JP2010001390A - 二軸配向フィルム - Google Patents

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剛 石田
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Abstract

【課題】湿度変化に対する寸法安定性と製品とした後の高温での加工時の寸法安定性とをともに高度に具備する二軸配向フィルムの提供。
【解決手段】芳香族ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)とからなり、ポリシクロオレフィン(b)はガラス転移温度が110〜180℃の範囲にあり、そして、ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)の重量比が、97:3〜60:40の範囲にあるフィルム層を少なくとも1層有する二軸配向フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は湿度変化に対する寸法安定性に優れ、しかも高温での加工時の伸びなどが抑制された二軸配向フィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、優れた熱特性および機械特性を有することから磁気記録媒体、コンデンサー、フレキシブル基板、光学部材、食品包装、装飾用などの様々な用途で用いられている。
ところで、磁気記録媒体、特にデータストレージ用磁気記録媒体において、テープの高容量化、高密度化に伴ってベースフィルムへの特性要求も厳しいものとなっている。QIC、DLT、さらに高容量のスーパーDLT、LTOのごとき、リニアトラック方式を採用するデータストレージ用磁気記録媒体では、テープの高容量化を実現するために、トラックピッチを非常に狭くしている。そのためテープ幅方向の寸法変化が起こると、トラックずれを引き起こし、エラーが発生するという問題をかかえている。これらの寸法変化には、温湿度変化によるものと、高張力下で高温高湿の状態で繰り返し走行させたときに生じる幅方向の経時収縮によるものとがある。この寸法変化が大きいと、トラックずれを引き起こし、電磁変換時のエラーが発生する。なお、説明の便宜上、フィルムが連続製膜されるときの進行方向を、製膜方向、連続製膜方向、縦方向、長手方向またはMD方向と称し、製膜方向に直交する面内方向を、横方向、幅方向またはTD方向と称することがある。
このような寸法変化を解決するために、特開2006−2142には、シンジオタクチックポリスチレンなどのポリオレフィンとブレンドまたは積層することが開示されている。
しかしながら、これらの公報で提案されている方法では、フィルムなどの製品とした後に高温で加工しようとすると、伸びやすいという問題があった。
特開2006−2142号公報
本発明の目的は、湿度変化に対する寸法安定性と製品とした後の高温での加工時の寸法安定性とをともに高度に具備する二軸配向フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、芳香族ポリエステルに110〜180℃のポリシクロオレフィンを特定の割合で用いると、湿度変化に対する寸法変化を極めて縮小しつつ、高温での加工時の寸法安定性を高度に維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、芳香族ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)とからなり、ポリシクロオレフィン(b)はガラス転移温度が110〜180℃の範囲にあり、そして、ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)の重量比が、97:3〜60:40の範囲にあるフィルム層を少なくとも1層有する二軸配向フィルムを提供するものである。また、より好ましくは、ポリシクロオレフィン(b)が、ノルボルネン系ポリシクロオレフィンであること、芳香族ポリエステル(a)の主たる繰り返し単位が、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸であること、芳香族ポリエステル(a)は、酸成分が下記構造式(I)および(II)からなり、下記構造式(I)の割合が、全酸成分のモル数を基準として、5〜80モル%の範囲にあること、およびグリコール成分が下記構造式(III)であること、または磁気記録媒体のベースフィルムに用いることの少なくともいずれかひとつを具備する二軸配向フィルムも提供される。
Figure 2010001390
(上記構造式(I)中のRは炭素数1〜10のアルキレン基を、上記構造式(II)中のRはフェニレン基またはナフタレンジイル基、上記構造式(III)中のRは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。)
本発明の二軸配向フィルムは、湿度変化に対する寸法変化を極めて小さくすることができ、しかも高温での加工時の伸びも小さい。よって、例えば本発明の二軸配向フィルムは、磁気記録媒体のベースフィルムとして好適に用いることができ、例えば磁気記録媒体とすれば、トラックずれを引き起こしにくく、高密度高容量化に優れるデータストレージ用磁気記録媒体などを安定的に得ることができる。
さらに本発明の二軸配向フィルムは、湿度変化に対する寸法変化が所定の範囲にあることからフィルムコンデンサーのベースフィルムとして好適に用いることができ、また小型化や耐熱性を要する電気・電子機器用および自動車部品用フィルムコンデンサーとして好適である。
[熱可塑性樹脂組成物]
本発明における熱可塑性樹脂組成物は芳香族ポリエステル(a)と110〜180℃のガラス転移点を有するポリシクロオレフィン(b)とからなり、該ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)の重量比は、97:3〜60:40の範囲にあることが必要である。ポリシクロオレフィン(b)の含有量が下限に満たない場合、湿度変化に対する寸法安定性の向上が充分でない。またポリシクロオレフィン(b)の含有量が上限を超えると、得られる二軸配向フィルムが力学的特性の乏しいものとなる。好ましいポリシクロオレフィン(b)の割合は、熱可塑性樹脂組成物の重量を基準として、5〜35重量%、さらに8〜25重量%である。
本発明における芳香族ポリエステル(a)は、ジオール成分と芳香族ジカルボン酸成分との重縮合によって得られるポリマーである。かかる芳香族ジカルボン酸成分として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸などの6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸が挙げられ、またジオール成分として、例えばエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオールが挙げられる。
これらの中でも、高温での加工時の寸法安定性の点からは、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするものが好ましく、特にエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするものが好ましい。
また、より環境変化に対する寸法安定性を向上させる観点から芳香族ポリエステル(a)は、酸成分が前記構造式(I)および(II)からなり、下記構造式(I)の割合が、全酸成分のモル数を基準として、5〜80モル%の範囲にあること、およびグリコール成分が下記構造式(III)であることが好ましい。
前述の構造式(I)で示される具体的な酸成分としては、Rの部分が炭素数1〜10のアルキレン基であるものであり、好ましくは6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、6,6’−(トリメチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分および6,6’−(ブチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分などが挙げられ、これらの中でも本発明の効果の点からは、上記一般式(I)におけるRの炭素数が偶数のものが好ましく、特にRの炭素数が2である6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が好ましい。
前述の構造式(II)で示される酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸成分などが挙げられる。これらの中でも、機械的特性などの点からテレフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましく、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましい。
また、前述の構造式(III)で示される具体的なグリコール成分としては、エチレングリコール成分、トリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分などが挙げられ、機械的特性などの点からグリコール酸成分の90モル%以上はエチレングリコール成分であることが好ましく、さらに95〜100モル%がエチレングリコール成分であることが好ましい。
ところで、ポリエステルの酸成分の内、5〜80モル%の範囲で上記構造式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が共重合されていることが好ましい。6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合が下限未満では湿度膨張係数の低減効果などが発現されがたい。一方、上限は成形性などの観点から80モル%以下が好ましく、さらに50モル%未満であることが好ましい。また、驚くべきことに、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分による湿度膨張係数の低減効果は、少量で非常に効率的に発現され、50モル%以上添加しても湿度膨張係数の観点からの効果は飽和状態になるともいえる。そのような観点から、好ましい6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の共重合量の上限は、45モル%以下、さらに40モル%以下、よりさらに35モル%以下、特に30モル%以下であり、他方下限は、5モル%以上、さらに7モル%以上、よりさらに10モル%以上、特に15モル%以上である。
このような特定量の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合した芳香族ポリエステル(a)を用いることで、より温度膨張係数と湿度膨張係数も小さい二軸配向フィルムとすることができる。
本発明における芳香族ポリエステル(a)は、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を含有しない場合はο-クロロフェノール中、35℃において、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を含有する場合はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒中、35℃において、測定したときの固有粘度が0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜1.0dl/gであることがさらに好ましい。固有粘度が0.4dl/g未満ではフィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品の強度が不足することがある。一方固有粘度が1.0dl/gを超える場合は重合時の生産性が低下する。
本発明における芳香族ポリエステル(a)の融点は、200〜300℃であることが好ましく、更に好ましくは210〜290℃、特に好ましくは220〜280℃である。融点が下限に満たないと二軸配向フィルムの耐熱性が不十分な場合がある。また融点が上限を超える場合は後述のポリシクロオレフィン(b)と混合が難しくなることがある。
本発明におけるポリシクロオレフィン(b)は、ガラス転移温度が110〜180℃の範囲にあるポリシクロオレフィンである。かかるポリシクロオレフィン(b)としてノルボルネン系のポリシクロオレフィンなどが挙げられる。具体的なノルボルネン系のポリシクロオレフィンとしては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ZEONEX」や商品名「ZEONOR」、またJSR株式会社製の商品名「ARTON」などが挙げられる。ガラス転移温度が上記範囲内にあることで、高温加工時の伸びを抑えつつ製膜性を維持しやすい。
本発明におけるポリシクロオレフィン(b)は高いガラス転移温度を有しつつも、前述の芳香族ポリエステル(a)とブレンドして製膜する際の製膜性を高度に維持しやすい点から、融点がない非晶質のものであることが好ましい。
上述の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、芳香族ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)との分散性を調整するためのそれ自体公知の相溶化剤を含有させたり、フィルムなどにしたときの取扱い性を向上させるためのそれ自体公知の不活性粒子やワックスなどを含有させたり、難燃剤や紫外線吸収剤などの機能剤を含有させても良い。もちろん、本発明の効果を阻害しない範囲で、それ自体公知の他の共重合成分を共重合しても良いし、液晶性樹脂などをブレンドしてもよい。特に、芳香族ポリエステル(a)がエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルである場合、ポリイミドを10〜30重量%ブレンドしたものが本発明の効果の点から好ましい。
[二軸配向フィルム]
本発明の二軸配向フィルムは単層フィルムでも積層フィルムであってもどちらでもよいが、少なくとも一つのフィルム層は、前述の熱可塑性樹脂組成物からなることが必要である。
本発明の二軸配向フィルムは、フィルム厚みが1〜10μmの範囲にあることが好ましく、さらに2〜10μm、特に3〜7μmであることが好ましい。この厚みが上限を超えると、フィルム厚みが厚くなりすぎ、例えば磁気記録媒体に用いた場合はカセットに入れるテープ長さが短くなり、十分な磁気記録容量が得られない。
本発明の二軸配向フィルムは、好ましい態様として単層フィルムが挙げられる。かかる単層フィルムは、前述の熱可塑性樹脂組成物からなるものである。
また、本発明の二軸配向フィルムは、好ましい態様として二軸配向積層フィルムが挙げられる。かかる二軸配向積層フィルムは、前述の熱可塑性樹脂組成物から形成されるフィルム層が少なくとも一つあればよい。もちろん寸法安定性の点からは、前述の熱可塑性樹脂組成物から形成されるフィルム層の合計の厚みは、二軸配向積層フィルム全体の厚みに対して、寸法安定性の点から、50%以上、さらに60%以上であることが好ましく、全層が前述の熱可塑性樹脂組成物からなるものが特に好ましい。二軸配向積層フィルムのフィルム層数は、2層でも3層でも4層でもよく、さらにそれらを積み重ねた数百層の多層積層フィルムであっても良い。
[幅方向の湿度膨張係数]
本発明の二軸配向フィルムは、フィルムの幅方向の湿度膨張係数αhが0.1×10-6〜7×10-6/%RHの範囲にあることが好ましい。さらに好ましいαhは、0.5×10-6〜6×10-6/%RH、特に好ましくは、0.5×10-6〜5×10-6/%RHの範囲である。
αhを下限よりも小さくするには、過度にポリシクロオレフィン(b)を存在させなくてはならず、製膜性が損なわれたりし、他方上限を越えると、湿度変化によってフィルムが伸びてしまい、磁気記録媒体に用いた時にトラックずれなどを惹起することがある。このようなαhは、測定方向のヤング率を延伸により向上させ、かつポリシクロオレフィン(b)を混在させたり、前述の構造式(I)のものを共重合させたりすることによって達成される。幅方向が未延伸の場合、幅方向のヤング率が低いため、ポリシクロオレフィン(b)が混在していても上述の範囲の湿度膨張係数は得られない。
[幅方向の温度膨張係数]
本発明の二軸配向フィルムは、フィルムの幅方向の温度膨張係数αtが-10×10-6〜+15×10-6/℃の範囲にあることが好ましい。好ましいαtは、-8×10-6〜+10×10-6/℃、特に-5×10-6〜+5×10-6/℃の範囲である。αtが、下限よりも小さいと収縮してしまい、一方上限を超えると、温度変化によってフィルムが伸びてしまい、磁気記録媒体に用いた時にはトラックずれなどを惹起することがある。
このようなαtは、測定方向のヤング率を延伸により向上させ、かつポリシクロオレフィン(b)の存在量を前述の上限以下にすることによって達成される。幅方向が未延伸の場合、幅方向のヤング率が低いため、ポリシクロオレフィン(b)が混在していても上述の範囲の温度膨張係数は得られない。
[ヤング率]
本発明の二軸配向フィルムは、フィルムの製膜方向および幅方向のヤング率がともに4GPa以上であることが好ましい。どちらか一方でもヤング率が下限よりも小さいと、湿度変化による寸法変化が小さくても、磁気記録媒体としたときに係る負荷に耐えられなかったり、温湿度変化で変形しやすくなることがある。また、製膜方向と幅方向のヤング率の和は、高々22GPaであることが好ましい。製膜方向のヤング率と幅方向のヤング率の和が、上限を超えると、フィルム製膜時、延伸倍率が過度に高くなり、フィルム破断が多発し、製品歩留りが著しく悪くなる。好ましい製膜方向と幅方向とのヤング率の和の上限は、20GPa以下、さらに18GPa以下である。
ところで、リニアトラック方式の磁気テープ用として供する場合、製膜方向の伸びを少なくする観点からは、製膜方向のヤング率が4.5GPa以上、5GPa以上、特に6GPa以上であることが好ましい。また、幅方向の環境変化に対する寸法安定性を高める観点から、幅方向のヤング率は、7GPa以上、8GPa以上、特に9GPa以上であることが好ましい。
本発明の二軸配向フィルムは、最外層の少なくとも一方の面に接着性や滑り性を向上させるためにそれ自体公知の塗膜層を有してもよい。かかる塗膜層は、バインダー樹脂および溶媒からなるコーティング塗剤を二軸配向フィルムに塗布することによって得られる。
本発明の二軸配向フィルムは、用いる用途に応じて、用途に適した表面粗さWRa(中心面平均粗さ)を有することが好ましい。例えば、磁気記録媒体に用いられる場合、二軸配向フィルムの少なくとも一方の表面の表面粗さWRa(中心面平均粗さ)は、1〜10nm、さらには2〜10nm、特に2〜8nmであることが好ましい。この表面粗さWRaが10nmより大きいと、磁性層の表面が粗くなり、満足し得る電磁変換特性が得られなくなることがある。一方、この表面粗さWRaが1nm未満であると、表面が平坦になりすぎるため、パスロールまたカレンダーでの滑りが悪くなり、シワが発生し、磁性層をうまく塗布できなくなったり、またうまくカレンダーをかけられなくなってしまうことがある。
前記表面粗さWRaは、フィルム中に不活性粒子を含有させることで、あるいは微細な凹凸を形成する表面処理、例えば塗剤のコーティング処理によって調整することができる。
本発明の二軸配向フィルムは、以下の方法にて製造するのが好ましい。
本発明の二軸配向フィルムは、単層フィルムの場合、上述の芳香族ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)とを原料とし、これを溶融状態でシート状に押出した後、テンター法、インフレーション法など公知の製膜方法を用いて製造することができ、例えば芳香族ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)とを所定量混合し、乾燥後、300℃に加熱された押出機に供給して、Tダイよりシート状に成形する方法が挙げられる。
好ましくは芳香族ポリエステル(a)の融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で押出し、急冷固化して未延伸フィルムとし、さらに該未延伸フィルムを一軸方向(縦方向または横方向)に芳香族ポリエステル(a)のガラス転移温度(Tg:℃)より10℃低い温度〜(Tg+70)℃の温度で所定の倍率に延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向(一段目が縦方向の場合には二段目は横方向となる)にTg〜(Tg+70)℃の温度で所定の倍率に延伸し、さらに熱処理する方法を用いて製造することができる。その際、延伸倍率、延伸温度、熱処理条件等は上記フィルムの特性から選択、決定される。面積延伸倍率は6〜35倍が好ましく、コンデンサー用の場合は6〜25倍、さらには7〜16倍にするのが好ましく、磁気記録媒体用の場合、15〜35倍、さらには20〜30倍にするのが好ましい。熱固定温度は190〜250℃の範囲内から、また処理時間は1〜60秒の範囲内から決めるとよい。
かかる逐次二軸延伸法のほかに、同時二軸延伸法を用いることもできる。また逐次二軸延伸法において縦方向、横方向の延伸回数は1回に限られるものではなく、縦−横延伸を数回の延伸処理により行うことができ、その回数に限定されるものではない。例えば、磁気記録用途の場合、さらに機械特性を上げたい場合には、熱固定処理前の上記二軸延伸フィルムについて、(Tg+20)〜(Tg+70)℃の温度で熱処理し、さらにこの熱処理温度より10〜40℃高い温度で縦方向または横方向に延伸し、続いてさらにこの延伸温度より20〜50℃高い温度で横方向または縦方向に延伸し、縦方向の総合延伸倍率を3.0〜7.0倍、横方向の総合延伸倍率を3.0〜6.0倍にとすることが好ましい。
2層または3層の積層フィルムを製造する場合、共押出し法による方法が挙げられる。好ましくは、それぞれの層を構成する原料を溶融状態で共押出し法によりダイ内で積層してからシート状に押出すか、または2種以上の溶融ポリエステルをダイから押出した後に積層し、急冷固化して積層未延伸フィルムとし、ついで単層フィルムの場合と同じ方法、条件で二軸延伸、熱処理を行って積層二軸配向フィルムとする。
4層以上の積層フィルムを製造する場合、例えば特開2000-326467号公報の段落0028で提案されたようなフィードブロックを用いた同時多層押出法により製造することができる。
また、塗布層を設ける場合、前記した未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムの片面または両面に所望の塗布液を塗布するのが好ましい。
(磁気記録媒体)
本発明によれば、本発明の二軸配向フィルムをベースフィルムとし、その片面上に磁性層を有する磁気記録媒体が提供される。
磁気記録媒体としては、本発明の二軸配向フィルムをベースフィルムとしていれば特に限定されず、例えば、QICやDLTさらには高容量タイプであるS-DLTやLTO等のリニアトラック方式のデータストレージテープなどが挙げられる。なお、ベースフィルムが温湿度変化による寸法変化が極めて小さいので、テープの高容量化を確保するためにトラックピッチを狭くしてもトラックずれを引き起こし難い高密度高容量に好適な磁気記録媒体となる。
以下、実施例に基づき本発明を説明する。各特性値ならびに評価法は下記の方法によって測定、評価した。
(1)融点、ガラス転移点
芳香族ポリエステル(a)またはポリシクロオレフィン(b)10mgを、測定用のアルミニウム製パンに封入し、DSC(TAインスツルメンツ社製、Q100)を用いて25℃から300℃まで20℃/minの昇温速度で測定し、芳香族ポリエステル(a)の融点:Tma、)および、それぞれのガラス転移点(芳香族ポリエステル(a)のガラス転移点:Tga、ポリシクロオレフィン(b)のガラス転移点:Tgb)を求めた。
(2)不活性粒子の平均粒径
島津製作所製CP-50型セントリフュグル パーティクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle Size Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲線をもとに算出する各粒子の粒径とその存在量との累積曲線から、50マスパーセント(mass percent)に相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とする。
(3)湿度膨張係数(αh)
得られたフィルムから幅5mmのサンプルを切り出し、チャック間長さ15mmとなるように、ブルカーAXS製TMA4000SAにセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度20%RHと湿度80%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数(αh)を算出した。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L80−L20)/(L20×△H)
ここで、上記式中のL20は20%RHのときのサンプル長(mm)、L80は80%RHのときのサンプル長(mm)、△H:60(=80−20)%RHである。
(4)温度膨張係数(αt)
得られたフィルムから幅4mmのサンプルを切り出し、チャック間長さ20mmとなるように、セイコーインスツル製TMA/SS6000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、80℃で30分前処理し、その後室温まで降温させた。その後30℃から80℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出した。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5×10−6
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5×10−6/℃は石英ガラスの温度膨張係数(αt)である。
(5)ヤング率
フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして引張速度10mm/min、チャート速度500mm/minでインストロンタイプの万能引張試験装置にて引張り、得られる荷重-伸び曲線の立上り部の接線よりヤング率を計算する。
なお、測定方向が試料の長手方向であり、ヤング率は10回測定し、その平均値を用いた。
(6)各層の厚み
積層フィルムを3角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋する。ミクロトーム(ULTRACUT-S)で、製膜方向と厚み方向とに平行な方向にカットして、厚み50nm薄膜切片にする。そして、透過型電子顕微鏡を用い、加速電圧1000kvにて観察し、倍率1万倍〜10万倍で撮影し、写真より各層の厚みを測定した。
(7)固有粘度
芳香族ポリエステル(a)の固有粘度は、o-クロロフェノール、35℃で測定した。なお、前記構造式(I)で示される構造単位を含むときなど、o−クロロフェノールでは均一に溶解するのが困難な場合は、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いて35℃で測定して求めた。
(8)TMA
セイコーインスツル製TMA/SS6000を用いて、フィルム製膜方向が長手方向となるようにして幅4mmに切り出したサンプルを、チャック間長さ20mmとなるようにセットし、20MPaの荷重をかけて、昇温速度5℃/分にて昇温し、115℃時のフィルム製膜方向におけるフィルムの伸び割合(%)を求めた。
伸び率が低いほど、高温での加工時の伸びが少なく優れているといえる。
(9)加工時の伸び(塗布斑)
幅500mmにスリットされた長さ500mのフィルムの一方の表面に、下記組成の非磁性塗料、磁性塗料をダイコータで同時に、乾燥後の非磁性層および磁性層の厚みが、それぞれ1.2μmおよび0.1μmとなるように膜厚を変えて塗布し、磁気配向させて乾燥させる。さらに、小型テストカレンダ−装置(スチ−ルロール/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングする。そして、得られた磁性層付フィルムについて、目視判定により、以下の基準で塗布斑を評価した。なお、目視判定は、フィルムの裏側に蛍光灯を設置し、磁性層の抜けによる光の漏れをカウントすることで行ない、この磁性層付フィルムを必要に応じてバックコート層などを設けた上で、幅12.65mmにスリットし、カセットに組み込みことで磁気記録テープにできる。
◎:塗布抜けが5個/250m未満
○:塗布抜けが5個/250m以上10個/250m未満
△:塗布抜けが10個/250m以上20個/250m未満
×:塗布抜けが20個/250m以上
非磁性塗料の組成
・二酸化チタン微粒子 :100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート): 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
磁性塗料の組成
・鉄(長さ:0.3μm、針状比:10/1、1800エルステッド)
:100重量部
・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部
・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート):5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
(10)共重合量
(グリコール成分)試料10mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに80℃で溶解し、イソプロピルアミンを加えて十分に混合した後に、600MHzのH−NMRを日本電子製、JEOL A600を用いて80℃で測定し、それぞれのグリコール成分量を測定した。
(酸成分)試料60mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、同じく日本電子製JEOL A600を用いて、150MHzの13C−NMRを140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
[参考例1]
ナフタレン-2,6-ジカルボン酸ジメチルおよびエチレングリコールを酢酸マンガンの存在下、常法によりエステル交換反応を行った後、トリエチルフォスフォノアセテートを添加した。次いで三酸化アンチモンを添加して、常法により重縮合させてポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート樹脂(固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62、以下PEN1と略記する)を得た。本樹脂中の各元素の濃度を原子吸光法によって測定した結果、Mn=50ppm、Sb=300ppm、P=50ppmであった。なお、PEN1中には、重合段階で、樹脂組成物の重量を基準として、あらかじめ平均粒径0.5μmのシリコーン粒子を0.02重量%、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.3重量%添加した。
[参考例2]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の80モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の20モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分の99モル%がエチレングリコール成分、1モル%がジエチレングリコール成分である共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、共重合PEN1と称する。)を得た。なお、該共重合PEN20には、重縮合反応の前に平均粒径0.5μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.2重量%となるように含有させた。
[参考例3]
酸成分中の2,6−ナフタレンジカルボン酸成分の割合を90モル%、酸成分の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合を10モル%に変更する以外は、参考例2と同様な操作を繰り返して、共重合PEN10を得た。
[参考例4]
酸成分中の2,6−ナフタレンジカルボン酸成分の割合を70モル%、酸成分の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合を30モル%に変更する以外は、参考例2と同様な操作を繰り返して、共重合PEN30を得た。
[比較例1]
参考例1で得られたPEN1を180℃で6時間乾燥後、300℃に加熱された押出機に供給し、T型押出ダイを用いて押出し、表面仕上げ0.3S、表面温度60℃に保持したキャスティングドラム上で急冷固化せしめて、未延伸フイルムを得た。この未延伸フィルムを75℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で14mm上方より830℃の表面温度の赤外線ヒーターにて加熱してフィルムの製膜方向に5.1倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、125℃にて横方向に4.8倍延伸した。さらに引き続いて240℃で10秒間熱固定した後、120℃にて横方向に1.0%弛緩処理をし、厚み5.0μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムのヤング率は縦方向8GPa、横方向6.5GPaであった。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例1および2ならびに比較例2]
比較例1において、PEN1の代わりに、PEN1に日本ゼオン株式会社製の商品名「ZEONEX480R」を表1に示す重量比となるようにブレンドした熱可塑性樹脂組成物を用いたほかは、同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
比較例1において、PEN1の代わりに、PEN1にJSR株式会社製の商品名「ARTON F5023」を表1に示す重量比となるようにブレンドした熱可塑性樹脂組成物を用いたほかは、同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
実施例1で用いた熱可塑性樹脂組成物をフィルム層A層用原料とし、参考例1で得られたPEN1をフィルム層B用原料とし、フィルム層Aの片面にフィルム層Bが積層され、これらの厚み比(フィルム層A/(フィルム層A+フィルム層B)が67%となるように共押出しで積層未延伸フィルムとしたほかは、実施例1と同様な操作を繰り返して、二軸配向フィルムとした。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
実施例4において、フィルム層Aの両面に同じ厚みのフィルム層Bを積層し、厚み比(フィルム層A/(フィルム層A+全フィルム層B)が60%となるように変更したほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向フィルムとした。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例6]
実施例4において、フィルム層Aとフィルム層Bと交互に201層(両表面にフィルム層Bが配置され、各フィルム層Aおよび各フィルム層Bの厚みはそれぞれの層の中で同じ)となるように積層し、厚み比(全フィルム層A/(全フィルム層A+全フィルム層B)を60%に変更したほかは同様な操作を繰り返して、二軸配向フィルムとした。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例7]
実施例1において、PEN1の変わりに、参考例2で得られた共重合PEN20を用いたほかは同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例8]
実施例2において、PEN1の変わりに、参考例2で得られた共重合PEN20を用いたほかは同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例9]
実施例3において、PEN1の変わりに、参考例2で得られた共重合PEN20を用いたほかは同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例10]
実施例1において、PEN1の変わりに、参考例3で得られた共重合PEN10を用いたほかは同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例11]
実施例1において、PEN1の変わりに、参考例4で得られた共重合PEN30を用いたほかは同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例12]
実施例4において、フィルム層Aに用いるPEN1を参考例2で得られた共重合PEN20に変更したほかは同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例13]
実施例5において、フィルム層Aに用いるPEN1を参考例2で得られた共重合PEN20に変更したほかは同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[実施例14]
実施例6において、フィルム層Aに用いるPEN1を参考例2で得られた共重合PEN20に変更したほかは同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
実施例2において、日本ゼオン株式会社製の商品名「ZEONEX480R」の代わりに、出光興産株式会社製シンジオタクチックポリスチレン(商品名:ザレック130ZC)を用いたほかは同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。
Figure 2010001390
表1中の熱可塑性樹脂組成物の欄における、Aは日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス480R」、BはJSR株式会社製の商品名「ARTON F5023」、Cは出光興産株式会社製の商品名「ザレック130ZC」を示す。また、表1中のENAは前記式(I)で示される6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を示し、その割合は、芳香族ポリエステル中の全酸成分に対するモル%を示す。さらにまた、二軸配向フィルムの欄にある、MDはフィルムの製膜方向、TDはフィルムの幅方向、A層の割合は、2層、3層または多層といった積層フィルムの場合にける熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム層(フィルム層A)の全厚みを二軸配向フィルムの全厚みで割ったものである。
本発明の二軸配向フィルムは、優れた寸法安定性と高温での加工性とを有することから、磁気記録媒体やコンデンサーのベースフィルムとして用いることができ、特にリニア記録方式の磁気記録テープのベースフィルムとして好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 芳香族ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)とからなり、
    ポリシクロオレフィン(b)はガラス転移温度が110〜180℃の範囲にあり、そして、ポリエステル(a)とポリシクロオレフィン(b)の重量比が、97:3〜60:40の範囲にあるフィルム層を少なくとも1層有することを特徴とする二軸配向フィルム。
  2. ポリシクロオレフィン(b)が、ノルボルネン系ポリシクロオレフィンである請求項1記載の二軸配向フィルム。
  3. 芳香族ポリエステル(a)の主たる繰り返し単位が、エチレンテレフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートである請求項1記載の二軸配向フィルム。
  4. 芳香族ポリエステル(a)は、酸成分が下記構造式(I)および(II)からなり、下記構造式(I)の割合が、全酸成分のモル数を基準として、5〜80モル%の範囲にあること、およびグリコール成分が下記構造式(III)であることを具備する請求項1記載の二軸配向フィルム。
    Figure 2010001390
    (上記構造式(I)中のRは炭素数1〜10のアルキレン基を、上記構造式(II)中のRはフェニレン基またはナフタレンジイル基、上記構造式(III)中のRは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。)
  5. 磁気記録媒体のベースフィルムとして用いる請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向フィルム。
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