないが、通常、樹脂とされ、好ましくは、透明な樹脂が用いられる。透明な樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートや、ポリスチレンや、ABS樹脂や、アクリルや、ポリカーボネート等が例示される。このように、被封止部材200を透明な樹脂で形成することにより、被封止部材200で制御基板等の部品を覆った後の状態であっても、被封止部材200の内部を視認することが可能になり、不正アクセスの痕跡を発見しやすくすることができる。
1.2.1 封止対象穴
封止対象穴210は、図9に示すように、その奥部に封止対象箇所211を有している。第一実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴210は、上述したメイン制御基板ユニット30(図2を参照)における下側カバーに対して上側カバーを固定するネジを止めるための部分となっている。このため、封止対象箇所211には、図示省略のネジが固定される。この封止対象穴210の内周部には、図5に示すように、係合面βを有する係合部Bと、隙間埋め用変位部Cとが設けられている。係合部Bの係合面βは、図6に示すように、封止部材100を封止対象穴210に嵌め込んだ際に、封止部材100の外周部に設けられた係合部Aの係合面αに係合するための部分となっている。係合部Bの個数は、係合部Aの個数と同様であり、通常、1〜8個、好ましくは、6個以下、より好ましくは、4個以下とされる。係合部Bの個数は、通常、係合部Aの個数に一致される。また、係合部Bの配置も、係合部Aと同様の配置を採用することができる。係合部Bの配置は、係合部Aの配置に応じて決定される。第一実施態様の遊技機用封止構造においては、2個の係合部Bを、封止対象穴210の内周部における対向する箇所に設けており、封止部材100を封止対象穴210に嵌め込んだ際に、それぞれの係合部Bが封止部材100のそれぞれの係合部Aに係合するようにしている。
係合部Bは、係合部Aの係合面αに係合可能な係合面βを有するのであれば、その形態を特に限定されない。係合部Bは、封止対象穴210の内周部から外方に窪んだ凹部とすることもできるが、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、図5に示すように、封止対象穴210の内周部から内方に突出する凸部としており、当該凸部における封止部材100の嵌め込み方向奥側(y軸方向正側)を向く面が係合面βとなるようにしている。第一実施態様の遊技機用封止構造において、係合面βは、上述した係合面αと同様、封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)に垂直な面(x−z平面に平行な面)に対して傾斜させており、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100を引き抜こうとした際に、係合部A及び係合部Bが互いに深く噛み合うようにしている。
このように、係合面βを傾斜させる場合において、係合面βの傾斜角度(封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)に垂直な面(x−z平面に平行な面)に対して係合面βが為す傾斜角度。図7の傾斜角度φを参照。)は、係合面αの傾斜角度θを説明する際に述べたものと同様の理由で、係合面αの傾斜角度θと同程度の範囲で設定される。係合面βの傾斜角度φは、通常、係合面αの傾斜角度θに略一致される。第一実施態様の遊技機用封止構造においても、係合面βの傾斜角度φは、係合面αの傾斜角度θと同じ約15°としている。
係合部Bにおける封止部材100の嵌め込み方向手前側(y軸方向負側)を向く面は、図8に示すように、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態において係合部Aと当接することにより、係合部Aを内方へ変位させる、又は、係合部Bを外方へ変位させるための当接面βとなっている。このため、当接面βは、当接面αと同様、封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)に垂直な面(x−z平面に平行な面)に対して傾斜させている。これにより、係合途中状態において、係合部Aを内方へ滑らかに変位させる、又は、係合部Bを外方へ滑らかに変位させることが可能となっている。当接面βの傾斜角度(封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)に垂直な面(x−z平面に平行な面)に対して当接面βが為す傾斜角度。図7の傾斜角度φを参照。)をどの程度とするかは特に限定されないが、当接面αと同様、通常、10〜80°、好ましくは、30〜60°とされる。
以上で述べた係合部Bは、その周囲全体が被封止部材200における他の部分と連続した形態に設けてもよい。しかし、第一実施態様の遊技機用封止構造において、係合部Bは、図5に示すように、その周囲における一部の区間のみが揺動片部Dを介して被封止部材200における他の部分に接続されており、他の区間においては被封止部材200における他の部分から切り離された状態となっている。このようにすることで、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態において、係合部Bが係合部Aに当接して係合部Aから押圧力を受けた際に、揺動片部Dが弾性変形をして、揺動片部Dの先端部(y軸方向正側の端部)が外方(封止対象穴210の中心線Lから遠ざかる側)に揺動変位するようになるので、係合部Bを封止対象穴210の外方へと大きく変位させることが可能になる。このため、封止部材100を封止対象穴210に無理に押し込まなくても、係合部Aと係合部Bとを係合させることが可能になる。係合部Aが係合部Bを乗り越えて、係合部Aから係合部Bへ押圧力が加えられなくなると、揺動片部D及び係合部Bが元の位置に弾性復帰し、係合部Aと係合部Bとが係合した状態となる。
係合部Bにおけるどの箇所からどの向きに揺動片部Dを設けるかは、特に限定されない。しかし、封止対象穴210に対して封止部材100を嵌め込む際に揺動片部Dが揺動しやすくすること等を考慮すると、揺動片部Dは、封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)と略平行に設けると好ましい。また、封止対象穴210の内部のレイアウト等を考慮すると、揺動片部Dは、封止対象穴210の開口部側から奥側に向けて設けた方が好ましい。このため、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)と平行に設けた揺動片部Dの先端(封止対象穴210の奥側を向く端部)に揺動片部Dを設けている。
隙間埋め用変位部Cは、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込む際に、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態にあるときには、図8に示すように、係合部Aと係合部Bとの係合を阻害しない退避位置へ変位しながらも、係合部Aと係合部Bとの係合が完了した係合完了状態となったときには、図9に示すように、係合面αと係合面βとの間に形成される係合隙間ε内に突出した突出位置へ変位するものとなっている。このように、係合部Aと係合部Bとの係合が完了したときに係合隙間ε内に突出変位する隙間埋め用変位部Cを設けることにより、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100のガタツキ振幅を係合隙間εの幅よりも狭くし、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100のガタツキを低減することが可能となっている。したがって、遊技機の輸送時等において、封止部材100や被封止部材200が傷付きにくくすることや、封止部材100や被封止部材200からの材料粉が発生しにくくすることが可能になり、封止部材100や被封止部材200が新品の状態にあるにもかかわらず、不正アクセスが為されたと誤解されないようにすることが可能となっている。
隙間埋め用変位部Cは、退避位置と突出位置との間で変位できるものであれば特に限定されず、被封止部材200とは別体からなる可動部品が動作することにより上記の変位を行うもの(例えば、封止対象穴210の内外方向(径方向)にスライド可能な状態で封止対象穴210の内周部に支持されたスライド部材(隙間埋め用変位部C)と、当該スライド部材を封止対象穴210の内方へ付勢する付勢部材とを備え、スライド部材が係合部Aに当接すると封止対象穴210の外方の退避位置へと変位し、スライド部材が係合部Aに当接しなくなると封止対象穴210の内方の突出位置へと変位するもの等)であってもよいが、この場合には、部品点数が増大してしまう。このため、隙間埋め用変位部Cは、被封止部材200における隙間埋め用変位部Cの周辺部と一体的に形成され、当該周辺部に対して弾性的に変位するように構成すると好ましい。これにより、部品点数を増大させることなく、隙間埋め用変位部Cを設けることが可能になる。また、隙間埋め用変位部Cは、封止対象穴210の内周部における係合部Bから離れた箇所に設けてもよいが、封止対象穴210の内周部における係合部Bの近傍に設けると好ましい。これにより、隙間埋め用変位部Cを係合部Bの変位に追従させて変位させることが可能になる。第一実施態様の遊技機用封止構造では、このような隙間埋め用変位部Cを以下のように実現している。
すなわち、図5に示すように、隙間埋め用変位部Cを、係合部Bと所定間隔を隔てた状態で、揺動片部Dにおける先端部から突出して設けている。揺動片部Dは、上述したように、弾性的に変形可能であり、その先端部が封止対象穴210の外方へと揺動変位できるため、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態において係合部Bが係合部Aから外向きの押圧力を受けた際には、揺動片部Dの先端部が係合部Bとともに封止対象穴210の外方へ変位するようになっており、揺動片部Dの先端部に設けられた隙間埋め用変位部Cも、揺動片部Dに従動して封止対象穴の外方へと変位し、係合部Aと係合部Bとの係合を阻害しない退避位置まで移動できるようになっている。隙間埋め用変位部Cは、1つの揺動片部Dにつき1箇所のみ設けてもよいが、複数箇所に設けると好ましい。第一実施態様の遊技機用封止部材においては、係合部Bを挟んで対称となる位置(係合部Bの両脇)に一対の隙間埋め用変位部Cを設けている。このように、複数の隙間埋め用変位部Cを、係合部Bを挟んで対称となる位置に設けることで、封止部材100を被封止部材200に嵌め込んだ際に形成される係合隙間ε(図9を参照)を隙間埋め用変位部Cでより確実に埋めることが可能になり、封止部材100のガタツキをより確実に抑えることが可能となっている。
ところで、図6に示すように、係合部Aと係合部Bとが係合した状態から封止部材100を引き抜こうとした際には、係合部Aは、係合部Bよりも先に隙間埋め用変位部Cに当接するようになるところ、その当接の仕方によっては、係合部Aが隙間埋め用変位部Cを外方へ変位させる向きに押圧するようになる。このため、封止部材100を引き抜こうとした際には、係合部Aに押圧されて外方へ変位する隙間埋め用変位部Cに連動して係合部Bまでもが外方へ変位してしまい、係合部Aと係合部Bとの係合が浅くなる虞がある。このため、第一実施態様の遊技機用封止構造においては、揺動変位部Dの先端部における係合部Bとそれぞれの隙間埋め用変位部Cとの間となる箇所にスリット221,222を設けている。これにより、封止部材100を引き抜こうとした際に、係合部Bが隙間埋め用変位部Cに連動しにくくして(隙間埋め用変位部Cのみが外方へ変位するようにして)、係合部Aと係合部Bとの係合が浅くなりにくくすることが可能となっている。揺動変位部Dの先端部における隙間埋め用変位部Cと接続する部分は、揺動変位部Dの先端部における係合部Bと接続する部分よりも細く形成すると好ましい。これにより、封止部材100を封止対象穴210に嵌め込む際には、隙間埋め用変位部Cが係合部Bに連動しやすくしながらも、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100を引き抜こうとした際には、係合部Bが隙間埋め用変位部Cに連動しにくくすることができる。
隙間埋め用変位部Cの形態は、封止部材100を被封止部材200に嵌め込んだ際に形成される係合隙間ε(図9を参照)を埋めることができるのであれば、特に限定されない。第一実施態様の遊技機用封止構造においては、図5に示すように、柱状の突起としている。隙間埋め用変位部Cの内端部(封止対象穴210の中心線Lに近い側の端部)は、係合部Bの内端部よりも内方に突出させてもよいが、係合部Aと係合部Bとを係合させる際に隙間埋め用変位部Cが係合部Aに干渉しにくくするため、通常、係合部Bの内端部と同程度突出させるか、係合部Bの内端部よりも外方に控えられる。
1.3 封止方法
上記の封止部材100を、上記の被封止部材200の封止対象穴210に対して嵌め込んで、封止対象穴210の奥部の封止対象箇所211を封止する方法について説明する。まず、図7に示すように、挿入部110の先端部(蓋部120から遠い側の端部)が封止対象穴210を向くように、封止部材100を封止対象穴210の開口付近に配し、封止部材100の係合部Aが、封止対象穴210の係合部Bに重なる(封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)で重なる)ように、封止部材100の向きを調節する。
図7に示す状態から、封止部材100を挿入部110側から封止対象穴210に挿入し、封止対象穴210の奥側へ押し込んでいくと、そのうち、封止部材100の係合部Aが、封止対象穴210の係合部Bに当接する。この状態から封止部材100をさらに押し込んでいくと、図8に示すように、係合部Bが係合部Aによって押圧されて外方へ変位する。このとき、揺動片部Dを介して係合部Bと繋がっている隙間埋め用変位部Cも、外方へ変位し、係合部Aと係合部Bとの係合を阻害しない退避位置へと移動する。封止部材100をさらに押し込むと、図9に示すように、係合部Aが係合部Bを乗り越えた状態となり、係合部Aから押圧力を受けなくなった係合部Bと、係合部Bに連動する隙間埋め用変位部Cは、初期位置に弾性復帰する。
図9に示す状態において、隙間埋め用変位部Cは、係合部Aの係合面αと係合部Bの係合面βとの係合隙間ε内に突出した突出位置となっている。このため、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100は、それを無理に引き抜こうとしない限りは、係合部Aの係合面αと係合部Bの係合面βとが当接する位置まで移動することができないようになっている。換言すると、封止部材100は、封止部材100を嵌め込む方向(y軸方向)に振動したとしても、封止部材100の係合部Aの係合面αが、封止対象穴210の係合部Bの係合面βに当たるよりも前に隙間埋め用変位部Cに当たるようになっている。したがって、封止部材100のガタツキ振幅は、隙間埋め用変位部Cが存在しない場合と比べて小さくなっており、封止部材100のガタツキを軽減することが可能となっている。
2. 第二実施態様の遊技機用封止構造
続いて、第二実施態様の遊技機用封止構造について説明する。図10は、第二実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込む前の状態を、y−z平面に平行で封止部材100のスリット112を通る平面で切断した後方断面斜視図である。図11は、第二実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材のスリット112を通る平面で切断した後方断面斜視図である。図12は、第二実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材100の中心線Lを含む平面で切断した断面図である。第二実施態様の遊技機用封止構造は、第一実施態様の遊技機用封止構造と同様、「外方退避タイプの遊技機用封止構造」に相当するものとなっている。
第一実施態様の遊技機用封止構造では、図5に示すように、隙間埋め用変位部Cにおける係合完了状態(図6及び図9を参照)で係合面α側を向く面γを、平坦に形成していた。これに対し、第二実施態様の遊技機用封止構造では、図10に示すように、隙間埋め用変位部Cにおける係合完了状態(図11及び図12を参照)で係合面α側を向く面γを、係合面α側へ凸な曲面によって形成している。より具体的には、隙間埋め用変位部Cの面γを、その断面(隙間埋め用変位部Cを封止対象穴210の中心線Lを含む平面で切断したときの断面)が係合完了状態で係合面α側へ凸な円弧状を為す曲面となるように形成している。これにより、退避位置にある隙間埋め用変位部Cが係合隙間ε(図12を参照)内の突出位置へスムーズに変位できるようにするだけでなく、係合完了状態において隙間埋め用変位部Cを係合面αに当接させて、封止部材100のガタツキ振幅を実質的に0(ゼロ)にすることも可能となっている。
第二実施態様の遊技機用封止構造において特に言及しない構成については、第一実施態様の遊技機用封止構造で述べた構成と略同様である。
3. 第三実施態様の遊技機用封止構造
続いて、第三実施態様の遊技機用封止構造について説明する。図13は、第三実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込む前の状態を、y−z平面に平行で封止部材100のスリット112を通る平面で切断した後方断面斜視図である。図14は、第三実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材100のスリット112を通る平面で切断した後方断面斜視図である。図15は、第三実施態様の遊技機用封止構造において、封止対象穴210に封止部材100を嵌め込んだ後の状態を、y−z平面に平行で封止部材100の中心線Lを含む平面で切断した断面図である。
第一実施態様及び第二実施態様の遊技機用封止構造では、それぞれ図5及び図10に示すように、隙間埋め用変位部Cが封止対象穴210の内周部に設けられていた。このため、第一実施態様及び第二実施態様の遊技機用封止構造は、係合途中状態にあるときに、隙間埋め用変位部Cが外方の退避位置へ変位する構造(外方退避タイプの遊技機用封止構造)を有していた。これに対し、第三実施態様の遊技機用封止構造では、図13に示すように、隙間埋め用変位部Cが封止部材100の外周部に設けられている。このため、第三実施態様の遊技機用封止構造は、係合途中状態にあるときに、隙間埋め用変位部Cが内方の退避位置へ変位し、係合途中状態から係合完了状態へと移行するときに、隙間埋め用変位部Cが外方の突出位置へ変位する構造(内方退避タイプの遊技機用封止構造)を有している。この第三実施態様の遊技機用封止構造のように、内方退避タイプの遊技機用封止構造を採用することによっても、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100のガタツキを低減することが可能である。
第三実施態様の遊技機用封止構造において、隙間埋め用変位部Cは、退避位置と突出位置との間で変位できるものであれば特に限定されず、封止部材100とは別体からなる可動部品が動作することにより上記の変位を行うもの(例えば、封止部材100の中心線Lに垂直な方向にスライド可能な状態で封止部材100の外周部に支持されたスライド部材(隙間埋め用変位部C)と、当該スライド部材を封止部材100の外方へ付勢する付勢部材とを備え、スライド部材が係合部Bに当接すると封止部材100の内方の退避位置へと変位し、スライド部材が係合部Cに当接しなくなると封止部材100の外方の突出位置へと変位するもの等)であってもよいが、この場合には、部品点数が増大してしまう。このため、隙間埋め用変位部Cは、封止部材100における隙間埋め用変位部Cの周辺部と一体的に形成され、当該周辺部に対して弾性的に変位するように構成すると好ましい。これにより、部品点数を増大させることなく、隙間埋め用変位部Cを設けることが可能になる。また、隙間埋め用変位部Cは、封止部材100の外周部における係合部Aから離れた箇所に設けてもよいが、封止部材100の外周部における係合部Aの近傍に設けると好ましい。これにより、隙間埋め用変位部Cを係合部Aの変位に追従させて変位させることが可能になる。第三実施態様の遊技機用封止構造では、このような隙間埋め用変位部Cを以下のように実現している。
すなわち、図13に示すように、隙間埋め用変位部Cを、係合部Aと所定間隔を隔てた状態で、揺動片部Dにおける先端部から突出して設けている。揺動片部Dは、上述したように、弾性的に変形可能であり、その先端部が封止部材100の内方へと揺動変位できるため、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態において係合部Aが係合部Bから内向きの押圧力を受けた際には、揺動片部Dの先端部が係合部Aとともに封止部材の内方へ変位するようになっており、揺動片部Dの先端部に設けられた隙間埋め用変位部Cも、揺動片部Dに従動して封止部材100の内方へと変位し、係合部Aと係合部Bとの係合を阻害しない退避位置まで移動できるようになっている。隙間埋め用変位部Cは、1つの揺動片部Dにつき1箇所のみ設けてもよいが、複数箇所に設けると好ましい。第三実施態様の遊技機用封止部材においては、係合部Aを挟んで対称となる位置(係合部Aの両脇)に一対の隙間埋め用変位部Cを設けている。このように、複数の隙間埋め用変位部Cを、係合部Aを挟んで対称となる位置に設けることで、封止部材100を被封止部材200に嵌め込んだ際に形成される係合隙間ε(図15を参照)を隙間埋め用変位部Cでより確実に埋めることが可能になり、封止部材100のガタツキをより確実に抑えることが可能となっている。
ところで、第三実施態様の遊技機用封止構造においては、図13に示すように、揺動変位部Dの先端部における係合部Aとそれぞれの隙間埋め用変位部Cとの間となる箇所にスリット131,132を設けている。第三実施態様の遊技機用封止構造において、スリット131,132を設けた理由は、第一実施態様の遊技機用封止構造において、スリット221,222を設けた理由と略同様である。すなわち、スリット131,132を設けたことによって、封止部材100を封止対象穴210に嵌め込む際には、隙間埋め用変位部Cが係合部Aに連動しやすくしながらも、封止対象穴210に嵌め込まれた封止部材100を引き抜こうとした際には、係合部Aが隙間埋め用変位部Cに連動しにくくすることができるようになっている。
第三実施態様の遊技機用封止構造において、隙間埋め用変位部Cの形態は、封止部材100を被封止部材200に嵌め込んだ際に形成される係合隙間ε(図15を参照)を埋めることができるのであれば、特に限定されない。第三実施態様の遊技機用封止構造においては、図13に示すように、隙間埋め用変位部Cを柱状の突起としており、隙間埋め用変位部Cにおける係合完了状態で係合面β側を向く面γを、係合面β側へ凸な曲面としている。より具体的には、隙間埋め用変位部Cの面γを、その断面(隙間埋め用変位部Cを封止対部材100の中心線Lを含む平面で切断したときの断面)が係合完了状態で係合面β側へ凸な円弧状を為す曲面となるように形成している。これにより、第二実施態様の遊技機用封止構造と同様、退避位置にある隙間埋め用変位部Cが係合隙間ε(図15を参照)内の突出位置へスムーズに変位できるようにするだけでなく、係合完了状態において隙間埋め用変位部Cを係合面βに当接させて、封止部材100のガタツキ振幅を実質的に0(ゼロ)にすることも可能となっている。
第三実施態様の遊技機用封止構造において特に言及していない構成については、第一実施態様の遊技機用封止構造を説明する際に述べた構成を採用することができる。例えば、第一実施態様の遊技機用封止構造を説明する際に述べた、封止部材100の素材や成形方法に関する構成や、封止部材100の形態に関する構成(係合部Aの個数、配置、形態若しくは設け方、係合面αの傾斜角度θ、当接面αの傾斜角度θ、位置決め用凸部113、邪魔用凸部114又は蓋部120の形態等に関する構成を含む。)や、被封止部材200の素材や成形方法に関する構成や、被封止部材200の形態に関する構成(係合部Bの個数、配置、形態若しくは設け方、係合面βの傾斜角度φ又は当接面βの傾斜角度φ等に関する構成を含む。)については、第三実施態様の遊技機用封止構造においても採用することができる。
10 回胴式遊技機
10a リール窓
11 メダル投入口
12 メダル払出口
13 リール
14 リール
15 リール
16 液晶ディスプレイ
17 スピーカー
18 マックスベットボタン
19 シングルベットボタン
20 スタートレバー
21 ストップボタン
22 ストップボタン
23 ストップボタン
24 チャンスボタン
25 払戻しボタン
26 メダルホッパー
30 メイン制御基板ユニット
31 サブ制御基板ユニット
32 液晶ユニット
33 電源ユニット
34 コネクタユニット
100 封止部材
110 挿入部
111 スリット
112 スリット
113 位置決め用凸部
114 邪魔用凸部
120 蓋部
121 中央部
122 フランジ部
123 破断溝
131 スリット
132 スリット
200 被封止部材(カバー)
210 封止対象穴
211 封止対象箇所
221 スリット
222 スリット
A 係合部
B 係合部
C 隙間埋め用変位部
揺動片部
揺動片部
封止部材の中心線
封止対象穴の中心線
α 係合面
α 当接面
β 係合面
β 当接面
γ 隙間埋め用変位部Cにおける係合完了状態で係合面α側を向く面
γ 隙間埋め用変位部Cにおける係合完了状態で係合面β側を向く面
δ 座ぐり面
ε 係合隙間(隙間)
θ 係合面αの傾斜角度
θ 当接面αの傾斜角度
φ 係合面βの傾斜角度

Claims (9)

  1. その奥部に封止対象箇所を有する封止対象穴に封止部材を嵌め込むことにより、封止対象箇所が封止された状態とする遊技機用封止構造であって、
    係合面αを有する係合部Aが、封止部材に設けられる一方、
    封止対象穴に封止部材を嵌め込んだ際に係合面αに対向する係合面βを有する係合部Bが、封止対象穴に設けられ、
    係合部Aと係合部Bとが互いに係合することによって、封止対象穴に嵌め込まれた封止部材の抜け止めが行われるようにするとともに、
    封止対象穴に封止部材を嵌め込む際に、係合部Aと係合部Bとが係合している途中の係合途中状態にあるときには、係合部Aと係合部Bとの係合を阻害しない退避位置へ変位しながらも、係合部Aと係合部Bとの係合が完了した係合完了状態となったときには、係合面αと係合面βとの間に形成される隙間内に突出した突出位置へ変位する隙間埋め用変位部Cが、封止対象穴の内周部又は封止部材の外周部における少なくとも一方に設けられたことを特徴とする遊技機用封止構造。
  2. 隙間埋め用変位部Cが封止対象穴の内周部に設けられ、
    係合途中状態にあるときに、隙間埋め用変位部Cが外方の退避位置へ変位し、
    係合途中状態から係合完了状態へと移行するときに、隙間埋め用変位部Cが内方の突出位置へ変位する請求項1記載の遊技機用封止構造。
  3. その先端部が封止対象穴の外方へ弾性的に変位可能な揺動片部Dが、封止対象穴の内周部に設けられ、
    係合部Bが、揺動片部Dにおける先端部から突出して設けられるとともに、
    隙間埋め用変位部Cが、係合部Bと所定間隔を隔てた状態で、揺動片部Dにおける先端部から突出して設けられ、
    係合途中状態において係合部Bが係合部Aから押圧力を受けた際に、揺動片部Dの先端部が係合部Bとともに封止対象穴の外方へ変位するのに伴って、隙間埋め用変位部Cが封止対象穴の外方の退避位置へ変位するようにした
    請求項2記載の遊技機用封止構造。
  4. 隙間埋め用変位部Cにおける係合完了状態で係合面α側を向く面γが、係合面α側へ凸な曲面とされた請求項3記載の遊技機用封止構造。
  5. 隙間埋め用変位部Cが封止部材の外周部に設けられ、
    係合途中状態にあるときに、隙間埋め用変位部Cが内方の退避位置へ変位し、
    係合途中状態から係合完了状態へと移行するときに、隙間埋め用変位部Cが外方の突出位置へ変位する請求項1記載の遊技機用封止構造。
  6. その先端部が封止部材の内方へ弾性的に変位可能な揺動片部Dが、封止部材の外周部に設けられ、
    係合部Aが、揺動片部Dにおける先端部から突出して設けられるとともに、
    隙間埋め用変位部Cが、係合部Aと所定間隔を隔てた状態で、揺動片部Dにおける先端部から突出して設けられ、
    係合途中状態において係合部Aが係合部Bから押圧力を受けた際に、揺動片部Dの先端部が係合部Aとともに封止部材の内方へ変位するのに伴って、隙間埋め用変位部Cが封止部材の内方の退避位置へ変位するようにした
    請求項5記載の遊技機用封止構造。
  7. 隙間埋め用変位部Cにおける係合完了状態で係合面β側を向く面γが、係合面β側へ凸な曲面とされた請求項6記載の遊技機用封止構造。
  8. 封止部材を嵌め込む方向に垂直な面に対して係合面α及び係合面βが傾斜された請求項1〜7いずれか1つに記載の遊技機用封止構造。
  9. 請求項1〜8いずれか1つに記載の遊技機用封止構造を用い封止対象箇所が封止されたことを特徴とする遊技機。
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