JP5718717B2 - 二軸配向フィルム - Google Patents

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本発明は、寸法安定性に優れる二軸配向フィルムに関し、さらに詳しくは、寸法安定性に優れた磁気記録媒体用、特にデジタルデータストレージテープに適した二軸配向フィルムに関する。
ポリエステルフィルムは優れた熱、機械特性を有することから磁気記録媒体用など広い分野で用いられている。磁気記録媒体、特にデータストレージ用磁気記録媒体においては、テープの高容量化、高密度化が進み、それに伴ってベースフィルムへの特性要求も厳しいものとなっている。QIC、DLT、さらに高容量のスーパーDLT、LTOのごとき、リニアトラック方式を採用するデータストレージ用磁気記録媒体では、テープの高容量化を実現するために、トラックピッチを非常に狭くしており、そのためテープ幅方向の寸法変化が起こると、トラックずれを引き起こし、エラーが発生するという問題をかかえている。これらの寸法変化には、走行時にかかる張力の変化によるもの、高張力で巻き取られた状態で保管中に生じる経時変化によるものとがある。この寸法変化を小さくするにはフィルムのヤング率を高めることが有効ではある。
そこで、このような寸法変化を解決するために、特開平5−212787号公報には、縦方向のヤング率(EM)および横方向のヤング率(ET)がそれぞれ550kg/mm以上および700kg/mm以上であり、両ヤング率の比(ET/EM)が1.1〜2.0である二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートフィルムが開示されている。また、国際公開第99/29488号パンフレットには、縦方向に荷重を負荷したとき該荷重に対する横方向の収縮率P(ppm/g)とを特定の範囲にした二軸配向ポリエステルフィルムが開示されている。さらにまた、国際公開第00/76749号パンフレットには、縦方向に荷重を負荷して放置したときの幅方向の寸法変化、幅方向の温度膨張係数αt(×10−6/℃)、幅方向の湿度膨張係数αh(×10−6/%RH)および縦方向に荷重を負荷したとき該荷重に対する幅方向の収縮率P(ppm/g)とを特定の範囲にした二軸配向ポリエステルフィルムが開示されている。
しかしながら、これらの公報で提案されている方法は、延伸条件やその後の熱固定処理条件を特定の範囲にすることで達成するものであり、例えば、縦方向に荷重をかけたときの幅方向の経時収縮は、ベースフィルムの縦方向ヤング率を大きくすることで改善することができるが、他方ではポリマー特性と製膜性の点から、縦方向のヤング率を大きくすればする程、横方向のヤング率の上限は小さくなり、根本的な解決には至っていなかった。
特開平5−212787号公報 国際公開第99/29488号パンフレット 国際公開第00/76749号パンフレット
本発明の目的は、寸法安定性に優れ、磁気記録媒体、特にデジタルデータストレージなどに用いられるベースフィルムに適した二軸配向フィルムの提供にある。
本発明者らは上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、従来の二軸配向フィルムを、特定のポリエーテルエステルを特定割合含有した芳香族ポリエステル組成物からなる二軸配向フィルムとすることで、機械特性に優れ、張力に対する寸法安定性が大きく向上することを見出し、本発明に至った。
かくして、本発明によれば、芳香族ポリエステル(A)に、下記式(B)で表されるジカルボン酸成分および下記式(C)で表されるジオール成分からなるポリエーテルエステル(D)を0.1〜7重量%含有する芳香族ポリエステル組成物(E)からなる二軸配向フィルムが提供される。
Figure 0005718717
(式(B)中、Phはフェニレン基を表し、式(C)中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基もしくは炭素数8〜10のシクロアルキレン基を表す。)
また、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、二軸配向フィルムの面方向における少なくとも一方向のヤング率が5GPa以上であること、二軸配向フィルムの厚みが2〜10μmの範囲にあること、磁気記録媒体のベースフィルム材料として用いられることの少なくともいずれかひとつを具備する二軸配向フィルムも提供される。
本発明によれば、特定のポリエーテルエステルを特定割合含有する芳香族ポリエステル組成物からなる二軸配向フィルムであることから、従来の二軸配向フィルムに比べ、湿度変化に対する寸法安定性は維持しつつ、ヤング率に基づく張力に対する寸法変化を小さくすることができ、磁気記録媒体のベースフィルム材料に好適な二軸配向フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の二軸配向フィルムは、芳香族ポリエステル(A)に、前記式(B)で表されるジカルボン酸成分および前記式(C)で表されるジオール成分からなるポリエーテルエステル(D)を、0.1〜7重量%含有する芳香族ポリエステル組成物(E)からなる。
ポリエーテルエステル(D)を上記範囲の割合で含有することで、二軸配向フィルムのヤング率を向上させることができる。ポリエーテルエステル(D)の割合は、好ましくは1重量%以上6重量%以下、さらに好ましくは2重量%以上5重量%以下である。ポリエーテルエステル(D)の割合が下限より少なくても、多くてもヤング率向上効果が不十分となる。
<ポリエーテルエステル(D)>
本発明におけるポリエーテルエステル(D)は、前記式(B)のジカルボン酸成分と前記式(C)のジオール成分からなるポリエーテルエステルである。前記式(B)中、Phはフェニレン基またはナフタレンジイル基であり、1,4−フェニレン基と2,6−ナフタレンジイル基が好ましく、特に製膜性などの観点から、1,4−フェニレン基が好ましい。また、前記式(C)中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基もしくは炭素数8〜10のシクロアルキレン基を表す。二軸配向フィルムとするときの製膜性からは、エチレン基、1,4−ブチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基が好ましく、特に炭素数2のエチレン基が好ましい。
<芳香族ポリエステル(A)>
本発明における芳香族ポリエステル組成物(E)のポリエーテルエステル(D)以外の主成分である芳香族ポリエステル(A)は、ジオールと芳香族ジカルボン酸との重縮合によって得られるポリマーである。かかる芳香族ジカルボン酸として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸が挙げられ、またジオールとして、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。これらの中でも、力学特性の観点から、エチレンテレフタレートとエチレンナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするものが好ましく、特にエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。
また、本発明における芳香族ポリエステル(A)は、単独でも他のポリエステルとの共重合体、2種以上の芳香族ポリエステルからなる混合体のいずれであってもかまわないが、力学特性の観点からは、単独の方が好ましい。共重合成分としては、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸(主たる酸成分がナフタレンジカルボキシレートの場合)、ナフタレンジカルボン酸(主たる酸成分がテレフタル酸の場合)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分が挙げられる。
本発明における芳香族ポリエステル(A)の固有粘度は、ο−クロロフェノール中、35℃において、0.40以上であることが好ましく、0.40〜0.80であることがさらに好ましい。固有粘度が0.4未満ではフィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品の強度が不足することがある。一方固有粘度が0.8を超える場合は重合時の生産性が低下する。
本発明における芳香族ポリエステル(A)の融点は、200〜300℃であることが好ましく、更には260〜290℃であることが好ましい。融点が下限に満たないとポリエステルフィルムの耐熱性が不十分な場合がある。また融点が上限を超える場合はポリエーテルエステル(D)を含有させて溶融押出しすることが困難となることがある。
なお、本発明におけるポリエステル組成物(E)は前記の通り、芳香族ポリエステル(A)とポリエーテルエステル(D)とからなるが、それ自体公知の機能剤を含有させても良い。具体的には、不活性粒子、ワックスなどの潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられ、またポリエーテルイミドなどの他の樹脂などを含有させることも好ましい。
<ヤング率>
本発明の二軸配向フィルムは、その面方向の少なくとも一方向のヤング率は5GPa以上とすることが好ましい。製膜方向(以下MD方向、縦方向、長手方向と称することがある。)のヤング率がこの範囲以上であると、磁気記録媒体としたときに長手方向にかかる張力に対する寸法安定性がさらに向上する。一方、製膜方向に直交する方向(以下TD方向、横方向、幅方向と称することがある。)のヤング率がこの範囲以上であると、磁気記録媒体としたときの幅方向の湿度寸法安定性や、温度寸法安定性も向上させることができる。ヤング率の範囲は、好ましくは、5.5GPa以上であり、さらに好ましくは6GPa以上である。また、製膜方向と幅方向のヤング率の和は、22GPa以下であることが好ましい。製膜方向のヤング率と幅方向のヤング率の和が、上限を超えると、フィルム製膜時、延伸倍率が過度に高くなり、フィルム破断が多発し、製品歩留りが著しく悪くなる。好ましい製膜方向と幅方向のヤング率は、その和の上限が、20GPa以下、さらに18GPa以下である。
<湿度膨張係数>
本発明の二軸配向フィルムは、フィルムの幅方向の湿度膨張係数αhが0.1×10−6〜13×10−6/%RHの範囲にあることが好ましい。好ましいαhは、0.5×10−6〜10×10−6/%RH、特に1×10−6〜8×10−6/%RHの範囲である。αhを下限よりも小さくするには、二軸配向フィルムとするときの幅方向の延伸倍率を過度に高くしたりすることになり、製膜性が低下し、一方上限を超えると、湿度変化によってフィルムが伸びてしまい、トラックずれなどを惹起することがある。このようなαhは、測定方向のヤング率を延伸により適度に向上させることによって達成される。
<温度膨張係数>
本発明の二軸配向フィルムは、フィルムの幅方向の温度膨張係数αtが−10×10−6〜+15×10−6/℃の範囲にあることが好ましい。より好ましいαtは、−8×10−6〜+10×10−6/℃、特に−5×10−6〜+5×10−6/℃の範囲である。αtが下限よりも小さいと、磁気記録媒体としたときの温度変化に対する寸法変化が、磁気ヘッドに対し相対的に収縮方向に大きくずれてしまい、一方上限を超えると、逆に磁気ヘッドに対し相対的に膨張方向に大きくずれてしまうため、いずれの場合もトラックずれなどを惹起することがある。このようなαtは、測定方向のヤング率を延伸により適度に向上させることによって達成される。
<フィルム厚み>
本発明の二軸配向フィルムは、フィルム全体の厚みが2〜10μm、さらに3〜7μm、特に3.5〜6μmであることが好ましい。この厚みが上限を超えると、テープ厚みが厚くなりすぎ、例えばカセットに入れるテープ長さが短くなったりして、十分な磁気記録容量が得られないことがある。一方、下限未満ではフィルム厚みが薄すぎて、フィルム製膜時にフィルム破断が多発したり、またフィルムの巻取性が不良となったりすることがある。
本発明の二軸配向フィルムは、他のフィルム層と積層した二軸配向積層フィルムとすることができる。特に表面性を改良するために、含有する不活性粒子の組成や、含有するポリエーテルエステル(D)の含有量や種類を変えることで、それぞれの表面の表面性を個々に変化させることが出来る。もちろん、ヤング率の観点からは、全てのフィルム層が前記ポリエーテルエステル(D)を含有することが好ましい。
<製膜方法>
本発明の二軸配向フィルムは、以下の方法にて製造するのが好ましい。
上述の芳香族ポリエステル(A)に、ポリエーテルエステル(D)を含有させた芳香族ポリエステル組成物(E)を乾燥後、300℃程度に加熱された押出機に供給し、ダイに展開して押し出す。そして、ダイから押し出されたシート状物を、テンター法、インフレーション法など公知の製膜方法を用いて製造することができる。具体的には、芳香族ポリエステル(A)の融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で押出し、急冷固化して未延伸フィルムとし、さらに該未延伸フィルムを一軸方向(縦方向または横方向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但し、Tg:芳香族ポリエステルのガラス転移温度)で所定の倍率に延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向(一段目が縦方向の場合には二段目は横方向となる)にTg〜(Tg+70)℃の温度で所定の倍率に延伸し、さらに熱処理する方法を用いて製造することができる。その際延伸倍率、延伸温度、熱処理条件等は上記フィルムの特性から選択、決定される。面積延伸倍率は15〜40倍、さらには20〜35倍にするのが好ましい。熱固定温度は190〜250℃の範囲内から、また処理時間は1〜60秒の範囲内から決めるとよい。
かかる逐次二軸延伸法のほかに、同時二軸延伸法を用いることもできる。また逐次二軸延伸法において縦方向、横方向の延伸回数は1回に限られるものではなく、縦−横延伸を数回の延伸処理により行うことができ、その回数に限定されるものではない。例えば、さらに機械特性を上げたい場合には、熱固定処理前の上記二軸延伸フィルムについて、(Tg+20)〜(Tg+70)℃の温度で熱処理し、さらにこの熱処理温度より10〜40℃高い温度で縦方向または横方向に延伸し、続いてさらにこの延伸温度より20〜50℃高い温度で横方向または縦方向に延伸し、縦方向の場合総合延伸倍率を3.0〜7.0倍、横方向の場合総合延伸倍率を3.0〜8.0倍にとすることが好ましい。
また、塗布層を設ける場合、前記した未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムの片面または両面に所望の塗布液を塗布するのが好ましい。また、本発明の二軸配向フィルムを積層フィルムとする場合、それ自体公知の方法で、2種以上の原料を用意し、マルチマニホールドダイやフィードブロックで積層して、共押出すればよい。
<磁気記録媒体>
本発明の二軸配向フィルムは、その片面に磁性層を設けることにより、磁気記録媒体のベースフィルムとして好ましく用いられる。なお、磁性層を形成する面は、二軸配向フィルムが積層フィルムの場合、より平坦な方の表面であることが好ましい。
磁気記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、QICやDLTさらには高容量タイプであるS−DLTやLTO等のリニアトラック方式のデータストレージテープが挙げられる。なお、ベースフィルムが張力に対する寸法変化が極めて小さいので、テープの高容量化を確保するためにトラックピッチを狭くしてもトラックずれを引起こし難く、高密度高容量に好適な磁気記録媒体となる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに説明する。なお、本発明における種々の物性値および特性は、以下のようにして測定されたものであり、かつ定義される。
(1)ヤング率
フイルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして引張速度10mm/min、チャート速度500mm/minでインストロンタイプの万能引張試験装置にて引張り、得られる荷重−伸び曲線の立上り部の接線よりヤング率を計算する。ヤング率は10回測定し、その平均値を用いた。
(2)ガラス転移点および融点
芳香族ポリエステルまたはポリエーテルエステル10mgを、測定用のアルミニウム製パンに封入し、DSC(TAインスツルメンツ社製、Q100)を用いて25℃から300℃まで20℃/minの昇温速度で測定し、それぞれの融点およびそれぞれのガラス転移点を求めた。
(3)各層の厚み
積層フィルムを3角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋する。ミクロトーム(ULTRACUT−S)で、製膜方向と厚み方向とに平行な方向にカットして、厚み50nm薄膜切片にする。そして、透過型電子顕微鏡を用い、加速電圧1000kvにて観察し、倍率1万倍〜10万倍で撮影し、写真より各層の厚みを測定した。
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルとエチレングリコールとを、テトラブトキシチタンを触媒として用いて反応させ、固有粘度(o−クロロフェノール、35℃)が0.62dl/gで融点(Tm)が269℃のポリエチレンナフタレート(PEN−1)を作成した。また、平均粒径0.1μmの球状シリカ粒子を1.0質量%となるように添加した以外は同様な操作を行い、固有粘度(o−クロロフェノール、35℃)が0.62dl/gで融点(Tm)が269℃のポリエチレンナフタレート(PEN−2)を作成した。
一方、シクロヘキサンジメタノールをピリジンの溶媒化で塩化トシル(p-CH3C6H4SO2Cl)と反応させて、シクロヘキサンジメタノールの水酸基の水素をトシル基で置換したものを作成し、これをジメチルホルムアミド((CH3)2CHO)の溶媒下で、炭酸カリウムを触媒として用い、p−ヒドロキシ安息香酸メチルと反応させ、下記式で表されるジカルボン酸のジメチルエステルを作成した。
Figure 0005718717
そして、このジカルボン酸のジメチルエステルとエチレングリコールとをテトラブトキシチタンを触媒として用い、エステル交換反応および重縮合反応を行い、固有粘度(P−クロロフェノール/テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒にて35℃で測定)が0.75dl/g、融点が280℃のポリエーテルエステル(D)を作成した。なお、ポリエーテルエステル(D)中のシクロヘキサンジメタノールのCisとTransの割合は、モル比で16対84であった。
そして、得られる樹脂組成物の重量を基準として、球状シリカ粒子の含有量が0.3質量%となるように、またポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)とポリエーテルエステル(D)との重量比が95:5となるように、PEN−1とPEN−2とポリエーテルエステルDをブレンドして樹脂組成物1を作成した。そして、160℃で5時間乾燥後、押し出し機に供給して300℃にて溶融し、ダイへと導き、キャスティングドラム上にキャストして未延伸シートを作成した。なお、ダイから押し出された未延伸シートは、表面仕上げ0.3S、表面温度60℃に保持したキャスティングドラム上で急冷固化せしめて、未延伸フィルムとされた。
この未延伸フイルムを、130℃で製膜方向および幅方向にそれぞれ4倍と6倍に延伸し、さらに引き続いて200℃で10秒間熱固定した後、120℃にて横方向に1.0%弛緩処理をし、厚み5.0μmの二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例2〜4]
ポリエーテルエステル(D)の割合を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
実施例1において作成した樹脂組成物1と、PEN−1とを用意し、それぞれを160℃で5時間乾燥後、押し出し機に供給して300℃にて溶融し、ダイへと導き、共押出により、キャスティングドラム上にキャストして未延伸積層シートを作成した。なお、未延伸積層シートは、樹脂組成物1の層とPEN−1の層との2層からなり、樹脂組成物1の層とPEN−1の層との厚みの比は7:3であった。このようにして得られた未延伸積層シートを、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムを得た。得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[実施例6]
実施例5において、未延伸積層シートを、樹脂組成物1の層とPEN−1の層との厚みの比を7:3となるように維持しつつ、樹脂組成物1の層とPEN−1の層とが交互に25層ずつ積層された合計50層の多層未延伸積層シートとなるように各フィルム層の厚みを変更した以外は、実施例5と同様な操作を繰り返して、二軸配向積層フィルムを得た。得られた二軸配向積層フィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いたPEN−1とPEN−2とを球状シリカ粒子の含有量が0.3質量%となるようにブレンドして樹脂組成物2を作成した。そして、樹脂組成物1の代わりに樹脂組成物2を用いたほかは、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
ポリエーテルエステル(D)の割合を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
Figure 0005718717
表1中のPENはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、PECPは実施例1で作成したポリエステル(D)を意味する。
本発明の二軸配向フィルムは、従来の二軸配向フィルムに比べ、ヤング率などに基づく張力に対する寸法変化を小さくすることができ、磁気記録媒体のベースフィルムとして好適に使用でき、特にQICやDLTさらに高容量タイプであるS−DLTやLTO等のリニアトラック方式のデータストレージテープのベースフィルムとして好適に利用できる。

Claims (4)

  1. 芳香族ポリエステル(A)に、下記式(B)で表されるジカルボン酸成分(B)および下記式(C)で表されるジオール成分(C)からなるポリエーテルエステル(D)を、0.1〜7重量%含有する芳香族ポリエステル組成物(E)からなる二軸配向フィルム。
    Figure 0005718717
    (式(B)中、Phはフェニレン基を表し、式(C)中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基もしくは炭素数8〜10のシクロアルキレン基を表す。)
  2. フィルム面方向における少なくとも一方向のヤング率(Y)が5GPa以上である請求項1に記載の二軸配向フィルム。
  3. フィルム厚みが2〜10μmの範囲にある請求項1記載の二軸配向フィルム。
  4. 磁気記録媒体のベースフィルムとして用いる請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向フィルム。
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