JP5818106B2 - X線検査用加熱装置及び面状ヒーター - Google Patents

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本発明はX線検査用加熱装置及び面状ヒーターに関し、特に、各種材料の温度変化による挙動及び加熱時のはんだ接合部位の不良発生原因解析等に用いるのに有用な、試料等の被検査物を目的の温度に加熱もしくは予め設定されたプロファイルに従って加熱し、そのX線透過画像の状態変化をリアルタイムに観察および温度変化、動画を記録することが可能なX線検査用加熱装置、及び、これに用いるのに好適な面状ヒーターに関する。
近年、実装基板の高密度化、多層化、使用材料の多様化が進んでいる。そのため、従来の光学的検査に加え、部品の内部や接合部におけるはんだ溶融時の挙動等を観察することのできる、X線検査の必要性が高まっている。
特に、試料を高温に加熱し、結晶構造の変化やはんだ溶解状態の変化等を観察することのできる高温X線検査は、部品の接合部に存在するはんだの溶融状態や冷却時における挙動をリアルタイムで観察できるため、はんだ接合部位の不良発生原因解析に有用である。
試料を加熱条件下でX線検査する場合、従来は、X線検査視野範囲外で加熱したガスを検査装置内部の試料に吹き付けて観察することがあった。加熱装置を有するX線検査装置も提案されてはいるが、加熱装置に必要とされる発熱体には、セラミックスヒーターやカーボンファイバー等があり、場合によっては破断し易かった。そのため、X線視野範囲内で加熱し、鮮明なX線検査を行うことのできる、頑丈且つ安価で、薄く、コンパクトなヒーターが求められていた。
また、正確な検査を行うためには、試料を実際の製造時と同等程度に急速かつ均一に該設定プロファイルに基づき加熱する必要がある。そのため、急速に均一加熱のできる加熱装置が求められていた。更に、部品の小型化に伴い、極小の部品を高倍率で鮮明に観察する必要が高まっているおり、焦点距離を小さくするためにも、加熱装置の薄型化が求められていた。
そこで、加熱装置の構成材料として板状に形成したセラミックスヒーターを用いた加熱装置が特許文献1で提案されている。
しかしながら従来の検査装置外部で加熱したガスを検査装置内部に送風し観察する方法の場合、基板上の試料の温度が不均一となるなど、充分な温度管理を行うことができないという問題があった。また、はんだ溶融時のボイド発生状況やぬれ状態の変化など、温度変化に伴う試料の状態変化を、要求プロファイルに沿って、正確かつリアルタイムに観察することができないという問題もあった。更に、モーターやシャフト、ファン等の金属部が視野内にあると、X線での上下貫通した検査は不可能であるという問題もあった。
一方、特許文献1によって知られる加熱装置では、発熱体の構成材料として板状に形成したセラミックスヒーターを用いることで、加熱装置の構成材料がX線を遮断することを回避した。しかし、セラミックスヒーターは昇温が遅い、温度制御が困難である、割れやすく耐久性に難があるという問題が発生した。また、加熱装置内に空気の流れを発生させる機構が無いため、装置内温度にムラが発生するという問題が発生した。
現在、世界的にプリント基板のリフローはんだ加熱方法は大半が主として対流加熱である。多くの場合、ガラスエポキシ基板上下に部品を搭載するため(裏面は平面で無く)、熱伝導加熱は使用できないためである。
しかしながら、熱伝導加熱と実際に市場で行われている主として対流加熱とでは、はんだ付挙動が大きく異なる。基板、ソルダーペースト、部品など各部位の温度上昇速度が異なり、かつソルダーペーストの乾燥・酸化量も異なるためである。
このため、実際には生じない現象が生ずる可能性のある熱伝導加熱で実装基板を加熱し検査しても、対流加熱で生ずる各種はんだ付欠陥などのメカニズムを検査する上では、意味は無い。これらのことは、はんだ付技術者であれば常識として分かっていることである。
基板をX線で動画検査する場合、実際に生じているはんだ付挙動を検査するには主として対流加熱でなければならない。しかし従来提案されているX線検査用リフロー加熱炉は大半が熱伝導加熱であった。
このような問題を解決するべく、発明者は特許文献2や3の技術を提案しているが、実機を製作組立した経験に基づくものではなかった。
特開平9−138073号公報 特開2011−232029号公報 国際公開2010/116809号公報
本発明は上述のような従来技術の問題点及び実機を製作組立した経験に基づいてなされたものであり、装置を大型化したり複雑化することなく、基板を均一に対流加熱できるX線検査用加熱装置の具体的な構成を提供することを第1の課題とするものである。
本発明は、又、前記のようなX線検査用加熱装置に用いるのに好適な面状ヒーターを提供することを第2の課題とするものである。
上記した第1の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、試料加熱室に収容された試料の少なくとも一方の面を対流により加熱して、X線により検査するためのX線検査用加熱装置であって、通風孔又はスリットが多数形成された、X線を透過可能な面状ヒーターと、該面状ヒーターの前記試料と反対側の空間にガスを送り込むためのガス供給手段と、前記試料加熱室を外気と遮断するX線透過窓と、を備え、前記面状ヒーターが、薄い金属板と、該金属板を両側から挟んで補強するための、X線を透過する材料で形成された絶縁板とで形成され、前記金属板が、前記試料と反対側の絶縁板に埋め込まれ、前記絶縁板に通風孔又はスリットが多数形成され、前記試料側の絶縁板の通風孔又はスリットが、該絶縁板の表面に対して斜めに形成され、前記金属板が埋め込まれた試料と反対側の絶縁板の通風孔又はスリットが、該絶縁板の表面に対して垂直に形成されていることを特徴とするX線検査用加熱装置である。
請求項に記載の発明は、前記ガス供給手段が、前記試料加熱室の周囲に配設された送風ダクトと、該送風ダクトから前記試料加熱室の中央にガスを送り込む送風管で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のX線検査用加熱装置である。
請求項に記載の発明は、前記X線透過窓が雲母製とされ、カーボンファイバー製の補強板で補強されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査用加熱装置である。
請求項に記載の発明は、前記X線透過窓がカーボンファイバー製とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査用加熱装置である。
上記した第2の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、X線を透過可能な薄い金属板と、該金属板を両側から挟んで補強するための、X線を透過する材料で形成された絶縁板とを備えると共に、前記金属板が、前記絶縁板の一方に埋め込まれ、記絶板に通風孔又はスリットが多数形成され、前記絶縁板の他方の通風孔又はスリットが、該絶縁板の表面に対して斜めに形成され、前記金属板が埋め込まれた絶縁板の一方の通風孔又はスリットが、該絶縁板の表面に対して垂直に形成されていることを特徴とする面状ヒーターである。
請求項1に係る発明のX線検査用加熱装置によれば、面状ヒーターに形成した多数の通風孔又はスリットに通したガスによって加熱することで、対流を促進しつつ、細かな温度制御が可能となる。また、試料加熱室内の雰囲気を制御することが可能となり、燃焼や酸化の防止又は制御や、特定気体雰囲気下での観察を行うこともできる。更に、面状ヒーターの形状をジグザグ型とすることにより、発熱体に流れる電流値や電圧を自由かつ容易に制御することができる。これにより、加熱装置の性能や仕様、規格などを自由かつ容易に設定することができる。
、薄い金属板を絶縁板で両側から挟むことにより強度を維持することができる。
更に、面状ヒーターを、極めて薄い金属板で構成することができる。
、旋回流を試料に吹き付けて、ファン等を用いることなく、対流を促進して均一加熱を実現することができる。
更に、絶縁板の加工が容易である。
請求項に係る発明のX線検査用加熱装置によれば、試料加熱室内にガスを確実に送り込むことができ、急速な均一加熱が可能となる。
請求項に係る発明のX線検査用加熱装置によれば、X線透過性を損なうことなく、加工が容易で、絶縁板やX線透過窓の強度を確保することができる。
請求項に係る発明のX線検査用加熱装置によれば、補強板を省略して、装置を薄くできる。
請求項に係る発明の面状ヒーターによれば、前記のようなX線検査用加熱装置に用いるのに好適な面状ヒーターを提供することができる。
上記より、以下に本願発明に係るX線検査用加熱装置の作用効果を列挙する。
第一の効果は、加熱条件下でのX線検査装置による、試料の鮮明な観察が可能なことである。
第二の効果は、試料の急速な加熱が可能なことである。
第三の効果は、試料の均一な加熱が可能なことである。
第四の効果は、試料の高温加熱が可能なことである。
第五の効果は、試料の加熱方式を選択可能なことである。
第六の効果は、試料の冷却制御が可能なことである。
第七の効果は、試料のリアルタイム観察が可能なことである。
第八の効果は、本加熱装置をX線視野内で自由に傾けることができ、試料の観察角度を自由に設定できることである。
第九の効果は、装置の薄型化が可能なことである。
第十の効果は、装置の単純化が可能なことである。
第十一の効果は、装置が頑丈で高耐久なことである。
第十二の効果は、装置の操作を安全に行えることである。
第十三の効果は、装置のメンテナンス性が高いことである。
第十四の効果は、装置が安価でコストパフォーマンスが良好なことである。
又、一般常識として、原子量の大きい金属板をヒーターとすることはX線透過上不可能と思われていた。金属のX線透過性を簡単に表すと、(原子番号)×(厚さ)が大きいほど透過性は低い。現実問題として、厚さ30μmのステンレスSUS430をジグザグ型に加工し、ヒーターとして実験してみたところ、X線透過性に問題はなく良好で、かつ十分な発熱量が得られ、長寿命であることが分かった。厚さを薄くすることでX線透過性を高め、かつ抵抗を増大でき、ヒーターとして使用できる。また、本ヒーターはきわめて安価であり、エッチングなどで加工でき、かつ耐熱温度が高く長寿命である。
本発明に係るX線検査用加熱装置の実施形態の全体構成を示す断面図 図1のII部拡大図 図1のIII部拡大図 前記実施形態で用いられている面状ヒーターの形状を示す平面図 同じく試料側の絶縁板の形状を示す平面図 同じく拡大断面図 同じく試料と反対側の絶縁板の形状を示す(A)平面図及び(B)断面図 同じく面状ヒーターの参考例を示す平面図 同じく面状ヒーターの他の参考例を示す平面図 図9の面状ヒーターを採用したX線検査用加熱装置の参考例の要部構成を示す断面図 前記実施形態で用いられているフレームの形状を示す平面図 同じく送風ダクト及び送風管の形状を示す平面図
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明に係るX線検査用加熱装置の実施形態の全体構成を示す断面図である。この図において、8は、例えば電子部品(チップ部品)2、2´がランド4、4´にソルダーペースト6、6´ではんだ付けされ、上下に実装された実装基板である試料、10は試料加熱室、10Aは、X線装置外への排気口、12は面状ヒーター、14、16は耐熱性及び熱伝導性の高い絶縁板、17は被覆導線、18は、例えばステンレス製のフレーム、19は通電用ボルト、20は送風ダクト、21はガス供給管、22は送風管、24はX線透過窓、26は、X線を透過する補強板、28は支持体、40は、X線照射装置のX線発生部、42はX線受光装置である。
図1においては、面状ヒーター12を構成する金属板13と絶縁板14、16が離されて描かれているが、図2、図3に図1のII部、III部をそれぞれ拡大して示す如く、これらは全て密着されてい
前記金属板13は、例えば厚さ30μmの薄いステンレス(例えばSUS430)板で構成され、例えばエッチングにより、図4(A)に示す如く、ジグザグ状とされるか、図4(B)に示す如く、多数の通風孔13Bが設けられている。なお、通風孔13Bは、スリットでも良い。図4において、13Aは、通電用ボルト19を通すためのボルト穴である。
金属板は電気抵抗が非常に低いため、低電圧でも大きな電流が流れる場合がある。しかし、薄い板状のジグザグ型を採用したり、多数の通風孔13B又はスリットを形成することにより、電気抵抗や電流値を容易に制御することができる。汎用の電源やケーブルを使用しつつも高い発熱量を示すことができる。
なお、金属板13は厚さが薄く、板状形状を保てないので、図2、図3に示した如く、両面から例えば厚さ1mmの絶縁板(例えばボロンナイトライドBNやセラミックス、雲母等製)14、16で挟んだサンドイッチ構造とする。
ここで、試料8側の絶縁板14の、金属板13と重ならない位置(図4(A)の場合)、又は、金属板13の通風孔13Bと重なる位置(図4(B)の場合)には、図5に示す如く、図1〜3に示したような、絶縁板14の表面に対して斜めの通風孔14Aが多数形成され、旋回流を発生して、対流を促進するようにされている。なお、前記斜めの通風孔14Aの方向は、図6(a)に例示する如く、中央の試料8に向かう方向が好ましいが、これに限定されず、図6(b)に例示するような、周辺に向かう方向や、図6(c)に例示するような一方向等、様々な方向に形成することができる。
一方、試料8と反対のガス供給空間側の絶縁板16には、図7(A)(平面図)及び(B)(断面図)に示す如く、その表面に対して垂直な通風孔16Aが多数形成されている。この絶縁板16には、更に、金属板13を埋め込むための凹部16Bも形成されている。本発明においては、凹部16Bを、垂直な通風孔16Aが形成される絶縁板16側に設けているので、加工が容易である。
なお、面状ヒーター12の構成は、図2、図3に示したようなサンドイッチ構造に限定されず、図8に示す参考例の如く、例えばセラミックス製の絶縁板15の表面に蒸着法、気相成長法、めっき法等で金属膜15Bを形成し、通風孔15Aを形成した一体型ヒーターであっても良い。更に、通風孔は通風スリットであっても良い。
あるいは、例えば図9に示す他の参考例のように、通風スリット13Cを形成した金属板13単体とし、図10にX線検査用加熱装置の参考例の要部を示す如く、スペーサ50を介して上下の絶縁板14、16から離して配置しても良い。この場合、金属板13上下の間隔で対流を促進できる。更に、図10中に矢印で示す如く、ガスを金属板13と絶縁板16の間に供給するようにして装置を薄くすることもできる。
金属板の材料も、SUS430のようなFe−Cr合金やその他のステンレスに限定されず、薄膜化が可能で、薄膜化によりX線透過が保証され、耐熱性があり、酸化劣化せず、ヒーターとして使用可能な抵抗になるものであれば、Ni−Cr系合金、Ni−Cr−Fe系合金、Fe−Cr−Al系合金、Cu−Mn系合金、Cu−Ni系合金等、他の金属であっても良い。
前記被覆導線17から面状ヒーター12への通電は、図11に模式的に示すようなフレーム18から、例えば絶縁ブッシュ(図示省略)を用いて絶縁された通電用ボルト19を介して行われる。図11において、18Aは、通電用ボルト19を通すためのボルト穴である。
又、図12(A)又は(B)に示す如く、前記フレーム18の周囲は送風ダクト20とされており、該送風ダクト20から中心部に向けて例えばガラス製の送風管22が例えばX字形(図12(A)の場合)又は、田型(図12(B)の場合)に設けられている。ここで、送風ダクト20の断面積は、送風管22の断面積より十分に大とされており、例えば周囲の一箇所又は二箇所からガスを送り込んだ際にも、均一なガスが中心部に供給されるようにされている。
上述のような構成からなる本発明の実施形態において、加熱装置を作動するには、最初に、被覆導線17を介して通電用ボルト19に電圧を印加する。この印加電圧は直流電圧であると交流電圧であるとを問わないが、電流は通電用ボルト19を経由して面状ヒーター12内を均一に流れる。この際、金属板は抵抗が小さく通電しやすいことから容易に電流が流れ、電力に応じた発熱量が発生する。
発熱は均一であり、かつ金属板自体の熱伝導性が高いことから、面状ヒーター12の温度は急速かつ均一に上昇してゆく。
例えばプリント配線基板である試料8は、耐熱性及び熱伝導性の高い支持体28を介して面状ヒーター12上に設置される。支持体28としては、アルミナセラミックス、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、マイカなどの板やシートなどが好適であるが、特に限定するものではなく、要求温度に応じて自由に材料を選択することができる。
試料8は耐熱性及び熱伝導性の高い絶縁板14を介するのみで、直接面状ヒーター12上に設置することができる。このため、面状ヒーター12の急速かつ均一な温度上昇に伴い、試料8も急速かつ均一に加熱することができる。
また、発熱量は、例えば試料8の近くに配設した熱電対(図示省略)でモニタしながら電圧をコントロールすることで、容易に制御できる。これにより、試料8を必要なプロファイルに沿って温度制御することができる。
面状ヒーター12の温度が上昇するに伴い、絶縁板14上に設置された試料8も、急速かつ面内で均一に温度上昇する。本実施形態の耐熱温度は高く、ソルダーペースト6、6´を充分に溶融させることが可能である。温度上昇に伴い、ソルダーペースト6、6´は溶融し、電子部品2、2´とランド4、4´とが濡れて接合する。
また、予め設定した温度プロファイル下でのリアルタイム観察を行うことができ、ボイド発生メカニズムの解明などに役立てることができる。
更に、検査視野外からの伝熱機構が不要であるため観察の角度が限定されず、装置の薄型化、単純化が可能となり、製作も容易である。また、金属板自体が高い強度を持つことから、高耐久の加熱装置を容易に得ることができる。
尚、前記実施形態では面状ヒーター12の形状を平板状としているが、この板を丸めたり曲げたりすることによって、例えば特許文献1に記載されたような丸筒型や角筒型の加熱装置とすることも可能である。
本実施形態では、面状ヒーター12に設けた通風孔14A、16Aに、ガス供給管21から送風ダクト20及び送風管22を経由して供給したガスを通して加熱することにより、接触や放射による加熱に、対流による雰囲気加熱が加わり、細かな温度制御が可能となる。ガスの流量によって昇温速度が制御できるのみならず、昇温と冷却のサイクル運転をすることも可能となる。また、不活性ガスなどの注入により酸化や燃焼を防止又は制御できる、特定ガス雰囲気下での観察を行うことができる、試料8から発生する有毒ガスなどを排気口10Aから外部に排出することができ、試料8や加熱装置への悪影響を防止することができるという利点もある。更に観察終了後は、外気や冷気を送風することで試料8や加熱装置の急速冷却を可能にする。
本実施形態によれば、上下から対流による円滑な加熱が可能である。なお、加熱装置を上又は下の一方に配置することも可能である。
本実施形態は、特に、はんだ接合部位の不良発生原因解析に用いるのに有用なX線検査用加熱装置であり、試料等の被検査物を目的の温度に加熱もしくは予め設定されたプロファイルに従って加熱し、その状態変化をリアルタイムに観察および記録することが可能である。
また、図では加熱装置は水平に設置されているが、必要に応じて縦や斜めに設置することも可能である。加熱装置の設置方法と試料のセット方法の組み合わせで、あらゆる角度から試料の観察を行うことが可能となる。
本実施形態では、試料をX線観察する範囲であるX線透過窓24には、雲母等のX線透過性の良好な材料のみが用いられているため、様々な温度条件下ではんだのぬれ挙動を明瞭に観察することができる。更に、例えばカーボンファイバーでなるX線を透過可能な補強板26を設けているので、十分な強度を確保できる。
送風管22の数は特に制限するものではないが、2本以上設置することにより、ガスの流れのムラをなくし、温度の均一化を図ることができる上、ガスの流量によっても昇温速度を制御することができる。更に、送風管22から供給するガスを選択することにより、特定ガス雰囲気下での観察を行うことができるほか、不活性ガスなどの注入により酸化や燃焼を防止又は制御できる。また、送風管22を、ガラス等のX線透過性の良好な材料で構成することにより、X線透過性を維持したままガス供給の制御をすることが可能となる。
また、冷却の際には、送風管22から冷却ガスを流すことができる上、冷却専用のガス供給管を備えることにより、急速な冷却制御が可能となる。これにより、迅速な冷却及び冷却状態の制御が可能となり、リフトオフ現象など、様々な現象への冷却の影響についても観察することが可能となるほか、昇温と冷却のサイクル運転をすることも可能となる。
尚、加熱装置の試料加熱室10上に排気口10Aを備えることにより、ガス雰囲気や流量が制御でき、温度制御が容易となる。また、加熱時に試料8から発生した有毒ガスなども迅速に排出することができ、安全性の高い加熱装置を提供することができる。
本実施形態では、絶縁板14、16、X線透過窓24、補強板26の材料が、セラミックス、耐熱樹脂、耐熱ゴム、ガラス、ガラス繊維、雲母、絶縁処理を施したカーボンファイバーのいずれか又はこれらの組み合わせであることを特徴としている。これらの材料はX線透過性が良好であるうえ、耐久性、耐熱性、絶縁性に優れるため、好適である。具体例としては、アルミナセラミックス、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ガラス、ガラス繊維、雲母、絶縁処理カーボンなどの板やシートなどが好適であるが、これ以外にも特に限定するものではなく、要求温度や要求強度に応じて自由に選択できる。特にX線透過窓24をカーボンファイバー製とした場合には、補強板26を省略して、装置を薄くできる。また、カーボンファイバーの絶縁処理方法としては、絶縁素材の塗膜の付与や絶縁剤へのドープなど様々な手段が考えられるが、これも特に限定するものではない。
本実施形態は、試料8の両側に面状ヒーター12を配することを特徴としている。これにより、試料8の両面から対流加熱を行ったり、片面は対流加熱で、残る片面は熱伝導加熱、片面は対流加熱で、残る片面は無加熱など、試料8の種類によって様々に選択することが可能となり、試料8の状態に合わせた加熱が可能となる。
本発明の加熱装置では、構成部品のうち、面状ヒーター12、絶縁板14、16には、繰り返しヒートサイクルがかかることから、他の部品よりも早く劣化することが予想される。そこで、面状ヒーター12、絶縁板14、16をモジュール化することにより、損耗部分のみの交換を可能とし、メンテナンス性とコストパフォーマンスの向上を可能とすることができる。
本実施形態では、X線発生部40側のX線透過窓24を小とし、X線受光装置42側のX線透過窓24を大としているので、照射方向の変更に容易に対応できる。なお、同じ大きさとすることも可能である。又、X線発生部40とX線受光装置42の配置も、図1の例に限定されず、上下逆であっても良い。
試料8も、両面実装基板に限定されず、片面実装基板であっても良い。
特に、はんだ接合部位の不良発生原因解析に用いるのに有用なX線検査用加熱装置であり、試料等の被検査物を目的の温度に加熱もしくは予め設定されたプロファイルに従って加熱し、その状態変化をリアルタイムに観察および記録することが可能である。
2、2´…電子部品(チップ部品)
8…試料(実装基板)
10…試料加熱室
10A…排気口
12…面状ヒーター
13…金属板
13C…通風スリット
14、15、16…絶縁板
14A、15A、16A…通風孔
15B…金属膜
16B…金属板埋め込み用凹部
17…被覆導線
18…フレーム
19…通電用ボルト
20…送風ダクト
21…ガス供給管
22…送風管
24…X線透過窓
26…補強板
40…X線発生部
42…X線受光装置

Claims (5)

  1. 試料加熱室に収容された試料の少なくとも一方の面を対流により加熱して、X線により検査するためのX線検査用加熱装置であって、
    通風孔又はスリットが多数形成された、X線を透過可能な面状ヒーターと、
    該面状ヒーターの前記試料と反対側の空間にガスを送り込むためのガス供給手段と、
    前記試料加熱室を外気と遮断するX線透過窓と、
    を備え
    前記面状ヒーターが、薄い金属板と、該金属板を両側から挟んで補強するための、X線を透過する材料で形成された絶縁板とで形成され、
    前記金属板が、前記試料と反対側の絶縁板に埋め込まれ、
    前記絶縁板に通風孔又はスリットが多数形成され、
    前記試料側の絶縁板の通風孔又はスリットが、該絶縁板の表面に対して斜めに形成され、
    前記金属板が埋め込まれた試料と反対側の絶縁板の通風孔又はスリットが、該絶縁板の表面に対して垂直に形成されていることを特徴とするX線検査用加熱装置。
  2. 前記ガス供給手段が、前記試料加熱室の周囲に配設された送風ダクトと、該送風ダクトから前記試料加熱室の中央にガスを送り込む送風管で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のX線検査用加熱装置。
  3. 前記X線透過窓が雲母製とされ、カーボンファイバー製の補強板で補強されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査用加熱装置。
  4. 前記X線透過窓がカーボンファイバー製とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査用加熱装置。
  5. X線を透過可能な薄い金属板と、
    該金属板を両側から挟んで補強するための、X線を透過する材料で形成された絶縁板とを備えると共に、
    前記金属板が、前記絶縁板の一方に埋め込まれ、
    記絶板に通風孔又はスリットが多数形成され
    前記絶縁板の他方の通風孔又はスリットが、該絶縁板の表面に対して斜めに形成され、
    前記金属板が埋め込まれた絶縁板の一方の通風孔又はスリットが、該絶縁板の表面に対して垂直に形成されていることを特徴とする面状ヒーター。
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