JP5821564B2 - 電気コネクタ - Google Patents

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本発明は、互いに着脱可能に接続されるケーブル側コネクタと基板側コネクタとを備えた電気コネクタに関する。
本発明に関連する従来の電気コネクタとして、例えば、特許文献1記載の「ロック付き電気コネクタ」、特許文献2記載の「コネクタ」あるいは特許文献3記載の「ケーブルコネクタ」などがある。
特許文献1記載の「ロック付き電気コネクタ」は、互いに嵌合する第1及び第2のコネクタを備え、第1及び第2のコネクタ同士の嵌合をロックするロック付電気コネクタである。第1のコネクタは、ロック片と、ロック解除アームと、を有し、ロック片は略L字状であり、このL字の一方に第2のコネクタと係合する係合部、他方にロック解除アームのカム部と当接する突出部を備えている。ロック解除アームを幅方向に変位させ、カム部と突出部を当接させると、ロック片が厚み方向に変位して前記係合部の係合が解除される。また、第2のコネクタは、前記係合部と係合する係止窓を備えた金属シェルを有し、前記係止窓は第2のコネクタの外方へ臨み、かつ内方へ絞り込んで形成されている。第1及び第2のコネクタ同士が嵌合した際、前記係合部と前記係止窓とが係合し、第2のコネクタの一面より外方へ突出しない構成となっている。
特許文献2記載の「コネクタ」は、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとから構成されている。ケーブル側コネクタを基板側コネクタに嵌合すると、ケーブル側コネクタのシールドシェルと一体に形成された被ロックアームの傾斜した先端部が、基板側コネクタのシールドシェルの側面部に当接する。そして、被ロックアームは弾性変形し、先端部はケーブル側コネクタのハウジングに形成された被ガイド部の切欠部に進入する。次に、被ガイド部が更に基板側コネクタのハウジングに形成されたガイド部に進入すると、弾性変形した被ロックアームが復元して、先端部は側面部に開けられた孔にロックする。ロック状態を解除する場合には、ケーブル側コネクタのシールドシェルと一体に形成されたロック解除アームの指押部を押すことにより、先端部を側面部の孔から脱出させる。
特許文献3記載の「ケーブルコネクタ」は、基部及び基部の先端から前方に延びて相手側コネクタとの嵌合離脱をガイドするガイド突起部を有した絶縁材料製のプラグ側保持部材と、プラグ側保持部材に保持されたプラグコンタクトと、プラグ側保持部材の基部において互いに対向する下側および上側底面をそれぞれ覆うように設けられた金属製の第1及び第2シェル部材とを備えている。第1シェル部材は、第1シェル部材の先端部からガイド突起部の下側底面を覆うように一体に繋がって延びた第1グランド端子と、第1グランド端子から一体に繋がって上方に延びてガイド突起部に埋設される側壁部と、側壁部の上端から一体に繋がりガイド突起部の上側底面から突出して相手側コネクタとの嵌合をロック保持するロック部とを備えている。
特開2002−190351号公報 特開2003−168519号公報 特開2009−199890号公報
特許文献1〜3に記載されたコネクタは、いずれもロック機構を備えているので、接続したときの信頼性が高い点においては優れているが、ロック解除部を別部品として設ける必要があるため、部品点数の増加や形状の複雑化を招来し、製造工程における組立工数の増加及びコスト上昇の要因となっている。
本発明が解決しようとする課題は、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとの接続・分離作業が容易であって、信頼性の高い接続状態を得ることができ、構成部品点数の低減及び組み立て工数の削減を図ることができる電気コネクタを提供することにある。
本発明の電気コネクタは、互いに着脱可能に接続されるケーブル側コネクタと基板側コネクタとからなる電気コネクタにおいて、
前記ケーブル側コネクタと前記基板側コネクタとを接続したとき、前記ケーブル側コネクタのシェルと前記基板側コネクタのシェルとが重なり合う重合領域の前記ケーブル側コネクタのシェルに形成されたバネ片上にロック用凸状部を設け、前記重合領域の前記基板側コネクタのシェルに前記ロック用凸状部が嵌合・離脱可能なロック用切欠き部を設け、
前記ロック用切欠き部に嵌合された前記ロック用凸状部を作業者の押圧操作により前記ロック用切欠き部から離脱させるロック解除片を前記基板側コネクタのシェルに設けたことを特徴とする。
このような構成とすれば、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとを互いに嵌合させるだけで、ケーブル側コネクタのシェルに形成されたロック用凸状部と、基板側コネクタのシェルに形成されたロック用切欠き部と、が互いに嵌合して接続が完了するので、容易な作業により信頼性の高い接続状態を得ることができる。
また、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとを分離するときは、基板側コネクタのシェルに設けられたロック解除片を押圧操作することにより、ロック用凸状部をロック用切欠き部から離脱させ、ロックを解除することができるので、分離作業も容易である。
さらに、ロック用凸状部をケーブル側コネクタのシェルに一体的に設けるとともに、ロック用切欠き部及びロック解除片を基板側コネクタのシェルに一体的に設けることが可能となるため、構成部品点数を低減することができ、これにより、組み立て工数の削減を図ることができる。
ここで、前記領域の前記基板側コネクタのシェルに、前記ケーブル側コネクタと前記基板側コネクタとを接続したときに前記ロック用凸状部を包囲するようなコ字状若しくはC字状のスリットを形成することにより、前記ロック用切欠き部及び前記解除片を形成することが望ましい。
このような構成とすれば、構成部品点数及び組み立て工数の増加を招来することなく、ロック用切欠き部及び解除片を同時に形成することができる。
一方、前記ロック用凸状部が、前記基板側コネクタへの接続方向に向かって尖った膨出面若しくはテーパ面を有することが望ましい。
このような構成とすれば、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとを接続するとき、ロック用凸状部をロック用切欠き部へ円滑に嵌合させることができるので、接続作業の容易化を図ることができる。
本発明により、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとの接続・分離作業が容易であって、信頼性の高い接続状態を得ることができ、構成部品点数の低減及び組み立て工数の削減を図ることができる電気コネクタを提供することができる。
本発明の実施形態である電気コネクタを分離状態で示す斜視図である。 図1に示す電気コネクタの斜視図である。 図2の矢線Xで示す領域の拡大図である。 図2の矢線Y方向から見た図である。 図4中のA−A線における断面図である。 電気コネクタを接続したときの断面図である。 電気コネクタが接続状態にあるときの斜視図である。 図7中のB−B線における断面斜視図である。 接続状態にある電気コネクタを分離するときの断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。図1〜図5に示すように、本実施形態の電気コネクタ100は、互いに着脱可能に接続されるケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とによって構成されている。
ケーブル側コネクタ200は、複数の同軸ケーブル20にそれぞれ導通する複数のコンタクト21と、コンタクト21を保持する絶縁材料製のコンタクト保持部材22と、コンタクト保持部材22の上下面を覆うように取り付けられた金属製のシェル23と、シェル23と一体的に形成された、コネクタ後方側に自由端を有する飛び込み板状のバネ片24と、バネ片24の上面(露出面)に設けられたロック用凸状部25と、を備えている。バネ片24及びロック用凸状部25は、シェル23の長手方向23Lの両端寄りの部分にそれぞれ設けられている。バネ片24下部のコンタクト保持部材22には、ロック用凸形状部25が押圧されロックが解除される適切な窪み(図示せず)が設けられており、飛び込み板状のバネ片24のストッパーの役割を果たすようになっている。
基板側コネクタ300は、絶縁材料製のコンタクト保持部材30と、コンタクト保持部材30の上下面を覆うように取り付けられた金属製のシェル31と、シェル31の一部に開設されたロック用切欠き部32と、ロック用切欠き部32を覆うような状態でシェル31と一体的に形成された飛び込み板状のロック解除片33と、を備えている。ロック解除片33は、ケーブル側コネクタ200との接続側に向かって上り勾配をなすように傾斜している。ロック用切欠き部32およびロック解除片33は、シェル31の長手方向31Lの両端寄りの部分にそれぞれ設けられている。
図6に示すように、ケーブル側コネクタ200と、基板側コネクタ300と、を接続したとき、ケーブル側コネクタ200のシェル23と基板側コネクタ300のシェル31とが重なり合う重合領域Zのケーブル側コネクタ200のシェル23にバネ片24及びロック用凸状部25が設けられ、ロック用凸状部25が嵌合・離脱可能なロック用切欠き部32が重合領域Zの基板側コネクタ300のシェル31に設けられている。また、ロック用切欠き部32に嵌合されたロック用凸状部25を押圧操作によりロック用切欠き部32から離脱させるロック解除片33が基板側コネクタ300のシェル31の重合領域Zに設けられている。
ケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とを接続する場合、図1,図2に示すような状態で、ケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とを近づけ、ケーブル側コネクタ200のコンタクト保持部材22及びコンタクト21の部分を、基板側コネクタ300のシェル31内に差し込む。これにより、図5,図6に示すように、ケーブル側コネクタ200のバネ片24及びロック用凸状部25が、基板側コネクタ300のロック解除片33の下面側に入り込み、ケーブル側コネクタ200のロック用凸状部25が、基板側コネクタ300のロック用切欠き部32内に嵌合され、接続が完了する。
このように、ケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とを互いに嵌合させるだけで、ケーブル側コネクタ200のシェル23に形成されたロック用凸状部25が、基板側コネクタ300のシェル31に形成されたロック用切欠き部32に嵌合して接続が完了するので、容易な作業により信頼性の高い接続状態を得ることができる。
また、ケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とが接続されているときは、図6〜図8に示すように、ケーブル側コネクタ200のロック用凸状部25が、基板側コネクタ300のロック用切欠き部32内に嵌合されるとともに、バネ片24の弾性力によってロック解除片33方向に付勢されているので、ケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とを引き離す方向の外力が加わっても容易に分離することがなく、信頼性の向上に有効である。
さらに、ロック用凸状部25は、基板側コネクタ300への接続方向(図1中の矢線S方向)に向かって尖った膨出面を有する半弾丸形状であるため、ケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とを接続するとき、ロック用凸状部25をロック用切欠き部32へ円滑に嵌合させることができ、接続作業を容易化することができる。
次に、ケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とを分離するときは、図9に示すように、基板側コネクタ300のシェル31に設けられたロック解除片33を矢線P方向に押圧操作すると、ロック解除片33が下降し、その下面によってロック用凸状部25が押し下げられ、ロック用切欠き部32からロック用凸状部25が離脱し、ロックが解除される。
この後、ロック解除片33に矢線P方向の押圧力を加えたままの状態で、ケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とを引き離すと、ケーブル側コネクタ200が基板側コネクタ300から離脱するので、分離作業も容易である。
本実施形態の電気コネクタ100においては、ロック用凸状部25をケーブル側コネクタ200のシェル23と一体的に設けるとともに、ロック用切欠き部32及びロック解除片33を基板側コネクタ300のシェル31に一体的に設けているため、構成部品点数を低減することができ、これにより、組み立て工数の削減を図ることができる。
また、図6に示すように、重合領域Z(図6参照)の基板側コネクタ300のシェル31に、ケーブル側コネクタ200と基板側コネクタ300とを接続したときにロック用凸状部25を包囲するようなコ字状のスリット32sを形成することにより、ロック用切欠き部32及び解除片33が形成されている。このため、構成部品点数及び組み立て工数の増加を招来することなく、ロック用切欠き部32及び解除片33を同時に形成することができる。
本発明の電気コネクタは、電気・電子機器産業や自動車産業などの分野において広く利用することができる。
20 同軸ケーブル
21 コンタクト
22,30 コンタクト保持部材
23,31 シェル
23L,31L 長手方向
24 バネ片
25 ロック用凸状部
32 ロック用切欠き部
33 ロック解除片
100 電気コネクタ
200 ケーブル側コネクタ
300 基板側コネクタ
Z 重合領域

Claims (3)

  1. 互いに着脱可能に接続されるケーブル側コネクタと基板側コネクタとからなる電気コネクタにおいて、
    前記ケーブル側コネクタと前記基板側コネクタとを接続したとき、前記ケーブル側コネクタのシェルと前記基板側コネクタのシェルとが重なり合う重合領域の前記ケーブル側コネクタのシェルに形成されたバネ片上にロック用凸状部を設け、前記重合領域の前記基板側コネクタのシェルに前記ロック用凸状部が嵌合・離脱可能なロック用切欠き部を設け、
    前記ロック用切欠き部に嵌合された前記ロック用凸状部を作業者の押圧操作により前記ロック用切欠き部から離脱させるロック解除片を前記基板側コネクタのシェルに設けたことを特徴とする電気コネクタ。
  2. 前記重合領域の前記基板側コネクタのシェルに、前記ケーブル側コネクタと前記基板側コネクタとを接続したときに前記ロック用凸状部を包囲するようなコ字状若しくはC字状のスリットを形成することにより、前記ロック用切欠き部及び前記解除片を形成した請求項1記載の電気コネクタ。
  3. 前記ロック用凸状部が、前記基板側コネクタへの接続方向に向かって尖った膨出面若しくはテーパ面を有する請求項1または2記載の電気コネクタ。
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