JP2002361002A - 抽出方法および装置、分離方法および装置 - Google Patents
抽出方法および装置、分離方法および装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微小領域内において、第1の液体中に含まれ
る物質を、効率良く第2の液体中に取り込む、抽出方
法、抽出装置および抽出装置用チップを提供する。 【解決手段】 流路10内に、第1の液体と第2の液体
とを、それぞれ1又は2以上の層流状態で交互に接する
ように送液して、第1の液体の第1の層流11a中の物
質16aを、第2の液体の第2の層流11b中に移動さ
せる第1ステップと、流路の下流側において、第2の液
体を第1の液体から分離する第2ステップと、を備え
る。
る物質を、効率良く第2の液体中に取り込む、抽出方
法、抽出装置および抽出装置用チップを提供する。 【解決手段】 流路10内に、第1の液体と第2の液体
とを、それぞれ1又は2以上の層流状態で交互に接する
ように送液して、第1の液体の第1の層流11a中の物
質16aを、第2の液体の第2の層流11b中に移動さ
せる第1ステップと、流路の下流側において、第2の液
体を第1の液体から分離する第2ステップと、を備え
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抽出方法および装
置、分離方法および装置に関し、液体中に溶けている対
象物を選択的に抽出する技術に関する。
置、分離方法および装置に関し、液体中に溶けている対
象物を選択的に抽出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴミの焼却炉等により発生するダイオキ
シン類は、大きな環境問題と認識されており、その排出
濃度の測定・管理は重要な課題である。現在、排ガス中
のダイオキシン類の濃度を測定する方法として、日本工
業規格に規定されている。
シン類は、大きな環境問題と認識されており、その排出
濃度の測定・管理は重要な課題である。現在、排ガス中
のダイオキシン類の濃度を測定する方法として、日本工
業規格に規定されている。
【0003】ダイオキシン類の測定を行う場合、水中に
含まれるダイオキシンを抽出するには、従来の溶媒抽出
法と同様に、水と有機溶媒を分液漏斗などに入れ激しく
振り混ぜ、水中のダイオキシンを有機溶媒中に取り込
み、有機溶媒だけを取り出すことで水と分離するという
方法がとられていた。
含まれるダイオキシンを抽出するには、従来の溶媒抽出
法と同様に、水と有機溶媒を分液漏斗などに入れ激しく
振り混ぜ、水中のダイオキシンを有機溶媒中に取り込
み、有機溶媒だけを取り出すことで水と分離するという
方法がとられていた。
【0004】しかし、この方法では、溶媒が多量に必要
となり、時間がかかり、コストが多大なものになる。
となり、時間がかかり、コストが多大なものになる。
【0005】最近、マイクロマシン技術を応用して、化
学分析や合成などの機器・手法を微細化して行うμ‐T
AS(μ‐Total Analysis Syste
m)が注目されている。従来の装置に比べ微細化された
μ−TASでは、試料の量が少ない、反応時間が短い、
廃棄物が少ないなどのメリットがある。これを環境測定
分野などに適応した場合、試薬・有機溶媒の使用量が少
ない、反応時間(測定時間)が短いといった利点の他に、
装置が小型であるため現場で測定ができ、検査の即時性
が向上することが期待できる。
学分析や合成などの機器・手法を微細化して行うμ‐T
AS(μ‐Total Analysis Syste
m)が注目されている。従来の装置に比べ微細化された
μ−TASでは、試料の量が少ない、反応時間が短い、
廃棄物が少ないなどのメリットがある。これを環境測定
分野などに適応した場合、試薬・有機溶媒の使用量が少
ない、反応時間(測定時間)が短いといった利点の他に、
装置が小型であるため現場で測定ができ、検査の即時性
が向上することが期待できる。
【0006】しかし、従来、マイクロマシン技術を応用
したマイクロ流体システムを用いて溶媒抽出を行う技術
は、見当たらない。
したマイクロ流体システムを用いて溶媒抽出を行う技術
は、見当たらない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】例えば幅が数十〜数百
μmの微小な流路内では、液体の粘性が支配的となり、
液体を攪拌混合するのが困難になる。そのため、水中に
含まれるダイオキシンを有機溶媒中に取り込むために、
流路内で水と有機溶媒を攪拌したのでは、効率が悪い。
μmの微小な流路内では、液体の粘性が支配的となり、
液体を攪拌混合するのが困難になる。そのため、水中に
含まれるダイオキシンを有機溶媒中に取り込むために、
流路内で水と有機溶媒を攪拌したのでは、効率が悪い。
【0008】また、微小領域内にある微量の混合状態の
水と有機溶媒とから有機溶媒だけを取り出し、水と分離
することが望まれる。
水と有機溶媒とから有機溶媒だけを取り出し、水と分離
することが望まれる。
【0009】したがって、本発明が解決しようとする第
1の技術的課題は、微小領域内において、第1の液体中
に含まれる物質を、効率良く第2の液体中に取り込む、
抽出方法、抽出装置および抽出装置用チップを提供する
ことである。
1の技術的課題は、微小領域内において、第1の液体中
に含まれる物質を、効率良く第2の液体中に取り込む、
抽出方法、抽出装置および抽出装置用チップを提供する
ことである。
【0010】また、本発明が解決しようとする第2の技
術的課題は、微小領域内にある混合状態の第1の液体と
第2の液体とから第2の液体を分離する、分離方法、分
離装置および分離装置用チップを提案する。
術的課題は、微小領域内にある混合状態の第1の液体と
第2の液体とから第2の液体を分離する、分離方法、分
離装置および分離装置用チップを提案する。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】本発明
は、上記第1の技術的課題を解決するために、層状の第
1の液体と層状の第2の液体とが互いに接するようにし
て、第1の液体の第1の層流中の物質を、第2の液体の
第2の層流中に移動させることを基本的な特徴とする抽
出方法を提供する。具体的には、以下の抽出方法を提供
する。
は、上記第1の技術的課題を解決するために、層状の第
1の液体と層状の第2の液体とが互いに接するようにし
て、第1の液体の第1の層流中の物質を、第2の液体の
第2の層流中に移動させることを基本的な特徴とする抽
出方法を提供する。具体的には、以下の抽出方法を提供
する。
【0012】抽出方法は、第1の液体中に含まれる物質
を、第2の液体に溶かして抽出するタイプのものであ
る。抽出方法は、第1ステップと第2ステップを備え
る。上記第1ステップでは、流路内に、上記第1の液体
と上記第2の液体とを、それぞれ1又は2以上の層流状
態で交互に接するように送液して、上記第1の液体の第
1の層流中の上記物質を、上記第2の液体の第2の層流
中に移動させる。上記第2ステップでは、上記流路の下
流側において、上記第2の液体を上記第1の液体から分
離する。
を、第2の液体に溶かして抽出するタイプのものであ
る。抽出方法は、第1ステップと第2ステップを備え
る。上記第1ステップでは、流路内に、上記第1の液体
と上記第2の液体とを、それぞれ1又は2以上の層流状
態で交互に接するように送液して、上記第1の液体の第
1の層流中の上記物質を、上記第2の液体の第2の層流
中に移動させる。上記第2ステップでは、上記流路の下
流側において、上記第2の液体を上記第1の液体から分
離する。
【0013】第1ステップにおいて、第1の流体と第2
の流体は、流路内に微小な幅で流すことにより、層流状
態とすることができる。第1の層流や第2の層流が2以
上の場合には、第1の層流と第2の層流とが交互に配置
し、互いに接するようにすることができる。
の流体は、流路内に微小な幅で流すことにより、層流状
態とすることができる。第1の層流や第2の層流が2以
上の場合には、第1の層流と第2の層流とが交互に配置
し、互いに接するようにすることができる。
【0014】一般に、液体中の物質は、自発的に拡散す
る。すなわち、媒質(液体)の分子は、媒質中の小物体
(物質の粒子)に頻繁に衝突し、小物体は媒質中を不規
則に運動する。このブラウン運動により、小物体は媒質
中で拡散する。微小領域では、液体の比界面積が大きく
なり(すなわち、体積に比べて表面積が広くなり)、拡
散速度が急激に大きくなる。そのため、第1の層流中の
物質の粒子は、短時間で第2の層流に移動する。つま
り、第2の液体に溶ける。この場合、物質の粒子が第2
の層流から再び第1の層流に戻りにくいことが好まし
く、例えば、物質は、第1の液体よりも第2の液体に溶
けやすいことが好ましい。物質がダイオキシン類である
とき、第1の流体は水、第2の流体は有機溶媒とするこ
とができる。また、効率よく拡散するためには、第1の
層流と第2の層流との流速とが等しく、相対的な速度差
が生じないようにすることが好ましい。
る。すなわち、媒質(液体)の分子は、媒質中の小物体
(物質の粒子)に頻繁に衝突し、小物体は媒質中を不規
則に運動する。このブラウン運動により、小物体は媒質
中で拡散する。微小領域では、液体の比界面積が大きく
なり(すなわち、体積に比べて表面積が広くなり)、拡
散速度が急激に大きくなる。そのため、第1の層流中の
物質の粒子は、短時間で第2の層流に移動する。つま
り、第2の液体に溶ける。この場合、物質の粒子が第2
の層流から再び第1の層流に戻りにくいことが好まし
く、例えば、物質は、第1の液体よりも第2の液体に溶
けやすいことが好ましい。物質がダイオキシン類である
とき、第1の流体は水、第2の流体は有機溶媒とするこ
とができる。また、効率よく拡散するためには、第1の
層流と第2の層流との流速とが等しく、相対的な速度差
が生じないようにすることが好ましい。
【0015】上記方法によれば、流路における層流の流
れと粒子の拡散現象を用いることで、微小領域内におい
て、第1の液体中に含まれる物質を、効率良く第2の液
体中に取り込むことができる。
れと粒子の拡散現象を用いることで、微小領域内におい
て、第1の液体中に含まれる物質を、効率良く第2の液
体中に取り込むことができる。
【0016】第1ステップにおいて、連続的に送液して
も、途中で停止するようにしてもよい。
も、途中で停止するようにしてもよい。
【0017】第2ステップにおいて、第2の液体だけを
集めれば、第1の液体中に含まれていた物質を抽出する
ことができる。
集めれば、第1の液体中に含まれていた物質を抽出する
ことができる。
【0018】好ましくは、上記第1ステップにおいて、
上記層流の一つの幅が50μm以下である。
上記層流の一つの幅が50μm以下である。
【0019】幅が50μm以下であれば、レイノルズ数
が小さくなり、流路内を層流状態で送液することが容易
である。
が小さくなり、流路内を層流状態で送液することが容易
である。
【0020】第2ステップは、以下のように種々の態様
で、第2の液体だけを集めることができる。
で、第2の液体だけを集めることができる。
【0021】好ましくは、上記第2ステップは、流路分
岐ステップを含む。該流路分岐ステップでは、上記流路
の下流側において、上記第1の層流を第1分岐流路に流
し、上記2の層流を第2分岐流路に流す。
岐ステップを含む。該流路分岐ステップでは、上記流路
の下流側において、上記第1の層流を第1分岐流路に流
し、上記2の層流を第2分岐流路に流す。
【0022】この場合、層流状態のまま、液体ごとに流
路を分岐することにより、容易に、第2の液体を第1の
液体から分離することができる。
路を分岐することにより、容易に、第2の液体を第1の
液体から分離することができる。
【0023】好ましくは、上記第2ステップは、帯電ス
テップを含む。該帯電ステップでは、上記第1分岐流路
又は上記2分岐流路のいずれか一方の入口近傍を帯電さ
せる。
テップを含む。該帯電ステップでは、上記第1分岐流路
又は上記2分岐流路のいずれか一方の入口近傍を帯電さ
せる。
【0024】帯電ステップにより、第1の液体又は第2
の液体の一方が極性を有し、他方が無極性である場合に
は、極性を有する一方の液体が、帯電した第1分岐流路
又は第2分岐流路に入るように促進し、より効率良く、
液体を分離することができる。例えば、石油エーテル、
四塩化炭素、ベンゼン、キシレン、ニトロベンゼン、ヨ
ウ素などの無極性分子と、極性を有する水とを分離でき
る。なお、3液以上の混合液であっても、1液のみが極
性を有する場合、又は1液のみが無極性である場合に
は、その1液を他の液から分離することができる。
の液体の一方が極性を有し、他方が無極性である場合に
は、極性を有する一方の液体が、帯電した第1分岐流路
又は第2分岐流路に入るように促進し、より効率良く、
液体を分離することができる。例えば、石油エーテル、
四塩化炭素、ベンゼン、キシレン、ニトロベンゼン、ヨ
ウ素などの無極性分子と、極性を有する水とを分離でき
る。なお、3液以上の混合液であっても、1液のみが極
性を有する場合、又は1液のみが無極性である場合に
は、その1液を他の液から分離することができる。
【0025】また、本発明は、上記第2の技術的課題を
解決するために、以下の分離方法を提供する。
解決するために、以下の分離方法を提供する。
【0026】分離方法は、混合された第1の液体と第2
の液体とから、第2の液体を分離するタイプのものであ
る。分離方法は、第1ステップと第2ステップとを備え
る。上記第1ステップにおいて、流路に、混合された上
記第1の液体と上記第2の液体を流す。上記流路は、第
1空間と第2空間とからなる。上記第1空間は、微小な
構造物が配置され、いずれか一方の上記第1の液体又は
上記第2の液体が相対的に流れやすい。上記第2空間
は、上記第1空間に沿って延在しかつ上記第1空間に連
通する。上記第2ステップでは、上記第2の液体が流れ
るいずれか一方の上記第1空間又は上記第2空間の下流
側において、上記第2の液体を回収する。
の液体とから、第2の液体を分離するタイプのものであ
る。分離方法は、第1ステップと第2ステップとを備え
る。上記第1ステップにおいて、流路に、混合された上
記第1の液体と上記第2の液体を流す。上記流路は、第
1空間と第2空間とからなる。上記第1空間は、微小な
構造物が配置され、いずれか一方の上記第1の液体又は
上記第2の液体が相対的に流れやすい。上記第2空間
は、上記第1空間に沿って延在しかつ上記第1空間に連
通する。上記第2ステップでは、上記第2の液体が流れ
るいずれか一方の上記第1空間又は上記第2空間の下流
側において、上記第2の液体を回収する。
【0027】上記方法によれば、混合された第1および
第2の液体を流路に流すと、第1の液体と第2の液体と
のうち、第1空間を相対的に流れやすい一方が第1空間
を流れ、他方は第2空間を流れるようになる。例えば、
構造物に親水処理を施したり、適宜な官能基を配置する
ことにより、第1の液体又は第2の液体のいずれか一方
が第1空間を相対的に流れやすいようにすることができ
る。第1の液体と第2の液体とは互いに分離し、第2の
液体は第1空間又は第2空間のいずれか一方を流れるの
で、下流において、第2の液体を回収することができ
る。
第2の液体を流路に流すと、第1の液体と第2の液体と
のうち、第1空間を相対的に流れやすい一方が第1空間
を流れ、他方は第2空間を流れるようになる。例えば、
構造物に親水処理を施したり、適宜な官能基を配置する
ことにより、第1の液体又は第2の液体のいずれか一方
が第1空間を相対的に流れやすいようにすることができ
る。第1の液体と第2の液体とは互いに分離し、第2の
液体は第1空間又は第2空間のいずれか一方を流れるの
で、下流において、第2の液体を回収することができ
る。
【0028】したがって、微小領域内にある混合状態の
第1の液体と第2の液体とから第2の液体を分離するこ
とができる。
第1の液体と第2の液体とから第2の液体を分離するこ
とができる。
【0029】上記方法において、微小な構造物は適宜に
構成することにより、第1の液体と第2の液体のいずれ
か一方が、分離流路の第1空間を相対的に流れやすくす
ることができる。例えば、微小な構造物は、多数の要素
を含み、隣接する要素間の距離(隙間)が10μm以下
のものである。微小な構造物は、例えば、四方八方に微
小孔が開いた多孔質物質であっても、繊維塊のようなも
のであってもよい。
構成することにより、第1の液体と第2の液体のいずれ
か一方が、分離流路の第1空間を相対的に流れやすくす
ることができる。例えば、微小な構造物は、多数の要素
を含み、隣接する要素間の距離(隙間)が10μm以下
のものである。微小な構造物は、例えば、四方八方に微
小孔が開いた多孔質物質であっても、繊維塊のようなも
のであってもよい。
【0030】好ましくは、上記構造物は、上記第1空間
側から上記第2空間側に向けて延在する柱状構造物であ
る。
側から上記第2空間側に向けて延在する柱状構造物であ
る。
【0031】第1の液体と第2の液体のうち、第1空間
を相対的に流れにくい流体は、微小な構造物の延在方向
に沿って、第2空間に向けて容易に移動することができ
る。したがって、液体の分離効率を高めることができ
る。
を相対的に流れにくい流体は、微小な構造物の延在方向
に沿って、第2空間に向けて容易に移動することができ
る。したがって、液体の分離効率を高めることができ
る。
【0032】より好ましくは、上記第1の液体と上記第
2の液体のいずれか一方は水を含む。上記構造物は、撥
水処理される。
2の液体のいずれか一方は水を含む。上記構造物は、撥
水処理される。
【0033】この場合、水を含む第1又は第2の液体
は、撥水処理された微小な構造物にはじかれて、第2空
間側に移動するので、液体の分離効率を高めることがで
きる。なお、3液以上の混合液であっても、1液のみが
水と親和性を有する場合、その1液を他の液から分離す
ることができる。
は、撥水処理された微小な構造物にはじかれて、第2空
間側に移動するので、液体の分離効率を高めることがで
きる。なお、3液以上の混合液であっても、1液のみが
水と親和性を有する場合、その1液を他の液から分離す
ることができる。
【0034】また、本発明は、上記第1の技術的課題を
解決するために、第1の液体が層状に配置される第1液
体空間と、第2の液体が層状に配置される第2液体空間
とが、層方向に互いに接するように配置されたことを基
本的特徴とする抽出装置を提供する。具体的には、以下
のように構成する。
解決するために、第1の液体が層状に配置される第1液
体空間と、第2の液体が層状に配置される第2液体空間
とが、層方向に互いに接するように配置されたことを基
本的特徴とする抽出装置を提供する。具体的には、以下
のように構成する。
【0035】抽出装置は、第1の液体中に含まれる物質
を、第2の液体に溶かして抽出するタイプのものであ
る。抽出装置は、流路と分離部とを備える。上記流路
は、上記第1の液体と上記第2の液体とが、それぞれ1
又は2以上の層流状態で交互に接しながら流れ、上記第
1の液体の第1の層流中の上記物質が上記第2の液体の
第2の層流中に移動する。上記分離部は、上記流路の下
流側に接続され、上記第2の液体を上記第1の液体から
分離する。
を、第2の液体に溶かして抽出するタイプのものであ
る。抽出装置は、流路と分離部とを備える。上記流路
は、上記第1の液体と上記第2の液体とが、それぞれ1
又は2以上の層流状態で交互に接しながら流れ、上記第
1の液体の第1の層流中の上記物質が上記第2の液体の
第2の層流中に移動する。上記分離部は、上記流路の下
流側に接続され、上記第2の液体を上記第1の液体から
分離する。
【0036】上記構成によれば、流路内において、第1
の流体と第2の流体を微小な幅で流すことにより、層流
状態とすることができる。第1の層流や第2の層流が2
以上の場合には、第1の層流と第2の層流とが交互に配
置され互いに接するようにすることができる。
の流体と第2の流体を微小な幅で流すことにより、層流
状態とすることができる。第1の層流や第2の層流が2
以上の場合には、第1の層流と第2の層流とが交互に配
置され互いに接するようにすることができる。
【0037】一般に、液体中の物質は、自発的に拡散す
る。すなわち、媒質(液体)の分子は、媒質中の小物体
(物質の粒子)に頻繁に衝突し、小物体は媒質中を不規
則に運動する。このブラウン運動により、小物体は媒質
中で拡散する。微小領域では、液体の比界面積が大きく
なり(すなわち、体積に比べて表面積が広くなり)、拡
散速度が急激に大きくなる。そのため、第1の層流中の
物質の粒子は、短時間で第2の層流に移動する。つま
り、第2の液体に溶ける。この場合、物質の粒子が第2
の層流から再び第1の層流に戻りにくいことが好まし
く、例えば、物質は、第1の液体よりも第2の液体に溶
けやすいことが好ましい。物質がダイオキシン類である
とき、第1の流体は水、第2の流体は有機溶媒とするこ
とができる。また、効率よく拡散するためには、第1の
層流と第2の層流との流速とが等しく、相対的な速度差
が生じないようにすることが好ましい。
る。すなわち、媒質(液体)の分子は、媒質中の小物体
(物質の粒子)に頻繁に衝突し、小物体は媒質中を不規
則に運動する。このブラウン運動により、小物体は媒質
中で拡散する。微小領域では、液体の比界面積が大きく
なり(すなわち、体積に比べて表面積が広くなり)、拡
散速度が急激に大きくなる。そのため、第1の層流中の
物質の粒子は、短時間で第2の層流に移動する。つま
り、第2の液体に溶ける。この場合、物質の粒子が第2
の層流から再び第1の層流に戻りにくいことが好まし
く、例えば、物質は、第1の液体よりも第2の液体に溶
けやすいことが好ましい。物質がダイオキシン類である
とき、第1の流体は水、第2の流体は有機溶媒とするこ
とができる。また、効率よく拡散するためには、第1の
層流と第2の層流との流速とが等しく、相対的な速度差
が生じないようにすることが好ましい。
【0038】上記構成によれば、流路における層流の流
れと粒子の拡散現象を用いることで、微小領域内におい
て、第1の液体中に含まれる物質を、効率良く第2の液
体中に取り込むことができる。
れと粒子の拡散現象を用いることで、微小領域内におい
て、第1の液体中に含まれる物質を、効率良く第2の液
体中に取り込むことができる。
【0039】分離部において、第2の液体だけを集めれ
ば、第1の液体中に含まれていた物質を抽出することが
できる。
ば、第1の液体中に含まれていた物質を抽出することが
できる。
【0040】好ましくは、上記流路において、上記層流
の一つの幅が50μm以下である。
の一つの幅が50μm以下である。
【0041】幅が50μm以下であれば、レイノルズ数
が小さくなり、流路内を層流状態で送液することが容易
である。
が小さくなり、流路内を層流状態で送液することが容易
である。
【0042】分離部は、以下のように種々の態様で、第
2の液体だけを集めることができる。
2の液体だけを集めることができる。
【0043】好ましくは、上記分離部は、上記第1の層
流が流れる第1分岐流路と、上記2の層流が流れる第2
分岐流路を含む。
流が流れる第1分岐流路と、上記2の層流が流れる第2
分岐流路を含む。
【0044】この場合、層流状態のまま、液体ごとに流
路を分岐することにより、容易に、第2の液体を第1の
液体から分離することができる。
路を分岐することにより、容易に、第2の液体を第1の
液体から分離することができる。
【0045】好ましくは、上記第1分岐流路又は上記2
分岐流路のいずれか一方の入口近傍を帯電させる帯電部
を備える。
分岐流路のいずれか一方の入口近傍を帯電させる帯電部
を備える。
【0046】上記構成によれば、第1の液体又は第2の
液体の一方が極性を有し、他方が無極性である場合に
は、極性を有する一方の液体が、帯電した第1分岐流路
又は第2分岐流路に入るように促進し、より効率良く、
液体を分離することができる。例えば、石油エーテル、
四塩化炭素、ベンゼン、キシレン、ニトロベンゼン、ヨ
ウ素などの無極性分子と、極性を有する水とを分離でき
る。なお、3液以上の混合液であっても、1液のみが極
性を有する場合、又は1液のみが無極性である場合に
は、その1液を他の液から分離することができる。
液体の一方が極性を有し、他方が無極性である場合に
は、極性を有する一方の液体が、帯電した第1分岐流路
又は第2分岐流路に入るように促進し、より効率良く、
液体を分離することができる。例えば、石油エーテル、
四塩化炭素、ベンゼン、キシレン、ニトロベンゼン、ヨ
ウ素などの無極性分子と、極性を有する水とを分離でき
る。なお、3液以上の混合液であっても、1液のみが極
性を有する場合、又は1液のみが無極性である場合に
は、その1液を他の液から分離することができる。
【0047】また、本発明は、上記第2の技術的課題を
解決するために、以下の構成の分離装置を提供する。
解決するために、以下の構成の分離装置を提供する。
【0048】分離装置は、混合された第1の液体と第2
の液体とから、第2の液体を分離するタイプのものであ
る。分離装置は、第1空間と、第2空間と、排出口とを
備える。上記第1空間は、微小な構造物が配置され、い
ずれか一方の上記第1の液体又は上記第2の液体が相対
的に流れやすい。上記第2空間は、上記第1空間に沿っ
て延在し、かつ上記第1空間に連通する。上記排出口
は、上記第2の液体が流れるいずれか一方の上記第1空
間又は上記第2空間の下流側に接続され、上記第2の液
体が流れる。
の液体とから、第2の液体を分離するタイプのものであ
る。分離装置は、第1空間と、第2空間と、排出口とを
備える。上記第1空間は、微小な構造物が配置され、い
ずれか一方の上記第1の液体又は上記第2の液体が相対
的に流れやすい。上記第2空間は、上記第1空間に沿っ
て延在し、かつ上記第1空間に連通する。上記排出口
は、上記第2の液体が流れるいずれか一方の上記第1空
間又は上記第2空間の下流側に接続され、上記第2の液
体が流れる。
【0049】上記構成によれば、混合された第1および
第2の液体を第1空間および第2空間に流すと、第1の
液体と第2の液体とのうち、第1空間を相対的に流れや
すい一方が第1空間を流れ、他方は第2空間を流れ、第
1の液体と第2の液体とは互いに分離する。例えば、構
造物に親水処理を施したり、適宜な官能基を配置するこ
とにより、第1の液体又は第2の液体のいずれか一方が
第1空間を相対的に流れやすいようにすることができ
る。第2の液体は第1空間又は第2空間のいずれか一方
を流れるので、排出口から第2の液体を回収することが
できる。
第2の液体を第1空間および第2空間に流すと、第1の
液体と第2の液体とのうち、第1空間を相対的に流れや
すい一方が第1空間を流れ、他方は第2空間を流れ、第
1の液体と第2の液体とは互いに分離する。例えば、構
造物に親水処理を施したり、適宜な官能基を配置するこ
とにより、第1の液体又は第2の液体のいずれか一方が
第1空間を相対的に流れやすいようにすることができ
る。第2の液体は第1空間又は第2空間のいずれか一方
を流れるので、排出口から第2の液体を回収することが
できる。
【0050】したがって、微小領域内にある混合状態の
第1の液体と第2の液体とから第2の液体を分離するこ
とができる。
第1の液体と第2の液体とから第2の液体を分離するこ
とができる。
【0051】上記構成において、微小な構造物を適宜に
構成することにより、第1の液体と第2の液体のいずれ
か一方が、分離流路の第1空間を相対的に流れやすくす
ることができる。例えば、微小な構造物は、多数の要素
を含み、隣接する要素間の距離(隙間)が10μm以下
のものである。微小な構造物は、例えば、四方八方に微
小孔が開いた多孔質物質であっても、繊維塊のようなも
のであってもよい。
構成することにより、第1の液体と第2の液体のいずれ
か一方が、分離流路の第1空間を相対的に流れやすくす
ることができる。例えば、微小な構造物は、多数の要素
を含み、隣接する要素間の距離(隙間)が10μm以下
のものである。微小な構造物は、例えば、四方八方に微
小孔が開いた多孔質物質であっても、繊維塊のようなも
のであってもよい。
【0052】好ましくは、上記構造物は、上記第1空間
側から上記第2空間側に向けて延在する柱状構造物であ
る。
側から上記第2空間側に向けて延在する柱状構造物であ
る。
【0053】上記構成によれば、第1の液体と第2の液
体のうち、第1空間を相対的に流れにくい流体は、微小
な構造物の延在方向に沿って、第2空間に向けて容易に
移動することができる。したがって、液体の分離効率を
高めることができる。
体のうち、第1空間を相対的に流れにくい流体は、微小
な構造物の延在方向に沿って、第2空間に向けて容易に
移動することができる。したがって、液体の分離効率を
高めることができる。
【0054】より好ましくは、上記第1の液体と上記第
2の液体のいずれか一方は、水を含む。上記構造物は、
撥水処理される。
2の液体のいずれか一方は、水を含む。上記構造物は、
撥水処理される。
【0055】上記構成によれば、水を含む第1又は第2
の液体は、撥水処理された微小な構造物にはじかれて、
第2空間側に移動するので、液体の分離効率を高めるこ
とができる。なお、3液以上の混合液であっても、1液
のみが水と親和性を有する場合、その1液を他の液から
分離することができる。
の液体は、撥水処理された微小な構造物にはじかれて、
第2空間側に移動するので、液体の分離効率を高めるこ
とができる。なお、3液以上の混合液であっても、1液
のみが水と親和性を有する場合、その1液を他の液から
分離することができる。
【0056】また、本発明は、上記第1の技術的課題を
解決するために、以下の構成の抽出装置用チップを提供
する。
解決するために、以下の構成の抽出装置用チップを提供
する。
【0057】抽出装置に用いるチップは、第1の液体中
に含まれる物質を第2の液体に溶かして抽出する抽出装
置に用いるタイプのものである。チップは、流路を備え
る。該流路は、上記第1の液体と上記第2の液体とを、
それぞれ1又は2以上の層流状態で交互に接するように
送液して、上記第1の液体の第1の層流中の上記物質
を、上記第2の液体の第2の層流中に移動させることが
できる。
に含まれる物質を第2の液体に溶かして抽出する抽出装
置に用いるタイプのものである。チップは、流路を備え
る。該流路は、上記第1の液体と上記第2の液体とを、
それぞれ1又は2以上の層流状態で交互に接するように
送液して、上記第1の液体の第1の層流中の上記物質
を、上記第2の液体の第2の層流中に移動させることが
できる。
【0058】上記構成において、第1の流体と第2の流
体は、流路内に微小な幅で流すことにより、層流状態と
することができる。第1の層流や第2の層流が2以上の
場合には、第1の層流と第2の層流とが交互に配置され
互いに接するようにすることができる。
体は、流路内に微小な幅で流すことにより、層流状態と
することができる。第1の層流や第2の層流が2以上の
場合には、第1の層流と第2の層流とが交互に配置され
互いに接するようにすることができる。
【0059】一般に、液体中の物質は、自発的に拡散す
る。すなわち、媒質(液体)の分子は、媒質中の小物体
(物質の粒子)に頻繁に衝突し、小物体は媒質中を不規
則に運動する。このブラウン運動により、小物体は媒質
中で拡散する。微小領域では、液体の比界面積が大きく
なり(すなわち、体積に比べて表面積が広くなり)、拡
散速度が急激に大きくなる。そのため、第1の層流中の
物質の粒子は、短時間で第2の層流に移動する。つま
り、第2の液体に溶ける。この場合、物質の粒子が第2
の層流から再び第1の層流に戻りにくいことが好まし
く、例えば、物質は、第1の液体よりも第2の液体に溶
けやすいことが好ましい。物質がダイオキシン類である
とき、第1の流体は水、第2の流体は有機溶媒とするこ
とができる。また、効率よく拡散するためには、第1の
層流と第2の層流との流速とが等しく、相対的な速度差
が生じないようにすることが好ましい。
る。すなわち、媒質(液体)の分子は、媒質中の小物体
(物質の粒子)に頻繁に衝突し、小物体は媒質中を不規
則に運動する。このブラウン運動により、小物体は媒質
中で拡散する。微小領域では、液体の比界面積が大きく
なり(すなわち、体積に比べて表面積が広くなり)、拡
散速度が急激に大きくなる。そのため、第1の層流中の
物質の粒子は、短時間で第2の層流に移動する。つま
り、第2の液体に溶ける。この場合、物質の粒子が第2
の層流から再び第1の層流に戻りにくいことが好まし
く、例えば、物質は、第1の液体よりも第2の液体に溶
けやすいことが好ましい。物質がダイオキシン類である
とき、第1の流体は水、第2の流体は有機溶媒とするこ
とができる。また、効率よく拡散するためには、第1の
層流と第2の層流との流速とが等しく、相対的な速度差
が生じないようにすることが好ましい。
【0060】上記構成によれば、流路における層流の流
れと粒子の拡散現象を用いることで、微小領域内におい
て、第1の液体中に含まれる物質を、効率良く第2の液
体中に取り込むことができる。
れと粒子の拡散現象を用いることで、微小領域内におい
て、第1の液体中に含まれる物質を、効率良く第2の液
体中に取り込むことができる。
【0061】第2の液体だけを集めれば、第1の液体中
に含まれていた物質を抽出することができる。
に含まれていた物質を抽出することができる。
【0062】好ましくは、上記流路において、上記層流
の一つの幅が50μm以下である。
の一つの幅が50μm以下である。
【0063】幅が50μm以下であれば、レイノルズ数
が小さくなり、流路内を層流状態で送液することが容易
である。
が小さくなり、流路内を層流状態で送液することが容易
である。
【0064】好ましくは、第1分岐流路と第2分岐流路
とを備える。上記第1分岐流路は、上記流路の下流側に
接続され、上記第1の層流が流れる。上記第2分岐流路
は、上記流路の下流側に接続され、上記2の層流が流れ
る。
とを備える。上記第1分岐流路は、上記流路の下流側に
接続され、上記第1の層流が流れる。上記第2分岐流路
は、上記流路の下流側に接続され、上記2の層流が流れ
る。
【0065】上記構成によれば、層流状態のまま、液体
ごとに流路を分岐することにより、容易に、第2の液体
を第1の液体から分離することができる。
ごとに流路を分岐することにより、容易に、第2の液体
を第1の液体から分離することができる。
【0066】より好ましくは、上記第1分岐流路又は上
記2分岐流路のいずれか一方の入口近傍に帯電させる帯
電部を備える。
記2分岐流路のいずれか一方の入口近傍に帯電させる帯
電部を備える。
【0067】上記構成によれば、第1の液体又は第2の
液体の一方が極性を有し、他方が無極性である場合に
は、極性を有する一方の液体が、帯電した第1分岐流路
又は第2分岐流路に入るように促進し、より効率良く、
液体を分離することができる。例えば、石油エーテル、
四塩化炭素、ベンゼン、キシレン、ニトロベンゼン、ヨ
ウ素などの無極性分子と、極性を有する水とを分離でき
る。なお、3液以上の混合液であっても、1液のみが極
性を有する場合、又は1液のみが無極性である場合に
は、その1液を他の液から分離することができる。
液体の一方が極性を有し、他方が無極性である場合に
は、極性を有する一方の液体が、帯電した第1分岐流路
又は第2分岐流路に入るように促進し、より効率良く、
液体を分離することができる。例えば、石油エーテル、
四塩化炭素、ベンゼン、キシレン、ニトロベンゼン、ヨ
ウ素などの無極性分子と、極性を有する水とを分離でき
る。なお、3液以上の混合液であっても、1液のみが極
性を有する場合、又は1液のみが無極性である場合に
は、その1液を他の液から分離することができる。
【0068】また、本発明は、上記第2の技術的課題を
解決するために、以下の構成の分離装置用チップを提供
する。
解決するために、以下の構成の分離装置用チップを提供
する。
【0069】分離装置用チップは、混合された第1の液
体と第2の液体とから、第2の液体を分離する分離装置
に用いるタイプのものである。チップは、第1空間と、
第2空間と、排出口とを備える。上記第1空間は、微小
な構造物が配置され、いずれか一方の上記第1の液体又
は上記第2の液体が相対的に流れやすい。上記第2空間
は、上記第1空間に沿って延在し、かつ上記第1空間に
連通する。上記排出口は、上記第2の液体が流れるいず
れか一方の上記第1空間又は上記第2空間の下流側に接
続され、上記第2の液体が流れる。
体と第2の液体とから、第2の液体を分離する分離装置
に用いるタイプのものである。チップは、第1空間と、
第2空間と、排出口とを備える。上記第1空間は、微小
な構造物が配置され、いずれか一方の上記第1の液体又
は上記第2の液体が相対的に流れやすい。上記第2空間
は、上記第1空間に沿って延在し、かつ上記第1空間に
連通する。上記排出口は、上記第2の液体が流れるいず
れか一方の上記第1空間又は上記第2空間の下流側に接
続され、上記第2の液体が流れる。
【0070】上記構成によれば、混合された第1および
第2の液体を流路に流すと、第1の液体と第2の液体と
のうち、第1空間を相対的に流れやすい一方が第1空間
を流れ、他方は第2空間を流れるようになる。例えば、
構造物に親水処理を施したり、適宜な官能基を配置する
ことにより、第1の液体又は第2の液体のいずれか一方
が第1空間を相対的に流れやすいようにすることができ
る。第1の液体と第2の液体とは互いに分離し、第2の
液体は第1空間又は第2空間のいずれか一方を流れるの
で、下流において、第2の液体を回収することができ
る。
第2の液体を流路に流すと、第1の液体と第2の液体と
のうち、第1空間を相対的に流れやすい一方が第1空間
を流れ、他方は第2空間を流れるようになる。例えば、
構造物に親水処理を施したり、適宜な官能基を配置する
ことにより、第1の液体又は第2の液体のいずれか一方
が第1空間を相対的に流れやすいようにすることができ
る。第1の液体と第2の液体とは互いに分離し、第2の
液体は第1空間又は第2空間のいずれか一方を流れるの
で、下流において、第2の液体を回収することができ
る。
【0071】したがって、微小領域内にある混合状態の
第1の液体と第2の液体とから第2の液体を分離するこ
とができる。
第1の液体と第2の液体とから第2の液体を分離するこ
とができる。
【0072】微小な構造物を適宜に構成すれば、第1の
液体と第2の液体のいずれか一方が相対的に第1空間を
流れやすくすることができる。例えば、微小な構造物
は、多数の要素を含み、隣接する要素間の距離(隙間)
が10μm以下のものである。微小な構造物は、例え
ば、四方八方に微小孔が開いた多孔質物質であっても、
繊維塊のようなものであってもよい。
液体と第2の液体のいずれか一方が相対的に第1空間を
流れやすくすることができる。例えば、微小な構造物
は、多数の要素を含み、隣接する要素間の距離(隙間)
が10μm以下のものである。微小な構造物は、例え
ば、四方八方に微小孔が開いた多孔質物質であっても、
繊維塊のようなものであってもよい。
【0073】好ましくは、上記構造物は、上記第1空間
側から上記第2空間側に向けて延在する柱状構造物であ
る。
側から上記第2空間側に向けて延在する柱状構造物であ
る。
【0074】上記構成によれば、第1の液体と第2の液
体のうち、第1空間を相対的に流れにくい流体は、微小
な構造物の延在方向に沿って、第2空間に向けて容易に
移動することができる。したがって、液体の分離効率を
高めることができる。
体のうち、第1空間を相対的に流れにくい流体は、微小
な構造物の延在方向に沿って、第2空間に向けて容易に
移動することができる。したがって、液体の分離効率を
高めることができる。
【0075】より好ましくは、上記第1の液体と上記第
2の液体のいずれか一方は、水を含む。上記構造物は、
撥水処理される。
2の液体のいずれか一方は、水を含む。上記構造物は、
撥水処理される。
【0076】上記構成によれば、水を含む第1又は第2
の液体は、撥水処理された微小な構造物にはじかれて、
第2空間側に移動するので、液体の分離効率を高めるこ
とができる。なお、3液以上の混合液であっても、1液
のみが水と親和性を有する場合、その1液を他の液から
分離することができる。
の液体は、撥水処理された微小な構造物にはじかれて、
第2空間側に移動するので、液体の分離効率を高めるこ
とができる。なお、3液以上の混合液であっても、1液
のみが水と親和性を有する場合、その1液を他の液から
分離することができる。
【0077】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て、図1〜図10に基づいて説明する。
て、図1〜図10に基づいて説明する。
【0078】まず、本発明の第1実施形態について、図
1〜図6、図10に基づいて説明する。
1〜図6、図10に基づいて説明する。
【0079】図1は、微小領域での水と溶媒の流れを模
式的に示す。仕切りのない一つの中央流路10の両端に
は、仕切り壁12,14で複数の流路13a〜13g,
15a〜15gに分割された分割流路10a,10bが
対向して形成されている。一方の分割流路10aには溶
媒と水が交互に流れる。例えば、流路13a,13c,
13e,13gには溶媒が流れ、流路13b,13d,
13fには水が流れる。各流路13a〜13gの幅は例
えば20μmであり、このような微小領域ではレイノル
ズ数が小さくなるので、分割流路10aから流出した水
と溶媒は、中央流路10においてそれぞれ層流11a,
11bとなり、隣接しても混ざり合わずに流れ、水と溶
媒の間には界面11cが形成される。各層流11a,1
1bは、それぞれ他方の分割流路10bの各流路15a
〜15gに流れ込む。すなわち、流路15a,15c,
15e,15gには溶媒が流入し、流路15b,15
d,15fには水が流れ込む。
式的に示す。仕切りのない一つの中央流路10の両端に
は、仕切り壁12,14で複数の流路13a〜13g,
15a〜15gに分割された分割流路10a,10bが
対向して形成されている。一方の分割流路10aには溶
媒と水が交互に流れる。例えば、流路13a,13c,
13e,13gには溶媒が流れ、流路13b,13d,
13fには水が流れる。各流路13a〜13gの幅は例
えば20μmであり、このような微小領域ではレイノル
ズ数が小さくなるので、分割流路10aから流出した水
と溶媒は、中央流路10においてそれぞれ層流11a,
11bとなり、隣接しても混ざり合わずに流れ、水と溶
媒の間には界面11cが形成される。各層流11a,1
1bは、それぞれ他方の分割流路10bの各流路15a
〜15gに流れ込む。すなわち、流路15a,15c,
15e,15gには溶媒が流入し、流路15b,15
d,15fには水が流れ込む。
【0080】図2は、液体中のダイオキシン類などの粒
子16a,16bの動きを模式的に示す。分割流路10
aにおいて、粒子16aは、流路13b,13d,13
fを流れる水中にのみ含まれ、流路13a,13c,1
3e,13gを流れる溶媒中には含まれていない。中央
流路10に流出した直後には、粒子16aは水層11a
に含まれている。粒子16aは、液体中でブラウン運動
により自発的に拡散する。このとき、矢印17で示すよ
うに、界面10cを越え、水層10aから溶媒層10b
に移動した粒子16bは、溶解度の違いなどにより、水
層10a側に戻ることは殆どない。微小領域では、液体
の比界面積が大きくなり、拡散速度が急激に大きくなる
ので、水層11a中の粒子16aは、短時間で溶媒層1
1bに移動する。したがって、分割流路11bを利用し
て溶媒層11bだけを集めれば、粒子16bを取り出す
ことができる。
子16a,16bの動きを模式的に示す。分割流路10
aにおいて、粒子16aは、流路13b,13d,13
fを流れる水中にのみ含まれ、流路13a,13c,1
3e,13gを流れる溶媒中には含まれていない。中央
流路10に流出した直後には、粒子16aは水層11a
に含まれている。粒子16aは、液体中でブラウン運動
により自発的に拡散する。このとき、矢印17で示すよ
うに、界面10cを越え、水層10aから溶媒層10b
に移動した粒子16bは、溶解度の違いなどにより、水
層10a側に戻ることは殆どない。微小領域では、液体
の比界面積が大きくなり、拡散速度が急激に大きくなる
ので、水層11a中の粒子16aは、短時間で溶媒層1
1bに移動する。したがって、分割流路11bを利用し
て溶媒層11bだけを集めれば、粒子16bを取り出す
ことができる。
【0081】図3は、流路幅(チャンネル幅)と比界面
積S/V、拡散速度tのグラフの一例である。流路幅が
50μmより小さくなると急激に拡散時間Sが小さくな
り、拡散速度が速くなる。したがって、流路幅を50μ
m以下、好ましくは20μm以下にすると、混合・抽出
時間を大幅に短縮することができる。例えば、試薬を速
やかに(1秒以内)で混ぜることが求められる血液凝固
検査でも使うことができる。
積S/V、拡散速度tのグラフの一例である。流路幅が
50μmより小さくなると急激に拡散時間Sが小さくな
り、拡散速度が速くなる。したがって、流路幅を50μ
m以下、好ましくは20μm以下にすると、混合・抽出
時間を大幅に短縮することができる。例えば、試薬を速
やかに(1秒以内)で混ぜることが求められる血液凝固
検査でも使うことができる。
【0082】図4〜図6は、本発明をダイオキシン測定
の前処理用アセンブリ50に適用した実施例を示す。
の前処理用アセンブリ50に適用した実施例を示す。
【0083】図4に示すように、濃縮されたダイオキシ
ン溶液と有機溶媒を層状に流すために、立体的に交差す
る流路20,30を形成する。
ン溶液と有機溶媒を層状に流すために、立体的に交差す
る流路20,30を形成する。
【0084】上部に配置された流路20には、矢印28
で示す方向に、有機溶媒が流れる。流路20は、一つの
主流路21が下流側で3つの枝流路22に分かれ、各枝
流路22の端部23側の底面から下向きに筒状の下向流
路24が形成されている。
で示す方向に、有機溶媒が流れる。流路20は、一つの
主流路21が下流側で3つの枝流路22に分かれ、各枝
流路22の端部23側の底面から下向きに筒状の下向流
路24が形成されている。
【0085】下部に配置された流路30の上流側流路3
1には、矢印38で示す方向に、濃縮されたダイオキシ
ン溶液が流れる。流路30の途中には、分割流路32が
形成され、交互に形成された流路34,35を、有機溶
媒とダイオキシン溶液とが交互に流れるようになってい
る。すなわち、間隔を設けて複数対の仕切壁33aが配
置されている。各対の仕切壁33aは、流路方向に延在
し、厚さが数μm程度である。各対の仕切壁33aは、
上流側が接続壁33bにより結合されている。対になっ
た仕切壁33aの間の流路34には、下向流路24から
有機溶媒が流れ、仕切壁33aの隣接する対の間の流路
35には、上流側流路31から濃縮されたダイオキシン
溶液が流れるようになっている。
1には、矢印38で示す方向に、濃縮されたダイオキシ
ン溶液が流れる。流路30の途中には、分割流路32が
形成され、交互に形成された流路34,35を、有機溶
媒とダイオキシン溶液とが交互に流れるようになってい
る。すなわち、間隔を設けて複数対の仕切壁33aが配
置されている。各対の仕切壁33aは、流路方向に延在
し、厚さが数μm程度である。各対の仕切壁33aは、
上流側が接続壁33bにより結合されている。対になっ
た仕切壁33aの間の流路34には、下向流路24から
有機溶媒が流れ、仕切壁33aの隣接する対の間の流路
35には、上流側流路31から濃縮されたダイオキシン
溶液が流れるようになっている。
【0086】分割流路32の下流側には、一つの層流混
合流路36が形成され、ダイオキシン溶液と有機溶媒と
が層流状態で流れ、ダイオキシンが有機溶媒層に溶け込
むようになっている。層流混合流路36の幅は約200
μm、高さ(図において上下方向)は約100μmであ
る。
合流路36が形成され、ダイオキシン溶液と有機溶媒と
が層流状態で流れ、ダイオキシンが有機溶媒層に溶け込
むようになっている。層流混合流路36の幅は約200
μm、高さ(図において上下方向)は約100μmであ
る。
【0087】層流混合流路36の下流側には、分割流路
32とは逆向きに分割流路40が形成され、交互に形成
された流路44,45を、水と有機溶媒とが交互に流れ
るようになっている。
32とは逆向きに分割流路40が形成され、交互に形成
された流路44,45を、水と有機溶媒とが交互に流れ
るようになっている。
【0088】すなわち、間隔を設けて複数対の仕切壁4
1aが配置されている。各対の仕切壁41aは、流路方
向に延在し、下流側が接続壁41bにより結合されてい
る。対になった仕切壁41aの間の流路44には、ダイ
オキシンを含む有機溶媒が流れ込み、仕切壁41aの隣
接する対の間の流路45には、ダイオキシンが除去され
た水が流れるようになっている。
1aが配置されている。各対の仕切壁41aは、流路方
向に延在し、下流側が接続壁41bにより結合されてい
る。対になった仕切壁41aの間の流路44には、ダイ
オキシンを含む有機溶媒が流れ込み、仕切壁41aの隣
接する対の間の流路45には、ダイオキシンが除去され
た水が流れるようになっている。
【0089】対になった仕切壁41aの下流側には排出
流路42が形成され、矢印43で示すように、ダイオキ
シンを含む有機溶媒が下方に吸引され、次工程で処理さ
れる。
流路42が形成され、矢印43で示すように、ダイオキ
シンを含む有機溶媒が下方に吸引され、次工程で処理さ
れる。
【0090】一方、ダイオキシンが除去された水は、分
割流路40を通過後、流路46を流れ、矢印48で示す
ように、流路の端部47から上方に吸引される。
割流路40を通過後、流路46を流れ、矢印48で示す
ように、流路の端部47から上方に吸引される。
【0091】流路20,30は、図5に示した複数のチ
ップ51〜60を積層することにより、前処理アセンブ
リ50内に形成される。
ップ51〜60を積層することにより、前処理アセンブ
リ50内に形成される。
【0092】各チップ51〜60は、例えば、シリコン
やガラスなどをICP(高周波誘導結合型プラズマ、I
nductively Coupled Plasm
a)などによりドライエッチングすることにより、高精
度に作成することができる。シリコン同士の接合は直接
接合、シリコンとガラスの接合は陽極接合を用いるが、
エポキシ系の接着剤で接着してもよい。また、シリコン
やニッケル電鋳によりチップの型を作り、PMMA(ポ
リメタクリル酸メチル)やPDMS(ポリジメチルシロ
キサン)などの樹脂をモールドすることにより、安価に
多数のチップを作成することも可能である。この場合、
有機溶媒と反応しないように樹脂をコーティングする必
要がある。また、シリコン、ガラスのエッチングは、ド
ライエッチングだけでなく、ウエットエッチングを用い
てもよい。
やガラスなどをICP(高周波誘導結合型プラズマ、I
nductively Coupled Plasm
a)などによりドライエッチングすることにより、高精
度に作成することができる。シリコン同士の接合は直接
接合、シリコンとガラスの接合は陽極接合を用いるが、
エポキシ系の接着剤で接着してもよい。また、シリコン
やニッケル電鋳によりチップの型を作り、PMMA(ポ
リメタクリル酸メチル)やPDMS(ポリジメチルシロ
キサン)などの樹脂をモールドすることにより、安価に
多数のチップを作成することも可能である。この場合、
有機溶媒と反応しないように樹脂をコーティングする必
要がある。また、シリコン、ガラスのエッチングは、ド
ライエッチングだけでなく、ウエットエッチングを用い
てもよい。
【0093】第1層のチップ51には、ダイオキシン類
を含んだ排ガス試料を供給するための入口51aと、水
を供給するための入口51bと、有機溶媒を供給するた
めの入口51cおよびその流路20と、貫通孔51f
と、不要になった水が排出される排出口51dと、精製
されたダイオキシンが排出される排出口51eとが形成
されている。
を含んだ排ガス試料を供給するための入口51aと、水
を供給するための入口51bと、有機溶媒を供給するた
めの入口51cおよびその流路20と、貫通孔51f
と、不要になった水が排出される排出口51dと、精製
されたダイオキシンが排出される排出口51eとが形成
されている。
【0094】第2層のチップ52には、入口51a,5
1bから供給された排ガス試料および水が流れ合流する
流路52s,52tが形成され、ダイオキシンを採集・
濃縮するための多孔質ガラス52fが配置され、採集・
濃縮されたダイオキシン溶液が流れる流路30とが形成
されている。
1bから供給された排ガス試料および水が流れ合流する
流路52s,52tが形成され、ダイオキシンを採集・
濃縮するための多孔質ガラス52fが配置され、採集・
濃縮されたダイオキシン溶液が流れる流路30とが形成
されている。
【0095】第3層〜第10層のチップ53〜60に
は、ダイオキシンを多層シリカクロマトグラフにより精
製するため、日本工業規格(JIS)に準拠し、適宜な
試薬が配置される。すなわち、第3層53には硫酸ナト
リウム53gが、第4層54には10重量%の硝酸銀5
4gが、第5層55にはシリカゲル55gが、第6層5
6には22重量%の硫酸シリカゲル56gが、第7層5
7には44重量%の硫酸シリカゲル57gが、第8層5
8にはシリカゲル58gが、第9層59には2重量%の
水酸化カリウムシリカゲル59gが、第10層60には
シリカゲル60gが、それぞれ収納されている。
は、ダイオキシンを多層シリカクロマトグラフにより精
製するため、日本工業規格(JIS)に準拠し、適宜な
試薬が配置される。すなわち、第3層53には硫酸ナト
リウム53gが、第4層54には10重量%の硝酸銀5
4gが、第5層55にはシリカゲル55gが、第6層5
6には22重量%の硫酸シリカゲル56gが、第7層5
7には44重量%の硫酸シリカゲル57gが、第8層5
8にはシリカゲル58gが、第9層59には2重量%の
水酸化カリウムシリカゲル59gが、第10層60には
シリカゲル60gが、それぞれ収納されている。
【0096】図6および図10に示すように、円筒ろ紙
通過後の排ガス試料と水は、前処理アセンブリ50の入
口51a,51bに供給され、流路52s、52tを通
って混合される(#1)。なお、水の代わりに溶媒を用
いるソックスレー抽出により、円筒ろ紙を砕き、ダイオ
キシンを集めるようにしてもよい(#8)。
通過後の排ガス試料と水は、前処理アセンブリ50の入
口51a,51bに供給され、流路52s、52tを通
って混合される(#1)。なお、水の代わりに溶媒を用
いるソックスレー抽出により、円筒ろ紙を砕き、ダイオ
キシンを集めるようにしてもよい(#8)。
【0097】ダイオキシンと水の混合液は、多孔質ガラ
ス52fを通り、ダイオキシンが採集・濃縮される(#
2)。すなわち、多孔質ガラス52fからは、水蒸気、
二酸化炭素、二酸化窒素が、チップ51の貫通孔51f
を通って排出される。
ス52fを通り、ダイオキシンが採集・濃縮される(#
2)。すなわち、多孔質ガラス52fからは、水蒸気、
二酸化炭素、二酸化窒素が、チップ51の貫通孔51f
を通って排出される。
【0098】濃縮されたダイオキシン類を含んだ水は、
流路30を流れる。有機溶媒は、入口51cから供給さ
れ、流路20を流れる。有機溶媒は、ヘキサン、トルエ
ン、アセトン、ジクロロメタン、HCLを適宜割合で含
む。ダイオキシン類を含んだ水と有機溶媒は、分割流路
32を経て層流混合部36で出会い、前述したように、
ダイオキシン類が有機溶媒内に取り込まれ(図10の#
3)、分割流路40で水と有機溶媒に分離される(図1
0の#4)。
流路30を流れる。有機溶媒は、入口51cから供給さ
れ、流路20を流れる。有機溶媒は、ヘキサン、トルエ
ン、アセトン、ジクロロメタン、HCLを適宜割合で含
む。ダイオキシン類を含んだ水と有機溶媒は、分割流路
32を経て層流混合部36で出会い、前述したように、
ダイオキシン類が有機溶媒内に取り込まれ(図10の#
3)、分割流路40で水と有機溶媒に分離される(図1
0の#4)。
【0099】不要となった水は、上部の排出口51dか
ら排出される。
ら排出される。
【0100】有機溶媒は、下部に流れ、試薬53g〜6
0gが収納されたチップ53〜60を順に通ることで、
多少混入した水を除去するなどして、ダイオキシンが精
製される(図10の#5)。精製されたダイオキシン
は、上部の出口51eから排出され、GC/MS(ガス
クロマトグラフィ/質量分析器)にかけて測定される。
0gが収納されたチップ53〜60を順に通ることで、
多少混入した水を除去するなどして、ダイオキシンが精
製される(図10の#5)。精製されたダイオキシン
は、上部の出口51eから排出され、GC/MS(ガス
クロマトグラフィ/質量分析器)にかけて測定される。
【0101】次に、本発明の第2実施形態について、図
7、図8、図10を参照しながら説明する。
7、図8、図10を参照しながら説明する。
【0102】第2実施形態では、図10において符号9
0で示したように層流を用いて混合した後分離する(#
3および#4)代わりに、符号92で示したように乱流
を起こして混合した後分離する(#6および#7)。
0で示したように層流を用いて混合した後分離する(#
3および#4)代わりに、符号92で示したように乱流
を起こして混合した後分離する(#6および#7)。
【0103】本発明を適用した前処理アセンブリ70
は、図5に示したチップ51および52の代わりに、図
7に示したチップ71,72,73を用いる。チップ7
1,72,73は、チップ51および52と同様の方法
で加工することができる。
は、図5に示したチップ51および52の代わりに、図
7に示したチップ71,72,73を用いる。チップ7
1,72,73は、チップ51および52と同様の方法
で加工することができる。
【0104】第1層のチップ71には、第1実施形態の
チップ51と同様に、排ガス試料を供給するための入口
71aと、水を供給するための入口71bと、有機溶媒
を供給するための入口71cと、貫通孔71fと、不要
になった水が排出される排出口71dとが形成されてい
る。
チップ51と同様に、排ガス試料を供給するための入口
71aと、水を供給するための入口71bと、有機溶媒
を供給するための入口71cと、貫通孔71fと、不要
になった水が排出される排出口71dとが形成されてい
る。
【0105】第3層のチップ73には、第1実施形態の
チップ52と同様に、排ガス試料および水が流れ合流す
る流路73s,73tが形成せれ、ダイオキシンを採集
・濃縮するための多孔質ガラス73fが設けられてい
る。
チップ52と同様に、排ガス試料および水が流れ合流す
る流路73s,73tが形成せれ、ダイオキシンを採集
・濃縮するための多孔質ガラス73fが設けられてい
る。
【0106】第1実施形態と異なり、第1〜3層のチッ
プ71〜73の間には、ダイオキシン類を含んだ水と有
機溶媒とを、乱流を利用して混合するための混合空間7
4が形成されている。また、第1層のチップ71の上面
には、混合空間74に対向する領域にPZT層71eが
形成されている。PZT層71eは、例えば4つの部分
に分割されており、各部分に適宜な順序で適宜波形の電
圧を印加することにより超音波を発生し、混合空間74
内で渦を発生させ、ダイオキシン類を含んだ水と有機溶
媒とを攪拌・混合することができるようになっている。
プ71〜73の間には、ダイオキシン類を含んだ水と有
機溶媒とを、乱流を利用して混合するための混合空間7
4が形成されている。また、第1層のチップ71の上面
には、混合空間74に対向する領域にPZT層71eが
形成されている。PZT層71eは、例えば4つの部分
に分割されており、各部分に適宜な順序で適宜波形の電
圧を印加することにより超音波を発生し、混合空間74
内で渦を発生させ、ダイオキシン類を含んだ水と有機溶
媒とを攪拌・混合することができるようになっている。
【0107】混合された水と有機溶媒は、混合空間74
から、第3層のチップ73に形成された流路75を通っ
て、水と有機溶媒とに分離される。
から、第3層のチップ73に形成された流路75を通っ
て、水と有機溶媒とに分離される。
【0108】図8に示すように、流路75の下部(すな
わち、第1空間)には、マイクロストラクチャー76が
形成されている。マイクロストラクチャー76は、直径
数μm〜数十μmの円柱であり、流路75の底部75a
から流路75の高さ方向に途中まで延在し、流路75の
上部(すなわち、第2空間)には、何も障害物がない。
マイクロストラクチャー76は円柱でなくてもよく、例
えば角柱でも円錐でもよい。マイクロストラクチャー7
6間の距離(隙間)は、例えば10μm以下とする。
わち、第1空間)には、マイクロストラクチャー76が
形成されている。マイクロストラクチャー76は、直径
数μm〜数十μmの円柱であり、流路75の底部75a
から流路75の高さ方向に途中まで延在し、流路75の
上部(すなわち、第2空間)には、何も障害物がない。
マイクロストラクチャー76は円柱でなくてもよく、例
えば角柱でも円錐でもよい。マイクロストラクチャー7
6間の距離(隙間)は、例えば10μm以下とする。
【0109】マイクロストラクチャー76は、その表面
が撥水処理されている。ICP装置を用いてマイクロス
トラクチャー76を形成する場合には、加工プロセスに
C4F8ガスを用いるので、特別な追加処理なしに、撥
水処理される。フッ素系高分子を共析メッキ等で付ける
ことにより、撥水処理してもよい。
が撥水処理されている。ICP装置を用いてマイクロス
トラクチャー76を形成する場合には、加工プロセスに
C4F8ガスを用いるので、特別な追加処理なしに、撥
水処理される。フッ素系高分子を共析メッキ等で付ける
ことにより、撥水処理してもよい。
【0110】マイクロストラクチャー76内に入った混
合液の水は、マイクロストラクチャー76の撥水処理に
より流路75の上部に移動する。一方、有機溶媒は、そ
のまま流路75の下部を流れる。また、比重の違いも手
伝い、水と有機溶媒は、流路75の上部と下部とに分離
する。比重の違いに応じて、マイクロストラクチャー7
6を、流路75の上部に形成してもよい。
合液の水は、マイクロストラクチャー76の撥水処理に
より流路75の上部に移動する。一方、有機溶媒は、そ
のまま流路75の下部を流れる。また、比重の違いも手
伝い、水と有機溶媒は、流路75の上部と下部とに分離
する。比重の違いに応じて、マイクロストラクチャー7
6を、流路75の上部に形成してもよい。
【0111】そして、その後不要な水分は、流路75の
下流側端部75bから、矢印77で示すように上部へ吸
引される。一方、有機溶媒は、下流側端部75bの底面
に形成された排出口75cから、矢印78で示すように
下部へ吸引され、図示しない精製処理部(例えば、チッ
プ53〜60と同様に構成される)へと流れていく。
下流側端部75bから、矢印77で示すように上部へ吸
引される。一方、有機溶媒は、下流側端部75bの底面
に形成された排出口75cから、矢印78で示すように
下部へ吸引され、図示しない精製処理部(例えば、チッ
プ53〜60と同様に構成される)へと流れていく。
【0112】以上説明したように、微量領域内における
層流の流れと粒子の拡散現象を用いることで、微量なサ
ンプル量で効率良く抽出することができる。また、微小
領域内にある混合状態の第1の液体と第2の液体とから
第2の液体を分離することができる。
層流の流れと粒子の拡散現象を用いることで、微量なサ
ンプル量で効率良く抽出することができる。また、微小
領域内にある混合状態の第1の液体と第2の液体とから
第2の液体を分離することができる。
【0113】したがって、大きさ数センチ角のマイクロ
チップ内で処理ができるため、携帯性に優れ、どこでも
すぐに処理ができ、検査の即時性が向上する。また、反
応時間が速く、処理時間の短縮により、コストの大幅な
削減が図れる。さらに、抽出に使用する有機溶媒の量が
従来の方法に比べ大幅に少ないため、環境にもやさし
い。チップは半導体プロセスを利用するなどして大量生
産できるので、単価が非常にやすい。チップ単価がやす
いため、使い捨てにできる。使い捨てにすれば、複数回
使用する場合に起こる廃液による汚染の問題や、洗浄の
手間がない。
チップ内で処理ができるため、携帯性に優れ、どこでも
すぐに処理ができ、検査の即時性が向上する。また、反
応時間が速く、処理時間の短縮により、コストの大幅な
削減が図れる。さらに、抽出に使用する有機溶媒の量が
従来の方法に比べ大幅に少ないため、環境にもやさし
い。チップは半導体プロセスを利用するなどして大量生
産できるので、単価が非常にやすい。チップ単価がやす
いため、使い捨てにできる。使い捨てにすれば、複数回
使用する場合に起こる廃液による汚染の問題や、洗浄の
手間がない。
【0114】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
ものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【0115】例えば図9に示すように、分割流路10b
の仕切壁80を正、負に帯電させることで、水と有機溶
媒とを分離するようにしてもよい。仕切壁80は、その
本体部82を絶縁物で形成し、各本体部82の流路15
a〜15gに対向する側面に電極83a,83bを設
け、最外層84を絶縁物で覆う。例えば、電極83a,
83bの表面に絶縁膜としてSiO2などを成膜してお
く。電極83a,83bは、電源85と接続して、正又
は負に帯電させる。このとき、図示したように、流路1
5a〜15gを介して対向する電極83a,83b同士
が同電位となり、流路15a〜15gが交互に正、負に
帯電するようにする。
の仕切壁80を正、負に帯電させることで、水と有機溶
媒とを分離するようにしてもよい。仕切壁80は、その
本体部82を絶縁物で形成し、各本体部82の流路15
a〜15gに対向する側面に電極83a,83bを設
け、最外層84を絶縁物で覆う。例えば、電極83a,
83bの表面に絶縁膜としてSiO2などを成膜してお
く。電極83a,83bは、電源85と接続して、正又
は負に帯電させる。このとき、図示したように、流路1
5a〜15gを介して対向する電極83a,83b同士
が同電位となり、流路15a〜15gが交互に正、負に
帯電するようにする。
【0116】水は極性分子であり、正に帯電しているの
で、正に帯電した領域には入らない。電荷の影響を受け
やすくするために、流路15a〜15gのそれぞれ幅の
幅は、50μm以下がよい。好ましくは、10μm以下
がよい。
で、正に帯電した領域には入らない。電荷の影響を受け
やすくするために、流路15a〜15gのそれぞれ幅の
幅は、50μm以下がよい。好ましくは、10μm以下
がよい。
【0117】また、本発明は、ダイオキシンの測定の前
処理に限らず、広く適用可能である。本発明を適用すれ
ば、例えば水に溶解又は浮遊している有機物を抽出する
場合に、微量の試料溶液および抽出溶媒を混合したり、
有機物を含む抽出溶媒を選択的に抽出することができ
る。
処理に限らず、広く適用可能である。本発明を適用すれ
ば、例えば水に溶解又は浮遊している有機物を抽出する
場合に、微量の試料溶液および抽出溶媒を混合したり、
有機物を含む抽出溶媒を選択的に抽出することができ
る。
【図1】 微小領域の流れを示す模式図である。
【図2】 微小領域での粒子の移動を示す模式図であ
る。
る。
【図3】 流路幅と比界面積および拡散速度との関係を
示す図である。
示す図である。
【図4】 本発明の第1実施形態に係る前処理アセンブ
リの要部透視図である。
リの要部透視図である。
【図5】 前処理アセンブリの分解斜視図である。
【図6】 前処理アセンブリの上面図である。
【図7】 本発明の第2実施形態に係る前処理アセンブ
リの要部分解斜視図である。
リの要部分解斜視図である。
【図8】 前処理アセンブリの要部拡大斜視図である。
【図9】 変形例の分割流路の構成図である。
【図10】 ダイオキシン測定における前処理工程の流
れ図である。
れ図である。
10b 分割流路(分離部) 11a 層流(第1の層流) 11b 層流(第2の層流) 15a,15c,15e,15g 流路(第2分岐流
路) 15b,15d,15f 流路(第1分岐流路) 36 層流混合流路(小な流路) 40 分割流路(分離部) 44 流路(第2分岐流路) 45 流路(第1分岐流路) 50 前処理アセンブリ(抽出装置) 52 チップ(抽出装置用チップ) 70 前処理アセンブリ(分離装置) 73 チップ(分離装置用チップ) 75 流路 75c 排出口 76 マイクロストラクチャー(微小な構造物) 83a,83b 電極(帯電部)
路) 15b,15d,15f 流路(第1分岐流路) 36 層流混合流路(小な流路) 40 分割流路(分離部) 44 流路(第2分岐流路) 45 流路(第1分岐流路) 50 前処理アセンブリ(抽出装置) 52 チップ(抽出装置用チップ) 70 前処理アセンブリ(分離装置) 73 チップ(分離装置用チップ) 75 流路 75c 排出口 76 マイクロストラクチャー(微小な構造物) 83a,83b 電極(帯電部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 速水 俊一 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 山元 廣治 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BD20 CB03 EA03 HA10 2G052 AB00 AD06 AD26 AD46 ED00 ED11 FD09 4D056 AB18 AC03 AC04 AC07 AC21 BA12 CA07 CA23 CA34 CA36 CA37 CA39 CA40
Claims (23)
- 【請求項1】 第1の液体中に含まれる物質を、第2の
液体に溶かして抽出する抽出方法において、 流路内に、上記第1の液体と上記第2の液体とを、それ
ぞれ1又は2以上の層流状態で交互に接するように送液
して、上記第1の液体の第1の層流中の上記物質を、上
記第2の液体の第2の層流中に移動させる第1ステップ
と、 上記流路の下流側において、上記第2の液体を上記第1
の液体から分離する第2ステップと、を備えたことを特
徴とする、抽出方法。 - 【請求項2】 上記第1ステップにおいて、上記層流の
一つの幅が50μm以下であることを特徴とする、請求
項1記載の抽出方法。 - 【請求項3】 上記第2ステップは、 上記流路の下流側において、上記第1の層流を第1分岐
流路に流し、上記2の層流を第2分岐流路に流す、流路
分岐ステップを含むことを特徴とする、請求項1記載の
抽出方法。 - 【請求項4】 上記第2ステップは、 上記第1分岐流路又は上記2分岐流路のいずれか一方の
入口近傍を帯電させる、帯電ステップを含むことを特徴
とする、請求項3記載の抽出方法。 - 【請求項5】 混合された第1の液体と第2の液体とか
ら、第2の液体を分離する分離方法において、 微小な構造物が配置されいずれか一方の上記第1の液体
又は上記第2の液体が相対的に流れやすい第1空間と該
第1空間に沿って延在しかつ該第1空間に連通する第2
空間とを有する流路に、混合された上記第1の液体と上
記第2の液体を流す第1ステップと、 上記第2の液体が流れるいずれか一方の上記第1空間又
は上記第2空間の下流側において、上記第2の液体を回
収する第2ステップと、を備えたことを特徴とする、分
離方法。 - 【請求項6】 上記構造物は、上記第1空間側から上記
第2空間側に向けて延在する柱状構造物であることを特
徴とする、請求項5記載の分離方法。 - 【請求項7】 上記第1の液体と上記第2の液体のいず
れか一方は水を含み、上記構造物は撥水処理されたこと
を特徴とする、請求項5又は6記載の分離方法。 - 【請求項8】 第1の液体中に含まれる物質を、第2の
液体に溶かして抽出する抽出装置であって、 上記第1の液体と上記第2の液体とが、それぞれ1又は
2以上の層流状態で交互に接しながら流れ、上記第1の
液体の第1の層流中の上記物質が上記第2の液体の第2
の層流中に移動する、流路と、 該流路の下流側に接続され、上記第2の液体を上記第1
の液体から分離する分離部とを備えたことを特徴とす
る、抽出装置。 - 【請求項9】 上記流路において、上記層流の一つの幅
が50μm以下であることを特徴とする、請求項8記載
の抽出装置。 - 【請求項10】 上記分離部は、 上記第1の層流が流れる第1分岐流路と、上記2の層流
が流れる第2分岐流路を含むことを特徴とする、請求項
8記載の抽出装置。 - 【請求項11】 上記第1分岐流路又は上記2分岐流路
のいずれか一方の入口近傍を帯電させる帯電部を備えた
ことを特徴とする、請求項10記載の抽出装置。 - 【請求項12】 混合された第1の液体と第2の液体と
から、第2の液体を分離する分離装置において、 微小な構造物が配置され、いずれか一方の上記第1の液
体又は上記第2の液体が相対的に流れやすい第1空間
と、該第1空間に沿って延在しかつ該第1空間に連通す
る第2空間とを有する流路と、 上記第2の液体が流れるいずれか一方の上記第1空間又
は上記第2空間の下流側に接続され、上記第2の液体が
流れる排出口とを備えたことを特徴とする、分離装置。 - 【請求項13】 上記構造物は、上記第1空間側から上
記第2空間側に向けて延在する柱状構造物であることを
特徴とする、請求項12記載の分離装置。 - 【請求項14】 上記第1の液体と上記第2の液体のい
ずれか一方は水を含み、上記構造物は撥水処理されたこ
とを特徴とする、請求項12又は13記載の分離装置。 - 【請求項15】 第1の液体中に含まれる物質を第2の
液体に溶かして抽出する抽出装置に用いるチップであっ
て、 上記第1の液体と上記第2の液体とを、それぞれ1又は
2以上の層流状態で交互に接するように送液して、上記
第1の液体の第1の層流中の上記物質を、上記第2の液
体の第2の層流中に移動させることができる、流路を備
えたことを特徴とする、抽出装置用チップ。 - 【請求項16】 上記流路において、上記層流の一つの
幅が50μm以下であることを特徴とする、請求項15
記載の抽出装置用チップ。 - 【請求項17】 上記流路の下流側に接続され、上記第
1の層流が流れる第1分岐流路と、 上記流路の下流側に接続され、上記2の層流が流れる第
2分岐流路と、を備えたことを特徴とする、請求項16
記載の抽出装置用チップ。 - 【請求項18】 上記第1分岐流路又は上記2分岐流路
のいずれか一方の入口近傍を帯電させる帯電部を備えた
ことを特徴とする、請求項17記載の抽出装置用チッ
プ。 - 【請求項19】 混合された第1の液体と第2の液体と
から、第2の液体を分離する分離装置に用いるチップで
あって、 微小な構造物が配置され、いずれか一方の上記第1の液
体又は上記第2の液体が相対的に流れやすい第1空間
と、該第1空間に沿って延在しかつ該第1空間に連通す
る第2空間とを有する流路と、 上記第2の液体が流れるいずれか一方の上記第1空間又
は上記第2空間の下流側に接続され、上記第2の液体が
流れる排出口とを備えたことを特徴とする、分離装置用
チップ。 - 【請求項20】 上記構造物は、上記第1空間側から上
記第2空間側に向けて延在する柱状構造物であることを
特徴とする、請求項19記載の分離装置用チップ。 - 【請求項21】 上記第1の液体と上記第2の液体のい
ずれか一方は水を含み、上記構造物は撥水処理されたこ
とを特徴とする、請求項19又は20記載の分離装置用
チップ。 - 【請求項22】 第1の液体中に含まれる物質を、第2
の液体に溶かして抽出する抽出方法において、 層状の上記第1の液体と層状の上記第2の液体とが互い
に接するようにして、、上記第1の液体の第1の層流中
の上記物質を、上記第2の液体の第2の層流中に移動さ
せることを特徴とする抽出方法。 - 【請求項23】 第1の液体中に含まれる物質を、第2
の液体に溶かして抽出する抽出装置において、 上記第1の液体が層状に配置される第1液体空間と、上
記第2の液体が層状に配置される第2液体空間とが、層
方向に互いに接するように配置されたことを特徴とする
抽出装置。
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