JP5816711B2 - シャーベット状飲料用組成物、容器入り組成物、及び溶出性向上方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ぶどう糖、麦芽糖、デキストリン、及び糖アルコールから選ばれる1種以上の糖類と、ペクチン、及び大豆多糖類の両者を含む多糖類系安定剤とを含有し、糖類の配合量A(重量%)、ペクチンの配合量B(重量%)、大豆多糖類の配合量C(重量%)が所定の関係式で示される条件を満足し、0〜30℃で液状化可能であり、かつ0℃未満で凍結可能であるシャーベット状飲料用組成物という技術が開示されている。
したがって、シャーベット状飲料用組成物は、香味、食感といった評価と同様、プラスチック製の容器からのシャーベット状飲料の出し易さ(以下、適宜「溶出性」という)という評価も非常に重要視される。
しかし、シャーベット状飲料用組成物に関する技術として、特許文献1、2に開示された技術とは異なるとともに、これまでに全く無かったアプローチにより、溶出性を向上させる技術が望まれている。
(1)アルコール度数が1.5〜8.5%であり、アルコールの影響を除いた場合のBrixが15.0〜25.0%であることを特徴とするシャーベット状飲料用組成物。
(2)砂糖を含有することを特徴とする前記(1)に記載のシャーベット状飲料用組成物。
(3)増粘安定剤を含有することを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載のシャーベット状飲料用組成物。
(4)前記増粘安定剤は、2種以上の増粘安定剤で構成されるとともに、ゲルを形成しないことを特徴とする前記(3)に記載のシャーベット状飲料用組成物。
(5)果汁を含有することを特徴とする前記(1)から前記(4)のいずれか1つに記載のシャーベット状飲料用組成物。
(6)前記(1)から前記(5)のいずれか1つに記載のシャーベット状飲料用組成物が、プラスチック製の容器に充填されていることを特徴とする容器入り組成物。
(7)プラスチック製の容器からのシャーベット状飲料の出し易さを示す溶出性を向上させる方法であって、シャーベット状飲料用組成物について、アルコール度数と、アルコールの影響を除いた場合のBrixと、を以下の範囲に調整することを特徴とする溶出性向上方法。(1)アルコール度数:1.5〜8.5%、(2)アルコールの影響を除いた場合のBrix:15.0〜25.0%
また、本発明に係る溶出性向上方法によると、Brixの値が所定範囲内の組成物にアルコールを添加することから、一定のレベルの香味や食感を有するシャーベット状飲料用組成物の溶出性を向上させることができる。
本実施形態に係るシャーベット状飲料用組成物(以下、適宜「組成物」という)は、アルコール度数が所定範囲内であり、アルコールの影響を除いた場合のBrixが所定範囲内であることを特徴とし、0℃未満で凍結可能である。
そして、本実施形態に係る組成物は、凍結させる前の0℃以上の温度条件下では、液体状又はゼリー状(ゲル状)であり、0℃未満で凍結させた後、解凍することにより、「シャーベット状飲料」として食することができる。
なお、シャーベット状飲料用組成物とは、「シャーベット状飲料用」という用途に用いる組成物であり、最終的にシャーベット状飲料として消費される可能性のある組成物であればよい。
本実施形態に係る飲料用組成物は、液体状又はゼリー状(ゲル状)を呈する。なお、本実施形態に係る飲料用組成物の構成は、本実施形態に係るシャーベット状飲料用組成物と同じであるので、以下ではその説明を省略する。
本実施形態に係る組成物は、アルコール度数が1.5〜8.5%(「v/v%」とも表される)である。
そして、アルコールは、シャーベット状飲料の香味を変化(アルコール感を付与)させたり食感を向上させたりできるだけでなく、容器からのシャーベット状飲料の出し易さを示す「溶出性」を向上させる。
一方、アルコール度数が8.5%以下であることにより、アルコール感が強すぎてしまってシャーベット状飲料の香味として適さなくなるような事態を回避することができる。そして、シャーベット状飲料としてより好適な香味とするため、アルコール度数は、8.0%以下が好ましく、7.0%以下がさらに好ましい。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
本実施形態に係る組成物は、アルコールの影響を除いた場合のBrixが9.0〜25.0%である。
ここで、Brixとは、屈折率計で測定した屈折率を、国際砂糖分析法統一委員会(ICUMSA)で定められた換算式により、ショ糖液100g中に含まれるショ糖のグラム数に換算した値であり、いわゆる可溶性固形分濃度である。ただし、組成物にアルコールが含まれる場合、アルコールが屈折率に影響を及ぼすため、Brixの値は、アルコールによっても左右されてしまう。したがって、本発明では「アルコールの影響を除いた場合のBrix」の値を基準として採用している。なお、「アルコールの影響を除いた場合」とは「アルコールを同量の水に置き換えた場合」と言い換えることもできる。ここで、同量とは、詳細には、同じ容積のことである。
そして、「アルコールの影響を除いた場合のBrix」は、シャーベット状飲料に要求される香味(甘さ)を調節したり食感を向上させたりできるだけでなく、容器からのシャーベット状飲料の出し易さを示す「溶出性」を向上させる。
一方、アルコールの影響を除いた場合のBrixが25.0%以下であることにより、甘さが強すぎてしまってシャーベット状飲料の香味として適さなくなるような事態を回避することができる。そして、シャーベット状飲料としてより好適な香味とするため、アルコールの影響を除いた場合のBrixは、23.0%以下が好ましく、20.0%以下がさらに好ましい。
また、例えば、アルコール度数が5%の組成物の場合、組成物のBrixの値を屈折率計で測定し、別途、アルコール度数が5%となるように調整した水溶液のBrixの値を屈折率計で測定し、前者のBrixの値から後者のBrixの値を減算するという方法で求めてもよい。
本実施形態に係る組成物は、砂糖を含有しているのが好ましい。
ここで、砂糖とは、ショ糖(スクロース)を主成分とする甘味調味料であり、例えば、上白糖、グラニュー糖、白双糖、三温糖、中双糖、角砂糖、氷砂糖、液糖、和三盆、黒砂糖などを挙げることができる。そして、砂糖として、これらの中から1種又は2種以上を使用することができる。
なお、砂糖の含有量については、特に限定されないが、シャーベット状飲料として好適な香味(甘さ)とするために、例えば、70.0g/L以上が好ましく、110g/L以上がより好ましく、120g/L以上がさらに好ましく、130g/L以上が特に好ましく、140g/L以上が非常に好ましい。また、甘さが強すぎてしまってシャーベット状飲料の香味として適さなくなるような事態を回避するため、例えば、400g/L以下、300g/L以下が好ましく、230g/L以下がより好ましく、200g/L以下がさらに好ましく、180g/L以下が特に好ましく、170g/L以下が非常に好ましい。
そこで、本発明者は、特許文献1、2に開示された技術とは異なり、組成物に用いる甘味料を限定することなく、言い換えると、前記した「砂糖」を含有する場合であっても、効果(香味、食感、及び溶出性の向上)が得られるような構成である本発明を創出した。
本実施形態に係る組成物は、増粘安定剤を含有しているのが好ましい。
ここで、増粘安定剤とは、飲食品に粘性などを付与する食品添加剤であり、用途に応じて、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料とも呼ばれる。そして、増粘安定剤は、例えば、アルギン酸、カシアガム、カードラン、カラギナン、カラヤガム、キサンタンガム、グァーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガムなどが挙げられる。そして、増粘安定剤として、これらの中から1種又は2種以上を使用することができる。
したがって、本実施形態に係る組成物は増粘安定剤を含有することにより、シャーベット状飲料の均質性を向上させることができるとともに、舌触りが良く、滑らかな状態となることから、食感も向上させることができる。
なお、2種以上の増粘安定剤で構成されるとともに、ゲルを形成しないものとしては、例えば、κ−カラギナンとキサンタンガムとの組み合わせなどが挙げられる。一方、ゲルを形成するものとしては、例えば、ローカストビーンガムとキサンタムガムとの組み合せなどが挙げられる。
本実施形態に係る組成物は、果汁を含有しているのが好ましい。
ここで、果汁とは、果実の搾汁であり、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁だけでなく、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)も含まれ、これらの希釈液、濃縮液、混合液なども含まれる。さらに、果汁は、1種類の果実を原料としてもよいし、2種類以上の果実を原料としてもよい。
なお、本実施形態に係る組成物は果汁を含有することにより、シャーベット状飲料に様々な果実の香味を付与することができる。
例えば、果実としては、オレンジ、ミカン、温州ミカン、夏ミカン、ハッサク、ユズ、イヨカン、ポンカン、カボス、シイクワシャー、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘類果実、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、キウイ、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツなどの熱帯果実、ナシ(日本ナシ、西洋ナシなど)、リンゴなどの仁果類果実、梅、桃、スモモ、アンズなどの核果類果実、ラズベリー、クランベリー、ブルーベリー、カシス、チェリー、ブドウ、メロン、カキなどが挙げられる。
本実施形態に係る組成物は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される着色料、酸味料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料など(以下、単に添加剤という。)を添加することもできる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素などを用いることができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸などを用いることができる。甘味料としては、前記した砂糖以外にも、例えば、グルコース(ブドウ糖)、マルトース(麦芽糖)、デキストリンといった澱粉糖(澱粉を原料にして加水分解などにより作られた糖)などを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンEなどを用いることができる。
そして、前記したアルコール、砂糖、増粘安定剤、果汁、添加剤は、一般に市販されているものを使用することができる。
本実施形態に係る容器入り組成物は、前記したシャーベット状飲料用組成物が、プラスチック製の容器に充填されていることを特徴とする。
なお、シャーベット状飲料用組成物については、既に説明しているので、以下ではその説明を省略する。
本実施形態に係る容器とは、プラスチック製の容器である。そして、本実施形態に係る容器とは、詳細には、対象物を内部に保持する本体部と、当該本体部の内部と外部とを連通する飲み口部とを有するとともに、本体部に外側から圧力が加えられることにより、飲み口部から対象物を放出する容器である。
次に、本実施形態に係るシャーベット状飲料用組成物の製造方法を説明する。
本実施形態に係るシャーベット状飲料用組成物の製造方法は、混合工程S1と、後処理工程S2と、を含む。そして、シャーベット状飲料用組成物に増粘安定剤を含有させる場合は、さらに、溶解工程S3を含む。
混合工程S1では、混合タンクに、水、アルコール、砂糖、果汁、添加剤などを投入して混合後液を製造する。
そして、後処理工程S2では、混合後液のろ過(いわゆる一次ろ過に相当)、混合後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過に相当)、容器への充填、加熱殺菌、冷却などの処理を必要に応じて選択的に行う。
混合工程S1では、混合タンクに、(1)の場合に例示したものに加えて、増粘安定剤を投入して混合後液を製造する。
そして、溶解工程S3では、増粘安定剤を混合後液中に溶解させる。なお、溶解工程S3では、通常、加熱することにより増粘安定剤を溶解させるが、加熱温度や加熱時間については、使用する増粘安定剤の溶解度に応じて適宜設定すればよい。
そして、後処理工程S2では、(1)の場合と同様の処理を必要に応じて選択的に行う。
そして、混合後液を所定温度以上に保つ処理や、溶解工程S3における加熱処理において、混合液中のアルコールが揮発してしまう可能性がある。よって、アルコールの揮発が発生した場合(又は予想される場合)は、後処理工程S2においてアルコールを再度添加するか、混合工程S1においてアルコールを多めに投入するのが好ましい。
溶解工程S3では、まず、少量の溶媒(水など)に増粘安定剤を溶解させる。
そして、混合工程S1では、混合タンクに、(1)の場合に例示したものに加えて、増粘安定剤を溶解させた溶液を投入して混同後液を製造する。
そして、後処理工程S2では、(1)の場合と同様の処理を必要に応じて選択的に行う。
したがって、シャーベット状飲料用組成物に増粘安定剤を含有させる場合は、増粘安定剤としてゲル化しないものを選択するとともに、「(3)溶解工程S3→混合工程S1→後処理工程S2」を採用することにより、極めて効率的にシャーベット状飲料用組成物を製造することができる。
次に、本実施形態に係る溶出性向上方法について説明する。
本実施形態に係る溶出性向上方法は、Brixが所定範囲内であるシャーベット状飲料用組成物にアルコールを添加することを特徴とする。
そして、本実施形態に係る溶出性向上方法は、溶出性の向上という効果を確実なものとするため、組成物のアルコール度数が1.5%以上となるように添加するのが好ましく、2.0%以上、2.5%以上となるように添加するのがさらに好ましく、3.0%以上となるように添加するのが特に好ましい。
一方、アルコールの添加量が多すぎると、アルコール感が強すぎてしまってシャーベット状飲料の香味として適さなくなるため、組成物のアルコール度数が8.5%以下となるように添加するのが好ましく、8.0%以下となるように添加するのがさらに好ましく、7.0%以下となるように添加するのが特に好ましい。
まず、実施例1では、アルコール添加の有無が、溶出性、香味、食感などに与える影響について確認する。
表1に示す配合量となるように、飲料アルコール、グラニュー糖、桃果汁、酸味料、ビタミンC、香料、水を混合してサンプル液を準備した。そして、ペットボトルに容器詰めすることで、サンプル1−1、1−2を製造した。
なお、ペットボトルは、容量が280ml、サイズ(外寸)がφ66.0mm×136.0mm(h)、キャップが28mmφフラップキャップ、であるものを使用し、このペットボトルにサンプル液を280ml充填した。
各サンプルのBrix及びアルコールの影響を除いた場合のBrixの値については、デジタル屈折計(RX−5000α:ATAGO社製)を用いて測定及び概算した。
なお、各サンプルのBrixの測定は、サンプルを冷凍する前の状態(液体状態)で行った。
前記の方法により準備した各サンプルを冷凍(−20℃、48時間)した後、解凍(25℃、60分放置)し、下記の各官能試験に供した。
前記の方法により準備したサンプルの食感について、訓練された専門のパネル7名が下記評価基準に則って0〜4点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
4点:舌触りが極めて良く、極めて滑らかである。
3点:舌触りがかなり良く、かなり滑らかである。
2点:舌触りが良く、滑らかである。
1点:舌触りが若干悪く、滑らかさがあまり感じられない。
0点:舌触りが悪く、滑らかさが感じられない。
前記の方法により準備したサンプルの甘さについて、訓練された専門のパネル7名が下記評価基準に則って0〜4点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
4点:甘さが極めて強い。
3点:甘さが強い。
2点:甘さがある。
1点:甘さが若干ある。
0点:甘さは感じられない。
前記の方法により準備したサンプルの均質性について、訓練された専門のパネル7名が下記評価基準に則って0〜4点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、均質性については、サンプルを1口、2口、3口、食した際、香味が均一か否かで評価した。
4点:香味が完全に均一である。
3点:香味が均一である。
2点:香味がほぼ均一である。
1点:香味が若干均一でない。
0点:香味が均一でない。
前記の方法により準備したサンプルの総合評価について、訓練された専門のパネル7名が下記評価基準に則って0〜4点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、総合評価については、シャーベット状飲料として、好適な香味(香り及び味)であるか否かを総合的に評価した。
4点:シャーベット状飲料として非常に好適な香味である。
3点:シャーベット状飲料としてかなり好適な香味である。
2点:シャーベット状飲料として好適な香味である。
1点:シャーベット状飲料として許容できる香味である。
0点:シャーベット状飲料として不適な香味である。
前記の方法により準備したサンプルの溶出性について、訓練された専門のパネル7名が下記評価基準に則って0〜4点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、溶出性評価については、前記した容器の外側を手で押した際、容器からサンプル(シャーベット状飲料)が出し易いか否かで評価した。
4点:容器からサンプルが非常に出し易い。
3点:容器からサンプルがかなり出し易い。
2点:容器からサンプルが出し易い。
1点:容器からサンプルが少し出し難い。
0点:容器からサンプルが出し難い。
前記の官能試験と同様、各サンプルを冷凍(−20℃、48時間)した後、解凍(23℃、75分放置)し、下記の機械試験に供した。
溶出性評価について、より定量的な評価を行うために、圧縮試験機(材料試験機)を用いて機械試験を行った。
ここで、圧縮試験機(RTF−1350:オリエンテック社製)は、ペットボトルを横に寝かせた状態で載置できる載置部と、載置部に載置されたペットボトルを上方から押圧するように載置部の真上から降下する押圧部と、を備える。そして、載置部と押圧部とには、クッション材が設けられており、このクッション材を介してペットボトルの両側面に圧力が加えられるようになっている。
なお、圧縮試験機の詳細な条件は、人の手でペットボトルを押圧する状況を模擬し、以下のように設定した。
押圧部により負荷される圧力:250N、500mm/min
載置部のクッション材とペットボトルとの接触面積:70×95mm
押圧部のクッション材とペットボトルとの接触面積:50×75mm
各サンプルを前記方法によって2回ずつ試験を行い、ペットボトルの飲み口から押し出されたシャーベット状飲料の量(g)を測定した。
そして、各サンプルについて、ペットボトルの飲み口から押し出されたシャーベット状飲料の量(g)の平均値を算出し、当該量が多ければ多いほど、溶出性が良いと評価した。
なお、表中、及び後記する「Brix(アルコールの影響を除いた場合)」とは、「アルコールの影響を除いた場合のBrix」を示している。
アルコールを添加したサンプル1−1について、アルコールを添加させていないサンプル1−2と比較すると、「溶出性」において、官能試験では「0」→「4」、機械試験では「21.2(g)」→「48.2(g)」と大幅に向上したことが確認できた。
また、サンプル1−1について、サンプル1−2と比較すると、「食感」については、「1.0」→「2.9」、「均質性」については、「1.3」→「2.3」、「総合評価」については、「1.4」→「2.7」と、それぞれ向上したことが確認できた。
以上より、実施例1の結果によると、シャーベット状飲料組成物にアルコールを添加することにより、「溶出性」を大幅に向上させることができるとともに、「食感」、「均質性」、「総合評価」を良好にできることが確認できた。
表2に示す配合量となるように、飲料アルコール、グラニュー糖、桃果汁、酸味料、ビタミンC、香料、増粘安定剤(κ−カラギナンとキサンタンガム)、水を混合してサンプル液を準備した。なお、増粘安定剤は、事前に少量の水に加熱(90℃、10min)しながら溶解させて溶解液を作成した後、混合した。そして、実施例1と同様のペットボトルに容器詰めすることで、サンプル2−1〜2−5を製造した。
また、「Brixの測定」については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
前記の方法により準備した各サンプルを冷凍(−20℃、48時間)した後、解凍(25℃、60分放置)し、各官能試験に供した。
なお、各官能試験の評価方法、及び評価基準については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
サンプル2−1〜2−5の溶出性の評価を確認すると、「Brix(アルコールの影響を除いた場合)」の値が13.0%(9.0%以上)であるサンプル2−2が「3.0:かなり出し易い」というかなり好ましい評価が得られることが確認できた。特に、「Brix(アルコールの影響を除いた場合)」の値が15.0%以上のサンプル2−3〜2−5については、「4.0:非常に出し易い」という非常に好ましい評価が得られることが確認できた。
また、「Brix(アルコールの影響を除いた場合)」の値が9.0〜25.0%の範囲内であるサンプル2−2〜2−5については、全ての官能試験において、おおむね良好な結果が得られることが確認できた。ただ、Brixの値が高すぎると、若干甘さが際立つことにより「総合評価」が低下することも確認できた。
表3に示す配合量となるように、飲料アルコール、グラニュー糖、桃果汁、酸味料、ビタミンC、香料、増粘安定剤(κ−カラギナンとキサンタンガム)、水を混合してサンプル液を準備した。なお、増粘安定剤は、事前に少量の水に加熱(90℃、10min)しながら溶解させて溶解液を作成した後、混合した。そして、実施例1と同様のペットボトルに容器詰めすることで、サンプル3−1〜3−6を製造した。
また、「Brixの測定」については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
前記の方法により準備した各サンプルを冷凍(−20℃、48時間)した後、解凍(25℃、60分放置)し、各官能試験に供した。
なお、各官能試験の評価方法、及び評価基準については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
サンプル3−1〜3−6の溶出性の評価を確認すると、アルコール度数が2.0%(1.5%以上)であるサンプル3−3が「2.0:出し易い」という好ましい評価が得られることが確認できた。特にアルコール度数が4.0%以上のサンプル3−4〜3−6については、「4.0:非常に出し易い」という非常に好ましい評価が得られることが確認できた。
また、アルコール度数が1.5〜8.5%の範囲内であるサンプル3−3〜3−6については、全ての官能試験において、おおむね良好な結果が得られることが確認できた。ただ、アルコール度数が高すぎると若干苦みが際立つことにより「総合評価」が低下することも確認できた。
表4に示す配合量となるように、飲料アルコール、グラニュー糖、桃果汁、酸味料、ビタミンC、香料、増粘安定剤(κ−カラギナンとキサンタンガム)、水を混合してサンプル液を準備した。なお、増粘安定剤は、事前に少量の水に加熱(90℃、10min)しながら溶解させて溶解液を作成した後、混合した。そして、実施例1と同様のペットボトルに容器詰めすることで、サンプル4−1、4−2を製造した。
また、「Brixの測定」については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
前記の方法により準備した各サンプルを冷凍(−20℃、48時間)した後、解凍(25℃、60分放置)し、各官能試験に供した。
なお、各官能試験の評価方法、及び評価基準については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
増粘安定剤を添加したサンプル4−1について、増粘安定剤を添加させていない4−2と比較すると、「食感」については、「2.9」→「3.3」、「均質性」については、「2.3」→「3.3」、総合評価については「2.7」→「3.4」と、それぞれ向上したことが確認できた。
以上より、実施例4の結果によると、シャーベット状飲料組成物に増粘安定剤を添加することにより、「食感」、「均質性」、「総合評価」を良好にできることがわかった。
S2 後処理工程
S3 溶解工程
Claims (7)
- アルコール度数が1.5〜8.5%であり、
アルコールの影響を除いた場合のBrixが15.0〜25.0%であることを特徴とするシャーベット状飲料用組成物。 - 砂糖を含有することを特徴とする請求項1に記載のシャーベット状飲料用組成物。
- 増粘安定剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシャーベット状飲料用組成物。
- 前記増粘安定剤は、2種以上の増粘安定剤で構成されるとともに、ゲルを形成しないことを特徴とする請求項3に記載のシャーベット状飲料用組成物。
- 果汁を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシャーベット状飲料用組成物。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシャーベット状飲料用組成物が、プラスチック製の容器に充填されていることを特徴とする容器入り組成物。
- プラスチック製の容器からのシャーベット状飲料の出し易さを示す溶出性を向上させる方法であって、
シャーベット状飲料用組成物について、アルコール度数と、アルコールの影響を除いた場合のBrixと、を以下の範囲に調整することを特徴とする溶出性向上方法。
(1)アルコール度数:1.5〜8.5%
(2)アルコールの影響を除いた場合のBrix:15.0〜25.0%
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