JP5815533B2 - イオン移動度センサーに供給するサンプルを調製する装置 - Google Patents

イオン移動度センサーに供給するサンプルを調製する装置 Download PDF

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Description

本発明は、イオン移動度センサーに供給するサンプルを調製する装置に関するものである。
高感度に化学物質を検出、分析する技術として、近年フィールド非対称性イオン移動度分光計(FAIMS)と呼ばれる装置が注目を集めている。この装置では、センサーに印加する直流電圧と交流電圧を変化させることにより、イオン化された化学物質の移動度の変化を、微細なフィルタによって検出し、その検出結果の差異により化学物質を特定することが可能である。
特表2008−508693号公報(国際公開WO2006/013396)には、複数の電極を有する少なくとも1つのイオンチャネルの形状のイオンフィルタを有するイオン移動度分光計について記載されている。このイオン移動度分光計では、導電層に印加される時間変化する電位により、充填剤はイオン種を選択的に入れることができる。電位は、駆動電界成分および横電界成分を有し、好ましい実施形態において、電極のそれぞれは、駆動電界および横電界の両方の成分を生成するのに関与する。デバイスは、ドリフトガスフローがなくても用いることができる。
イオン移動度を測定する技術、たとえば、FAIMS(FAIMS、Field Asymmetric waveform Ion Mobility Spectrometry、フィールド非対称質量分析計、またはDIMS、Differential Ion Mobility Spectrometry)技術は、通常の空気を利用したバックグランドでも、超微量のキシレン等の同一分子量の異性体の分離検出・分析を短時間で行うことができる。したがって、ガス中または空気中のイオン移動度を測定する技術は、様々なアプリケーションへの応用が期待されており、非常に高いポテンシャルを持っている。このイオン移動度測定を超微量化学物質分析に適用する場合、環境条件と言われる温度・湿度・圧力・測定ガス流量の変動、また、測定対象化学物質の組み合わせの変動・変化が、測定結果の再現性や精度に与える影響は無視できないことが分かってきた。
FAIMS技術では、測定対象となる化学物質をイオン化し、イオン移動度が化学物質毎にユニークである性質を利用する。測定においては、電界を形成する機能を含むイオン移動度センサーにサンプル(サンプルガス)を供給し、または、サンプルとキャリア・ガス(バッファガス)とを供給し、電界を制御する差動型電圧(DV、Dispersion Voltage、Vd電圧、交流電圧、電界電圧Vrf、以降ではVf)と補償電圧(CV、Compensation Voltage、Vc電圧、補償電圧、直流電圧、以降ではVc)を変化させて、高電界と低電界とを非対称に交互に切り替える。これにより、目標外の化学物質は飛行途中で、電界を生成させる電極(プレート)に衝突して+イオン或いは−イオンを失い検出されない。一方、検出目標のイオン化された化学物質は、この電圧Vfと電圧Vcの条件が適切に制御されれば、検出器まで到達してこれに衝突させることができる。
電界の条件をソフトウェア制御し、そのときに検出される微弱電流値をAD変換して電圧値として読み取ることで、目標化学物質の検出と分析が可能となる。
本発明の一態様は、イオン移動度センサーに供給するサンプルを調製するユニットと、調製するユニットを制御する機能を含む制御ユニットとを有する装置である。調製するユニットは、サンプルに含まれる第1の組成の濃度を変える濃度調整機構を含み、制御ユニットは、イオン移動度センサーの測定結果を取得する機能(機能ユニット)と、測定結果が改善される方向に濃度調整機構を制御する機能(機能ユニット)とを含む。この装置は、イオン移動度センサーと、イオン移動度センサーの出力および濃度調整機構に対する制御情報に基づいて分析結果を得る処理ユニットとを有する分析装置であってもよく、イオン移動度センサーへ供給されるサンプル(サンプルガス)の前処理装置として提供されてもよい。
イオン移動度センサーにおいて、測定対象のイオン化された化学物質の濃度があるレベルを超えると電流値の測定可能範囲を超えてしまい測定精度が低下する。一方、測定対象のイオン化された化学物質の濃度が低すぎるとバックグランドと分離することが難しい。この装置においては、サンプルに含まれる測定対象の、あるいは測定対象となる第1の組成の濃度を自動的に調整することにより、第1の組成の濃度をイオン移動度センサーの測定レンジ内に入れることができる。さらに、サンプル中の第1の組成の濃度を制御することにより、バックグランドとの分離が容易となり、また、サンプル中の他の組成との分離が容易になる条件を見出し、測定精度および/または再現性を改善できる。
制御ユニットは、イオン移動度センサーの測定対象となる複数の化学物質のデータベースであって、複数の化学物質のそれぞれのイオン移動度センサーにおいて検出の容易な濃度データが含まれるデータベースにアクセスし、測定結果に含まれる化学物質に適した濃度となるように、濃度調整機構を制御する機能(機能ユニット)を含むことが望ましい。制御ユニットは、第1の組成の濃度が段階的に変わるように濃度調整機構を制御する機能(機能ユニット)を含んでいてもよい。測定結果が改善される濃度を自動的に見出すことができる。制御ユニットは、濃度調整機構に対する制御情報を出力する機能(機能ユニット)を含んでいてもよい。
濃度調整機構は、第1の組成を吸着する吸着材と、吸着材を加熱して吸着材に吸着された組成をキャリアガスに放出する機構とを含み、制御ユニットは吸着材の温度を制御する機能(機能ユニット)を含むことが望ましい。吸着材の温度を制御することにより第1の組成の吸着と放出とを制御でき、サンプル中の第1の組成の濃度を高くできる。濃度調整機構は、さらに、第1の組成を含む第1のガスが吸着材を通過する第1の経路と、吸着材が吸着された組成をキャリアガスに放出する第2の経路とを含み、制御ユニットは、第1のガスに吸着材が晒される時間を制御する機能(機能ユニット)を含むことが望ましい。また、濃度調整機構は、複数の第1の経路および第2の経路を含み、制御ユニットは、複数の第1の経路および第2の経路を時分割で制御する機能(機能ユニット)を含むことが望ましい。サンプル中の第1の組成を濃縮しながらの連続した測定が可能となる。
濃度調整機構は、第1のガスを第1の経路にフィードバックする第3の経路を含んでいてもよい。吸着材の一例は多孔質ガラスである。第1の組成に適切な径の孔が高い確率で存在する多孔質ガラスを用いることにより、第1の組成を選択的に濃縮できる。
濃度調整機構は、第1の組成を含む液状体を加熱することにより第1の組成をサンプルに含有させる機構を含み、制御ユニットは、第1の組成を含む液状体の加熱温度を制御する機能(機能ユニット)を含むことも有効である。濃度調整機構は、第1の組成を含む液状体をインクジェット方式で吐出することにより第1の組成を前記サンプルに含有させる機構を含み、制御ユニットは、第1の組成を含む液状体の吐出量を制御する機能(機能ユニット)を含むことも有効である。サンプル中の第1の組成の濃度を制御できる。
濃度調整機構は、第1の組成を含む第1のガスから第2の組成を除去して第1のガス中の第2の組成の濃度を減らす機構を含むことも有効である。第2の組成はたとえば水分である。また、空気をキャリアガスとして用いる場合は、酸素、窒素あるいは二酸化炭素の濃度を制御することより第1の組成の濃度を間接的に高めたり、第1の組成が測定途中で酸素や窒素などと反応して組成が変化することを抑制できる。
濃度調整機構は、第1の組成を含む第1のガスをキャリアガスに注入する流量制御機構を含み、制御ユニットは、流量制御機構により第1のガスとキャリアガスとの混合比を変える機能(機能ユニット)を含むことも有効である。典型的なキャリアガスは、空気または既知の組成のガスである。
分析対象の組成物を他の組成物と反応させて第1の組成を含む組成物に変換する機構をさらに有することも有効である。分析対象の組成物が腐食性であったり、有毒であったり、キャリアガスと反応性が高かったり、イオン移動度センサーの感度の改善が難しいなどの場合は、分析対象の組成物を化学反応等により変換して測定することが望ましい。
第1の組成を含む分析対象ガスを採取して濃度調整機構へ供給する装置を有する装置がエアーカーテンを形成するエアー量を制御するユニットと、エアーカーテンで囲われた領域から分析対象ガスを採取するユニットを含む場合は、制御ユニットは、エアーカーテンを形成するエアー量と濃度調整機構とを協調制御する機能(機能ユニット)を含むことが望ましい。
また、この装置は、既知の化学物質を含むパイロット組成物をサンプルに含有させるキャリブレーションユニットを有することが有効である。キャリブレーションユニットの一形態は、濃度調整機構に、第1の組成に代わりパイロット組成物を供給するものである。
本発明の他の態様の1つは、イオン移動度センサーに供給するサンプルを調製するユニットと、調製するユニットを制御する制御ユニットとを含む装置の制御方法である。調製するユニットは、サンプルに含まれる第1の組成の濃度を変える濃度調整機構を含む。この制御方法は、以下のステップを含む。
・制御ユニットが、イオン移動度センサーから測定結果を受信すること。
・制御ユニットが、測定結果を改善する方向に濃度調整機構を制御すること。
濃度調整機構を制御する1つの方法は、制御ユニットが、イオン移動度センサーの測定対象となる複数の化学物質のデータベースであって、複数の化学物質のそれぞれのイオン移動度センサーにおいて検出の容易な濃度データが含まれるデータベースにアクセスし、測定結果に含まれる化学物質に適した濃度となるように、濃度調整機構を制御することである。他の方法の1つは、制御ユニットが、第1の組成の濃度が段階的に変わるように濃度調整機構を制御することである。
この制御方法は、ソフトウェア(プログラム、プログラム製品)として適当なハードウェア資源を有するコンピュータで実行されるように適当な記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して提供することも可能である。
分析装置の概要を示すブロック図。 分析装置の制御の一例を示すフローチャート。 サンプル投入ユニットの概略構成を示す断面図。 サンプル投入ユニットの概略構成を示す他の方向の断面図。 分析装置の外観の一例を示す斜視図。 濃度調整機構の他の例を示す図。 吸着ユニットの一例を示す図。 吸着ユニットを用いて濃度を制御する様子を示すタイミングチャート。 濃度調整機構の他の例を示す図。 図10(a)は温度により気化量が変化する様子を示す図、図10(b)は流量により測定値が変化する様子を示す図、図10(c)は気圧により測定値が変化する様子を示す図。 分析装置の他の例を示す図。 濃度調整機構の他の例を示す図。
発明の実施の形態
図1にFAIMS(イオン移動度センサー)を備えた測定・分析システムの概要を示している。この測定・分析システム(測定分析装置、以降では分析装置)10は、上流から、分析対象のガス(ターゲットガス、第1のガス)21を採取するサンプリングユニット100と、パイロットケミカルをサンプリングラインに注入するキャリブレーションユニット200と、FAIMS(センサー)1に供給されるサンプルガス20を調製する調製ユニット300と、FAIMS1と、FAIMS1を流れるガス量を制御するフローコントローラ50と、サンプルガス20を吸引排気する吸引ポンプ51と、分析装置10を制御する制御ユニット60とを有する。
FAIMS1は、目標化学物質(測定対象、オブジェクト)をイオン化するイオン化ユニット1aと、イオン化された測定対象に電場の影響を与えながら移動させるドリフトチャンバ1bと、ドリフトチャンバ1bを通過したイオン化された測定対象(測定対象の電荷)を検出する検出器1cとを含む。ドリフトチャンバ1bにおいては、電極1eにより生成されるソフトウェア制御された電界が特定の周期でプラス・マイナスに変動し、その電界のフィルタリング効果により、検出目標の化学物質がフィルタリングされ、短期間、たとえば、msecレベルで検出器1cに衝突し、電流として測定される。
FAIMS1の一例はオウルストーン(Owlstone)社製のセンサーであり、イオン化ユニット1aには、Ni63(555MBqのβ線源、0.1μSv/hr)を使用している。このイオン化ユニット1aによりイオン化可能な化学物質は、イオン化結合エネルギーが67KeV以下であるが、広い範囲の化学物質を検出・分析可能である。イオン化ユニット1aとしては、UV(紫外線)を用いたもの、コロナ放電を用いたものなどが検討されている。
制御ユニット60は、センサー1を制御するドライバ61を含む。センサー1には、ドライバ61から測定条件が送られる。測定条件には、電界電圧Vf(以降では電圧Vf)と、補償電圧Vcとが含まれる。ドライバ61は、センサー1から測定されたデータ(IMSデータ)65を取得する。IMSデータ65の一例は、特定の電圧Vfにおける補償電圧Vcの変動に対応して変化する電流(検出装置1cにより検出される電流)Iにより表わされるスペクトルである。IMSデータ65は、上記のスペクトルの特徴点をサンプリング(抽出)したデータであってもよく、複数の電圧Vfのスペクトルを含むものであってもよい。ドライバ61は、さらに、センサー1の測定環境の情報66を取得する。環境情報66には温度、湿度、圧力、流量などが含まれ、センサー1にはこれらを検出するセンサー1xが設けられる。
サンプルガス20を調製する調製ユニット300は、サンプルガス20に含まれるターゲット組成(第1の組成)の濃度を調整する濃度調整機構310を含む。濃度調整機構310は濃度を制御するためのハードウェアを含む。具体的には、この濃度調整機構310は、ターゲット組成を含むターゲットガス(第1のガス)21をハンドリングする経路(サンプルガスライン)311と、ターゲットガス21と混合されるキャリアガス29をハンドリングする経路(キャリアガスライン)321とを含む。キャリアガス29の典型的なものは空気であり、以降において特に説明しない限りキャリアガス29は空気である。キャリアガス29は、窒素、アルゴンなどの不活性ガスであってもよい。キャリアガス29は、分析対象となるターゲット組成に対してピーク分離などに有効な成分を含むドーパントであってもよい。
サンプルガスライン311は、インレット側より、パーティクルフィルタ312と、ポンプ314と、バッファ316と、マスフローコントローラ318とを含む。キャリアガスライン321は、湿度除去ユニット322と、ハイドロカーボンスクラバ324と、パーティクルフィルタ326とを含む。サンプルガスライン311を通過したターゲットガス21と、キャリアガスライン321を通過したキャリアガス29とはミキサー328により混合され、サンプルガス20が生成される。カーボンスクラバ324は、キャリアガス29の中の炭化水素化合物を吸着する。湿度除去ユニット322の典型的なものはモレキュラシーブである。
マスフローコントローラ(MFC)318は、流体の質量流量を計測して流量制御を行う機器であり、この濃度調整機構310ではデジタルMFCを採用している。流体の流量計測には主に体積流量と質量流量が用いられる。体積流量は、計測対象となる流体に環境温度や使用圧力等の変化により体積変化が生じた場合、正確な流量を計測するために変化量に合った補正を行う。質量流量は、流体の質量(重さ)を計測することにより、使用条件の変化による補正を行う必要がない。MFC318は、半導体プロセスをはじめ、高精度な流量計測・制御を要求されるプロセスにおける流量制御機器として公知なものである。
制御ユニット60は、MFC318をデジタル的に制御するフロー制御ユニット70を含む。フロー制御ユニット70は、さらに、センサー1の排気側のフローを管理するMFC50も制御する。通常は、排気側のMFC50によりセンサー1の通過流量を一定に保ち、ターゲットガス21のMFC318によりキャリアガス29に注入されるターゲットガス21の流量を制御する。したがって、フロー制御ユニット70により、サンプルガス20に含まれるターゲットガス21とキャリアガス29との混合比を制御できる。
フロー制御ユニット70は、サンプルガスライン311およびキャリアガスライン321に設けられたガス流量センサー319および329によりそれぞれのラインのガス流量を監視する機能を含む。また、湿度除去ユニット322が湿度を調整可能なユニット、たとえば、加湿ユニットを含む場合は、フロー制御ユニット70は、キャリアガス側の湿度を制御することにより、センサー1を通過するサンプルガス20の湿度を制御する機能を含んでいてもよい。
この濃度調整機構310は、正圧ポンプ314を含み、排気側の負圧ポンプ51との組み合わせでセンサー1の通過条件を制御している。正圧ポンプ314および負圧ポンプ51は2つ以上のポンプを並列に接続したものであってもよい。また、センサー1の入口側のバッファ(サンプリングバッファ)316に加え、センサーの排気側にバッファを設けてもよい。バッファ316と、複数のポンプ314および51を設けることでセンサー1を通過する流量の変動を緩衝させることができ、測定精度を向上できる。現在のテクノロジーでは、安定測定に35cc〜50cc/secあたりの流量(流速)が必要になるので、バッファ領域は、この2〜3倍確保する事で、不安定要因を緩和できる。
小型ポンプ314および51の一例は、テフロン(登録商標)・コーティング、ドライタイプの小型ポンプ、たとえば、プランジャーポンプ、ピストンポンプ、ロータリーポンプ、ルーツ型ポンプ、クロー型ポンプである。センサー1の上流側のポンプ314はセンサー1に対してガスを加圧するポンプ(正圧ポンプ)として機能し、下流側のポンプ51はセンサー1に対してガスを吸引するポンプ(負圧ポンプ)として機能する。このため、これらのポンプ314および51に多少の流量変動、脈動などが発生してもセンサー1を流れるサンプルガス20の流量の変動および脈動を抑制できる。また、これらのポンプ314および51を複数のポンプで構成することにより、ポンプのオンオフでセンサー1に供給されるサンプルガス20の流量を制御したり、圧力を制御したりすることも可能となる。
フロー制御ユニット70は、流入速度制御回路(自動流量最適化装置)であり、イオン移動度センサー1へ流入するサンプルガス20の流量を制御する。フロー制御ユニット70は、ガス流量センサー319および329からの信号を取得する。さらに、フロー制御ユニット70は、センサードライバ61を介して、イオン移動度センサー1の内部流量センサーの信号も取得する。
フロー制御ユニット70は、さらに、FAIMSデータベース79に含まれる自動制御用の最適化テーブル78を参照し、ターゲットガス21に含まれるターゲット組成をセンサー1で測定するために最適な流量をMFC318に設定する。データベース79は、制御ユニット60に含まれていてもよく、コンピュータネットワークなどを介して制御ユニット60が通信可能なサーバーなどに含まれていてもよい。データベース79には、化学物質グループ情報、イオンモビリティ、ヒートマップ情報、統計データと予測シュミレーションモデルとを含む。データベース79に用意された自動制御用の最適化テーブル78には流量制御最適化テーブルが含まれており、ターゲット組成物を化学物質グループ化することにより、流入速度(流量)制御、イオンモビリティと測定データ(電流値)相関テーブルとが与えられるようになっている。
したがって、このフロー制御ユニット70は、まず、センサー1を通過するサンプルガス20の流速(流量)を固定して測定精度を上げる機能を含む。さらに、センサー1では、測定対象の化学物質の濃度によっては、電流値のレンジがオーバーするケースがあるが、フロー制御ユニット70がキャリアガス29の流量制御と、ターゲットガス21の流量制御をソフトウェア的に行うことで、ターゲットガス21に含まれる測定対象の化学物質の濃度がセンサー1で精度よく検出可能な濃度範囲に入り、センサー1の測定結果が改善されるように濃度調整機構310を制御する機能を含む。この例では、サンプルガスフローをMFC50で制御し、ターゲットガスフローをMFC318で制御し、キャリアガスフローはこれらの制御により決まるように自動制御しているが、キャリガガスフローを、MFCを用いて直に制御することも可能である。したがって、手動でサンプルを計量して希釈するような手間は不要となる。
制御ユニット60は、濃度調整機構310による濃度調整を自動的に行う濃度制御ユニット80を含む。濃度制御ユニット80は、ドライバ61を介してセンサー1の測定結果を取得するユニット(機能)81と、濃度調整機構310の初期設定を行うユニット(機能)82と、第1の最適化を行うユニット(機能)83と、第2の最適化を行うユニット(機能)84とを含む。さらに、濃度制御ユニット80は、濃度調整機構310に対する制御情報、測定結果および最適化の状況をパーソナルコンピュータなどのホスト端末2に出力するユニット(機能)85を含む。
図2に、濃度制御ユニット80によりサンプルガス20の濃度調整を自動的に行う過程をフローチャートにより示している。ステップ501において、測定結果を取得するユニット81によりセンサー1のIMSデータ65を取得する。ステップ502において初期設定段階であれば、初期設定ユニット82がターゲットガス濃度を粗く制御する。まず、ステップ503において、IMSデータ65に含まれているピークが過大で測定レンジを超えている場合は、ステップ504において、サンプルガス20中のターゲットガス21の濃度が低くなるように濃度調整機構310のMFC318を制御する。一方、ステップ505において、IMSデータ65に含まれているピークが過小または判明しない場合は、ステップ506において、サンプルガス20中のターゲットガス21の濃度が高くなるように濃度調整機構310のMFC318を制御する。
初期設定が終了し、ピークが所定の範囲に収まるIMSデータ65が得られる濃度が判明すると、ステップ510において第1の最適化を行う。まず、第1の最適化ユニット83は、ステップ511において、サンプルガス20中のターゲットガス21の濃度が段階的に変わるように濃度調整機構310のMFC318を制御する。イオン移動度センサー1において測定に適したターゲット組成物の濃度範囲はppbまたはpptオーダーである。したがって、ターゲットガス21に含まれるターゲット組成物の濃度によりターゲットガス21の希釈率は変わるが、測定可能なレンジ範囲で濃度が少なくとも10段階に変わるように制御する。さらに、ステップ512において、それぞれの濃度におけるIMSデータ65を評価し、ターゲットガス21の測定に適したサンプルガス20中の濃度をさらに詳細に決定する。
次に、ステップ520において第2の最適化を行う。第2の最適化ユニット84は、ステップ521において、得られたIMSデータ65を予備的に解析し、ステップ522においてターゲットガス21に含まれている組成物(化学物質)の候補を選択する。選択された候補が、濃度調整機構310において濃度調整を行う最終的なターゲットの組成物になる。ターゲット組成物が選択されると、ステップ523において、イオン移動度センサー1の測定対象となる複数の化学物質のデータベース79を参照する。上述したようにデータベース79には、複数の化学物質それぞれのイオン移動度センサー1において検出の容易な濃度データが含まれている自動制御用の最適化テーブル78が用意されている。したがって、ステップ524において、測定結果に含まれる化学物質(ターゲット組成物)に適した濃度を取得し、濃度調整機構310を制御する。
このように、本例のシステム10においては、ターゲットガス21のサンプルガス20における濃度を自動調整し、ターゲットガス21に含まれているターゲット組成物がイオン移動度センサー1で精度よく検出できるようにしている。濃度の自動調整は、初期段階にかぎらず、ターゲットガス21の濃度が変動したときに自動的に追従して濃度調整を行うようにしてもよい。ターゲットガス21の濃度変動は、センサー1の測定結果を解析することにより判明する。したがって、この分析装置10においては、常に良好な解析結果が得られる濃度のスイートスポットを自動サーチしながらターゲットガス21を分析できる。
イオン移動度センサー1を通過するサンプルガス20の濃度および流量を精度よく管理することはセンサー1の測定精度を上げるうえで重要である。また、センサー1の測定精度を高めるためにはキャリブレーションを正確に行うことも重要である。そのためには、コンパクトに実装できるキャリブレーションユニットであって、さらに、頻繁なメンテナンスを抑制でき、自動的にキャリブレーションが実施できるユニットが望ましい。そのため、この分析装置10には自動キャリブレーションユニット200が設けられている。
この分析装置10では、自動キャリブレーションユニット200を濃度調整機構310の上流のターゲットガス21を供給するサンプリングライン150にビルトインしている。この配置は、キャリブレーションユニット200を用いて濃度調整機構310のキャリブレーションも行える点で都合がよいが、キャリブレーションユニット200は、イオン移動度センサー1の上流に配置されればよく、サンプリングライン150に直列に配置されても、サンプリングライン150と並列に配置されてもよい。
すなわち、このキャリブレーションユニット200は、既知の化学物質を含むパイロット組成物(パイロットケミカル)を、ターゲットガス21をセンサー1に供給するサンプリングライン150を介してサンプルガス20に含有させているが、センサー1の直前にキャリブレーションユニット200を配置してサンプルガス20にパイロットケミカルを含有させるように配置することも可能である。
このキャリブレーションユニット200は、ターゲットガス21の代わりにパイロットケミカルをサンプリングライン150に導入するためのバルブシステム210と、キャリブレーションガス供給ポンプ220と、パイロットケミカルを含むパイロットサンプルを投入するユニット250とを含む。また、制御ユニット60は、キャリブレーションユニット200を制御するユニット68を含む。このキャリブレーションユニット200は、濃度調整機構310に、ターゲット組成物を含むターゲットガス21の代わりにパイロットケミカルを供給する。
図3にパイロットサンプル投入ユニット250の概略構成を断面図により示している。また、図4にパイロットサンプル投入ユニット250をガス(キャリブレーションガス)の流れる方向から示している。
このパイロットサンプル投入ユニット250は、複数のキャリブレーション用パイロット物質(パイロットケミカル)が事前に封入されたチューブ(ナノチューブ)が、配管を兼ねる円筒状のハウジング255に決められた断面積にある一定量、ある深さで充填(実装)される。そしてハウジング255が銃の実弾実装用のルーレットのように回転し、チューブライクなパイロットサンプル261〜265のいずれかがソフトウェア制御でハウジング255内の空間259に現れ、キャリブレーション用のパイロットケミカルとして選択される。
パイロットサンプル261〜265のチューブに封入されるパイロットケミカルは、予め濃度、分子量、分子構造が判明しており、様々な環境条件(温度、湿度、圧力、流量を含む)でセンサー1による測定結果が予め得られているものである。したがって、センサー1の実際の測定結果(実測値)と、予め得られている値(理論値、標準値)とを比較することにより、実測値を校正できる。
ターゲットとする組成物、ターゲットガス21の化学的特性、バックグランド(環境)によっては、1つのパイロットサンプルではキャリブレーションが不十分な場合があるが、このユニット250においては複数のパイロットサンプルを選択できる。また、パイロットサンプルが液体であると経時劣化の問題や、ハンドリングが煩雑になるという問題もあるが、パイロットサンプル261〜265を各チューブに封入するタイプにすることにより、パイロットケミカルを良好な状態で保存できる。さらに、パイロットサンプル261〜265の各チューブをハウジング255に封入するように実装することにより、外部とのコンタクト面積が最小となり、酸化等の問題を防止でき、パイロットサンプルを実際に使用するときに新しいサンプル面が現れるような構成を採用できる。したがって、このユニット250は、コンパクトで、構造が簡易でありながら、液体または気体状態のパイロットケミカルを固体のように長期間にわたり経時変化等が少ない状態で保存でき、さらに、フレッシュなパイロットケミカルをラインに投入できるというものである。
さらに具体的には、パイロットサンプル投入ユニット250は、筒状のインナーハウジング(インナー)254と、インナー254の外側に同心円状に配置され、インナー254に対して相対的に回転するアウターハウジング(アウター)255とを有する。インナーハウジング254の内部のスペース259には、キャリブレーションガス供給ポンプ220によりキャリブレーションガス225が供給される。キャリブレーションガス225は典型的には空気であり、パイロットケミカルを、サンプリングライン150を通してセンサー1に供給するキャリアガスである。
アウターハウジング255には、キャリブレーション用のパイロットケミカルを含有するチューブをそれぞれ含むパイロットサンプル261〜265が、キャリブレーションガス225が流れる方向に重ならないように配置されている。チューブ261〜265は、それぞれがインナー254の外側に、同心円状にアウターハウジング255に実装されている。インナー254には、パイロットサンプル261〜265と重なる位置に開口、たとえば開口271〜275が設けられており、インナー254とアウターハウジング255とが相対的に回転すると、パイロットサンプル261〜265のいずれかが、開口271〜275のいずれかから内部スペース259に現れ、その露出したパイロットサンプルのチューブからパイロットケミカルがキャリブレーションガス225に放出される。したがって、パイロットサンプル261〜265に含まれているパイロットケミカルのいずれかがサンプルガス20に含まれてイオン移動度センサー1に供給される。
パイロットサンプル261〜265に対応した開口271〜275の面積は変えられており、たとえば、パイロットサンプル261の開口271の面積を基準(1.0)とすると、パイロットサンプル262の開口272の面積比率は2.0、パイロットサンプル263の開口273の面積比率は5.0、パイロットサンプル264の開口274の面積比率は10.0になっている。
このサンプル投入ユニット250では、インナー254とアウター255とが相対的に回転し、その際、インナー254がパイロットサンプル261〜265の各チューブ280の表面に接し、各チューブ280の表面が削られる。各パイロットサンプル261〜265の各チューブ280はバネまたはネジ281によりアウターハウジング255からインナー254の方向に加圧されており、インナー254の相対的な回転により確実にチューブ280の表面が削られるようになっており、チューブ280の常に新しい面がキャリブレーションガス225に現れる。
チューブ280の一例は多量の微細な孔(直径がμmまたはnmオーダーの孔)を含むポーラスガラスであり、ガラスの表面を研磨することにより常に新しいパイロットケミカルを放出できる。パイロットサンプル261〜265の各チューブ280は、アウターハウジング255の外側からキャップ289を取り外すことにより容易に交換できる。
パイロットサンプル261〜265のうちの4つ、たとえば、サンプル261〜264は、それぞれが異なる間接検出反応化学物質および/または触媒、酵素などのパイロットケミカルを含む。したがって、インナー254および/またはアウターハウジング255が回転すると、回転角度により、異なったサンプルが異なった面積でキャリブレーションガス225に晒される。このため、イオン移動度センサー1をガス(サンプル、パイロットケミカル)の種類と、濃度によりキャリブレートできる。
アウターハウジング255には、サンプルの放出を促す温度にするためにヒーター290を設けてもよい。パイロットサンプル265は、キャリブレーションの終了を示す化学物質TC(Termination Chemical)を放出するパイロットサンプルである。パイロットサンプル265から化学物質TCがキャリブレーションガス225に放出され、イオン移動度センサー1がそれを検出すると、自動的にキャリブレーションが終了したと判断する。サンプル投入ユニット250が化学物質TCを放出することにより、キャリブレーションユニット200からイオン移動度センサー1およびその解析ユニット(制御ユニット)60に対し、キャリブレーション処理の終了が伝達される。
このように、制御信号の代わりに所定のパイロットケミカルをサンプリングライン150に流し、分析装置10を制御することができる。たとえば、化学物質TCを、間接的検出を行う場合の反応対象化学物質が、全て使用されたことを示す信号として利用できる。また、サンプリングライン150のクリーンアップが終了した信号としても使用できる。
図1に戻って、この分析装置10は、分析対象のガス(ターゲットガス、第1のガス)21をサンプリングユニット100により採取する。サンプリングユニット100は、たとえば、1または複数の種類の物品を搬送するコンベア190からターゲットガス21を採取し、コンベア190で搬送されている物品191を判別したり、物品191に含まれている可能性がある異物192を判別したりすることができる。このサンプリングユニット100は、ターゲットガス21に対する外界の影響を抑制するためにエアーカーテン180を形成し、エアーカーテン180で囲われた領域からターゲットガス21を採取する。
このため、サンプリングユニット100は、エアーカーテン用のエアーを供給するポンプ182と、エアーカーテン180を形成するためのフード184と、フード184の内部からガスを採取するためのサンプリングノズル186とを含む。この例では、エアーカーテン180を形成する空気の一部がノズル186を通って排気され、その排気165の一部が正圧ポンプ314により吸引されることによりターゲットガス21として採取される。ターゲットガス21を採取するためのポンプをサンプリングユニット100に設けることも可能である。排気量はダンパー188により制御でき、採取されターゲットガス21は適当なフィルター189を通ってサンプリングライン150に供給される。
サンプリングユニット100により採取されるターゲットガス21に含まれるターゲットケミカル(第1の組成)160は、エアーカーテン180を形成するエアー量に左右される可能性がある。たとえば、エアーカーテン180のエアー量が多すぎるとターゲットガス21に含まれるターゲットケミカル160の濃度が低下する可能性があり、エアー量が少なすぎるとターゲットガス21に含まれるノイズ(他のケミカル)が増加する可能性がある。このため、サンプリングユニット100は、エアーカーテン180のエアー量を制御するフロー制御機構170を有し、制御ユニット60はフロー制御機構170によりエアー量を制御するエアーカーテン制御ユニット69を含む。フロー制御機構170の一例は、ダンパーであり、ポンプ182の回転数制御によりエアー量を制御してもよい。
エアーカーテン制御ユニット69は、エアーカーテン180のエアー量と濃度調整機構310とを協調制御する。たとえば、エアーカーテン制御ユニット69は、IMSデータ65にノイズが多すぎると判断されればエアー量を増加し、それによりターゲットガス21に含まれるターゲットケミカル160の濃度が低下すると判断すれば、フロー制御ユニット70が濃度調整機構310を用いてサンプルガス20に含まれるターゲットケミカル160の濃度を上げる方向に制御する。一方、IMSデータ65にターゲットケミカルのピークが見られない場合には、エアーカーテン制御ユニット69は、支障のない範囲でエアー量を下げ、濃度調整機構310の調整領域(ターンダウン)を確保する。
図5に、分析装置10がボックス状のコンテナ(ハウジング)3に収納された様子を示している。コンテナ3には、キャリブレーションユニット200、サンプル調製ユニット300、イオン移動度センサー1、排気系のMFC50および排気ポンプ51、さらに制御ユニット60が収納されている。イオン移動度センサー1を含め、これらのユニットおよびパーツはコンパクトであり、サンプリングユニット100を除く分析装置10を数10cm角程度のコンテナ3に収納して提供することができる。コンテナ3の前面には、分析装置10の動作をモニタリングするディスプレイ3dが設けられている。
分析装置10は、ネットワーク9を介してパーソナルコンピュータなどの端末2に接続される。端末2のディスプレイ2dには、IMSデータ65を画像2aとして表示させたり、履歴を画像2bとして表示させたり、さらに、IMSデータ65に関わるコンテンツ2cを表示させたりすることができる。コンテンツ2cは、IMSデータ65の複数の候補に対応してネットワーク9にオープンされている複数の情報2xと、最も確からしい候補の情報2yと、確からしい候補の情報2yに関連する情報2zを含めることができる。
図6に、濃度調整機構310の異なる例を示している。この濃度調整機構310aは複数の吸着ユニット(AU)330a〜330cと、それぞれのAU330a〜330cにターゲットガス21を時分割で供給する複数の第1の経路341a〜341cと、それぞれのAU330から吸着物をキャリアガス29に時分割で放出してサンプルガス20を生成する複数の第2の経路342a〜342cと、経路を切り替えるバルブ345a〜345c、346a〜346c、347a〜347cおよび348a〜348cとを含む。第1の経路341、第2の経路342、バルブ345〜348にはテフロン(登録商標)チューブやコーティングされたものが好ましい。
この濃度調整機構310aは、A〜Cの3系統を時分割で切り替えてターゲットガス21に含まれるターゲットケミカルを濃縮してサンプルガス20を生成する。なお、以降において、1つの系統を代表して説明するときはA系統を参照するが、他の系統においても動作等は共通である。
制御ユニット60は、AU330a〜330cを制御する吸着制御ユニット(AU制御ユニット)71と、バルブシステム341〜348を制御するバルブ制御ユニット72とを含む。AU制御ユニット71は、AU330a〜330cのそれぞれに含まれているヒーター332を制御し、吸着材331の温度を制御する機能を含む。バルブ制御ユニット72は、AU330a〜330cの吸着材331がターゲットガス(第1のガス)21に晒される時間を制御する機能と、複数の第1の経路341a〜341cおよび第2の経路342a〜342cを時分割で制御する機能とを含む。
図7に1つの吸着ユニット330aを抜き出して示している。FAIMS技術においては、測定精度を向上させることが要望され、そのため、実効的に電界強度を効率良く上げることが必要となる。1つの解決策は、サンプル(サンプルガス)の通過する飛行経路に電圧を加えるプレート幅を狭くすることであり、FAIMSの電極を微細化することによりFAIMS自体をコンパクトにできるという効果も得られる。その一方、ガス流量抵抗が大きくなるので、大量のサンプルガスを流すことが困難となり、流量変動を抑制することがノイズの影響を小さくするためにも重要となる。さらに、異物がセンサー1に侵入することを防ぐ必要がある。すなわち、測定対象サンプルに、不都合なパーティクル等のゴミ等が浮遊していて、FAIMS1の細いVf・Vcの印加電極の壁を塞いでしまうような状況を回避するためにフィルターが配置され、フィルターが圧力損失の要因となって流量が変動することがある。
サンプル対象がクリーンである場合は、この問題は発生しない。例えば、多孔質のガラス粒子などの吸着材331を測定対象サンプル(ターゲットの化学物質、ターゲットケミカル)160のキャプチャとして使用し、ターゲットガス21からターゲットケミカル160を吸着材331に一時的にストックし、クリーンなキャリアガス29に放出することによりターゲットガス21を直にセンサー1に流入させなくてもターゲットケミカル160をセンサー1により測定できる。さらに、吸着材331により、ターゲットケミカル160を吸着・放出する過程で、サンプルガス20のターゲットケミカルの濃度を制御できるというメリットもある。
すなわち、熱を加えてキャプチャである吸着材331を温めることで、低濃度のターゲットケミカル(サンプル)160を濃縮した状態でサンプルガス20に含めることができ、センサー1の測定限界を超える低濃度のターゲットガス21しか得られないようなケースでも、測定対象となる化学物質をセンサー1で検出することが可能となる。キャプチャ(吸着材)331の捕捉性能と温度変化による放出特定を事前に得ることが可能であり、ソフトウェアで吸着材331の温度制御を行うことで、定量的に吸着材331にターゲットケミカル160を吸収させ、吸着材331から定量的にターゲットケミカル160を放出させることができる。この推定機能をAU制御ユニット71は備えており、同定が難しい濃度でのサンプリングであってもターゲットケミカル160の検出が可能になり、サンプリングの条件や場所などの制限を緩和できる。
吸着材331の典型的なものは多孔質ガラスであり、多孔質の形状や大きさを選択することにより、吸着の過程で測定不要な非対称物質を除くことが可能となる。
AU(サンプラー)330は、ターゲットガス21の主成分(ターゲットケミカル)160を一次的に保持(吸着)し、その後、放出する多孔質の吸着材(キャプチャ)331と、吸着および放出を温度で制御するためのヒーター332とを含む。AU制御ユニット71は、ヒーター332を制御するコントローラ(多孔質キャプチャサンプル放出温度制御回路)71a、サンプル放出制御テーブル71bとを有する。テーブル71bは、イオンモビリティ対応化学物質グループ化情報71c、多孔質キャプチャサイズ対応温度制御テーブル71dとを含む。
AU制御ユニット71は、吸着材(キャプチャ)331を加熱するヒーター332の出力を制御することにより、吸着材331の温度を制御する。AU330aに温度センサーを設置してAU制御ユニット71でモニタしてもよい。AU制御ユニット71がヒーター332により温度制御することにより、一次的に吸着材331に保持されているターゲットガス21の成分(ガス分子、ターゲットケミカル160)の放出を制御できる。たとえば、比較的低温であれば、分子量が小さいもの、あるいは分子サイズが小さいものを吸着材331からキャリアガス29に先に出力(放出)でき、温度を上げることにより分子量が大きいもの、あるいは分子サイズが大きいものを順番にキャリアガス29に出力できる。したがって、AU330の温度はIMSデータ65から化学物質の候補を求めるために有用な情報となる。このため、AU制御ユニット71から濃度制御ユニット80あるいは端末2にAU330の温度をフィードバックすることが望ましい。
吸着材331の温度をより精度良く制御するため、ヒーター332は複数の発熱素子を備えたものであってもよく、たとえば、ラインサーマルヘッドを利用することができる。
多孔質のキャプチャ331は、皮膚呼吸による排気のようなサンプリングが難しいガスや測定対象となるターゲット化学物質の濃度が極端に低い場合に、プリ・コンセントレーション等に有効である。このキャプチャ331は、測定段階でサンプルとして、ヒーター332により高温にされることで、外部に放出されてセンサー1へと送り込まれる。キャプチャ331の多孔質のサイズを選択すれば、測定対象の化学物質をターゲットにして、収集することも可能である。
図8を参照し、A、BおよびC系統を切り替えてターゲットガス21を連続的にキャプチャし、サンプルガス20を生成する過程を説明する。まず、時刻t1に、バルブ制御ユニット72が、A系統の第1の経路341aのバルブ345aおよび排気系のバルブ348aを開き、第2の経路342aのバルブ346aおよびキャリアガスのバルブ347aを閉じ、フィルター338を通してAU330aにターゲットガス21を供給する。AU制御ユニット71がAU330aのヒーター332を停止して吸着材331の温度を低温の吸着温度に設定する。これにより、AU330aの吸着材331がターゲットガス21に含まれている化学物質を吸着する。
所定の吸着時間T1が経過した時刻t2に、バルブ制御ユニット72が、A系統の第1の経路341aのバルブ345aおよび排気系のバルブ348aを閉じ、第2の経路342aのバルブ346aおよびキャリアガスラインのバルブ347aを開き、キャリアガス供給ポンプ339からキャリアガス29をAU330aに供給する。AU制御ユニット71はAU330aの吸着材331をヒーター332により加熱し、吸着材331を第1の温度W1に加熱する。これにより、吸着材331に吸着された化学物質(ターゲットケミカル)160の中で、低温で放出される成分がキャリアガス29に放出され、ターゲットケミカルを含むサンプルガス20がセンサー1に供給される。
時刻t3に、AU制御ユニット71は、ヒーター332を制御して吸着材331を第1の温度W1より高い第2の温度W2に加熱し、吸着材331から次の成分をキャリアガス29に放出し、次のターゲットケミカルを含むサンプルガス20をセンサー1に供給する。
さらに、時刻t4に、AU制御ユニット71は、ヒーター332を制御して吸着材331を第2の温度W2より高い第3の温度W3に加熱し、吸着材331から次の成分をキャリアガス29に放出し、次のターゲットケミカルを含むサンプルガス20をセンサー1に供給する。
その後、時刻t5に、バルブ制御ユニット72が、A系統の第1の経路341aのバルブ345aおよび第2の系統のバルブ346aを閉じ、キャリアガスラインのバルブ347aおよび排気系のバルブ348aを開いて、AU330aをクリーンアップ(パージ)する。AU制御ユニット71はAU330aの吸着材331をヒーター332により加熱し吸着材331をクリーンアップする。その後、時刻t6に時刻t1と同様にバルブおよびAU330aを制御して、吸着を開始する。
ラインBにおいては、ラインAと時間T1だけシフトしたサイクルで、上記と同様に吸着、放出およびクリーンアップを繰り返す。ラインCにおいては、さらに時間T1だけシフトしたサイクルで、上記と同様に吸着、放出およびクリーンアップを繰り返す。したがって、ラインA、BおよびCは、時分割でターゲットガス21からターゲットケミカルをそれぞれのAU330a〜330cに吸着し、時分割で、AU330a〜330cからターゲットケミカルを放出してサンプルガス20を生成する。
したがって、この濃度調整機構310aにより、サンプリングユニット100から連続して供給されるターゲットガス21を処理し、適切な濃度にターゲットケミカルが濃縮されたサンプルガス20を連続してセンサー1に供給できる。このため、サンプリング対象からターゲットケミカルの濃度が非常に低いターゲットガス21しか得られないような条件であっても、サンプリング対象を連続して監視することが可能となる。
図9に濃度制御機構のさらに異なる例を示している。この濃度調整機構310bは、液状の製品を製造しているプロセス配管199または生産タンク198から液状のサンプル(ターゲット液)22を取得してセンサー1に適した濃度のサンプルガス20を生成することができる。プロセス配管199および生産タンク198からターゲット液22を取得する導入配管199sおよび198sは複数であってもよく、適当な手段で複数の導入管199s、198sを切り替えて複数のサンプリングポイントからターゲット液22が得られるようにしてもよい。
この濃度調整機構310bは、ターゲットケミカルを含む液状体(ターゲット液)22を蒸発させてキャリアガス29にターゲットケミカルを含有させる蒸発チャンバ350を含む。蒸発チャンバ350は、インクジェット方式でターゲット液22を吐出するインクジェットヘッド352と、蒸発チャンバ350の内部を加熱するヒーター354とを含む。さらに、濃度調整機構310bは、蒸発チャンバ350の下流にフィルター359を介して配置された吸着式の濃度調整機構310aを含む。濃度調整機構310aは上記と同様のAU330aおよび330bを用いた濃度調整機構である。
インクジェットヘッド352による液量制御機構およびヒーター354による蒸発温度制御機構は、ターゲット液22の蒸発量を制御し、サンプリングされたターゲット液22を比較的低い濃度でサンプルガス20(キャリアガス29)中に含有させる機構、すなわち、希釈機構のいくつかの例である。一方、吸着機構は、ターゲットケミカルを濃縮する機能である。したがって、この濃度調整機構310bは、希釈機構と濃縮機構とを備えており、得られたサンプルに含まれるターゲットケミカルのサンプルガス20の中の濃度を希釈したり濃縮したりすることができる。
制御ユニット60は、インクジェットヘッド352の吐出量を制御するインクジェット制御ユニット73と、蒸発チャンバ350の内部の温度をヒーター354により、ターゲット液22の蒸発温度を制御するヒーター制御ユニット74と、バルブ・AU制御ユニット75とを含む。インクジェットヘッド352は、ピコリットルおよび/またはフェムトリットル単位の液滴を所定の数だけ蒸発チャンバ350に吐出でき、蒸発チャンバ350で蒸発させる液滴量を高精度に制御できる。したがって、高濃度のターゲットケミカルを含むターゲット液22が得られる環境であっても、濃度調整機構310bは、センサー1に適したppbあるいはpptオーダーのターゲットケミカルが含まれるサンプルガス20を生成しセンサー1に供給できる。
ヒーター354は、蒸発チャンバ350の内部の温度をターゲットの液状体22が蒸発しやすい温度にするためにも用いられる。また、蒸発チャンバ350に液状のままでターゲット液22が存在するように蒸発チャンバ350の温度を初期設定し、徐々に蒸発チャンバ350の温度を上昇させて、ターゲット液22に含まれるターゲットケミカルのうち、気化しやすい成分から順番にサンプルガス20に含めてセンサー1に供給することも可能である。したがって、インクジェットヘッド352の吐出量と、ヒーター354により制御される蒸発チャンバ350の内の温度は、IMSデータ65から化学物質の候補を求めるために有用な情報となる。このため、これらの上方は、濃度制御ユニット80あるいは端末2にフィードバックすることが望ましい。さらに、蒸発チャンバ350の内部の温度、圧力、流量などはセンサー356を設けて監視することも有効である。
この濃度調整機構310bを含む分析装置10は、上述した濃度調整機構310aを含む装置10と同様にリアルタイムでサンプリングしながら濃度調整が可能である。さらに、濃度調整機構310bを含む分析装置10は液体をターゲットとして分析が可能であり、水質検査や薬品、食品等の液体を製品とするアプリケーションにも対応できる。さらに、固体を製品とするアプリケーションに対しては、固体を適当な液体(溶媒)に溶かして液化したり、適当な方法で気化させたり、製品から出力される揮発成分を検出することにより、分析装置10を適用できる。
図10にサンプルにより状態が変わる様子を模式的に示している。図10(a)に示すように、サンプルにより気化量の温度依存性は変化する。図10(b)に示すように、サンプルガス20の流量によりセンサー1の出力(電流値)が変化する。さらに、図10(c)に示すようにセンサー1が設置されている気圧によりセンサー1の出力が変化する。したがって、センサー1により再現性のあるデータを取得することが容易ではないケースも多い。その一方で、センサー1の出力の変動傾向、変動幅などの情報はセンサー1に対するターゲットケミカルの特性(特徴)である。したがって、センサー1によりターゲットケミカルを検出できる濃度に濃度調整機構310により自動調整し、その調整した結果(制御情報)はターゲットケミカルを特定するために重要な情報となる。
図11に、分析装置の異なる例を示している。この分析装置10aは、反応チャンバ400と反応チャンバ400の温度を制御するヒーター401とを有する。反応チャンバ(化学反応チャンバ)400は、分析対象の組成物(ターゲットケミカル)160を他の組成物L、MおよびNと反応させて、センサー1により分析可能なターゲットケミカル(第1の組成)を含む組成物に変換する。変換された2次ケミカルは、キャリアガス供給ポンプ339から供給されるキャリアガス29により濃度調整機構310に供給され、2次ケミカルの濃度が調整された後、サンプルガス20としてセンサー1に供給される。
この反応チャンバ400を備えた分析装置10aは、センサー1により直接測定の難しい化学物質をターゲットして分析できる。間接測定に用いる化学物質(2次ケミカル)はバックグランドに含まれない、あるいはバックグランドとして存在量の少ないものであることが望ましい。したがって、間接測定に先立って、センサー1のベースラインやバックグランド測定を行い、間接測定する化学物質の濃度や量を決定することが望ましい。間接測定に用いる2次ケミカルがバックグランドに存在する場合であっても、直接測定された2次ケミカルを含む測定結果と、反応チャンバ400から得られる2次ケミカルを含む測定結果とを比較する(差分をとる)ことにより、本来の測定対象の化学物質の特定や分析を行うことが可能である。例えば、アンモニア(NH3)の単体測定が、他のバックグランドに含まれる化学物質によって測定結果に影響が出る場合がある。アンモニアの測定自体が難しい場合、αケトグルタル酸と脱水酵素であるデヒドロゲナーゼ(GDH)を混ぜてグルタミン酸を生成して、その生成された化学物質(2次ケミカル)を測定することにより、アンモニアの特定や定量分析を行うことができる。
間接測定は、センサー1などを腐蝕させたり、破壊させたりする恐れのある濃硫酸等の腐食性の強い化学物質、爆発性の化学物質、排気が難しい有害な化学物質に対しても有効である。安全で測定可能な化学物質に変化させてから測定を行うことで、安全・確実に様々な化学物質をセンサー1で計測し、その存在を特定したり、定量分析を行うことが可能となる。
図12に、濃度調整機構の異なる例を示している。この濃度調整機構310cは、上述した濃度調整機構310aに説明した第1の経路341aおよび341b、第2の経路342aおよび342bに加え、第1のガス(ターゲットガス)21を第1の経路341aおよび341bにフィードバックする第3の経路343を含む。低濃度のターゲットガス21を複数回このフィードバックルート343を通してAU330aおよび330bに供給することにより、ターゲットガス21に含まれるターゲットケミカルを多孔質ガラスなどの吸着材331に蓄積できる。測定は、このフィードバック回数を記憶しておき、第2の経路342aおよび342bを開にするとともに、AU330aおよび330bの温度を上昇させて、吸着材331に蓄積されていたターゲットケミカルを一挙にキャリアガス29に放出して濃度の高いサンプルガス20を生成する。
この例では、AU330aおよび330bは並列に接続され、ターゲットガス21がボンベ110から濃度調整機構310cに供給されると、入り口弁351を閉じ、第3の経路(フィードバックループ)343のバルブ356a、356b、357を開き、リサイクル用ポンプ353を駆動し、フィードバックループ343を介してターゲットガス21をリサイクルさせる。フィードバックループ343にはバッファ358が設けられており、リサイクルするための流量が確保できるようになっている。
所定の時間、ターゲットガス21をリサイクルした後は、上述した濃度調整機構310aと同様に、AU330aおよび330bにキャリアガス29を供給し、サンプルガス20を生成する。
この濃度調整機構310cは、さらに、リサイクルさせているターゲットガス21からターゲットケミカル以外の組成物(第2の組成)を除去する除去ユニット390を含む。除去ユニット390の一例はコールドトラップであり、水分を除去できる。除去ユニット390の他の例は、孔径が制御された多孔質ガラスである。AU330aおよび330bで吸着しようとしているターゲットケミカル以外のケミカルを吸着するのに適した多孔質ガラスを選択して除去ユニット390に採用することにより、ターゲットケミカルをAU330aおよび330bに効率よく蓄積させることができる。除去ユニット390は、空気中の酸素、二酸化炭素および/または窒素を除去するユニットであってもよい。
上記において説明した分析装置10は、サンプルガス20の濃度を自動的に調整できる。したがって、イオン移動度センサー1では直に測定しても信頼できる測定結果が得にくい低濃度あるいは高濃度のターゲットについても分析対象外あるいは検出対象外とすることなく測定および分析できる。このため、FAIMS技術をさらに多くのアプリケーションに適用することが可能となり、液体プロセスのモニタリング、水処理のモニタリングについてもFAIMS技術を適用できる。

Claims (18)

  1. イオン移動度センサーに供給するサンプルを調製するユニットと、
    前記調製するユニットを制御する機能を含む制御ユニットとを有し、
    前記調製するユニットは、前記サンプルに含まれる第1の成分の濃度を変える濃度調整機構を含み、
    前記制御ユニットは、前記イオン移動度センサーの測定結果を取得する機能と、
    前記測定結果が改善される方向に前記濃度調整機構を制御する機能とを含み、
    前記濃度調整機構を制御する機能は、前記第1の成分の濃度が段階的に変わるように前記濃度調整機構を制御して得られた測定結果を予備的に解析し、前記第1の成分に含まれる化学物質の候補を選択する機能と、
    前記イオン移動度センサーの測定対象となる複数の化学物質のデータベースであって、前記複数の化学物質のそれぞれを前記イオン移動度センサーにおいて検出するために適した濃度のデータが含まれるデータベースにアクセスして前記化学物質の候補を検出するために適した検出用濃度を取得し、前記サンプルに含まれる前記第1の成分の濃度が前記検出用濃度になるように前記濃度調整機構を制御する機能とを含む、装置。
  2. 請求項1において、前記制御ユニットは、前記濃度調整機構に対する制御情報を出力する機能を含む、装置。
  3. 請求項1または4において、前記濃度調整機構は、前記第1の成分を吸着する吸着材と、前記吸着材を加熱して前記吸着材に吸着された成分をキャリアガスに放出する機構とを含み、
    前記制御ユニットは前記吸着材の温度を制御する機能を含む、装置。
  4. 請求項5において、前記濃度調整機構は、さらに、前記第1の成分を含む第1のガスが前記吸着材を通過する第1の経路と、前記吸着材が前記吸着された成分を前記キャリアガスに放出する第2の経路とを含み、
    前記制御ユニットは、前記第1のガスに前記吸着材が晒される時間を制御する機能を含む、装置。
  5. 請求項6において、前記濃度調整機構は、複数の前記第1の経路および前記第2の経路を含み、
    前記制御ユニットは、前記複数の第1の経路および第2の経路を時分割で制御する機能を含む、装置。
  6. 請求項5ないし7のいずれかにおいて、前記濃度調整機構は、前記第1のガスを前記第1の経路にフィードバックする第3の経路を含む、装置。
  7. 請求項5ないし8のいずれかにおいて、前記吸着材は多孔質ガラスである、装置。
  8. 請求項1、4ないし9のいずれかにおいて、前記濃度調整機構は、前記第1の成分を含む液状体を加熱することにより前記第1の成分を含む前記サンプルを生成する機構を含み、
    前記制御ユニットは、前記第1の成分を含む液状体の加熱温度を制御する機能を含む、装置。
  9. 請求項1、4ないし10のいずれかにおいて、前記濃度調整機構は、前記第1の成分を含む液状体をインクジェット方式で吐出することにより前記第1の成分を含む前記サンプルを生成する機構を含み、
    前記制御ユニットは、前記第1の成分を含む液状体の吐出量を制御する機能を含む、装置。
  10. 請求項1、4ないし11のいずれかにおいて、前記濃度調整機構は、前記第1の成分を含む第1のガスから第2の成分を除去する機構を含む、装置。
  11. 請求項1、4ないし12のいずれかにおいて、前記サンプルは空気または既知の成分のキャリアガスを含み、
    前記濃度調整機構は、前記第1の成分を含む第1のガスを前記キャリアガスに注入する流量制御機構を含み、
    前記制御ユニットは、前記流量制御機構により前記第1のガスと前記キャリアガスとの混合比を変える機能を含む、装置。
  12. 請求項1、4ないし13のいずれかにおいて、分析対象の化学物質を他の化学物質と反応させて前記第1の成分に変換する機構をさらに有する、装置。
  13. 請求項1、4ないし14のいずれかにおいて、前記第1の成分を含む分析対象ガスを採取して前記濃度調整機構へ供給するガス採取装置をさらに有し、
    前記ガス採取装置は、エアーカーテンを形成するエアー量を制御するユニットと、
    前記エアーカーテンで囲われた領域から前記分析対象ガスを採取するユニットとを含み、
    前記制御ユニットは、前記エアーカーテンを形成するエアー量と前記濃度調整機構とを協調制御する機能を含む、装置。
  14. 請求項1、4ないし15のいずれかにおいて、さらに、
    前記イオン移動度センサーと、
    前記イオン移動度センサーの出力および前記濃度調整機構に対する制御情報に基づいて分析結果を得る処理ユニットとを有する、装置。
  15. 請求項16において、既知の化学物質を含むパイロット成分を前記サンプルに含有させるキャリブレーションユニットをさらに有する、装置。
  16. 請求項17において、前記キャリブレーションユニットは、前記濃度調整機構に、前記第1の成分として前記パイロット成分を含む前記サンプルを供給する、装置。
  17. イオン移動度センサーに供給するサンプルを調製するユニットと、前記調製するユニットを制御する制御ユニットとを含む装置の制御方法であって、前記調整するユニットは、前記サンプルに含まれる第1の成分の濃度を変える濃度調整機構を含み、
    当該制御方法は、
    前記制御ユニットが、前記イオン移動度センサーから測定結果を受信することと、
    前記制御ユニットが、前記測定結果を改善する方向に前記濃度調整機構を制御することとを有し、
    前記濃度調整機構を制御することは、
    前記第1の成分の濃度が段階的に変わるように前記濃度調整機構を制御して得られた測定結果を予備的に解析し、前記第1の成分に含まれる化学物質の候補を選択することと、
    前記イオン移動度センサーの測定対象となる複数の化学物質のデータベースであって、前記複数の化学物質のそれぞれを前記イオン移動度センサーにおいて検出するために適した濃度のデータが含まれるデータベースにアクセスして前記化学物質の候補を検出するために適した検出用濃度を取得し、前記サンプルに含まれる前記第1の成分の濃度が前記検出用濃度になるように前記濃度調整機構を制御することとを含む、制御方法。
  18. イオン移動度センサーに供給するサンプルを調製するユニットと、
    前記調製するユニットを制御する機能を含む制御ユニットとを有し、
    前記調製するユニットは、前記サンプルに含まれる第1の成分の濃度を変える濃度調整機構を含み、
    前記制御ユニットは、前記イオン移動度センサーの測定結果を取得する機能と、
    前記測定結果が改善される方向に前記濃度調整機構を制御する機能とを含み、さらに、
    前記第1の成分を含む分析対象ガスを採取して前記濃度調整機構へ供給するガス採取装置を有し、
    前記ガス採取装置は、エアーカーテンを形成するエアー量を制御するユニットと、
    前記エアーカーテンで囲われた領域から前記分析対象ガスを採取するユニットとを含み、
    前記制御ユニットは、前記エアーカーテンを形成するエアー量と前記濃度調整機構とを協調制御する機能を含む、装置。
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