JP5822713B2 - サーマルヘッド、およびこれを備えるサーマルプリンタ - Google Patents

サーマルヘッド、およびこれを備えるサーマルプリンタ Download PDF

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Description

本発明は、サーマルヘッド、およびこれを備えるサーマルプリンタに関する。
従来、ファクシミリあるいはビデオプリンタ等の印画デバイスとして、種々のサーマルヘッドが提案されている。例えば、基板と、基板上に複数設けられた発熱部と、発熱部と電気的に接続された基板の電極と、基板の電極の端子と電気的に接続された矩形状のガラスエポキシ基板とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−118702号公報
しかしながら、基板の電極の端子とガラスエポキシ基板とを電気的に接続した場合に、基板およびガラスエポキシ基板の熱膨張係数の差に起因して、基板とガラスエポキシ基板とが剥離する可能性があった。ガラスエポキシのような硬質な材料により形成されたガラスエポキシ基板を用いると、特に、基板とガラスエポキシ基板とが剥離しやすい。
本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドは、基板と、該基板上に複数設けられた発熱部と、該発熱部と電気的に接続された基板の電極と、該基板の電極の端子と電気的に接続された矩形状のガラスエポキシ基板と、を備え、該ガラスエポキシ基板は、該ガラスエポキシ基板の長手方向の一端部から他端部にわたって設けられたガラスエポキシ基板の電極を有し、該ガラスエポキシ基板の電極には、スリットが設けられており、前記ガラスエポキシ基板の長手方向の端部に位置する前記スリットの長さは、前記ガラスエポキシ基板の長手方向の中央部に位置する前記スリットの長さよりも長い
本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタは、上記のサーマルヘッドと、複数の発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、複数の発熱部上に記録媒体を押圧するプラテンローラとを備える。
本発明によれば、基板とガラスエポキシ基板とが剥離する可能性を低減することができる。
本発明のサーマルヘッドの一実施形態を示す平面図である。 図1のサーマルヘッドのI−I線断面図である。 図1に示すサーマルヘッドの一実施形態を構成するガラスエポキシ基板の概略構成を示す分解斜視図である。 図3に示すガラスエポキシ基板の概略構成を示す平面図である。 本発明のサーマルプリンタの一実施形態の概略構成を示す図である。 本発明のサーマルヘッドの他の実施形態を構成するガラスエポキシ基板の電極の分解平面図である。 本発明のサーマルヘッドのさらに他の実施形態を構成するガラスエポキシ基板の電極の分解平面図である。 本発明のサーマルヘッドのさらに他の実施形態を構成するガラスエポキシ基板の電極の分解平面図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明のサーマルヘッドの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1,2に示すように、本実施形態のサーマルヘッドX1は、放熱体1と、放熱体1上に配置されたヘッド基体3と、ヘッド基体3に接続された、ガラスエポキシ基板からなるプリント配線板5(printed circuit board 以下、「PCB5」という)とを備えている。
なお、図1では、PCB5の図示を省略し、PCB5が配置される領域を一点鎖線で示す。
放熱体1は、板状に形成されており、平面視して長方形状をなしている。放熱体1は、例えば、銅、鉄またはアルミニウム等の金属材料で形成されており、後述するようにヘッド基体3の発熱部9で発生した熱のうち、印画に寄与しない熱の一部を放熱する機能を有している。また、放熱体1の上面には、両面テープあるいは接着剤等(不図示)によってヘッド基体3が接着されている。
ヘッド基体3は、平面視して長方形状の基板7と、基板7上に設けられ、基板7の長手方向に沿って配列された複数の発熱部9と、発熱部9の配列方向に沿って基板7上に並べて配置された複数の駆動IC11とを備えている。
基板7は、アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料あるいは単結晶シリコン等の半導体材料等によって形成されている。基板7をアルミナセラミックスにより形成した場合、基板7の熱膨張係数は7×10−6/℃となる。
基板7の上面には、蓄熱層13が形成されている。蓄熱層13は、基板7の上面全体に形成された下地部13aと、複数の発熱部9の配列方向に沿って帯状に延び、断面が略半楕円形状の隆起部13bとを有している。隆起部13bは、印画する記録媒体を、発熱部9上に形成された後述する保護層25に良好に押し当てるように機能する。
また、蓄熱層13は、例えば、熱伝導性の低いガラスで形成されており、発熱部9で発生する熱の一部を一時的に蓄積する。それにより、蓄熱層13は、発熱部9の温度を上昇させるのに要する時間を短くし、サーマルヘッドX1の熱応答特性を高めるように機能する。蓄熱層13は、例えば、ガラス粉末に適当な有機溶剤を混合して得た所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって基板7の上面に塗布し、これを焼成することで形成される。
図2に示すように、蓄熱層13の上面には、電気抵抗層15が設けられている。電気抵抗層15は、蓄熱層13と、後述する共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21との間に介在し、図1に示すように、平面視して、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21と同形状の領域(以下、介在領域という)と、共通電極17と個別電極19との間から露出した複数の領域(以下、露出領域という)とを有している。なお、図1では、電気抵抗層15の介在領域は、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21で隠れている。
電気抵抗層15の各露出領域は、上記の発熱部9を形成している。そして、複数の露出領域が、図1に示すように、蓄熱層13の隆起部13b上に列状に配置されて発熱部9を構成している。複数の発熱部9は、説明の便宜上、図1で簡略化して記載しているが、例えば、600dpi〜2400dpi(dot per inch)等の密度で配置される。
電気抵抗層15は、例えば、TaN系、TaSiO系、TaSiNO系、TiSiO系、TiSiCO系またはNbSiO系等の電気抵抗の比較的高い材料によって形成されている。そのため、後述する共通電極17と個別電極19との間に電圧が印加され、発熱部9に電圧が印加されたときに、ジュール発熱によって発熱部9が発熱する。
図1,2に示すように、電気抵抗層15の上面には、共通電極17、複数の個別電極19および複数のIC−PCB接続電極21が設けられている。共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21は、導電性を有する材料で形成されており、例えば、アルミニウム、金、銀および銅のうちのいずれか一種の金属またはこれらの合金によって形成されている。
共通電極17は、複数の発熱部9とPCB5とを接続するためのものである。図1に示すように、共通電極17は、基板7の一方の長辺に沿って延びる主配線部17aと、基板7の一方および他方の短辺のそれぞれに沿って延び、一端部が主配線部17aに接続された2つの副配線部17bと、主配線部17aから各発熱部9に向かって個別に延び、先端部が各発熱部9に接続された複数のリード部17cとを有している。そして、共通電極17は、副配線部17bの他端部がPCB5に接続されることにより、PCB5と各発熱部9との間を電気的に接続している。
複数の個別電極19は、各発熱部9と駆動IC11とを接続するためのものである。図1,2に示すように、各個別電極19は、一端部が発熱部9に接続され、他端部が駆動IC11の配置領域に配置されるように、各発熱部9から駆動IC11の配置領域に向かって個別に帯状に延びている。そして、各個別電極19の他端部が駆動IC11に接続されることにより、各発熱部9と駆動IC11との間が電気的に接続されている。より詳細には、個別電極19は、複数の発熱部9を複数の群に分け、各群の発熱部9を、各群に対応して設けられた駆動IC11に電気的に接続している。
なお、本実施形態では、上記のように共通電極17のリード部17cと個別電極19とが発熱部9に接続されており、このリード部17cと個別電極19とが対向して配置されている。本実施形態では、このようにして、発熱部9に接続される電極配線が対になって形成されている。
複数のIC−PCB接続電極21は、駆動IC11とPCB5とを接続するためのものである。図1,2に示すように、各IC−PCB接続電極21は、一端部が駆動IC11の配置領域に配置され、他端部が基板7の他方の長辺の近傍に配置されるように、帯状に延びている。そして、複数のIC−PCB接続電極21は、一端部が駆動IC11に接続されるとともに、他端部がPCB5に接続されることにより、駆動IC11とPCB5との間を電気的に接続している。
より詳細には、各駆動IC11に接続された複数のIC−PCB接続電極21は、異なる機能を有する複数の電極で構成されている。具体的には、電源電極、グランド電極、IC制御電極等を例示することができる。電源電極は、サーマルヘッドX1を動作させるための電源電流を供給するために設けられている。グランド電極は、駆動IC11およびこの駆動IC11に接続された個別電極19を0〜1Vのグランド電位に保持するために設けられている。IC制御電極は、後述する駆動IC11内のスイッチング素子のオン・オフ状態を制御するように駆動IC11を動作させるための電気信号を供給するために設けられている。
駆動IC11は、図1,2に示すように、複数の発熱部9の各群に対応して配置されているとともに、個別電極19の他端部とIC−PCB接続電極21の一端部とに接続され
ている。駆動IC11は、各発熱部9の通電状態を制御するためのものであり、内部に複数のスイッチング素子を有しており、各スイッチング素子がオン状態のときに通電状態となり、各スイッチング素子がオフ状態のときに不通電状態となる公知のものを用いることができる。
各駆動IC11は、各駆動IC11に接続された各個別電極19に対応するように、内部に複数のスイッチング素子(不図示)が設けられている。そして、図2に示すように、各駆動IC11は、各スイッチング素子(不図示)に接続された一方の接続端子11a(以下、第1接続端子11aという)が個別電極19に接続されており、各スイッチング素子に接続されている他方の接続端子11b(以下、第2接続端子11b)がIC−PCB接続電極21の上記のグランド電極に接続されている。これにより、駆動IC11の各スイッチング素子がオン状態のときに、各スイッチング素子に接続された個別電極19とIC−PCB接続電極21のグランド電極とが電気的に接続される。
上記の電気抵抗層15、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21は、例えば、各々を構成する材料層を蓄熱層13上に、例えばスパッタリング法等の従来周知の薄膜成形技術によって順次積層した後、積層体を従来周知のフォトエッチング等を用いて所定のパターンに加工することにより形成される。なお、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21は、同じ工程によって同時に形成することができる。
図1,2に示すように、基板7の上面に形成された蓄熱層13上には、発熱部9、共通電極17の一部および個別電極19の一部を被覆する保護層25が形成されている。なお、図1では、説明の便宜上、保護層25の形成領域を一点鎖線で示し、これらの図示を省略している。図示例では、保護層25は、蓄熱層13の上面の左側の領域を覆うように設けられている。これにより、発熱部9、共通電極17の主配線部17a、副配線部17bの一部、リード部17cおよび個別電極19上に、保護層25が形成されている。
保護層25は、発熱部9、共通電極17および個別電極19の被覆した領域を、大気中に含まれている水分等の付着による腐食や、印画する記録媒体との接触による摩耗から保護するためのものである。
保護膜25は、SiO、SiON、SiN、SiCNまたはダイヤモンドライクカーボン等により形成することができ、各組成の単層でもよく、これらの組成の複数の層を積層した構成としてもよい。そして、保護膜25は、スパッタリング等の従来周知の薄膜形成技術を用いて作製することができる。なお、スクリーン印刷等の厚膜形成技術を用いて作製してもよい。
また、図1,2に示すように、基板7の上面に形成された蓄熱層13上には、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21を部分的に被覆する被覆層27が設けられている。なお、図1では、説明の便宜上、被覆層27の形成領域を一点鎖線で示し、これらの図示を省略している。図示例では、この被覆層27は、蓄熱層13の上面の保護層25よりも右側の領域を部分的に覆うように設けられている。被覆層27は、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21の被覆した領域を、大気との接触による酸化、あるいは大気中に含まれている水分等の付着による腐食から保護するためのものである。
なお、被覆層27は、共通電極17および個別電極19の保護をより確実にするため、図2に示すように保護層25の端部に重なるようにして形成されている。被覆層27は、例えば、エポキシ樹脂、あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料で形成することができる。
また、被覆層27は、例えば、スクリーン印刷法等の厚膜成形技術を用いて形成することができる。
なお、図1,2に示すように、後述するPCB5を接続する共通電極17の副配線部17bおよびIC−PCB接続電極21の端部は、被覆層27から露出しており、PCB5と接続されるようになっている。
また、被覆層27は、駆動IC11を接続する個別電極19およびIC−PCB接続電極21の端部を露出させるための開口部(不図示)が形成されており、この開口部を介してこれらの配線が駆動IC11に接続されている。また、駆動IC11は、個別電極19およびIC−PCB接続電極21に接続された状態で、駆動IC11自体の保護、および駆動IC11とこれらの配線との接続部の保護のため、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の樹脂からなる被覆部材29によって被覆されることで封止されている。
ここで、図3,4を用いてPCB5について詳細に説明する。
図3は、PCB5の概略構成を示す分解斜視図である。図4は、PCB5の内部に形成されたガラスエポキシ基板の電極6a,6b,6c,6d(以下、PCB5の電極6a,6b,6c,6dと称する)の概略構成を示す平面図である。なお、図4に示す一点鎖線は、PCB5の外周を示す。また、符号は、同一または類似する構成のものについて、例えば、「PCB5の電極6a,6b,6c,6d」のように、同一の符号に小文字のアルファベットの付加符号を付することがある。また、この場合において、単に「PCB5の電極6」というなど、上記の付加符号を省略することがあるものとする。また、図4においては、電源電極20の一部を省略して示しており、図6〜8についても同様である。
PCB5は、図1〜4に示すように、基板7の長手方向に沿って延びているとともに、矩形状をなしている。また、PCB5は、平面視して、一方の長辺5aと、一方の長辺5aの反対側に位置する他方の長辺5bと、一方の長辺5aおよび他方の長辺5bを接続する一方の短辺5cと、一方の短辺5cの反対側に位置するとともに一方の長辺5aおよび他方の長辺5bを接続する他方の短辺5dとを有している。また、PCB5は、一方の長辺5a側で基板7の共通電極17の副配線部17bおよび各IC−PCB接続電極21に接続されている。そして、他方の長辺5b側にコネクタ31が接続されるコネクタ用端子32が複数個設けられている。
PCB5は、上下に設けられたカバー部材4と、パターニングされた複数のPCB5の電極6と、PCB5の電極6の間に配置され、隣り合うPCB5の電極6同士の電気的な導通を防ぐ基材8とを有している。なお、図3では、カバー部材4、PCB5の電極6、および基材8を簡略化して示しているが、実際は、PCB5の電極6はパターニングされており、基材8の一部の領域には、隣り合うPCB5の電極6を導通させるためのスルーホール10,12,14が設けられている。スルーホール10,12,14は、PCB5の電極6a,6b,6c,6dおよび基材8a,8b,8cを貫通するように設けられており、内部にPCB5の電極6と同等の材料により形成された導体(不図示)を備えている。なお、電気的に接続するPCB5の電極6同士の間の基材8のみに、スルーホール10を設けてもよい。
PCB5は、下側に設けられたカバー部材4b上に、PCB5の電極6d、基材8c、PCB5の電極6c、基材8b、PCB5の電極6b、基材8aおよびPCB5の電極6aが積層されており、最上面にカバー部材4aが設けられている。PCB5の電極6は、一部を除きカバー部材4および基材8により覆われており、外部から絶縁された状態で配置されている。そして、PCB5の電極6の一部は、他のPCB5の電極6とスルーホー
ル10を介して電気的に接続されている。また、最下層に設けられたPCB5の電極6dは、下側に設けられたカバー部材4bの一方の側から突出しており、突出したPCB5の電極6dが、ヘッド基体3に設けられた共通電極17およびIC−PCB接続電極21と電気的に接続されている。これにより、ヘッド基体3とPCB5とが電気的に接続されることとなる。
PCB5は、上記のように、カバー部材4、PCB5の電極6、および基材8が積層されており、本実施形態においては、PCB5の厚みは、200〜500μmとなっている。また、本実施形態においては、PCB5の熱膨張係数は、13〜15×10−6/℃となっている。
カバー部材4は、ソルダーレジストにより形成されており、例えば、エポキシ樹脂、あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料により形成されている。カバー部材4の厚みは、10〜30μmであることが好ましい。
基材8は、エポキシ樹脂あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料により形成されている。PCB5の中央部に位置する基材8bは硬化したエポキシ樹脂を、基材8a,8cはエポキシ樹脂を半硬化状態でシート状に形成したプリプレグを用いて、PCB5の電極6とプリプレグとを積層した後に硬化することにより、エポキシ樹脂からなる基材8により挟持されたPCB5を作製してもよい。基材8の厚みは、50〜70μmであることが好ましい。また、基材8は、PCB5の電極6同士を電気的に導通するために、スルーホール10,12,14が設けられている。そして、スルーホール10,12,14と導通しないPCB5の電極6は、電極パターンにパターン非形成部10,12,14が設けられている。図4においては、スルーホールは黒丸10,12,14にて示して示しており、スルーホール10,12,14に導通されないパターン非形成部は白丸10,12,14にて示している。
PCB5の電極6は、外部に設けられた電源とサーマルヘッドX1とを電気的に導通する機能を有しており、複数の電極を有している。PCB5の電極6は、グランド電極16、IC制御電極18、電源電極20とを有している。そして、詳細は後述するが、PCB5のグランド電極16、IC制御電極18、および電源電極20は、基板7のグランド電極16、IC制御電極18、および電源電極20と電気的に接続されている。なお、図示していないが、PCB5の電極6は、基板7の共通電極等の各種電極に対応する電極を有している。
PCB5の電極6は、圧延Cuまたは電解Cuをパターニングして形成されている。PCB5の電極6は、導電性の金属または合金により形成されていればよく、Al、Ni、Au等の金属を用いればよい。CuによりPCB5の電極6を形成した場合、PCB5の電極6の熱膨張係数は16.5×10−6/℃となり、AlによりPCB5の電極6を形成した場合、PCB5の電極6の熱膨張係数は23.5×10−6/℃となる。なお、本実施形態においては、Cuにより形成されたものとして説明する。
以下、PCB5を構成する各PCB5の電極6a,6b,6c,6dについて説明する。
PCB5の電極6aは、PCB5の長手方向の一端部から他端部わたってグランド電極16が設けられている。グランド電極16は、PCB5の幅方向の一端部から他端部にわたって設けられており、PCB5の略全域にわたって設けられている。
PCB5の電極6aは、PCB5の一方の長辺5a側に、スルーホール12aが設けら
れている。スルーホール12aは、PCB5の長手方向の両端部に設けられおり、PCB5の電極6dにおけるスルーホール12dと電気的に接続されている。また、スルーホール10a,14aもPCB5の一方の長辺5a側に複数個設けられているが、PCB5の電極6とは電気的に接続されていない。また、PCB5の他方の長辺5b側には、複数のコネクタ用端子32aが設けられており、コネクタ(不図示)を介して外部の電源と接続されている。
PCB5の電極6aは、PCB5の一方の長辺5a側に複数のスリット22が設けられている。そのため、PCB5の長手方向にわたって設けられたグランド電極16は、PCB5の一方の長辺5a側がスリット22により切り欠かれることとなる。それにより、PCB5に基板7よりも大きく伸縮する変形が生じた場合においても、PCB5の一方の長辺5a側に設けられたスリット22が応力を緩和するため、PCB5の電極6aの内部に生じる応力を緩和することができ、基板7とPCB5との剥離(以下、単に「剥離」と称する)が生じる可能性を低減することができる。
また、圧延Cuにより形成されたPCB5の電極6aはヤング率が130GPaであり、ガラスエポキシにより形成されたPCB5はヤング率が15GPaであるため、PCB5の電極6aは、PCB5に比べてヤング率の高い構成となっている。そのため、熱を加えて基板7とPCB5とを接合した後、温度が低下する際にヤング率の高いPCB5の電極6aが、PCB5の縮む変形に対して突っ張ることになる。これに対して、サーマルヘッドX1は、PCB5の電極6aにスリット22が設けられているため、スリット22が応力を緩和することにより、PCB5の電極6aがPCB5の縮む変形に追従して変形することができる。それにより、PCB5の内部に応力集中が生じることを抑えることができ、剥離する可能性を低減することができる。
PCB5の電極6bは、IC制御電極18により構成されている。IC制御電極18は、ICを制御するための信号を供給するための電極であり、それぞれが他のIC制御電極18と独立して設けられている。IC制御電極18の一端部はスルーホール14bに接続されており、他端部はコネクタ用端子32bに接続されている。スルーホール14bは、PCB5の電極6dに設けられたIC制御電極18と、PCB5の電極6bに設けられたIC制御電極18とを接続している。そのため、コネクタを介して外部電源とヘッド基体3とを接続することができる。また、スルーホール10b,12bは、PCB5の一方の長辺5a側に複数個設けられているが、PCB5の電極6とは電気的に接続されていない。なお、図4ではIC制御電極18が4本のみ記載した例を示したが、実際は電源電極20に対応する個数のIC制御電極18が設けられている。
PCB5の電極6cは、電源電極20により構成されている。電源電極20はサーマルヘッドX1に電源を供給するものであり、サーマルヘッドX1の電源電極の機能を有している。PCB5の電極6cを構成する電源電極20は、PCB5の長手方向の一端部から他端部わたって設けられており、PCB5の幅方向の一端部から他端部にわたって設けられている。そのため、PCB5の略全域にわたって設けられている。
PCB5の電極6cは、PCB5の一方の長辺5a側に、スルーホール10c,12c,14cが設けられている。スルーホール10cは、PCB5の長手方向の両端部に設けられており、PCB5の電極6dのスルーホール10dと電気的に接続されている。また、PCB5の長手方向における両端部にスルーホール12c,14cが通るためのパターン非形成部12c,14cが設けられている。そのため、PCB5の電源5cと、スルーホール12c,14cとは電気的に接続されていない。また、PCB5の他方の長辺5b側には、複数のコネクタ用端子32aが設けられており、コネクタ(不図示)を介して外部の電源と接続されている。
PCB5の電極6cは、PCB5の一方の長辺に複数のスリット22が設けられている。そのため、PCB5の長手方向にわたって設けられた電源電極20は、PCB5の一方の長辺5a側がスリット22により切り欠かれることとなる。それにより、PCB5に基板7よりも大きく伸縮する変形が生じた場合においても、PCB5の一方の長辺5a側の電源電極20に設けられたスリット22が応力を緩和するため、電源電極20の内部に生じる応力を緩和することができ、剥離が生じる可能性を低減することができる。同様に、PCB5の電極6cは、PCB5の変形に追従して変形することができるため、PCB5の内部に応力集中が生じることを抑えることができ、剥離する可能性を低減することができる。
PCB5の電極6dは、グランド電極16、IC制御電極18、および電源電極20を有している。グランド電極16は、PCB5の長手方向の一端部から他端部にわたって配置されており、PCB5の一方の長辺5側に一部設けられていない領域がある。この領域はPCB5の長手方向における両端部に設けられており、IC制御電極18および電源電極20がこの領域に設けられている。そして、PCB5の一方の長辺5a側に位置する2点鎖線で囲む領域Aが、基板7の電極の端子と接続されるPCB5の電極6の端子として機能する。そのため、領域Aは、カバー部材4bよりも外側に配置され、外部に露出している。
PCB5の電極6dのグランド電極16は、PCB5の一方の長辺5a側に複数のスリット22を有している。そのため、上述したように、PCB5の長手方向にわたって設けられたグランド電極16は、PCB5の一方の長辺5a側がスリット22により切り欠かれることとなる。それにより、剥離が生じる可能性を低減することができる。同様に、PCB5の電極6cは、PCB5の変形に追従して変形することができるため、PCB5の内部に応力集中が生じることを抑えることができ、剥離する可能性を低減することができる。
これらのPCB5の電極6a,6b,6c,6dと、基材8と、カバー部材4とを積層してPCB5は形成されている。図4に示すように、サーマルヘッドX1は、各PCB5の電極6a,6b,6c,6dに設けられたスリット22が、平面視して、PCB5の長手方向に同等の位置に設けられている。このように、平面視して、スリット22を同等の位置に設けることで、この部位がPCB5の応力を緩和する部位として機能する。それにより、基板7とPCB5との剥離を低減することができる。
次に、図2を用いて、基板7とPCB5との接続方法について説明する。図2において、PCB5は、簡略化して示してある。
PCB5は、一方の長辺5a側にてPCB5の電極6が露出しており、基板7の電極であるIC−PCB接続電極21と導電部材32を介して接続されている。導電部材32は、例えば、導電性導電部材である半田材料、または電気絶縁性の樹脂中に導電性粒子が混入された異方性導電材料(ACF)等を例示することができる。そして、PCB5は、PCB5の下面に両面テープや接着剤等(不図示)によって放熱体1の突起部1bに接着されている。
半田材料を用いて接続する場合、はんだ材料を溶融させて接合する必要があり、PCB5の一方の長辺5a側の温度を上昇させる必要がある。また、ACFを用いて接続する場合、ACFを熱圧着する必要があり、PCB5の一方の長辺5a側の温度を上昇させる必要がある。そのため、PCB5の一方の長辺5a側に熱応力が生じることとなる。
これに対して、サーマルヘッドX1は、PCB5の電極6が、PCB5の一方の長辺5a側に複数のスリット22を有することから、PCB5の一方の長辺5a側に熱応力が生じた場合においても、スリット22が熱応力を緩和するように機能して、PCB5に生じる応力を緩和することができる。
サーマルヘッドX1は、PCB5の長手方向に一端部から他端部のかけて設けられたPCB5の電極6にスリット22が設けられていることから、スリット22によりPCB5の内部に生じる応力を緩和することができ、剥離が生じる可能性を低減することができる。同様に、PCB5の電極6cは、PCB5の変形に追従して変形することができるため、PCB5の内部に応力集中が生じることを抑えることができ、剥離する可能性を低減することができる。
また、スリット22がPCB5の幅方向に設けられていることから、PCB5、およびPCB5の電極6が変形した場合に、変形により生じた応力を有効に緩和することができる。特に、PCB5の電極6が、PCB5の長手方向の一端部から他端部にわたって設けられているため、PCB5の長手方向に対して大きく変形することから、PCB5に生じる応力を有効に緩和することができる。
なお、本明細書においては、スリット22は細長い切れ込みを意味する。スリット22の幅としては、100〜300μm程度であると、電気的な抵抗の増加および剛性の観点から好ましい。また、サーマルヘッドX1では、PCB5の幅方向にスリット22を設けた例を示したがこれに限定されるものではない。PCB5の長手方向に沿ってスリット22を設けてもよく、PCB5の長手方向に対して斜めに設けてもよい。また、スリット22をPCB5の一方の長辺5a側に設けた例を示したが、PCB5の他方の長辺5a側に設けてもよく、一方の短辺5cおよび他方の短辺5dに設けてもよい。
次に、本発明のサーマルプリンタの一実施形態について、図5を参照しつつ説明する。図5は、本実施形態のサーマルプリンタZの概略構成図である。
図5に示すように、本実施形態のサーマルプリンタZは、上述のサーマルヘッドX1、搬送機構40、プラテンローラ50、電源装置60、および制御装置70を備えている。サーマルヘッドX1は、サーマルプリンタZの筐体(不図示)に設けられた取付部材80の取付面80aに取り付けられている。なお、このサーマルヘッドX1は、発熱部9の配列方向が、後述する記録媒体Pの搬送方向Sに直交する方向である主走査方向に沿うようにして、取付部材80に取り付けられている。
搬送機構40は、感熱紙、インクが転写される受像紙等の記録媒体Pを図5の矢印S方向に搬送して、サーマルヘッドX1の複数の発熱部9上に位置する保護層25上に搬送するためのものであり、搬送ローラ43,45,47,49を有している。搬送ローラ43,45,47,49は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体43a,45a,47a,49aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材43b,45b,47b,49bにより被覆して構成することができる。なお、図示しないが、記録媒体Pが、インクが転写される受像紙等の場合は、記録媒体PとサーマルヘッドX1の発熱部9との間に、記録媒体Pとともにインクフィルムを搬送するようになっている。
プラテンローラ50は、記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧するためのものであり、記録媒体Pの搬送方向Sに直交する方向に沿って延びるように配置され、記録媒体Pを発熱部9上に押圧した状態で回転可能となるように両端部が支持されている。プラテンローラ50は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体50aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材50bにより被覆して構成することができる。
電源装置60は、上記のようにサーマルヘッドXの発熱部9を発熱させるための電流および駆動IC11を動作させるための電流を供給するためのものである。制御装置70は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を選択的に発熱させるために、駆動IC11の動作を制御する制御信号を駆動IC11に供給するためのものである。
本実施形態のサーマルプリンタZは、図5に示すように、プラテンローラ50によって記録媒体をサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧しつつ、搬送機構40によって記録媒体Pを発熱部9上に搬送しながら、電源装置60および制御装置70によって発熱部9を選択的に発熱させることで、記録媒体Pに所定の印画を行うことができる。なお、記録媒体Pが受像紙等の場合は、記録媒体Pとともに搬送されるインクフィルム(不図示)のインクを記録媒体Pに熱転写することによって、記録媒体Pへの印画を行うことができる。
<第2の実施形態>
図6を用いて、第2の実施形態に係るサーマルヘッドX2について説明する。サーマルヘッドX2は、PCB5の他方の長辺5b側にもスリット24が設けられている。また、PCB5の長手方向における両端部に設けられたスリット22,24の長さが、PCB5の長手方向における中央部に設けられたスリット22,24の長さよりも長い構成を有している。その他の点はサーマルヘッドX1と同様である。
サーマルヘッドX2は、PCB5の電極6a,6c,6dに、複数のスリット22,24が設けられている。PCB5の電極6a,6c,6dは、PCB5の一方の長辺5a側にスリット22が設けられ、PCB5の他方の長辺5b側にスリット24が設けられている。そして、スリット22およびスリット24は、平面視して、PCB5の長手方向に対してずれるように入れ子式に配置されている。そのため、PCB5の長手方向において、PCB5の電極6a,6c,6dは、PCB5の幅方向に極端に短い部分がない構成となる。それにより、サーマルヘッドX2では、スリット22,24を設けた場合においても、極端に電気抵抗が増大することを抑えることができる。さらに、PCB5の一方の長辺5a側だけではなく、他方の長辺5b側にもスリット24を設けることにより、PCB5の電極6a,6c,6dが、長手方向に柔軟に変形することが可能となる。それにより、PCB5の変形にPCB5の電極6が柔軟に追従することができ、PCB5の内部に生じる応力を低減することができる。それにより、PCB5と基板7との接続部である導電部材33(図2参照)に、生じる応力を低減することができ、基板7とPCB5との剥離の可能性を低減することができる。
ここで、基板とPCBの一方の長辺とが導電部材により接合された場合、基板とPCBとの変形量の違いに起因して、導電部材に応力が生じることとなる。この応力は、変形量の大きい長手方向における両端部に大きな応力が生じることとなる。それにより、基板とPCBとが長手方向における両端部にて剥離が生じる可能性がある。
これに対して、サーマルヘッドX2は、PCB5の長手方向における両端部に設けられたスリット22,24の長さが、PCB5の長手方向における中央部に設けられたスリット22,24の長さよりも長い構成となっているため、PCB5の両端部の変形にPCB5の電極6a,6cが柔軟に追従することが可能となる。そのため、長手方向における両端部において、基板7とPCB5との剥離が生じる可能性を低減することができる。なお、PCB5の電極6dにおいても、PCB5の長手方向における両端部に他のスリット22,24に比べて長いスリット22,24を設けてもよい。
なお、サーマルヘッドX2においては、PCB5の電極6の両端部に長さの長いスリットを設けた例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、一方の短辺5c側の
みのスリット22,24を長くしてもよく、他方の短辺5d側のみのスリット22,24を長くしてもよい。
<第3の実施形態>
図7を用いて、第3の実施形態に係るサーマルヘッドX3について説明する。サーマルヘッドX3は、PCB5の一方の長辺5a側に複数のスリット22が設けられており、PCB5の他方の長辺5b側に複数のスリット24が設けられている。そして、隣り合うスリット22およびスリット24同士の間隔が、PCB5の長手方向の中央部に比べてPCB5の長手方向の両端部が短い構成となっている。その他の構成はサーマルヘッドX1と同様である。
図7に示すように、PCB5の長手方向において、両端部に位置するスリット22同士の間隔が、中央部に位置するスリット22同士の間隔より短い構成となっている。より詳細には、スリット22同士の間隔W1は、長手方向における中央部から両端部に向かうにつれて短くなっている。同様に、PCB5の長手方向において、両端部に位置するスリット24同士の間隔が、中央部に位置するスリット24同士の間隔より短い構成となっている。より詳細には、スリット24同士の間隔W2は、長手方向における中央部から両端部に向かうにつれて短くなっている。そのため、PCB5の電極6は、中央部に比べて両端部に多くのスリット22,24を有することとなる。それにより、PCB5と基板7との変形量の差が大きくPCB5に生じる応力が大きい両端部においても、スリット22,24が、応力を緩和することにより、剥離が生じることを抑えることができる。
なお、PCB5の一方の主面5aに設けられたスリット22およびPCB5の他方の主面5bに設けられたスリット24ともに、スリット22,24同士の間隔が中央部に比べて両端部が短い構成を示したが、どちらか一方のみスリット22またはスリット24同士の間隔が中央部に比べて両端部が短い構成としてもよい。また、スリット22,24同士の間隔が中央部に比べて両端部が短い構成とし、かつ両端部に設けられたスリット22,24の長さが、中央部に設けられたスリット22,24の長さ長い構成としてもよい。その場合、さらにPCB5の両端部に生じる応力をさらに緩和することができ、剥離の生じる可能性の低減したサーマルヘッドX3とすることができる。
<第4の実施形態>
図8を用いて、第4の実施形態に係るサーマルヘッドX4について説明する。サーマルヘッドX4は、PCB5の電極6a,6c,6dに、PCB5の一方の長辺5a側に、長手方向に沿った細孔26が複数個設けられている。その他の構成は、サーマルヘッドX1と同様である。
サーマルヘッドX4は、PCB5の電極6a,6c,6dに、PCB5の一方の長辺5a側に、長手方向に沿った細孔26が複数個設けられている。細孔26は、基板の電極とPCB5の電極6とが接続される領域Aよりも、PCB5の他方の長辺5b側に複数個設けられている。各細孔26は、PCB5の長手方向に列状に配置されており、それぞれの細孔26が所定の間隔をあけて配置されている。
ここで、上述したように、基板とPCBとを接合するために、基板とPCBとの接合部に熱を加えるため、PCBの一方の長辺側が高温に曝され、接合時に生じた熱が、金属であるPCBの電極を通じてPCBの全体にまで熱伝導して、PCBの熱膨張が大きくなる場合がある。
これに対して、サーマルヘッドX4は、PCB5の一方の長辺5a側に、長手方向に沿った細孔26が複数個設けられているため、細孔26は、基板7とPCB5との接合時に
生じた熱がPCB5の電極6を通じて熱伝導することを有効に抑えることができる。
PCB5の電極6aに設けられた細孔26は、長手方向に同じ長さで形成されており、長手方向にて等間隔に配置されている。そして、スリット22,24が設けられた位置の幅方向に対応する位置には、細孔26が設けられていない構成となっている。そのため、PCB5の幅方向に見たとき、PCB5の電極6aの面積が少ない部位が生じておらず、PCB5の電極6aに電気抵抗の高い部位が生じることを抑えることができる。
また、PCB5の電極6cに設けられた細孔26は、PCB5の長手方向の中央部に設けられた細孔26の長さが、PCB5の長手方向の両端部に設けられた細孔26の長さよりも長い構成となっている。そのため、他の部位に比べて高温になる可能性のある中央部の熱をPCB5に熱伝導することを抑えることができる。
さらにまた、両端部に位置する隣接する細孔26同士の間隔が、中央部に位置する隣接する細孔26同士の間隔よりも短い構成となっている。それにより、変形量の大きいPCB5の両端部においても、基板7とPCB5との剥離が生じることを抑えることができる。
PCB5の電極6dに設けられた細孔26は、長さの長い細孔26が、長手方向における両端部および中央部に設けられている。そして、中央部に設けられた細孔26は、PCB5の他方の主面5b側に設けられており、コネクタ用端子32に隣接して配置されている。そのため、接合時に生じる熱がコネクタ用端子32に熱伝導することを抑えることができる。それにより、コネクタ用端子32が熱膨張により変形することを抑えることができ、サーマルヘッドX4の歩留まりを向上させることができる。
なお、細孔26のPCB5の長手方向における長さを、細孔26を設ける位置によって変更する例を示したが、細孔26の幅を、細孔26を設ける位置によって変更してもよい。例えば、PCB5の電極6dにおいて、両端部のPCB5の電極6dが細くなっている位置に細孔26を設ける場合、細孔26の幅を細くすることにより、電気抵抗が上昇することを抑えることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態であるサーマルヘッドX1を用いたサーマルプリンタZを示したが、これに限定されるものではなく、サーマルヘッドX2〜X4をサーマルプリンタZに用いてもよい。また、複数の実施形態であるサーマルヘッドX1〜X4を組み合わせてもよい。
例えば、発熱体15が端面に設けられた端面ヘッドに本発明を用いてもよく、折り返し電極を有するサーマルヘッドに本発明を用いてもよい。
また、サーマルヘッドX1では、蓄熱層13に隆起部13bが形成され、隆起部13b上に電気抵抗層15が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13に隆起部13bを形成せず、電気抵抗層15の発熱部9を、蓄熱層13の下地部13b上に配置してもよい。または、蓄熱層13を形成せず、基板7上に電気抵抗層15を配置してもよい。
また、サーマルヘッドX1では、電気抵抗層15上に共通電極17および個別電極19が形成されているが、共通電極17および個別電極19の双方が発熱部9(電気抵抗体)に接続されている限り、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13上に共通電極17および個別電極19を形成し、共通電極17と個別電極19との間の領域のみに電
気抵抗層15を形成することにより、発熱部9を構成してもよい。
また、PCB5がPCB5の電極6を4層積層した例を示したが、PCB5の電極6が単層でもよく、また、4層以外の積層したものでもよい。
X1〜X4 サーマルヘッド
Z サーマルプリンタ
1 放熱体
3 ヘッド基体
4 カバー部材
5 ガラスエポキシ基板
6 ガラスエポキシ基板の電極
7 基板
8 基材
9 発熱部(電気抵抗体)
10,12,14 スルーホール
11 駆動IC
17 共通電極
17a 主配線部
17b 副配線部
17c リード部
19 個別電極
21 IC−PCB接続電極
22 スリット
25 保護層
27 被覆層

Claims (7)

  1. 基板と、
    該基板上に複数設けられた発熱部と、
    該発熱部と電気的に接続された基板の電極と、
    該基板の電極の端子と電気的に接続された矩形状のガラスエポキシ基板と、を備え、
    該ガラスエポキシ基板は、該ガラスエポキシ基板の長手方向の一端部から他端部にわたって設けられたガラスエポキシ基板の電極を有し、
    該ガラスエポキシ基板の電極には、スリットが設けられており、
    前記ガラスエポキシ基板の長手方向の端部に位置する前記スリットの長さは、前記ガラスエポキシ基板の長手方向の中央部に位置する前記スリットの長さよりも長いことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記ガラスエポキシ基板の電極には、該ガラスエポキシ基板の幅方向に前記スリットが設けられている、請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記ガラスエポキシ基板は、一方の長辺が前記基板と導電部材を介して接続されており、
    前記ガラスエポキシ基板の電極には、該ガラスエポキシ基板の前記一方の長辺側に複数の前記スリットが設けられている、請求項1または2に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記ガラスエポキシ基板の電極には、前記ガラスエポキシ基板の他方の長辺側に前記スリットが設けられており、
    前記ガラスエポキシ基板の他方の長辺側に設けられた前記スリットは、該ガラスエポキシ基板の長手方向において、前記ガラスエポキシ基板の一方の長辺側に設けられた前記スリットと異なる位置に配置されている、請求項3に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記ガラスエポキシ基板の長手方向の端部に位置する前記スリット同士の間隔が、前記ガラスエポキシ基板の長手方向の中央部に位置する前記スリット同士の間隔よりも短い、請求項1乃至のいずれか1項に記載のサーマルヘッド。
  6. 前記ガラスエポキシ基板は、一方の長辺が前記基板と導電部材を介して接続されており、
    前記ガラスエポキシ基板の電極は、前記ガラスエポキシ基板の前記一方の長辺側に、該
    ガラスエポキシ基板の長手方向に沿った細孔が設けられている、請求項1乃至のいずれか1項に記載のサーマルヘッド。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のサーマルヘッドと、前記複数の発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、前記複数の発熱部上に記録媒体を押圧するプラテンローラとを備えることを特徴とするサーマルプリンタ。
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