JP5815170B2 - 自動二輪車の後輪懸架構造 - Google Patents

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Description

この発明は、自動二輪車の後輪懸架構造に係り、特に、車幅方向の剛性と捩り剛性とを適度に調整して走行フィーリングを向上させたものに関する。
自動二輪車の後輪懸架装置は、前端部を車体フレームへピボット軸にて揺動着脱自在に軸支され、後端部に後輪を支持するリヤスイングアームを備えている。このリヤスイングアームは、左右一対のアーム部と、このアーム部間に懸架されたクロスメンバとを備えるとともに、リヤスイングアームの剛性等を向上させるために、左右一対のアーム部とクロスメンバとの接合部にガセットプレートを取付けて補強したものが知られている。
実用新案登録2592294号公報
ところで、自動二輪車のリヤスイングアームは、剛性が高いほど乗り心地や操作性に優れるわけではなく、車両ごとの特性に合わせた適度な上下左右の撓みや捩り特性を備えたほうが、乗り心地や操作性が向上する。
したがって本願は、走行フィーリングを向上させるために、捩り剛性の大幅な減少を抑えつつ、車両幅方向の剛性を調整することが可能なリヤスイングアームを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本請求項1に記載した発明は、一端が車体へ揺動可能に支持されるとともに、他端に後輪を回転可能に支持するリヤスイングアームを備え、
このスイングアームは、左右一対のアーム部と、この左右一対のアーム部間に掛け渡されたクロスメンバと、
このクロスメンバの後面側とアーム部の内面側とを接続する左右一対の補強部材とを備えた自動二輪車の後輪懸架構造において、
前記補強部材は、上板部と、この上板部の縁部から下方に延びる垂下部とを備えるとともに、
この垂下部に下端から前記上板部の縁部に向けて切り欠かれた切り欠き部が形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載された発明は、上記請求項1において、
前記車体に支持されたパワーユニットを備え、このパワーユニットからの駆動力を前記後輪へ伝達するチェーンと、このチェーンをガイドするチェーンスライダと、を備え、
前記補強部材の切り欠き部に前記チェーンスライダを係止するための係合突起が形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載された発明は、上記請求項1又は2において、
前記リヤスイングアームには、パッセンジャー用のピリオンステップを支持するためのステップブラケットが取付けられていることを特徴とする。
請求項4に記載された発明は、上記請求項2又は3において、
前記チェーンスライダは、前記ピボット軸を後方から覆うように前方へ延出する上延出部と下延出部を備え、
この下延出部は前記上延出部よりも前方へ延び出していることを特徴とする。
請求項5に記載された発明は、上記請求項2において、
前記チェーンスライダは前記左右一対の補強部材のいずれか側へ重なるように設けられるとともに、
前記左右一対の補強部材は同じものであり、
前記チェーンスライダが配置されない側の補強部材にも前記係合突起が設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、アーム部とクロスメンバとの接続部は補強部材により補強され、リヤスイングアーム全体の剛性が高くなるが、補強部材の垂下部に切り欠き部を設けたので、リヤスイングアームの車幅方向における剛性を、適度な上下左右の撓みが得られる程度に必要十分な剛性にすることができる。
一方、リヤスイングアームの捩り方向においては、垂下部に切り欠き部を設けても、捩り剛性はあまり大きく下がらず、必要十分な捩り剛性を確保できる。
このため、車両ごとの特性に合わせた適度な上下左右の撓みや捩り特性を備えることができ、乗り心地や操作性が向上する。
したがって、捩り剛性の大幅な減少を抑えつつ、車両幅方向の剛性を調整して走行フィーリングを向上させることが可能になる。
請求項2に記載した発明によれば、切り欠き部には、係合突起を設け、これにチェーンスライダを係合させることにより、チェーンスライダを垂下部へ係止できる。このため、チェーンスライダを特別な取付部材を必要とせずに、簡単に補強部材へ取付けることができる。しかも、係合突起は上板部を活用して容易に設けることができる。
請求項3に記載した発明によれば、アーム部にステップブラケットを設け、これにピリオンステップを取付けたので、従来のようにピリオンステップを車体フレームへ取付けるために、車体フレームの一部を特別に後方へ突出するような構造を採用する必要がないから、車体フレーム側における設計の自由度を向上させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、チェーンスライダの前端部に、ピボット軸を後方から覆って前方へ延出する上延出部と、下延出部を備え、下延出部の前端部を上延出部の前端部よりも長く前方へ突出させたので、回転するチェーンを迎える側となる下延出部が下側のチェーンをより早くガイドでき、チェーンを効果的にガイドできる。
請求項5に記載した発明によれば、左右の補強部材に同一のものを用い、チェーンスライダを設けない右側の補強部材にも係合突起が設けられているようにしたので、チェーンスライダの有無にかかわらず、左右の補強部材における剛性を同じくできるとともに、左右同じものを使用できるから部品点数を削減できる。
本実施形態に係る自動二輪車の左側面図 図1におけるリヤスイングアーム部分の拡大図 右側面におけるリヤスイングアーム部分の拡大図 リヤスイングアームの左側面図 リヤスイングアームの平面図 リヤスイングアームの後方視図 図5における要部のX矢示図 図7の8−8線断面図 図5における9−9線断面図 リヤスイングアームの前端部分をさらに拡大して要部を示す図 チェーンスライダの平面図 チェーンスライダの左側面図 チェーンアジャスタの側面図 チェーンアジャスタの平面図 チェーンアジャスタの分解図
以下、図面に基づいて一実施形態を説明する。図中に、前方をF、上方をUP、左方をLHとして示す。
図1は本実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。なお、車体前部は概略的に示す。
前輪1及び後輪2間において、パワーユニット3が車体フレーム4に支持されている。
車体フレーム4はパワーユニット3の前方を後方へ斜め下がりに設けられたダウンフレーム4aと、パワーユニット3の上方を後方へ延びるメインフレーム4bと、このメインフレーム4bからパワーユニット3の後方を斜めに下方へ延びるセンターフレーム4cと、メインフレーム4bからさらに後方へ略水平に延びるシートレール4dとを備える。
ダウンフレーム4aとセンターフレーム4cの各下端部はパワーユニット3へ取付けられている。
センターフレーム4cの上下方向中間部には、リヤスイングアーム5の前端がピボット軸6により揺動自在に支持されている。リヤスイングアーム5の後端には、後輪2が後輪車軸7により、回転自在に支持されている。
さらに、リヤスイングアーム5の後端部とシートレール4dの間には、リヤクッション8が支持されている。リヤスイングアーム5とリヤクッション8は後輪懸架装置を構成している。
後輪2には、被動スプロケット9が設けられ、この被動スプロケット9とパワーユニット3の駆動スプロケット3aの間にチェーン10が巻き掛けられ、後輪2はパワーユニット3によりチェーン駆動される。
11はチェーンケース、12はピリオンステップ、13はメインフレーム4b上に支持される燃料タンク、14はシートである。シート14はライダー(運転者)用の前席とパッセンジャー(同乗者)用の後席とを一体に備えたダブルシートであり、後席のパッセンジャーはピリオンステップ12に足を乗せるようになっている。
図2は、図1におけるリヤスイングアーム5部分の拡大図であり、リヤスイングアーム5の後端部にはチェーンアジャスタ15が設けられ、リヤスイングアーム5の後端部側方に設けられた車軸穴5aにはアジャスト目盛り16が臨み、外部から目視できるようになっている。このアジャスト目盛り16により、チェーンの引き状態、すなわちチェーンの張りを調節したアジャスト状態を把握できる。詳細は後述する。
なお、図中の符号Lは、ピボット軸6と後輪車軸7の各中心を通る直線であり、側面視におけるリヤスイングアーム5(正確には後述するアーム部20)の上下方向の略中心を通る中心線である。この延長上に駆動スプロケット3aがあり、この駆動スプロケット3aと被動スプロケット9に巻き掛けられたチェーン10が直線Lの上下に配されている。
図3は右側面におけるリヤスイングアーム5部分の拡大図である。ピボット軸6の下方にはマフラー17が略水平に後方へ延び、その前部と斜め上がり前方へ延びるリヤスイングアーム5の前部とセンターフレーム4cで略3角形の空間を形成している。
この空間を塞いで、略3角形のドレスガード18が設けられ、ピボット軸6でセンターフレーム4cへ共締めされている。
ドレスガード18は車体右側にのみ設けられ、反対側の車体左側には設けられていない。車体左側にはドレスガード18と同様の機能を有するチェーンケース11が設けられているためである。
19はトルクロッドであり、後輪のハブ2aとリヤスイングアーム5の前部間を連結している。
次に、リヤスイングアーム5について詳述する。図4はリヤスイングアーム5の左側面図、図5は平面図、図6は後方視図、図7は図5における要部のX矢示図、図8は図7の8−8線断面図、図9は図5における9−9線断面図である。
図5に示すように、リヤスイングアーム5は左右に平行する一対のアーム部20・20と、それぞれの前部間を連結するクロスメンバ21、このクロスメンバ21の左右両端部近傍とアーム部20を斜めに連結して補強するガセットプレート22を備える。ガセットプレート22は本願における補強部材に相当する。
アーム部20及びクロスメンバ21は、それぞれ角筒状の金属パイプであり、クロスメンバ21は長手方向端部の開口が側面視で前後方向へ長い矩形をなしている(図4参照)。
各アーム部20の前端部には軸受ホルダ23が設けられ、センターフレーム4cを左右方向へ貫通するピボット軸6を軸受けしている。
各アーム部20の長手方向中間部には、ステップブラケット24が設けられ、これにピリオンステップ12が起倒自在に取付けられている。なお、右側のステップブラケット24には、線材を折り曲げたステップガード25が設けられている。ステップガード25は倒した状態のピリオンステップ12内側へ重なるようになっている。
各アーム部20の後端部には、リヤクッション8の下端部を取付けるクッションブラケット26が設けられている。
左側のアーム部20の前後には、上下にチェーンケース用ステー27が設けられ、ここでチェーンケース11をボルト28(図2参照)で固定している。なお、後方上側のチェーンケース用ステー27は、クッションブラケット26と一体に設けられている。
また、左右のアーム部20の後端部側面には車軸穴5aが設けられている。車軸穴5aは前後方向に長い長穴形状をなし、上下幅は後輪車軸7の外径程度であるが、前後方向はチェーンの張り調節を可能にするため、後輪車軸7を前後方向へ進退移動させるに十分な長さになっている。
左側のアーム部20の前部近傍にはチェーンスライダ30が設けられている。チェーンスライダ30は、回転するチェーン10を摺動案内するため、アーム部20の内側に前後方向へ長く設けられている部材である。
チェーンスライダ30はクロスメンバ21の左端部及びガセットプレート22の上に重なって前後方向へ延び、チェーンスライダ30に形成された係止突起31がアーム部20に形成された係止穴21aへ係合して一体化される。また、後端部32は、左側のガセットプレート22に係止される。チェーンスライダ30の詳細は後述する。
図6から8に示すように、ガセットプレート22は鉄等の金属板をプレス成形等で略L字状に折り曲げた補強部材であり、略水平の上板部40と、その後縁部40aから下方へ折れ曲がり略垂直に下方へ延びる垂下部41とを一体に有し、この垂下部41の前端部41aをクロスメンバ21の背面(後面)21aに、後端部41cをアーム部20の内側面へ当接して溶接されている。なお、図5に示すように、上板部40は平面視で台形乃至は略三角形状をなし、その前縁部40bはクロスメンバ21の背面(後面)21aに、側縁部40cはアーム部20の内側面へ当接してそれぞれ溶接されている。
垂下部41には切り欠き部42が設けられ、この切り欠き部42は、垂下部41の下端から上方の上板部40の後縁部40aへ向かって切り込まれて形成され、垂下部41から図7において格子状のハッチングAで示す部分を切り取って肉抜きしたものに相当する。垂下部41は主として車幅方向の剛性に影響のある部分であり、肉抜きにより車幅方向の剛性を低下させるように調整できる。また、肉抜き量の調節により車幅方向の剛性を自由に調整でき、車両毎の使用に応じた最適な肉抜き量に設定されている。
なお、垂下部41は車幅方向に比べて捩り方向の剛性、すなわち捩り剛性に対する影響が少ない部分であり、切り欠き部42を設けても、車幅方向の剛性に対して捩り剛性はあまり低下しない。但し、この捩り剛性も切り欠き部42の大きさや切り欠き方によって調整できる。
垂下部41のうち、切り欠き部42で切り欠かれた切り欠き残余の部分は、前端部41a、後端部41c、及び上板部40の後縁部40aに沿って上部を左右へ延びて前端部41a、後端部41cの各上部へ連続する上縁部41b、並びに前端部41a及び後端部41c間にて上縁部41bから下方へ突出する係合突起43をなす。
前端部41a及び後端部41cは上下方向へ延びて、クロスメンバ21及びアーム部20と溶接されている。垂下部41のうち、切り欠き部42で切り欠かれた切り欠き残余の部分の面積は、車幅方向の剛性及び捩り剛性の大きさに影響を与え、切り欠き部42はこれを調整するように形成されるともいうことができる。
係合突起43は、下方へ突出した先端に拡大する爪部44が一体に設けられている。
図9に示すように、チェーンスライダ30の後端部32は、ガセットプレート22の垂下部41に重なり、後端部32に形成されたスリット33へ係合突起43が差し込まれ、爪部44にて係合するようになっている。
なお、図6に示すように、ガセットプレート22は左右同一のものが用いられる(但し、左右のガセットプレート22では、前端部41a及び後端部41cは車両の前後位置に応じて名付けられているため、左右では入れ替わっている)。このため、チェーンスライダ30を設けない右側のガセットプレート22にも係合突起43が設けられ、かつ左側と同様に、ガセットプレート22の車体左側へ寄った位置に設けられている。
このようにすると、チェーンスライダ30の有無にかかわらず、左右のガセットプレート22で係合突起43の有無について異ならせないため、左右の剛性に影響を与えないようにすることができるとともに、左右同じものを使用できるから部品点数を削減できる。
クロスメンバ21の右側下面にはトルクロッド用ブラケット45が設けられ、トルクロッド19の前端をボルト・ナットで締結するようになっている(図10参照)。クロスメンバ21の左側には、チェーンスライダ30の内側にチェーンケガイドステー46が上下に突出している。
図6に仮想線で示すように、アーム部20の後端開口には、エンドピース47が嵌合され、この中央部を後方へ突出するアジャストボルト48をダブルナット49で締結することにより、アジャストボルト48の突出長さを調節し、チェーンの張りを調節するようになっている。アジャストボルト48、ダブルナット49はチェーンアジャスタ15の一部をなす。
図10は、図2におけるリヤスイングアーム5の前端部分をさらに拡大し、チェーンケース等を除いた要部を示す図、図11はチェーンスライダ30の平面図、図12はチェーンスライダ30の左側面図である。
チェーンスライダ30はゴム等の適宜弾性材料からなり、前端部にピボット軸6を囲む前方へ開放されC字状断面をなす凹部34を備える。
凹部34を囲んで、前方へ延出する上側の上延出部34aと、下側の下延出部34bを備え、これら上延出部34aと下延出部34bでピボット軸6の周囲を後方から覆っている。下延出部34bの前端部は上延出部34aの前端部よりも長く前方へ突出している。
このようにすると、回転するチェーン10を迎える側となる下延出部34bの方が、上延出部34aよりも前方へ延出していることになり、たるみを生じる下側のチェーン10をより早く、ピボット軸6の前方でガイドできることになるから、チェーン10を効果的にガイドできる。
凹部34の後方は、上辺部35と下辺部36に分離してそれぞれ略平行に後方へ延びている。上辺部35は下辺部36よりも長く後方へ延出し、最後部が後端部32になっている。
上辺部35と下辺部36の間は、前方の凹部34側が閉じられ、後方が開放された空間となっており、凹部34に隣接する肉抜き部37は、上辺部35から下方へ延びる仕切壁35aと、下辺部36から上方へ延びる仕切壁36aとにより、後方のクロスメンバ収容部38と区画される。
仕切壁35aと仕切壁36aは上下で連続せず分離されており、クロスメンバ収容部38に対するクロスメンバ21の嵌合を容易にする。
クロスメンバ収容部38内には、上辺部35と下辺部36の仕切壁35a及び仕切壁36a近傍に形成された係止突起31が上下から突出している。
図12中の符号39はチェーン10の右側面をガイドするガイドリブである。
図12に示すように、上辺部35は、下辺部36の後端よりも長く後方へ延出する後方延出部35bを一体に形成している。後方延出部35bは、段付状に一段低くなってガセットプレート22の上方に重なる部分である。
図9に示すように、後方延出部35bの後端は後端部32へ一体に連続する。後端部32の内側面(垂下部41へ重なる面)には、部分的に垂下部41よりもクロスメンバ21側へ張り出す肉厚部32aが形成され、ここに上下へ貫通するスリット33が形成されている。
したがって、凹部34を軸受ホルダ23の内側へ並べて配置し(図5及び10参照)、上辺部35及び下辺部36をクロスメンバ21の上下に重ね、上下の係止突起31をクロスメンバ21の係止穴21aへ係合させ、さらに、後方延出部35bをガセットプレート22の上へ重ね、後端部32のスリット33へガセットプレート22の係合突起43を差し込み、爪部44で係止する。これにより、係合だけでチェーンスライダ30がリヤスイングアーム5へ係合一体化される。
次に、図13〜15により、チェーンアジャスタ15を説明する。図13は、チェーンアジャスタ15の側面図、図14は同平面図、図15はチェーンアジャスタ15の分解図である。なお、これらの図ではダブルナット49(図2)を省略してある。
チェーンアジャスタ15は、アジャストボルト48と、その一端に取付けられたアジャストカラー50と、これらを収容するアジャスタケース51とを備える。アジャストカラー50の内径は後輪車軸7の外径とほぼ一致する。
アジャスタケース51は左右に分割された半割部52を左右向かい合わせにして用いられるものであり、適当な合成樹脂で成形される。
半割部52は、長手方向中央部のカラーの穴53と、その前後に延出する延出部54を備える。延出部54の外表面には、アジャスト目盛り16が形成されている。
半割部52の内側すなわち、相手側と向かい合わせになる側には、内側へ開放された凹部55,56がカラーの穴53を挟んで設けられ、このうち、後方側の凹部56を囲む壁部のうち、後壁部にアジャストボルト48を通す半円形断面の溝57が設けられている。
カラーの穴53の内径はアジャストカラー50の外径とほぼ一致し、アジャストカラー50及びアジャストボルト48を間にして左右から半割部52を向かい合わせに被せると、アジャストカラー50がカラーの穴53へ嵌合し、かつアジャストボルト48が溝57からアジャスタケース51の後方へ突出する。
なお、一方の半割部52において、カラーの穴53の設けられた中央部の上方における略水平の上縁部からさらに小突起状に突出する摺動突部58が一体に設けられている。摺動突部58の上端(先端)部は、その基部となる上縁部の面積よりも小面積の平坦部を有する。この摺動突部58はカラーの穴53の下方側には設けられていない。すなわちカラーの穴53の上下いずれか一方側に設けられる。また、他方の半割部52には、摺動突部58が逆に下方へ突出して設けられている。これは同一に形成された二つの半割部52の一方を上下反転して組み合わせることによって生じる。
そこで、この組立状態のアジャスタケース51及びアジャストカラー50、アジャストボルト48をアーム部20内へ後端開口から挿入し、アジャストカラー50を車軸穴5aに臨ませて、後輪車軸7をアジャストカラー50に貫通させて、長尺ボルトとして構成された後輪車軸7の他端をアクスルナットで締結する。
また、アジャスタケース51をアーム部20へ挿入後、アーム部20の後端開口へエンドピース47を取付け、ダブルナット49で締結することにより、後輪車軸7の位置が固定される。
これにより、後輪車軸7はチェーンアジャスタ15を介してアーム部20へ取付けられるとともに、アジャスト目盛り16が車軸穴5aを通して目視可能になる。
このとき、左右の半割部52は、単に重ね合わせるだけで組立てでき、これをアーム部20内へ挿入すると、アーム部20の壁部によってバラけることを防止され、組立状態を維持するので、組立後に何らかの結合手段で結合する必要がないから、チェーンアジャスタ15の組立、組付が容易である。
しかも、アジャスタケース51を構成する左右の半割部52は、一方を上下反転させて、互いの凹部55,56を向かい合わせにした状態でカラーの穴53が一致するように合わせることにより、左右の半割部52を異ならせることなく同じものを用いることができる。
このとき、摺動突部58は上下に位置することになるが、小面積の摺動突部58をアジャスタケース51の上下に形成することができ、アーム部20の内壁を摺動する際における摺動抵抗を減少させることができるから好都合になる。
チェーン10の張りを調節するには、ダブルナット49を弛めてアジャストボルト48を前後へ進退させて突出量を調節する。このとき、アジャスタケース51はアジャストカラー50と一緒に前後へ移動するため、アジャスト目盛り16も移動し、車軸穴5aから読み取れる目盛線の数でその調節量を知ることができる。
次に、本実施形態の作用を説明する。図5に示すように、アーム部20とクロスメンバ21の接続部はガセットプレート22により補強され、リヤスイングアーム5全体の剛性が高くなっている。
ところで、ガセットプレート22は、図6〜8に示すように、垂下部41に切り欠き部42が設けられている。この切り欠き部42により、剛性が調整され、切り欠き部42を設けない従来のガセットプレートを用いた場合と比較すれば、リヤスイングアーム5全体の車幅方向における剛性は低下する。
しかし、この剛性低下は、車幅方向における必要以上の高剛性を適度なものに調整するためのものであり、適度な上下左右の撓みが得られる程度に必要十分な剛性にすることができる。一方、リヤスイングアーム5の捩り方向においては、上板部40における剛性の影響が大きく、垂下部41における剛性の影響は小さいため、切り欠き部42を設けても、捩り剛性はあまり大きく下がらず、必要十分な捩り剛性を確保できる。
このため、車両ごとの特性に合わせた適度な上下左右の撓みや捩り特性を備えることができ、乗り心地や操作性が向上する。
したがって、捩り剛性の大幅な減少を抑えつつ、車両幅方向の剛性を調整して走行フィーリングを向上させることが可能になる。
しかも、垂下部41に対して切り欠き部42を設けるという、微少部分の変更により、リヤスイングアーム5全体に及ぶ大きな効果を生じさせることができる。
また、切り欠き部42には、係合突起43を設け、これにチェーンスライダ30の後部に形成されたスリット33に係合させることにより、チェーンスライダ30を垂下部41へ係止できる。このため、チェーンスライダ30を特別な取付部材を必要とせずに、簡単にガセットプレート22へ取付けることができる。しかも、係合突起43は垂下部41を活用して容易に設けることができる。
さらに、左右のガセットプレート22に同一のものを用い、チェーンスライダ30を設けない右側のガセットプレート22にも係合突起43が設けられているようにしたので、チェーンスライダ30の有無にかかわらず、左右のガセットプレート22における剛性を同じくできるとともに、左右同じものを使用できるから部品点数を削減できる。
また、チェーンスライダ30の前端部に、凹部34を囲んで、前方へ延出する上側の上延出部34aと、下側の下延出部34bを備え、下延出部34bの前端部は上延出部34aの前端部よりも長く前方へ突出させたので、回転するチェーン10を迎える側となる下延出部34bが下側のチェーン10をより早くガイドできることになるから、チェーン10を効果的にガイドできる。
さらに、アーム部20には、ステップブラケット24が設けられ、これにピリオンステップ12が取付けられている。このため、パッセンジャー用のピリオンステップ12は、可動部材であるアーム部20へ取付けられることにより、従来のように車体フレームへ取付けられるものと異なることになる。
このようにすると、ピリオンステップ12を取付けるために、車体フレームの一部を特別に後方へ突出するような構造を採用する必要がないから、車体フレーム側における設計の自由度を向上させることができる。
しかも、前後方向へ長く配設されるアーム部20に対して、ステップブラケット24を設ければよいので、ステップブラケット24を設ける位置の自由度が大きくなり、さらにはピリオンステップ12の配置における自由度も大きくなる。
2:後輪、3:パワーユニット、4:車体フレーム、5:リヤスイングアーム、6:ピボット軸、7:後輪車軸、10:チェーン、11:チェーンケース、12:ピリオンステップ:20:アーム部、21:クロスメンバ、22:ガセットプレート、24:ステップブラケット、30:チェーンスライダ、32:後端部、33:スリット、40:上板部、41:垂下部、42:切り欠き部、43:係合突起

Claims (5)

  1. 一端が車体(4c)へ揺動可能に支持されるとともに、他端に後輪(2)を回転可能に支持するリヤスイングアーム(5)を備え、
    このスイングアームは、左右一対のアーム部(20・20)と、この左右一対のアーム部間に掛け渡されたクロスメンバ(21)と、
    このクロスメンバの後面側とアーム部(20・20)の内面側とを接続する左右一対の補強部材(22)とを備えた自動二輪車の後輪懸架構造において、
    前記補強部材(22)は、上板部(40)と、この上板部の縁部から下方に延びる垂下部(41)とを備えるとともに、
    この垂下部(41)に下端から前記上板部の縁部に向けて切り欠かれた切り欠き部(42)が形成されていることを特徴とする自動二輪車の後輪懸架構造。
  2. 前記車体に支持されたパワーユニット(3)を備え、このパワーユニットからの駆動力を前記後輪(2)へ伝達するチェーン(10)と、このチェーンをガイドするチェーンスライダ(30)と、を備え、
    前記補強部材(22)の切り欠き部(42)に前記チェーンスライダ(30)を係止するための係合突起(43)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載した自動二輪車の後輪懸架構造。
  3. 前記リヤスイングアーム(5)には、パッセンジャー用のピリオンステップ(12)を支持するためのステップブラケット(24)が取付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載した自動二輪車の後輪懸架構造。
  4. 前記チェーンスライダ(30)は、前記ピボット軸(6)を後方から覆うように前方へ延出する上延出部(34a)と下延出部(34b)を備え、
    この下延出部(34b)は前記上延出部(34a)よりも前方へ延び出していることを特徴とする請求項2又は3に記載した自動二輪車の後輪懸架構造。
  5. 前記チェーンスライダ(30)は前記左右一対の補強部材(22)のいずれか側へ重なるように設けられるとともに、
    前記左右一対の補強部材(22)は同じものであり、
    前記チェーンスライダ(30)が配置されない側の補強部材(22)にも前記係合突起(43)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載した自動二輪車の後輪懸架構造。
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