JP5820621B2 - 載置台の振動抑制装置及び載置台の振動抑制方法 - Google Patents
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Description
これにより、載置台に載置された機器類の移動等に伴い発生する、載置台の振動を抑制することができる。
また、挟持手段を構成するアーチ部材は、固定部材の両面に頂部を対向させて配置され、アーチ部材の曲率を変えて頂部を固定部材側に移動させるアクチュエータが設けられている。
これにより、アクチュエータでアーチ部材の曲率を変えて頂部を固定部材側に移動させ、アーチ部材により固定部材を両面から挟み、載置台の振動を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、アーチ部材に接合された膜型圧電素子が、印加電圧に基づいて伸縮され、曲率を変えてアーチ部材の頂部を固定部材側に移動させる。
即ち、膜型圧電素子に印加する電圧を制御することで、膜型圧電素子を、アーチ部材の曲率の大きさを変えるアクチュエータとして作用させることができる。
これにより、受け部材が固定部材を支持するので、膜型圧電素子の損傷が防止される。
請求項4に記載の発明によれば、アーチ部材の端部がスライド可能に架台に取り付けられている。これにより、アーチ部材の曲率の変更が容易になり、固定部材側への頂部の移動が確保される。また、ロック手段によりアーチ部材の端部が架台にロックされる。これにより、アクチュエータの拘束力を上回る衝撃力が載置台から伝播されても、アーチ部材の形状が維持される。
これにより、アーチ支持板の配置方向の選択の自由度が高くなり、挟持手段の小型化が図れる。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る載置台の振動抑制装置(以後、振動抑制装置と記載する)10は、アクティブ除振台50の架台16に設けられ、精密機器類が載せられる載置台12を支持し、載置台12の振動を抑制する。
図2の斜視図、及び図2のX−X線断面図である図3、4に示すように、振動抑制装置10の裏面には、載置台12に固定され、載置台12の振動が伝播される固定板14が設けられている。固定板14は鋼板製とされ、平板状の中央部14Cが水平に設けられ、両端部には載置台12の方向に折り曲げられた鉛直部14Eが載置台12の下面に固定されている。中央部14Cの両側面には、後述する挟持部54が配置されている。
また、中央部14Cを挟んで対向する位置には、下側板ばね22が、アーチ部を上に向けて、取付台17の上面に取り付けられている。このとき、アーチ部の先端は、固定板14の下面と所定の隙間S(数十μm程度)を開けて取り付けられている。下側板ばね22の表面には、アクチュエータ24が貼り付けられている。
更に、膜型圧電素子は、圧電セラミックが折り曲げられ歪が生じると、歪量に比例した電圧を発生する特性を有している。
即ち、アーチ支持板23の変形に伴い膜型圧電素子で発生した電圧を、リード線26で一体に描かれたセンサ用リード線でコントローラ30に導けば、コントローラ30で電圧を計測することができる。この電圧を利用すれば、アクチュエータ24を制御することができる。
この構成において、載置台12が軽量で、かつ載置台12で発生する衝撃力が小さい場合には、下側板ばね22のアーチ部の先端を隙間2S以上の距離h1だけ、アクチュエータ24で伸張させることができる。この結果、固定板14及び載置台12が隙間S以上の距離h2だけ持ち上げられる。この状態において、固定板14が、上側板ばね20と下側板ばね22で上下方向から挟持される。
図9の部分断面図に示すように、下側板ばね22の一方の脚部は固定部48の上部に取り付けられ、他方の脚部はスライド部49の上部に設置されている。そして、固定部48の下部とスライド部49の下部は、いずれもロック台58の上面に配置されている。ここに、スライド部49の下部は、ロック台58の上面をスライドする構成である。ロック台58は、横部材46の上面に設けられた取付台17に固定されている。
図10は、載置台(ステージ)12の上面を作業機器が、例えば距離0.8m離れた場所まで移動して、移動先で定められた作業を行い、作業後、元の位置まで戻る場合における、移動時間とステージ位置の関係を示している。
このため、図11に示す各工程を実行して、柔らかくステージ12を支持する状態と、高い剛性でステージ12を支持する状態をスムーズに切り替えている。
これにより、作業機器が載置台12の上を移動しても、載置台12に生じる振動を効果的に抑制することができる。作業機器類が異なる方向に移動して作業をするときや、移動する距離が異なるときも、同じ考えで制御すればよい。
第2の実施の形態に係る載置台の振動抑制装置80は、上側板ばね76にのみアクチュエータ24を取り付けた構成である。
即ち、図12に示すように、固定板14の中央部14Cの両面に、上側板ばね76と下側板ばね77が配置されている。このとき、上側板ばね76と下側板ばね77の頂部は所定の距離Sだけ開けて配置され、上側板ばね76にはアクチュエータ24が取り付けられ、コントローラ30とリード線26で接続されている。下側板ばね77には、アクチュエータ24は取り付けていない。
この結果、載置された作業機器の移動に伴い発生する載置台12の振動を抑制することができる。
他の部分の構成は、第1の実施の形態と同じであり説明は省略する。
第3の実施の形態に係る載置台の振動抑制装置82は、上側板ばね76及び下側板ばね22の両方にアクチュエータ24を取り付けた構成である。
即ち、図13の断面図に示すように、固定板14中央部14Cの両面に、上側板ばね76と下側板ばね22を配置した構成である。このとき、上側板ばね76と下側板ばね77の頂部は所定の距離Sだけ開けて配置され、上側板ばね76と下側板ばね22には、それぞれアクチュエータ24が取り付けている。アクチュエータ24は、それぞれのコントローラ30とリード線26で接続されており、アクチュエータ24は、それぞれ独立して制御される。
この構成は、載置台12に上下方向の移動が生じないため、載置台12の高さ制御に、より高い精度が要求されるときに対応できる長所を有する。他の部分は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
第4の実施の形態に係る載置台の振動抑制装置84は、第3の実施の形態で説明した、上側板ばね及び76下側板ばね22の両方にアクチュエータ24を取り付けた構成である。そして、2つのアクチュエータ24を、1つのコントローラ31で制御する。
即ち、図14に示すように、上側板ばね76及び下側板ばね22のアクチュエータ24からのリード線26を、いずれもコントローラ31に接続している。ここに、リード線26には、アクチュエータ24に設けられたセンサからの出力信号用のリード線、及びアクチュエータ24への制御電圧供給用のリード線のいずれも含まれている。
この結果、例えば、上側板ばね76又は下側板ばね22のセンサからの出力に対応させて、上側板ばね76又は下側板ばね22のアクチュエータ24を変形させ、上側板ばね76又は下側板ばね22を移動させ、固定板14を両面から挟むことができる。
図15において、破線で示す特性Aは、振動を制御しない場合の伝達率であり、実線で示す特性Bは、本実施の形態で説明した制御を行った場合の伝達率である。結果から、本実施の形態で説明した制御を行った場合、振動数20Hzを中心とした共振点において、伝達率を約15dBから約5dBまで、約105dB程度低減させることができることが分かる。
なお、他の構成として、下側板ばね22のアクチュエータ24に設けられたセンサからの出力で、上側板ばね76のアクチュエータ24を制御することもできる。この構成においても、上記と同様の効果を得ることができる。
他の構成は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
第5の実施の形態に係る載置台の振動抑制装置60は、固定板14の中央部14Cを挟んで、中央部14Cの上下に上側板ばね20と下側板ばね62を、頂部の稜線を交差させて配置した構成である。
図16の斜視図に示すように、下側板ばね62は、第1の実施の形態における載置台の振動抑制装置10における下側板ばね22と異なり、取り付け方向を90度回転させて、取付台17に取り付けられている。即ち、上側板ばね20と下側板ばね62は、頂部の稜線が互いに直交している。
12 ステージ(載置台)
14 固定板(固定部材)
16 架台
20 上側板ばね(挟持手段)
22 下側板ばね(挟持手段)
23 アーチ支持板(アーチ部材)
24 アクチュエータ(膜型圧電素子)
27 センサ(センシング手段、膜型圧電素子)
30 コントローラ(制御手段)
32 空気ばね(振動吸収手段)
54 挟持部(挟持手段)
56 ロック部(ロック手段)
64 受け材(受け部材)
Claims (8)
- 機器類が載せられ振動吸収手段によって架台に支持された載置台に固定された固定部材と、
前記固定部材の両面と所定の隙間を開けて前記架台に設けられ、前記固定部材に向かって移動し、前記固定部材を両面から挟んで前記載置台を支持する挟持手段と、
前記載置台の振動を検知して信号を出力するセンシング手段と、
前記センシング手段からの前記信号に基づき、前記挟持手段を移動させる制御手段と、
を有する載置台の振動抑制装置であって、
前記挟持手段は、前記固定部材の両面に頂部が対向するように配置されたアーチ部材と、
前記アーチ部材に設けられ、前記アーチ部材の曲率を変えて前記頂部を前記固定部材側に移動させるアクチュエータと、
を有する載置台の振動抑制装置。 - 前記アクチュエータは、前記アーチ部材に接合され、印加電圧に基づいて伸縮する膜型圧電素子である請求項1に記載の載置台の振動抑制装置。
- 前記頂部に支持され、前記膜型圧電素子の上方に架け渡された受け部材が前記固定部材を支持する請求項2に記載の載置台の振動抑制装置。
- 前記アーチ部材の端部は、前記架台にスライド可能に取り付けられ、前記架台には前記端部をロックするロック手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の載置台の振動抑制装置。
- 前記アーチ部材は、鋼板を湾曲させて形成されたアーチ支持板であり、前記固定部材の上側に配置された前記アーチ支持板の頂部の稜線と、下側に配置された前記アーチ支持板の頂部の稜線が直交している請求項1〜4のいずれか1項に記載の載置台の振動抑制装置。
- 前記センシング手段は、前記固定部材の振動で前記アーチ部材が変形され歪が発生したとき、前記歪を検知して電圧を発生させるセンシング用の膜型圧電素子、又はセンシング機能とアクチュエータ機能を合わせ持つ膜型圧電素子であり、
前記制御手段は、前記膜型圧電素子への印加電圧を制御して、前記固定部材の振動と逆位相の振動を前記アーチ部材から前記固定部材へ加える請求項2〜5のいずれか1項に記載の載置台の振動抑制装置。 - 前記センシング手段及び前記アクチュエータが、前記固定部材の上側又は下側のアーチ部材の少なくともいずれか一方に設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の載置台の振動抑制装置。
- センシング手段により、機器類が載せられ振動吸収手段によって架台に支持された載置台の振動を検出して信号を発生させる振動検出工程と、
前記載置台に固定された固定部材の両面に所定の隙間を開けて配置されたアーチ部材の曲率を変え、前記アーチ部材の頂部を前記固定部材側に移動させるアクチュエータに、前記信号に基づいて、制御手段により電圧を印加する電圧出力工程と、
印加した前記電圧により、前記頂部を前記固定部材側に移動させ、前記固定部材を両面から挟んで前記載置台を支持する挟持工程と、
前記頂部が前記固定部材側に移動したとき、前記架台にスライド可能に取り付けられたアーチ部材の端部を、前記架台に取り付けられたロック手段でロックするロック工程と、
前記固定部材を前記アーチ部材で支持した状態で、前記アクチュエータへの印加電圧を変化させ、前記載置台に前記振動と逆位相の振動を加える振動抑制工程と、
を有する載置台の振動抑制方法。
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