JP2005166996A - 基板処理装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 床部Fに固定された基礎部200と、基礎部200に対して振動的に分離されて支持された主要部150とを有する基板処理装置EXにおいて、基礎部200に対する主要部150の床部Fに沿った第1方向の運動を許容しつつ、第1方向と略直交し床部に沿った第2方向の運動を弾性を持って拘束可能な固定装置340と、固定装置340の拘束状態と非拘束状態とを床部の振動状態に応じて切り替える制御装置CONTとを有する。
【選択図】 図1
Description
例えば、半導体デバイスの製造過程で用いられる露光装置の場合には、外部からの振動の影響を遮断するために、露光装置の土台となる基礎部を床部に固定して据え付け、その基礎部の上にエアマウントを介して、投影光学系やレチクルステージ等を含む主要部を非接触に戴置している。
上記の様な機械装置及び露光装置において、地震等に伴う大きな振動が装置に加わった場合には、防振パッドやエアマウント上の主要部が脱落し、装置内外に重大な損傷を与えることが予測される。このため、基礎部と主要部との間にストッパ装置を設け、地震等の大きな振動が加わった際に動作させて、主要部と可動部とを確実に固定し、露光装置等の損壊、或いはその周辺に与える影響を回避している。
第1の発明は、床部(F)に固定された基礎部(200)と、基礎部に対して振動的に分離されて支持された主要部(150)とを有する基板処理装置(EX)において、基礎部に対する主要部の床部に沿った第1方向(X方向)の運動を許容しつつ、第1方向と略直交し床部に沿った第2方向(Y方向)の運動を弾性を持って拘束可能な固定装置(340)と、固定装置(340)の拘束状態と非拘束状態とを床部の振動状態に応じて切り替える制御装置(CONT)とを有するようにした。この発明によれば、床部の振動状態に応じて主要部の拘束と非拘束とを切り替えて、基板処理装置に損傷を与えるおそれのある床振動が発生した場合に主要部を拘束することができる。そして、基礎部に対する主要部の第2方向の移動は弾性を持って拘束し、第1方向の移動は拘束しないので、拘束に際して主要部に衝撃を与えず、基板処理装置を損壊することはない。
また、固定部材(340A〜340D)は、被固定部材(350,352)に対してそれぞれ独立に駆動されて被固定部材(350,352)を挟持する2つの固定子(343A〜343D)を有するものでは、被固定部材の第2方向の両側に配置した各固定子が独立して駆動されるので、各固定子が一体となって駆動する場合のように何れか一方の固定子のみが被固定部材と当接するのではなく、全ての固定子が被固定部材と当接して、第2方向への移動を拘束することができる。
また、固定子(343A〜343D)は、被固定部材(350,352)に対向する面(343As〜343Ds)に弾性体(344A〜344D)を有するものでは、固定子が被固定部材と当接する際に、弾性体が変形するので、衝突時の衝撃を緩和することができる。
また、固定部材(340A〜340D)と被固定部材(350,352)との少なくとも一方は、主要部(150)と基礎部(200)との何れか一方に弾性体(346A〜346D)を介して支持されるものでは、固定部材或いは被固定部材に伝わる衝撃が弾性体の変形により緩和される。
また、第2方向(Y方向)の運動を許容し、第1方向(X方向)の運動を弾性を持って拘束する第2固定装置(320)を有するものでは、固定装置によって拘束されない主要部の第1方向の運動を第2固定装置によって弾性を持って拘束することができるので、主要部に衝撃を与えることなく主要部の水平方向の運動(X,Y方向の並進、θZ方向の回転)を完全に拘束することができる。
また、基礎部(200)と主要部(40)とのいずれか一方に設けられた被固定部材(43)を有し、エアバッグ(472)は、被固定部材を囲むように基礎部と主要部とのいずれか他方に設けられるものでは、主要部の運動を挟むように徐々に拘束するので、主要部の各方向の移動を容易に拘束することができる。
第1の発明は、床部に固定された基礎部と、基礎部に対して振動的に分離されて支持された主要部とを有する基板処理装置において、基礎部に対する主要部の床部に沿った第1方向の運動を許容しつつ、第1方向と略直交し床部に沿った第2方向の運動を弾性を持って拘束可能な固定装置と、固定装置の拘束状態と非拘束状態とを床部の振動状態に応じて切り替える制御装置とを有するようにした。この発明によれば、床部の振動状態に応じて主要部の拘束と非拘束とを切り替えることができるので、基板処理装置に損傷を与えるおそれのある床振動が発生した場合に主要部を拘束することができる。そして、基礎部に対する主要部の第2方向の移動は弾性を持って拘束し、第1方向の移動は拘束しないので、拘束に際して主要部に衝撃を与えることはなく、急激な拘束による基板処理装置の損傷を免れることができる。
また、固定部材が、被固定部材に対してそれぞれ独立に駆動されて被固定部材を挟持する2つの固定子を有するものでは、固定子が独立して被固定部材と当接して第2方向への移動を拘束するので、各固定子への負担を分散しつつ、被固定部材を確実に拘束することができる。
また、固定子が、被固定部材に対向する面に弾性体を有するものでは、固定子が被固定部材と当接する際に、弾性体が変形して、衝突時の衝撃を緩和するので、装置の損壊を回避することができる。
また、固定部材と被固定部材との少なくとも一方が、主要部と基礎部との何れか一方に弾性体を介して支持されるものでは、固定部材或いは被固定部材に伝わる衝撃が弾性体の変形により緩和され、装置の損壊を回避することができる。
また、第2方向の運動を許容し、第1方向の運動を弾性を持って拘束する第2固定装置を有するものでは、第2方向の運動を拘束する固定装置と、第1方向の運動を拘束する第2固定装置とを同時に用いることにより、固定装置及び第2固定装置がそれぞれ独立して作用して、主要部に対して第1方向と第2方向とのいずれかの方向の衝撃も与えることなく、主要部の運動(X,Y方向の並進、θZ方向の回転)を拘束するので、装置の損壊を回避することができる。
また、基礎部と主要部とのいずれか一方に設けられた被固定部材を有し、エアバッグは、被固定部材を囲むように基礎部と主要部とのいずれか他方に設けられるものでは、主要部の運動を挟むように徐々に拘束するので、主要部の各方向の移動を容易に拘束することができる。
なお、以下の説明において、投影光学系30の光軸と一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でレチクルRとウエハWとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向に垂直な方向(非走査方向)をY軸方向とする。更に、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
この照明光学系10は、本体フレーム100を構成する第2架台120の上面に固定された上方向(Z方向)に伸びる照明系支持部材12によって支持される。
このレチクルステージ20は、本体フレーム100を構成する第2架台120の上面に不図示の非接触ベアリング(例えば気体静圧軸受け)を介して浮上支持される。
また、投影光学系30の外壁にはフランジ31が設けられ、本体フレーム100を構成する第1架台110に設けられた穴部111に挿入されて、フランジ31を介して支持される。
ウエハステージ40が備える定盤42は、エアマウント400を介して基礎フレーム200のベース部201上に支持される。エアマウント400は、定盤42を非接触で駆動するアクチュエータと、定盤42に取り付けられた加速度計と、定盤42の位置を非接触で検出する位置センサ(いずれも不図示)と共に、床振動を遮断しつつ定盤42の位置を制御するアクティブ防振台を構成している。これにより、ウエハステージ40は基礎フレーム200から振動的に分離され、能動的に防振支持される。
そして、例えば、レチクルステージ20及びウエハステージ40に設けられたレーザ干渉計の検出結果に基づいてレチクルR及びウエハWの位置を制御して、レチクルRに形成された回路パターンの像をウエハW上のショット領域に転写する露光動作を繰り返し行う。また、後述する加速度計360,460の計測結果に基づいて、ストッパシステム310,410による拘束状態と非拘束状態との切り替えを行う。
なお、以下の説明において、本体フレーム100と、照明光学系10、レチクルステージ20、投影光学系30等の本体フレーム100に支持される装置群とを合わせて主要部150と呼ぶ。
ストッパ装置320は、図2に示すように、2つのストッパ部320A,320Bから構成され、主要部150(本体フレーム100)のX方向の両側に、主要部150を挟んで対称に配置される。
ストッパ装置340は、図2に示すように、4つのストッパ部340A〜340Dから構成され、主要部150のX方向の両側に、それぞれ2つのストッパ部が配置される。具体的には、本体フレーム100の+X方向側にはストッパ部340A,Bが、−X方向側にはストッパ部340C,Dが配置される。更に、ストッパ部340A,B及びストッパ部340C,Dは、本体フレーム100のX方向の両側面に設けられた突起部350,352をY方向に挟んで対称に配置される。
なお、ストッパ装置320と異なり、ストッパ装置340を4つのストッパ部340A〜340Dで構成するのは、本体フレーム100のX方向の両側に全てのストッパ装置320,340を設けることにより本体フレーム100の回転方向(θZ方向)の拘束力を向上させると共に、ストッパ装置340のメンテナンスを容易にするためである。すなわち、本体フレーム100の外周にはウエハ搬送装置や塗布現像装置等の周辺装置が配置されるので外周4方向全てからメンテナンスを行うことは困難である。このため、ストッパ装置320,340をX方向の2面に集中させてX方向両面のみにメンテナンススペースを確保してメンテナンスを容易にしている。したがって、これら周辺装置の配置上の制約がなければ、ストッパ装置340をストッパ装置320と同一の構成として、本体フレーム100のY方向の両側に配置してもよい。また、周辺装置の配置に応じて、ストッパ装置320とストッパ装置340との両方をY方向の両側に配置してもよい。
そして、ストッパシステム310は、非動作時には、基礎フレーム200に対して本体フレーム100を拘束せず、本体フレーム100のX方向の移動を1〜2mm程度許容する。一方、クリーンルームの床部F上に配置された加速度計360により計測された振動が所定の閾値を超えた際は、制御装置CONTからの指令により動作し、主要部150を基礎フレーム200に対して拘束する。
なお、加速度計360は、クリーンルームの床部Fのみならず、クリーンルームが設置される建屋の地上階の床部、或いは屋外の地面などに設置してもよい。また、露光装置EXが複数台ある場合には、それぞれの露光装置EX毎に加速度計360を接続してもよいし、複数台の露光装置EXに1つの加速度計360を接続してもよい。また、ストッパシステム310が作動する加速度、すなわち閾値は、露光装置EXの種類、設置場所等の条件に応じて、任意に定められる。
上述したように、ストッパ装置320は、同一構成の2つのストッパ部320A,320Bから構成されるので、代表してストッパ部320Aについて説明する。なお、ストッパ部320Bについては、各構成要素の符号中のアルファベットを「A」から「B」とすればよいので、図示及び説明を省略する。
ストッパ部320Aは、図3(a)に示すように、基礎フレーム200からZ方向に立設する柱321と、柱321に連結されてZ方向に所定のストロークを有するシリンダ322Aと、シリンダ322Aに連結されてZ方向に移動する固定子323Aとを備える。なお、柱321とシリンダ322Aとは、ゴム板326Aを介して間接的に接続される。また、固定子323Aは、図3(b)に示すように、シリンダ322Aの先端に設けられたY方向に平行な軸325Aに嵌合してシリンダ322Aに連結されるので、軸325Aに沿ってY方向に数mm程度、微動可能である。更に、固定子323Aにおける本体フレーム100と対向する面323Asは、図3(a)に示すように、ZY平面から約10〜30度程度の角度で傾けられる。そして、その対向面323Asには、ゴム板324Aが設けられる。
一方、本体フレーム100のX方向の側面には、固定子323Aと対向する部位330Aが形成される。部位330Aにおける固定子323Aとの対向面330Asは、対向面323Asと平行に形成され、その対向面330Asには、ゴム板331Aが設けられる。
そして、シリンダ322Aの非動作時(最も縮んでいる時)には、ゴム板331Aとゴム板324Aとの間には、X方向に1〜2mm程度の隙間が形成される(図2参照)。
なお、ゴム板331Aとゴム板324Aとの間に、X方向に1〜2mm程度の隙間が形成されるのは、主要部150の基礎フレーム200に対するX方向の移動を可能にするためである。また、ゴム板331Aとゴム板324AとがZY平面から所定の角度で傾けられるのは、ゴム板331Aとゴム板326Aとの当接時にシリンダ322Aの駆動力の全てが直接、主要部150に加わるのを避けて、主要部150に与える衝撃を小さく抑えるためである。
これにより、ストッパ装置320は、非動作時には、ストッパ部320A,Bが受動的に本体フレーム100と当接して、基礎フレーム200に対する主要部150のX方向の移動量が1〜2mm程度となるように規制することができる。また、シリンダ322A,Bを動作させると、固定子323A,Bがそれぞれ能動的に本体フレーム100と当接することにより、基礎フレーム200に対する主要部150のX方向の移動を拘束することができる。
上述したように、ストッパ装置340は、同一構成の4つのストッパ部(固定部材)340A〜340Dから構成されるので、代表してストッパ部340A,Bについて説明する。なお、ストッパ部340C,Dについては、各構成要素の符号中のアルファベットを「A」から「C」、「B」から「D」とすればよい(必要に応じて括弧付き符号を付記する)ので、図示及び説明を省略する。
ストッパ部340A,Bは、図4(a)に示すように、基礎フレーム200からZ方向に立設する柱341と、柱341に連結されてZ方向に所定のストロークを有する2つのシリンダ342A,Bと、シリンダ342A,Bのそれぞれに連結されてZ方向に移動する固定子343A,Bとを備える。なお、柱341とシリンダ342A,Bとは、ゴム板(弾性体)346A,Bを介して間接的に接続される。また、固定子343A,Bは、図4(c)に示すように、シリンダ342A,Bの先端に設けられたX方向に平行な軸345A,Bに嵌合してシリンダ342A,Bに連結されるので、軸345A,Bに沿ってそれぞれX方向に数mm程度、微動可能である。更に、固定子343A,Bにおける本体フレーム100の突起部350(352)と対向する面343As,343Bsは、図4(a)に示すように、ZX平面から約10〜30度程度の角度で傾けられる。そして、その対向面343As,343Bsには、それぞれゴム板(弾性体)344A,Bが設けられる。
一方、図4(b)に示すように、本体フレーム100のX方向の側面には、X方向に突き出した突起部(被固定部材)350(352)が設けられる。そして、突起部350におけるY方向の両側の対向面350As,Bs(352Cs,Ds)は、固定子343A,Bの対向面343As,343Bsと平行に形成され、その対向面350As,Bsには、ゴム板351A,B(353C,D)が設けられる。
そして、シリンダ342A,Bのそれぞれの非動作時(最も縮んでいる時)には、ゴム板351Aとゴム板344Aとの間、及びゴム板351Bとゴム板344Bとの間には、それぞれY方向に1〜2mm程度の隙間が形成される(図2参照)。
なお、ゴム板351A,Bとゴム板344A,Bとの間に、それぞれY方向に1〜2mm程度の隙間が形成されるとともに、ゴム板351A,Bとゴム板344A,BとがZX平面から所定の角度で傾けられるのは、ストッパ装置320の場合の理由と同じである。
これにより、ストッパ装置340は、非動作時には、ストッパ部340A〜Dが受動的に本体フレーム100の突起部350と当接して、基礎フレーム200に対する主要部150のY方向の移動量が1〜2mm程度となるように規制することができる。また、シリンダ342A〜Dを動作させると、固定子343A〜Dがそれぞれ能動的に本体フレーム100の突起部350,352と当接することにより、基礎フレーム200に対する主要部150のY方向の移動を拘束することができる。
そして、ストッパシステム410は、非動作時には、ストッパ装置420により、基礎フレーム200に対するウエハステージ40のXY方向の移動量が1〜2mm程度となるように規制する。一方、クリーンルームの床部F上配置された加速度計460により計測された振動が所定の閾値を超えた際に、制御装置CONTからの指令によりストッパ装置430を動作させ、ウエハステージ40を基礎フレーム200に対して拘束する。
なお、この加速度計460は、ストッパシステム310で用いた加速度計360を共用することもできる。また、ストッパシステム410が作動する閾値は、ストッパシステム310の閾値と同一であってもよいし、ストッパシステム310,410毎に異なる値としてもよい。
ストッパ装置430は、基礎フレーム200のベース部201の略中央部からZ方向に立設する柱431と、柱431に連結されてZ方向に所定のストロークを有するシリンダ432と、シリンダ432に連結されてZ方向に移動する固定子433とを備える。なお、柱431とシリンダ432とは、ゴム板434を介して間接的に接続される。また、固定子433は、ゴム等の弾性体からなり、円柱形部(係合部)433aにフランジ部(平板部)433bを設けた形状を有する。
一方、ウエハステージ40の定盤42の下面42aには、固定子433の円柱形部433aよりも直径で2〜4mm程度大きな円形の穴部43が形成されている。そして、シリンダ432の非動作時(最も縮んでいる時)において、固定子433は円柱形部433aの一部が穴部43の半径方向に1〜2mm程度のクリアランスを持って挿入されるように配置されている。そして、シリンダ432の動作時には、固定子433はフランジ部433bが定盤42の下面42aと当接するまで穴部43に挿入される。これにより、ストッパ装置430の円柱形部433aが定盤42の穴部43に半径方向に1〜2mm程度の隙間を持って挿入されているので、ストッパ装置420のみならず、ストッパ装置430の円柱形部433aによっても定盤41のXY方向の移動を規制することができる。また、ストッパ装置430のシリンダ432を動作させると、固定子433のフランジ部433bが定盤42の下面42aと当接し、摩擦力によって定盤42のXY方向の運動を規制することができる。
露光装置EXでは、照明光のもとで、レチクルRの照明領域内の回路パターンの像が、投影光学系30を介して投影倍率βで表面にレジストが塗布されたウエハW上のスリット状の露光領域(照明領域に共役な領域)に投影される。この状態でレチクルRとウエハWとを同期して所定の走査方向(X軸方向)に移動することで、ウエハW上の一つのショット領域にレチクルRの回路パターンが転写される。
このような通常運転が行われている際には、ストッパシステム310,410は、受動的に作用し、基礎フレーム200に対する主要部150及びウエハステージ40のXY方向の動作をそれぞれ1〜2mm程度となるように受動的に規制する。すなわち、上述したように、ストッパシステム310におけるストッパ装置320,340は、それぞれ主要部150(本体フレーム100)と1〜2mm程度の隙間を介して離間しているので、主要部150は、基礎フレーム200上でXY方向にそれぞれ上述した範囲内で移動が可能であり、それ以上の距離を移動した場合にのみ、本体フレーム100がストッパ装置320のストッパ部320A,B或いはストッパ装置340のストッパ部340A〜Dに当接して、その移動が規制される。同様に、ストッパシステム410におけるストッパ装置420は、ウエハステージ40と1〜2mm程度の隙間を介して離間しているので、ウエハステージ40は、基礎フレーム200上でXY方向にそれぞれ上述した範囲内で移動が可能であり、それ以上の距離を移動した場合にのみ、ウエハステージ40がストッパ装置420に当接して、その移動が規制される。また、ストッパ装置430も円柱形部433aと穴部43との隙間の範囲でウエハステージ40の移動を規制する。
ストッパシステム310,410では、例えば地震等が発生すると、クリーンルームの床部F上配置された加速度計360,460により、その振動が計測される。加速度計360,460の計測結果は、制御装置CONTにより閾値と比較され、閾値を超える場合には、制御装置CONTは、ストッパシステム310,410に指令し、ストッパ装置320,340、ストッパ装置430を動作させる。具体的には、ストッパ部320A,Bのシリンダ322A,B及びストッパ部340A〜Dのシリンダ342A〜Dを動作させて、固定子323A,B及び固定子343A〜Dを本体フレーム100に向けて移動させる。また、ストッパ装置430のシリンダ432を動作させて、固定子433を定盤42に向けて移動させる。
固定子323A,Bを本体フレーム100に向けて移動させると、固定子323A,Bの対向面323As,Bsと本体フレーム100のX方向の側面に設けられた部位330A,Bの対向面330As,Bsとの距離が近づき、最終的には、対向面323As,Bsに設けられたゴム板324A,Bと対向面330Asに貼り付けられたゴム板331A,Bとが当接する。
同様に、固定子343A〜Dを本体フレーム100に向けて移動させると、固定子343A〜Dの対向面343As〜Dsと本体フレーム100のX方向のそれぞれの側面に設けられた突起部350,352の対向面350As,Bs,352Cs,Dsとの距離が近づき、最終的には、対向面343As〜Dsに設けられたゴム板344A〜Dと対向面350As,Bs,352Cs,Dsに貼り付けられたゴム板351A,B,353C,Dとが当接する。
なお、対向面323As,Bsと対向面330As、対向面343As〜Dsと対向面350As,Bs,352Cs,Dsのそれぞれが、シリンダ322A,B,324A〜Dの駆動方向(Z方向)に対して約10〜30度程度の角度で傾けられているので、ゴム板324A,Bとゴム板331A,B、ゴム板344A〜Dとゴム板351A,B,353C,Dのそれぞれは、徐々に近づいて当接する。したがって、固定子323A,B,固定子343A〜Dにより主要部150を拘束する際に、露光装置EXに与える衝撃を抑えることができる。
また、基礎フレーム200に対する主要部150のX方向及びY方向の移動を拘束する際に、弾性体であるゴム板324A,Bとゴム板331A,B、及びゴム板344A〜Dとゴム板351A,B,353C,Dがそれぞれ変形することにより、固定子323A,B,固定子343A〜Dが主要部150を拘束する際に、露光装置EXに与える衝撃を抑えることができる。なお、ゴム板324A,B,331A,B,344A〜D,351A,B,353C,Dの厚み等の形状等を適宜変更することにより、緩衝能力を調整することができる。
更に、ストッパシステム310のシリンダ322A,B,シリンダ342A〜Dは、ゴム板326A,B,ゴム板346A〜Dを介して、基礎フレーム200に固定した柱321,柱341に間接的に連結されているので、ゴム板326A,B,ゴム板346A〜Dが変形することにより、固定子323A,B,固定子343A〜Dにより主要部150を拘束する際に、露光装置EXに与える衝撃を更に抑えることができる。
しかしながら、ストッパ部320A,Bは、それぞれ独立して動作するので、シリンダ322Aに取り付けた固定子323Aが本体フレーム100に当接して、シリンダ322AのX方向の動作が停止したとしても、シリンダ322Bは、固定子323Bが本体フレーム100に当接するまで動作して、最終的には、本体フレーム100のX方向の両側に固定子323A,Bが当接して、基礎フレーム200に対する主要部150のX方向の移動を完全に拘束することができる。
同様に、主要部150のY方向の移動を拘束する固定子343A〜Dの場合には、例えば固定子343Aが本体フレーム100に当接したとしても、固定子343B〜Dはまだ本体フレーム100に当接していない時が存在するが、固定子343A〜Dはそれぞれ独立に動作して、順次、本体フレーム100に当接して、本体フレーム100のY方向の移動を拘束することができる。
このように、ストッパ部320A,B,340A〜Dがそれぞれ独立に動作するので、本体フレーム100と基礎フレーム200との隙間が狭い箇所に配置された固定子323A,B,343A〜Dから、順次、基礎フレーム200と当接し、主要部150のX方向、Y方向の各方向の並進運動、及びθZ方向の回転運動を確実に拘束する。
しかしながら、本ストッパシステム310のストッパ装置320は、固定子323A,Bが本体フレーム100に当接したままY方向に移動し、Y方向には拘束力を持たないので、主要部150に対してX,Y方向のいずれの方向の衝撃も与えることはない。また、主要部150のXY両方向の移動を十分に拘束するためには、ストッパ装置320をXY両方向において高剛性に構成する必要があるが、このような構成は装置構成上困難である場合が多い。しかしながら、ストッパ装置320はX方向のみ高剛性に構成すれば足りるので、簡単な装置構成とすることができる。
同様に、ストッパ装置340は、固定子343A〜Dが本体フレーム100に当接し、主要部150に衝撃を与えることなくY方向に拘束すると共に、X方向に関しては拘束力を持たないので主要部150に対していずれの方向の衝撃も与えることなく主要部150をY方向に拘束することができる。
したがって、ストッパシステム310は、ストッパ装置320,340を備えることにより、主要部150にX,Y方向のいずれの方向の衝撃も与えることなくXY方向の運動を拘束することができ、これにより地震等による大きな振動が発生した場合であっても、露光装置の損壊を回避することができる。
ストッパ装置430のシリンダ432を動作させて、固定子433をウエハステージ40に向けて移動させると、固定子433の円柱形部433aが定盤42の下面42aに形成された穴部43に挿入され、更に固定子433のフランジ部433bが定盤42の下面42aに当接する。したがって、固定子433のフランジ部433bと定盤42の下面42aとの摩擦力によりウエハステージ40の定盤42の基礎フレーム200に対する運動が抑制される。そして、定盤42が摩擦力に抵抗して移動した場合には、固定子433の円柱形部433aと定盤42の穴部43の内側面とが当接して、定盤42の基礎フレーム200に対するそれ以上の移動が拘束される。このように、ストッパ装置430は定盤42と固定子433との摩擦力により定盤42を拘束するので、定盤42の拘束時に衝撃を与えるのを緩和することができる。また、固定子433がゴム等の弾性体からなるとともに、固定子433を駆動するシリンダ432がゴム板434を介して間接的に基礎フレーム200に接続されるので、定盤42を拘束する際の衝撃が更に緩和され、ウエハステージ40の損壊を回避することができる。
なお、固定子433を定盤42に押し当てるシリンダ432の駆動力は、固定子433と定盤42とが当接する時の衝撃によりウエハステージ40が損壊しない程度の力であり、かつ、所定の震度(例えば震度4)で露光装置EXが揺れた場合に定盤42が固定子433に対して動かない摩擦力を発生する程度の力となるように設定されている。
このように、露光装置EXの損壊が回避されるので、ストッパシステム310,410の動作を解除すれば、即座に露光処理を再開することができ、露光装置EXのダウンタイムが最小限に抑えられる。
図6は、露光装置EX2の構成を示す模式図である。露光装置(基板処理装置)EX2は、第1実施形態の露光装置EXと略同一の構成を備えるが、地震等の過大な振動が露光装置EXに加わった場合に露光装置EX2の損壊を防止する装置として、ストッパシステム310,410に替えてストッパシステム370,470が設けられる。なお、露光装置EX2において、第1実施形態の露光装置EXと同一の構成要素には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
ストッパシステム470は、図6に示すように、ウエハステージ40の定盤42の下面42aに設けられた四角柱形の突起部(被固定部材)44と、突起部44の四方の側面とそれぞれ対向するように基礎フレーム200からZ方向に立設し、突起部44からそれぞれ所定の距離で離間する4本の柱471と、柱471の先端に設けられたエアバッグ472を備える。すなわち、ウエハステージ40の突起部44のX方向、Y方向の各両側にそれぞれエアバッグ472が配置される。なお、エアバッグ472は、上述したエアバッグ372と略同一の構成を備え、またエアバッグ372と同様に、電磁弁473を介して高圧ガスボンベ373に連結されている。
ストッパシステム370,470では、例えば地震等が発生すると、クリーンルームの床部F上配置された加速度計360,460により、その振動が計測される。加速度計360,460の計測結果は、制御装置CONTにより閾値と比較され、閾値を超える場合には、制御装置CONTは、ストッパシステム370,470に指令し、全てのエアバッグ372,472を作動させる。
制御装置CONTから指令を受けたストッパシステム370,470は、それぞれ電磁弁374,473を開放し、高圧ガスボンベ373内のガスをエアバッグ372,472に供給する。これによって、エアバッグ372,472は瞬時にして膨張し、本体フレーム100或いは定盤42の移動を拘束する。本体フレーム100或いは定盤42は、エアバッグ372,472によって弾性を持って受け止められるので衝撃を受けることなく拘束される。
この場合において、エアバッグ372,472に供給されるガスとしては安定的な不活性ガス(例えば窒素ガス)が用いられる。また、供給されるガスの圧力は、本体フレーム100或いは定盤42がエアバッグ372,472と当接した時に損壊しない程度の弾性を有するように決定される。更に、高圧ガスボンベ373とエアバッグ372,472との間にオリフィスを設け、エアバッグ372,472の膨張速度を最適に調整するのが望ましい。
また、エアバッグ372,472として蛇腹状部材を用いても構わない。更に本実施形態では、高圧ガスボンベ373内のガスとして窒素ガスを用いたが、これに限らず、空気を用いてもよい。
このように、露光装置EX2の損壊が回避されるので、即座に露光処理を再開することができ、露光装置EX2のダウンタイムが最小限に抑えられる。
また、各方向毎にストッパシステムが動作する閾値を変えてもよい。これによれば、振動に弱い方向では、小さな振動でもストッパシステムを動作させて、露光装置の損壊を回避することができる。
20 レチクルステージ
30 投影光学系
40 ウエハステージ(主要部)
44 突起部(被固定部材)
100 本体フレーム
150 主要部
200 基礎フレーム(基礎部)
320 ストッパ装置(第2固定装置)
340 ストッパ装置(固定装置)
340A〜D ストッパ部(固定部材)
343(343A〜D) 固定子
343s(343As,Bs) 対向面
344(344A,B) ゴム板(弾性体)
346(346A,B) ゴム板(弾性体)
350,352 突起部(被固定部材)
372,472 エアバッグ
430 ストッパ装置(固定装置)
433a 円柱形部(係合部)
433b フランジ部(平板部)
EX,EX2 露光装置(基板処理装置)
CONT 制御装置
F 床部
R レチクル(マスク)
W ウエハ(基板)
Claims (11)
- 床部に固定された基礎部と、前記基礎部に対して振動的に分離されて支持された主要部とを有する基板処理装置において、
前記基礎部に対する前記主要部の前記床部に沿った第1方向の運動を許容しつつ、前記第1方向と略直交し前記床部に沿った第2方向の運動を弾性を持って拘束可能な固定装置と、
前記固定装置の拘束状態と非拘束状態とを前記床部の振動状態に応じて切り替える制御装置とを有することを特徴とする基板処理装置。 - 前記固定装置は、前記主要部と前記基礎部との何れか一方に設けられた被固定部材と、
前記主要部と前記基礎部との何れか他方に設けられ、前記被固定部材を前記第2方向に挟持した状態で前記第1方向に移動可能な固定部材と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。 - 前記固定部材は、前記被固定部材に対してそれぞれ独立に駆動されて前記被固定部材を挟持する2つの固定子を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
- 前記固定子は、前記被固定部材に対向する面に弾性体を有することを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
- 前記固定部材と前記被固定部材との少なくとも一方は、前記主要部と前記基礎部との何れか一方に弾性体を介して支持されることを特徴とする請求項2から請求項4のうちいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 前記第2方向の運動を許容し、前記第1方向の運動を弾性を持って拘束する第2固定装置を有することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の基板処理装置。
- 床部に固定された基礎部と、前記基礎部に対して振動的に分離されて支持された主要部とを有する基板処理装置において、
前記基礎部と前記主要部とのいずれか一方に設置され、前記基礎部に対する前記主要部の拘束と非拘束とを切り替え可能な固定装置と、
前記固定装置による前記主要部の拘束と非拘束とを前記床部の振動状態に応じて切り替える制御装置とを備え、
前記固定装置は、前記基礎部と前記主要部とのいずれか他方に接触して摩擦力により前記主要部の運動を抑制する平板部と、前記基礎部と前記主要部とのいずれか他方と係合して、前記主要部の可動範囲を限定する係合部とを有する固定部材を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 床部に固定された基礎部と、前記基礎部に対して振動的に分離されて支持された主要部とを有する基板処理装置において、
前記床部の振動状態に応じて、前記基礎部と前記主要部との間に介在して前記基礎部と前記主要部との相対移動を拘束するエアバッグを有することを特徴とする基板処理装置。 - 前記基礎部と前記主要部とのいずれか一方に設けられた被固定部材を有し、
前記エアバッグは、前記被固定部材を囲むように前記基礎部と前記主要部とのいずれか他方に設けられることを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。 - 前記基板処理装置は、マスクに形成されたパターンを光ビームを用いて基板上に転写する露光装置であることを特徴する請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載の基板処理装置。
- リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程において請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載の基板処理装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
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