JP5820312B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5820312B2
JP5820312B2 JP2012049702A JP2012049702A JP5820312B2 JP 5820312 B2 JP5820312 B2 JP 5820312B2 JP 2012049702 A JP2012049702 A JP 2012049702A JP 2012049702 A JP2012049702 A JP 2012049702A JP 5820312 B2 JP5820312 B2 JP 5820312B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display element
organic
group
epoxy resin
organic electroluminescence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012049702A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013186976A (ja
Inventor
彰 結城
彰 結城
七里 徳重
徳重 七里
ウンチョル 孫
ウンチョル 孫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2012049702A priority Critical patent/JP5820312B2/ja
Publication of JP2013186976A publication Critical patent/JP2013186976A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5820312B2 publication Critical patent/JP5820312B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、貯蔵安定性に優れ、かつ、低温で硬化させることができる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料に関する。また、本発明は、該有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料を用いて製造されたトップエミッション方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL表示素子ともいう)は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された積層体構造を有し、この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して発光する。このように有機EL表示素子は自己発光を行うことから、バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、薄型化が可能であり、しかも直流低電圧駆動が可能であるという利点を有しており、次世代ディスプレイとして着目されている。
しかし、有機EL表示素子を構成する有機発光材料や電極は、活性が高く化学的に不安定であるため、水分等による酸化により特性が劣化しやすく、大気中で駆動させると、発光特性が急激に劣化し寿命が短いという問題があった。そこで、一般的な有機EL表示素子では、有機EL表示素子の上に乾燥剤が設置されたガラス又は金属からなる蓋を被せ、その周辺を接着剤(封止剤)で封止することにより水分の浸入を遮断する構造が採られていた。この方式では、有機EL表示素子から発せられた光は蓋の反対側、即ち、有機EL表示素子の底部側から取り出されることからボトムエミッション方式とも呼ばれている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年、従来のボトムエミッション方式の有機EL表示素子に代わって、有機EL表示素子から発せられた光を上面側から取り出すトップエミッション方式の有機EL表示素子が注目されている。この方式は、開口率が高く、低電圧駆動となることから、長寿命化に有利であるという利点がある。このようなトップエミッション方式の有機EL表示素子では、通常、積層体を2枚のガラス等の透明材料からなる防湿性基材により挟み込み、該防湿性基材間を充填剤で充填することにより封止している(例えば、特許文献2参照)。
通常、電極は有機EL表示素子の両末端に形成されるが、特に大面積の有機EL表示素子では、電極から遠い有機EL表示素子の中央部分で素子抵抗により有機発光材料層に印加される電圧が低下して輝度が下がり、輝度ムラが生じるという問題があった。このような有機EL表示素子の輝度ムラの発生を抑制する方法として、例えば、特許文献3には、トップエミッション方式の有機EL表示素子の上面基板(封止基板)に補助電極を配設して中央部分の電圧の低下を抑制する方法が開示されており、特許文献4では、このような補助電極に電流を供給するために、上下導通材料として、銀等を含有する導電ペーストが用いることが開示されている。
しかしながら、上下導通材料として銀等を含有する導電ペーストを用いる場合、該導電ペーストを高温で焼成する工程が必要となるため、熱によって有機EL表示素子が劣化するという問題があった。そのため、このような導電ペーストに代わる上下導通材料が求められていた。
特開平9−148066号公報 特開2001−357973号公報 特開2003−123990号公報 特開2007−207460号公報
本発明者らは、銀等を含有する導電ペーストに代わる上下導通材料として、一般的な熱硬化型の樹脂中に導電性微粒子を分散させた組成物を用いることを試みた。しかしながら、従来の熱硬化型の樹脂を用いた場合でも、高温での加熱が必要となることは変わらないため、熱による有機EL表示素子の劣化の問題は解決されなかった。一方、低温で硬化可能な樹脂を選択することも考えられたが、この場合には、得られる上下導通材料は貯蔵安定性に劣るものとなってしまった。
本発明は、貯蔵安定性に優れ、かつ、低温で硬化させることができる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料を提供することを目的とする。また、本発明は、該有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料を用いて製造されたトップエミッション方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂と、カチオン重合開始剤と、導電性微粒子とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料であって、上記硬化性樹脂は、末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂、並びに、脂肪族環状エポキシ樹脂及び/又はオキセタン環を有する化合物を含有し、上記硬化性樹脂全体100重量部に対して、上記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂の含有量が80重量部以上であり、上記カチオン重合開始剤は、下記式(1)で表される芳香族スルホニウム塩を含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料である。
Figure 0005820312
式(1)中、Rは、−H、−COCH、又は、−COOCHを示し、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、ナフチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、フェニル基、又は、フェニルメチル基、トリル基、トリルメチル基を示し、Xは、SbF、PF、CFSO、(CFSONを示す。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、導電性微粒子を分散させる樹脂として、カチオン重合の反応速度の遅い末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂、並びに、カチオン重合の反応速度の速い脂肪族環状エポキシ樹脂及び/又はオキセタン環を有する化合物をそれぞれ特定量含有する硬化性樹脂と、特定の構造を有するカチオン重合開始剤とを組み合わせて用いることにより、貯蔵安定性に優れ、かつ、低温で硬化させることができる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂を含有する。上記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂を、硬化性樹脂全体100重量部に対して80重量部以上含有することにより、本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、貯蔵安定性に優れるものとなる。
上記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂の重量平均分子量の好ましい上限は30000である。上記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂の重量平均分子量が30000を超えると、ペーストの粘度が高くなり、塗工性が悪くなったり、導電性微粒子の均一分散が困難になったりすることがある。上記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂の重量平均分子量のより好ましい上限は1万である。
なお、本明細書において、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂全体100重量部に対する、上記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂の含有量の下限は80重量部である。上記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂の含有量が80重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用上下導通材料が貯蔵安定性に劣るものとなる。上記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂の含有量の好ましい下限は90重量部である。
上記硬化性樹脂は、脂肪族環状エポキシ樹脂及び/又はオキセタン環を有する化合物を含有する。上記脂肪族環状エポキシ樹脂及び/又は上記オキセタン環を有する化合物と上記式(1)で表される芳香族スルホニウム塩を含有するカチオン重合開始剤と組み合わせて用いることにより、本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、低温での硬化性に優れるものとなる。
上記脂肪族環状エポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトンオリゴマーの両端に、それぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸がエステル結合したもの、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、テトラヒドロフタル酸とテトラヒドロベンジルアルコールとのエステルのエポキシ化物及びそのε−カプロラクトン付加物、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス−3−シクロヘキセニルメチルエステル及びそのε−カプロラクトン付加物等が挙げられる。
上記オキセタン環を有する化合物(以下、「オキセタン化合物」ともいう)は特に限定されず、例えば、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−メチル−3−グリシジルオキセタン、3−エチル−3−グリシジルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ{1−エチル(3−オキセタニル)}メチルエーテル等が挙げられる。
上記硬化性樹脂全体100重量部に対する、上記脂肪族環状エポキシ樹脂及び上記オキセタン環を有する化合物の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は20重量部である。上記脂肪族環状エポキシ樹脂及び上記オキセタン環を有する化合物の含有量が1重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用上下導通材料が低温での硬化性に劣るものとなることがある。上記脂肪族環状エポキシ樹脂及び上記オキセタン環を有する化合物の含有量が20重量部を超えると、得られる有機EL表示素子用上下導通材料が貯蔵安定性に劣るものとなることがある。上記脂肪族環状エポキシ樹脂及び上記オキセタン環を有する化合物の含有量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は17重量部である。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、カチオン重合開始剤を含有する。
上記カチオン重合開始剤は、上記式(1)で表される芳香族スルホニウム塩を含有する。
上記カチオン重合開始剤は、上記式(1)で表される芳香族スルホニウム塩の中でも、低温での反応性に特に優れることから、下記式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0005820312
上記式(1)で表される芳香族スルホニウム塩のうち、市販されているものとしては、例えば、サンエイドSI−15、サンエイドSI−20、サンエイドSI−25、サンエイドSI−40、サンエイドSI−45、サンエイドSI−45L、サンエイドSI−60、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−60LA、サンエイドSI−80、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−150、サンエイドSI−150L(いずれも、三新化学工業社製)等が挙げられる。なかでも、サンエイドSI−60、サンエイドSI−80が好適である。
上記カチオン重合開始剤は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、上記式(1)で表される芳香族スルホニウム塩以外のその他のカチオン重合開始剤を含有してもよい。
上記その他のカチオン重合開始剤は、光照射や加熱等によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、例えば、6フッ化リンイオンを有する塩、下記式(3)で表される塩等が挙げられる。
Figure 0005820312
式(3)中、nは1〜12の整数を表し、mは1〜5の整数を表し、Rfは、アルキル基の全部又は一部の水素がフッ素に置換されてなるフルオロアルキル基を表す。
上記6フッ化リンイオンを有する塩のうち市販されているものとしては、例えば、WPI−113(和光純薬工業社製)、CPI−100P(サンアプロ社製)等が挙げられる。
上記式(3)で表される塩のうち市販されているものとしては、例えば、CPI−200K、CPI−210S(いずれも、サンアプロ社製)等が挙げられる。
等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤の含有量は特に限定されないが、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記カチオン重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、カチオン重合が充分に進行しなかったり、得られる有機EL表示素子用上下導通材料の硬化反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記カチオン重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、得られる有機EL表示素子用上下導通材料が貯蔵安定性に劣るものとなったり、硬化反応が速くなりすぎて、作業性が低下したり、得られる有機EL表示素子用上下導通材料の硬化物が不均一となったりすることがある。上記カチオン重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、導電性微粒子を含有する。
上記導電性微粒子は、金属で被覆した樹脂微粒子であることが好ましい。
上記樹脂微粒子を被覆する金属としては、例えば、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層又は錫を含有する金属層等が挙げられる。
上記樹脂微粒子を構成する樹脂としては、例えば、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
上記樹脂微粒子に上記金属を被覆する方法としては、例えば、無電解めっき等が挙げられる。
上記導電性微粒子の体積平均粒子径の好ましい下限は3μm、好ましい上限は100μmである。上記導電性微粒子の体積平均粒子径のより好ましい下限は5μm、より好ましい上限は80μmであり、更に好ましい下限は20μm、更に好ましい上限は60μmである。
なお、上記体積平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置等を用いて測定することができる。
上記導電性微粒子は、20℃にて30%の圧縮変形状態から解放した時の圧縮回復率の好ましい上限が95%である。上記導電性微粒子の圧縮回復率が95%を超えると、導電性微粒子同士の反発により電極と導電性微粒子との接触面積が減少し、電気抵抗が上昇することがある。
上記導電性微粒子の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、好ましい上限が30重量部である。上記導電性微粒子の含有量が0.5重量部未満であると、得られる上下導通材料を用いて接続した補助電極に充分に電流を供給できないことがある。上記導電性微粒子の含有量が30重量部を超えると、接続されてはならない隣接する電極間が複数の粒子を介して電気的に接続されることがある。即ち、隣り合う電極間の短絡が発生することがある。上記導電性微粒子の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は15重量部である。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、更に、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は、本発明の有機EL表示素子用上下導通材料の接着性を向上させる役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、具体的には例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用上下導通材料の接着性を向上させる効果がほとんど得られないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が10重量部を超えると、余剰のシランカップリング剤がブリードアウトすることがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、硬化遅延剤を含有してもよい。上記硬化遅延剤を含有することにより、得られる有機EL表示素子用上下導通材料の貯蔵安定性を向上させることができる。
上記硬化遅延剤は特に限定されず、例えば、ポリエーテル化合物等が挙げられる。
上記ポリエーテル化合物は特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、クラウンエーテル化合物等が挙げられる。なかでも、クラウンエーテル化合物が好適である。
上記クラウンエーテル化合物は特に限定されず、例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、24−クラウン−8、及び、下記式(4)で表される構造を有する化合物等が挙げられる。
Figure 0005820312
式(4)中、R〜R16は、少なくとも1つが炭素数1〜20のアルキル基を表す。また、上記アルキル基は、炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、及び、炭素数1〜20のカルボン酸アルキルエステル基からなる群より選択される1以上の官能基で置換されていてもよく、更に、隣接するR及びRn+1(但し、nは、5〜15の奇数を表す)は、共同して環状アルキル骨格を形成していてもよい。
上記式(4)で表される構造を有する硬化遅延剤のなかでも、少なくとも1つのシクロヘキシル基を有するものが好適である。上記シクロヘキシル基を有することにより、クラウンエーテルの骨格が安定し、遅延効果が高まる。
上記シクロヘキシル基を有する上記式(4)で表される構造を有する硬化遅延剤としては、具体的には例えば、下記式(5)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0005820312
上記式(5)で表される構造を有する化合物は、18−クラウン−6−エーテル分子の中央を通る線に対して線対称となる位置に2個のシクロヘキシル基を有するため、18−クラウン−6−エーテル分子の骨格に歪み等を生じさせることなく遅延効果が高くなると考えられる。
上記硬化遅延剤の含有量は特に限定されないが、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は5重量部である。上記硬化遅延剤の含有量が0.05重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用上下導通材料に遅延効果を充分に付与できないことがある。上記硬化遅延剤の含有量が5重量部を超えると、得られる有機EL表示素子用上下導通材料を硬化させる際にアウトガスが多量に発生することがある。上記硬化遅延剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、補助電極や導電性微粒子のマイグレーションを抑制させるために、上下導通材料中に発生した酸と反応する化合物又はイオン交換体を含有してもよい。
上記発生した酸と反応する化合物としては、酸と中和する物質、例えば、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩又は炭酸水素塩等が挙げられる。具体的には例えば、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が用いられる。
上記イオン交換体としては、陽イオン交換型、陰イオン交換型、両イオン交換型のいずれも使用することができるが、特に塩化物イオンを吸着することのできる陽イオン交換型又は両イオン交換型が好適である。
また、本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、必要に応じて補強剤、軟化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の各種添加剤を含有してもよい。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、更に、無機充填剤を含有してもよい。上記無機充填剤は、本発明の有機EL表示素子用上下導通材料の熱膨張率を低減させる役割を有する。
上記無機充填剤としては、具体的には例えば、シリカ、窒化珪素、タルク、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記無機充填剤の含有量は特に限定されないが、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。上記無機充填剤の含有量が1重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用上下導通材料の熱膨張率を低減させる効果がほとんど得られないことがある。上記無機充填剤の含有量が50重量部を超えると、ペーストの粘度が高くなり、塗工性が悪くなったり、導電性微粒子の均一分散が困難になったりすることがある。上記無機充填剤の含有量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、カチオン重合開始剤と、導電性微粒子と、シランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、コーンローター式粘度計を用いて、25℃、1rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限が50Pa・s、好ましい上限が500Pa・sである。上記有機EL表示素子用上下導通材料の粘度が50Pa・s未満であると、塗工した有機EL表示素子用上下導通材料が硬化させる前に流れることがある。上記有機EL表示素子用上下導通材料の粘度が500Pa・sを超えると、塗工性が悪くなることがある。上記有機EL表示素子用上下導通材料の粘度のより好ましい下限は100Pa・s、より好ましい上限は400Pa・sである。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、製造直後の初期粘度と、25℃で1週間保管したときの粘度とを、コーンローター式粘度計を用いて、それぞれ25℃、1rpmの条件で測定し、(25℃、1週間保管後の粘度)/(初期粘度)を粘度変化率とした場合に、粘度変化率が1.2以下であることが好ましい。上記粘度変化率が1.2を超えると、有機EL表示素子用上下導通材料が保存時に変質することがある。上記粘度変化率のより好ましい上限は1.1である。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、120℃以下で硬化させることが好ましい。120℃を超える温度で硬化させた場合、得られる有機EL表示素子が劣化することがある。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、硬化させた後の硬化物のガラス転移温度が120℃以上であることが好ましい。上記硬化物のガラス転移温度が120℃未満であると、有機EL表示素子が高温多湿の状態に曝されたときに、硬化物が軟化するため、得られる有機EL表示素子が信頼性に劣るものとなることがある。
本発明の有機EL表示素子用上下導通材料は、トップエミッション方式の有機EL表示素子の上面基板(封止基板)に配設した補助電極の接続に用いることにより、上下導通材料を硬化させるための加熱による有機EL表示素子を劣化させることなく、有機EL表示素子の輝度ムラの発生を抑制することができる。本発明の有機EL表示素子用上下導通材料を用いて製造されたトップエミッション方式の有機EL表示素子もまた、本発明の一つである。
本発明によれば、貯蔵安定性に優れ、かつ、低温で硬化させることができる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料を提供することができる。また、本発明によれば、該有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料を用いて製造されたトップエミッション方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜9、比較例1〜7)
(有機EL表示素子用上下導通材料の作製)
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を混合し、ホモディスパー型攪拌混合機(プライミクス社製、「ホモディスパーL型」)を用い、攪拌速度500rpmで均一に攪拌混合して、実施例1〜9、及び、比較例1〜7の有機EL表示素子用上下導通材料を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた有機EL表示素子用上下導通材料について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(1)貯蔵安定性
各実施例及び各比較例で得られた有機EL表示素子用上下導通材料について、製造直後の初期粘度を、コーンローター式粘度計(東機産業社製、「TV−22型」)を用いて、25℃において、1rpmの条件で粘度を測定した。
また、25℃で1週間保管したときの粘度を初期粘度と同様にして測定し、(25℃、1週間保管後の粘度)/(初期粘度)を粘度変化率として、粘度変化率が1.2以下であったものを「○」、1.2を超えるものを「×」として貯蔵安定性を評価した。
(2)低温硬化性
各実施例及び各比較例で得られた有機EL表示素子用上下導通材料について、100℃のホットプレート上でのゲルタイムを測定した。ゲルタイムは、実施例又は比較例で製造した有機EL表示素子用上下導通材料をホットプレート上に1g落とすと同時に竹串を用いて攪拌し、数分おきに竹串を有機EL表示素子用上下導通材料から離す動作を行い、有機EL表示素子用上下導通材料から竹串への糸引きが無くなった時間として測定した。ゲルタイムが30分以下であったものを「〇」、30分を超えても竹串への糸引きが無くならなかったものを「×」として低温硬化性を評価した。
Figure 0005820312
Figure 0005820312
本発明によれば、貯蔵安定性に優れ、かつ、低温で硬化させることができる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料を提供することができる。また、本発明によれば、該有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料を用いて製造されたトップエミッション方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子を提供することができる。

Claims (3)

  1. 硬化性樹脂と、カチオン重合開始剤と、導電性微粒子とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料であって、
    前記硬化性樹脂は、末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂、並びに、脂肪族環状エポキシ樹脂及び/又はオキセタン環を有する化合物を含有し、
    前記硬化性樹脂全体100重量部に対して、前記末端にオキシラン環を有するエポキシ樹脂の含有量が80重量部以上であり、
    前記カチオン重合開始剤は、下記式(1)で表される芳香族スルホニウム塩を含有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料。
    Figure 0005820312
    式(1)中、Rは、−H、−COCH、又は、−COOCHを示し、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、ナフチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、フェニル基、又は、フェニルメチル基、トリル基、トリルメチル基を示し、Xは、SbF、PF、CFSO、(CFSONを示す。
  2. 導電性微粒子は、金属で被覆した樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料。
  3. 請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料を用いて製造されたことを特徴とするトップエミッション方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
JP2012049702A 2012-03-06 2012-03-06 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子 Active JP5820312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049702A JP5820312B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049702A JP5820312B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013186976A JP2013186976A (ja) 2013-09-19
JP5820312B2 true JP5820312B2 (ja) 2015-11-24

Family

ID=49388262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012049702A Active JP5820312B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5820312B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014192839A1 (ja) 2013-05-28 2014-12-04 株式会社ダイセル 光半導体封止用硬化性組成物
KR20160111377A (ko) * 2014-01-23 2016-09-26 덴카 주식회사 수지 조성물
JP6568367B2 (ja) * 2015-02-25 2019-08-28 アイカ工業株式会社 熱硬化性シート組成物
WO2019043778A1 (ja) * 2017-08-29 2019-03-07 三菱重工業株式会社 硬化性組成物、硬化性ペースト材、硬化性シート材、硬化性型取り材、硬化方法および硬化物
KR20200141978A (ko) * 2018-04-09 2020-12-21 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 유기 el 표시 소자용 봉지제

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013186976A (ja) 2013-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6364191B2 (ja) 導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP5820312B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用上下導通材料及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子
KR102334119B1 (ko) 광경화성 에폭시 수지 시스템
TWI614301B (zh) 有機el顯示元件用封止劑
TWI677530B (zh) 有機電激發光顯示元件用密封劑
JP2016146347A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
CN108699216B (zh) 固化性树脂组合物和有机电致发光显示元件用密封剂
JP6114557B2 (ja) 導電材料及び接続構造体の製造方法
JP6014325B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
TW201723071A (zh) 半導體裝置及半導體元件保護用材料
JP5764419B2 (ja) 硬化性エポキシ樹脂組成物
JPWO2013027389A1 (ja) シート状エポキシ樹脂組成物、及びこれを含む封止用シート
TWI641650B (zh) Organic electroluminescent display element sealant
JP2015160932A (ja) 導電性接着剤及びそれらを使用した電子機器
JP5555532B2 (ja) 有機el素子用封止剤及び有機el素子
KR102624114B1 (ko) 밀봉용 조성물
JP2013157205A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤
WO2015087807A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子封止用硬化性樹脂組成物、有機エレクトロルミネッセンス表示素子封止用硬化性樹脂シート、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子
JP2015096602A (ja) 硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2016224338A (ja) 反射防止材及びその製造方法
JP2015110772A (ja) 硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2011021183A (ja) 光硬化性樹脂組成物、有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子
JP2015086374A (ja) 硬化性エポキシ樹脂組成物
JP7252196B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2017115006A (ja) 硬化性エポキシ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151002

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5820312

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151