JP5820834B2 - トナー容器及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー容器及びこのトナー容器を備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラム等の表面に形成された静電潜像に現像器からトナー(現像剤)を供給することで、現像処理を行っている。このような現像処理に用いられるトナーは、トナー容器から現像器に供給されている。
上記トナー容器は、通常、トナーを収容する容器本体と、容器本体の内面に沿って回転することで容器本体に収容されたトナーを攪拌する攪拌部材と、を備えている。また、上記攪拌部材は、PETフィルム(Polyethylene Terephthalate Film)等の合成樹脂製フィルムによって形成されるのが通常である(例えば、特許文献1の「攪拌部材(3)」、特許文献2の「搬送片32」、特許文献3の「攪拌羽根45」参照)。
特開2007−316447号公報 特開2005−077572号公報 特開2008−170896号公報
しかしながら、上記のように合成樹脂製フィルムによって攪拌部材を形成すると、攪拌部材の腰が弱くなり、攪拌部材を回転させた際に攪拌部材の回転軌跡が本来の回転軌跡からずれてしまう。その結果、攪拌部材が容器本体の隅部まで届かなくなり、使用が終了したトナー容器(以下、「使用済み容器」と称する。)にトナーが多く残ってしまう。なお、攪拌部材の腰を強くすればこのような不具合を多少改善することはできるが、その反面、容器本体内のトナーが空に近くなった時に攪拌部材が容器本体を跳ね上げる音が大きくなるという新たな弊害が生じる。
また、容器本体を製造する際には、キャビティー(固定金型)に形成された凹部内にコア(可動金型)を挿入して、キャビティーとコアの間に容器本体を成型するのが一般的である。このような成型方法を採用する場合、キャビティーと容器本体の接触面積はコアと容器本体の接触面積よりも大きくなるのが通常であり、このような接触面積の相違により、成型後の容器本体を離型する際の抵抗がキャビティー側とコア側で大きく異なってしまう。そのため、成型後の容器本体をキャビティーから離型できなくなるような不具合(所謂「キャビ取られ」)が発生したり、成型後の容器本体をキャビティーから離型させにくくなったりする問題がある。
本発明は上記した従来技術の課題を鑑みて成されたものであり、容器本体の隅部に攪拌部材を行き届かせることで使用済み容器に残るトナーの量を削減すると共に、容器本体の成型時に離型不良が発生するのを防止することを目的とする。
本発明のトナー容器は、トナーを収容する容器本体と、該容器本体の内面に沿って回転することで前記容器本体に収容されたトナーを攪拌する攪拌部材と、を備えたトナー容器であって、前記容器本体の前記内面には、前記攪拌部材の回転方向に沿ってリブが突設され、前記攪拌部材には、前記リブと対応する位置に、前記回転方向に沿ってスリットが形成されていることを特徴とする。
このような構成を採用することで、リブによって攪拌部材を回転方向に沿ってガイドし、攪拌部材の回転軌跡を修正することができる。これに伴って、容器本体の隅部に攪拌部材を行き届かせることが可能になるとともに、攪拌部材の攪拌性能を高めることが可能となる。そのため、容器本体の内部のトナーを極力使い切ることができ、使用済み容器に残るトナーの量を削減することができる。
また、キャビティー(固定金型)に形成された凹部内にコア(可動金型)を挿入することでキャビティーとコアの間に容器本体を成型する場合には、上記リブを成型するための溝部をコアに形成することになる。その結果、コアと容器本体の接触面積が大きくなり、コアと容器本体の接触面積をキャビティーと容器本体の接触面積に近づけることが可能となる。そのため、コアと容器本体の接触面積とキャビティーと容器本体の接触面積との違いによって離型不良(所謂「キャビ取られ」)が発生したり、成型後の容器本体をキャビティーから離型させにくくなったりするのを防止することが可能となる。これに伴って、容器本体を製造する作業の効率を向上させることが可能となる。
また、攪拌部材には、リブと対応する位置に、攪拌部材の回転方向に沿ってスリットが形成されている。そのため、リブによって攪拌部材をガイドする機能を高めることが可能となり、より一層確実に攪拌部材を容器本体の隅部に行き届かせることができる。
なお、「攪拌部材の回転方向に沿って」及び「前記回転方向に沿って」とは、必ずしも攪拌部材の回転方向と平行でなくても良く、攪拌部材の回転方向に沿う範囲で攪拌部材の回転方向に対して傾斜していても良い。
前記リブは、前記回転方向と平行に設けられていても良い。
このような構成を採用することで、攪拌部材を回転方向に沿って確実にガイドすることが可能となる。
前記容器本体は、トナーを排出するための排出口を備え、前記リブは、前記回転方向の下流側に向かって前記排出口側に傾斜していても良い。
このような構成を採用することで、容器本体内に収容されたトナーを攪拌部材によって排出口側へと移動させることが可能となり、トナーの排出性能を高めることができる。
前記リブの前記回転方向の上流端部には、ガイド部が設けられ、該ガイド部は、前記回転方向の上流側に向かって前記容器本体の前記内面からの突出高さが小さくなっていても良い。
このような構成を採用することで、攪拌部材がリブに引っ掛かるのを防止することができ、攪拌部材を円滑に回転させることが可能となる。
前記容器本体に回転可能に支持される取付部材を更に備え、前記攪拌部材は、前記取付部材に取り付けられて該取付部材と共に回転しても良い。
このような構成を採用することで、攪拌部材を確実に回転させることが可能となる。
前記攪拌部材は、合成樹脂製フィルムによって形成されており、可撓性を有していても良い。
このような構成を採用することで、容器本体の内面の形状に攪拌部材を沿わせやすくなる。一方で、攪拌部材が変形しやすくなり、攪拌部材の回転軌跡が本来の回転軌跡からずれやすくなるため、本発明の構成を用いて攪拌部材の回転軌跡を修正する効果が大きい。
本発明の画像形成装置は、上記したいずれかのトナー容器を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、容器本体の隅部に攪拌部材を行き届かせることで使用済み容器に残るトナーの量を削減すると共に、容器本体の成型時に離型不良が発生するのを防止することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターの概略を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターにおいて、前カバーが閉止された状態を示す右前側からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターにおいて、前カバーが開放された状態を示す右前側からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターにおいて、トナーコンテナ及び廃棄トナーボトルの周辺を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターのトナーコンテナにおいて、容器本体と蓋体を分離した状態を示す後上側からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターのトナーコンテナを示す右上側からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターのトナーコンテナにおいて、容器本体と搬送スクリューを示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターのトナーコンテナを示す下側からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターのトナーコンテナにおいて、容器本体を示す右上側からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターのトナーコンテナにおいて、攪拌パドルを示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターのトナーコンテナの容器本体を成型するための金型を示す左後側からの斜視図である。 他の異なる実施形態に係るモノクロプリンターのトナーコンテナにおいて、容器本体と搬送スクリューを示す平面図である。
まず、図1を用いて、画像形成装置としてのモノクロプリンター1の全体の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターの概略を示す模式図である。
モノクロプリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えており、プリンター本体2の下部には用紙(図示せず)を収納する給紙カセット3が設けられ、プリンター本体2の上部には排紙トレイ4が設けられている。
プリンター本体2の左側部には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器5が配置されている。プリンター本体2の右側部には、画像形成部6が設けられている。画像形成部6には、像担持体である感光体ドラム7が回転可能に設けられている。感光体ドラム7の周囲には、帯電器8と、トナー容器としてのトナーコンテナ9に接続された現像器10と、転写ローラー11と、クリーニング装置12とが、感光体ドラム7の回転方向(図1の矢印X参照)に沿って配置されている。トナーコンテナ9の右下方には、廃棄トナーボトル18が設けられている。
プリンター本体2の右側部には、下方から上方に向かって用紙の搬送経路13が設けられている。搬送経路13の上流端には給紙部14が設けられ、搬送経路13の中流部には、感光体ドラム7と転写ローラー11によって構成される転写部15が設けられ、搬送経路13の下流部には定着装置16が設けられている。搬送経路13の右方には、両面印刷用の反転経路17が設けられている。
次に、このような構成を備えたモノクロプリンター1の画像形成動作について説明する。
モノクロプリンター1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着装置16の温度設定等の初期設定が実行される。そして、モノクロプリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
まず、帯電器8によって感光体ドラム7の表面が帯電された後、露光器5からのレーザー光(図1の矢印P参照)により感光体ドラム7に対して画像データに対応した露光が行われ、感光体ドラム7の表面に静電潜像が形成される。次に、トナーコンテナ9から供給されるトナー(現像剤)によって、現像器10が静電潜像をトナー像に現像する。
一方、給紙部14によって給紙カセット3から取り出された用紙は、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて転写部15へと搬送され、転写部15において感光体ドラム7上のトナー像が用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、搬送経路13を下流側へと搬送されて定着装置16に進入し、この定着装置16において用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、搬送経路13の下流端から排紙トレイ4に排出される。なお、感光体ドラム7上に残留したトナーは、クリーニング装置12によって回収され、廃棄トナーボトル18に収容される。
次に、図2〜図4を用いて、プリンター本体2について更に詳細に説明する。なお、図2、図3における矢印Frは、モノクロプリンター1の正面側を示している(図5以降についても同様である)。
図2、図3に示されるように、プリンター本体2の前面の右側部には、前カバー20が取り付けられている。前カバー20は、給紙カセット3の上方且つ排紙トレイ4の下方に配置されている。前カバー20は、下端側を支点に回転することで開閉するように構成されている。
図3、図4に示されるように、プリンター本体2には、前カバー20(図4では図示せず)によって覆われる部分に、コンテナ装着部21が形成されている。コンテナ装着部21には、トナーコンテナ9(詳細は後述)が着脱可能に装着されており、前カバー20を開放することで、トナーコンテナ9をコンテナ装着部21から取り外せるようになっている。
プリンター本体2には、前カバー20によって覆われる部分に、ボトル装着部22が形成されている。ボトル装着部22は、コンテナ装着部21の右下方に配置されている。ボトル装着部22には、廃棄トナーボトル18が着脱可能に装着されており、前カバー20を開放することで、廃棄トナーボトル18をボトル装着部22から取り外せるようになっている。
次に、図5〜図10を用いて、トナーコンテナ9について詳細に説明する。なお、図5は後上側からの斜視図であるため、実際上の左右関係と図面上の左右関係が逆転している。また、各図に適宜付される矢印Aは、正面視で反時計回り(背面視で時計回り)の方向を示しており、以下、この方向を回転方向Aと称する。
図5に示されるように、トナーコンテナ9は、上面が開口された箱型形状の容器本体23と、容器本体23の上面を覆う蓋体24と、容器本体23の略中央に収容される取付部材としての取付枠25と、取付枠25に取り付けられる攪拌部材としての攪拌パドル26と、容器本体23の右下部(図5の図面上は左下部)に収容される搬送スクリュー27と、を備えている。
まず、容器本体23について説明する。容器本体23は、トナーを収容している。容器本体23は、例えば樹脂製であり、前後方向に長い形状を成している。容器本体23の上端外周には、本体側フランジ部28が設けられている。容器本体23の後端壁30の下端部には、左右一対の装着突起31が後方に向かって突設されている。容器本体23の後端壁30の右下部(図5の図面上は左下部)には、円筒状の貫通筒部32が設けられている。容器本体23の後端壁30の略中央には、貫通穴33が設けられている。
容器本体23の前端壁34の後面(内面)には、係合溝35が左右方向中央に凹設されている。係合溝35は、前端壁34の上端部から上下方向中央部にかけて設けられている。図6に示されるように、容器本体23の前端壁34の左側部には、トナーを容器本体23の内部に充填するための充填口36が設けられている。充填口36は、キャップ37によって塞がれている。容器本体23の前端壁34の右側部には、取っ手38が前方に向かって突設されている。
図7に示されるように、容器本体23の右側部には、排出ダクト部40が形成されている。排出ダクト部40は、下方に向かって円弧状に湾曲している。排出ダクト部40の前部には、容器本体23からトナーを排出するための排出口41が設けられている。図8に示されるように、排出口41の下側は、開閉可能なシャッター42によって覆われている。
図7に示されるように、容器本体23には、排出ダクト部40の左側にトナー収容部43が形成されている。図9に示されるように、トナー収容部43は、左下方に向かって円弧状に湾曲している。
トナー収容部43の内面45には、複数個(本実施形態では5個)のリブ46が回転方向Aに沿って突設されている。本実施形態では、各リブ46が回転方向Aと平行に設けられている。各リブ46は、前後方向に間隔をおいて配置されている。なお、図8に示されるように、トナー収容部43の外面は、各リブ46と対応する部分が内側に凹んでいない。
図9に示されるように、各リブ46は、トナー収容部43の形状に沿って円弧状に湾曲している。各リブ46の回転方向Aの上流端部には、ガイド部47が設けられている。ガイド部47は、先細り形状を成しており、回転方向Aの上流側に向かってトナー収容部43の内面45からの突出高さが小さくなっている。
次に、蓋体24について説明する。図5等に示されるように、蓋体24は、前後方向に長い矩形状を成している。蓋体24の外周には、容器本体23の本体側フランジ部28と対応する形状の蓋体側フランジ部51が設けられており、本体側フランジ部28と蓋体側フランジ部51が超音波溶着されることで、容器本体23と蓋体24が一体化されている(図6参照)。
次に、取付枠25について説明する。図5に示されるように、取付枠25は、前後方向に長い枠板状を成している。取付枠25の前端部は、容器本体23の前端壁34に設けられた係合溝35に係合し、取付枠25の後側部は、容器本体23の後端壁30に設けられた貫通穴33を貫通している。このような構成により、取付枠25が容器本体23に回転可能に支持されている。取付枠25の後端部は、容器本体23の後端壁30の後側(外側)に突出しており、この突出部分には第1駆動カップリング52が固定されている。
次に、攪拌パドル26について説明する。攪拌パドル26は、例えば、PETフィルム(Polyethylene Terephthalate Film)等の合成樹脂製フィルムによって形成されており、可撓性を有している。攪拌パドル26には、例えば、ルミラー(登録商標)を使用することができる。
図10に示されるように、攪拌パドル26は、前後方向に長い形状を成している。攪拌パドル26には、複数個(本実施形態では5個)のスリット53が回転方向Aに沿って形成されている。本実施形態では、各スリット53が回転方向Aと平行に設けられている。各スリット53は、攪拌パドル26の幅方向一端部(図10の図面上は右端部)から幅方向他側部(図10の図面上は左側部)まで設けられている。各スリット53は、容器本体23に設けられた各リブ46と対応する前後方向位置に形成されている。各スリット53の前後幅d1(図10参照)は、各リブ46の前後幅d2(図7参照)よりも大きい。
図10に示されるように、攪拌パドル26には、各スリット53によって区画される複数個(本実施形態では6個)の舌片54が形成されている。後端の舌片54は、その他の舌片54よりも前後幅が小さい。各舌片54には四角形状の窓部55が形成されている。攪拌パドル26の幅方向他端部(図10の図面上は左端部)には、各舌片54と対応する位置に取付穴56が設けられている。各取付穴56は、前後方向に間隔をおいて設けられている。そして、取付枠25に設けられた6個の取付部(図示せず)に各取付穴56を係合させることで、攪拌パドル26の幅方向他端部が前後方向に沿って取付枠25に取り付けられている(図5参照)。
次に、搬送スクリュー27について説明する。図7に示されるように、搬送スクリュー27は、前後方向に長い形状を成している。搬送スクリュー27は、棒状の回転軸57と、この回転軸57の外周に同心で設けられる螺旋状のフィン58と、を備えている。
回転軸57は、前後方向に長い形状を成している。回転軸57の前端部から後部に亘る部分は、容器本体23の排出ダクト部40に収容されている。回転軸57の前端部は、容器本体23の前端壁34に支持され、回転軸57の後側部は、容器本体23の後端壁30の貫通筒部32を貫通している。このような構成により、搬送スクリュー27が容器本体23に回転可能に支持されている。回転軸57の後端部は、容器本体23の後端壁30の後側(外側)に突出しており、この突出部分には第2駆動カップリング59が固定されている。
フィン58は、容器本体23の排出ダクト部40に収容されている。フィン58は、排出口41よりも前側の部分と排出口41よりも後側の部分とで螺旋の向きが逆になっている。
上記のように構成されたトナーコンテナ9において、容器本体23からトナーを排出する際の動作について説明する。
トナーコンテナ9をプリンター本体2のコンテナ装着部21に装着すると、排出口41を閉止する位置から排出口41を開放する位置までシャッター42が移動する。この状態で、モーター等の駆動源(図示せず)によって第1駆動カップリング52を回転させると、この回転が取付枠25に伝達され、取付枠25が回転方向Aに回転する。これに伴って、取付枠25に取り付けられた攪拌パドル26が取付枠25と共に回転方向Aに回転する。その際に、攪拌パドル26は、容器本体23のトナー収容部43の内面45に沿って、内面45に摺擦しながら回転することで、容器本体23のトナー収容部43に収容されたトナーを攪拌する。これに伴って、図7に矢印Bで示されるように、容器本体23のトナー収容部43に収容されたトナーが排出ダクト部40に向かって移動する。
また、上記駆動源(図示せず)によって第2駆動カップリング59を回転させると、この回転が搬送スクリュー27に伝達され、搬送スクリュー27が回転する。このように搬送スクリュー27が回転すると、図7に矢印Cで示されるように、排出ダクト部40内に流入したトナーが排出口41に向かって搬送される。このように排出口41に向かって搬送されたトナーは、排出口41を介して容器本体23から排出されて、現像器10に供給される。
上記のように攪拌パドル26をトナーコンテナ9に設けることで、トナー収容部43内のトナーを排出ダクト部40へと掻き集めることができる。そのため、搬送スクリュー27のみをトナーコンテナ9に設ける場合よりも、トナー収容部43内に残るトナーの量を削減することができる。しかしながら、前述のように攪拌パドル26は合成樹脂製フィルムによって形成されているため、攪拌パドル26を回転させた際に攪拌パドル26が変形し、攪拌パドル26の回転軌跡が本来の回転軌跡からずれてしまう虞が有る。このように攪拌パドル26の回転軌跡がずれると、攪拌パドル26が容器本体23の隅部(例えば、図7のD部分)まで届かなくなり、容器本体23の隅部にトナーが残ってしまう虞が有る。
しかしながら、本実施形態では、容器本体23のトナー収容部43の内面45に、攪拌パドル26の回転方向Aに沿って複数個のリブ46が突設されているため、各リブ46によって攪拌パドル26を回転方向Aに沿ってガイドし、攪拌パドル26の回転軌跡を修正することができる。これに伴って、容器本体23の隅部に攪拌パドル26を行き届かせることが可能になるとともに、攪拌パドル26の攪拌性能を高めることが可能となる。そのため、容器本体23の内部のトナーを極力使い切ることができ、使用済み容器に残るトナーの量を削減することができる。
また、各リブ46が回転方向Aと平行に設けられているため、攪拌パドル26を回転方向Aに沿って確実にガイドすることが可能となる。また、各リブ46の回転方向Aの上流端部にはガイド部47が設けられているため、攪拌パドル26が各リブ46に引っ掛かるのを防止することができ、攪拌パドル26を円滑に回転させることが可能となる。
また、攪拌パドル26には、各リブ46と対応する位置に、回転方向Aに沿ってスリット53が形成されている。(図9参照)。そのため、各リブ46によって攪拌パドル26をガイドする機能を高めることが可能となり、より一層確実に攪拌パドル26を容器本体23の隅部に行き届かせることができる。
また、攪拌パドル26は、取付枠25に取り付けられて取付枠25と共に回転するように構成されているため、攪拌パドル26を確実に回転させることが可能となる。また、攪拌パドル26は合成樹脂製フィルムによって形成されており、可撓性を有している。そのため、容器本体23のトナー収容部43の内面45の形状に攪拌パドル26を沿わせやすくなる。一方で、攪拌パドル26が変形しやすくなり、攪拌パドル26の回転軌跡が本来の回転軌跡からずれやすくなるため、本発明の構成を用いて攪拌パドル26の回転軌跡を修正する効果が大きい。
次に、上記のように構成されたトナーコンテナ9の容器本体23を製造する方法について、図11を用いて説明する。
容器本体23を成型するための金型は、キャビティー61と、キャビティー61の上側に配置されるコア62と、キャビティー61の後側に配置されるスライド63と、によって構成されている。
キャビティー61は、固定金型である。キャビティー61には、上面が開口された凹部64が形成されている。コア62は、キャビティー61に対して昇降可能に設けられている。コア62の外周面には、容器本体23の各リブ46を成型するための複数個(本実施形態では5個)の溝部65が前後方向に間隔をおいて形成されている。スライド63は、キャビティー61に対して前後方向スライド可能に設けられており、スライド63によって容器本体23の後端壁30の後面側を成型できるようになっている。
上記のように構成されたものにおいて、容器本体23を製造する際には、キャビティー61の凹部64内にコア62を挿入して、キャビティー61とコア62の間に容器本体23を成型する。この場合、キャビティー61と容器本体23の接触面積は、コア62と容器本体23の接触面積よりも大きくなるのが通常であり、このような接触面積の相違により、成型後の容器本体23を離型する際の抵抗がキャビティー61側とコア62側では異なってしまう。そのため、成型後の容器本体23をキャビティー61から離型できなくなるような不具合(所謂「キャビ取られ」)が発生したり、成型後の容器本体23をキャビティー61から離型させにくくなったりする問題がある。
しかしながら、本実施形態では、容器本体23の各リブ46を成型するための溝部65がコア62の外周面に形成されており、これに伴って、コア62と容器本体23の接触面積が大きくなる。そのため、コア62と容器本体23の接触面積をキャビティー61と容器本体23の接触面積に近づけることが可能となる。従って、コア62と容器本体23の接触面積とキャビティー61と容器本体23の接触面積との違いによって離型不良(所謂「キャビ取られ」)が発生したり、成型後の容器本体23をキャビティー61から離型させにくくなったりするのを防止することが可能となる。これに伴って、容器本体23を製造する作業の効率を向上させることが可能となる。
本実施形態では、容器本体23の各リブ46が回転方向Aと平行に設けられる場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、図12に示されるように、回転方向Aの下流側に向かって排出口41側に各リブ46が傾斜していても良い。このような構成を採用することで、容器本体23のトナー収容部43内に収容されたトナーを攪拌パドル26によって排出口41側へと移動させることが可能となる(図12の矢印E参照)。そのため、トナーの排出性能を高めることができる。
また、更に他の異なる実施形態では、回転方向Aの下流側に向かって容器本体23の長手方向中央側に各リブ46が傾斜していても良い。このような構成を採用することで、攪拌パドル26によってトナーをなるべく容器本体23の長手方向中央部に寄せることが可能となり、容器本体23の長手方向両端部に残るトナーの量を削減することができる。
以上の記載から明らかな通り、「攪拌パドル26の回転方向Aに沿って」とは、必ずしも攪拌パドル26の回転方向Aと平行でなくても良く、攪拌パドル26の回転方向Aに沿う範囲で攪拌パドル26の回転方向Aに対して傾斜していても良い。
本実施形態では、トナーコンテナ9に本発明の構成を適用したが、他の異なる実施形態では、トナーコンテナ9と現像器10の間に介装されるトナー容器(所謂「中間ホッパー」)に本発明の構成を適用しても良い。
本実施形態では、モノクロプリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、カラープリンター、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。
1 モノクロプリンター(画像形成装置)
9 トナーコンテナ(トナー容器)
23 容器本体
25 取付枠(取付部材)
26 攪拌羽根(攪拌部材)
41 排出口
45 内面
46 リブ
47 ガイド部
53 スリット
A 回転方向

Claims (5)

  1. トナーを収容する長手形状の容器本体と、該容器本体の内面に沿って回転することで前記容器本体に収容されたトナーを攪拌する攪拌部材と、を備えたトナー容器であって、
    前記容器本体の前記内面の一側部には、該容器本体の長手方向に沿って排出ダクト部が搬送部材を収容可能なように下方に向かって凹状に湾曲して形成され、該排出ダクト部にはトナーの排出口が設けられ、
    前記容器本体の前記内面には、前記攪拌部材の回転方向に沿って複数のリブが突設され、該リブは、平面視で、前記回転方向の下流側に向かって前記排出口側に傾斜して形成され、
    前記攪拌部材には、前記リブと対応する位置に、前記回転方向に沿ってスリットが形成されていることを特徴とするトナー容器。
  2. 前記リブの前記回転方向の上流端部には、ガイド部が設けられ、該ガイド部は、前記回転方向の上流側に向かって前記容器本体の前記内面からの突出高さが小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のトナー容器。
  3. 前記容器本体に回転可能に支持される取付部材を更に備え、
    前記攪拌部材は、前記取付部材に取り付けられて該取付部材と共に回転することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー容器。
  4. 前記攪拌部材は、合成樹脂製フィルムによって形成されており、可撓性を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー容器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー容器を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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