JPWO2012029315A1 - イオン移動装置 - Google Patents

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Abstract

イオン化された物質を第1の方向に移動させる移動装置(30)を提供する。移動装置(30)はドリフトチューブ(50)を有し、ドリフトチューブ(50)は、外郭を構成する電極プレート(71)および(72)と、チューブ内に配置された複数のリング電極(60、61、62)とを含む。リング電極(60)は、イオン化された物質を軸方向の第1の方向に進行させるリニア駆動用の第1の交流電界を形成する。電極プレート(71)および(72)は、イオン化された物質の進行方向を偏向させる非対称な第2の交流電界を形成する。

Description

本発明は、イオン化された物質を移動させる装置に関するものである。
高感度に化学物質を検出、分析する技術として、近年フィールド非対称性イオン移動度分光計(FAIMS)と呼ばれる装置が注目を集めている。この装置では、センサーに印加する直流電圧と交流電圧を変化させることにより、イオン化された化学物質の移動度の変化を、微細なフィルタによって検出し、その検出結果の差異により化学物質を特定することが可能である。
特表2008−508693号公報(国際公開WO2006/013396)には、複数の電極を有する少なくとも1つのイオンチャネルの形状のイオンフィルタを有するイオン移動度分光計について記載されている。このイオン移動度分光計では、導電層に印加される時間変化する電位により、充填剤はイオン種を選択的に入れることができる。電位は、駆動電界成分および横電界成分を有し、好ましい実施形態において、電極のそれぞれは、駆動電界および横電界の両方の成分を生成するのに関与する。デバイスは、ドリフトガスフローがなくても用いることができる。
イオン移動度を測定する技術としてFAIMS(FAIMS、Field Asymmetric waveform Ion Mobility Spectrometry、フィールド非対称質量分析計、またはDIMS、Differential Ion Mobility Spectrometry)技術が知られている。FAIMS技術は、測定対象となる化学物質をイオン化し、イオン移動度が化学物質毎にユニークである性質を利用して、キャリアガス(バッファガス)中を移動させながら、差動型電圧(DV、Dispersion Voltage、Vd電圧、交流電圧、電界電圧Vrf、以降ではVf)と補償電圧(CV、Compensation Voltage、Vc電圧、補償電圧、直流電圧、以降ではVc)を変化させて、高電界と低電界とを非対称に交互に切り替える。これにより、目標外の化学物質は飛行途中で電界を生成させる電極(プレート)に衝突して電荷を失い検出されない。一方、検出目標のイオン化された化学物質は、この電圧Vfと電圧Vcの条件が適切に制御されれば、検出器まで到達し、検出器に流れる電流値として検出できる。
本発明の一態様は、イオン化された物質を第1の方向に移動させる移動装置である。この移動装置は、第1の方向に並んだ複数の第1の電極であって、当該複数の第1の電極の少なくとも一部の隣接する電極間に形成される電界方向が定期的に反転し、イオン化された物質の少なくとも一部を第1の方向に進行させるリニア駆動用の第1の交流電界を形成する複数の第1の電極と、第1の方向と異なる第2の方向に並び、イオン化された物質の少なくとも一部の進行方向を第2の方向に偏向させる非対称な第2の交流電界を形成する複数の第2の電極とを有する。
この移動装置においては、複数の第1の電極の少なくとも一部の隣接する電極間に形成される電界方向が定期的に反転する。典型的には、複数の第1の電極は、隣接する電極同士の極性が定期的に(短い周期で)反転するようにスイッチングされる。したがって、複数の第1の電極によりリニア駆動用の第1の交流電界が形成され、複数の第1の電極はイオン化された物質に対しリニア静電モータとして機能する。第1の方向は直線であっても曲線であってもよい。
電場中のイオンの平均移動速度vdは以下の式(1)で与えられる。
vd=KE ・・・(1)
ここで、Eは電場の強さであり、Kは移動度(イオン移動度)であり、各化学物質(分子、原子、ガス成分、組成物など)でユニークなパラメータである。したがって、イオン移動度と、電場の強さと、スイッチング速度(周波数)とを含む第1の交流電界の条件に合致(同期)した化学物質が第1の方向に移動され、移動装置から出力される。また、移動装置内では、第1の交流電界の条件に合致(同期)した化学物質の濃度が減るので、その化学物質が実質的に移動装置に吸い込まれる。
第2の方向に並んだ複数の第2の電極により形成される非対称な第2の交流電界は、FAIMS技術で示したように、イオン移動度が第2の交流電界の条件に合致した化学物質が第2の電極間に留まる。したがって、この移動装置においては、第2の交流電界の条件に合致した化学物質が第2の電極間に留まり、その化学物質が第1の交流電界の条件に合致していれば高速で第1の方向に移動される。このため、高い選択性能を備え、微量でも特定の化学物質を効率よく移動させることが可能な移動装置を提供できる。
リニア静電駆動を可能にする第1の交流電界を形成するためには高い電界強度を必要とするが、マイクロマシンまたはMEMS技術により複数の第1の電極間の距離を狭めることで、非常に高い電圧を用いなくてもイオン化された化学物質を移動できる。また、コンパクトな移動装置を提供できる。
複数の第1の電極は、複数の第2の電極が形成する第2の交流電界内に配置されていることが好ましい。たとえば、複数の第1の電極は、複数の第2の電極の中の、対面する2つの電極のほぼ中間に第1の方向に並んで配置された複数のリング状電極を含むものである。さらに、複数の第2の電極の対面する2つの電極は、筒状の流路を形成し、複数のリング状電極は、筒状の流路の中心線に沿って配置されていることが好ましい。第2の交流電界の一例は、交流成分および直流成分を含むものである。
本発明の他の態様の1つは、上記の移動装置と、移動装置に流入する物質をイオン化するイオン化ユニットと、移動装置から吐出された物質を検出する検出器とを有する装置(イオン移動度センサー、検出装置、測定装置)である。移動装置は、第1の交流電界および第2の交流電界の条件に合致した化学物質を検出器に送る。したがって、分離能力(解像度)の高いイオン移動度センサーおよびそれを用いた検出装置を提供できる。また、このセンサーにおいては、第1の交流電界によりセンサーの内部で随時、イオン化された化学物質を加速できる。このため、イオン化された化合物の移動距離を長くすることが可能であり、さらに分離あるいは選択性能の高いセンサーを提供できる。
移動装置から吐出された物質を蓄積するアキュムレータを設けることも有効である。検出器で確認された化学物質を選択的にアキュムレータに蓄積できる。アキュムレータに蓄積された化学物質は、フィードバックパスを介して移動装置に供給し、移動装置で再選別させ、検出精度を上げたり、さらに純度の高い化学物質をアキュムレータに蓄積したりすることが可能である。
本発明の他の態様の1つは、上記の移動装置を複数有する合成装置である。合成装置は、複数の移動装置のそれぞれから吐出された物質を蓄積する反応チャンバーと、反応チャンバー内の物質に反応エネルギーを供給する供給ユニットとを有する。移動装置により空気中などから合成に必要な化学物質を分子レベルで選択し、反応チャンバーに送り、所望の化学物質を合成できる。
合成装置は、さらに、複数の移動装置のそれぞれに供給される物質を蓄積する複数のアキュムレータと、複数のアキュムレータのそれぞれに物質を供給する複数の移動装置とを有することも有効である。移動装置により、大気中などから合成のソースとなる化学物質を分子レベルで選択し、アキュムレータに事前に蓄積できる。
本発明の他の態様の1つは、移動装置を含む検出装置および/または合成装置を有する端末である。本発明の移動装置は、ターゲットの化学物質(分子、原子)を自吸できる。さらに、この移動装置をMEMSあるいはマイクロマシンにより実現することが好ましい。したがって、移動装置を用いた各種の装置は、移動装置の他のポンプを省略でき、全体を非常にコンパクトに纏めることができる。このため、移動装置を用いた装置を携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末に搭載することが可能となる。
本発明の他の態様の1つは、第1の方向に並んだ複数の第1の電極と第2の方向に並んだ複数の第2の電極とを含む移動装置によりイオン化された物質を第1の方向に移動させることを含む方法、たとえば、制御方法である。移動させることは以下のステップを含む。
・複数の第1の電極にリニア駆動用の第1の交流電界を形成させること。
・複数の第2の電極に非対称な第2の交流電界を形成させること。
移動させることは、イオン化された物質を検出器に向けて移動させることを含んでいてもよい。また、移動させることは、イオン化された物質を反応チャンバーに向けて移動させることを含んでいてもよい。
イオン移動度センサーの概略構成を示す図。 ドリフトチューブの構成を示す断面図。 ドリフトチューブの構成を示す他の方向の断面図。 非対称な交流電界を形成する電圧変化を示す図。 リニア駆動用の交流電界の変動を示す図。 ドリフトチューブにおいてイオンが移動する様子を示す図。 電界スイッチング速度を変えることによりイオン電流が変化する様子を示す図であり、図7(a)は第1のスイッチング速度、図7(b)は第2のスイッチング速度、図7(c)は第3のスイッチング速度により得られる電流値の変化を示す。 ソフトウェア制御ユニットの処理の一例を示すフローチャート。 フィードバックユニットの使用状態を示す図。 合成装置の概略構成を示す図。 移動ユニットの概略構成を示す図。 イオン移動度センサーの異なる例を示す図。 イオン移動度センサーが搭載された携帯端末を示す図。
発明の実施の形態
図1に、本発明に関わるイオン移動度センサーの概要を示している。このセンサー10は、大気または呼気などのサンプルガス1の吸引口11と、吸引されたサンプルガス1に含まれる粒子などの異物を除去するフィルタ12と、サンプルガス1に含まれる成分を適当な方法でイオン化するイオン化ユニット13と、イオン化された物質(化学物質)を、交流電場を用いて移動する移動ユニット(イオンフィーダ、イオンコンベア)30と、移動ユニット30により搬送された化学物質を検出する検出器15とを有する。移動ユニット30は、U字型のドリフトチューブ(フィーダ)50を備えており、イオン化ユニット13に入力側の端51が繋がった一方の直管部52が導入管となり、他方の直管部55が放出管となり、放出管55の先端56が検出器15に連通している。導入管52の端53と放出管55の端54とが曲管57により接続されている。
イオン化ユニット13は、放射線源(N63)によりイオン化するタイプ、コロナ放電によりイオン化するタイプあるいはその他のタイプであってもよい。検出器15は、イオン化された化学物質が到達すると電流値として到達した化学物質の量を測定する検出用電極15aを含む。また、検出器15は、検出器15の環境条件、たとえば、温度、湿度、圧力、流量などを取得するためのセンサー群15sを含む。
センサー10は、さらに、移動ユニット30の導入管52の放出側の端53と入力側の端51とを連通するフィードバックユニット200を含む。フィードバックユニット200は、移動ユニット30の導入管52の放出側の端53に連通したアキュムレータ(分離チャンバー)201と、アキュムレータ201と移動ユニット30の入力側の端51とを連通するバイパス管202と、バイパス管202の出口(移動ユニット30の入力側)に設けられたイオン化ユニット203とを含む。フィードバックユニット200は、さらに、アキュムレータ201の内圧を制御する不活性ガスボンベ(バッファ)204と、アキュムレータ201をクリーンアップする真空排気ユニット205とを含む。
さらに、フィードバックユニット200は、ラインを切り替えるためのバルブ211〜215と、フィードバックユニット200の環境情報を取得するためのセンサー群221および222を含む。
移動ユニット30のドリフトチューブ50は、典型的には全体が円筒状で直径が1μm〜10mmであり、好ましくは10〜1000μmであり、さらに好ましくは、10〜500μmである。ドリフトチューブ50は、半円筒状の2枚の電極プレート(第2の電極、半円筒状電極)71および72を含む。これらの電極プレート71および72は絶縁体を挟んでチューブ50の外郭を構成するように組み立てられている。電極プレート71および72は、導入管52を構成するグループと、曲管57および放出管55を構成するグループとに分離されており、各々のグループにより独立した電界を形成できるようになっている。なお、印加される電圧を高くできる状況であれば、ドリフトチューブ50の直径はさらに大きくてもよい。また、ドリフトチューブ50は断面が角型、たとえば正方形または長方形のチューブであってもよい。
ドリフトチューブ50は、さらに、電極プレート71および72の中心付近に、ドリフトチューブ50の軸方向Xに配置されたリング状の複数の電極(第1の電極)60を有する。リング状電極60は、適当な間隔で配置されており、隣接する電極、たとえば、奇数番目の電極61と偶数番目の電極62には相互に異なる極性の電圧が印加される。電極60間の距離は、たとえば1μm〜1000μmであり、好ましくは10〜500μmである。リング状電極60の直径は、1μm〜1000μmであり、好ましくは、10〜500μmであり、さらに好ましくは10〜100μmである。なお、印加される電圧を高くできる状況であれば、リング状電極の各サイズはさらに大きくてもよい。複数のリング状電極60は、導入管52内に電界を形成するグループと、曲管57および放出管55の内部に電界を形成するグループとに分離されており、各々のグループにより独立した電界を形成できるようになっている。
センサー10は、リング状電極60および電極プレート71および72に電力を供給してこれらの電極により形成される電界を制御する駆動制御ユニット100を有する。駆動制御ユニット(制御ユニット)100は、リング状電極60によりリニア駆動用の第1の交流電界を形成させる第1の電界制御ユニット110と、電極プレート71および72により非対称な第2の交流電界を形成させる第2の電界制御ユニット120とを含む。
第1の電界制御ユニット110は、リング状電極60の奇数番目の電極61と偶数番目の電極62とに印加される電圧Vd1およびVd2の極性を定期的に切り替えて、隣接する電極61および62の間に形成される電界方向を定期的に反転させる。これにより、サンプルガス1に含まれるイオン化された化学物質(イオン化されたターゲットケミカル、以降ではイオンまたはイオン化された分子)5を軸方向(第1の方向)Xに移動させるリニア駆動用の第1の交流電界がリング状電極60により形成される。電圧Vd1およびVd2は0.1〜50MHz程度、10〜200V程度の交流電圧またはパルス状にスイッチングされた電圧である。電圧Vd1およびVd2の周波数および電圧値は電極60のサイズおよび間隔に依存し、上記の範囲でなくてもよい。
第2の電界制御ユニット120は、電極プレート71および72に、交流電圧(交流電界)Vfと補償電圧Vcとを印加し、軸方向Xと直交するY方向(第2の方向)に非対称な交流電界を形成する。交流電圧Vfは、0.1〜50MHz程度、10〜200V程度の高周波であり、補償電圧Vcは交流電圧の範囲内で非対称な電界を形成するのに適した直流電圧である。交流電圧Vfおよび直流電圧Vcの周波数および電圧値は電極プレート71のサイズおよびギャップに依存し、上記の範囲でなくてもよい。
駆動制御ユニット100は、さらに、移動ユニット30により検出器15に放出されたターゲットの化学物質5の量を電流値として取得する測定ユニット130と、フィードバックユニット200の監視および制御を行うフィードバック制御ユニット140と、検出器15から得られる測定値に基づいて電界制御ユニット110および120の設定値などをソフトウェアにより変更するソフトウェア制御ユニット150と、シミュレータ160と、データベース170とを含む。測定ユニット130は、測定値である電流値に加え、検出器15のセンサー群15sから環境情報を取得し、測定値を補正する。フィードバック制御ユニット140は、フィードバックユニット200に設けられたバルブ211〜215を制御してライン切替を行い、さらに、センサー群221および222の値を取得してフィードバックユニット200の各部分、たとえば、アキュムレータ201の状態などを監視する。
図2は、ドリフトチューブ50を、サンプルガス1の流入方向、すなわち軸方向Xに直交する方向Yに沿って切った断面図である。図3は、ドリフトチューブ50を、サンプルガス1の流入方向、すなわち軸方向Xに沿って切った断面図である。チューブ50は、半円筒状の2枚の電極プレート71および72が絶縁体78および79を挟んで組み立てられ、筒状の外郭を構成している。
ドリフトチューブ50の中心付近に、軸方向Xに沿ってリング状の微小電極61および62が適当な間隔で配置されている。それぞれの電極61および62は、リング状の先端部63と、先端部63に電力を供給するように絶縁体78および79を貫通してドリフトチューブ50の外側に表れたリード64とを含む。図2および図3では、奇数番の電極61のリード64と偶数番の電極62のリード64とを異なる方向に導いて、それらのリード64に極性の異なる電圧Vd1およびVd2を印加しやすい構成としている。しかしながら、電極61および62のリード64の配置はこれに限定されない。
図4に、電極プレート71および72に印加される非対称な交流電圧の一例を示している。交流電圧(交流電界)Vfと直流の補償電圧Vcとを組み合わせることにより、時刻t11、t12、t13にパルス状に変化する非対称な交流電界75が形成される。また、補償電圧Vcを変えることにより矢印76に示すように電界75の非対称性が変わり、ドリフトチューブ50を通過するイオン5のY方向への変位(偏向)を制御することができる。
図5に、リング状の微小電極61および62を介して極性の異なる電圧(駆動電圧)Vd1およびVd2が印加される様子を示している。本図に示すように、ドリフトチューブ50の微小電極61および62にそれぞれ印加される電圧Vd1およびVd2は、時間が時刻t0、t1〜t22、t23と経過すると、所定の時間間隔で極性が相互に異なるようにスイッチングされる。その結果、軸方向Xにリニア駆動用の第1の交流電界65が形成される。
図6に、ドリフトチューブ50の内部におけるイオン化された分子5が移動する様子を模式的に示している。微小電極61および62に供給される駆動電圧Vd1およびVd2により形成される駆動用の第1の交流電界65の周波数f1および電界強度E1と、ターゲットの分子5の移動度Kとの関係が合致(同期)すると、実線の矢印6に示したように、同期した分子5はリニアモーターの原理によりドリフトチューブ50の軸方向Xに加速される。ドリフトチューブ50を通過したイオン5は、ドリフトチューブ50の出口56に用意されている検出器15の検出用電極15aに到達し、イオン電流として検出される。
一方、移動度Kが、微小電極61および62により形成される駆動用の交流電界65の周波数と合致(同期)しない分子は、破線の矢印7に示すように、電極プレート71または72の方向に偏向し、電極プレート71または72に接触して放電する。したがって、検出器15ではイオン電流として検出されない。すなわち、イオン化された分子5が電極71または72に衝突するとチャージを喪失するので、検出器15ではその物質電流値は計測されず、そのような分子がドリフトチューブ50を通過したとしても検出器15では検出されない。イオン化された分子が微小電極61または62に接触した場合も同様である。
すなわち、リング状の微小電極61および62は、電極プレート71および72が構成するドリフトチューブ50の中心軸Xに沿って配置されており、電極プレート71および72の中間に位置し、電極プレート71および72により形成される非対称な第2の交流電界75の内部に配置される。したがって、ドリフトチューブ50に吸引されたイオン化された分子5は、リニア駆動用の第1の交流電界65の影響を受けるとともに、電極プレート71および72によりY方向に形成される非対称な第2の交流電界75の影響を受ける。このため、リニア駆動用の第1の交流電界65でチューブ50の内部を移動しない分子5は、第2の交流電界75の影響を受けてリング状の微小電極61および62の範囲から外れ、電荷を喪失する。
また、非対称な電場によりイオン化された化学物質のフィルタリングを行うFAIMS技術では、交流電圧Vfと直流の補償電圧Vcにより形成される非対称な交流電界(交流電場)75とイオン移動度Kとの関係が合致する分子(目標化学物質)5は、電極プレート71および72の中心付近に集中することが知られている。したがって、電極プレート71および72の中心付近に配置されたリング状電極61および62により形成されるリニア駆動用の第1の交流電界(交流電場)65の条件を、非対称な第2の交流電界75により集められる分子5のイオン移動度Kと同期させることにより、非対称な第2の交流電界75によりフィルタリングされた分子5をドリフトチューブ50により所定の方向Xへ搬送することができる。このため、キャリアガスによらず、直接、目標化学物質5をドリフトチューブ50により所望の方向へ、たとえば、検出器15の側に送り込むことができる。
図7(a)〜(c)に、リニア駆動用の第1の交流電界65を形成する電圧Vd1およびVd2の周波数(電界スイッチング速度)と、それにより検出されるイオン電流の幾つかの例を示している。電界スイッチング速度を変えることにより、移動ユニット30のドリフトチューブ50により搬送されるイオン5が変わり、センサー15に送り込まれるイオン5が変わる。したがって、センサー15を通過するイオン5が変わり、イオン電流の値(スペクトル)が変化する。
この移動ユニット30においては、駆動制御ユニット100を用い、リニア駆動用の第1の交流電界65の条件および非対称な第2の交流電界75の条件のいずれか一方または両方をソフトウェアにより制御できる。特に、リニア駆動用の第1の交流電界65の条件をソフトウェアにより制御することにより、移動ユニット30のドリフトチューブ50を流れる分子(サンプルガス)の流速を制御できる。このため、機械式にキャリアガスの流量を制御する場合と比較して、ドリフトチューブ50内のガス流量(ガス流速)を細かく制御できる。したがって、移動ユニット30を備えたセンサー10においては、イオン5のドリフト速度をいっそう細かく制御することにより、安定した精度の高い測定が可能となる。
例えば、イオン化された測定対象の化学物質は、基本的に第2の交流電界75を形成する交流電圧Vfの値と補償電圧Vcの値により選択的に測定することが可能となる。さらに、リニア駆動用の第1の交流電界65を測定対象のイオン化された化学物質に合うように発生させることで、移動ユニット30の選択性(フィルタリング性能)を向上できる。したがって、移動ユニット30により送り込まれたイオン5を検出する検出器15の検出電流値(波形)がより鮮明で精度の高いものになることが期待される。また、リニア駆動用の第1の交流電界65のスイッチング速度も、検出器15において検出された電流値(測定値)を目標に、より感度の高い組み合わせをソフトウェア制御ユニット150により、調整・発見することが可能となる。したがって、このセンサー10においては、ソフトウェア制御により、ターゲットのイオン5を検出するための第1の交流電界65の条件(スイッチング速度)を、広いスイッチングレンジで変化させ、それに対して得られる検出電流値(ピーク波形)の特性から、より検出効率の良い条件を探す。そして、最終的には、センサー10によりターゲットのイオン5を検出する条件をスイートスポットとして決定する。
図8に、ソフトウェア制御ユニット150における処理の一例を示している。ステップ301で、データベース170に用意されている流速制御テーブルと電界スイッチング・テーブル変換表から、初期値とステップ数を取り出し、電界スイッチングを開始する(初期化)。これにより、移動ユニット30のドリフトチューブ50の内部にリング状電極61および62によりリニア駆動用の第1の交流電界65が形成される。
ステップ302で、測定ユニット130を介して検出器15の電流値を取得する。電流値は移動ユニット30により検出器15に送り込まれたイオン化された化学物質の量を示す。ステップ303において電流値がゼロであれば、ステップ304において、指定されたステップ数を増加させて電界スイッチングを変更し、リニア駆動用の第1の交流電界65の条件を変更する。
電流値がゼロでなければ、ステップ305において、今回の測定に際し移動ユニット30のドリフトチューブ50の非対称の第2の交流電界75を形成する条件、すなわち、交流電圧Vfおよび補償電圧Vcと、検出器15から得られた電流ピーク値とをグループ化して相関を取る。データベース170に用意されている、各化学物質のプロファイル、たとえば標準的な状態における交流電圧Vfおよび補償電圧Vcとピークとの相関を、今回の測定条件(環境条件を含め)に合うようにシミュレータ160を用いてシミュレーションし、シミュレーション判定テーブルを生成する。そして、得られた相関と、シミュレーション判定テーブルとを比較して評価関数を新しく計算する。
ステップ306で、評価関数の値が過去の測定より増加しないのであれば、ステップ304においてリニア駆動用の第1の交流電界65の条件を変更する。
一方、ステップ306で、評価関数の値が過去の測定より増加したのであれば、ステップ307で今回測定した第2の交流電界の条件VfおよびVcと電流ピーク値との相関を加味してシミュレーション判定テーブルを更新する。必要があれば、評価関数の係数値を更新する。
ステップ308において、検出器15で得られた電流値全体のピークに改善が見られる場合は、移動ユニット30のドリフトチューブ50に形成される第1の交流電界65および第2の交流電界75の条件を維持し、センサー10における測定を続ける。改善が見られない場合は、ステップ309でシュミレーテッド・アニーリングや乱数によるカット&トライによるパラメータ変更を行い、測定ピーク改善の可能性を計算する。
この移動ユニット30を採用したセンサー10においては、移動ユニット30により所望のイオン5をフィルタリングするとともに自律的に搬送し、検出器15に送り込む。したがって、キャリアガスによらず、直接、目標化学物質を検出器側に送り込むことができる。移動ユニット30のドリフトチューブ50においては、第1の交流電界65と第2の交流電界75とにより目標の化学物質が濃縮される傾向があり、ドリフトチューブ50の内部での分圧が高くなったり、濃度が高くなったりして分子間衝突が激しくなる可能性がある。したがって、導入するサンプルガス1に含まれる目標化学物質の濃度はある程度低いレベルであることが望ましい。逆に、従来のキャリアガスのように大きなガス流量を必要としないので、サンプルガス1の濃度を強制的に高くしたりしなくてもよい。このため、低濃度の化学物質でも検出できる精度の高いセンサー10を提供できる。
この方式の移動ユニット30を採用したセンサー10の他の優れた点は、FAIMSの場合、測定対象のイオン化された化学物質の濃度があるレベルを超えると、電流値の測定可能範囲を超えてしまうが、移動ユニット30で検出器15に到達する化学物質の量を制限することにより測定可能な範囲に収めることができることである。すなわち、検出器15の電流値をモニターしながら、移動ユニット30の移動速度を自動で補正して、流量制御を電子的に行う自動測定を実現できる。キャラクタライゼーションが完了したデータベースにFAIMSの特性、すなわち、第2の交流電界75の条件が判明している化学物質に対しては、サンプルガス1に含まれる測定化学物質の濃度に応じ、移動ユニット30において形成する第2の交流電界75の条件と第1の交流電界65の条件とを制御して検出器15に至るサンプルの流量を変え、自動計測を実現することが可能である。
また、このセンサー10においては、移動ユニット30が、目標とする化学物質を選択的に吸引して送り出す。したがって、目標とする化学物質以外の物質を移動ユニット30が吸い込む可能性は小さくなり、さらに、ゴミなどを含めて強制的にセンサーに送り込むキャリアガスを省くことができる。このため、通常、FAIMS分析装置は、装置入力前にカーボン・ファイバーやマイクロフィルタを装着しているが、これらのフィルタを省ける可能性がある。これらのフィルタは、測定に影響を及ぼす危険性のある微粒子を除去する方式を採用するのが一般的ではあるが、系全体から見ると圧力低下要因であり、圧力を維持するためにさらに多量で高圧のキャリアガスが必要となる。このため、フィルタを大量に設けて一定圧力バランスを維持するためにはポンプの台数を増やす必要があり、コストアップの要因になっていた。
図9に、移動ユニット30およびフィードバックユニット200を備えたセンサー10により化学物質を測定する処理の一例を示している。まず、フィードバック制御ユニット140が、ドリフトチューブ50の入力側51に設けられた第1の制御バルブ211を開けてサンプルガス1を入力する。上述しているように、移動ユニット30は、イオンコンベアとしての機能を備えているので、メカニカルなポンプやキャリアガスを用いなくてもサンプルガス1を取得できる。すなわち、このイオンセンサー10は、大気から自律的にサンプルガス1を吸入できる。
所定のガス量を吸い込むと、第1の制御バルブ211をクローズし、測定が終了する迄、開放しない。第1の制御バルブ211をオープンすると同時に、不活性ガス204をアキュムレータ201に導入するための第5の制御バルブ215はクローズし、アキュムレータ201とバイパス管202とを接続する第4の制御バルブ214もクローズにし、ドリフトチューブ50の導入管52の放出側53とアキュムレータ201とを接続する第3の制御バルブ213をオープンする。
アキュムレータ(分離チャンバー)201は真空排気ユニット205により予め真空状態にされ、この段階ではアキュムレータ201は真空排気ユニット205から遮断されている。この状態でドリフトチューブ50の第1の電極60(61および62)によりリニア駆動用の第1の交流電界65が形成され、第2の電極71および72により非対称な第2の交流電界75が形成されると、ドリフトチューブ50の導入管52により、測定対象の化学物質5がサンプルガス1から分離され、アキュムレータ201に送り込まれる。
アキュムレータ201の内圧が外気圧と同じ1気圧に到達すると同時に、第3の制御バルブ213をクローズし、アキュムレータ201をドリフトチューブ50から分離し、いったんドリフトチューブ50をパージ(平衡状態)にする。たとえば、リニア駆動用の第1の交流電界65および非対称な第2の交流電界75をさまざまな条件で駆動し、ドリフトチューブ50の内部に存在している物質の濃度バランスを平衡状態にする。その後、ドリフトチューブの入力側を大気に接続する第1の制御バルブ211をクローズする。
その後、バイパス管(フィードバックループ)202とドリフトチューブ50の入力側51とを接続する第2の制御バルブ212、不活性ガス204をアキュムレータ201に導入する第5の制御バルブ215、アキュムレータ201とバイパス管202とを接続する第4の制御バルブ214をオープンする。この操作により、アキュムレータ201に蓄積されたガスがイオン化ユニット203を介してドリフトチューブ50にフィードバックされる。アキュムレータ201に蓄積されたガスに含まれる成分は、ドリフトチューブ50によりフィルタリングされた成分が主であり、測定対象の化学物質5の濃度の高いガス(濃縮ガス)2となっている。
ドリフトチューブ50の導入管52を用いて、アキュムレータ201に蓄積されたガス(濃縮ガス)2の濃度をさらに上げる場合は、第2の制御バルブ212をオープンするとともに第3の制御バルブ213をオープンしてドリフトチューブ50の導入管51の放出側53をアキュムレータ201に連通する。第5の制御バルブ215は、アキュムレータ201の内圧を外気圧と同じになるように、不活性ガス204をアキュムレータ201にスイッチング制御しながら徐々に導入する。これにより、一定圧力を保ちながらアキュムレータ201からバイパス管202への供給が強制的にではあるが、緩やかに行われる。この供給は、アキュムレータ201の内圧が極端に減圧せずに、適当なリターン(フィードバック)流量が確保できれば十分である。
サンプルガス1に含まれる測定対象の物質が非常に低濃度の場合は、複数回このフィードバックユニット200を用いてドリフトチューブ50にフィードバックすることにより、アキュムレータ201内の測定対象の化学物質の濃度を高くすることができる。アキュムレータ201は、たとえば、多孔質ガラスなどの吸着材が含まれたコンプレッシングチャンバーであってもよく、超小型の貯蔵庫を実現できる。濃度調整はフィードバックユニット200を用いたフィードバック回数を記憶することで可能である。また、多孔質ガラスなどの温度を上昇させてアキュムレータ201に蓄積されていた化学物質を一挙に放出して濃度を高めることも可能である。
アキュムレータ201の濃縮ガス2に含まれる測定対象の化学物質の種類および濃度を検出器15で検出する場合は、ドリフトチューブ50とバイパス管202とを接続する第2の制御バルブ212をオープンし、ドリフトチューブ50とアキュムレータ201とを接続する第3の制御バルブ213をクローズする。濃縮ガス2は、ドリフトチューブ50の導入管52、曲管57および放出管55により搬送され、放出管55の放出側56に取り付けられた検出器15に放出される。そして、放出されたガスに含まれるイオン化された分子5が電流値として計測される。
このように、移動ユニット30を備えたイオンセンサー10は、サンプルガス1をセンサー10に流すためのメカニカルなポンプを省略できる。すなわち、このセンサー10においては、ポンプを使用してサンプルガス1を吸引あるいは供給してもよく、ポンプを使用しなくてもよい。
従来の非対称電場を用いてイオンを分離するFAIMSセンサーでは、イオン化ユニットを通過した後、飛行経路を形成すると同時に2つの電極プレートに対して非対称な電圧を印加するが、サンプルガスを検出器側に流すために、一定の圧力で一定流量(流速)のガス流をメカニカルポンプにより生成している。これに対し、本例のセンサー10に採用されている移動ユニット30においては、非対称な交流電場を形成するシステムに加えて、微細加工された微小電極であって、隣接する電極の極性がプラスマイナスに相互に高速にスイッチングされる電極を設け、ドリフトチューブ50の内部でイオンをリニア駆動している。したがって、イオン化された化学物質は、検出器の方向へ押し出されるように移動する。
このセンサー10、またはこのセンサー10を用いたセンサーシステムにおいては、従来のFAIMSタイプのセンサーとは異なり、化学物質の分子量とイオン移動度、イオン量に応じて、目標とする化学物質を移動(搬送)するためのスイッチング制御を行う。このメカニズムにもイオン移動度が関連するため、目標とする化学物質を搬送するだけではなく、フィルタリングする効果も同時に得られる。したがって、目標とする化学物質が非常に低い濃度で大気中などに存在している場合であっても、それを標的として検出器15まで搬送でき、低濃度でも確実に検出することが可能となる。
さらに、このセンサー10は、移動ユニット30を目標の化学物質をアキュムレータ201に集めて濃縮するために用いている。したがって、目標の化学物質をさらに感度よく検出することができる。
また、フィードバックユニット200を設け、フィードバックループ(バイパス管)202を介して複数回分離したり、複数回測定をすることにより、イオン化された化学物質測定が陽子親和力や電子親和力のエネルギーの違いにより隠れて測定範囲に入らなくなるような物質の測定も可能となる。
すなわち、FAIMS技術によりイオンを測定する場合、イオン化ユニットによって、間接イオン化を採用する場合があり、この場合、プロトン親和力や電子親和力により、測定対象サンプルとキャリアガス中に含まれる化学物質の組み合わせによっては、イオン授受(伝達)の比率が変化して、測定データが変化し、測定が困難になるケースがある。放射線源やコロナ放電等の間接イオン化を採用してサンプル分析や特定を行う場合、目標とする化学物質およびその組み合わせによっては、イオン化容易性が変化する。このため、目標する化学物質を絶対値としての(電流値だけでの)測定が非常に困難な場合があった。つまり、測定サンプルにより、運が良ければ、クリアで信頼性の高い測定が可能で、組み合わせによっては、UV(紫外線)による直接イオン化を行わないと測定が難しい場合があった。
これに対し、フィードバックユニット200においては、濃度の高いガス2が形成されるだけではなく、バイパス管202を通過するたびにイオン化ユニット203でイオン化される。したがって、検出器15に到達するガスの状態(イオン化状態)を安定させることが可能であり、安定した測定を行うことができる。
また、このイオンセンサー10においては、移動ユニット30が、イオン化された化学物質を電界差動ポンプのように機能するドリフトチューブ50によりアキュムレータ201に送り込み、プロトン・アフィニティやエレクトロン・アフィニティのイオン化が容易なものから検出器15に供給して順次測定して排気することができる。これにより、イオン化の優先順位が下位にある化学物質であっても、複数回、フィードバックループ202を通して測定を繰り返すことにより測定が可能となる。
また、ドリフトチューブ50の特性(リニア駆動用の第1の交流電界の特性)を、プラスイオンを搬送するものと、マイナスイオンを搬送するものに切り替え、プラスマイナスのイオンを別々の条件で濃縮したり、検出したり、排出したりすることが可能となる。このように、ドリフトチューブ50はさまざまな条件でイオンを選択および搬送できるので、ドリフトチューブ50の往復回数を増加させることで、測定対象の化学物質の純度を選択的に上げ、より精度の高い計測結果を得ることができる。
図10に、ナノ・レベルでのソフトウェア制御による化学物質の合成装置の概略構成を示している。この合成装置500は、3つの移動ユニット(移動装置、イオンポンプ、イオンフィーダ、イオンコンベア、イオンインジェクタ)30a、30bおよび30cと、それらの移動装置から化学物質が投入される化学反応チャンバー510と、化学反応チャンバー510に電場を加える電力供給ユニット(エネルギー供給ユニット)520と、電場をオンオフすることにより化学反応をスイッチング制御する反応制御ユニット530と、合成された製品を放出するポンプ540と、合成された製品の成分を確認するためのイオン移動度センサー10とを含む。3つの移動ユニット30a、30bおよび30cは、大気中の異なる成分(第1の成分、第2の成分、第3の成分)をそれぞれのアキュムレータに濃縮し、それぞれの成分を化学反応チャンバー510に投入する機能を含む。
図11に、移動ユニット30aの構成を示している。他の移動ユニット30bおよび30cも同様の構成である。移動ユニット30aは、第1のドリフトチューブ50aと、フィードバックユニット200とを含み、第1のドリフトチューブ50aにより、大気から所定の成分を選択してアキュムレータ201に搬送および貯蔵することができる。移動ユニット30aは、さらに、第2のドリフトチューブ50bと検出器15とを含む、これらによりイオン移動度センサー39が構成される。したがって、ユニットにビルトインされたイオン移動度センサー39によりアキュムレータ201に貯蔵された成分をモニタリングしたり、化学反応チャンバー510に投入(吐出)される成分をモニタリングすることができる。
この移動ユニット30aは、所定の成分を大気からアキュムレータ201に集めるドリフトチューブ50aが、アキュムレータ201から所定の成分を反応チャンバー510に供給するドリフトチューブとしての機能を兼ねているが、収集用のドリフトチューブと、供給用のドリフトチューブとをそれぞれ設けることも可能である。所定の成分の採取と、供給とを並列に行えるので、合成用のソース(資源)の枯渇を抑制できる。
それぞれの移動ユニット30a〜30cは、ドリフトチューブ50aの第1の交流電界および第2の交流電界の条件を制御することにより、極めて高い精度で大気中の分子を選択でき、それをアキュムレータ201に蓄積できる。さらに、ドリフトチューブ50aの第1の交流電界および第2の交流電界の条件を制御することにより、極めて微量な量の化学物質を搬送することが可能であり、分子単位に近いレベルで化学物質の量を制御できる可能性がある。したがって、化学反応チャンバー510により極めて微量の化学物質を合成することが可能となり、さらに、合成用の資源を大気中から集めることによりメンテナンスフリーに近い合成装置500を提供できる。
化学反応を推進する適切な酵素や触媒を選択するために、従来は、膨大な時間と労力が必要だった。合成装置500においては、より高い精度で、必要な化学物質を選択して、反応チャンバー510に誘導でき、化学物質の量、種類を制御することにより、さまざまな物質を連続的に、または瞬間的に、化学反応チャンバー510で合成できる。化学反応チャンバー510には、電力の他に、光、磁力などで合成用のエネルギーを与えてもよく、また、適当な触媒を内部に配置しておいてもよい。また、合成に時間を要してもよい場合は、化学反応を触媒や酵素により行わせることも可能であり、所望の反応を起こす触媒や酵素を選択する試験装置を使用することも可能である。
また、化学反応チャンバー510により生成された成分を、さらに合成用の資源としてフィードバックすることも可能である。合成装置500を、適当に条件が設定された移動ユニット30により化学反応チャンバー510の生成物を選択してアキュムレータ201に蓄積し、異なるタイミングで化学反応チャンバー510に供給するように構成することができる。たとえば、有機系の生成物のオリジナルのソースとして空気中の酸素と、窒素と、二酸化炭素とを選択し、化学反応チャンバー510で、まず、炭素数の少ない低級の有機物を合成し、次に、それらを資源として炭素数の多い高級の有機物を合成することが可能である。合成装置500はさまざまな分野に適用できる。一例は、匂い発生装置である。
図12に、移動ユニットを含むイオン移動度センサーの異なる例を示している。このセンサー600は、入力ポート601と、イオン化ユニット602と、移動ユニット30dと、検出器15と、排気ポート603とを有する。移動ユニット30dは、並列に配置された複数のドリフトチューブ50を含む。複数のドリフトチューブ50を並列に配置することにより吸引できるサンプルガスの量が増加する。1つのドリフトチューブ50の好適なサイズは数μm〜数100μmである。したがって、複数のドリフトチューブ50を並列に配置したとしてもイオン移動度センサー600の全体のサイズは数mm〜数cmであり、さらに、移動ユニット30dはメカニカルなポンプが不用なので、極めて簡易な構成でコンパクトであり、簡単に携帯電話などの携帯端末にビルトインできるイオン移動度センサーを提供できる。
図13に、携帯電話端末700に、マイクロフォン701とともにイオン移動度センサー600をビルトインした例を示している。この携帯電話端末700は、ユーザーの呼気をイオン移動度センサー600により常時モニタリングできる。したがって、呼気に含まれている化学物質をモニタリングすることにより、ユーザーの健康管理、病気の初期状態の発見、疾病の進行状態のモニタリングなどが可能となる。
なお、上記に示した例は移動装置を適用した装置あるいはシステムの一例であり、移動装置は、微量成分の選択および搬送(輸送)を必要とするアプリケーションに広く適用できる。

Claims (15)

  1. イオン化された物質を第1の方向に移動させる移動装置であって、
    前記第1の方向に並んだ複数の第1の電極であって、当該複数の第1の電極の少なくとも一部の隣接する電極間に形成される電界方向が定期的に反転し、イオン化された物質の少なくとも一部を前記第1の方向に進行させるリニア駆動用の第1の交流電界を形成する複数の第1の電極と、
    前記第1の方向と異なる第2の方向に並び、イオン化された物質の少なくとも一部の進行方向を前記第2の方向に偏向させる非対称な第2の交流電界を形成する複数の第2の電極とを有する移動装置。
  2. 請求項1において、前記複数の第1の電極は、前記複数の第2の電極が形成する第2の交流電界内に配置されている、移動装置。
  3. 請求項2において、前記複数の第1の電極は、前記複数の第2の電極の対面する2つの電極のほぼ中間に前記第1の方向に並んで配置された複数のリング状電極を含む、移動装置。
  4. 請求項3において、前記複数の第2の電極の対面する2つの電極は、筒状の流路を形成し、前記複数のリング状電極は、前記筒状の流路の中心線に沿って配置されている、移動装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記第2の交流電界は、交流成分および直流成分を含む、移動装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の移動装置と、
    前記移動装置に流入する物質をイオン化するイオン化ユニットと、
    前記移動装置から吐出された物質を検出する検出器とを有する、装置。
  7. 請求項6において、前記移動装置から吐出された物質を蓄積するアキュムレータをさらに有する、装置。
  8. 請求項7において、前記アキュムレータから前記移動装置の入り口側へ前記アキュムレータ内の物質を供給するフィードバックパスをさらに有する、装置。
  9. 請求項1ないし5のいずれかに記載の移動装置を複数有する装置であって、
    前記複数の移動装置のそれぞれから吐出された物質を蓄積する反応チャンバーと、
    前記反応チャンバー内の物質に反応エネルギーを供給するエネルギー供給ユニットとを有する装置。
  10. 請求項9において、前記複数の移動装置のそれぞれに供給される物質を蓄積する複数のアキュムレータと、
    前記複数のアキュムレータのそれぞれに物質を供給する複数の供給用の移動装置とを有し、
    前記複数の供給用の移動装置のそれぞれは、請求項1ないし5のいずれかに記載された移動装置である、装置。
  11. 請求項6ないし10のいずれかに記載の装置を有する携帯端末。
  12. 第1の方向に並んだ複数の第1の電極と第2の方向に並んだ複数の第2の電極とを含む移動装置によりイオン化された物質を第1の方向に移動させることを含む方法であって、
    前記移動させることは、
    前記複数の第1の電極にリニア駆動用の第1の交流電界を形成させることと、
    前記複数の第2の電極に非対称な第2の交流電界を形成させることとを有する、方法。
  13. 請求項12において、
    前記移動させることは、イオン化された物質を検出器に向けて移動させることを含む、方法。
  14. 請求項12または13において、
    前記移動させることは、イオン化された物質をアキュムレータに向けて移動させることを含む、方法。
  15. 請求項12ないし14のいずれかにおいて、
    前記移動させることは、イオン化された物質を反応チャンバーに向けて移動させることを含む、方法。
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