JP5817802B2 - 製紙用添加剤の中間体及び製紙用添加剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアクリルアミド系ポリマーを含む製紙用添加剤の中間体及び、この中間体をホフマン分解反応に付することを特徴とする製紙用添加剤の製造方法に関する。
近年、製紙工程において、歩留や濾水性を向上させる様々な製紙用添加剤が使用されている。例えば、歩留向上剤としては、主にジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(DAA)とアクリルアミド(AAM)のカチオン性共重合物(C−PAM)が使用されている。また、濾水性向上剤としては、主にポリエチレンイミン、ポリビニルアミンが使用されている。
DAA−PAM系の歩留向上剤は、分子量が大きいが、DAAのカチオン基団が主鎖から離れている。そのため、歩留率の向上効果は顕著であるが、製紙のフロックが大きく、しばしば地合が崩れ、脱水不良を引起すという問題があった。
ポリエチレンイミンやポリビニルアミンは、濾水性向上効果は高いが、分子量が小さいので多量に使う必要があり、また、歩留向上効果に欠けるという問題があった。特に、ポリエチレンイミンはカチオン性が強すぎるため、多量に添加しないと効果を発揮できず、また、ポリビニルアミンは価格が高く、実用が困難であるという問題があった。
ホフマン反応を利用した製紙用添加剤も開発されているが、主に紙力の増強を目的とした紙力剤であった。また、ホフマン反応物は、分子構造の十分な広がりを得られず、フロックが弱いため、十分な歩留向上効果や濾水向上効果を得られないという問題があった(特許文献1参照)。
特許第2907498号公報
これらの製紙用添加剤は、歩留向上効果、濾水性向上効果などの点において、その一部の性質において高い効果を有するものの、これら全ての性質において十分な効果を有するものではなく、製紙用添加剤としてはバランスに欠けるものであった。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、歩留向上効果、濾水性向上効果のバランスに優れた製紙用添加剤を与える中間体及び製紙用添加剤の製造方法の提供を目的とする。
本発明者は、所定のアクリルアミド系ポリマーを含む製紙用添加剤の中間体をホフマン分解反応に付することにより得られた製紙用添加剤が、歩留向上効果及び濾水性向上効果をバランスよく有することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)固有粘度が12.5〜28dl/g、アニオン化度が0.05meq/g以下であるアクリルアミド系ポリマーを含む、製紙用添加剤の中間体。
(2)前記アクリルアミド系ポリマーを生ずる重合反応の工程において、架橋剤が添加されていない(1)記載の製紙用添加剤の中間体。
(3)(1)又は(2)記載の製紙用添加剤の中間体をホフマン分解反応に付する工程を含む製紙用添加剤の製造方法。
(4)前記ホフマン分解反応において、前記アクリルアミド系ポリマーが2質量%以下の溶液として反応に供される(3)記載の製紙用添加剤の製造方法。
本発明によれば、歩留向上効果及び濾水性向上効果をバランスよく有する新規の製紙用添加剤を提供できる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに特に限定されるものではない。
<製紙用添加剤の中間体>
本発明における製紙用添加剤の中間体は、固有粘度(1N−NaNO水溶液中30℃での測定値)が12.5〜28dl/g、アニオン化度が0.05meq/g以下であるアクリルアミド系ポリマーを含むことを特徴とする。固有粘土及びアニオン化度が上記数値の範囲にあることにより、製紙用添加剤が、歩留向上、濾水性向上の点において、バランスよく十分な効果を有することができる。
アクリルアミド系ポリマーの固有粘度と分子量は一般的に相関関係にある。つまり、固有粘度が低下すると、分子量が低下し、濾水性及び歩留が低下する。従って、濾水性と歩留を向上させるためには、アクリルアミド系ポリマーの固有粘度が12.5dl/g以上である必要がある。アクリルアミド系ポリマーの固有粘度は、より好ましくは、13.0dl/g以上であり、さらに好ましくは14.0dl/g以上であり、最も好ましくは14.5dl/g以上である。また、アクリルアミド系ポリマーの固有粘度が高すぎると、分子量が大きくなりすぎ、製紙工程において添加した際に、凝集剤として作用してしまい、製紙の地合いが崩れてしまう。従って、凝集を防止するために、アクリルアミド系ポリマーの固有粘度が28dl/g以下である必要がある。アクリルアミド系ポリマーの固有粘度は、より好ましくは24dl/g以下であり、さらに好ましくは20dl/g以下であり、最も好ましくは16dl/g以下である。なお、固有粘度は、キャノンフェンスケ型粘度計を使用して流下時間を測定し、その測定値から、Hugginsの式及びMead−Fuossの式を用いて算出する。
アクリルアミド系ポリマーのアニオン化度が高すぎると、アクリルアミド系ポリマー分子内においてカチオン基とアニオン基とのイオン反応が起こるので、歩留が低下する。従って、歩留を向上させるためのアクリルアミド系ポリマーのアニオン化度は、好ましくは0.05meq/g以下であり、より好ましくは0.04meq/g以下であり、さらに好ましくは0.03meq/g以下であり、最も好ましくは0.01meq/g以下である。
アニオン化度は、コロイド等量値によって表され、コロイド等量値は、特開2009−228162の段落0029に記載されているとおり、以下の方法で行う。
〔コロイド当量値の測定方法〕
50ppm水溶液(純水で希釈)に希釈したアニオン性高分子化合物を100mlメスシリンダーに採取して200mlビーカーに移す。回転子を入れて攪拌しながら2N水酸化ナトリウム溶液(和光純薬工業(株)製)0.5mlをホールピペットで加えた後、N/200メチルグリコールキトサン溶液(和光純薬工業(株)製)5mlをホールピペットで加える。トルイジンブルー指示薬(和光純薬工業(株)製)を2〜3滴入れ、N/400ポリビニルアルコール硫酸カリウム溶液(和光純薬工業(株)製)で滴定する。青色が赤紫色に変わり数秒経っても赤紫色が消えない点を終点とする。同様に純水にて空試験を行う(ブランク)。
コロイド当量値(meq/g)=〔アニオン性高分子化合物の測定値(ml)−空試験の滴定量(ml)〕/2
濾水性が高いことは、特に硫酸バンドが使われていない抄紙系ではその効果が顕著である。それだけでなく、抄紙マシンでの水切れがよいことを意味し、引き締まったフロックの形成により、プレス脱水がよく、乾燥部での蒸気消費量の低減に繋がるという効果をもたらす。すなわち、本発明は、プレス脱水性も高いという特徴も有する。
プレス脱水性が高いということは、プレス入口での湿紙水分が低下し、つぶれの発生が抑えられる。また、通常の抄紙マシンは乾燥部の蒸気消費量がマシンの抄造速度のネックであるため、蒸気低減はマシンのスピードアップに繋がる。
本発明は、ポリエチレンイミンに比べ、歩留率の改善が顕著であり、ポリエチレンイミンとポリビニルアミンに比べ、紙力が優れている。
製紙用添加剤とは、製紙工程において添加剤として使用されるものを指し、主に歩留向上効果、濾水性向上効果又は紙力向上効果などを目的として使用されるものである。しかし、これらの目的に限定されるわけではなく、目的に応じて適宜選択されてもよい。
製紙用添加剤の中間体とは、製紙添加剤の前駆体となるアクリルアミド系ポリマーである。より具体的には、ホフマン分解反応に供されることを目的としたアクリルアミド系ポリマーなどをいう。
アクリルアミド系ポリマーとは、アクリルアミドを重合反応して得られるポリマーをいい、他のカチオンモノマーを含有してもよい。また、アニオン性モノマーは、含んでもよく、含まなくてもよいが、重合反応により得られたアクリルアミド系ポリマーが、固有粘度が12.5〜28dl/g、アニオン化度が0.05meq/g以下である必要がある。ただし、アニオン化度を低くし、重合される際のアクリルアミド系ポリマーの加水分解分解を抑制することによって歩留を向上させるには、アニオン性モノマーは含まない方が好ましい。
アクリルアミド系ポリマーは、製紙用添加剤の濾水性、歩留をさらに向上させるために、直鎖構造(リニアポリマー)である方が好ましい。つまり、アクリルアミド系ポリマーの重合反応に使用されるアクリルアミド以外のモノマーとして、架橋性のモノマーは重合反応させないほうが好ましい。
架橋性のモノマーとしては、メチレンビスアクリルアミド、ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミドトリメチロールプロパントリアクリレート、メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミドなどがあげられる。
アクリルアミド系ポリマーの重合反応に使用される溶媒としては、例えば、水、アルコール、ジメチルホルムアミドなどが使用可能である。コスト面を考慮すると、水が好ましい。
アクリルアミド系ポリマーの重合開始剤としては、溶媒に溶けるものであれば特に限定されない。例えば、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパンハイドロクロライド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物があげられる。また、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ、過酸化水素、ペルオクソ二硫酸アンモニウム、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエートなどの過酸化物系があげられる。また、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、テトラメチルエチレンジアミン又はトリメチルアミンなどを組み合わせる、レドックス系があげられる。
アクリルアミド系ポリマーの重合反応の温度及び時間は、得られたアクリルアミド系ポリマーが、固有粘度12.5〜28dl/g、アニオン化度0.05meq/g以下となれば特に限定されないが、例えば、開始温度を低温から、徐々に温度を上昇させることにより、上記条件を満たすアクリルアミド系ポリマーを重合することができる。開始温度が高すぎると、固有粘度が下がり、また、反応時にアクリルアミドの加水分解物が生じてアニオン化度が上がるので、開始温度は低い方がよい。より具体的には、開始温度は10℃〜30℃が好ましく、15℃〜25℃がより好ましく、18℃〜22℃がさらに好ましい。また、重合時の発熱を制御しやすいという点において、重合開始後の上昇する温度の上限は、好ましくは80℃以下であり、より好ましくは70℃以下であり、さらに好ましくは65℃以下である。
<製紙用添加剤の製造方法>
製紙用添加剤の中間体に含まれるアクリルアミド系ポリマーをホフマン分解反応に付することにより、歩留向上効果、濾水性向上効果をバランスよく十分に有する製紙用添加剤を製造することができる。
ホフマン分解反応を行う場合、アクリルアミド系ポリマーを重合反応した溶液をそのまま使用してもよいし、希釈して使用してもよい。また、必要に応じて別途溶液を準備してもよい。
ホフマン分解反応に供されるアクリルアミド系ポリマーの濃度を高く設定すると、不均一な反応となってしまい、十分な歩留向上効果、濾水性向上効果及び紙力向上効果を得ることができない。これらの効果を十分に得るためには、アクリルアミド系ポリマーの濃度は2質量%以下であるのが好ましい。より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。また、アクリルアミド系ポリマーの濃度が低すぎると、ホフマン分解反応の効率が悪くなるので、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。
ホフマン分解反応はアルカリ条件下で、アクリルアミド系ポリマーのアミド基に次亜ハロゲン酸を作用させることにより行う。具体的なpHは11〜14の範囲でホフマン分解反応を行うことができる。アルカリ条件にするために、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物などを使用する。また、次亜ハロゲン酸を作用させるために、例えば、次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩、次亜ヨウ素酸塩などの次亜ハロゲン酸塩を使用する。
次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩、次亜ヨウ素酸塩として、例えば、これらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩などがあげられる。次亜塩素酸のアルカリ金属としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸リチウムなどがあげられる。
ホフマン分解反応に供される次亜ハロゲン酸塩の量は特に限定されないが、アクリルアミド系ポリマーの次亜ハロゲン酸塩に対する量が少なすぎ、又は多すぎると、反応に供さないアクリルアミド系ポリマー又は次亜ハロゲン酸塩が多くなってしまうので、反応の効率が低下する。効率よく反応を行うためには、次亜ハロゲン酸塩とアクリルアミドポリマーのモル比は、好ましくは1:10〜10:10であり、より好ましくは2.5:10〜10:10であり、さらに好ましくは、5:10〜10:10である。
ホフマン分解反応における温度は0℃〜110℃において反応可能である。反応温度と反応時間の組合せについては、温度が低かったり、時間が短すぎると、反応が不十分となり、また、温度が高すぎたり、時間が長すぎると、好ましくない副反応が生じるおそれがある。従って、このような事態を防ぎ、効率よく反応を行うために、例えば、10℃〜40℃で30〜60分間、又は、温度50〜80℃で10秒〜10分間の反応温度と反応時間の組合せによりホフマン分解反応を行ってもよい。
反応の停止は、塩酸、硫酸、硝酸などの強酸、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、マロン酸エチル、トリエチルアミン、チオグリセロールなどの還元剤の添加によりすることができる。また、大量の水で希釈し、又は、冷却して低温にすることによっても反応を停止することができる。
このようにして得られた製紙用添加剤を添加して作製された紙は、濾水性、歩留、紙力においてバランスのとれた優れた性質を有する。
製紙工程において、本発明の製紙用添加剤と従来の製紙用添加剤を併用して使用してもよい。
<濾水歩留向上効果の評価の方法>
濾水性歩留向上効果の評価は、まず、スラリーとして、古紙100%の段ボール1%パルプスラリーを用い、CSF(カナディアン・スタンダード・フリーネス)値で450mlとする。次に、薬品添加率(対段ボールSS)を500ppmとなるように添加し、800rpmで10秒撹拌する。その後、濾水性、シート水分(プレス脱水性)及び歩留を評価する。濾水性はCSF測定方法により評価する。シート水分(プレス脱水性)はDDA(Dynamic
Drainage Analyzer:AB Akribi Kemikonsulter社製)により測定する。歩留はDFS(ダイナミックフィルトレーションシステム:ミューテック社製)により測定する。
<紙力向上効果の評価の方法>
紙力向上効果の評価は、まず、JISP8209に準じ、LBKP(広葉樹漂白クラフトパルプ)スラリーに各種製紙用添加剤を用いて、王研式丸型手漉きシートマシンにより手漉き紙を作成する。その際、手漉き紙を坪量120グラム/mとなるように作成する。坪量は、JIS P 8124に規定する方法によって測定する。紙力向上効果の評価は、作成した手漉き紙の比破裂強度とショートスパンを測定することにより行う。比破裂強度とは、キロパスカル(kPa)単位で表した紙の破裂強度を坪量で除した数値をいう。ショートスパン(比圧縮強さ)とは、荷重がかかる試験片のスパンを短く(0.7mm)して、圧縮及び破壊させたときの最大荷重を坪量で除した値をいう。比破裂強度は、JIS P 8112に準じて測定する。また、作成した手漉き紙のショートスパンをJIS P 8156に準じて測定する。
<実施例>(ポリマーA)
攪拌機及び温度センサーを備えた四つ口フラスコに、アクリルアミド(AAM)粉体を198g、イオン交換水を793g加えて、モノマー重量が全体の20%、総重量990gとなるように調整した。次に、温度を20℃に温調し、窒素置換を行った。調整した溶液に過硫酸アンモニウム0.1%水溶液を1ml、0.3gの2,2′アゾビス―2―アミジノプロパンハイドロクロライドを含む水溶液を添加し、さらに窒素置換を続け、約5分後に重合が開始された。徐々に温度が約65℃に向上し、5時間で重合は完結した。
重合中、内容物が高粘度となり、攪拌が困難となったため、攪拌は途中で停止した。重合完了後、内容物を取り出した。この重合体の固有粘度は約14.8dl/gであった。また、アニオン化度が0.01meq/gと非常に純度の高いノニオンポリマーを得ることができた。なお、固有粘度は、キャノンフェンスケ型粘度計を使用して流下時間を測定し、その測定値から、Hugginsの式及びMead−Fuossの式を用いて算出した。また、アニオン化度は、特開2009−228162の段落0029に記載されている方法で測定した。
<比較例1>(ポリマーB)
攪拌機及び温度センサーを備えた四つ口フラスコにアクリルアミドを71g仕込み、水を加えて全量を443.8gとした。過硫酸アンモニウムを0.22g、亜硫酸水素ナトリウムを0.1g投入して重合を開始した。85℃で保温し、2時間後に反応を終了させた。その結果、ポリマー濃度が15%、固有粘度が7.9dl/gのポリマーを得られた。また、反応時にアクリルアミドの加水分解物が生じ、アニオン化度は0.11meq/gであった。(特許文献1記載の比較例1の重合方法を参考)
<比較例2>(ポリマーC)
攪拌機及び温度センサーを備えた四つ口フラスコにアクリルアミドを70.93g、メチレンビスアクリルアミドを0.154g仕込み、過硫酸アンモニウムを0.22g、亜硫酸水素ナトリウムを0.1g投入して重合を開始した。85℃で保温し、2時間後に反応を終了させた。その結果、ポリマー濃度が15%、固有粘度5.5dl/gのポリマーを得られた。反応時にアクリルアミドの加水分解物が生じ、アニオン化度は0.12meq/gであった。(特許文献1記載の実施例1の重合方法を参考)
<ホフマン分解反応>
実施例、比較例1〜2で得られたアクリルアミド系ポリマーを、まず1質量%以下に希釈した。次に、加熱を行い、次亜塩素酸ソーダと苛性ソーダを添加して反応を行った。塩酸を用いて反応を停止させた。反応条件を表1に示す。
Figure 0005817802
<濾水歩留向上効果の評価>
スラリーとして、古紙100%の段ボール1%パルプスラリーを用い、CSF(カナディアン・スタンダード・フリーネス)値で450mlとした。薬品添加率(対段ボールSS)を500ppmとなるように添加し、800rpmで10秒撹拌した。その後、測定試験を行った。評価はCSF測定方法により実施した。また、シート水分はDDAにより測定した。歩留はDFSにより測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005817802
<紙力向上効果の評価>
紙力向上効果の評価は、まず、JISP8209に準じ、LBKPスラリーに各種製紙用添加剤を用いて、王研式丸型手漉きシートマシンにより手漉き紙を作成した。その際、手漉き紙を坪量120グラム/mとなるように作成した。坪量は、JIS P 8124に規定する方法によって測定した。手漉き紙の比破裂強度は、JIS P 8112に準じて測定した。また、手漉き紙のショートスパンをJIS P 8156に準じて測定した。この結果を表3に示す。
Figure 0005817802
以上の結果を踏まえると、実施例1〜4のポリマーは、室温、60℃、70℃のいずれの温度下でも、ホフマン反応を行うことが可能であり、一定の変性率を実現できることが確認できた。そして、これらのポリマーは、濾水性、プレス脱水性(シート水分)、歩留及び紙力の全てにおいて優れることが確認された。比較例1、2のポリマーは、紙力については優れるが、分子量が低いか、又は架橋により分子の広がりが低下したため、濾水性、プレス脱水性(シート水分)、歩留率が不十分であることが分かった。比較例5の通常のC-PAMでは濾水性と歩留が両方とも優れているが、湿紙のプレス脱水性の低下傾向が見られ、また、紙力が低かった。ポリエチレンイミン及びポリエチレンアミンは、濾水度、プレス脱水性に優れるが、紙力が低かった。特に、ポリエチレンイミンは歩留が低かった。C−PAMは、濾水性、歩留に優れるが、プレス脱水性、紙力が低かった。従って、全ての性質においてバランスよく優れているのは実施例1〜4だけであることがわかった。また、実施例1〜4は、DDA圧力が比較例1〜4、6より低かったので、シートの抵抗性(通気性)がよいことが確認され、また、比較例5の値の217程低くなかったことから、シートの均一性が保たれたことが確認された。

Claims (4)

  1. 固有粘度が12.5〜28dl/g、アニオン化度が0.05meq/g以下であるアクリルアミド系ポリマーを含む、ホフマン分解反応に供されるために用いられる製紙用添加剤の中間体。
  2. 前記アクリルアミド系ポリマーを生ずる重合反応の工程において、架橋剤が添加されていない請求項1記載の製紙用添加剤の中間体。
  3. 請求項1又は2記載の製紙用添加剤の中間体をホフマン分解反応に付する工程を含む製紙用添加剤の製造方法。
  4. 前記ホフマン分解反応において、前記アクリルアミド系ポリマーが2質量%以下の溶液として反応に供される請求項3記載の製紙用添加剤の製造方法。
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