JP5813222B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本開示の実施形態は、硬化性組成物、特に非ハロゲン難燃剤を含む硬化性組成物、および該硬化性組成物を製造する方法に関する。
硬化性組成物は、架橋され得る熱硬化性モノマーを含む組成物である。硬化(curing)とも呼ばれる、架橋(crosslinking)は、硬化性組成物を、とりわけ、それらの耐薬品性、機械的強度、および電気的特性のために、様々な分野、例えば、複合体、電気積層品、およびコーティングで有用な架橋ポリマー(すなわち、硬化生成物)に変換する。例えば、硬化性組成物は、保護フィルム、接着材料、および/または絶縁材料(層間絶縁フィルムなど)として電子機器で使用され得る。
これらの用途に有用であるために、硬化性組成物の硬化生成物は、取扱いの容易さならびにある種の必要な物理的、熱的、電気的絶縁性、および耐湿性の特性を与える必要がある。例えば、低い誘電率、高い溶解度、および低い吸湿性、ならびに高いガラス転移温度(T)を有する硬化性組成物は、電気用途にとって望ましい特性の組合せであり得る。
電子機器用途における硬化性組成物の使用は、電子機器で発生する電気信号にも影響を与え得る。電子機器システム(例えば、コンピュータシステム)における電気信号周波数の増加は、データがより速い速度で処理されることを可能にする。しかしながら、このような電気信号の近くにある硬化性組成物は、このような高周波数回路における電気信号の伝送損に大きな影響を与え得る。この影響を最小化するために、本明細書で検討される他の特性に加えて、低い誘電率および低い散逸率を有する硬化性組成物が望ましい。
しかしながら、硬化性組成物は、可燃性であり得る。したがって、硬化性組成物の硬化生成物に難燃性を付与するために種々の手法が行われてきた。難燃性の付与に対して、主たる2つの手法が取られてきた。第1は、ハロゲンを含まない化合物が用いられる「グリーン(Green)」手法である。第2の手法は、ハロゲン化合物を用いるものである。ハロゲン化化合物は、電気および電子組立品に難燃性を付与するために電子産業で数十年間使用されてきた。例えば、テトラブロモビスフェノール−A(TBBA)は、長年にわたって電気積層品において大きく貢献する難燃性であった。しかしながら、ハロゲン化化合物は、耐用年数を経た時点での電子部品の焼却中のダイオキシン形成の可能性のために、今や環境保護団体によって厳しく調べられている。多くの先進国で、部品の燃焼は規制および管理されているが、途上国では、燃焼はしばしば規制されておらず、大気中への臭素化ダイオキシン放出の可能性を高めている。
本開示の実施形態によれば、エポキシ樹脂、少なくとも2個のアリール−シアナト基と少なくとも2個のリン基とを含む非ハロゲン難燃剤、およびスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーを含む硬化性組成物が提供される。種々の実施形態について、非ハロゲン難燃剤は、式(I):
Figure 0005813222

(式中、mは、1から20の整数であり;nは、0から20の整数であり、但し、nが0である場合、mは、2から20の整数であることを条件とし;式中、Xは、硫黄、酸素、孤立電子対、およびそれらの組合せからなる群から選択され;式中、それぞれのRおよびRは、独立して、水素、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分、6から20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分であり(ここで、脂肪族部分および芳香族炭化水素部分は、結合して環状構造を形成することができる);式中、Rは、水素、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分、6から20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分、RP(=X)CH−、およびROCH−(ここで、Rは、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分である)からなる群から選択され;式中、それぞれのRおよびRは、独立して、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分、6から20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分(ここで、脂肪族部分および芳香族炭化水素部分は、結合して環状構造RX−を形成することができる)であるか、またはRおよびRは一緒になって、ArX−であり;式中、それぞれのArおよびArは、独立して、ベンゼン、ナフタレン、またはビフェニルである)
の化合物で表され得る。
種々の実施形態について、硬化性組成物を調製する方法は、エポキシ樹脂を準備する工程、ならびに該エポキシ樹脂を、非ハロゲン難燃剤およびスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーと反応させる工程であって、該非ハロゲン難燃剤が少なくとも2個のアリール−シアナト基および少なくとも2個のリン基を含む工程、を含み得る。
本開示の上記概要は、本開示のそれぞれ開示される実施形態またはあらゆる実施を説明することは意図されない。次ぎに続く説明は、具体的な実施形態をより詳細に例示する。本出願を通していくつかの個所で、指針が実施例のリストによって提供され、これらの実施例は、種々の組合せで使用され得る。それぞれの場合、列挙されたリストは、代表的群として役立つだけであり、排他的リストと解釈されるべきではない。
図1は、本開示のDOP−BNポリシアネート(CE−DOP−BN)試料からのポジティブエレクトロスプレーイオン化質量スペクトルを与える。 図2は、本開示のDOP−BNポリシアネート(CE−DOP−BN)試料からの拡大ポジティブエレクトロスプレーイオン化質量スペクトルを与える。 図3は、DOP−BNおよびDOP−BNポリシアネート(CE−DOP−BN)からのフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルを与える。 図4aは、DOP−BNポリシアネート(CE−DOP−BN)からの分極移動による無歪み感度増強(distortionless enhancement by polarization transfer)(DEPT)核磁気共鳴(NMR)スペクトルを与える。図4bは、DOP−BN−ポリシアネート(CE−DOP−BN)からの定量13C NMRを与える。 図5は、DOP−BN−ポリシアネート(CE−DOP−BN)からの定量31P NMRスペクトルを与える。
本開示の実施形態によれば、エポキシ樹脂、少なくとも2個のアリール−シアナト基および少なくとも2個のリン基を含む非ハロゲン難燃剤、ならびにスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーを含む硬化性組成物が含まれる。種々の実施形態について、非ハロゲン難燃剤は、活性リン化合物(H−P(=X)R)をエーテル化レゾールと縮合させることによって形成されるリン置換ポリフェノールのシアネート誘導体であり得る。エーテル化レゾールがビスフェノールAからであり、活性リン化合物がH−DOP(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド)である特定の場合、リン置換ポリフェノールは、DOP−BNと呼ばれ、そのポリシアネート(すなわち、非ハロゲン難燃剤)は、「DOP−BNポリシアネート」および「CE−DOP−BN」と同義的に言及される。次いで、本開示の非ハロゲン難燃剤は、DOP−BNと、DOP−BN上のヒドロキシ基と反応してシアナト基を生成するハロゲン化シアン(例えば、臭化シアン)などの化合物とを反応させて、非ハロゲン難燃剤(CE−DOP−BN)を形成することから得られ得る。
種々の実施形態について、本開示の非ハロゲン難燃剤は、とりわけ、自己硬化性化合物、硬化剤として、および/または硬化性組成物のための硬化剤組成物中の成分として用いられ得る。本開示の非ハロゲン難燃剤は、他のポリマーと反応するための反応性出発原料としても用いられ得る。例えば、非ハロゲン難燃剤のアリール−シアナト基は、エポキシ樹脂と反応させてもよい。この実施形態において、非ハロゲン難燃剤は、エポキシ樹脂のための架橋剤、硬化薬剤(curing agent)、および/または硬化剤(hardener)として作用する。
本開示の硬化性組成物の非ハロゲン難燃剤はまた、硬化性組成物の硬化生成物のための難燃剤として作用する一方で、ハロゲンを含んでいない利点を与える。硬化性組成物を含むこのような硬化生成物は、様々な電子機器用途における保護フィルム、接着材料、および/または絶縁材料として有用な、適切な熱的および電気的特性も有し得る。
さらに、本開示の硬化性組成物は、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーを含む。スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーは、低い誘電率および/または高いガラス転移温度を含み得るエポキシ系などの、硬化性組成物における許容できる特性の組合せを与え得る。
種々の実施形態について、硬化性組成物は、非ハロゲン難燃剤、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー、およびエポキシ樹脂を含む。種々の実施形態について、エポキシ樹脂のエポキシ基対スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーの無水マレイン酸基のモル比は、1.0:1.0から2.6:1.0の範囲内であり得る。さらに、硬化性組成物のリン含有量は、硬化性組成物の全重量に基づいて、0.1重量パーセント(wt%)から3.5wt%の範囲内であり得る。種々の実施形態について、硬化性組成物のエポキシ基対無水マレイン酸基のモル比およびリン含有量は、CE−DOP−BNおよびスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーを有しない硬化性組成物の硬化生成物と比較して、熱機械的特性および電気的特性の改善を与える。例えば、熱機械的特性および電気的特性としては、限定されるものではないが、非ハロゲン難燃剤、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー、およびエポキシ樹脂を有する硬化性組成物の硬化生成物のガラス転移温度、誘電率、および散逸率が挙げられ得る。本開示の硬化性組成物は、難燃性に加えて、他の望ましい物理的特性、例えば、耐熱性、および加工性(溶媒溶解性を含む)も与え得る。
種々の実施形態について、硬化性組成物は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する化合物であり、これは、酸素原子が、炭素鎖または環系の2個の隣接または非隣接炭素原子に直接結合しているものである。エポキシ樹脂は、芳香族エポシキ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、およびそれらの組合せからなる群から選択され得る。
種々の実施形態について、硬化性組成物は、芳香族エポキシ化合物を含む。芳香族エポキシ化合物の例としては、限定されるものではないが、ポリフェノールのグリシジルエーテル化合物、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、トリスフェノール(トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、テトラブロモビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、およびそれらの組合せが挙げられる。
種々の実施形態について、硬化性組成物は、脂環式エポキシ化合物を含む。脂環式エポキシ化合物の例としては、限定されるものではないが、少なくとも1つの脂環式環を有するポリオールのポリグリシジルエーテル、またはシクロヘキセン環もしくはシクロペンテン環を含む化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキシドもしくはシクロペンテンオキシドを含む化合物が挙げられる。一部の特定の例としては、限定されるものではないが、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート;3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート;6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート;メチレン−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン);2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン;ジシクロペンタジエンジエポキシド;エチレン−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート);ジオクチルエポキシヘキサヒドロフタレート;ジ−2−エチルヘキシルエポキシヘキサヒドロフタレート;およびそれらの組合せが挙げられる。
種々の実施形態について、硬化性組成物は、脂肪族エポキシ化合物を含む。脂肪族エポキシ化合物の例としては、限定されるものではないが、脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテルまたはそのアルキレン−オキシド付加物、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成されるホモポリマー、およびグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと他のビニルモノマーとのビニル重合によって合成されるコポリマーが挙げられる。一部の特定の例としては、限定されるものではないが、ポリオールのグルシジルエーテル、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル;グリセリンのトリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル;ソルビトールのテトラグリシジルエーテル;ジペンタエリトリトールのヘキサグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル;およびポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル;1種または2種以上のアルキレンオキシドを脂肪族ポリオール(プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびグリセリンなど)に付加させることによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル;ならびにそれらの組合せが挙げられる。
種々の実施形態について、エポキシ樹脂は、硬化性組成物の全重量に基づいて、1wt%から99wt%の量で用いることができ;例えば、エポキシ樹脂は、硬化性組成物の全重量に基づいて、20wt%から90wt%の量で、好ましくは20wt%から60wt%の量で用いることができる。
種々の実施形態について、硬化性組成物は、少なくとも2個のアリール−シアナト基と少なくとも2個のリン基とを含む非ハロゲン難燃剤を含む。本明細書で使用される場合、アリール−シアナト基は、単環式または多環式芳香族炭化水素基であって、それらに結合した少なくとも1つのシアナト基(−OCN)を含むものであり得る。さらにリン基も、単環式または多環式芳香族炭化水素基であって、それらに結合した少なくとも1個のリン原子を含むものであり得る。
種々の実施形態について、このような非ハロゲン難燃剤は、式(I):
Figure 0005813222

(式中、mは、1から20の整数であり;式中、nは、0から20の整数であり、但し、nが0である場合、mは、2から20の整数であることを条件とし;式中、Xは、硫黄、酸素、孤立電子対、およびそれらの組合せからなる群から選択され;式中、それぞれのRおよびRは、独立して、水素、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分、6から20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分(ここで、脂肪族部分および芳香族炭化水素部分は、結合して環状構造を形成することができる)であり;式中、Rは、水素、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分、6から20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分、RP(=X)CH−、およびROCH−(ここで、Rは、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分である)からなる群から選択され;式中、それぞれのRおよびRは、独立して、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分、6から20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分(ここで、脂肪族部分および芳香族炭化水素部分は、結合して環状構造RX−を形成することができる)であるか、または式中、RおよびRは一緒になって、ArX−であり;ならびに式中、それぞれのArおよびArは、独立して、ベンゼン、ナフタレン、またはビフェニルである)
の化合物で表され得る。
本明細書で使用される場合、脂肪族部分は、飽和または不飽和の直鎖または分岐炭化水素基を含む。この用語は、例えば、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基を包含するために使用される。本明細書で使用される場合、芳香族炭化水素部分は、単−または多核芳香族炭化水素基を含む。
本明細書で検討されるように、次いで、本開示の非ハロゲン難燃剤は、DOP−BNと、DOP−BN上のヒドロキシ基と反応してシアナト基を生成するハロゲン化シアン(例えば、臭化シアン)などの化合物とを反応させて、非ハロゲン難燃剤(CE−DOP−BN)を形成することから得られ得る。種々の実施形態について、CE−DOP−BNは、20%から100%の範囲内、好ましくは40%から100%の範囲内、より好ましくは50%から100%の範囲内の、ヒドロキシル基のシアナト基への変換率を有し得る。
式(I)の好ましい非ハロゲン難燃剤は、Xが酸素であり、nが1であり、mが1であり、それぞれのRおよびRが、メチル基(Me)であり、RがRP(=X)CH−であり、RおよびRが一緒になって、ArX(ここで、Arは、RP(=X)−が、式(II):
Figure 0005813222

の化合物で表されるようなビフェニルである)であるものを含む。式(I)のさらなる好ましい非ハロゲン難燃剤は、Xが酸素であり、nが0であり、mが2または3であり、RがRP(=X)CH−であり、RおよびRが一緒になって、ArX(ここで、Arは、RP(=X)−が式(II)の化合物で表されるようなビフェニルである)であるものを含む。式(I)のさらなる好ましい非ハロゲン難燃剤は、RP(=X)CH−が、(CO)P(=O)−、(PhO)P(=O)−、Ph(MeO)P=(O)−、およびPhP(=O)−であるものであり、ここで、Phは、フェニル基(C−)である。好ましくは、Arは、ベンゼンである。RP(=X)−のさらなる構造は、
Figure 0005813222

を含む。
本明細書で使用される場合、非ハロゲン難燃剤のための少なくとも2個のリン基は、(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド)(H−DOP)から誘導され得る。
Figure 0005813222

H−DOPは、日本国の三光株式会社から「Sanko−HCA」という商品名で市販されているか、または独国のStruktol(登録商標)から市販されている「Polydis(登録商標)PD3710」である。
種々の実施形態について、H−DOPは、エーテル化レゾールと反応させ得る。適切なエーテル化レゾールの例としては、ビスフェノールA、ホルムアルデヒドおよびn−ブタノールによって製造されるブチルエーテルビスフェノール−Aレゾールが挙げられる。エーテル化レゾールは、典型的には単量体、二量体およびオリゴマーの構造の混合物である。市販されているエーテル化レゾールの例としては、ブチルエーテル化フェノールホルムアルデヒド縮合製品であるSANTOLINK(商標)EP560、ならびに製造業者が、4000から6000の重量平均分子量および2から3の多分散性を有するクレゾール混合物に基づく高度ブチルエーテル化レゾールと特徴付けている、ブトキシメチル化フェノールノボラックであるPHENODUR(商標)VPR1785/50が挙げられる。これらの製品の両方ともは、UCB Group(ベルギー国、ブルッセルに本社)、およびその支社UCB GmbH&Co.KG(独国における法人会社)から入手可能である。UCBから入手可能な他のレゾール化合物としては、例えば、PHENODUR(商標)PR401、PHENODUR(商標)PR411、PHENODUR(商標)PR515、PHENODUR(商標)PR711、PHENODUR(商標)PR612、PHENODUR(商標)PR722、PHENODUR(商標)PR733、PHENODUR(商標)PR565、およびPHENODUR(商標)VPR1775が挙げられる。
ブチルエーテルビスフェノール−Aレゾールの一例は、以下に示される:
Figure 0005813222

(ここで、Buは、ブチル基であり、mは、1から10の整数であり得る)。本明細書で検討されるように、ブチルエーテルビスフェノール−Aレゾールは、ブチルエーテルビスフェノール−Aレゾールの単量体、二量体および/またはオリゴマーの組合せとして存在してもよい。さらに、ブチルエーテルビスフェノール−Aレゾールにおけるオルト位の1個または複数のブチルエーテル基(−CHOBu)は、他の基、例えば、−H、および−CHOHで置き換えられ得る。上記の構造は、実際の構造を単純化したものである。当技術分野でよく知られているように、架橋基(bridging groups)の一部は、メチレン架橋(bridges)よりはむしろ−CHOCH−であり得る。これは、レゾールを製造するために使用される工程パラメータ(とりわけ、触媒型、pH、アルコール濃度、および温度)によって調節され得る。
種々の実施形態について、活性リン化合物(H−DOPなど)は、エーテル化レゾールと、それらを一緒にブレンドまたは混合することによって反応させて、反応性組成物を形成し得る。反応性組成物は、加熱されて2つの成分の反応を開始して、アルコールを形成しおよびリンポリフェノール中間体を形成し得る。種々の実施形態について、反応温度は、好ましくは出発原料の分解温度未満である。一般に、反応温度は、100摂氏温度(℃)を超え、好ましくは120℃を超え、より好ましくは150℃を超える。反応は、好ましくはH−DOPのH−P−部分をブチルエーテルビスフェノール−Aレゾールの−OBu部分と反応させるのに十分な時間行われる。反応の時間は、典型的には60分間から12時間、好ましくは2時間から6時間、より好ましくは2時間から4時間である。
種々の実施形態について、水がH−DOPと反応する傾向があり得るので、反応は、好ましくは水の存在なしに(一般に、水は、5wt%未満、より好ましくは3wt%未満、最も好ましくは1wt%未満で存在する)行われる。アルコール共生成物の除去は、一般に反応を完結させるのに役立つ。したがって、反応容器内の圧力は、好ましくは大気圧未満の圧力、例えば、0.1バール以下の圧力に低下させて、上述の最低分解温度未満の温度でアルコールまたは副生成物を追い出すのを助ける。反応容器は、ガスまたは揮発性有機液体で場合によってパージされて、副生成物(複数可)の除去をさらに補助してもよい。ガスまたは揮発性有機液体は、好ましくは反応容器の内容物に対して不活性である。このような不活性ガスの一例としては、限定されるものではないが、窒素ガスが挙げられる。
ブチルエーテルビスフェノール−Aレゾールは、通常は有機溶媒、例えば、ブタノール、キシレン、またはDowanol(商標)PM(The Dow Chemical Company)に溶解しており;溶媒の一部は、H−DOPの添加前に加熱または溶液に真空をかけることのいずれかで除去され得る。H−DOPとエーテル化レゾールとは、好ましくは、組成物の全固形分に基づいて、10:1から1:10、好ましくは5:1から1:5、より好ましくは2:1から1:2の範囲、最も好ましくは1.1:1から1:1.1の範囲の重量比(H−DOP:エーテル化レゾール)で混合される。必要に応じて、触媒または溶媒などの他の材料が、H−DOPとエーテル化レゾールとの反応混合物に添加されてもよい。
種々の実施形態について、H−DOPとブチルエーテルビスフェノール−Aレゾールとの反応生成物は、ブチルエーテルビスフェノール−Aレゾール上に存在するブチルエーテル基の大部分(しかし、必ずしもすべてではない)を置き換える。本明細書でDOP−BNと称される、得られた化合物は、以下に示される。
Figure 0005813222
一般に、H−DOPとエーテル化レゾールとの反応からのDOP−BN反応生成物は、オリゴマー(m=1から20まで)の混合物である。リンポリフェノール生成物の数平均重合度は、エーテル化レゾール出発原料の分子量に関係する。
種々の実施形態について、本明細書で提供される式(I)の非ハロゲン難燃剤は、DOP−BNを、ヒドロキシ基と反応してシアナト基を生成する化合物と反応させることによって調製され得る。このような化合物の例としては、ハロゲン化シアン、例えば、臭化シアンおよび塩化シアンが挙げられる。反応は、アルカリ金属水酸化物および/または脂肪族アミン、例えば、トリエチルアミンおよび/または水酸化ナトリウムを含み得る塩基の存在下で行われる。
種々の実施形態について、反応の発熱性およびハロゲン化シアンの揮発性を考慮して、反応は低温度で行われ得る。例えば、反応温度は、−40℃から40℃、好ましくは−20℃から10℃であり得る。不活性有機溶媒の使用が可能であり、ここで、このような不活性有機溶媒としては、限定されるものではないが、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;エーテル、例えば、ジエチルエーテルもしくはテトラヒドロフラン;ハロゲン化脂肪族もしくは芳香族炭化水素、例えば、塩化メチレンもしくはクロロベンゼン;ならびに/またはケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケトンが挙げられる。
種々の実施形態について、本開示の硬化性組成物は、少なくとも0.1wt%から3.5wt%のリン含有量を有することができ;例えば、本開示の硬化性組成物は、硬化性組成物の全重量に基づいて、少なくとも2.2wt%から3.0wt%のリン含有量を有し得る。
種々の実施形態について、非ハロゲン難燃剤は、硬化性組成物の全重量に基づいて、1wt%から90wt%の範囲内、好ましくは10wt%から60wt%の範囲内、さらにより好ましくは20wt%から50wt%の範囲内の量で使用される。
種々の実施形態について、硬化性組成物は、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーも含み得る。スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーは、スチレンと無水マレイン酸のモノマーによって形成されるポリマーである。種々の実施形態について、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーは、式(III):
Figure 0005813222

の第1の構成単位、式(IV):
Figure 0005813222

の第2の構成単位を有し、ここで、それぞれのmおよびnは、独立して、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー中のそれぞれの構成単位のモル分率を表す実数であり、それぞれのRは、独立して、水素、芳香族基または脂肪族基である。本明細書で使用される場合、「構成単位」は、その繰り返しが巨大分子、例えば、ポリマーを構成する最小構成単位(巨大分子の本質的な構造の一部を構成する原子の群)またはモノマーを指す。
種々の実施形態について、モル分率mは、0.50から0.89の範囲内であり、モル分率nは、0.11から0.50の範囲内であり、ここで、(m+n)=1.00である。この実施形態について、mおよびnは、それぞれゼロより大きい。それぞれのR基に関して、芳香族基の例としては、限定されるものではないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換されたフェニルまたはビフェニル、およびナフチルが挙げられる。脂肪族基の例としては、限定されるものではないが、アルキルおよび脂環式アルキルが挙げられる。
本開示で使用されるスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーは、1.0:1.0から8.0:1.0の範囲内、好ましくは1.0:1.0から6.0:1.0の範囲内でスチレン対無水マレイン酸のモル比を有し、かつ1モル当たり50,000グラム(g/mol)未満、好ましくは20,000g/mol未満、さらにより好ましくは10,000g/mol未満である重量平均分子量(Mw)を有するスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーまたはスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーの混合物から選択され得る。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定され得る。
種々の実施形態について、硬化性組成物は、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーを、硬化性組成物の全重量に基づいて、10wt%から90wt%の範囲内、好ましくは20wt%から80wt%の範囲内、より好ましくは20wt%から60wt%の範囲内の量で用いた。種々の実施形態について、硬化性組成物は、硬化性組成物は、1.0:1.0から2.6:1.0の範囲内、好ましくは1.3:1.0から1.8:1.0の範囲内、最も好ましくは1.3:1.0から1.4:1.0の範囲内のエポキシ基対無水マレイン酸基のモル比を有する。
このようなスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーの商業的な例としては、限定されるものではないが、SMA(登録商標)EF−40、SMA(登録商標)EF−60、SMA(登録商標)EF−80、およびSMA(登録商標)1000が挙げられ、これらのすべては、Sartomer Company,Incから入手可能である。
さらなる実施形態において、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーは、アニリン化合物を含むように変性され得る。アニリン化合物は、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー中の無水マレイン酸基の一部と反応させるために使用され得る。変性されたスチレンと無水マレイン酸とのコポリマー(本明細書で「ターポリマー」とも称される)は、硬化性組成物中に組み入れられて、所望の熱的特性および電気的特性を与え得る。変性されたスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーは、硬化性組成物中に組み入れられて、所望の熱的特性および電気的特性を与え得る。変性されたスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーの形成は、「硬化性組成物(CURABLE COMPOSITIONS)」と表題された国際特許出願番号第 / / 、The Dow Chemical Company整理番号70069で検討されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
種々の実施形態に対して、変性されたスチレンと無水マレイン酸とのポリマーは、式(III):
Figure 0005813222

の第1の構成単位、式(IV):
Figure 0005813222

の第2の構成単位、式(V):
Figure 0005813222

の第3の構成単位を有するターポリマーであることができ、ここで、それぞれのm、nおよびrは、独立して、ターポリマー中のそれぞれの構成単位のモル分率を表す実数であり、それぞれのRは、独立して、水素、芳香族基または脂肪族基であり、Arは、芳香族基であり、ここで、エポキシ基対第2の構成単位は、1.0:1.0から2.7:1.0の範囲のモル比を有する。種々の実施形態について、それぞれのRは、水素であり、Arは、フェニル基である。
種々の実施形態について、モル分率mは、0.50以上であり、モル分率nおよびrは、それぞれ独立して、0.45から0.05であり、ここで、(m+n+r)=1.00である。種々の実施形態について、第1の構成単位対第2の構成単位は、1:1から20:1の範囲のモル比を有し;例えば、第1の構成単位対第2の構成単位のモル比は、3:1から15:1の範囲を有し得る。
種々の実施形態について、第2の構成単位は、ターポリマーの全重量に基づいて、0.10wt%から41wt%を構成する。一実施形態において、第2の構成単位は、ターポリマーの全重量に基づいて、5.0wt%から20wt%を構成する。種々の実施形態について、第3の構成単位は、ターポリマーの全重量に基づいて、0.10wt%から62.69wt%を構成する。一実施形態において、第3の構成単位は、ターポリマーの全重量に基づいて、0.50wt%から50wt%を構成する。
種々の実施形態について、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーは、芳香族アミン化合物で変性される。芳香族アミン化合物の具体例としては、限定されるものではないが、アニリン、置換アニリン、ナフタレンアミン、置換ナフタレンアミン、およびそれらの組合せが挙げられる。
変性されたスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーを組み入れている実施形態について、変性されたスチレンとマレイン酸とのコポリマーは、硬化性組成物の全重量に基づいて、10wt%から90wt%の範囲内、好ましくは20wt%から80wt%の範囲内、より好ましくは20wt%から60wt%の範囲の量で使用され得る。さらに、変性されたスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーを組み入れている実施形態について、硬化性組成物は、1.0:1.0から2.6:1.0の範囲内、好ましくは1.3:1.0から1.8:1.0の範囲内、最も好ましくは1.3:1.0から1.4:1.0の範囲内でエポキシ基対スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーのモル比を有し得る。
本開示の実施形態は、半導体包装用途、電気および電子用途、ならびに複合体用途を含めて、難燃材料を必要とする他の用途でも有用であり得る。さらに、非ハロゲン難燃剤は、臭素原子とハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、ヨウ素、およびアスタチン)の両方ともを実質的に含んでいない。
上に記載された本開示の硬化性組成物はまた、硬化触媒、充填剤、溶媒、およびそれらの組合せを場合によって利用してもよい。適切な硬化触媒の例としては、限定されるものではないが、2−エチルヘキサン酸亜鉛(II)、または他の遷移金属カチオンおよびそれらの混合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、ホウ酸、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム−テトラフェニルボレート、ならびにそれらの混合物が挙げられる。硬化触媒は、硬化性組成物の全重量に基づいて、0.01wt%から10wt%、好ましくは0.05wt%から5.0wt%の範囲内、さらにより好ましくは0.05wt%から2.0wt%の範囲内の量で使用され得る。
適切な充填剤の例としては、限定されるものではないが、溶融シリカ、水酸化アルミニウム、タルク粉末、マイカ粉末など、およびそれらの組合せが挙げられる。充填剤は、硬化性組成物の全重量に基づいて、10wt%から80wt%、好ましくは10wt%から75wt%の範囲内、さらにより好ましくは10wt%から50wt%の範囲内の量で使用され得る。
適切な溶媒の例としては、限定されるものではないが、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、およびそれらの組合せが挙げられる。溶媒は、硬化性組成物の全重量に基づいて、20wt%から80wt%、好ましくは20wt%から70wt%の範囲内、さらにより好ましくは30wt%から50wt%の範囲内の量で使用され得る。
それらの特性の独特の組合せのために、本開示の硬化性組成物は、製造業の様々な物品の調製に有用であり得る。したがって、本開示はまた、上記組成物のプリプレグ、および本開示の硬化または部分硬化した硬化性組成物からの、以下に記載されるとおりの造形品、強化組成物、積層品、電気積層品、コーティング、成型物品、接着剤、複合製品も含む。さらに、本開示の硬化性組成物は、乾燥粉末、ペレット、均質塊、含浸製品および/または化合物の形態で様々な目的に使用され得る。
種々の実施形態について、非ハロゲン難燃剤を有する硬化性組成物は、他の品目の中でも、樹脂シート、樹脂被覆金属ホイル、プリプレグ、積層基板、または多層基板を調製するために使用され得る。さらなる実施形態において、本開示の非ハロゲン難燃剤を有する硬化性組成物は、ビスマレイミド−トリアジンエポキシ樹脂などの樹脂をさらに含むことができ、ここで、本開示の非ハロゲン難燃剤および樹脂は、上述の品目を調製するために使用され得る。
様々なさらなる添加剤が、本開示の組成物に添加されてもよい。これらのさらなる添加剤の例としては、繊維強化材、充填剤、顔料、染料、増粘剤、湿潤剤、潤滑剤、難燃剤などが挙げられる。
本開示の実施形態は、本明細書で検討されるとおり、強化成分および硬化性組成物を含むプリプレグを提供する。プリプレグは、マトリックス成分を強化成分中に含浸させる工程を含む方法によって得ることができる。マトリックス成分は、強化成分を取り囲みおよび/または支持する。開示された硬化性組成物は、マトリックス成分用に使用され得る。プリプレグのマトリックス成分と強化成分とは、相乗作用を与える。この相乗作用は、プリプレグを硬化させることによって得られるプリプレグおよび/または生成物が、個々の成分だけで達成されない機械的および/または物理的特性を有することを規定する。
強化成分は、繊維であり得る。繊維の例としては、限定されるものではないが、ガラス、アラミド、炭素、ポリエステル、ポリエチレン、石英、金属、セラミック、バイオマス、およびそれらの組合せが挙げられる。繊維は、コーティングされ得る。繊維コーティングの一例としては、限定されるものではないが、ホウ素が挙げられる。
ガラス繊維の例としては、限定されるものではないが、A−ガラス繊維、E−ガラス繊維、C−ガラス繊維、R−ガラス繊維、S−ガラス繊維、T−ガラス繊維、およびそれらの組合せが挙げられる。アラミドは、有機ポリマーであり、その例としては、限定されるものではないが、Kevlar(登録商標)、Twaron(登録商標)、およびそれらの組合せが挙げられる。炭素繊維の例としては、限定されるものではないが、ポリアクリロニトリル、ピッチ、レーヨン、セルロース、およびそれらの組合せから形成される繊維が挙げられる。金属繊維の例としては、限定されるものではないが、ステンレススチール、クロム、ニッケル、白金、チタン、銅、アルミニウム、ベリリウム、タングステン、およびそれらの組合せが挙げられる。セラミック繊維の例としては、限定されるものではないが、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、ホウ化ケイ素、およびそれらの組合せから形成される繊維が挙げられる。バイオマス繊維の例としては、限定されるものではないが、木材、非木材、およびそれらの組合せから形成される繊維が挙げられる。
強化成分は、布地であり得る。布地は、本明細書で検討されるとおり、繊維から形成され得る。布地の例としては、限定されるものではないが、縫合布、織布、およびそれらの組合せが挙げられる。布地は、一方向性、多軸性、およびそれらの組合せであり得る。強化成分は、繊維と布地の組合せであり得る。
プリプレグは、マトリックス成分を強化成分中に含浸させることによって得られ得る。強化成分中へのマトリックス成分の含浸は、様々な方法によって達成され得る。プリプレグは、圧延、浸漬、噴霧、または他のこのような操作によって強化成分とマトリックス成分とを接触させることによって形成され得る。プリプレグ強化成分が、プリプレグマトリックス成分と接触させられた後、溶媒は揮発によって除去され得る。溶媒が揮発化される間および/または揮発化された後で、プリプレグマトリックス成分は、硬化、例えば、部分的に硬化され得る。溶媒の揮発および/または部分的硬化は、B−ステージングと称され得る。B−ステージ化生成物は、プリプレグと称され得る。
一部の用途の場合、B−ステージングは、60℃から250℃の温度への曝露によって起こることができ;例えば、B−ステージングは、65℃から240℃、または70℃から230℃の温度への曝露によって起こり得る。一部の用途の場合、B−ステージングは、1分間から60分間の期間で起こることができ;例えば、B−ステージングは、2分間から50分間、または5分間から40分間の期間で起こり得る。しかしながら、一部の用途の場合、B−ステージングは、別の温度および/または別の期間で起こり得る。
1つまたは複数のプリプレグは、硬化されて(例えば、より完全に硬化されて)、硬化生成物を得てもよい。プリプレグは、さらに硬化される前にある形状に層状化および/または形成され得る。一部の用途の場合(例えば、電気積層品が製造されている場合)、プリプレグの層は、導電性材料の層と交互にされ得る。導電性材料の一例としては、限定されるものではないが、銅箔が挙げられる。次いで、プリプレグ層は、マトリックス成分がより完全に硬化されるような条件に曝露され得る。
より完全に硬化した生成物を得る方法の一例は、圧締(pressing)である。1つまたは複数のプリプレグは、それが所定の硬化時間間隔の間、硬化力を受けるプレス中に入れて、より完全に硬化した生成物を得ることができる。プレスは、80℃から250℃の硬化温度を有することができ;例えば、プレスは、85℃から240℃、または90℃から230℃の硬化温度を有することができる。1つまたは複数の実施形態について、プレスは、より低い硬化温度からより高い硬化温度に傾斜時間間隔にわたって傾斜をつけられている硬化温度を有する。
圧締の間、1つまたは複数のプリプレグは、プレスによって硬化力を受け得る。硬化力は、10キロパスカル(kPa)から350kPaである値を有してもよく;例えば、硬化力は、20kPaから300kPa、または30kPaから275kPaである値を有してもよい。所定の硬化時間間隔は、5秒間から500秒間である値を有してもよく;例えば、所定の硬化時間間隔は、25秒間から540秒間、または45秒間から520秒間である値を有してもよい。硬化生成物を得る他の方法について、他の硬化温度、硬化力値、および/または所定の硬化時間間隔が可能である。さらに、この方法は、プリプレグをさらに硬化させることを繰り返して、硬化生成物を得てもよい。
硬化組成物の実施形態はまた、硬化組成物の消炎能力(flame out ability)を改善するのを助けるために少なくとも1種の共力剤を含んでもよい。このような共力剤の例としては、限定されるものではないが、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、メタロセンおよびそれらの組合せが挙げられる。さらに、この組成物の実施形態はまた、接着促進剤、例えば、変性オルガノシラン(エポキシ化、メタクリル、アミノ)、アセチルアセトネート、硫黄含有分子およびそれらの組合せを含んでもよい。他の添加剤としては、限定されるものではないが、湿潤および分散助剤、例えば、変性オルガノシラン、Byk(登録商標)900シリーズおよびW9010(Byk−Chemie GmbH)、変性フルオロカーボンおよびそれらの組合せ;空気放出添加剤、例えば、Byk(登録商標)A530、Byk(登録商標)A525、Byk(登録商標)A555、およびByk(登録商標)A560(Byk−Chemie GmbH);表面改質剤、例えば、スリップおよび光沢剤;離型剤、例えば、ワックス;ならびにポリマー特性を改善する他の官能性添加剤または予備反応生成物、例えば、イソシアネート、イソシアヌレート、シアネートエステル、アリル含有分子または他のエチレン性不飽和化合物、アクリレートおよびそれらの組合せが挙げられ得る。
適当な硬化状態を与えるために必要な熱は、組成物を構成する成分の比率および用いられる成分の性質に依存し得る。一般に、本開示の組成物は、硬化触媒もしくは硬化薬剤の存在またはその量、または組成物中の成分の種類によって異なるが、0℃から400℃、好ましくは100℃から250℃の範囲内の温度で加熱することによって硬化され得る。加熱に必要な時間は、30秒間から10時間であることができ、ここで、正確な時間は、樹脂組成物が、薄いコーティングとしてもしくは比較的大きい厚さの成型物品として、または積層品としてもしくは繊維強化複合材の、特に電気および電子用途のマトリックス樹脂として(例えば、電気非導電性材料に適用されて、その後に組成物を硬化させる場合)使用されるか否かによって異なる。
以下の実施例は、本発明の範囲を例証するために示されるが、本発明の範囲を限定するものではない。
材料
テトラヒドロフラン、Sigma−Aldrich(以後、「Aldrich」)から入手可能。
無水ジクロロメタン、Aldrichから入手可能。
XZ92741.00(XZ92741、プロピレングリコールメチルエーテル溶液中57wt%DOP−BN)、The Dow Chemical Companyから入手可能。
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(H−DOP、「Sanko−HCA」)、日本国のSankoから入手可能。
EPICLONE HP7200(商標)(HP7200、DCPD型エポキシ樹脂)、DIC Corporationから入手可能。
SMA(登録商標)EF−40(SMA40、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー)、Sartomer Company,Inc.から入手可能。SMA40は、4:1のスチレン対無水マレイン酸モル比および10,500の重量平均分子量を有する。
SMA(登録商標)EF−60(SMA60、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー)、Sartomer Company,Inc.から入手可能。SMA60は、6:1のスチレン対無水マレイン酸モル比および11,500の重量平均分子量を有する。
SMA(登録商標)1000(SMA1000、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー)、Sartomer Company,Inc.から入手可能。SMA1000は、1:1のスチレン対無水マレイン酸モル比および5,500の重量平均分子量を有する。
ブチルエーテルビスフェノール−Aレゾール(SANTOLINK(商標)EP560、エーテル化レゾール)、UCB GmbH&Co.から入手可能。
窒素、Air Productsから入手可能。
臭化シアン、Aldrichから入手可能。
トリエチルアミン、塩基、Aldrichから入手可能。
ジクロロメタン、Aldrichから入手可能。
粒状無水硫酸ナトリウム、Aldrichから入手可能。
2−ブタノン(メチルエチルケトン(MEK)、溶媒)、The Dow Chemical Companyから入手可能。
N−ジメチルホルムアミド(DMF、溶媒)、Sinopharm Chemical Co.から入手可能。
2−エチルヘキサン酸亜鉛(II)(Zn触媒、溶液:メチルエチルケトン中10wt%)、硬化触媒、Sigma−Aldrichから入手可能。
2−メチルイミダゾール(2MI、溶液:メタノール中10wt%、硬化触媒)、Sigma−Aldrichから入手可能。
固体DOP−BNの合成
固体DOP−BNを調製するために、XZ92741の60グラム試料を32オンス広口ガラスジャーに入れ、次いで、100℃に設定した真空オーブン中に18時間入れて、溶媒を除去した。得られた固体物質は、綿毛状結晶の外観を示した。2.661ミリグラムの試料を、以下の手順に従って、1分間当たり50立方センチメートルの窒素パージ下でTA Instruments、Q50 TGAで熱重量分析によって、分析した:20℃/分で室温から171℃まで傾斜、171℃で45分間等温。全減量は、2.8%で測定された。
マスターブレンドA(DOP−BN)の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分析(ダイオードアレイを用いて254および305nmでUV検出、Prontosil 120−3−C18−ace−EPS3.0μm、150×4.6mmカラム、アセトニトリル/水溶出液(50/50で100%アセトニトリルまでの勾配で開始、40℃、1.0mL/分の流量)は、31.22面積%、27.11面積%および11.05面積%を構成する3つの主要成分を有する21の成分を明らかにした。DOP−BNの臭化カリウムペレットのフーリエ変換赤外分光光度(FTIR)分析(Nicolet FT−IR分光光度計)は、3212.8cm−1にヒドロキシル基の吸光度およびリン原子に直接結合したフェニル環のために1431.0cm−1に鋭く強い芳香族のバンド吸光度を明らかにした。
エレクトロスプレーイオン化液体クロマトグラフィー質量分光分析によるDOP−BNの分析
固体DOP−BN試料を、テトラヒドロフラン(約10%v/v)中に溶解させ、これらの溶液のアリコート5マイクロリットルを、陽イオン(PI)および陰イオン(NI)モードで操作するMicromass Z−sprayエレクトロスプレー(ESI)インターフェースを介してMicromass QToF2、SN#UC−175、四重極/飛行時間型MS/MSシステムに接続したWaters Alliance 2690三元勾配液体クロマトグラフィーシステムで、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化質量分光分析(ESI/LC/MS)により分析した。以下の分析条件を使用した:
カラム:150×4.6mmID×5μm、Zorbax SB−C3
移動相:A=DI水w/0.05%ギ酸およびB=テトラヒドロフラン
勾配プログラム:80/20v/vA/B保持1分から21分Curve6で5/95v/vA/Bまで、保持5分、全操作時間=26分
カラム温度:45℃
流量:1.0ミリリットル/分(インターフェースから2:1に分離)
UV検出:ダイオードアレイ210から400nm
ESI条件:Source Block:110℃ 脱溶媒和:280℃
キャピラリー:+/−2.5kV
コーン:+/−20V
MS条件:MCP:2150Vモード:+/−イオン
スキャン:50から4000amu(+)速度:1.0秒/スキャン
スキャン:50から3000amu(−)速度:1.0秒/スキャン
Locksprya Mass Calibrant=(PI/NI)3マイクロリットル/分の流量でメタノール(M+H+=484.0714、M−H−=482.0558)中DE−638(Penoxsulam(商標)、Chem.Abs.219714−96−2、C16H14F5N5O5S)の12.5マイクログラム/ミリリットル溶液、5秒毎に取得した1回のスキャン。
ESI/LC/MS分析は、表Iに示す以下の提案構造を与え、表では5面積%を超えて存在する成分のみを考慮した。
Figure 0005813222

Figure 0005813222

Figure 0005813222
非ハロゲン難燃剤(CE−DOP−BN)の合成
250ミリリットルの三つ口ガラス製丸底反応器に、上記のとおりに調製した固体DOP−BN(4.90グラム、0.01ヒドロキシル当量)および無水ジクロロメタン(50ミリリットル、DOP−BN1グラム当たり10.2ミリリットル)を投入した。この反応器は、さらにコンデンサ(0℃に維持した)、温度計、オーバーヘッド窒素注入口(1分当たり1リットルの窒素を用いた)、磁気式撹拌を備えた。この溶液を撹拌し、その温度を22℃にした。
臭化シアン(1.134g、0.0107モル、1.07:1臭化シアン:ヒドロキシル当量比)をこの溶液に加え、その中に直ちに溶解させた。冷却用のドライアイス−アセトン浴を反応器の下に置き、続いて、冷却し、−7℃で撹拌溶液を平衡させた。トリエチルアミン(1.03グラム、0.0102モル、トリエチルアミン:ヒドロキシル当量比1.02)を、−7℃から−3.5℃に反応温度を維持したアリコートで注射器を用いて加えた。トリエチルアミンの全添加時間は、12分であった。当初のトリエチルアミンのアリコートの添加は、撹拌溶液に淡黄色を生じさせ、これは、直ちに再び無色に変わった。さらに添加することによって、トリエチルアミン臭化水素塩を示す濁りが観察された。−8℃から−5℃で後反応の13分後に、反応生成物の試料のHPLC分析(ダイオードアレイを用いて254および305nmでUV検出、Prontosil 120−3−C18−ace−EPS3.0μm、150×4.6mmカラム、アセトニトリル/水溶出液(50/50で100%アセトニトリルまでの勾配で開始、40℃、1.0mL/分の流量)は、31の成分を明らかにし、存在するあらゆる成分は、DOP−BNのHPLC分析で観察されたものと異なる保持時間を有した。−8℃から−5℃での後反応の累積32分後に、生成物スラリーを磁気撹拌された脱イオン水(200ミリリットル)およびジクロロメタン(50ミリリットル)のビーカーに加え、混合物を得た。
撹拌2分後、この混合物を分液ロートに加え、沈降させ、次いで、ジクロロメタン層を回収し、水層を廃棄した。ジクロロメタン溶液を分液ロートに戻し、新鮮な脱イオン水(100ミリリットル)でさらに3回抽出した。得られた濁ったジクロロメタン溶液を粒状無水硫酸ナトリウム(5グラム)上で乾燥させ、透明な溶液を得て、次いで、これを枝付き真空フラスコに取り付けた60ミリリットルの中間フリットガラスロートで支持された無水硫酸ナトリウム(25グラム)の床を通過させた。
透明な淡黄色に着色したろ液を、真空が<1mmHgになるまで50℃の最高油浴温度
を用いてロータリーエバポレータで蒸発させた。合計4.49グラムの白色結晶生成物を回収した。DOP−BNのポリシアネートの臭化カリウムペレットのFTIR分析は、ヒドロキシル基吸光度の消失、2253.7および2207.3cm−1での鋭く強いシアネート基の吸光度の出現、ならびにリン原子に直接結合したフェニル環のための1431.0cm−1での鋭く強い芳香族のバンド吸光度の維持を明らかにした。
HPLC/MSデータは、フェノール部分の所望のシアン酸エステル官能基への変換を示す。図1は、DOP−BNのポリシアネートの試料のメタノール溶液を注入することによって得られた陽イオンESI質量スペクトルを含む。質量362.19および520.14で観察された主要なイオンは、特定されないままである。
図2は、より高い質量範囲に焦点を当てた。多数のこれらのイオンの元素組成は、これらのイオンについて決定された正確な質量測定値に基づいて割り当てることができる。特定されたイオンは、DOP−BN出発原料で観察されたフェノール化合物のシアネート類似物質である。モノ−とジシアネートの両方ともが観察され、表IIに示される。化合物F(ジシアネート)は、CE−DOP−BN試料の標的化合物である。
Figure 0005813222

Figure 0005813222

Figure 0005813222
非ハロゲン難燃剤の特徴付け
以下の実施例について、合成非ハロゲン難燃剤(CE−BOP−BN)の試料を以下の方法によって特徴付ける。
FTIR:非ハロゲン難燃剤(CE−DOP−BN)の試料およびDOP−BN原料の試料を、ATR結晶面上に置き、FTIR ATRにより直接分析した。Smart DuraSampl IR Diamond ATRを備えたThermo Nicoletモデル6700を用いた。スペクトルは、Nicolet Omnic7.3ソフトウェアを用いて収集した。スペクトルを図3に示す。
図3でわかるように、原料(DOP−BN)および非ハロゲン難燃剤(CE−DOP−BN)のスペクトルを示す。原料(DOP−BN)のFTIRスペクトルにおいて、3200cm−1付近に広いピークがあり、これは、DOP−BNのヒドロキシル基を表す。反応後、および非ハロゲン難燃剤(CE−DOP−BN)スペクトルで見て、ピークは著しく減少しており、2つの新たなピークが、それぞれ、2253cm−1および2199cm−1に出現し、これらは、非ハロゲン難燃剤のシアネート基を表す。
NMR:NMRスペクトルは、フーリエ変換モードでBruker Avance III400メガヘルツのNMR分光計(Bruker、米国)を用いて記録した。クロロホルム−dを溶媒として用いた。図4aおよび図4bは、CE−DOP−BNの13C NMRスペクトルを示す。図4aは、分極移動による無歪み感度増強(DEPT)であり、図4bは、定量13C NMRである。図4bにおいて、100万部当たり110部付近のピークは、−OCN基のC1を表し、約40ppmでのピークは、C2を表す。図4bにおけるこれらの2つのピークの積分比によれば、DOP−BNのヒドロキシル基の約50%は、−OCNに変換されている。
図5は、CE−DOP−BNの定量31P NMRスペクトルを示す。トリフェニルホスフェート(TPP)(99%純度および9.5wt%リン含有量)を内部標準として用いた。CE−DOP−BNについてのピークとTPPについての−18ppmでのピークとの積分比、CE−DOP−BN中のリン含有量は約8wt%である。
実施例1〜4および比較例A〜D
実施例1〜4は、非ハロゲン難燃剤およびスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーを含む、本開示の硬化性組成物を示す。比較例A〜Dは、非ハロゲン難燃剤としてCE−DOP−BNの代わりにDOP−BNを用いる硬化性組成物を示す。
実施例1〜4
CE−DOP−BN、エポキシ樹脂、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー、および溶媒を、表III中の処方に従って一緒に混合し、振とうして、均一な溶液を形成した。
比較例A〜D
DOP−BN、エポキシ樹脂、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー、および溶媒を、表IV中の処方に従って一緒に混合し、振とうして、均一な溶液を形成した。
Figure 0005813222
Figure 0005813222
実施例1〜4および比較例A〜Dの分析
表IIIおよび表IVの処方に従って、硬化触媒を、それぞれ、実施例1〜4および比較例A〜Dの硬化性組成物に加えた。硬化性組成物のゲル化時間を171℃に維持したホットプレート上で試験し、これは残存する溶媒が実質的に分岐した構造内に取り込まれるようになる時間である。ゲル化時間は、硬化性組成物の反応性(例えば、特定の温度における)を示し、ゲル点までの秒数として表現され得る。ゲル点は、初期ポリマーの網状組織形成の点を指し、ここでは、実質的に網状組織のそれぞれの単位が網状組織のそれぞれ他の単位に連結されるように、その構造は実質的に分岐している。硬化性組成物がゲル点に達すると、残存する溶媒は実質的に分岐した構造内に取り込まれるようになる。捕捉された溶媒がその沸点に達すると、気泡が構造中に形成し得る(例えば、プリプレグ、望ましくない生成物をもたらす)。ゲル化時間は、触媒の量により調節することができ、それは、しばしば200秒から400秒に調整される。実施例1〜4および比較例A〜Dのゲル化時間は、表IIIおよび表IVに示されるとおりである。
ガラス転移温度:ゲル化した硬化性組成物をホットプレート表面から回収し、オーブン中200℃で3時間後硬化させて、硬化生成物を形成した。硬化生成物のガラス転移温度(T)は、示差走査熱量計(DSC)により測定した。結果を表Vに示す。
DSCは、流動窒素雰囲気下(50ml/分)DSC−Q2000を用いて行う。試料(実施例1〜4および比較例A〜Dの近似的に約10.0mgの硬化生成物)を、以下のサイクルでDSC内に置いた。サイクル1:初期温度:40℃、最終温度:250℃、および傾斜率=10℃/分。サイクル2:初期温度:250℃、最終温度:20℃、および傾斜率=−20℃/分。サイクル3:初期温度:40℃、最終温度:250℃、および傾斜率=10℃/分。サイクル4:初期温度:250℃、最終温度20℃、および傾斜率=−20℃/分。サイクル5:初期温度:40℃、最終温度:250℃、および傾斜率=20℃/分。Tは、5サイクルから決定した。
プリプレグ:実施例1〜4および比較例A〜Dの硬化性組成物を、ガラス繊維シート(E−ガラス、Hexcel7628)上に刷毛塗りし、そのガラス繊維シートを、空気流を有する177℃オーブンに180秒間入れ、実施例1〜4および比較例A〜Dのプリプレグを得た。プリプレグを破砕し、実施例1〜4および比較例A〜Dのプリプレグ粉を収集した。
プラーク試験:実施例1〜4および比較例A〜Dのプリプレグ粉約3gを、平坦なアルミニウムホイル上に置き、次いで、プリプレグ粉を有するアルミニウムホイルを金属平板上に置いた。この集合体を、プリプレグ粉が溶融するまで200℃に加熱した。溶融プリプレグ粉を別のアルミニウムホイルシートで覆い、次いで、金属平板をそのアルミニウムホイル上に置いた。この集合体を200℃で1時間高温圧締めし、次いで、200℃でさらに3時間後硬化させた。0.3ミリメートルから0.5ミリメートルの範囲内の厚さを有する気泡を含まないプラークを得て、誘電率/散逸率(D/D)およびガラス転移温度(T)を決定した。ガラス転移温度は、動的機械的熱分析(DMTA)を用いて決定した。試験は、RSA III DMTA(TA instruments)を用いて行う。DMTAは、周波数6.28ラジアン/s、初期温度30℃、最終温度250℃、および傾斜率3.0℃/分を用いた。
/Dは、Agilent16453A試験装置を備えたAgilent4991A Impedence/Material分析器により温度で分析した。較正は、供給メーカーにより提供されたD/Dパラメータを用い、Agilent Teflon標準プラークを用いて行った。結果を表Vに示す。
Figure 0005813222
表Vでわかるように、実施例1〜3(CE−DOP−BNを有する)は、対応する比較例A〜C(DOP−BNを有する)よりも高いガラス転移温度を示し、一方で同様のDおよびD値を維持する。例えば、実施例1(3.10/0.011のD/Dを有する)は、比較例A(3.00/0.011のD/Dを有する)と比較し、実施例2(3.10/0.009のD/Dを有する)は、比較例B(3.06/0.009のD/Dを有する)と比較し、実施例3(3.13/0.008のD/Dを有する)は、比較例C(3.02/0.008のD/Dを有する)と比較する。結果は、CE−DOP−BNが、ガラス転移温度を上昇させることができ、一方で同様のDおよびD値を維持することを示す。さらに、比較例AおよびBは、2つのガラス転移温度を示し、これは望ましくない。例えば、2つのガラス転移温度を有することは、各相が別個のガラス転移温度を与えているように、硬化樹脂の相分離があることを示す。
実施例2と実施例4との比較は、原料の比が変化する場合、D/D値が変化することを示す。例えば、実施例2は、5.0gのCE−DOP−BNおよび4.3gのSMA40を有するが、一方で実施例4は、3.46gのCE−DOP−BNおよび4.0gのSMA40を有する。表Vでわかるように、実施例4は、実施例2よりも低いD/D値を示す。実施例4のD/D値が低ければ低いほど、CE−DOP−BNに帰属させ得る。例えば、実施例4および比較例Dへの言及は、両方ともが同量のSMA40を有するが、実施例4は、CE−DOP−BNを組み入れ、一方で比較例Dは、DOP−BNを組み入れる。表Vでわかるように、実施例4は、比較例Dに比べて、より低いD/D値およびより高いTを有する。したがって、実施例4の低いD/D値は、CE−DOP−BNの組み込みに帰属させ得る。このようにして、CE−DOP−BNは、DOP−BNを上回る改善された特性を与え得る。
実施例5〜11および比較例E〜F
エポキシ対スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーの適当なモル比を決定するために、モル比を実施例5〜11において変えた。実施例5〜11について、リン含有量対CE−DOP−BNの量の重量比を固定したが、エポキシ(すなわち、エポキシ基)対スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーのモル比は変えた。比較例E〜Gは、非ハロゲン難燃剤を含まない硬化性組成物を示す。
実施例5〜11
一部のCE−DOP−BN、エポキシ樹脂、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー、および溶媒を、表VIの処方に従って一緒に混合し、振とうして、均一な溶液を形成した。
比較例E〜G
一部のDOP−BN、エポキシ樹脂、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー、および溶媒を、表VIIの処方に従って一緒に混合し、振とうして、均一な溶液を形成した。
Figure 0005813222
Figure 0005813222
実施例5〜11および比較例E〜Gの分析
表VIおよび表VIIの処方に従って、硬化触媒を実施例5〜11および比較例E〜Gの硬化性組成物に加え、硬化性組成物のゲル化時間を171℃で維持したホットプレート上で試験した。
ガラス転移温度:ゲル化した硬化性組成物をホットプレート表面から回収し、オーブン中200℃で3時間後硬化させて、硬化生成物を形成した。硬化生成物のガラス転移温度(T)は、示差走査熱量計(DSC)により測定した。結果を表VIIIに示す。
プリプレグ:実施例5〜11および比較例E〜Gの硬化性組成物を、ガラス繊維シート(E−ガラス、Hexcel7628)上に刷毛塗りし、そのガラス繊維シートを、空気流を有する177℃オーブンに180秒間入れ、実施例5〜11および比較例E〜Gのプリプレグを得た。プリプレグを破砕し、実施例5〜11および比較例E〜Gのプリプレグ粉を収集した。
プラーク試験:実施例5〜11および比較例E〜Gのプリプレグ粉約3gを、平坦なアルミニウムホイル上に置き、次いで、プリプレグ粉を有するアルミニウムホイルを金属平板上に置いた。この集合体を、プリプレグ粉が溶融するまで200℃に加熱した。溶融プリプレグ粉を別のアルミニウムホイルで覆い、次いで、金属平板をそのアルミニウムホイル上に置いた。この集合体を200℃で1時間高温圧締めし、次いで、200℃でさらに3時間後硬化させた。0.3ミリメートルから0.5ミリメートルの厚さを有する気泡を含まないプラークを得て、誘電率/散逸率(D/D)およびガラス転移温度(T)を決定した。ガラス転移温度は、動的機械的熱分析(DMTA)を用いて決定した。結果を表VIIIに示す。
Figure 0005813222
表VIIIでわかるように、実施例5〜9および実施例11のD値は、実施例5についてわかるように、「0.005〜6」と示される。D試験は数回行い、一部の実施例(すなわち、実施例5〜9および実施例11)について、D値は変化し、したがって、「0.005〜6」と示される、変化させたD値は、D値が0.005から0.006までの範囲であったことを意味する。誘電率(D)試験について、0.1の変化は、その試験から生じることができ、許容できると見なされる。散逸率(D)試験について、0.001より小さい変化が、試験から生じることができ、許容できると見なされる。
HP7200(エポキシ樹脂)とSMA40のモル比が、1.1:1.0(実施例5)から2.6:1.0(実施例11)に変わるにつれて、硬化樹脂のDは、有意な変化を示さなかった(例えば、約0.1の変化、これは、許容できる変化と見なされる)。しかしながら、モル比が実施例5から実施例11に増加するにつれて(例えば、0.005の変化、これは、許容できる変化より大きい)、Dは増加した。HP7200とSMA40のモル比が、1.3:1.0(実施例6)またはそれを超える場合、硬化樹脂のTは、ほとんど変化を示さなかった。したがって、これらの結果の比較は、実施例6および実施例7が、最良のTおよびD/D値を与えることを示す。
比較例E〜Gは、CE−DOP−BNを含まない。HP7200対SMA40の同じモル比を有する、実施例5〜7と比較例E〜Gを比較(すなわち、実施例5対比較例E;実施例6対比較例F;実施例7対比較例G)すると、実施例5〜7のSMA40含有量は、対応する比較例F〜GのSMA40含有量に比べて低いけれども、実施例5〜7は、それぞれ、対応する比較例E〜Gに比べてより低いD値を与える。さらに、実施例7は、比較例Gに比べてより高いTを示した。
さらに、実施例7と実施例11の比較は、実施例7および実施例11がHP7200対SMA EF40の同じモル比を有するけれども、実施例7は、処方中のCE−DOP−BNの量が高いほど、D/D値が低くなることを示す。したがって、CE−DOP−BNは、誘電特性(D/D)に有益であることが決定され得る。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂;
    少なくとも2個のアリール−シアナト基と少なくとも2個のリン基とを含む非ハロゲン難燃剤;および
    スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー
    を含む、硬化性組成物であって、
    前記非ハロゲン難燃剤が
    Figure 0005813222

    (式中、mは、1から20の整数であり;
    nは、0から20の整数であり、但し、nが0である場合、mは、2から20の整数であることを条件とし;
    式中、Xは、硫黄、酸素、孤立電子対、およびそれらの組合せからなる群から選択され;
    式中、それぞれのR およびR は、独立して、水素、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分、6から20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分であり(ここで、脂肪族部分および芳香族炭化水素部分は、結合して環状構造を形成することができる)であり;
    式中、R は、水素、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分、6から20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分、R P(=X)CH −、およびROCH −(ここで、Rは、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分である)からなる群から選択され;ならびに
    式中、それぞれのR およびR は、独立して、1から20個の炭素原子を有する脂肪族部分、6から20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素部分(ここで、脂肪族部分および芳香族炭化水素部分は、結合して環状構造RX−を形成することができる)であるか、またはR およびR は一緒になって、Ar X−であり;ならびに
    式中、それぞれのAr およびAr は、独立して、ベンゼン、ナフタレン、またはビフェニルである)
    の化合物で表される、硬化性組成物
  2. 式(I)の化合物について、Xが酸素であり、nが1であり、mが1であり、それぞれのRおよびRがメチル基であり、RがRP(=X)CH−であり、RおよびRが一緒になってArX(式中、Arは、RP(=X)−が、式(II):
    Figure 0005813222

    の化合物で表されるようなビフェニルである)である、請求項に記載の硬化性組成物。
  3. 式(I)の化合物について、Xが酸素であり、nが0であり、mが2または3であり、RがRP(=X)CH−であり、RおよびRが一緒になって、ArX(式中、Arは、RP(=X)−が、式(II):
    Figure 0005813222

    の化合物で表されるようなビフェニルである)である、請求項に記載の硬化性組成物。
  4. Arがベンゼンである、請求項1からのいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. エポキシ樹脂のエポキシ基対スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーの無水マレイン酸基が、1.0:1.0から2.6:1.0の範囲内のモル比を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. エポキシ樹脂のエポキシ基対スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーの無水マレイン酸基が、1.3:1.0から1.4:1.0の範囲内のモル比を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 硬化性組成物の全重量に基づいて、0.1重量パーセントから3.5重量パーセントの範囲内のリン含有量を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーが、1:1から8:1の範囲内のスチレン対無水マレイン酸のモル比を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. 非ハロゲン難燃剤が、硬化性組成物の全重量の1重量パーセントから90重量パーセントである、請求項1からのいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  10. 非ハロゲン難燃剤が、硬化性組成物の全重量の10重量パーセントから60重量パーセントである、請求項に記載の硬化性組成物。
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