JP7119954B2 - 多層体の製造装置及び製造方法、並びに多層フィルムの製造方法 - Google Patents

多層体の製造装置及び製造方法、並びに多層フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多層体の製造装置及び製造方法、並びに多層フィルムの製造方法に関する。
樹脂の多層体からなる多層シートを延伸して得られる多層フィルムは、屈折率の低い層と高い層とを交互に多数積層させることで発現する層間の構造的な光干渉によって、特定波長の光を選択的に反射または透過する光学干渉フィルムとすることができる。また、このような多層フィルムは、各層の膜厚を厚み方向に沿って徐々に変化させたり、異なる反射ピークを有するフィルムを貼り合せたりすることで、幅広い波長範囲に渡って光を反射または透過させることができるので、金属を使用したフィルムと同等の高い反射率を得ることができ、金属光沢フィルムや反射ミラーとして使用することもできる。さらには、このような多層シートを1方向に延伸することで、特定の偏光成分のみを反射する偏光反射フィルムとしても使用でき、液晶ディスプレイなどの輝度向上部材等に使用できることが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
上記のような多層フィルム(多層体)の製造に際しては、複合流に機械的操作を繰り返すことによって層数を増やす装置が以前から用いられている(例えば、下記特許文献2参照)。また、下記特許文献3及び8には、フィードブロックで形成した特定の層厚み分布を有する溶融積層流(多層積層構造)を、スクエアミキサーを用いて分割、結合して層数を増やすに際し、樹脂の分配比(流路の面積比)を変える装置が開示されている。この装置では、上記の分配比に比例して互いに厚みが異なり且つ互いに相似の層厚み分布を有する複数の多層積層構造を形成し、それらの多層積層構造を積層方向に結合して多層体を製造する。また、下記特許文献4及び5には、少なくとも2つあるいはそれ以上の支流の流量を独立的に調節するため、複数の交換可能又は回転可能な羽根を備えた界面生成装置が開示されている。
また、下記特許文献6には、保護境界層を形成する多層ポリマー物体の押出成形方法が開示されており、下記特許文献7には、フィードブロックの合流部にディストリビューションピンを設け表面層用ドープが切欠き溝を流れる複層膜製造装置が開示されている。
特表平11-508378号公報 米国特許第3759647号公報 特開2007-176154号公報 特開平4-278323号公報 特開平4-278324号公報 特表平8-501994号公報 特開2005-279986号公報 特開昭55-154128号公報
多層フィルムは、総厚さ調整等のために厚膜層を有する場合があるが、多層積層構造(溶融積層流)に厚膜層(溶融樹脂層)を積層してからスクエアミキサーによる分割、結合をして層数を増やそうとすると、スクエアミキサーでの分配比を変えたとしても、多層積層構造の厚みと厚膜層の厚みとの比が同じ積層体しか得られない。
多層積層構造と厚膜層の厚み比が異なる積層体同士を結合するためには、例えば2種類のフィードブロックを用いて、互いに異なる多層積層構造と厚膜層との積層体を形成して合流することが考えられるが、装置が大掛かりなものとなる。
本発明は、より簡便に、多層積層構造と厚膜層との厚み比が互いに異なる複数の積層体を結合して、多層体を製造するための多層体の製造装置及び製造方法、並びに多層フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様の多層体の製造装置は、少なくとも2種類の溶融樹脂を交互に積層して多層積層構造の第1溶融積層流を形成する多層積層装置と、層厚が互いに異なる複数の異厚領域が、前記第1溶融積層流の積層方向及び流れ方向と直交するウェブ交差方向に並んで設けられた溶融樹脂層を、前記第1溶融積層流における前記積層方向の少なくとも片面に積層することで、前記第1溶融積層流における前記複数の異厚領域の積層領域がそれぞれ異なる厚みとされた第2溶融積層流を形成する多層フィードブロックと、前記第2溶融積層流を前記複数の異厚領域の境界部で分割し、複数の第3溶融積層流を形成すると共に、当該複数の第3溶融積層流を各々の積層方向に結合し、多層体を形成する分割結合装置と、を備えている。
第1の態様では、先ず多層積層装置において、少なくとも2種類の溶融樹脂が交互に積層されて多層積層構造の第1溶融積層流が形成される。次いで、多層フィードブロックにおいて、第1溶融積層流における積層方向の少なくとも片面に溶融樹脂層が積層され、第2溶融積層流が形成される。上記の溶融樹脂層には、層厚が互いに異なる複数の異厚領域が、第1溶融積層流の積層方向及び流れ方向と直交するウェブ交差方向に並んで設けられる。この溶融樹脂層が上記のように第1溶融積層流に積層されて形成された第2溶融積層流では、第1溶融積層流における上記複数の異厚領域の積層領域がそれぞれ異なる厚みとされる。次いで、分割結合装置では、第2溶融積層流が上記複数の異厚領域の境界部(境界又は境界付近)で分割され、複数の第3溶融積層流が形成される。これら複数の第3溶融積層流(積層体)では、第1溶融積層流に由来する多層積層構造と、上記複数の異厚領域に由来する樹脂層(以下、「厚膜層」と称する場合がある)との厚み比が互いに異なる。そして、これら複数の第3溶融積層流が、上記の分割結合装置において、各々の積層方向に結合されて多層体が形成(製造)される。このようにして製造された多層体では、第1溶融積層流に由来する多層積層構造と、上記複数の異厚領域に由来する厚膜層との厚み比が互いに異なる複数の積層体が結合された構成になる。しかも、2種類のフィードブロックを用いて互いに異なる多層積層構造と厚膜層との積層体を形成して合流する必要がないため、上記の多層体をより簡便に製造することができる。
本発明の第2の態様の多層体の製造装置は、第1の態様において、前記多層体の層数が32層~2009層の範囲内に設定されている。
第2の態様では、多層体の層数が上記の範囲内に設定されている。ここで、層数が32層より少ないと、多層体を光学干渉フィルムとして使用する際の透過性能または反射性能に制約が生じる場合があり、層数が2009層より多いと、生産性およびフィルムのハンドリング性などが悪化する場合があるが、本態様ではそのような問題を回避することができる。
本発明の第3の態様の多層体の製造装置は、第2の態様において、前記少なくとも2種類の溶融樹脂は、前記多層積層装置が有する多数のスリットを通過して積層されると共に、前記多数のスリットの数が15個~501個の範囲内に設定されている。
第3の態様では、第1溶融積層流の材料となる少なくとも2種類の樹脂は、多層積層装置が有する多数のスリットを通過して積層される。そして、これら多数のスリットの数が15個~501個の範囲内に設定されている。ここで、スリット数が15個より少ないと、多層体の層数が少なくなるため、多層体を光学干渉フィルムとして使用する際の透過性能または反射性能に制約が生じる場合があり、スリット数が501個より多いと装置が大型化するという問題が生じるが、本態様ではそのような問題を回避することができる。
本発明の第4の態様の多層体の製造装置は、第3の態様において、前記スリットの幅寸法が0.2mm~4.0mmの範囲内に設定されている。
第4の態様では、第1溶融積層流の材料となる少なくとも2種類の樹脂が通過する多数のスリットは、その幅寸法が0.2mm~4.0mmの範囲内に設定されている。ここで、各スリットの幅寸法が0.2mmより狭いと、各スリットの幅寸法に対して各層の流量が敏感に反応し高精度の加工を要求され、各スリットの幅寸法が4.0mmより広いと、樹脂に加わる圧力が不足して各スリットへの流量分配がばらつき易くなるが、本態様ではそのような問題を回避することができる。
本発明の第5の態様の多層体の製造装置は、第3又は第4の態様において、前記多数のスリットの数が31個以上であって、隣接する少なくとも30個の前記スリットは、前記流れ方向の長さが前記積層方向の一方側から他方側へ向かうほど増加するように形成されている。
第5の態様では、上記のようにスリットの長さが増加することで、層厚が徐々に変化する多層積層構造を比較的容易に多層体に設けることができるので、多層体を光学干渉フィルムとして使用する際の反射帯域の広域化が可能となる。
本発明の第6の態様の多層体の製造装置は、第1~第5の態様の何れか1つの態様において、前記分割結合装置は、マルチプライヤーまたはスクエアミキサーである。
第6の態様では、多層フィードブロックによって形成された第2溶融積層流が、マルチプライヤーまたはスクエアミキサーによって分割、結合される。マルチプライヤーでは、第2溶融積層流を、少なくとも2以上の第3溶融積層流に分割して結合することができる。スクエアミキサーでは、第2溶融積層流を2つ程度の少ない数の第3溶融積層流に分割して結合することができる。また、スクエアミキサー及びマルチプライヤーでは、必要に応じて、各第3溶融積層流の多層積層構造の厚みが所定の分配比となるように、各第3溶融積層流の流量を独立して調節することができる。上記の分配比が大きい場合、異なる層厚みを有する多層積層構造を2つまたはそれ以上有することとなる。その結果、多層体を光学干渉フィルムとして使用する際の反射帯域の広域化が可能となる。
本発明の第7の態様の多層体の製造装置は、第1~第6の態様の何れか1つの態様において、前記分割結合装置は、前記分割から前記結合に至る2つの前記第3溶融積層流が流れる2個の通路を有し、当該2個の通路は、少なくとも前記結合の直前において前記2つの第3溶融積層流の流量が同等になるように形成されている。
第7の態様によれば、分割結合装置において分割から結合に至る2つの第3溶融積層流が、当該分割結合装置に設けられた2個の通路を流れる。これら2個の通路は、少なくとも上記結合の直前において上記2つの第3溶融積層流の流量が同等になるように形成されている。これにより、上記2つの第3溶融積層流が結合されて構成される多層体の反射率を向上させることができる。
本発明の第8の態様の多層体の製造装置は、第1~第7の態様の何れか1つの態様において、前記多層フィードブロックは、前記積層方向の平均高さが互いに異なる複数の異厚流路が前記ウェブ交差方向に並んで設けられた層厚調整流路を有し、当該層厚調整流路を前記溶融樹脂層が通過することで、前記溶融樹脂層に前記複数の異厚領域が設けられる。
第8の態様によれば、多層フィードブロックは、積層方向の平均高さが互いに異なる複数の異厚流路がウェブ交差方向に並んで設けられた層厚調整流路を有している。そして、この層厚調整流路を溶融樹脂層が通過することで、溶融樹脂層に複数の異厚領域が設けられる。これにより、簡素な構成で、溶融樹脂層に複数の異厚領域を設けることができる。
本発明の第9の態様の多層体の製造装置は、第8の態様において、前記多層フィードブロックは、ブロック本体と、当該ブロック本体に取り付けられたピン部材とを有し、前記ピン部材には、前記層厚調整流路の一部を構成する切欠溝が形成されており、当該切欠溝は、前記積層方向の平均深さが互いに異なる複数の異深溝部を有する。
第9の態様では、多層フィードブロックのブロック本体に取り付けられたピン部材には、層厚調整流路の一部を構成する切欠溝が形成されており、当該切欠溝は、積層方向の平均深さが互いに異なる複数の異深溝部を有している。これにより、積層方向の平均高さが互いに異なる複数の異厚流路が層厚調整流路に設けられている。このため、上記のピン部材(切欠溝)を交換することにより、複数の異厚流路の上記平均高さを容易に変更することができるので、溶融樹脂層に設けられる複数の異厚領域の層厚等の調整が容易になる。また例えば、上記のピン部材を円柱状に形成し、当該ピン部材の外周部に複数種類の上記切欠溝を形成すると共に、当該ピン部材をブロック本体に対して軸線回りに回転可能に取り付ければ、当該ピン部材の回転操作によって上記の調整を容易に行うことが可能となる。
本発明の第10の態様の多層体の製造装置は、第9の態様において、前記切欠溝は、前記複数の異深溝部の境界が段付き状に形成されている。
第10の態様によれば、層厚調整流路の一部を構成する切欠溝は、複数の異深溝部の境界が段付き状(ステップ状)に形成されている。これにより、溶融樹脂層に設けられる複数の異厚領域の境界が明確になるので、複数の異厚領域の層厚をより精密に調整をすることが可能となる。
本発明の第11の態様の多層体の製造方法は、少なくとも2種類の溶融樹脂を交互に積層して多層積層構造の第1溶融積層流を形成する第1工程と、層厚が互いに異なる複数の異厚領域が、前記第1溶融積層流の積層方向及び流れ方向と直交するウェブ交差方向に並んで設けられた溶融樹脂層を、前記第1溶融積層流における前記積層方向の少なくとも片面に積層することで、前記第1溶融積層流における前記複数の異厚領域の積層領域がそれぞれ異なる厚みとされた第2溶融積層流を形成する第2工程と、前記第2溶融積層流を前記複数の異厚領域の境界部で分割し、複数の第3溶融積層流を形成すると共に、当該複数の第3溶融積層流を各々の積層方向に結合し、多層体を形成する第3工程と、を有している。
第11の態様では、先ず第1工程において、少なくとも2種類の溶融樹脂が交互に積層されて多層積層構造の第1溶融積層流が形成される。次いで、第2工程において、第1溶融積層流における積層方向の少なくとも片面に溶融樹脂層が積層され、第2溶融積層流が形成される。上記の溶融樹脂層には、層厚が互いに異なる複数の異厚領域が、第1溶融積層流の積層方向及び流れ方向と直交するウェブ交差方向に並んで設けられる。この溶融樹脂層が上記のように第1溶融積層流に積層されて形成された第2溶融積層流では、第1溶融積層流における上記複数の異厚領域の積層領域がそれぞれ異なる厚みとされる。次いで、第3工程では、第2溶融積層流が上記複数の異厚領域の境界部(境界又は境界付近)で分割され、複数の第3溶融積層流が形成される。これら複数の第3溶融積層流(積層体)では、第1溶融積層流に由来する多層積層構造と、上記複数の異厚領域に由来する樹脂層(厚膜層)との厚み比が互いに異なる。そして、これら複数の第3溶融積層流が、上記の第3工程において、各々の積層方向に結合されて多層体が形成(製造)される。このようにして製造された多層体では、第1溶融積層流に由来する多層積層構造と、上記複数の異厚領域に由来する厚膜層との厚み比が互いに異なる複数の積層体が結合された構成になる。しかも、2種類のフィードブロックを用いて互いに異なる多層積層構造と厚膜層との積層体を形成して合流する必要がないため、上記の多層体をより簡便に製造することができる。
本発明の第12の態様の多層フィルムの製造方法は、第11の態様の多層体の製造方法により形成された多層体を延伸して多層フィルムを形成する。
第12の態様では、第11の態様の多層体の製造方法により形成された多層体が延伸されて多層フィルムが形成(製造)されるので、製造された多層フィルムでは、第1溶融積層流に由来する多層積層構造と、上記複数の異厚領域に由来する厚膜層との厚み比が互いに異なる複数の積層体が結合された構成になる。しかも、2種類のフィードブロックを用いて互いに異なる多層積層構造と厚膜層との積層体を形成して合流する必要がないため、上記の多層フィルムをより簡便に製造することができる。
以上説明したように、本発明によれば、より簡便に、多層積層構造と厚膜層との厚み比が互いに異なる複数の積層体を結合した多層体及び多層フィルムを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る多層体の製造方法において、溶融樹脂層と多数の薄膜を含む第1溶融積層流とが積層される直前の状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る多層体の製造方法において、第2溶融積層流を分割、分岐、配置、結合する操作について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係る多層体の製造方法により得られる多層体の断面の一例を示す断面図である。 実施例及び比較例で用いた層厚の割合について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係る多層体の製造装置の構成を示す斜視図である。 同製造装置が備える多層積層装置に設けられたスリットの構成を示す平面図である。 同製造装置が備える多層フィードブロックの部分的な構成を示す断面図である。 同多層フィードブロックに設けられたピン部材を示す断面図であり、図5のG-G線に沿った切断面に対応する図である。 同ピン部材を軸線方向から見た断面図である。 同多層フィードブロックに設けられた層厚調整流路(絞り部)を示す断面図である。 同製造装置が備える分割結合装置に設けられた2個の通路を示す断面図である。 従来の多層体の製造方法を説明する概念図であり、第2溶融積層流を異なる分配比で3分割し結合する場合の図である。 従来の多層体の製造方法により製造された多層体の断面の一例を示す断面図である。 従来の多層体の製造装置が備える多層フィードブロックに設けられた絞り部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る多層体の製造方法において、スクエアミキサーで等分割する場合及び分配比を有して分割する場合の厚膜層と多層積層構造との厚みの態様の一覧を示す模式図である。 従来の多層体の製造方法において、スクエアミキサーで等分割する場合及び分配比を有して分割する場合の厚膜層と多層積層構造との厚みの態様の一覧を示す模式図である。 実施例に用いたピン部材の切欠溝の溝幅と溝深さとの関係を示す線図である。 比較例に用いたピン部材の切欠溝の溝幅と溝深さとの関係を示す線図である。 実施例と比較例とで得られた多層フィルムの中央付近の断面を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る多層体の製造装置及び製造方法、並びに多層フィルムの製造方法について説明する。本実施形態に係る多層体の製造装置は、本実施形態に係る多層体の製造方法及び多層フィルムの製造方法を実施するための装置である。本実施形態に係る多層体の製造方法では、先ず第1工程において、少なくとも2種類の溶融樹脂を交互に積層して多層積層構造の第1溶融積層流を形成する。次いで第2工程では、層厚が互いに異なる複数の異厚領域が、前記第1溶融積層流の積層方向(厚さ方向)及び流れ方向と直交するウェブ交差方向に並んで設けられた溶融樹脂層を、前記第1溶融積層流における前記積層方向の少なくとも片面に積層することで、前記第1溶融積層流における前記複数の異厚領域の積層領域がそれぞれ異なる厚みとされた第2溶融積層流を形成する。次いで第3工程では、前記第2溶融積層流を前記複数の異厚領域の境界部で分割し、複数の第3溶融積層流を形成すると共に、当該複数の第3溶融積層流を各々の積層方向に結合し、多層体を形成(製造)する。上記の第1工程、第2工程及び第3工程は、本実施形態に係る多層体の製造装置が備える多層積層装置、多層フィードブロック及び分割結合装置によってそれぞれ実施される。また、本実施形態に係る多層フィルムの製造方法では、上記のようにして製造された多層体を延伸して多層フィルムを形成する。
[多層流の分割、結合の概要について]
以下、本実施形態に係る多層体の製造方法について図1及び図2aを参照しながら説明する。図1は、予め矩形断面で多層に積層された第1溶融積層流(1)の積層方向(V2)の両端に、2つの溶融樹脂層(3)である溶融樹脂層(3a)と溶融樹脂層(3b)とが溶融積層される合流直前の様子を示す斜視図である。本実施形態において溶融樹脂層(3a、3b)は、ウェブ交差方向(V1)において積層方向(V2)の厚さが互いに異なる厚層領域(4b)と薄層領域(4a)とを有する特徴がある。これらの厚層領域(4b)及び薄層領域(4a)は、本発明における「複数の異厚領域」に相当する。なお、図1において、SEは薄層領域(4a)と厚層領域(4b)との境界を示している。
上記の第1溶融積層流(1)、溶融樹脂層(3a)及び溶融樹脂層(3b)が積層されることにより、図2aに示すような第2溶融積層流(2)が得られる。この第2溶融積層流(2)では、第1溶融積層流(1)における薄層領域(4a)の積層領域が厚膜部(9a)となり、第1溶融積層流(1)における厚層領域(4b)の積層領域が薄膜部(9b)となる。これらの厚膜部(9a)及び薄膜部(9b)は、積層方向(V2)の厚みが互いに異なる構成となる。なお、図2a~図2cでは、第1溶融積層流(1)、厚膜部(9a)及び薄膜部(9b)における多層積層構造の断面を概略的に図示している。
第2溶融積層流(2)は分割分岐操作(P1)において分割境界(U)で分割されることにより、複数(ここでは2つ)の第3溶融積層流(5)であるパケット(5a)とパケット(5b)とにそれぞれ分岐させられる。なお、以下の説明では、パケット(5a、5b)を第3溶融積層流(5)と称する場合がある。上記の分割境界(U)は、溶融樹脂層の厚層領域(4b)と薄層領域(4a)との境界部(境界又は境界付近)とされている。次いで、再配置結合操作(P2)によってそれぞれ分岐させられた第3溶融積層流(5)が、層数が増加するように層面同士が互いに平行で、かつ、その層面同士が互いに接するように再配置し結合させられ第4溶融積層流(6)となる。この第4溶融積層流(6)は、本発明における「多層体」に相当する。矩形断面を有する結合後の第4溶融積層流(6)は、積層方向(V2)の表面に最外層(7a)と最外層(7b)とを有し、溶融樹脂層(3a、3b)が積層された中間層(7)を有する。
次に、図3を用いて、本実施形態に係る多層体の製造装置(10)の全体構成について説明する。図3に示すように、本実施形態に係る多層体の製造装置(10)は、多層積層装置(20)と、多層フィードブロック(21)と、分割結合装置(31)と、を備えている。多層積層装置(20)は、例えば多数のスリット(S)を有するスリット板(SP)(図4参照)を備えており、多層フィードブロック(21)は、例えば切欠溝(24)が形成されたピン部材(22)(図5、図6a及び図6b参照)を備えている。また、分割結合装置(31)は、例えばマルチプライヤーまたはスクエアミキサーとされている。
第1溶融積層流(1)は、多層積層装置(20)により形成される。形成された第1溶融積層流は、工程下流にある多層フィードブロック(21)において溶融樹脂層(3a、3b)と積層され、第2溶融積層流(2)となる。第2溶融積層流(2)の分割、および分割により形成された複数の第3溶融積層流(5)の合流は、分割結合装置(31)により行われる。合流して得られた多層体である第4溶融積層流(6)は、その後ダイ(33)から押し出されて多層シート(6a)を形成し、必要に応じて多層シート(6a)を延伸する等して多層フィルム(6b)が得られる。
以下、各装置および各工程について詳細に説明する。
[多層積層装置]
本実施形態において第1溶融積層流(1)は、例えば特開2003-251675号公報に記載されている平行板で仕切られた扁平な流路を有する多層積層装置、国際公開第2005/115719号に記載されているスリット板、特表2002-509270号公報に記載されているスロットを有する供給ブロックを使用することによって定法にしたがって形成することができる。
また、特表2005-523831号公報に記載されている、流れを溶融積層させる改良されたマイクロレイヤの多層複合製品製造装置により、被成形流れを逐次に積層し結合させて第1溶融積層流(1)を形成してもよい。
(スリットの数、間隙、長さの傾斜構造)
第1溶融積層流(1)は、製造コスト、光学設計上の簡便さ、多層積層装置の設計上の観点から、それぞれ多数のスリットを通過した第1層用の樹脂と第2層用の樹脂がスリットの出口において交互に合流して形成されることが好ましい。
多層積層装置(20)が有するスリット(S)の数は、15個~501個の範囲内に設定されることが好ましい。より好ましくは31個~501個の範囲内であり、更に好ましくは101個~351個の範囲内である。スリット(S)の数が15個より少ないと、多層体(6)および多層フィルム(6b)の層数が少なくなるため、多層フィルム(6b)を光学干渉フィルムとして使用する際の透過性能または反射性能に制約が出る場合がある。他方、スリット(S)の数が501個より多いと、装置が大型化する問題がある。このようなスリット(S)の数の状況から多層体(6)の層数は32層~2009層の範囲内に設定されることが好ましい。より好ましくは64~2009層の範囲内であり、更に好ましくは204~1401層の範囲内である。尚、例えば多層体(6)にバッファ層を更に2層追加する場合、多層体(6)の層数の上限が2011層となる。
樹脂が通過する多数のスリット(S)は、その幅寸法w(図4参照)が狭すぎると、当該幅寸法wに対して各層の流量が敏感に反応し高精度の加工を要求される一方、幅寸法wが広すぎると樹脂に加わる圧力の不足により多数のスリット(S)への流量分配がばらつきやすいので、0.2mm~4.0mmの範囲内に設定されることが好ましく、0.5mm~2.0mmの範囲内に設定されることがより好ましい。隣り合うスリット(S)間の金属の隔壁の厚みtは、スリット(S)の幅寸法wと概ね同じような厚み範囲で決定される。また、流れ方向(V3)におけるスリットの長さLは、短いと圧力不足により整流化されない場合があり、長すぎると圧力上昇により耐圧構造に工夫が必要であったり、ワイヤー放電加工の精度が悪化するため、10.0mm~150.0mmの範囲内に設定されることが好ましく、20.0mm~100.0mmの範囲内に設定されることがより好ましい。スリット(S)の高さ(ウェブ交差方向(V1)の寸法)は、樹脂の出口において10.0mm~50.0mmの範囲内に設定されることが好ましく、スリット(S)の上流側では各層の膜厚を大きく変化させるために2.0mm~10.0mmの範囲内に高さが縮小してもよく、微細な孔であってもよい。
また、図4に示すように、多数のスリット(S)のうち隣接する少なくとも30個のスリット(S)は、流れ方向(V3)の長さLが積層方向(V2)の一方側から他方側へ向かうほど増加するように形成されることが好ましく、その余の部分においてはスリット(S)の長さが一定であったり減少していたりしても良い。このようにスリット(S)の長さを増加させることで、層厚が徐々に変化する多層積層構造を比較的容易に実現でき、光学干渉フィルムの反射帯域の広域化が可能となる。スリット(S)の長さLが増加する範囲の(最大スリット長)/(最小スリット長)の比率は、小さすぎると多層フィルム(6b)の反射波長帯域が狭くなり、比率が大きすぎると反射率の低下を招くため、1.3~6.0の範囲内に設定されることが好ましく、1.5~4.0の範囲内に設定されることが更に好ましい。この他に層厚の調整手法はスリット(S)における積層方向(V2)の幅を変化させる事、スリット(S)におけるウェブ交差方向(V1)の高さを変化させる事、あるいは多層積層装置(20)に温度分布を与え樹脂の溶融粘度を変化させる事を例示できる。
多数のスリット(S)は容積が比較的大きい均圧室であるマニホールドと連通していることが好ましく、所定の積層比を精度よく得やすい。各スリット(S)を流れる樹脂の流量は概ねスリットの長さに反比例し、スリット(S)の間隙の3乗に比例するように分配される。従い、層の厚みの分布を制御する方法は、多層積層装置(20)のスリット板(SP)のスリット(S)毎の幅寸法wや長さLを調整することを例示できる。
[多層フィードブロック(溶融樹脂層の積層について)]
多層フィードブロック(21)と、ピン部材(22)、切欠溝(24)について説明する。ここでは、第1溶融積層流(1)を構成する各層を第1層および第2層とし、第2層用樹脂は溶融樹脂層(3)用の樹脂でもあるものとして説明する。またここでは、多層フィードブロック(21)が一対のピン部材(22a、22b)を有する場合を例示する。
溶融樹脂層(3)を形成するための樹脂として第2層用樹脂を用いる場合は、図3に示す多層積層装置(20)において第2層用の樹脂は一旦分岐され、一方は溶融樹脂層(3)となり、他方は第1層用の樹脂と交互に積層されて多層化され、第1溶融積層流(1)となる。第1溶融積層流(1)の両面に溶融樹脂層(3a、3b)を積層する場合は、溶融樹脂層(3)は更に溶融樹脂層(3a)と溶融樹脂層(3b)とに分岐され、下流の多層フィードブロック(21)に導かれる。
図5に示す多層フィードブロック(21)において、溶融樹脂層(3a、3b)は、それぞれ2つの流路(FC2)を矢印a2の方向に流れ、第1溶融積層流(1)との合流部直前に配置された一対の絞り部(23)である絞り部(23a)および絞り部(23b)の経路でそれぞれ一旦絞られて適切な流れに調整される。これらの絞り部(23a、23b)は、本発明における「層厚調整流路」に相当している。これらの絞り部(23a、23b)は、ウェブ交差方向(V1)に垂直な分割境界(U)を境に積層方向(V2)の平均高さが互いに異なる薄層流路(27a)と厚層流路(27b)とを有している(図7参照)。これらの絞り部(23a、23b)は、上記合流部直前に配置された一対のピン部材(22)であるピン部材(22a)およびピン部材(22b)に形成された切欠き溝(24)によって一部を構成されている。溶融樹脂層(3a、3b)は、上記のように適切な流れに調整された後、図5に示す矢印a1の方向に流れる第1溶融積層流(1)と合流し積層される。そして第2溶融樹脂流(2)となり下流へと導かれる。
(厚層領域と薄層領域)
本実施形態においては、溶融樹脂層(3a、3b)は、厚層領域(4b)と薄層領域(4a)とを有する。図1は、溶融樹脂層(3a、3b)と第1溶融積層流(1)との合流直前の様子を示す模式的な斜視説明図である。図5と対比させると、溶融樹脂層(3a)は図5に示す多層フィードブロック(21)の絞り部(23a)で形成され、溶融樹脂層(3b)は図5に示す絞り部(23b)で形成される。第1溶融積層流(1)は、積層方向(V2)に薄膜が予め積層された多層積層構造を有しており、図5に示す流路FC1を矢印a1の方向に流れ、その後、溶融樹脂層(3a、3b)と積層され第2溶融積層流(2)として出口(25)へ導かれる。得られた第2溶融積層流(2)の断面の概略的なイメージを図2aに示す。
図1において、溶融樹脂層(3b)は分割境界(U)近傍で厚さが異なり薄層領域(4a)と厚層領域(4b)とを有する。なお図1は、積層方向(V2)の反対側の溶融樹脂層(3a)も同様に薄層領域(4a)と厚層領域(4b)とを有する場合を例示している。この厚層領域(4b)と薄層領域(4a)の作用により、第2溶融積層流(2)では、図2aに示すように第1溶融積層流(1)は分割境界(U)付近でウェブ交差方向(V1)に分配される流動が起こり、それぞれ溶融樹脂層(3a、3b)の厚層領域(4b)および薄層領域(4a)に対応した薄膜部(9b)と厚膜部(9a)が形成される。薄膜部(9b)と厚膜部(9a)とは、層数は同じであるものの薄膜の積層状態が互いに異なる。このように薄膜の積層状態が互いに異なる多層積層構造の種(パケット)を複数以上形成できる。これにより最終的に光学干渉の応用範囲が広がる。
また、図1においては、溶融樹脂層(3b)の総厚みが溶融樹脂層(3a)の総厚みより厚い場合を例示している。溶融樹脂層(3a、3b)は多層フィルムの総厚みを調整する目的、多層積層構造の薄膜層を保護したり、該薄膜層の傾斜構造を保護する目的、層界面での剥離を防止する目的、多層フィルム(6b)のカールを調整する目的等で付与し調整する事ができる。また、例えば溶融樹脂層(3a)および溶融樹脂層(3b)のうちの何れか一方が無い態様、すなわち第1溶融積層流(1)の片面のみに溶融樹脂層(3)を積層した態様も例示できる。
(ピン部材)
図5、図6a及び図6bを用いてピン部材(22)について説明する。なお、ここではピン部材(22)を用いて絞り部(23)を形成する場合について説明するが、ピン部材(22)を用いずに、例えば層厚調整治具(チョークバー)等で絞り部(23)を形成することもでき、この場合においても、切欠溝(24)は同様に形成すればよい。
図6aには、図5のG-G線に沿ったピン部材(22b)の切断面が示されている。また、図6bには、ピン部材(22b)を軸線方向から見た断面図が示されている。図6a及び図6bに示すように、本実施形態に係るピン部材(22b)は、円柱状に形成されている。このピン(22b)は、多層フィードブロック(21)のボディであるブロック本体(26)に対して自らの軸線回りに回転可能に取り付けられている。かかるピン部材(22b)の外周部には、切欠溝(24)が形成されている。切欠溝(24)は分割境界(U)で区別される溝部(24a)と溝部(24b)とで構成されている。溝部(24a)及び溝部(24b)は、本発明における「複数の異深溝部」に相当するものであり、積層方向(V2)の平均深さが互いに異なっている。
なお、本実施形態では、ピン部材(22b)の外周部には、複数(ここでは4つ)の切欠溝(24)である切欠溝(241)~(244)が形成されている。これら複数の切欠溝(241)~(244)は、ピン部材(22b)の周方向に等間隔に並んで配置されている。これらの複数の切欠溝(241)~(244)では、溝部(24a)及び溝部(24b)における積層方向(V2)の平均深さ等をそれぞれ異ならせることができる。また、図5に示されるピン部材(22a)は、ピン部材(22b)と基本的に同様の構成とされており、ピン部材(22a)の外周部には、複数(ここでは4つ)の切欠溝(24)である切欠溝(241)~(244)が形成されている。ピン部材(22a)に形成された複数の切欠溝(241)~(244)と、ピン部材(22b)に形成された複数の切欠溝(241)~(244)とでは、溝部A(24a)及び溝部B(24b)における積層方向(V2)の平均深さ等をそれぞれ異ならせることができる。上記のピン部材(22a、22b)がブロック本体(26)に対して回転されることにより、切欠溝(241)~(244)のうちの何れか1つが選択的に絞り部(23a、23b)の一部を構成する。
本実施形態において切欠溝(24)は分割境界(U)を境に積層方向(V2)の平均深さが異なる構成になっている。なお、切欠溝(24)は分割境界(U)を境に形状が異なっていてもよい。溝部(24a)は積層方向(V2)の平均深さがHaの浅溝であり、溝部(24b)は積層方向(V2)の平均深さがHbの深溝である。絞り部(23b)において溶融樹脂層(3b)は、図6aに示される溝幅(W0)でウェブ交差方向(V1)の流れ幅を規制されつつ、溝部(24a、24b)の平均深さHa、Hbにより分割境界(U)付近を境に流動抵抗に差を生じ、ウェブ交差方向(V1)に分配される流れが生じる。これにより、溶融樹脂層(3b)には、溝部(24a)を通過した薄層領域(4a)と溝部(24b)を通過した厚層領域(4b)とが形成される。この厚薄作用に始まり、最終的には第1溶融積層流(1)の多層部(多層積層構造)の分配比を調整できることになる。なお図6aでは、溝部(24a、24b)における積層方向(V2)の深さがウェブ交差方向(V1)において一定の場合を例示しているが、溝部(24a、24b)の上記深さはウェブ交差方向(V1)において部分的にあるいは全体が連続的に変化するものでもよい。
図7に絞り部(23b)の流路断面を示す。この流路断面はウェブ交差方向(V1)に垂直な分割境界(U)で積層方向(V2)の平均高さが異なる厚層流路(27b)と薄層流路(27a)とを有する。この流路断面はピン部材(22b)の切欠溝(24)と多層フィードブロックのブロック本体(26)とで囲まれた領域である。なお、図示は省略するが、絞り部(23a)の流路断面も図7に示される流路断面と基本的に同様とされており、厚層流路(27b)と薄層流路(27a)とを有する。また、本実施形態では、厚層流路(27b)の平均高さHbは、溝部(24b)の平均深さHbと同一に設定されており、薄層流路(27a)の平均高さHaは、溝部(24a)の平均深さHaと同一に設定されている。また、本実施形態では、絞り部(23a、23b)の流路幅W1は、溝部(24a、24b)の溝幅W0と同一に設定されている。
本実施形態において、薄層流路(27a)の平均高さHaと厚層流路(27b)の平均高さHbとを互いに異ならせるに際しては、以下の(1)式で示す高さの差の割合が3.0%~50.0%の範囲内に設定されることが好ましい。
|Ha-Hb|/(Ha+Hb)×100 [%]・・・(1)
かかる割合が3.0%より小さいと厚薄領域(4a)を形成する分配効果が薄れ、50.0%より大きいと層厚を設計値に整える事が困難となる。かかる割合が5.0%~30.0%の範囲内に設定されることがより好ましい。
また、本実施形態において、溝部(24a)と溝部(24b)の深さHa、Hbは、図6aに示すように段付き状(ステップ状)に変化させることが好ましい。これにより溶融樹脂層(3)の分割境界がシャープ化し、より精密に厚薄領域を形成できる。ステップ状とは、以下の(2)式で示す割合が1.0%~30.0%の範囲内であることが好ましい。
|H(Wa)-H(Wb)|/(H(Wa)+H(Wb))×100 [%]・・・(2)
かかる割合が1.0%より小さいと厚薄領域への分配効果が薄れ、30.0%より大きいと層厚を設計値に整える事が困難となる。かかる割合が3.0%~20.0%の範囲内に設定されることがより好ましい。ここで、図6aに示すように、上記のH(Wa)は溝部(24a)の幅(Wa)の2割(0.2)だけ分割境界(U)から離れた位置の溝部(24a)の深さであり、上記のH(Wb)は溝部(24b)の幅(Wb)の2割(0.2)だけ分割境界(U)から離れた位置の溝部(24b)の深さである。溝部(24a)と溝部(24b)の境界はフィンや薄い隔壁で物理的に空間が分離されていると更に好ましい。なお、図6aの溝部(24)の断面および図7の流路断面は、図5のG-G断面に相当する。このG-G断面は溶融樹脂層(3)の流れ方向(図5の矢印a2参照)に概ね垂直な断面で断面積が最も小さい位置として定義する。つまり絞り部(23)である。
切欠溝(24)の深さの分布、つまり切欠溝(24)の形状は公知のものを使用でき、ウェブ交差方向(V1)に部分的にあるいは全体を連続的に変化させることができる。例えば特開平7-241897号公報の図3~図6に示される層厚調整治具の切欠き形状を例示できる。本実施形態において、「溝部」の平均高さは(溝部の面積)/(ウェブ交差方向の距離)とし、「流路」の平均高さは(流路の断面積)/(ウェブ交差方向の距離)とする。具体的には、図6aにおいて溝部(24a)の平均高さHaは(溝部(24a)の溝面積)/Waであり、溝部(24b)の平均高さHbは(溝部(24b)の溝面積)/Wbである。
なお、本実施形態では、ピン部材(22a、22b)を回転操作することにより、切欠溝(241)~(244)のうちの何れか1つを絞り部(23a、23b)の流路断面に選択的に配置させることができる。これにより、薄層流路(27a)と厚層流路(27b)の平均高さを容易に変更することができるので、溶融樹脂層(3)に設けられる薄層領域(4a)及び厚層領域(4b)の層厚等を容易に(調整)することができる。なお、ピン部材(22a、22b)が複数の切欠溝(24)を備えていない場合でも、ピン部材(22a、22b)を交換することにより、薄層領域(4a)及び厚層領域(4b)の層厚等を調整することができる。
[分割比操作の説明]
多層フィードブロック(21)においては、溶融樹脂層(3)が第1溶融積層流(1)の片端または両端に合流したのち、第2溶融積層(2)が矩形断面の流路に導かれる。これにより、ウェブ交差方向(V1)に自然と流れが生じるので、図2aに示されるように、溶融樹脂層(3)の薄層領域(4a)に対応して第1溶融積層流(1)に厚膜部(9a)が形成され、溶融樹脂層(3)の厚層領域(4b)に対応して第1溶融積層流(1)に薄膜部(9b)が形成される。なお、図2aには、第1溶融積層流(1)の両端に溶融樹脂層(3a)、(3b)が合流した場合が図示されている。
[分割結合装置(スクエアミキサー、マルチプライヤー)]
図3に示すように、本実施形態においては、多層フィードブロック(21)の下流側に単一の分割結合装置(31)が配置されている。この分割結合装置(31)を用いて第2溶融積層流(2)が分割、結合される。積層数を倍増あるいは増大させるために用いる分割結合装置(31)は、主に図2aに示す分割分岐操作(P1)と再配置結合操作(P2)を行うものであり、背景技術の欄に記載したスクエアミキサーやマルチプライヤーが好ましい。これらいくつかを直列に並べてもよい。これにより、得られた多層フィルムのたとえば反射率を一様に高めることができる。
スクエアミキサーの場合は樹脂流を2個程度の少ない数に分割して分岐し、次いで再配置結合して積層数を容易に増加(倍増)させることができる。スクエアミキサーは、分岐数が少なめで、大きさもコンパクトで、分岐通路の通路長も短い場合が多い。マルチプライヤーは少なくとも2以上の支流に分割することができる。マルチプライヤーは、支流の通路長が長い場合が多い。スクエアミキサー及びマルチプライヤーは必要に応じて2以上の多層部の厚みを所定の分配比となるようにそれぞれの支流の流量を独立的に調節することができる。なお、樹脂通路の断面形状は矩形が好ましい。この分配は、各支流の樹脂通路の面積比や通路長を変えることにより、その値に応じた流動抵抗に概ね反比例した厚みの異なる多層部が2つまたはそれ以上得られる。分配比が大きいと、異なる層厚みを有する多層部を2つまたはそれ以上有することとなり、多層フィルムの反射帯域を広反射帯域とできる。
本実施形態においては、分割結合装置(31)は、図8に示されるように、2個の通路(31a)および通路(31b)を有している。これら2個の通路(31a、31b)には、分割から結合に至る2つの第3溶融積層流(5)が矢印a3方向に流れる2個の通路(31a、31b)を有している。これら2個の通路(31a、31b)は、少なくとも上記結合の直前において2つの第3溶融積層流(5)の流量が同等になるように、「対称」に形成されることが好ましい。尚、この場合の「対称」は、主に通路(31a、31b)の断面積や長さの寸法が概ね同等であることを言い、幾何学的な対称を必ずしも意味せず、まずは通路(31a、31b)の断面積が同等で且つ通路(31a、31b)の長さの総和が同等であることである。または、断面積や長さの異なる2個の通路(31a、31b)の組み合わせであっても、それぞれの通路(31a、31b)の流動抵抗の総和が等しければ「対称」であり、第3溶融積層流(5)を概ね等しく2分岐できる。これらの対称な通路(31a、31b)では樹脂にかかる流動抵抗の履歴が等しくなるから、樹脂流を等しい流量で分割し2分岐できる。しかしながら得られる多層フィルムの多層部(多層積層構造)の厚みは種々の外乱により設計からやや外れることもあり、得られた多層フィルムの積層厚みを測定し設計値とのずれを補正するため前述の流動抵抗を意図的に変更することもある。このような場合は流量の分配比を0.90~1.10の範囲内で調整した通路も対称な2個の通路とする。尚、本実施形態では、一例として、2個の通路(31a、31b)が、2つの第3溶融積層流(5)の結合方向(ここでは積層方向(V2)と同じ方向)において対称な形状に形成されている。
[第4の溶融積層流]
図2aに示される再配置結合操作(P2)によって複数の第3溶融積層流(5)が、層数が増加するように層面同士が互いに平行で、かつ、その層面同士が互いに接するように再配置し結合させられ第4の溶融積層流(6)となる。かくして得られた第4の溶融積層流(6)は必要に応じてウェブ交差方向(V1)に拡幅されて下流にあるダイ(33)(図3参照)へ流入される。
[溶融樹脂層同志の厚みの比、多層積層構造同志の厚みの比]
図2bに本実施形態において得られる多層体(6)の断面を例示する。この多層体(6)の断面は、本実施形態において得られる多層シート(6a)または多層フィルム(6b)の断面と同様である。この図2bには、第2溶融積層流(2)をスクエアミキサーで分割境界(U)付近において等分割し、2つの第3溶融積層流(5)であるパケット(5a)とパケット(5b)を作成してそれらを結合する例を示している。
本実施形態の特徴は、薄層領域(4a)と厚層領域(4b)の作用により溶融樹脂層(7a、7b、7c)同志の厚みの比と多層積層構造(9a、9b)同志の厚みの比が互いに異なる多層シート(6a)又は多層フィルム(6b)が得られるということである。つまり、従来の分割、結合の方法では得られなかった、図2bに示すような多層体(6)を得ることができる。図2bに示す多層体(6)は、以下の(3)~(5)式のいずれかを満たす。
tb/t’a≠tB/tA・・・(3)
t’b/ta≠tB/tA・・・(4)
(tb+t’b)/(ta+t’a)≠tB/tA・・・(5)
一方、図9aには、従来の多層体の製造方法の一例(以下、単に「従来の方法」と称する)、すなわち溶融樹脂層(3a、3b)に薄層領域と厚層領域とが設けられていない第2溶融積層流(2’)を、分配比が互いに異なる3分岐のマルチプライヤーで3つに分割してそれらを結合することにより第4溶融積層流(6’)を製造する例を示す。また、図9bには、上記従来の方法により得られた多層体(6’)の詳細な断面を示す。図9bに示されるように、この多層体(6’)は、3つの第3溶融積層流であるパケット(5a)、パケット(5b)およびパケット(5c)が結合されたものである。また、図10は、上記従来の方法に用いた多層フィードブロックの絞り部(23’)の一例を図7と同様の流路断面により示す。
上記従来の方法により製造された多層体(6’)では、第2の溶融樹脂層(2)に薄層領域と厚層領域が無いから、あるいはあったとしても分割境界(U)で厚薄領域の調整や分配作用を制御する事がないから、各パケット(5a)~(5c)における溶融樹脂層(7)同志の厚みの比と多層積層構造(9)同志の厚みの比が互いに同じである。つまり、この多層体(6’)では、図9bに示すように、以下の(6)~(8)式を満たすこととなる。
ta/tc=t’a/t’c=tA/tC・・・(6)
ta/t’b=t’a/tb=tA/tB・・・(7)
tc/t’b=t’c/tb=tC/tB・・・(8)
図11には、本実施形態に係る多層体の製造方法おいて、分割結合装置(31)での第2溶融積層流(2)の分割が等分割の場合と分配比を変えた場合(不等分割の場合)とについて、それぞれ得られる多層体(多層フィルム)の厚みの態様を一覧で示す。また、図12には、上記従来の方法において、分割結合装置での第2溶融積層流の分割が等分割の場合と不等分割の場合とについて、それぞれ得られる多層体(多層フィルム)の厚みの態様を一覧で示す。なお、図11及び図12では、溶融樹脂層及び多層積層構造の断面を図2a~図2c、図9a、図9bと同様の態様で図示しており、溶融樹脂層及び多層積層構造の符号を省略している。また、図11及び図12において、tA及びtBは、図2b及び図9bと同様に、多層積層構造の厚みを表している。図11及び図12に示すように、本実施形態では溶融樹脂層同志の厚みの比と多層積層構造同志の厚みの比が互いに異なるものを得ることができる以外に、2つのパケット(積層体)の厚み(tAとtB)の大小関係についてもバリエーションが広い。
[分割境界(U)]
図6a及び図7に示す分割境界(U)の位置は、等分割のスクエアミキサー及びマルチプライヤーを使用する場合は、溝幅W0の中点、あるいは流路幅W1の中点を通り、Wa=Wbであるものとする。一方、分配比を有する不等分割のスクエアミキサー及びマルチプライヤーを使用する場合は、図9a及び図10の従来例の説明図を参照して、2つの分割境界(U)は流路幅(W1)をWa:Wc:Wbに内分する位置であり、得られた多層フィルムの層厚みを測定し、それを用いて以下の(9)式より各分割境界(U)の位置が決定できる。
Wa:Wc:Wb=TA:TC:TB・・・(9)
ここで、TA、TB、TCはパケット(5a)、パケット(5b)、パケット(5c)の多層積層構造の厚みである。
[多層フィルム]
本実施形態により製造される多層フィルムは、少なくとも2種類の樹脂からなる層が交互積層した多層積層構造(以下、「多層部」と称する場合がある)を2つ以上有し、多層部に挟まれた中間層を有し、多層フィルムの少なくとも一方の表面に最外層を有する多層フィルムである。
[多層部]
多層部は膜厚が10nm~1000nmの範囲内に設定された第1層と、膜厚が10nm~1000nmの範囲内に設定された第2層とが合計31層以上で厚み方向に交互に積層した構造が好ましい。ここで膜厚は物理厚みを指す。各層の膜厚と屈折率の積である光学厚みを調整することにより、反射波長を設計することができ、反射特性を設計することができる。
(多層部の積層数)
多層部は、第1層および第2層が交互に合計31層以上積層されていることが好ましい。かかる積層数が31層未満であると、様々な膜厚の第1層および第2層を有し難くなるため、広い波長範囲において光を反射することが困難となる。より具体的には、例えば金属光沢フィルムや反射ミラーとしての機能が得難くなるし、また、液晶ディスプレイなどの輝度向上部材や反射型偏光板として使用する場合に、反射軸における反射特性について、波長400nm~800nmといった広い波長範囲にわたり高い平均反射率が得られ難くなる。また、積層数が少ないと低い反射率しか得られない。
対応する波長範囲を広くする観点や反射率を高める観点からは、一つの多層部の積層数は多い方が好ましく、好ましくは50層以上、より好ましくは100層以上、さらに好ましくは150層以上である。なお、かかる「一つの多層部の積層数」は、上述したスリット(S)の数に対応する。他方、総積層数は、生産性およびフィルムのハンドリング性などの観点から2004層以下が好ましいが、目的とする反射特性が得られれば生産性やハンドリング性の観点からさらに積層数を減らしてもよく、例えば1002層以下、502層以下、303層以下であってもよい。なお、かかる「総積層数」は、上述したスリット(S)の数に、分割・結合した数を勘案した数に対応する。例えば、スリット(S)の数が501個であって、これを2つに分割して積層方向に結合した場合、総積層数は1002層となる。
(多層部の厚み分布)
多層部は、様々な膜厚の第1層および第2層を有することで、広い波長範囲の光を反射することが可能となる。この目的のために多層部は厚み方向の一端から他端に向けて第1層および第2層の膜厚が増加している。この増加については、多層部における一方の最表層から他方の最表層までの全てにおいて増加している態様であってもよいが、多層構造において、層数で80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の部分において増加している態様であってもよく、その余の部分においては厚みが一定であったり減少していたりしていてもよい。
(傾斜構造と反射率)
第1層および第2層の膜厚の増加の傾きは、適度に傾きがある方が広い波長範囲において光を反射できることとなる。第1層および第2層は、上記膜厚が厚み方向に沿って増加している場合、(最大膜厚)/(最小膜厚)の比率が1.2以上で且つ8.0以下であることが好ましい。第1層または第2層において、(最大膜厚)/(最小膜厚)の比率が小さいと、反射する波長範囲が狭くなる傾向にある。例えば輝度向上部材や反射型偏光板等の用途においては、反射軸における反射特性について、波長が400nm~800nmの幅広い波長帯域での均一な平均反射率が得難くなる傾向にあり、反射偏光性能が低くなる傾向にある。一方、(最大膜厚)/(最小膜厚)の比率が大きいと、反射帯域が400nm~800nmよりも広がり、それにより各波長における反射率は小さくなる傾向にあり、必要な範囲において反射率が低下する可能性がある。輝度向上部材や反射型偏光板の用途においては、反射軸における反射率の低下を伴うことがあり、反射偏光性能が低くなる傾向にある。このような観点から、上記比率は、より好ましくは1.3以上、さらに好ましくは1.4以上であり、特に好ましくは1.5以上であり、また、より好ましくは6.0以下、さらに好ましくは5.0以下、特に好ましくは4.0以下である。多層部では、上記の第1層および第2層の膜厚の増加が単調増加であることが望ましい。単調増加とは、第1層もしくは第2層において、膜厚が増加傾向を示す範囲内での各層の層数を5等分し、一方の最外層の側から他方の最外層の側に向かって、等分された各エリアでの膜厚の平均値が単調に増加することを意味する。
(延伸フィルム)
本実施形態により製造される多層フィルムは、目的とする光学特性を得るために、1軸延伸フィルムや2軸延伸フィルムであってよい。以下、1軸延伸方向、および、2軸延伸においてより延伸された方向をX方向という場合がある。また、X方向とフィルム面内で直交する方向をY方向という場合がある。
1軸延伸フィルムにおいては、第1層と第2層のX方向の屈折率差は0.10~0.45であることが好ましい。X方向の屈折率差がかかる範囲にあることにより、かかる方向における反射特性を効率よく高めることができ、より少ない積層数で高い反射率を得ることができるので好ましい。
また、第1層と第2層のY方向の屈折率差は0.05以下であることが好ましい。Y方向の層間の屈折率差がかかる範囲にあることにより、かかる方向における反射率を低くでき、上記X方向における反射特性とあわせて偏光性能がより高まり好ましい。
液晶ディスプレイ等の度向上部材や反射型偏光板として使用される際は、第1層のX方向の屈折率nXについて、1.80~1.90の高屈折率特性がこのましい。第1層におけるX方向の屈折率がかかる範囲にある場合、第2層との屈折率差を大きくし易くなり、反射偏光性能をより発揮することができる。また、Y方向の1軸延伸後の屈折率nYとZ方向の1軸延伸後の屈折率nZとの差は0.05以下であることが好ましい。
[多層フィルムの製造方法]
本実施形態に係る多層フィルムの製造方法について補足説明する。なお、ここで以下に示す製造方法は一例であり、本発明はこれに限定されない。また、異なる態様についても、以下を参照して得ることができる。
多層シートの押出装置は、上流側から順に押出機、ギアポンプ、フィルター、ポリマーパイプを主とする構成となっており、前述した内容により溶融状態で多層積層した多層体を、ダイからシート状に押し出してキャスティングドラム上で冷却し、多層シートを得る。
得られた多層シートを延伸して多層フィルムを製造する場合、多層シートは、製膜機械軸方向(縦方向、長手方向またはMDという場合がある。)、またはそれにフィルム面内で直交する方向(横方向、幅方向またはTDという場合がある)の少なくとも1軸方向(かかる1軸方向はフィルム面に沿った方向である。)に延伸されることが好ましい。延伸温度は、第1層のポリマーのガラス転移点温度(Tg)~(Tg+20)℃の範囲で行うことが好ましい。従来よりも低めの温度で延伸を行うことにより、多層フィルムの配向特性をより高度に制御することができる。
延伸倍率は2.0~7.0倍で行うことが好ましく、さらに好ましくは4.5~6.5倍である。かかる範囲内で延伸倍率が大きいほど、第1層および第2層における個々の層の面方向の屈折率のバラツキが延伸による薄層化により小さくなり、多層フィルムの光干渉が面方向に均一化され、また第1層と第2層の延伸方向の屈折率差が大きくなるので好ましい。このときの延伸方法は、棒状ヒータによる加熱延伸、ロール加熱延伸、テンター延伸など公知の延伸方法を用いることができるが、ロールとの接触によるキズの低減や延伸速度などの観点から、テンター延伸が好ましい。
また、かかる延伸方向とフィルム面内で直交する方向(Y方向)にも延伸処理を施し、2軸延伸を行う場合は、用途にもよるが、反射偏光特性を具備させたいときは、1.03~1.20倍程度の延伸倍率にとどめることが好ましい。Y方向の延伸倍率をこれ以上高くすると、偏光性能が低下することがある。
また、延伸後にさらに(Tg)~(Tg+30)℃の温度で熱固定を行いながら、5~15%の範囲で延伸方向にトーアウト(再延伸)させることにより、得られた多層フィルムの配向特性を高度に制御することができる。
本実施形態において多層フィルムに塗布層を設ける場合、多層フィルムへの塗布は任意の段階で実施することができるが、多層フィルムの製造過程で実施することが好ましく、延伸前の多層フィルムに対して塗布することが好ましい。
なお、金属光沢フィルムや反射ミラーの用途に用いる多層フィルムである場合は、2軸延伸フィルムとすることが好ましく、この場合は、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法のいずれであってもよい。また、延伸倍率は、第1層および第2層の各層の屈折率および膜厚が、所望の反射特性を奏するように調整されるようにすればよいが、例えばこれら層を構成する樹脂の通常の屈折率を考慮すると、縦方向および横方向ともに2.5~6.5倍程度とすればよい。
[樹脂]
本実施形態において多層フィルムを構成する樹脂は、延伸可能なポリマーを主成分とする熱可塑性ポリマーを用いることができ、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのような芳香族ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリスチレンのようなポリビニル、ナイロン6(ポリカプロラクタム)、ナイロン66(ポリ(ヘキサメチレンジアミン-co-アジピン酸))のようなポリアミド、ビスフェノールAポリカーボネートのような芳香族ポリカーボネート、ポリスルフォン等の単独重合体或いはこれらの共重合体を主成分とするポリマーを挙げることができる。共重合成分としては、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、2,6-ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートを例示できる。上記熱可塑性ポリマーの中では、延伸による分子配向が可能な芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドが好ましく、分子が二軸配向した際に光学的、機械的、熱的特性が優れたものになるポリエチレン-2,6-ナフタレートも好ましい。これらのポリマーには、必要に応じて耐候剤や滑剤、帯電防止剤、顔料などの添加剤が配合されていても良い。
(実施例)
以下に、本実施形態について実施例を挙げて説明するが、本実施形態は以下に示した実施例に制限されるものではない。なお、実施例中の物性や特性は、下記の方法にて測定または評価した。
(1)フィルム全体厚み
フィルムサンプルをスピンドル検出器(安立電気(株)製K107C)にはさみ、デジタル差動電子マイクロメーター(安立電気(株)製K351)にて、異なる位置で厚みを10点測定し、平均値を求めフィルム厚みとした。
(2)各層の厚み
多層フィルムをフィルム幅手方向の中央付近においてフィルム長手方向2mm、幅方向2cmに切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)にて包埋した。包埋されたサンプルをミクロトーム(LEICA製ULTRACUT UCT)で幅方向に垂直に切断し、50nm厚の薄膜切片にした。透過型電子顕微鏡(日立S-4300)を用いて加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定した。
1μmを超える厚さの層について、多層構造の内部に存在しているものを中間層とし、最表層に存在している2つの層をそれぞれ最外層とし、残りの2つの部位をそれぞれ多層部として、合計5つの部位の多層構造の合計厚み100%に対する割合を求めた。
(3)厚みの比
実施例及び比較例において、図2bのようにして得られた多層フィルム(6b)の厚み構成を図2cに示す断面のように置き換えて評価した。例えば、等分割のマルチプライヤーを用いた場合、溶融樹脂層同志の厚みの比は、以下の(10)式の通りとして評価できる。
(ta+t’a)/(tb+t’b)=(50-tA)/(50-tB)・・・(10)
なお、等分割でない場合は、分割比率に応じてそれぞれのパケットの厚みの比率を50:50から変更して求めればよい。
[第1層の製造例]ポリエステルA
第1層用ポリエステルとして、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、そしてエチレングリコールを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、酸成分の95モル%が2,6-ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の5モル%がテレフタル酸成分、グリコール成分がエチレングリコール成分である共重合ポリエステル(固有粘度0.64dl/g)(o―クロロフェノール、35℃、以下同様)を準備した。
[第2層の製造例]ポリエステルB
第2層用ポリエステルとして、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、そしてエチレングリコールとトリメチレングリコールを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、酸成分の50モル%が2,6-ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の50モル%がテレフタル酸成分、グリコール成分の85モル%がエチレングリコール成分、グリコール成分の15モル%がトリメチレングリコール成分である共重合ポリエステル(固有粘度0.63dl/g)を準備した。
[多層フィルムの製造例]
上述の第1層用ポリエステル(ポリエステルAとする。)を170℃で5時間乾燥、および、上述の第2層用ポリエステル(ポリエステルBとする。)を85℃で8時間乾燥した後、それぞれ第1、第2の押出機に供給し、300℃まで加熱して溶融状態とし、ついで図3に示す多層積層装置(20)を用いて、第1層用ポリエステルは139個のスリットで139層に分岐した。第2層用ポリエステルは一旦分岐して、一方を溶融樹脂層として更に分岐して溶融樹脂層(3a)および溶融樹脂層(3b)とし、他方は多層積層装置(20)を用いて138個のスリットで138層に分岐した。なおここで、第1層および第2層の膜厚が厚み方向に沿って増加するように長さを調整したスリットを用いた。このようにして第1層と第2層とを交互に積層した層数277層の第1溶融積層流(1)と2つの溶融樹脂層(3a、3b)を得て、多層フィードブロック(21)へ導いた。その後、多層フィードブロック(21)において、第1溶融積層流(1)に、図5の絞り部(23a、23b)を介して溶融樹脂層(3a、3b)を積層して、第2溶融積層流(2)を得た。なお、かかる絞り部(23a、23b)は切欠溝(24)を有するピン部材(22a、22b)によって一部が構成されている。これらのピン部材(22a、22b)の切欠溝(24)における溝幅と溝深さとの関係を図13aに線図にて示す。各切欠溝(24)は、分割境界(U)は溝幅(W0)の中点にあり、溝深さがステップ状のものとした。各切欠溝(24)の平均深さHa、Hbの差の割合と、溝部(24a、24b)のステップ状の割合を、以下の表1に示す。
Figure 0007119954000001
上記のようにして得られた第2溶融積層流(2)を2分岐で対称なマルチプライヤーにて流量が概ね1:1の比率で等分割し、再配置して結合し、内部に2つの溶融樹脂層(4a、4b)が結合した1つの中間層(7c)、各表層に1つずつ合計2つの最外層(7a、7b)を含む全層数557層の第4溶融積層流(6)を得た。その後この積層状態を保持したままダイ(33)へと導き、キャスティングドラム上にキャストして、全層数557層の多層シート(6a)を作成した。
その後、多層シート(6a)をテンターに導き、135℃の温度で幅方向に6.0倍に延伸し、150℃で20秒間熱固定し多層フィルム(6b)を得た。得られた多層フィルム(6b)の厚みは75μmであった。得られた結果を上記の表1に示す。また、図14には、本実施例で得られた多層フィルム(6b)の中央付近の断面を示す。本実施例では、溶融樹脂層同志の厚みの比が0.81であり、一方、多層積層構造同志の厚みの比が1.14であり、従って比率は互いに異なるものであった。これにより、本実施例によれば、多層積層構造と溶融樹脂層(厚膜層)との厚み比が互いに異なる複数の積層体を結合した多層フィルムが得られることが確認された。
[比較例]
比較例では、ピン部材(22a)とピン部材(22b)とにおける溝幅と溝深さとの関係を図13b及び上記の表1に示すように変更する以外は本実施例と同様にして多層シート及び厚み75μmの多層フィルムを得た。このようにして得られた多層フィルムの層厚などを上記の表1に示す。また、図14には、比較例で得られた多層フィルムにおける溶融樹脂層と多層積層構造との境界を二点鎖線で示す。比較例のようにピン部材(22a、22b)の溝深さの差の割合が小さい場合、厚層領域と薄層領域の分配作用が薄れるため、溶融樹脂層同志の厚みの比と多層積層構造同志の厚みの比が概ね一致し、更にその比は1.00に近いものであった。これにより、比較例では、多層積層構造の厚みと厚膜層の厚みとの比が略同じ積層体しか得られないことが確認された。
なお、上記実施形態及び実施例では、第2溶融積層流(2)が2つの第3溶融積層流(5)であるパケット(5a、5b)に分割されて結合される場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、第2溶融積層流が3つ以上の第3溶融積層流に分割されて結合される構成にしてもよい。その場合、溶融樹脂層には、3つ以上の異厚領域がウェブ交差方向に並んで設けられる構成になる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態及び実施例に限定されないことは勿論である。
1 第1溶融積層流
2 第2溶融積層流
3a、3b 溶融樹脂層(厚膜層)
4a 薄層領域
4b 厚層領域
5 第3溶融積層流
6 第4溶融積層流(多層体)
6a 多層シート
6b 多層フィルム
10 多層体の製造装置
20 多層積層装置
21 多層フィードブロック
22 ピン部材
23 絞り部(層厚調整流路)
24 切欠溝
24a、24b 溝部(異深溝部)
27a 薄層流路
27b 厚層流路
31 分割結合装置
32a、32b 通路
U 分割境界(境界部)
V1 ウェブ交差方向
V2 積層方向
V3 流れ方向

Claims (12)

  1. 少なくとも2種類の溶融樹脂を交互に積層して多層積層構造の第1溶融積層流を形成する多層積層装置と、
    層厚が互いに異なる複数の異厚領域が、前記第1溶融積層流の積層方向及び流れ方向と直交するウェブ交差方向に並んで設けられた溶融樹脂層を、前記第1溶融積層流における前記積層方向の少なくとも片面に積層することで、前記第1溶融積層流における前記複数の異厚領域の積層領域がそれぞれ異なる厚みとされた第2溶融積層流を形成する多層フィードブロックと、
    前記第2溶融積層流を前記複数の異厚領域の境界部で分割し、複数の第3溶融積層流を形成すると共に、当該複数の第3溶融積層流を各々の積層方向に結合し、多層体を形成する分割結合装置と、
    を備えた多層体の製造装置。
  2. 前記多層体の層数が32層~2009層の範囲内に設定されている、請求項1に記載の多層体の製造装置。
  3. 前記少なくとも2種類の溶融樹脂は、前記多層積層装置が有する多数のスリットを通過して積層されると共に、前記多数のスリットの数が15個~501個の範囲内に設定されている、請求項1又は請求項2に記載の多層体の製造装置。
  4. 前記スリットの幅寸法が0.2mm~4.0mmの範囲内に設定されている、請求項3に記載の多層体の製造装置。
  5. 前記多数のスリットの数が31個以上であって、隣接する少なくとも30個の前記スリットは、前記流れ方向の長さが前記積層方向の一方側から他方側へ向かうほど増加するように形成されている、請求項3又は請求項4に記載の多層体の製造装置。
  6. 前記分割結合装置は、マルチプライヤーまたはスクエアミキサーである、請求項1~請求項5の何れか1項に記載の多層体の製造装置。
  7. 前記分割結合装置は、前記分割から前記結合に至る2つの前記第3溶融積層流が流れる2個の通路を有し、当該2個の通路は、少なくとも前記結合の直前において前記2つの第3溶融積層流の流量が同等になるように形成されている、請求項1~請求項6の何れか1項に記載の多層体の製造装置。
  8. 前記多層フィードブロックは、前記積層方向の平均高さが互いに異なる複数の異厚流路が前記ウェブ交差方向に並んで設けられた層厚調整流路を有し、当該層厚調整流路を前記溶融樹脂層が通過することで、前記溶融樹脂層に前記複数の異厚領域が設けられる、請求項1~請求項7の何れか1項に記載の多層体の製造装置。
  9. 前記多層フィードブロックは、ブロック本体と、当該ブロック本体に取り付けられたピン部材とを有し、前記ピン部材には、前記層厚調整流路の一部を構成する切欠溝が形成されており、当該切欠溝は、前記積層方向の平均深さが互いに異なる複数の異深溝部を有する、請求項8に記載の多層体の製造装置。
  10. 前記切欠溝は、前記複数の異深溝部の境界が段付き状に形成されている、請求項9に記載の多層体の製造装置。
  11. 少なくとも2種類の溶融樹脂を交互に積層して多層積層構造の第1溶融積層流を形成する第1工程と、
    層厚が互いに異なる複数の異厚領域が、前記第1溶融積層流の積層方向及び流れ方向と直交するウェブ交差方向に並んで設けられた溶融樹脂層を、前記第1溶融積層流における前記積層方向の少なくとも片面に積層することで、前記第1溶融積層流における前記複数の異厚領域の積層領域がそれぞれ異なる厚みとされた第2溶融積層流を形成する第2工程と、
    前記第2溶融積層流を前記複数の異厚領域の境界部で分割し、複数の第3溶融積層流を形成すると共に、当該複数の第3溶融積層流を各々の積層方向に結合し、多層体を形成する第3工程と、
    を有する多層体の製造方法。
  12. 請求項11に記載の多層体の製造方法により形成された多層体を延伸して多層フィルムを形成する多層フィルムの製造方法。
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