[1.ゲーム装置のハードウェア構成]
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置(コンピュータ)は、例えば、家庭用・業務用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型端末)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、表示部32及び音声出力部34に接続される。表示部32は、例えば、家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイなどである。音声出力部34は、例えば、家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホンなどである。
ゲーム装置10は、公知のコンピュータゲームシステムである。ゲーム装置10は、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
制御部14は、一又は複数の制御部(例えば、CPU等)を含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、ゲーム装置10の各部を制御する処理や情報処理を実行する。
主記憶16は、例えば、RAMを含む。光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータは、主記憶16に書き込まれる。主記憶16は、制御部14の作業用メモリとしても用いられる。バス12は、アドレス及びデータをゲーム装置10の各部でやり取りするためのものである。
画像処理部18は、VRAMを含む。画像処理部18は、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面は、ビデオ信号に変換されて所定のタイミングで表示部32に出力される。
入出力処理部20は、制御部14が、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。
音声処理部22は、サウンドバッファを含む。音声処理部22は、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを、音声出力部34から出力する。
通信インタフェース28は、インターネットなどの通信ネットワークに、ゲーム装置10を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
光ディスク再生部24は、光ディスク36(情報記憶媒体)に記録されたプログラムやデータを読み取る。本実施形態においては、プログラムやデータをゲーム装置10に供給するために、光ディスク36が用いられる場合を説明するが、メモリカード等の他の情報記憶媒体が用いられて、プログラムやデータがゲーム装置10に対して供給されるようにしてもよい。他にも例えば、通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータがゲーム装置10に供給されるようにしてもよい。
ハードディスク26は、一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。なお、本実施形態において光ディスク36に記憶されるものとして説明するプログラムやデータは、ハードディスク26に記憶されていてもよい。
コントローラ30は、ユーザによる各種ゲーム操作を受け付けるための汎用操作手段である。ゲーム装置10には、一又は複数のコントローラ30が有線又は無線接続される。入出力処理部20は、一定周期毎(例えば、1/60秒毎)にコントローラ30の各操作部材の状態をスキャンする。このスキャン結果を表す操作信号は、バス12を介して制御部14に入力される。制御部14は、操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を特定する。なお、本実施形態において、ユーザがコントローラ30から行う操作は、他の種々の操作に置き換えてよい。例えば、音声を検出する音声検出装置(例えば、マイク)をゲーム装置10に接続しておき、音声解析を行うことにより各種操作が行われるようにしてもよい。また、コントローラ30は、有線又は無線で外部から接続されるものの他、ゲーム装置10とコントローラ30が一体的なハウジングを形成していてもよい。
[2.ゲーム装置において実行されるゲーム]
ゲーム装置10は、光ディスク36から読み出したゲームプログラムを実行することによって、ゲーム空間において、ユーザに関連付けられた複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ)と、複数の第2移動対象と、が移動するゲームを実行する。本実施形態では、ゲーム空間において、キャラクタが、移動物体(例えば、ボールやパック等)を移動目標位置(例えば、ゴール)に移動させるゲームを例に挙げて説明する。
例えば、ユーザが操作するチーム(以降、「ユーザチーム」という。)と、対戦相手(コンピュータ又は他のユーザ)が操作するチーム(以降、「対戦相手チーム」という。)と、の間でサッカーの試合を行うサッカーゲームが実行される。ゲーム装置10がサッカーゲームを開始すると、ゲーム空間が主記憶16に構築される。
図2は、ゲーム空間の一例を示す図である。図2に示すゲーム空間40は、互いに直交する三つの座標軸(Xw軸、Yw軸、及びZw軸)が設定された仮想的な3次元空間である。図2に示すように、ゲーム空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42(他のオブジェクトが配置される平面)が配置される。
フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール44が配置され、2本のゴールライン46及び2本のタッチライン48が表されている。ゴールライン46及びタッチライン48によって囲まれたピッチ50及び当該ピッチ50の周囲(ゴールライン46又はタッチライン48に接するピッチ50外の所定領域)において、試合が行われる。
また、フィールド42上には、サッカーボール(移動物体)を表すオブジェクトであるボール52と、ユーザチームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトであるキャラクタ54と、対戦相手チームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトであるキャラクタ56と、が配置される。各オブジェクトの位置は、例えば、ワールド座標系(Xw−Yw−Zw座標系)の3次元座標で特定される。
例えば、ユーザチームに所属するキャラクタ54のうちの何れかが、ユーザの操作対象に設定される。ユーザの操作対象以外のキャラクタ54及びキャラクタ56は、所与の行動パターンに基づいて自律的に動作する。なお、図2では省略されているが、フィールド42上には、ユーザチームに所属する11体のキャラクタ54と、対戦相手チームに所属する11体のキャラクタ56と、が配置される。
また、キャラクタ54(56)とボール52とが近づくと、所定条件の下、当該キャラクタ54(56)とボール52とが関連づけられる。この場合、キャラクタ54(56)の移動動作は、ドリブル動作になる。以下では、キャラクタ54(56)にボール52が関連づけられた状態のことを「キャラクタ54(56)がボール52を保持している」というように記載する。ボール52を保持しているキャラクタ54(56)は、所与の動作(例えば、パス動作又はシュート動作)を行うことにより、ボール52を移動させる。キャラクタ54(56)がボール52を移動させてゴール44内にボール52が移動すると、得点イベントが発生する。
また、ゲーム空間40には、仮想カメラ58(視点)が設定される。ゲーム空間40を仮想カメラ58から見た様子を表すゲーム画面が、表示部32に表示される。ゲーム画面は、ゲーム空間40に配置された各オブジェクトの頂点座標が、所定の座標変換演算を用いてワールド座標系からスクリーン座標系に座標変換されることによって生成される。
本実施形態では、上記のようなゲームの開始前又は一時停止中(例えば、試合のハーフタイム中や、ユーザが所与の操作を行って試合を一時停止させた場合)において、ユーザが戦術を設定するための戦術設定画面が表示部32に表示される。例えば、戦術設定画面からユーザが所与の操作を行うと、ユーザチームのキャラクタ54のうちで試合に出場する選手を変更したり、ユーザチームに設定する作戦やフォーメーションを変更したりすることができる。
図3は、戦術設定画面の一例を示す図である。図3に示すように、戦術設定画面60には、ピッチ50を模したピッチ画像62A,62Bが表示される。ピッチ画像62Aは、主に、ユーザチームの出場選手やフォーメーション等を表すための画像である。ピッチ画像62Bは、対戦相手チームの出場選手やフォーメーション等を表すための画像である。
ピッチ画像62A上には、ユーザチームのキャラクタ54のうちで試合に出場するキャラクタ54を表す出場選手画像64Aが配置される。出場選手画像64Aの表示位置は、当該出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の基本位置を表す。基本位置は、ゲーム空間40内でキャラクタ54を移動させる際の基準となる位置である。例えば、ピッチ画像62Aにおける出場選手画像64Aの表示位置と、ピッチ50における基本位置と、が対応するように、出場選手画像64Aの表示位置が決定される。
出場選手画像64Aの初期表示位置は、ユーザチームのフォーメーションに基づいて決定される。ここでは、予め用意された複数種類のフォーメーションのうちの何れかが、ユーザチームに設定される。各フォーメーションには、キャラクタ54に設定すべきポジションの組み合わせが定められており、ポジションごとに、初期の基本位置が設定されている。なお、ユーザチームに設定されるフォーメーションは、ユーザが選択したものであってもよいし、自動的に定まるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、ユーザがフォーメーションを指定することで、基本位置及びポジションを指定することができる場合を説明するが、ユーザが基本位置やポジションを指定するために、必ずしも、フォーメーションを指定しなくてもよい。即ち、基本位置やポジションをユーザが指定するために、フォーメーションを指定せず、キャラクタ54の基本位置やポジションを、ユーザが個別に指定できるようにしてもよい。
本実施形態では、ユーザは、カーソル66を用いて、出場選手画像64Aの表示位置を移動させることができる。ユーザが出場選手画像64Aを移動させると、当該出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の基本位置が変化する。このため、例えば、ユーザはフォーメーションを選択して、各キャラクタ54の大まかな基本位置を設定した後に、各キャラクタ54の詳細な基本位置をカーソル66を用いて調整することができる。
また、戦術設定画面60には、ユーザチームに所属するキャラクタ54のうち、ゲームの開始時点又は再開時点では試合に出場しないキャラクタ54を表す控え選手画像68Aが表示される。なお、ユーザが出場選手画像64Aと控え選手画像68Aとを指定すると、それらを入れ変えることができる。即ち、当該指定された出場選手画像64Aが示すキャラクタ54が試合に出場せず、当該指定された控え選手画像68Aが示すキャラクタ54が試合に出場するようになる。例えば、ユーザが、カーソル66を用いて、控え選手画像68Aを出場選手画像64A上にドラッグアンドドロップすると、試合に出場するキャラクタ54が入れ替わる。
なお、上記とは逆に、ユーザが、カーソル66を用いて、出場選手画像64Aを控え選手画像68A上にドラッグアンドドロップすると、試合に出場するキャラクタ54が入れ替わるようにしてもよい。また、ユーザが、2つの出場選手画像64Aを指定すると、それらを入れ替えることができるようにしてもよい。例えば、ユーザが、カーソル66を用いて、出場選手画像64Aを他の出場選手画像64A上にドラッグアンドドロップすると、これらのキャラクタ54のポジション及び基本位置が入れ替わるようにしてもよい。
また、ピッチ画像62Aには、対戦相手チームのキャラクタ56のうち試合に出場するキャラクタ56を表す相手画像70が表示される。相手画像70の表示位置は、当該相手画像70が示すキャラクタ56の基本位置に基づいて決定される。ピッチ画像62Aにおいて、出場選手画像64Aと相手画像70とが表示されることによって、ユーザチームの各キャラクタ54の基本位置と、対戦相手チームの各キャラクタ56の基本位置と、の位置関係を、ユーザが容易に把握することができる。
なお、図3に示す例では、ピッチ画像62B上には、対戦相手チームの出場選手及びフォーメーションを表す出場選手画像64Bが表示される。出場選手画像64Aと同様、出場選手画像64Bの表示位置は、当該出場選手画像64Bが示すキャラクタ56の基本位置に基づいて決定される。更に、図3に示すように、ピッチ画像62Aにおける相手画像70の配置と、ピッチ画像62Bにおける出場選手画像64Bの配置と、は対応している。また、控え選手画像68Bは、ゲームの開始時点又は再開時点では試合に出場しないキャラクタ56を示す。
本実施形態では、ユーザチームの攻撃方向と、対戦相手チームの攻撃方向と、が異なるため、キャラクタ54の基本位置(又は、出場選手画像64Aの表示位置)と、キャラクタ56の基本位置(又は、出場選手画像64Bの表示位置)と、が異なる。攻撃方向は、ボール52の目標位置(即ち、ゴール44内部の位置)に基づいて定まる方向であり、例えば、自分のチームのゴール44から相手チームのゴール44に向かう方向である。即ち、各キャラクタ54(56)は、自分のチームの攻撃方向に対応する基本位置が設定される。
なお、必ずしも、ピッチ画像64Aとピッチ画像64Bとの両方を、同じ画面で表示する必要はない。例えば、ピッチ画像64Aのみが表示されるようにしてもよい。また、ユーザの操作により、ピッチ画像64Aにおける相手画像70の表示及び非表示を切り替えることができるようにしてもよい。
本実施形態では、ユーザがカーソル66を用いて出場選手画像64Aの何れかを選択すると、当該出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の能力と、当該キャラクタ54のマッチアップ相手のキャラクタ56の能力と、を比較表示するための比較画像72が表示される。マッチアップ相手とは、ゲーム空間40においてキャラクタ54と相対する相手(対峙相手)であり、例えば、マッチアップ相手としてユーザが指定した対戦相手チームのキャラクタ56、又は、キャラクタ54のポジションや基本位置に基づいて定まる対戦相手チームのキャラクタ56である。図3の例では、ユーザが選択した背番号「10」番のキャラクタ54のマッチアップ相手は、背番号「5」番のキャラクタ56である。
比較画像72では、複数種類(図3の例では6種類)の能力パラメータの比較結果が示される。図3に示す例では、ユーザが選択した背番号「10」番のキャラクタ54の能力パラメータを実線で示し、マッチアップ相手である背番号「5」番のキャラクタ56の能力パラメータを点線で示す。例えば、「OFF」は、このキャラクタ54及びマッチアップ相手の攻撃力パラメータを比較表示するための項目である。同様に、「DEF」、「SPD」、「TAC」、「TEC」、及び「PHY」のそれぞれは、キャラクタ54及びマッチアップ相手の守備力パラメータ、速度パラメータ、戦術理解力パラメータ、技術力パラメータ及び体力パラメータを比較表示するための項目である。
上記のように、ユーザは、比較画像72における比較結果を参考にして、出場選手を入れ替えたり、ユーザチームのフォーメーションや基本位置を設定したりすることができる。また、本実施形態では、ユーザが出場選手画像64Aを指定した後に、この出場選手画像64Aが示すキャラクタ54のマッチアップ相手を指定することができる。ここでは、ユーザがカーソル66を用いて出場選手画像64B又は相手画像70を選択することで、マッチアップ相手を指定する場合を説明するが、ユーザがマッチアップ相手を指定するのはこの方法に限られない。対戦相手チームのキャラクタ56のうちでユーザが指定したキャラクタ54がマッチアップ相手として指定されるようにすればよい。例えば、対戦相手チームの出場選手画像64Bが示すキャラクタ56の一覧が表示され、この一覧から、ユーザがマッチアップ相手を指定するようにしてもよいし、ユーザが指定した出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の基本位置に基づいて選出されたキャラクタ56(例えば、基本位置が近い順に選出されたキャラクタ56)の一覧が表示され、この一覧から、ユーザがマッチアップ相手を指定するようにしてもよい。
図4は、ユーザが対戦相手チームのキャラクタ56のうち試合に出場するキャラクタ56を選択した場合の戦術設定画面60の一例を示す図である。例えば、カーソル66を用いて出場選手画像64B又は相手画像70を選択した場合の図である。図4では、背番号が「10」番のキャラクタ54のマッチアップ相手として、背番号が「3」番のキャラクタ56を表す出場選手画像64B又は相手画像70をユーザが選択した場合の戦術設定画面60の例を示す。この場合、現在のマッチアップ相手である背番号が「5」番のキャラクタ56の能力パラメータと、ユーザが指定した「3」番のキャラクタ56の能力パラメータと、を比較表示するための比較画像74が表示される。このため、ユーザがマッチアップ相手を選ぶために必要な情報を提供できる。その後、ユーザが所与の操作を行うと、背番号が「10」番のキャラクタ54のマッチアップ相手が、背番号が「5」番のキャラクタ56から、背番号が「3」番のキャラクタ56に変更される。
上記のように、本実施形態のゲーム装置10は、主に、比較画像72を表示させることで、ユーザチームのキャラクタ54と、マッチアップ相手と、の関係をユーザに提示できる構成になっている。以下、本技術について、詳細に説明する。
[3.ゲーム装置において実現される機能]
図5は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。図5に示すように、ゲーム装置10は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲームデータ記憶部80、移動制御部82、特定部84、表示制御部86、及び変更部88を実現する。
ゲームデータ記憶部80は、主記憶16、ハードディスク26、及び光ディスク36を主として実現され、他の各機能は、制御部14を主として実現される。なお、ゲーム装置10において必須の機能は、移動制御部82、特定部84、及び表示制御部86であり、他の機能は省略するようにしてもよい。
[3−1.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部80は、ゲームを実現するために必要な各種データを記憶する。ここでは、ゲームデータ記憶部80に記憶されるデータとして、キャラクタデータ、設定内容データ、及びゲーム状況データを説明する。
[キャラクタデータ]
図6は、キャラクタデータのデータ格納例を示す図である。図6に示すように、キャラクタデータは、各キャラクタ54(56)に関する情報を含む。例えば、キャラクタ54(56)の名称、所属チーム、及び複数種類の能力パラメータが、キャラクタデータに格納される。能力パラメータの数値の高さは、キャラクタ54(56)の能力の高さを示す。
ここでは、能力パラメータとして、攻撃力パラメータ、守備力パラメータ、速度パラメータ、戦術理解力パラメータ、技術力パラメータ、及び体力パラメータを説明するが、キャラクタ54(56)の能力を示す情報が格納されるようにすればよく、能力パラメータは、これに限られない。
[設定内容データ]
図7は、設定内容データのデータ格納例を示す図である。図7に示すように、設定内容データは、各チームに設定されている情報を含む。例えば、各チームに設定されている作戦、フォーメーション、出場選手、及び各出場選手に関連付けられた移動基準情報が、設定内容データに格納される。
移動基準情報は、移動制御部82がキャラクタ54(56)を移動させる際に参照する情報であり、例えば、ユーザが指定したマッチアップ相手のキャラクタ56、キャラクタ54(56)の役割(ポジション)、及びキャラクタ54(56)の基本位置の少なくとも一つを含む。
戦術設定画面60からユーザがマッチアップ相手を指定すると、当該指定されたマッチアップ相手を識別する情報が、移動基準情報に格納される。なお、ユーザがマッチアップ相手を指定していない場合、設定内容データには、マッチアップ相手を表す情報が格納されない。
また、各チームに設定されたフォーメーションに基づいて定まる各キャラクタ54のポジションを識別する情報が、移動基準情報に格納される。更に、各チームに設定されたフォーメーション、及び、戦術設定画面60におけるユーザの操作に基づいて定まる基本位置を表す情報(例えば、ピッチ50上の座標)が、移動基準情報に格納される。
[ゲーム状況データ]
ゲーム状況データは、実行中のゲームの状況を示す。例えば、ゲーム状況データは、ゲーム空間40の現在の状況(例えば、ボール52及びキャラクタ54(56)の位置や移動方向、仮想カメラ58の状態等)、ユーザの操作対象を識別する情報、実行中の試合の各種状況(例えば、試合の経過時間や両チームの得点等)が、ゲーム状況データに含まれる。ゲーム状況データは、ゲームの進行に応じて適宜更新される。
なお、ゲームデータ記憶部80に記憶されるデータは、上記の例に限られない。ゲームを実行するために必要なデータが、ゲームデータ記憶部80に記憶されていればよい。例えば、キャラクタデータには、各キャラクタ54(56)のレベルや得意ポジションを示す情報が格納されているようにしてもよい。また例えば、予め用意された複数種類のフォーメーションごとに、ポジション及び初期基本位置の組み合わせを示す情報が格納されているようにしてもよい。他にも例えば、キャラクタ54(56)の行動パターンを示すデータ(行動アルゴリズム)が記憶されていてもよい。
[3−2.移動制御部]
移動制御部82は、ゲームの実行中において、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)及び複数の第2移動対象(例えば、キャラクタ56)のそれぞれに関連付けられた移動基準情報(例えば、ポジションや基本位置)に基づいて、複数の第1移動対象及び複数の第2移動対象のそれぞれを移動させる。移動制御部82は、各キャラクタ54(56)に関連付けられた移動基準情報が示す各値(例えば、ポジションや基本位置)を、予め定められた行動アルゴリズムに代入することによって、各キャラクタ54(56)が移動すべき位置又は方向を計算する。
また例えば、移動制御部82は、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)のそれぞれを、当該第1移動対象が相対すべき相手としてユーザが指定した第2移動対象(例えば、キャラクタ56)の現在位置に基づいて移動させる。移動制御部82は、ユーザがキャラクタ54のマッチアップ相手を指定した場合、当該キャラクタ54と、ユーザが指定したマッチアップ相手と、が所与の位置関係(例えば、距離が基準以内となる関係)を保つように移動させる。このように移動制御を行うことで、各キャラクタ54を、ユーザが指定したマッチアップ相手と競い合うように移動させることができる。
なお、移動制御部82がキャラクタ54(56)を移動させる方法は、上記の例に限られない。移動制御部82は、移動基準情報に基づいて、各キャラクタ54(56)を移動させるようにすればよい。例えば、移動制御部82は、各キャラクタ54(56)のポジションに応じた位置又は方向に移動させるようにしてもよいし、各キャラクタ54(56)の基本位置に基づいて定まる領域内で移動させるようにしてもよい。このように移動制御を行うことで、各キャラクタ54(56)のポジションや基本位置に応じた位置に移動させることができる。他にも例えば、移動制御部82は、移動基準情報以外の情報(例えば、作戦等)を考慮して、キャラクタ54(56)を移動させるようにしてもよい。
[3−3.特定部]
特定部84は、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)及び複数の第2移動対象(例えば、キャラクタ56)のそれぞれに関連付けられた移動基準情報(例えば、ポジションや基本位置)に基づいて、複数の第2移動対象のうちから、複数の第1移動対象のそれぞれがゲーム空間40内で相対する相手を特定する。
本実施形態では、特定部84は、複数のキャラクタ54のそれぞれがゲーム空間40内で相対する相手を、ユーザによる指定に基づいて特定する。例えば、ユーザがマッチアップ相手のキャラクタ56を指定した場合、特定部84は、ユーザが指定した当該キャラクタ56をマッチアップ相手として特定する。このようにすることで、各キャラクタ54を、ユーザの好みに応じたマッチアップ相手と競い合わせることができる。
また、ユーザがマッチアップ相手を指定していないキャラクタ54については、特定部84は、このキャラクタ54及び対戦相手チームの各キャラクタ56のポジションに基づいて、マッチアップ相手を特定する。例えば、特定部84は、各キャラクタ54のポジションに対応するポジションのキャラクタ56を、マッチアップ相手として特定する。
図8は、キャラクタ54のポジションとマッチアップ相手のポジションとの関連付けを示す図である。当該関連付けを示すデータは、ゲームデータ記憶部80に記憶されているものとする。図8に示すマッチアップ相手のポジションは、キャラクタ54のポジションに対応するポジションであり、複数種類のポジションのうち、キャラクタ54のポジションと相対するポジションが格納される。図8に示す関連付けに格納されるポジションは、ゲーム制作者等の設定者により指定されたものである。なお、この設定者は、ゲーム制作者に限られず、ユーザであってもよい。
ここでは、マッチアップ相手のポジションとして、複数のポジションが関連付けられている。これら複数のポジションには、第N優先度(Nは自然数)までの優先順位が定められている。特定部84は、これら複数のポジションのうち、優先順位の高いポジションのキャラクタ56が対戦相手チームにいた場合、当該キャラクタ56をマッチアップ相手として特定する。各キャラクタ54(56)はポジションに応じた行動をするので、このようにすることで、各キャラクタ54(56)のポジションに応じてマッチアップ相手を正確に特定することができる。更に、対戦相手チームのフォーメーション次第では、対戦相手チームに設定されないポジションもあるので、優先度順に複数種類のポジションを関連付けておくことにより、マッチアップ相手を特定する際の正確さを担保することができる。
本実施形態では、図8に示す関連付けに定められたポジションのキャラクタ56が対戦相手チームにいない場合、又は、当該ポジションのキャラクタ56が複数いる場合、特定部84は、キャラクタ54(56)の基本位置に基づいてマッチアップ相手を特定する。例えば、特定部84は、キャラクタ54のマッチアップ相手として、当該キャラクタ54の基本位置から最も近い基本位置が設定されているキャラクタ56を、マッチアップ相手として特定する。各キャラクタ54(56)は、基本位置に応じて移動するので、このようにすることで、各キャラクタ54(56)の基本位置に応じてマッチアップ相手を正確に特定することができる。
[3−4.表示制御部]
表示制御部86は、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)ごとに、当該第1移動対象に関する情報(例えば、キャラクタ54の能力パラメータ)と、当該第1移動対象がゲーム空間内で相対する相手に関する情報(例えば、マッチアップ相手の能力パラメータ)と、を表示部32において比較表示させる。
ここでの比較表示とは、キャラクタ54の能力パラメータとマッチアップ相手の能力パラメータとの関係(例えば、能力の優劣)を表す画像(例えば、比較画像72)を表示させることである。より具体的には、キャラクタ54の能力パラメータを表す画像(例えば、比較画像72の実線)を第1の位置に表示させ、かつ、マッチアップ相手の能力パラメータを表す画像(例えば、比較画像72の点線)を第1の位置に対応する第2の位置に表示させること、及び、キャラクタ54の能力パラメータとマッチアップ相手の能力パラメータとの比較結果を表す一又は複数の画像(例えば、優劣を表す画像)を表示させることが、比較表示をすることに相当する。なお、この画像としては、キャラクタ54(56)の能力の項目ごとに表示される棒グラフであってもよい。この場合、各項目に対応する棒グラフの全体が一の画像に相当してもよいし、棒グラフの各々の棒が一の画像に相当し、棒グラフに含まれる複数の棒が、複数の画像に相当してもよい。
本実施形態では、表示制御部86は、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)ごとに、当該第1移動対象の能力と、当該第1移動対象がゲーム空間40内で相対する相手の能力と、のずれ具合を表す情報(例えば、比較画像72)を表示部32に表示させることによって比較表示を行う。ずれ具合とは、能力パラメータの差の程度のことであり、本実施形態では、比較画像72内の実線と点線の位置関係で示される。
図9は、比較画像72の表示方法を説明するための説明図である。図9に示すように、比較画像72の中心点を、基準位置Oとする。そして、比較画像72には、各能力パラメータの最大値に対応する位置P1〜P6が設定される。表示制御部86は、基準位置Oと各位置P1〜P6とを結ぶ線分と、キャラクタ54の能力を表す実線と、が交差する交点Q1〜Q6が、キャラクタ54の能力値を表すように、比較画像72内に実線を表示させる。例えば、この交点Q1〜Q6が基準位置Oに近いほど、能力が低く、交点Q1〜Q6が位置P1〜P6に近いほど、能力が高いことを示す。
表示制御部86は、マッチアップ相手の能力を表す点線も、上記と同様の処理により表示させる。具体的には、表示制御部86は、基準位置Oと各位置P1〜P6とを結ぶ線分と、キャラクタ56の能力を表す点線と、が交差する交点R1〜R6が、キャラクタ56の能力値を表すように、比較画像72内に点線を表示させる。例えば、この交点R1〜R6が基準位置Oに近いほど、能力が低く、交点R1〜R6が位置P1〜P6に近いほど、能力が高いことを示す。
上記のように、表示制御部86は、キャラクタデータを参照して、各比較画像72内に実線及び点線を描画することで、能力パラメータの比較表示を行う。このように、折れ線によって比較表示を行うことにより、ユーザは、能力パラメータのずれ具合を視覚的に把握することができる。更に、表示制御部86は、各能力パラメータの値を結ぶ線分を用いて比較表示することで、これらを結んだ結果できる図形(線分により囲まれる領域)の面積同士を比較することができ、キャラクタ54(56)の総合的な能力の比較を視覚的に行うことができる。
なお、キャラクタ54とマッチアップ相手との比較表示は、図9の例に限られない。例えば、表示制御部86は、図9のように点線や実線により能力の違いを比較表示する以外にも、線の色彩や線で囲まれる図形の色彩を異ならせることで、比較表示するようにしてもよい。
本実施形態では、表示制御部86は、各移動対象(例えば、キャラクタ54等)が移動する所定領域(例えば、ピッチ50)を表す所定領域画像(例えば、ピッチ画像62A)を表示させる。また、表示制御部86は、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)のそれぞれを表す画像(例えば、出場選手画像64A)を、当該第1移動対象に関連付けられた移動基準情報(ここでは、移動基準情報に含まれる各項目のうち、キャラクタ54のポジションや基本位置)に基づいて定まる所定領域画像(例えば、ピッチ画像62A)上の位置に表示させる。例えば、表示制御部86は、各キャラクタ54を表す出場選手画像64Aを、当該キャラクタ54の基本位置又はポジションに基づいて定まるピッチ画像62A上の位置に表示させる。特に、本実施形態のように、ピッチ50上でキャラクタ54が移動するゲームでは、ユーザは、ピッチ50上におけるキャラクタ54の基本的な移動範囲を容易に把握することができる。
本実施形態では、表示制御部86は、複数の第2移動対象(例えば、キャラクタ56)のそれぞれを表す画像(例えば、相手画像70)を、当該第2移動対象に関連付けられた移動基準情報に基づいて定まる所定領域画像(例えば、ピッチ画像62A)上の位置に表示させる。例えば、表示制御部86は、各キャラクタ56を表す相手画像70を、対戦相手チームのフォーメーション、当該キャラクタ56のポジション及び基本位置に基づいて定まるピッチ画像62A上の位置に表示させる。特に、本実施形態のように、ピッチ50上でキャラクタ54(56)が移動するゲームでは、ユーザは、ピッチ50上におけるキャラクタ54(56)の位置関係を容易に把握することができる。
本実施形態では、表示制御部86は、所定領域画像(例えば、ピッチ画像62A)上において複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)及び複数の第2移動対象(例えば、キャラクタ56)のそれぞれを表す画像(例えば、出場選手画像64Aや相手画像70)が表示された状態で比較表示を行う。例えば、表示制御部86は、出場選手画像64A、相手画像70、及び比較画像72を同じ画面内で表示させる。これにより、ユーザは、キャラクタ54(56)の位置関係や能力パラメータの対比を同時に確認しつつ、どのようにゲームをプレイするかを検討しやすくなったり、ユーザチームに設定すべき戦術を練りやすくなったりすることができる。
また、表示制御部86は、戦術設定画面60において、比較画像72とは別に、出場選手画像64Aを表示させるので、ユーザチームのキャラクタ54とマッチアップ相手とを、ユーザに把握させやすくなる。なお、相手画像70は、比較画像72とは別個に表示させているため、表示制御部86は、相手画像70を表示させないようにしてもよい。また、表示制御部86は、ユーザの操作により、相手画像70の表示及び非表示を切り替えるようにしてもよい。
また、表示制御部86は、ピッチ画像62Aにおいて、ユーザが選択した出場選手画像64Aとマッチアップ相手とを表示させ、かつ、当該マッチアップ相手を強調表示させると、ピッチ50におけるキャラクタ54とマッチアップ相手との位置関係をユーザが把握しやすくなる。例えば、表示制御部86が、ピッチ画像62A上で選択された出場選手画像64A及びマッチアップ相手の表示態様を、他の出場選手画像64A,64Bの表示態様とは異ならせることで、ユーザが、ピッチ画像62上の対応関係を明確に把握するとともに、よりマッチアップに対する認識をしやすくなる。
[3−5.変更部]
変更部88は、表示制御部86による比較表示が行われた後に、ユーザの操作に基づいて、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)のそれぞれに関連付けられた移動基準情報(例えば、マッチアップ相手、ポジション、基本位置)を変更する。
例えば、変更部88は、ユーザがマッチアップ相手を変更した場合、当該変更されたマッチアップ相手を識別する情報を、移動基準情報に格納する。また例えば、変更部88は、ユーザがフォーメーションを変更した場合、当該変更されたフォーメーションに対応するキャラクタ54のポジションを、移動基準情報に格納する。また例えば、変更部88は、ユーザが基本位置を変更した場合、当該変更された基本位置を移動基準情報に格納する。このようにすることで、各キャラクタ54とマッチアップ相手との関係をユーザに把握させつつ、各キャラクタ54にどのような行動をさせるかを変更することができるので、ゲームプレイの支援をより効果的に行うことができる。
[4.ゲーム装置において実行される処理]
図10及び図11は、ゲーム装置10が実行する処理を示すフロー図である。図10及び図11に示す処理は、戦術設定画面60が表示される場合に実行される。制御部14は、光ディスク36に記憶されたプログラムに従って、下記に説明する処理を実行し、図5に示す機能ブロックが実現される。
まず、図10に示すように、制御部14は、戦術設定画面60を表示部32に表示させる(S1)。S1においては、制御部14は、予め定められた作戦、フォーメーション、及び出場選手に基づいて、戦術設定画面60を表示させる。なお、制御部14は、前回の試合における設定内容を設定内容データに格納しておき、前回の設定内容が反映された戦術設定画面60を表示させるようにしてもよい。
制御部14は、コントローラ30からの検出信号に基づいて、出場選手画像64Aの何れかをユーザが選択したか否かを判定する(S2)。S2においては、制御部14は、ユーザがカーソル66を用いて出場選手画像64Aを選択したか否かを判定する。
出場選手画像64Aの何れかをユーザが選択したと判定された場合(S2;Y)、制御部14は、当該出場選手画像64Aが示すキャラクタ54のマッチアップ相手が既に指定されているか否かを判定する(S3)。S3においては、制御部14は、設定内容データを参照し、ユーザが選択したキャラクタ54にマッチアップ相手が関連付けられているか否かを判定する。
マッチアップ相手が既に指定されていると判定された場合(S3;Y)、制御部14は、キャラクタデータを参照し、ユーザが選択した出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の能力パラメータと、ユーザが指定したマッチアップ相手の能力パラメータと、の比較表示を行う(S4)。S4においては、制御部14は、ユーザが選択した出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の能力パラメータに基づいて、比較画像72の実線を描画し、ユーザが指定したマッチアップ相手の能力パラメータに基づいて、比較画像72の点線を描画する。
一方、マッチアップ相手が指定されていないと判定された場合(S3;N)、制御部14は、設定内容データを参照し、ユーザが選択した出場選手画像64Aが示すキャラクタ54のポジションを取得する(S5)。
制御部14は、設定内容データを参照し、S5で取得したポジションに対応するポジションのキャラクタ56が対戦相手チームにいるか否かを判定する(S6)。S6においては、制御部14は、S5で取得したポジションに関連付けられた複数のポジションを取得し、優先度順に当該取得したポジションのキャラクタ56が対戦相手チームにいるか否かを判定する。
より具体的には、制御部14は、第n優先度(nはN以下の自然数。初期値は1とする。)のポジションのキャラクタ56がいるか否かを判定する。第n優先度のポジションのキャラクタ56が対戦相手チームにいなければ、制御部14は、nをインクリメントして、次の優先度のポジションのキャラクタ56が対戦相手チームにいるか否かを判定する。そして、第N優先度のポジションのキャラクタまでいなければ、制御部14は、S5で取得したポジションに対応するポジションのキャラクタ56が対戦相手チームにいないと判定する。
対応するポジションのキャラクタ56が対戦相手チームにいると判定された場合(S6;Y)、制御部14は、キャラクタデータを参照し、ユーザが選択した出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の能力パラメータと、対応するポジションのキャラクタ56の能力パラメータと、の比較表示を行う(S7)。
一方、対応するポジションのキャラクタ56が対戦相手チームにいないと判定された場合(S6;N)、制御部14は、キャラクタデータを参照し、ユーザが選択した出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の能力パラメータと、当該キャラクタ54の基本位置から最も近い基本位置のキャラクタ56の能力パラメータと、の比較表示を行う(S8)。
S8においては、制御部14は、ユーザが選択した出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の基本位置の座標と、対戦相手チームのキャラクタ56の基本位置の座標と、の距離を比較して、もっとも距離が短い座標の基本位置に対応付けられたキャラクタ56をマッチアップ相手として決定する。なお、各チームに設定される攻撃方向によって、ピッチ50に対する基本位置が異なっている。
制御部14は、コントローラ30からの検出信号に基づいて、対戦相手チームのキャラクタ56のうち、試合に出場するキャラクタ56の指定操作が行われたか否かを判定する(S9)。S9においては、制御部14は、ユーザがカーソル66を用いて相手画像70又は出場選手画像64Bを選択したか否かを判定する。
なお、対戦相手チームのキャラクタ56をユーザが選択する方法は、画像の選択に限られない。例えば、制御部14は、対戦相手チームのキャラクタ56の一覧を表示させ、その一覧からユーザに選択させるようにしてもよい。また、制御部14は、キャラクタ54とマッチアップ相手との比較表示を行う際に、比較画像72の横に対戦相手チームのキャラクタ56を識別する情報を表示させてユーザに選択させるようにしてもよい。
キャラクタ56の指定操作が行われたと判定された場合(S9;Y)制御部14は、キャラクタデータを参照し、ユーザが指定したキャラクタ56の能力パラメータと、現在のマッチアップ相手の能力パラメータと、を比較表示させる(S10)。S10においては、制御部14は、ユーザが指定したキャラクタ56の能力パラメータに基づいて、比較画像74の一点鎖線を描画し、現在のマッチアップ相手の能力パラメータに基づいて、比較画像74の点線を描画する。これらの線を描画する方法は、比較画像72と同様である。
なお、ここでは、ユーザが指定したキャラクタ56の能力パラメータと、現在のマッチアップ相手の能力パラメータと、を比較表示させる場合を説明するが、例えば、ユーザチームのキャラクタ54の能力パラメータと、ユーザが指定したキャラクタ56の能力パラメータと、現在のマッチアップ相手の能力パラメータと、の3つが比較表示されるようにしてもよい。他にも例えば、ユーザチームのキャラクタ54の能力パラメータと、ユーザが指定したキャラクタ56の能力パラメータと、が比較表示されるようにしてもよい。
制御部14は、コントローラ30からの検出信号に基づいて、所与の変更操作が行われたか否かを判定する(S11)。所与の変更操作が行われたと判定された場合(S11;Y)、制御部14は、ユーザが指定したキャラクタ56をマッチアップ相手として設定し(S12)、S3の処理に戻る。S12においては、制御部14は、ユーザが選択した相手画像70又は出場選手画像64Bが示すキャラクタ56を識別する情報を、ユーザが選択したキャラクタ54に関連付けて設定内容データに格納する。なお、マッチアップ相手が変更された後は、S2の処理に戻り、いったんキャラクタ54の選択が解除されるようにしてもよい。
一方、キャラクタ56の指定操作が行われたと判定されない場合(S9;N)、及び、所与の変更操作が行われたと判定されない場合(S11;N)、制御部14は、コントローラ30からの検出信号に基づいて、キャラクタ54の基本位置の変更操作が行われたか否かを判定する(S13)。S13においては、制御部14は、カーソル66を用いてピッチ画像62A上の位置を指示する所定操作をユーザがしたか否かを判定する。
基本位置の変更操作が行われたと判定された場合(S13;Y)、制御部14は、ユーザが選択した出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の基本位置を変更し(S14)、S3の処理に戻る。S14においては、制御部14は、ユーザがカーソル66を用いて指示した位置に基づいて、当該キャラクタ54の基本位置を変更する。
一方、出場選手画像64Aの何れかをユーザが選択したと判定されない場合(S2;N)、及び、基本位置の変更操作が行われたと判定されない場合(S13;N)、図11に移り、制御部14は、コントローラ30からの検出信号に基づいて、控え選手画像68Aが出場選手画像64Aにドラッグアンドドロップされたか否かを判定する(S15)。
控え選手画像68Aが出場選手画像64Aにドラッグアンドドロップされたと判定された場合(S15;Y)、制御部14は、試合に出場するキャラクタ54を入れ替える(S16)。S16においては、制御部14は、出場選手画像64Aが示すキャラクタ54、及び、控え選手画像68Aが示すキャラクタ54が入れ替わるように、設定内容データを更新する。
一方、控え選手画像68Aが出場選手画像64Aにドラッグアンドドロップされたと判定されない場合(S15;N)、制御部14は、出場選手画像64Aが他の出場選手画像64Aにドラッグアンドドロップされたか否かを判定する(S17)。
出場選手画像64Aが他の出場選手画像64Aにドラッグアンドドロップされたと判定された場合(S17;Y)、制御部14は、試合に出場するキャラクタ54どうしでポジション及び基本位置を入れ替える(S18)。S18においては、制御部14は、2つの出場選手画像64Aが示すキャラクタ54どうしが入れ替わるように、設定内容データを更新する。
一方、出場選手画像64Aが他の出場選手画像64Aにドラッグアンドドロップされたと判定されない場合(S17;N)、制御部14は、コントローラ30からの検出信号に基づいて、フォーメーションの変更操作が行われたか否かを判定する(S19)。S19においては、制御部14は、フォーメーションを変更するための所与の操作が行われたか否かを判定する。例えば、制御部14は、予め用意された複数のフォーメーションをユーザに提示し、これら提示したフォーメーションの何れかをユーザが選択したか否かを判定する。
フォーメーションの変更操作が行われたと判定された場合(S19;Y)、制御部14は、ユーザチームのフォーメーションを変更する(S20)。S20においては、制御部14は、ユーザが選択したフォーメーションを識別する情報を、設定内容データに格納する。更に、制御部14は、当該フォーメーションに基づいて定まる各キャラクタ54のポジション及び基本位置を、設定内容データに格納する。
一方、フォーメーションの変更操作が行われたと判定されない場合(S19;N)、制御部14は、コントローラ30からの検出信号に基づいて、作戦の変更操作が行われたか否かを判定する(S21)。S21においては、制御部14は、作戦を変更するための所与の操作が行われたか否かを判定する。例えば、制御部14は、予め用意された複数の作戦をユーザに提示し、これら提示した作戦の何れかをユーザが選択した否かを判定する。
作戦の変更操作が行われたと判定された場合(S21;Y)、制御部14は、ユーザチームの作戦を変更する(S22)。S22においては、制御部14は、ユーザが選択した作戦を識別する情報を、設定内容データに格納する。
一方、作戦の変更操作が行われたと判定されない場合(S21;N)、制御部14は、コントローラ30からの検出信号に基づいて、所与の終了操作が行われたか否かを判定する(S23)。終了操作が行われたと判定されない場合(S23;N)、S2の処理に戻る。一方、終了操作が行われたと判定された場合(S23;Y)、本処理は終了する。この場合、制御部14は、設定内容データに基づいて、試合を開始又は再開させる。
以上説明したゲーム装置10によれば、ユーザチームのキャラクタ54と、マッチアップ相手と、の関係をユーザに提示することができる。特に、上記のような複数のキャラクタが参加し、かつ、移動体を移動させあうゲームでは、移動体の移動に対してキャラクタ54とマッチアップ相手とが競い合うため、両者の関係を提示することで、マッチアップ相手に競り勝つためのゲームプレイを効果的に支援することができる。
また、比較画像72において、ユーザチームのキャラクタ54と、マッチアップ相手と、の能力のずれ具合をユーザに提示することができるので、ユーザは、キャラクタ54とマッチアップ相手との関係をより詳細に把握することができ、ゲームプレイの支援を効果的に行うことができる。特に、上記のようなゲームでは、キャラクタ54がマッチアップ相手に競り勝つことができるかどうかをユーザが把握しやすくなる。更に、キャラクタ54がマッチアップ相手に明らかに劣るような組み合わせが生じてしまうことを、より効果的に防止することができる。
また、ピッチ画像62A上において、出場選手画像64A及び相手画像70が表示されるため、ユーザが、キャラクタ54とマッチアップ相手との位置関係を把握しやすくなる。特に、上記のようなゲームでは、ピッチ50上でキャラクタ54(56)が移動するため、キャラクタ54とマッチアップ相手との位置関係を予めユーザに把握させることで、ユーザは、自分がすべきゲームプレイを検討しやすくなる。
また、戦術設定画面60においてユーザによる移動基準情報の変更が行われるので、ユーザが、キャラクタ54とマッチアップ相手との関係を把握したうえで、当該キャラクタ54を移動させるための移動基準情報を変更することができ、より効果的にユーザ支援を行うことができる。特に、上記のようなゲームでは、ユーザが選択したフォーメーションや基本位置次第で、ユーザチームが有利になったり不利になったりしやすいため、マッチアップ相手との関係を把握したうえで、より効果的な戦術をユーザに練らせることができる。
また、キャラクタ54のマッチアップ相手を、ユーザ自身が指定することができる。特に、上記のようなゲームでは、マッチアップ相手次第で、ユーザチームが得点をあげることができたり失点を防ぐことができたりするため、ユーザがゲームを有利に進めるための設定をすることができる。
また、キャラクタ54のマッチアップ相手を、キャラクタ54(56)のポジションに応じて特定することができる。特に、上記のようなゲームでは、仮に基本位置が同じであったとしてもポジションが異なると、コンピュータ(AI)が制御するキャラクタ54(56)の行動が異なり、ユーザがすべきゲームプレイも異なるため、ポジションを考慮することで、マッチアップ相手をより正確に特定することができる。
また、キャラクタ54のマッチアップ相手を、各キャラクタ54の基本位置に応じて特定することができる。特に、上記のようなゲームでは、キャラクタ54(56)はピッチ上の基本位置に基づいて移動することが多いため、試合で実際にマッチアップする相手を正確に特定することができる。
[5.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
図12は、変形例の機能ブロック図である。図12に示すように、以降説明する変形例では、実施形態の機能に加えて、制限部98及び状況通知部100が実現される。これら各機能は、制御部14を主として実現される。なお、ゲーム装置10において、下記に説明する機能は省略するようにしてもよい。
(1)例えば、ユーザチームのキャラクタ54の能力と、マッチアップ相手の能力と、の差が比較的大きい場合に、この差が、比較画像72において強調表示されるようにしてもよい。
本変形例の表示制御部86は、キャラクタ54の能力と、マッチアップ相手の能力と、のずれ具合が基準以上である場合に、ずれ具合を表す情報(例えば、比較画像72)を強調表示させる。強調表示とは、通常(ずれ具合が基準未満の場合)の表示態様とは異ならせることであり、例えば、所与の画像を新たに表示させること、画像の色彩、模様、形状、輝度の少なくとも一つを変化させること、画像に所与のエフェクト処理(例えば、点滅、移動、伸縮)を施すことである。
図13は、能力の差が強調表示される場合の比較画像72の一例を示す図である。図13に示す例では、ユーザチームのキャラクタ54の攻撃力パラメータが、マッチアップ相手の攻撃力パラメータよりも極めて低い場合の表示について説明する。例えば、表示制御部86は、比較画像72の各項目のうち「OFF」の色を変化させることで、攻撃力パラメータの差の大きさに関する強調表示を行う。なお、図13とは逆に、ユーザチームのキャラクタ54の攻撃力パラメータが、マッチアップ相手の攻撃力パラメータよりも極めて高い場合に強調表示が行われるようにしてもよい。
変形例(1)によれば、ユーザチームのキャラクタ54の能力と、マッチアップ相手の能力と、のずれ具合が比較的大きい場合に、ユーザが当該ずれ具合に気付きやすくなる。このため、ユーザが戦術を練る際の支援を効果的に行うことができる。特に、複数種類の能力パラメータが比較される場合には、能力のずれ具合にユーザが気付かない可能性があるので、ユーザチームが不利な状態でゲームが開始されてしまうことを防止することができる。
なお、表示制御部86は、キャラクタ54(56)の能力のうち特定種類の項目についてのみ強調表示を行うようにしてもよい。例えば、表示制御部86は、能力パラメータのうち、キャラクタ54(56)の機敏さを示す速度パラメータについてのみ、強調表示を行うようにしてもよい。他にも例えば、キャラクタ54(56)の身体的能力(例えば、身長差)が能力パラメータに含まれる場合には、表示制御部86は、当該身体的能力についてのみ強調するようにしてもよい。更に、表示制御部86が強調表示を行う方法は、上記の例に限られない。例えば、表示制御部86は、ピッチ画像62Aのうち、キャラクタ54とマッチアップ相手との能力差が基準以上である場合に、当該キャラクタ54又はマッチアップ相手の基準移動情報(ポジション・基本位置)に基づき規定される領域の表示態様を変化させることで、強調表示をするようにしてもよい。なお、図13では、ズレ具合が一定以上の変化を示す能力が他の能力と識別できるように、ズレ具合が一定以上であった能力であるOFFの能力を示す領域のみを強調表示することとしたが、強調表示の方法はこれに限られない。OFFの文字記載のみを強調表示するようにしてもよいし、複数の能力の内、一つ又は所定数以上の能力のズレ量が一定以上である場合に、比較画像72全体を通常の表示とは異なる強調表示とするようにしてもよい。
(2)また例えば、実施形態では、比較画像72において同じ種類の能力パラメータが比較される場合を説明したが、異なる種類の能力パラメータが比較されるようにしてもよい。例えば、キャラクタ54の攻撃力パラメータとマッチアップ相手の守備力パラメータとが比較されたり、キャラクタ54の守備力パラメータとマッチアップ相手の攻撃力パラメータとが比較されたりするようにしてもよい。
変形例(2)の表示制御部86は、第1制御部90及び第2制御部92を含む。第1制御部90は、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)ごとに、当該第1移動対象の攻撃に関する情報と、当該第1移動対象がゲーム空間40内で相対する相手の守備に関する情報と、を表示部32に比較表示させる。
図14は、変形例(2)における比較画像72の一例を示す図である。図14に示すように、比較画像72において、ユーザチームのキャラクタ54の攻撃力パラメータと、マッチアップ相手の守備力パラメータと、が比較表示される。ここでは、第1制御部90は、比較画像72の「OFFvsDEF」の項目において、ユーザチームのキャラクタ54の攻撃力パラメータと、マッチアップ相手の守備力パラメータと、を比較表示させている。
また、第2制御部92は、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)ごとに、当該第1移動対象の守備に関する情報と、当該第1移動対象がゲーム空間内で相対する相手の攻撃に関する情報と、を表示部32に比較表示させる。図14に示すように、第2表示制御部92は、比較画像72の「DEFvsOFF」の項目において、ユーザチームのキャラクタ54の守備力パラメータと、マッチアップ相手の攻撃力パラメータと、を比較表示させている。
変形例(2)によれば、ユーザチームのキャラクタ54の攻撃力パラメータとマッチアップ相手の守備力パラメータを比較することにより、ユーザは、キャラクタ54がマッチアップ相手との関係で有効な攻撃をできるか否かを容易に把握することができる。また、ユーザチームのキャラクタ54の守備力パラメータとマッチアップ相手の攻撃力パラメータを比較することにより、ユーザは、マッチアップ相手の攻撃をキャラクタ54が防ぐことができるかどうかを容易に把握することができる。特に、上記のように、ユーザチームと対戦相手チームのうちの一方が攻撃するときに他方が守備をするゲームでは、攻撃時に主に参照される値である攻撃力パラメータと守備時に主に参照される値である守備力パラメータとの比較をユーザに提示することで、ユーザがゲームを有利に進めるために必要な情報を効果的に提示することができる。
なお、上記においては、第1制御部90及び第2制御部92の両方が実現される場合を説明したが、第1制御部90及び第2制御部92の少なくとも一方が実現されるようにすればよく、第1制御部90及び第2制御部92の何れか一方のみが実現されるようにしてもよい。
(3)また例えば、実施形態のように、第1グループ(ユーザチーム)と、第2グループ(対戦相手チーム)と、が攻守を交代しながら対戦するゲームが実行される場合には、ユーザチームが攻撃するときの比較表示と、対戦相手チームが攻撃するときの比較表示と、がユーザの切替操作に応じて切り替わるようにしてもよい。
なお、攻守を交代するとは、ユーザチームが攻撃をして対戦相手チームが守備をする状態と、対戦相手チームが攻撃をしてユーザチームが守備をする状態と、が切り替わることである。上記のようなサッカーゲームでは、ユーザチームに所属するキャラクタ54がボール52を保持している状態が、ユーザチームが攻撃をする状態であり、対戦相手チームに所属するキャラクタ56がボール52を保持している状態が、対戦相手チームが攻撃をする状態である。
表示制御部86は、第1グループ(ユーザチーム)の攻撃時の比較表示をするための操作をユーザが行った場合、第1制御部90による表示制御を実行し、第2グループ(対戦相手チーム)の攻撃時の比較表示をするための操作をユーザが行った場合、第2制御部92による表示制御を実行する。例えば、表示制御部86は、ユーザが所与の切替操作を行った場合に、第1制御部90による表示制御と第2制御部92による表示制御とを切り替える。即ち、本変形例では、表示制御部86は、第1制御部90と第2制御部92との何れか一方のみの表示制御を実行する。表示制御部86は、第1制御部90が表示制御を行う状態と、第2制御部92が表示制御を行う状態と、を切り替える。
変形例(3)によれば、ユーザチームが攻撃するときの比較表示として、ユーザチームのキャラクタ54の攻撃力パラメータと、マッチアップ相手の守備力パラメータと、が比較されるので、ユーザは、攻撃時の比較関係を容易に把握することができる。同様に、対戦相手チームが攻撃するときの比較表示として、ユーザチームのキャラクタ54の守備力パラメータと、マッチアップ相手の攻撃力パラメータと、が比較されるので、ユーザは、守備時の比較関係を容易に把握することができる。特に、上記のように、ユーザチームと対戦相手チームとで攻守が交代するゲームでは、ゲームの状況に応じた情報をユーザに提示することができ、ゲームプレイの支援をより効果的に行うことができる。
(4)また例えば、ユーザと対戦相手ユーザとが対戦するゲームが実行される場合、ユーザ及び対戦相手ユーザによる戦術の変更が、戦術設定画面60においてリアルタイムに反映されるようにしてもよい。なお、本変形例では、ユーザどうしがネットワークを介して対戦する場合について説明するが、同じゲーム装置10に接続された複数のコントローラのそれぞれを各ユーザが操作して、ネットワークを介さずにユーザどうしが対戦するようにしてもよい。
図15は、変形例(4)におけるネットワーク構成図である。図15に示すように、本変形例では、ゲームシステム110は、複数のゲーム装置10を含む。各ゲーム装置10は、ネットワークを介して互いにデータ送受信可能に接続され、ゲームに関する各種データを共有する。各ユーザは、自分のゲーム装置10を操作して、ネットワークを介して対戦する。
この場合、対戦相手チームにキャラクタ56は、対戦相手ユーザに関連付けられている。ゲームの開始前又は再開前において、対戦相手ユーザも戦術設定画面60において対戦相手チームの戦術の変更操作を行う。戦術の変更のしかたは、実施形態で説明した方法と同様である。ユーザ及び対戦相手ユーザは、ゲームの開始タイミング又は再開タイミングが到来する前に、自分のチームの戦術の変更操作をすることになる。
変形例(4)の変更部88は、第1変更部94及び第2変更部96を含む。第1変更部94は、ユーザによる操作に基づいて、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)のそれぞれに関連付けられた移動基準情報を変更する。第2変更部96は、対戦相手ユーザによる操作に基づいて、複数の第2移動対象(例えば、キャラクタ56)のそれぞれに関連付けられた移動基準情報を変更する。図15に示すネットワーク構成の場合、第2変更部96は、対戦相手ユーザによる変更をネットワークを介して取得することで、対戦相手チームの移動基準情報を変更する。第1変更部94及び第2変更部96による移動基準情報の変更方法は、実施形態で説明した方法と同様である。
特定部84は、第1変更部94及び第2変更部96の少なくとも一方により変更処理が行われた場合、当該変更された移動基準情報に基づいて、複数の第2移動対象(例えば、キャラクタ56)のうちから、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)のそれぞれがゲーム空間40内で相対する相手を特定する。即ち、特定部84は、ユーザチームに関連付けられた移動基準情報が変更された場合、又は、対戦相手チームに関連付けられた移動基準情報が変更された場合、当該変更後の移動基準情報(最新の移動基準情報)に基づいてマッチアップ相手を特定しなおすことになる。
変形例(4)によれば、ユーザ及び対戦相手ユーザにより変更された移動基準情報をリアルタイムに反映させて、マッチアップ相手を特定することができる。特に、上記のように、ユーザ及び対戦相手ユーザのそれぞれが移動基準情報を変更しあうようなゲームが実行される場合には、変更前の移動基準情報に基づいてマッチアップ相手を特定しても、実際の試合ではマッチアップ相手が異なることがあり、有益な情報が提示されない可能性があるが、変更後の移動基準情報に基づいてマッチアップ相手を特定することで、より正確な情報をユーザに提示することができる。
なお、対戦相手ユーザがマッチアップ相手を指定した場合は、この指定内容に基づいてマッチアップ相手を特定するようにしてもよいし、当該指定内容は、マッチアップ相手を特定する際の判断に含めず、対戦相手ユーザが指定したポジションや基本位置に基づいてマッチアップ相手が特定されるようにしてもよい。
また、ゲームシステム110は、ゲームを統括的に制御するサーバが含まれているようにしてもよい。サーバは、ゲームの主要な処理を行い、ユーザが操作するゲーム装置10は、主に、ユーザの操作の受付及び画面の表示を行う。この場合、サーバにおいて、各機能ブロックが実現されることになる。
(5)また例えば、ユーザ及び対戦相手ユーザが移動基準情報の変更操作を延々と行うと、いつまでたっても試合が開始されないことになるので、この状態を防止するために、移動基準情報の変更を許可する期間や回数を制限するようにしてもよい。
変形例(5)のゲーム装置10は、制限部98を含む。制限部98は、第1変更部94及び第2変更部96による変更処理を許可する期間又は回数を制限する。この期間や回数は、予め定められたものであってもよいし、ユーザ又は対戦相手ユーザにより指定されたものであってもよい。更に、ゲームの状況を表す各種情報(例えば、試合の種類やユーザどうしの友好度を示すパラメータ等)に応じて、この期間や回数が変動するようにしてもよい。
制限部98は、ユーザ及び対戦相手ユーザが上記期間外で変更操作を行ったとしても、移動基準情報を変更しないようにする。また、制限部98は、ユーザ及び対戦相手ユーザのそれぞれが移動基準情報を変更した回数が基準以上になった場合、ユーザ及び対戦相手ユーザのそれぞれが変更操作を行っても、移動基準情報を変更しないようにする。
変形例(5)によれば、移動基準情報の変更を許可する期間や回数を制限することにより、変更がいつまでたっても終わらないような状況を防止することができ、試合開始が遅くなることを防止することができる。特に、上記のように、複数の移動基準情報を変更することができるゲームでは、ユーザの設定操作に時間がかかってしまうことが考えられるが、上記の制限を設けることで、試合の開始又は再開までの時間を早めることができる。
(6)また例えば、過去に実行されたゲームにおいてキャラクタ54(56)が移動した位置を考慮して、マッチアップ相手が特定されるようにしてもよい。
本変形例のゲームデータ記憶部80は、過去に実行されたゲームにおいてキャラクタ54(56)が移動したピッチ50上の位置を示すデータ(例えば、ピッチ50上の領域を示す座標データ)を記憶する。当該データは、例えば、試合が実行されるたびに、当該試合におけるキャラクタ54(56)の移動結果に基づいて更新される。
特定部84は、過去に実行されたゲームにおける、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)のそれぞれの移動範囲に関する情報及び複数の第2移動対象(例えば、キャラクタ56)のそれぞれの移動範囲に関する情報の少なくとも一方に基づいて、複数の第2移動対象のうちから、複数の第1移動対象のそれぞれがゲーム空間40内で相対する相手を特定する。
例えば、特定部84は、キャラクタ54の移動範囲と、キャラクタ56の移動範囲と、の重なり具合に基づいて、マッチアップ相手を特定する。例えば、特定部84は、対戦相手チームのキャラクタ56のうち、当該重なり具合が最も大きいキャラクタ56を、マッチアップ相手として特定する。
また例えば、特定部84は、キャラクタ54の移動範囲内に基本位置が含まれるキャラクタ56を、当該キャラクタ54のマッチアップ相手として特定するようにしてもよい。他にも、特定部84は、キャラクタ54の基本位置を移動範囲内に含むキャラクタ56を、当該キャラクタ54のマッチアップ相手として特定するようにしてもよい。
変形例(6)によれば、過去に実行されたゲームにおけるキャラクタ54(56)の移動範囲の傾向を考慮して、マッチアップ相手を特定することができるので、実際にゲームをプレイした場合に相対する相手をより正確に特定することができる。特に、上記のようなゲームでは、各キャラクタ54(56)の実際の移動範囲が、ポジションや基本位置だけでは決まらないことがあるため、過去のゲームの移動範囲を考慮することで、マッチアップ相手を正確に特定することができる。なお、移動範囲のデータは蓄積し、平均的な移動範囲を求めるようにしてもよい。その際は、直近のユーザの操作を反映するために、直近の数試合分のデータのみに基づいて平均的な移動範囲を求めるようにしてもよい。
(7)また例えば、ゲームの実行中において、画面や音声を用いて試合の状況をユーザに通知するようにしてもよい。その際に、キャラクタ54とマッチアップ相手との関係を、より優先的にユーザに通知するようにしてもよい。
変形例(7)のゲーム装置10は、状況通知部100を含む。状況通知部100は、ゲームの実行中において、ゲームの現在の状況を表す情報をユーザに通知する。状況通知部100は、実行中のゲームの状況を示す画像又は音声を出力する。なお、状況通知部100は、コントローラ30の振動によって、現在の状況を通知するようにしてもよい。振動で通知する場合は、実行中のゲームの状況が所与の状況になった場合にコントローラ30を振動させることにより状況を通知する。
状況通知部100は、複数の第1移動対象(例えば、キャラクタ54)のそれぞれと、当該第1移動対象がゲーム空間40内で相対する相手と、の現在の関係に関する情報を、他の情報よりも優先的にユーザに通知する。例えば、状況通知部100が情報を通知する回数又は頻度を高くしたり、状況通知部100が通知する情報量を多くしたりすることが、優先的に通知することに相当する。また、ゲーム中に保持したユーザの周囲に、当該ユーザのマッチアップ相手が当該ユーザの位置座標を基準とした所定の範囲内に存在するか否かを判定し、当該マッチアップ相手がいる場合に、ボール保持ユーザに対してマッチアップ相手である旨を示す情報(「本日注目されている選手Aと選手Bのマッチアップだ!」等)を画像又は音声によって通知する。
変形例(7)によれば、キャラクタ54とマッチアップ相手との関係が優先的に通知されるので、ユーザは、当該関係をより詳細に理解したうえでゲームをプレイすることができ、ユーザのゲームプレイを効果的に支援することができる。特に、上記のようなゲームでは、試合の状況がすぐに変化するため、試合を有利に進めるうえで重要なマッチアップ相手との関係をユーザが素早く把握することができるので、ユーザが試合を有利に進めるための支援を効果的に行うことができる。
(8)また例えば、実施形態と上記変形例の二つ以上とを組み合わせるようにしてもよい。
また例えば、ユーザが控え選手画像68Aを選択した場合、表示制御部86は、当該選択された控え選手画像68Aが示すキャラクタ54の能力パラメータと、マッチアップ相手(既にユーザが選択した出場選手画像64Aが示すキャラクタ54のマッチアップ相手)と、の比較表示をするようにしてもよい。この場合、ユーザは、当該比較表示の結果を把握したうえで、試合に出場するキャラクタ54を入れ替えることになる。比較表示は、出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の能力パラメータと、控え選手画像68Aが示すキャラクタ54の能力パラメータと、マッチアップ相手の能力パラメータと、が比較される。他にも、出場選手画像64Aが示すキャラクタ54の能力パラメータと、控え選手画像68Aが示すキャラクタ54の能力パラメータと、が比較されるようにしてもよい。更に、控え選手画像68Aが示すキャラクタ54の能力パラメータと、マッチアップ相手の能力パラメータと、が比較されるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザが、マッチアップ相手との関係を把握しつつ、試合に出場するキャラクタ54と、控えのキャラクタ54と、を入れ替えることができる。このため、ユーザは、マッチアップ相手に最適なキャラクタ54を試合に出場させることができる。
また例えば、特定部84は、試合の簡易シミュレーションを行い、当該シミュレーション結果に基づいて、各キャラクタ54のマッチアップ相手を特定するようにしてもよい。この場合、特定部84は、予め用意されたシミュレーションアルゴリズム(例えば、シミュレーションにおけるキャラクタ54(56)の行動アルゴリズム)に基づいて、シミュレーション結果をシミュレートする。シミュレーションアルゴリズムは、シミュレーション結果を得るための数式を含み、特定部84は、現時点の設定内容データの各項目の値を、当該数式に代入することによって、対戦結果をシミュレートする。例えば、シミュレーションアルゴリズムには、シミュレーションにおける各キャラクタ54(56)の行動パターンが定義されており、特定部84は、シミュレーションにおける各キャラクタ54(56)の行動結果に基づいて、各キャラクタ54とマッチアップする相手を特定することになる。
また例えば、特定部84は、ユーザチームに設定された戦術(例えば、作戦やフォーメーション等)に基づいて、マッチアップ相手を特定するようにしてもよい。この場合、複数種類の戦術ごとに、マッチアップ相手を特定するための条件(例えば、対戦相手チームのキャラクタ56のポジションや基本位置等)が定められているものとする。特定部84は、ユーザチームに現在設定されている戦術に関連付けられた条件に基づいて、各キャラクタ54のマッチアップ相手を特定する。
また例えば、特定部84は、試合の一時停止中(ハーフタイム中)に比較画像72を表示させる場合、それまでの各キャラクタ54(56)の体力の減り具合や一時停止されるまでのユーザ操作に基づくピッチ50上での移動範囲に基づいて、マッチアップ相手を特定するようにしてもよい。
また例えば、特定部84は、試合の重要度(チーム、選手同士の因縁やホーム・アウェイ)でマッチアップ相手を特定するようにしてもよい。この場合、試合の種類ごとにマッチアップ相手を特定するための条件が定められているものとする。特定部84は、これから実行する試合の種類に関連付けられた条件に基づいて、各キャラクタ54のマッチアップ相手を特定する。
また例えば、比較画像72は、戦術設定画面60に常に表示されている必要はなく、ユーザの操作に応じて、比較画像72を非表示にするようにしてもよい。他にも例えば、キャラクタ54の能力パラメータが、マッチアップ相手の能力パラメータよりも劣っている場合にのみ、比較画像72が表示されるようにしてもよい。同様に、比較画像74は非表示であってもよい。
また例えば、移動基準情報に含まれる項目は、図7の例に限られない。ゲーム空間40においてキャラクタ54(56)を移動させる際の基準となる項目が、移動基準情報に含まれているようにすればよい。例えば、各チームに設定された作戦やフォーメーションが移動基準情報に含まれているようにしてもよいし、各キャラクタ54(56)の行動パターンを示す情報が含まれているようにしてもよい。
また例えば、比較画像72において比較されるのは、能力パラメータに限られない。キャラクタ54及びマッチアップ相手に関する情報が比較されるようにすればよい。例えば、キャラクタ54(56)ごとに固有のスキルが割り当てられている場合には、このスキルが比較表示されるようにしてもよい。
また例えば、マッチアップ相手が選択されている状態で、ユーザが所与の操作を行った場合に、より詳細なパラメータの比較(又は、より多くの種類のパラメータの比較)が行われるようにしてもよい。更に、この場合、キャラクタ54がマッチアップ相手よりも優れている項目を強調表示したり、パラメータの差を表す数値を表示させたりするようにしてもよい。
また例えば、上記においては、キャラクタ54ごとに一人のマッチアップ相手が選出される場合を説明したが、マッチアップ相手として複数のキャラクタ56が選出されるようにしてもよい。
また例えば、キャラクタ54とマッチアップ相手とが比較されるのは、試合中であってもよい。例えば、ゲームの実行中において、仮想カメラ58からゲーム空間40を見た様子を示す画像と、比較画像72と、が表示されるようにしてもよい。なお、ユーザの操作しているキャラクタを指定された出場選手とし、出場選手に対するマッチアップ選手との比較画像を表示するようにしてもよい。このようにすることで、マッチアップ選手との能力差を確認した上でキャラクタ操作を行うことができる。
また例えば、ユーザチーム及び対戦相手チームが対戦する場合を説明したが、キャラクタ54(56)は、チームに所属していなくてもよい。即ち、キャラクタ54(56)のそれぞれが、独立して移動するようなゲームであってもよい。更に、対戦ゲームではなく、キャラクタどうしが協力しあうゲームであってもよい。この場合、特定部84は、マッチアップ相手ではなく、協力相手が特定されて比較表示されることになる。即ち、「相対する相手」は、所与の位置関係を保つ相手であればよく、競い合う相手ではなく、協力相手であってもよい。
また例えば、キャラクタ54(56)のポジションが役割に相当する場合を説明したが、役割はポジションのようにゲーム空間上の位置が規定されるものに限られない。ゲームにおいて各キャラクタ54(56)が果たすべき役割であればよい。例えば、ポジションではなく、「点を取る役割」や「プレスをかける役割」のようなものであってもよい。
また例えば、ゲーム空間40を、図2に示すような3次元空間として説明したが、本発明に係るゲーム空間は、キャラクタ54(56)やボール52の位置等が、2つの座標要素で管理されるような2次元ゲーム空間であってもよい。
また、上記においては、主に、スタンドアロン型ゲームを例に挙げて説明したが、ソーシャルネットワークを利用したオンライン型ゲーム(例えば、いわゆるブラウザ型ゲームやネイティブアプリ型ゲームを含む)等の種々のゲームに本発明を適用するようにしてもよい。この場合、ユーザが操作する端末に接続されたサーバが、本発明に係るゲーム装置に相当するようにしてもよい。
また例えば、本発明は、サッカーゲーム以外のゲームを実行するゲーム装置にも適用することができる。本発明は、複数の移動対象が移動するゲームに適用できる。例えば、各種スポーツゲーム(例えば、バスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、又は、アメリカンフットボールゲーム)、シューティングゲーム(例えば、FPS;First Person Shooting)やアクションゲーム、ロールプレイングゲーム等を実行するゲーム装置にも、本発明を適用することができる。
また例えば、本実施例では、移動対象がキャラクタ54(56)である場合を説明したが、ゲーム空間40においてユーザの操作やCPUによって移動制御されるものが移動対象であればよく、他にも例えば、ロボットや飛行機のような機械が移動対象であってもよい。