JP5815438B2 - 多層フィルムの製造方法及び多層フィルムの製造装置 - Google Patents

多層フィルムの製造方法及び多層フィルムの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、多層フィルムの製造方法及び多層フィルムの製造装置に関するものである。
近年、積層体流を単層ダイから押し出して多層フィルムを製造する際、多層フィルムの両端部を単層とし、該単層部分にフィルムの回収屑を投入してコストダウンを図ることが行われている。例えば、ポリエチレン−2,6−ナフタレートからなる多層フィルムは優れた機械特性を有するが、ポリマーが高価であるため、上記のような両端部の単層化が有効である。
両端部を単層化する装置としては、特許文献1にフィードブロックに設けたディストリビューションピンを用いて、両端部を単層化する複層製膜装置が開示されている。しかし、特許文献1に開示の方法では、例えば図7(a)に示すように、多層部と両端の単層部との境界22a、22bがシャープにならず丸まってしまい、製品にするために24の位置でトリミングして端部を回収する際、フィルムの回収屑からなる層以外の部分を余分にトリミングすることになるので、多層製品部の巾Wpが狭くなってしまい、コストダウンの効果が充分に発現しないという問題があった。
一方、特許文献2、特にその図6には、比重差のある2つの溶融樹脂を多層にする際、流路の一部を閉塞して多層に合流する方法及び装置が開示されている。しかし特許文献2に開示の方法では、多層部の層厚み分布の均一化が難しい場合があった。
特開2005−279986号公報 特開2004−330505号公報
本発明の目的は、例えば、両端部が単層化された多層フィルムにおける、多層部と両端の単層部との境界をシャープにしたり、多層製品部の各層厚みを巾方向に均一にする多層フィルムの製造方法および装置を提供することにある。
上記本発明の課題は以下の製造方法及び製造装置によって達成される。すなわち、
2種以上の溶融樹脂をフィードブロック内で2層以上に合流させ、積層体流を形成させた後単層ダイから押し出す多層フィルムの製造方法であって、該フィードブロック内の樹脂合流部に、隔壁により分離された2個以上の切り欠き溝を有するディストリビューションピンを設け、該2個以上の溝に、互いに異なる2種以上の溶融樹脂を通過させつつ合流させることを特徴とする多層フィルムの製造方法、
及び、
2種以上の溶融樹脂を2層以上に合流させ、積層体流を形成させるフィードブロックと、該積層体流を押し出す単層ダイとを備えてなる多層フィルムの製造装置であって、該フィードブロック内の樹脂合流部に、隔壁により分離された2個以上の溝を有するディストリビューションピンを設け、該2個以上の溝に、互いに種類の異なる溶融樹脂を通過させることを特徴とする多層フィルムの製造装置、
が提供される。
本発明によれば、両端部が単層化された多層フィルムにおける、多層部と両端の単層部との境界がシャープにできるので、多層フィルム製造の際のコストダウンが図れる上、多層部の各層厚みを巾方向に均一にする事が出来る。
本発明の多層フィルムの製造装置の、一実施形態を例示したフロー図である。 本発明の多層フィルムの製造装置の、フィードブロックの一例を示す断面図である。 本発明の多層フィルムの製造装置の、フィードブロックの樹脂合流部の一例を示す斜視図である。 (a)はディストリビューションピンに設けられた切り欠き溝の一例を示す斜視図及び切り欠き溝を通過した一方の溶融樹脂(A)と、他方の溶融樹脂(B)とが合流した後の積層状態を示す模式図である。 (b)はディストリビューションピンに設けられた切り欠き溝の他の例を示す斜視図である。 (c)はディストリビューションピンに設けられた切り欠き溝の他の例を示す斜視図である。 (d)はディストリビューションピンに設けられた切り欠き溝の他の例を示す斜視図である。 (e)はディストリビューションピンに設けられた切り欠き溝の他の例を示す斜視図である。 (f)はディストリビューションピンに設けられた切り欠き溝の他の例を示す斜視図である。 (g)はディストリビューションピンに設けられた切り欠き溝の他の例を示す斜視図である。 (a)は本発明により得られる、多層フィルムの層厚みの比率を示すグラフ。 (a)は本発明により得られる、多層フィルムの層厚みの比率を示すグラフ。 (a)は従来の多層フィルムの断面の層構成を示す模式図であり、(b)は本発明の多層フィルムの断面の層構成を示す模式図である。
以下図面を参照して、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態を例示したフロー図であり、中心の製品となる部分が多層積層され、両端部が単層となるシート、又は延伸フィルム用の押出装置のうち、押出機からキャスティングドラムまでを示している。以下2層の積層を主体に説明するがこれに限定されるものではない。
上記2層シートの押出装置は、2層シートの表層及び両端の単層部となる樹脂Bの流れ方向の上流側に押出機1があり、図示を省略するが、ギアポンプ、フィルターを配置しポリマーパイプ2となっている。同様に2層シートの裏層となる樹脂Aの流れ方向の上流側に押出機3、ギアポンプ、フィルターを配置し、ポリマーパイプ4となっている。
そして、フィードブロック5の内部で2つの溶融樹脂を合流させ単層ダイ6からシート状に積層された溶融樹脂8を押し出す構成となっている。
ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムであれば、この未延伸溶融シートを図示を省略した公知のピンニング方法で、例えば静電式やエアチャンバー、ニップロールの方法でキャスティングドラム7に密着冷却させ、未延伸シート8とし、図示を省略した公知の装置によって縦延伸、および/または横延伸を施す。
次に、フィードブロックとディストリビューションピン、および両端の単層部との境界の形状と多層部分の層厚み分布について説明する。
図2は、本発明の多層フィルムの製造装置における、2層フィードブロックの断面の一例を示している。フィードブロック5へは、樹脂Aと樹脂Bがそれぞれa、bの方向に流入し、樹脂Aはディストリビューションピン11に設けられた切欠き溝12で一旦絞られ、その後樹脂Bと合流して2層の溶融樹脂流となりダイ6へと導かれる。
ところで、図7(a)は、従来の方法で両端を単層化した2層シートの断面の層構成である。エッジの境界22a、22bが丸くなり斜めになるため、境界の遷移領域巾Wsが広がってしまい、コストダウン効果が充分に発現できない。
本発明者らは、この現象を、溶融樹脂の合流部を中心に検討した結果、ディストリビューションピンに、隔壁により分離された2個以上の切り欠き溝を設け、該2個以上の溝に、互いに異なる2種以上の溶融樹脂を通過させつつ合流させる(例えば、樹脂(A)は溝12を通過させ、樹脂(B)は溝13を通過させる。)ことにより、図7(b)のようにシャープなエッジ境界22a、22bが得られることを究明した。
図3は、フィードブロック5の樹脂合流部の一例を示す斜視図であり、図4(a)はディストリビューションピン11に設けられた切り欠き溝の一例を示す斜視図、及び切り欠き溝を通過した溶融樹脂(A)と、溶融樹脂(B)とが合流した後の積層状態を示す模式図であり、図7(b)は最終的に得られる多層フィルムの断面の模式図である。図4(a)においてディストリビューションピン11には樹脂Aが通過する溝12と、樹脂Bが通過する2個の溝13が形成され、それぞれの溝は隔壁により分離されている。
即ち、隔壁14aによって樹脂(A)と樹脂(B)の流れる位置を適切に規制し、両樹脂を合流させることで、得られる2層フィルムの断面において、両端部の単層境界部分22a、22bの形状がシャープになると推察される。
尚、図4(a)においては、樹脂(A)が通過し、2層部の23bを形成させる溝12の形状は、主たる第1の面12aと主たる第2の面12bの、異なる2面の底面を有する形状を例示しており、これらの面をある曲率で滑らかにつなぐ例を示している。
面12aを底面とする溝は、対面の本体部材15とで構成される概ね矩形の断面流路を形成して樹脂の流れを絞り、2層部23bの形状を適切に整える。2層部23bの層厚みの分布をダイ巾方向に調整するため、例えば図4(b)のように主たる第1の面12aの溝の深さをディストリビューションピンの長手方向に沿って連続的に変化させることも可能である。
一方、面12bを底とする溝は、隔壁14aの長さを下流側まで十分に形成する目的と、樹脂(A)の流れ方向aを、主流である樹脂(B)の流れ方向bに沿う向きに転換させ両樹脂が概ね平行に合流する目的で設けており、両端部の境界をよりシャープにする効果がある。
溝13を通過した樹脂Bはエッジ単層部23cを形成することになり、これらの溝は隔壁14aの面積を大きくして樹脂AとBの隔離を明確にする目的から、溝の底を曲面に掘り込んだ例を示している。
更に本発明の他の例として、図4(c)は溝13の底面がフラットであるもの、図4(d)は溝12が主たる第1の面12aのみで構成されるものが例示できる。
隔壁の厚み、つまり隔壁14aで挟まれたフィン14の厚みは、突出し量にもよるがスムースに樹脂を合流させるため薄い方が好ましく、0.2〜5.0mmであり、より好ましくは0.2〜1.0mmである。更にその厚みは、図4(e)〜図4(g)のように連続的に変化するものであっても良い。
隔壁14aは、その面積を大きくするため、その先端の少なくとも一部にディストリビューションピン11の周面を含む事が好ましい。図4(e)の14bのように隔壁の根元に曲率を持たせてもよい。
また、本発明においては、図4(b)に示す如く、2層シート部分の幅と、両端の単層化した部分の幅は、それぞれ溝巾W2とW1によって設定することができるが、ピンの溝巾W1が狭くても、両端の単層化した部分の幅を大きくすることが可能となる。換言すれば、両端の単層化した部分の幅に対して溝巾W2を比較的大きくとることができる。一般にW2が大きいとフィードブロック5で合流した樹脂がダイ6において巾方向に展開される際の巾の拡大率が小さくなるので、2層シート部分の層厚みを均一にできたり、溝深さ形状によって、層厚みを細かく設定できるため層厚み分布を精密に調整しやすい利点がある。
本発明の図7(a)において、2層シート部23bの層厚みの割合は0.2〜0.8が好ましく、0.2より小さいと両端の単層化した部分との境界22a、22bの形が大きく変化することは少なく、0.8より大きいと境界のシャープ化は困難である。
本発明においては、前述のように、2種類以上の樹脂を溶融させて多層に積層し、このうちの一方の樹脂で両端を単層化する場合を含むが、この際、単層化する樹脂としてはフィルム屑を回収し再生した樹脂を一定の割合で使用することが好ましい。これによりフィルム全体として、屑の投入割合が増え、逆に言えばフレッシュな原料の投入割合が減り、生産コストを下げることができる。
本発明において使用する樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましくフィルムへの製膜が可能なものであれば、従来公知のものを採用でき、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂を用いることができ、特にポリエステル系樹脂(以下、単にポリエステルという)が好ましい。
ポリエステルの中でも、ヤング率等の力学的特性を高める場合は、ジオール成分と芳香族ジカルボン酸成分との重縮合によって得られる芳香族ポリエステルが好ましく、かかる芳香族ジカルボン酸成分として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸などの6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸が挙げられ、またジオール成分として、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。これらの中でも、寸法安定性を要求される場合は、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするものが好ましい。
上記樹脂には、公知の滑剤を含むことができる。樹脂のうち少なくとも一つに不活性粒子が含有されており、それらの粒子が硫酸バリウムおよび/または炭酸カルシウムおよび/または酸化チタンとする場合には、特許文献2に記載の方法に比べて多層フィルムの各層厚みの分布を更にフラットにできる。
本発明の製造方法で製造される二軸配向フィルムは、例えば、上述の熱可塑性樹脂を溶融状態で押出し、二軸方向に延伸することで製造でき、製膜方法などは公知のものを採用することができる。
二軸配向多層フィルムのシート化から延伸、フィルム屑の回収について説明すると、原料である数種類のチップは、スクリューフィーダーやブレンダーである一定の重量割合で混合ブレンドされ、そのチップを必要に応じて一定の時間乾燥し、図1の装置で熱可塑性樹脂の融点(Tm)〜(Tm+50)℃の温度で溶融させダイ6からシート状に押出し20〜70℃のキャスティングドラム7で急冷固化し、未延伸シート8を得る。
その後、未延伸シートを常法に従い、一軸方向(縦方向または横方向)に(熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)−10)〜(Tg+70)℃の温度で2.5〜8.0倍の倍率で、好ましくは3.0〜7.5倍の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向とは直角方向(一段目延伸が縦方向の場合には、二段目延伸は横方向となる)に(Tg)〜(Tg+70)℃の温度で2.5〜8.0倍の倍率で、好ましくは4.5〜7.5倍の倍率で延伸する。さらに、必要に応じて、縦方向および/または横方向に再度延伸してもよい。すなわち、2段、3段、4段あるいは多段の延伸を行うとよい。
全延伸倍率としては、通常9倍以上、好ましくは10〜35倍、さらに好ましくは12〜30倍である。全横延伸倍率としては2.5〜8.0倍が好ましい。延伸前にフィルムへの付加機能膜を塗工し、延伸、乾燥させても良い。
さらに、前記二軸配向多層フィルムは(Tg+70)〜(Tm−10)℃の温度、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムの場合、180〜250℃で熱固定結晶化することによって、優れた寸法安定性が付与される。その際、熱固定時間は1〜60秒が好ましい。前述の説明で、TgおよびTmは2種類以上の樹脂のうち、より高いTg、Tmを有する樹脂の値とする。
熱固定された延伸フィルムは、端部をトリミングし、トリミングされた端部は回収再チップ化系統へと移送する。単層部への遷移域を回収系統に含むようにトリミングすると製品多層部の厚み斑と巻き姿が良好となる。
回収系統では従来公知である方法、装置を用いることができる。例えば、端部を細かく裁断し必要に応じ乾燥し、再生押出機、フィルター、口金を用いて棒状に溶融押出させ、さらに水冷固化させ裁断機でサイコロ状にカットし、必要に応じ脱水処理し、再生チップとする。
製品部のフィルム屑については、通常エッジ部とは組成がことなるため別系統で回収し前述と同様の手法で再生チップ化できる。図1の押出機、及び/または前述の再生押出機が2軸押出機である場合は、材料の乾燥を省略できる。さらにフィルム屑を直接図1の2軸押出機に投入できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。尚、物性の測定方法は下記の通りである。
(1)層境界の観察
未延伸シートまたは2軸延伸フィルムから小片を切り出しエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロトームにて約60nmの厚みの超薄切片(フィルムの製膜方向および厚み方向に平行に切断する)を作成する。この超薄切片の試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−800型)にて観察し、層の境界の状態を調べた。この際、シートの巾方向に沿って観察を繰り返し、縦軸に各層の厚み比率を%でとり、横軸にフィルムの全巾を1.0に正規化してプロットし、図5、図6のようにグラフにした。
(2)多層部の層厚み分布の評価
○ ・・・ 2層部の層厚みの最大と最小の差が、平均層厚みの4%より小さい。
△ ・・・ 2層部の層厚みの最大と最小の差が、平均層厚みの4%〜10%。
× ・・・ 2層部の層厚みの最大と最小の差が、平均層厚みの10%より大きい。
(3)両端の単層部と多層部との境界形状の分布の評価
図7(a)において、2層シートの断面の多層製品部の巾Wpと、エッジ単層境界のの遷移領域の巾Wsとの比Ws/(Ws+Wp)を下記の基準で評価した。
○ ・・・ Ws/(Ws+Wp)の最大と最小の差が0.02より小さい。
△ ・・・ Ws/(Ws+Wp)の最大と最小の差が0.02〜0.05。
× ・・・ Ws/(Ws+Wp)の最大と最小の差が0.05より大きい。
尚、実施例、比較例で用いた樹脂は以下の通りである。
(1)樹脂P1・・・固有粘度が0.525dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)。
(2)樹脂P2・・・固有粘度が0.620dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)。
(3)樹脂Q1
固有粘度が0.640dl/gのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートで、共重合量が12mol%であって、平均粒径0.8μmの硫酸バリウムを4重量%含有したもの。
(4)樹脂Q2
固有粘度が0.640dl/gのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートで、共重合量が12mol%であって、平均粒径0.8μmの硫酸バリウムを27重量%、さらに平均粒径が1.7μmの炭酸カルシウムを20重量%含有したもの。
実施例1
図1の押し出し装置、図2の2層フィードブロック、図4(a)のディストリビューションピンを用いて両端部が単層化された2層の未延伸シートを連続的に作成し、さらに2軸延伸した。
単層部の樹脂となる樹脂Bとして前述の樹脂P1を、樹脂Aとして前述の樹脂P2を用意し、170℃で6時間乾燥後、押出し機1および3にそれぞれ供給し、295℃まで加熱して溶融状態とし、ギアポンプで吐出量を一定とし、ポリマーフィルターで濾過し、ポリマーパイプを通してフィードブロック5へ導いた。
フィードブロック5において、ディストリビューションピン11は、W1=4.8mm、W2=19.6mm、フィンの厚みt=0.4mmで合計の流路巾が30mmとし、主たる第1の面12aの溝深さを8.0mm、溝13は曲率がR=15mm、最大深さが9mm、とした。
ついで積層された樹脂をダイ6へ導きシート状に吐出させ、図示を省略した静電ピンニングワイヤーで60℃に温調されたキャスティングドラム7にシートを密着冷却させ、約790mm巾で2層部の樹脂Aの層厚みの割合が0.70の未延伸シート8を連続的に作成し2軸延伸した。吐出量は樹脂P1が132kg/h、樹脂P2が168kg/hであった。
得られた未延伸シートの評価結果を表1に、得られた層厚みのグラフを図5(a)に示す。エッジ境界部の形状はシャープであり、2層製品部の層厚み分布も良好であった。
実施例2
樹脂Aとして前述の樹脂Q1を、樹脂Bとして前述の樹脂Q2を、図4(e)のディストリビューションピンを用いて合流させ、樹脂Aの層厚み比率が0.2になるように調整し、2層延伸フィルムを連続的に作成した。
得られた2軸延伸フィルムの評価結果を表1に、得られた層厚みのグラフを図6(a)に示す。2層製品部の層厚み分布が良好であった。
比較例1
図4(a)で溝13をなくした以外は実施例1と同様に実施して多層フィルムを製膜した。得られた未延伸シートの評価結果を表1に、層厚みのグラフを図5(b)に示す。両端の単層部の境界の形状と2層層厚みの分布形状が悪いものであった。
比較例2
図4(e)で溝13をなくした以外は実施例2と同様に実施して多層フィルムを製膜した。得られた2軸延伸フィルムの評価結果を表1に、グラフを図6(b)に示す。2層の層厚みの分布形状が悪かった。
Figure 0005815438
本発明によれば、多層フィルムの両端の単層部との境界をシャープにすることが可能となるので、コストダウンを図ることができ、また、多層フィルムの各層の層厚みを均一化できる。
1 樹脂A側の押出機
2 樹脂A側のポリマーパイプ
3 樹脂B側の押出機
4 樹脂B側のポリマーパイプ
5 2層フィードブロック
6 Tダイ
7 キャスティングドラム
8 溶融未延伸シートまたは未延伸シート
11 ディストリビューションピン
12 ピン11の樹脂Aが通過する切欠き溝
12a 主たる第1の面の溝底部
12b 主たる第2の面の溝底部
13 ピン11の樹脂Bが通過する切欠き溝
14 フィン
14a 隔壁
14b 隔壁の根元R部分
15 本体部材
21 未延伸シート断面の2層の層境界
22a、22b 未延伸シート断面の2層部とエッジ単層部の境界
23a 未延伸シート断面の2層製品部の樹脂Bからなる層
23b 未延伸シート断面の2層製品部の樹脂Aからなる層
23c 未延伸シート断面の樹脂Bからなるエッジ単層部分
24 トリミング位置
A:樹脂A
B:樹脂B
W1:溝13の巾
W2:溝12の巾
Wp:多層製品部の巾
Ws:エッジ単層境界の遷移領域の巾
Z:ディストリビューションピン11の軸方向
a:樹脂Aの流れ方向
b:樹脂Bの流れ方向

Claims (9)

  1. 2種以上の溶融樹脂をフィードブロック内で2層以上に合流させ、積層体流を形成させた後単層ダイから押し出す多層フィルムの製造方法であって、該フィードブロック内の樹脂合流部に、隔壁により分離された2個以上の切り欠き溝を有するディストリビューションピンを設け、該2個以上の溝に、互いに異なる2種以上の溶融樹脂を通過させつつ合流させることを特徴とする多層フィルムの製造方法。
  2. 隔壁の厚さが0.2〜5.0mmである請求項1記載の多層フィルムの製造方法。
  3. ディストリビューションピンの長手方向に沿った溝の深さが、連続的に変化している請求項1又は2に記載の多層フィルムの製造方法。
  4. 溝の底部が、平面で構成されている請求項1、2又は3に記載の多層フィルムの製造方法。
  5. 溝の底部が、主たる第1の面と主たる第2の面の、異なる2面の底面を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層フィルムの製造方法。
  6. 溝の底部が、曲面で構成されている請求項1、2又は3に記載の多層フィルムの製造方法。
  7. ディストリビューションピンが、円柱体の周面に溝を形成させたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層フィルムの製造方法。
  8. 溶融樹脂中に、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び酸化チタンからなる群から選ばれた少なくとも1種の不活性粒子が含まれている請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層フィルムの製造方法。
  9. 2種以上の溶融樹脂を2層以上に合流させ、積層体流を形成させるフィードブロックと、該積層体流を押し出す単層ダイとを備えてなる多層フィルムの製造装置であって、該フィードブロック内の樹脂合流部に、隔壁により分離された2個以上の溝を有するディストリビューションピンを設け、該2個以上の溝に、互いに種類の異なる溶融樹脂を通過させることを特徴とする多層フィルムの製造装置。
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