JP5813210B2 - 部品実装機 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の部品を基板に実装する部品実装機に関し、より詳細には、部品の吸着異常および装着異常を検出する部品実装機に関する。
部品の吸着異常を検出する部品実装機の一例として、例えば、特許文献1に挙げられる部品実装装置が知られている。特許文献1に記載の部品実装装置は、真空発生源と多連ノズルとを連通するマニホールドに真空圧センサを備えている。そして、電子部品を順次実装する際に多連ノズルの移動前後のマニホールド内の真空圧を測定し、真空圧の差が所定閾値を超えているときに、多連ノズルから電子部品が落下したと判断している。この場合、部品実装装置は、当該電子部品の実装を行わない。
特開2007−27247号公報
しかしながら、特許文献1に記載の部品実装装置では、多連ノズルの先端部から離間して配される真空圧センサを用いて、多連ノズルから電子部品が落下したか否かを判断している。真空圧センサが多連ノズルの先端部から離間して配されていると、多連ノズルの配管径は非常に小さいので、多連ノズルの先端部の圧力変動を正確に検出することは困難である。
また、部品実装装置では、部品の装着に失敗して多連ノズルに部品が吸着されたままの状態になる所謂部品の持ち帰りなどの装着異常が生じることがある。例えば、圧力センサを用いてこのような部品の装着異常を検出しようとすると、多連ノズルのノズル面と部品吸着面の状態や静電気の影響などにより、必ずしも部品の装着可否を正しく検出できるとは限らない。また、多連ノズルの先端部を撮像して部品の装着異常を検出しようとすると、撮像部のために部品実装機が大型化し、高コスト化する。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、部品の吸着異常および装着異常を高精度に検出することが可能な部品実装機を提供することを課題とする。
請求項1に係る部品実装機は、複数の部品を吸着して基板に装着する複数の吸着ノズルを有する部品装着ヘッドと前記部品の吸着異常を検出する吸着異常検出部を有する制御装置とを備える部品実装機であって、前記部品装着ヘッドは、負圧源と各前記吸着ノズルとを連通する分岐流路の前記負圧源側に前記負圧源に吸入される空気流量を測定する流量センサを有し、前記制御装置は、前記複数の吸着ノズルのうちの一の吸着ノズルが部品を吸着してから次の吸着ノズルが部品を吸着するまでの前記空気流量の変化量を、前記次の吸着ノズルが部品を吸着したときの前記空気流量から前記一の吸着ノズルが部品を吸着したときの前記空気流量を減算して算出する流量算出部を有し、前記吸着異常検出部は、前記流量算出部によって算出された前記空気流量の変化量が所定閾値を超えているときに前記吸着異常であると判断することを特徴とする。
請求項2に係る部品実装機は、請求項1に記載の部品実装機において、前記複数の吸着ノズルの先端部にそれぞれ吸着される前記部品を撮像する部品認識用カメラをさらに備え、前記吸着異常検出部は、前記撮像される前記部品の吸着状態に基づいて前記吸着異常であるか否かを判断する。
請求項3に係る部品実装機は、複数の部品を吸着して基板に装着する複数の吸着ノズルを有する部品装着ヘッドと前記部品の装着異常を検出する装着異常検出部を有する制御装置とを備える部品実装機であって、前記部品装着ヘッドは、正圧源と各前記吸着ノズルとを連通する分岐流路の前記正圧源側に前記正圧源から供給される空気流量を測定する流量センサを有し、前記制御装置は、前記複数の吸着ノズルのうちの一の吸着ノズルが部品を装着してから次の吸着ノズルが部品を装着するまでの前記空気流量の変化量を、前記次の吸着ノズルが部品を装着したときの前記空気流量から前記一の吸着ノズルが部品を装着したときの前記空気流量を減算して算出する流量算出部を有し、前記装着異常検出部は、前記流量算出部によって算出された前記空気流量の変化量が所定閾値未満のときに前記装着異常であると判断することを特徴とする。
請求項4に係る部品実装機は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の部品実装機において、前記部品装着ヘッドは、前記複数の吸着ノズルが軸線と同芯の円周上において回動可能に保持されているロータリヘッドである。
請求項1に係る部品実装機によれば、部品装着ヘッドは、負圧源と各吸着ノズルとを連通する分岐流路の負圧源側に負圧源に吸入される空気流量を測定する流量センサを有している。そして、吸着異常検出部は、負圧源側の空気流量の変化量から部品の吸着異常を検出する。部品が安定した状態で吸着ノズルに吸着されている場合は、吸着ノズルの先端部の吸入口は部品によって適切に塞がれるので、空気流量の変化量は小さくなる。逆に、吸着ノズルに対して部品が不安定な状態で吸着されている場合は、吸着ノズルの先端部の吸入口と部品との間に間隙が生じて、空気流量の変化量は大きくなる。つまり、吸着異常検出部は、空気流量の変化量から部品の吸着異常を検出することができるので、部品の吸着状態が安定しているか否かの判断が容易である。
また、吸着異常検出部は、複数の吸着ノズルのうちの一の吸着ノズルが部品を吸着してから次の吸着ノズルが部品を吸着するまでの空気流量の変化量が所定閾値を超えているときに吸着異常であると判断するので、すでに部品を吸着している吸着ノズルのエアーのリーク状態に依存することなく、吸着異常を検出することができる。そのため、部品の吸着異常を高精度に検出することができる。
請求項2に係る部品実装機によれば、吸着異常検出部は、部品認識用カメラによって撮像される部品の吸着状態に基づいて吸着異常であるか否かを判断する。そのため、部品が正規の吸着姿勢で吸着ノズルに吸着されているか否かを認識することができ、吸着異常の検出精度を向上させることができる。
請求項3に係る部品実装機によれば、部品装着ヘッドは、正圧源と各吸着ノズルとを連通する分岐流路の正圧源側に正圧源から供給される空気流量を測定する流量センサを有している。そして、装着異常検出部は、正圧源側の空気流量の変化量から部品の装着異常を検出する。部品が基板に装着された場合、部品を装着した吸着ノズルの吸入口は部品を吸着していないので、正圧源側の空気流量の変化量は大きくなる。逆に、部品の持ち帰りなどの装着異常が生じると、吸着ノズルの吸入口は部品によって塞がれているので、正圧源側の空気流量の変化量は小さくなる。
したがって、装着異常検出部は、正圧源側の空気流量の変化量から部品の装着異常を検出することができ、流量センサ下流側のエアー経路の影響を受けることなく、部品の装着異常を検出することができる。そのため、部品の装着異常を高精度に検出することができる。また、正圧源側に設けられる流量センサを用いて装着異常を検出するので、吸着ノズルの先端部を撮像して部品の装着異常を検出する場合と比べて、部品実装機を小型化、低コスト化することができる。
請求項4に係る部品実装機によれば、部品装着ヘッドは、複数の吸着ノズルが軸線と同芯の円周上において回動可能に保持されているロータリヘッドである。ロータリヘッドは、一般に吸着異常を検出する検出センサが吸着ノズルの先端部から離間して配される。このようなロータリヘッドにおいても、吸着異常検出部は、空気流量の変化量から部品の吸着異常を検出することができ、部品の吸着異常を高精度に検出することができる。また、本発明では、分岐流路の負圧源側に流量センサを1つ設ければ良いので、吸着ノズルの各先端部にそれぞれ流量センサを設ける場合と比べて、部品実装機を低コスト化することができる。
また、装着異常検出部は、複数の吸着ノズルのうちの一の吸着ノズルが部品を装着してから次の吸着ノズルが部品を装着するまでの正圧源側の空気流量の変化量が所定閾値未満のときに部品の装着異常であると判断するので、すでに部品を装着済みの吸着ノズルのエアーのリーク状態に依存することなく、装着異常を検出することができる。そのため、ロータリヘッドにおいて、部品の装着異常を高精度に検出することができる。
部品実装機1の一例を示す斜視図である。 図1の部品装着ヘッド10を示す正面図である。 正圧・負圧供給装置14の一例を模式的に示す構成図である。 流量センサ100の出力特性の一例を示す図である。 部品Pの吸着状態を示す側面画像の一例である。(A)は、部品Pが正規の吸着姿勢で吸着ノズル18に吸着されている状態を示す側面画像である。(B)は、部品Pが傾斜した姿勢で吸着ノズル18に吸着されている状態を示す側面画像である。 制御ブロックの一例を示すブロック図である。 部品吸着の際の吸着ノズル18のノズル番号Nと空気流量QNの関係の一例を示す図である。 部品装着の際の吸着ノズル18のノズル番号Nと空気流量QPの関係の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。各図は概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。
(1)部品実装機1の構成
図1は、部品実装機1の一例を示す斜視図である。図2は、図1の部品装着ヘッド10を示す正面図である。図1に示すように、部品実装機1は、部品供給装置70、基板搬送装置60および部品移載装置80を備えている。部品供給装置70は、基枠90上に複数のカセット式フィーダ71が並設されている。カセット式フィーダ71は、基枠90に着脱可能に取付けられる本体72と、本体72の後部に設けられる供給リール73と、本体72の先端に設けられる部品取出部74を備えている。供給リール73には部品Pが所定ピッチで封入される細長いテープが巻回保持され、テープが図示しないスプロケットにより所定ピッチで引き出され、部品Pが封入状態を解除されて部品取出部74に順次送り込まれる。
部品供給装置70と基板搬送装置60の間には、部品Pの保持位置を検出するCCDカメラ75が設けられている。CCDカメラ75は、吸着された部品Pの吸着ノズル18に対する位置ずれ及び角度ずれを検出することができる。位置ずれ及び角度ずれの検出結果は、部品Pの装着位置を補正する際に用いることができる。
基板搬送装置60は、プリント基板を図1に示すX軸方向に搬送するもので、第1搬送装置61および第2搬送装置62を2列並設した、いわゆるダブルコンベアタイプのものである。第1搬送装置61および第2搬送装置62には、基台63上にそれぞれ一対のガイドレール64a、64b、65a、65bを互いに平行に対向させてそれぞれ水平に並設されている。第1搬送装置61および第2搬送装置62には、ガイドレール64a、64b、65a、65bによりそれぞれ案内されるプリント基板を支持して搬送する一対の図示しないコンベアベルトが互いに対向して並設されている。また、基板搬送装置60には所定位置まで搬送されたプリント基板を押し上げてクランプする図示しないクランプ装置が設けられている。クランプ装置によってプリント基板が部品装着位置で位置決め固定される。
部品移載装置80はXYロボットタイプのものであり、基枠90上に装架されて基板搬送装置60および部品供給装置70の上方に配設され、Y軸サーボモータ11によりY軸方向に移動されるY軸スライダ12を備えている。Y軸スライダ12には、図2に示すように、X軸スライダ13がY軸方向と直交するX軸方向に移動可能に案内されている。
X軸スライダ13は、Y軸スライダ12に固定されたX軸方向に延びる一対のガイドレール12aと、X軸スライダ13に固定された一対のガイドブロック13aと、を介して、Y軸スライダ12に対して移動可能に保持されている。Y軸スライダ12には、図示しないX軸サーボモータが固定され、X軸サーボモータの出力軸には、X軸方向に延びるボールねじ軸12bが連結されている。ボールねじ軸12bは、図示しないボールを介して、X軸スライダ13に固定されたボールナット13bに螺合されている。これにより、X軸サーボモータが回転するとボールねじ軸12bが回転し、X軸スライダ13はボールナット13bを介してガイドレール12aに案内されてX軸方向に移動する。
X軸スライダ13上には、部品Pを吸着してプリント基板に装着する部品装着ヘッド10が取付けられている。部品装着ヘッド10は、正圧・負圧供給装置14、R軸モータ15、インデックス軸16、ノズルホルダ17、吸着ノズル18、θ軸モータ19、Z軸モータ20および部品認識用カメラ21を備えている。
図2に示すように、X軸スライダ13には、水平方向に延びる第1フレーム25および第2フレーム26が上下方向(Z軸方向)に離間して一体的に設けられ、第1フレーム25にR軸モータ15が固定されている。R軸モータ15の出力軸には、鉛直軸線ALの回り(R軸方向)に回転可能に支持されたインデックス軸16が接続されている。インデックス軸16上には、従動ギヤ27とθ軸ギヤ29を形成する回転体28が回転可能に支持されている。インデックス軸16の下端部には、円筒状のノズルホルダ17が固定されている。
ノズルホルダ17には、鉛直軸線ALと同芯の円周上において、複数の吸着ノズル18がZ軸方向に移動可能に保持されている。各吸着ノズル18は、ノズルホルダ17にZ軸方向に摺動可能に支持されるノズルスピンドル33の下端部に取付けられている。ノズルスピンドル33の下端部には大径部33aが形成され、ノズルスピンドル33の上端部にはノズルギヤ34が固定されている。ノズルギヤ34とノズルホルダ17との間には圧縮スプリング35が設けられ、圧縮スプリング35によって、ノズルスピンドル33および吸着ノズル18が上方に付勢されるとともに、大径部33aがノズルホルダ17の下面に当接することにより、ノズルスピンドル33および吸着ノズル18の上方への移動が規制されている。各吸着ノズル18には、ノズルスピンドル33を介して正圧・負圧供給装置14から負圧が供給され、各吸着ノズル18は、先端部18aで部品Pを吸着することができる。
ノズルホルダ17の下端中央部には、光を反射可能な円筒状の反射体31が固定されている。ノズルホルダ17および反射体31は、インデックス軸16とともに鉛直軸線ALの回りに回動される。これにより、R軸モータ15を回転させると、インデックス軸16を介して複数の吸着ノズル18を保持したノズルホルダ17を鉛直軸線ALの回り(R軸方向)に回動させることができ、複数の吸着ノズル18を作業位置S1に順次、割出すことができる。
図3は、正圧・負圧供給装置14の一例を模式的に示す構成図である。正圧・負圧供給装置14は、負圧源14a、負圧分岐流路14b、スプールバルブ14c、正圧源14dおよび正圧分岐流路14eを有している。負圧源14aは、負圧の発生源であり、負圧分岐流路14bは、負圧源14aと各吸着ノズル18とを連通する。正圧源14dは、正圧の発生源であり、正圧分岐流路14eは、正圧源14dと各吸着ノズル18とを連通する。スプールバルブ14cは、負圧分岐流路14bおよび正圧分岐流路14eをそれぞれ開閉することができる。
負圧分岐流路14bの本流側の先端部には負圧源14aが接続され、負圧分岐流路14bの支流側には吸着ノズル18がそれぞれ接続されている。負圧源14aは、例えば、公知の真空ポンプを用いることができ、各吸着ノズル18に負圧を供給することができる。負圧分岐流路14bの支流側には、スプールバルブ14cが設けられており、スプールバルブ14cを開閉することにより、負圧源14aと各吸着ノズル18との間の負圧分岐流路14bを開閉することができる。なお、同図では、2つの吸着ノズル18、18が図示されているが、鉛直軸線ALと同芯の円周上に配されるすべての吸着ノズル18が負圧分岐流路14bによって負圧源14aと連通可能になっている。
正圧分岐流路14eの本流側の先端部には正圧源14dが接続され、正圧分岐流路14eの支流側はスプールバルブ14cに接続されている。正圧源14dは、例えば、公知の圧縮機(コンプレッサ)を用いることができ、各吸着ノズル18に正圧を供給することができる。正圧分岐流路14eの支流側は、スプールバルブ14cに接続されており、スプールバルブ14cを開閉することにより、正圧源14dと各吸着ノズル18との間の正圧分岐流路14eを開閉することができる。負圧分岐流路14bと同様に、鉛直軸線ALと同芯の円周上に配されるすべての吸着ノズル18が正圧分岐流路14eによって正圧源14dと連通可能になっている。
スプールバルブ14cには、図示しないスプールがノズルホルダ17の外周側部分において上下方向(Z軸方向)に相対移動可能に嵌合されている。スプールバルブ14cには、各吸着ノズル18への負圧および正圧の供給を阻止する初期位置と、吸着ノズル18への正圧の供給を遮断するとともに吸着ノズル18への負圧の供給を許容する負圧供給位置と、吸着ノズル18への負圧の供給を遮断するとともに吸着ノズル18への正圧の供給を許容する正圧供給位置と、が設けられている。また、スプールバルブ14cには、図示しない摩擦リングが嵌合されており、スプールと摩擦リングとの摩擦力によって、スプールは、初期位置、負圧供給位置または正圧供給位置に保持される。スプールバルブ14cは、ノズルスピンドル33毎に設けられている。
作業位置S1に割出されたノズルスピンドル33に対向する位置には、図示しないモータによって上下動される押圧部材が設けられている。部品吸着位置において、押圧部材が上下方向に移動すると、押圧部材の上下方向の移動に伴って作業位置S1に割出されたノズルスピンドル33および吸着ノズル18が上下方向に移動する。これに伴って、スプールバルブ14cのスプールは、初期位置から負圧供給位置へ移動して保持され、作業位置S1に割出された吸着ノズル18と負圧源14aとの間の負圧分岐流路14bが開路される。そして、作業位置S1に割出された吸着ノズル18に負圧が供給され、部品Pを吸着することができる。次の吸着ノズル18が割出されると、同様に、対応するスプールバルブ14cのスプールが初期位置から負圧供給位置へ移動して保持され、割出された吸着ノズル18に負圧が供給され、部品Pを吸着する。これをすべての吸着ノズル18について繰り返すことにより、各吸着ノズル18に対して順に負圧を供給して部品Pを吸着することができる。
一方、部品装着位置において、押圧部材が上下方向に移動すると、押圧部材の上下方向の移動に伴って作業位置S1に割出されたノズルスピンドル33および吸着ノズル18が上下方向に移動する。これに伴って、スプールバルブ14cのスプールは、負圧供給位置から正圧供給位置へ移動して保持され、作業位置S1に割出された吸着ノズル18と正圧源14dとの間の正圧分岐流路14eが開路される。そして、作業位置S1に割出された吸着ノズル18に正圧が供給され、割出された吸着ノズル18内の負圧を消失して部品Pを解放することができる。次の吸着ノズル18が割出されると、同様に、対応するスプールバルブ14cのスプールが負圧供給位置から正圧供給位置へ移動して保持され、割出された吸着ノズル18に正圧が供給され、部品Pが解放される。これをすべての吸着ノズル18について繰り返すことにより、各吸着ノズル18から部品Pを解放してプリント基板に装着することができる。なお、次回の部品吸着までの間に、各スプールバルブ14cのスプールは、初期位置に復帰される。
負圧分岐流路14bの負圧源14a側には、流量センサ100が設けられている。正圧分岐流路14eの正圧源14d側には、流量センサ101が設けられている。流量センサ100、101は、例えば、公知のマスフローセンサを用いることができる。流量センサ100は、吸着ノズル18から負圧源14aに吸入される空気流量QNを測定することができる。流量センサ101は、正圧源14dから吸着ノズル18に供給される空気流量QPを測定することができる。
図4は、流量センサ100の出力特性の一例を示す図である。横軸は、流量センサ100によって測定される空気流量QNを示し、縦軸は、流量センサ100の出力電圧Vを示している。流量センサ100は、空気流量QNの測定結果を出力電圧Vとして出力する。流量センサ100の出力電圧Vは、後述する制御装置51に送信され、制御装置51は、流量センサ100の出力電圧VをA/D変換する。制御装置51のメモリには、予め同図に示す特性がマップ、テーブル、関係式などにより記憶されており、制御装置51は、デジタル値に変換された流量センサ100の出力電圧Vから流量センサ100を通過する空気流量QNを換算することができる。例えば、制御装置51は、流量センサ100の出力電圧VがV1のとき、出力電圧V1に対応する空気流量Q1をマップから取得する。これらのことは、流量センサ101についても同様である。
第1フレーム25にはθ軸モータ19が固定され、θ軸モータ19の出力軸には駆動ギヤ36が固定されている。駆動ギヤ36は、インデックス軸16に回転可能に支持された回転体28上の従動ギヤ27に噛合されている。また、回転体28上には軸方向の所定長さに亘ってθ軸ギヤ29が形成され、θ軸ギヤ29は、ノズルスピンドル33に固定された各ノズルギヤ34にそれぞれ摺動可能に噛合されている。これにより、θ軸モータ19を回転させると、駆動ギヤ36、従動ギヤ27、θ軸ギヤ29およびノズルギヤ34を介して、全ての吸着ノズル18をノズルホルダ17に対して自転させることができる。
また、第1フレーム25にはZ軸モータ20が固定され、Z軸モータ20の出力軸にはボールねじ軸37が接続されている。ボールねじ軸37は、第1フレーム25に固定された軸受38および第2フレーム26に固定された軸受39によって、鉛直軸線ALと平行な軸線回りに回転可能に支持されている。ボールねじ軸37には、図示しないボールを介して、Z軸モータ20の回転運動を直線運動に変換するボールナット40が螺合されている。ボールナット40は、第1フレーム25および第2フレーム26に固定される上下方向に延びるガイド42に上下方向に摺動可能に案内されたノズルレバー41に固定されている。
ノズルレバー41には、作業位置S1に割出されたノズルスピンドル33の上端に当接して、ノズルスピンドル33をZ軸方向の下方に押圧する押圧部41aが突設されている。これにより、Z軸モータ20を回転させると、ボールねじ軸37が回転し、ノズルレバー41はボールナット40を介してガイド42に案内されて上下に移動する。ノズルレバー41が上下に移動すると、押圧部41aに対応するノズルスピンドル33および吸着ノズル18を上下に移動させることができる。
ノズルレバー41の押圧部41aは、ノズルホルダ17の回転方向に作業位置S1を中心として所定幅を有しており、吸着ノズル18が作業位置S1の前後の所定の角度範囲に位置している状態において、吸着ノズル18のノズルスピンドル33の上端に押圧部41aが当接可能になっている。これにより、作業位置S1の前後の所定の角度範囲において、ノズルホルダ17の回動動作中に吸着ノズル18の上下方向(Z軸方向)の移動を可能にしている。
第2フレーム26には支持ブラケット43が懸架され、支持ブラケット43には、1台の部品認識用カメラ21が備えられている。部品認識用カメラ21は、側面撮像カメラであり、例えば、公知のCCDカメラを用いることができる。部品認識用カメラ21は、ノズルホルダ17の回転方向において、作業位置S1より1ピッチ先方の先行位置S1+1に割出された吸着ノズル18と、その吸着ノズル18の先端部18aに吸着された部品Pと、の先行位置側面像を反射体31により反射された反射光により撮像することができる。これと同時に、部品認識用カメラ21は、ノズルホルダ17の回転方向において、作業位置S1より1ピッチ後方の後行位置S1−1に割出された吸着ノズル18と、その吸着ノズル18の先端部18aに吸着された部品Pと、の後行位置側面像を反射体31により反射された反射光により撮像することができる。
図5は、部品Pの吸着状態を示す側面画像の一例である。(A)は、部品Pが正規の吸着姿勢で吸着ノズル18に吸着されている状態を示す側面画像である。(B)は、部品Pが傾斜した姿勢で吸着ノズル18に吸着されている状態を示す側面画像である。同図に示すように、部品認識用カメラ21は、先行位置側面画像77aおよび後行位置側面画像77bを一画面78上に取得することができる。先行位置側面画像77aは、先行位置側面像を撮像した画像であり、後行位置側面画像77bは、後行位置側面像を撮像した画像である。
(2)吸着異常および装着異常の検出方法
部品実装機1は、制御装置51によって制御される。制御装置51は、図示しないCPUおよびメモリを有しており、メモリに記憶されているプログラムを実行することによって、部品実装機1を駆動させることができる。図6は、制御ブロックの一例を示すブロック図である。制御装置51は、制御ブロックとして捉えると、実装制御部511、流量算出部512、画像認識部513、吸着異常検出部514および装着異常検出部515を有している。実装制御部511は、所定の部品装着プログラムに基づいて、基板搬送装置60、部品供給装置70および部品移載装置80を駆動して、プリント基板に部品Pを装着する。
各吸着ノズル18に部品Pが吸着される際に、流量算出部512は、一の吸着ノズル18が部品Pを吸着してから次の吸着ノズル18が部品Pを吸着するまでの空気流量QNの変化量ΔQNを算出する。流量算出部512は、すべての吸着ノズル18について空気流量QNの変化量ΔQNを算出する。画像認識部513は、部品認識用カメラ21によって撮像される部品Pと吸着ノズル18の先行位置側面画像77aおよび後行位置側面画像77bを画像認識する。吸着異常検出部514は、流量算出部512の算出結果および画像認識部513の認識結果に基づいて、部品Pの吸着異常を検出する。
また、部品Pがプリント基板に装着される際に、流量算出部512は、一の吸着ノズル18が部品Pを装着してから次の吸着ノズル18が部品Pを装着するまでの空気流量QPの変化量ΔQPを算出する。流量算出部512は、すべての吸着ノズル18について空気流量QPの変化量ΔQPを算出する。装着異常検出部515は、流量算出部512の算出結果に基づいて、部品Pの装着異常を検出する。
以下、部品実装機1によって、部品Pをプリント基板に装着する手順について説明し、併せて部品Pの吸着異常および装着異常の検出方法について説明する。まず、実装制御部511からの指令に基づいて、基板搬送装置60のコンベアベルトが駆動され、プリント基板がガイドレール64a、64b(65a、65b)に案内されて所定の位置まで搬送される。そして、クランプ装置により、プリント基板が押し上げられてクランプされ、所定位置に位置決め固定される。続いて、Y軸サーボモータ11およびX軸サーボモータが駆動されて、Y軸スライダ12およびX軸スライダ13が移動され、部品装着ヘッド10が部品取出部74まで移動される。その後、R軸モータ15が回転されて、ノズルホルダ17が1ピッチ回動され、後行位置S1−1に割出されていた吸着ノズル18を装着したノズルスピンドル33が作業位置S1に割出される。
ノズルホルダ17が1ピッチ回動する間にZ軸モータ20が正転されることにより、ノズルスピンドル33は、ノズルレバー41により圧縮スプリング35の付勢力に抗して下方に押下げられて下降する。ノズルスピンドル33が下降端に位置する前にノズルホルダ17は、ノズルスピンドル33を作業位置S1に割出して回転を停止する。その状態でノズルスピンドル33は、吸着ノズル18の先端部18aが部品取出部74に搬送された部品Pに接近する位置まで押下げられ、正圧・負圧供給装置14から吸着ノズル18に負圧が供給されて、吸着ノズル18の先端部18aに部品Pが吸着保持される。
その後、Z軸モータ20が逆転されることにより、ノズルレバー41が上方に移動され、圧縮スプリング35の付勢力により吸着ノズル18が上昇端位置まで押上げられる。吸着ノズル18が上昇端位置に後退する前に、ノズルホルダ17がR軸モータ15により回動され、作業位置S1に割出されていた吸着ノズル18が後行位置S1+1に割出される。このような動作を繰り返すことにより、複数の吸着ノズル18に部品Pが順次吸着保持される。これにより、ノズルホルダ17の回転割出し動作中に、吸着ノズル18の上下方向の進退移動を同時に行わせる、いわゆる同時動作制御が可能になり、部品Pを吸着するサイクルタイムを短縮して、生産性を向上することができる。
流量算出部512は、各吸着ノズル18が上昇端位置まで押上げられたときに、流量センサ100を用いて、吸着ノズル18から負圧源14aに吸入される空気流量QNを測定する。図7は、部品吸着の際の吸着ノズル18のノズル番号Nと空気流量QNの関係の一例を示す図である。横軸は、吸着ノズル18のノズル番号Nを示し、縦軸は、空気流量QNを示している。複数の吸着ノズル18のうち最初に部品Pを吸着する吸着ノズル18をノズル番号N1の吸着ノズル18とする。そして、ノズル番号N1の吸着ノズル18が部品Pを吸着して上昇端位置まで押上げられたときに測定される空気流量QNをQ1とする。ノズル番号N1の吸着ノズル18が部品Pを吸着すると、その吸着ノズル18の吸入口は部品Pによって塞がれ、負圧源14aに吸入される空気流量QN1は飽和する。同図は、ノズル番号N1の吸着ノズル18が部品Pを吸着して、空気流量Q1が飽和して一定になっている状態を示している。
その後、実装制御部511によりノズルホルダ17が回動され、次のノズル番号N2の吸着ノズル18が割出される。そして、ノズル番号N2の吸着ノズル18が部品Pを吸着して上昇端位置まで押上げられたときに空気流量QNが測定される。このときの空気流量QNをQ2とする。以下、同様にして、最後に部品Pを吸着する吸着ノズル18まで順に空気流量QNを測定する。同図では、ノズル番号N6の吸着ノズル18まで空気流量QNが測定されたときの空気流量QNの変化を曲線L1で示している。同図に示すように、負圧源14aに吸入される空気流量QNは、吸着ノズル18が部品Pを吸着する毎に階段状に増加している。
流量算出部512は、複数の吸着ノズル18のうちの一の吸着ノズル18が部品Pを吸着してから次の吸着ノズル18が部品Pを吸着するまでの空気流量QNの変化量ΔQNを算出する。但し、ノズル番号N1の吸着ノズル18の変化量ΔQ1は、空気流量Q1とする。例えば、ノズル番号N2の吸着ノズル18の変化量ΔQ2は、ノズル番号N2の吸着ノズル18の空気流量Q2からノズル番号N1の吸着ノズル18の空気流量Q1を減算して算出することができる。ノズル番号N3の吸着ノズル18の変化量ΔQ3は、ノズル番号N3の吸着ノズル18の空気流量Q3からノズル番号N2の吸着ノズル18の空気流量Q2を減算して算出することができる。以下、同様にして、最後に部品Pを吸着する吸着ノズル18まで空気流量QNの変化量ΔQNを算出する。
吸着異常検出部514は、流量算出部512によって算出される吸着ノズル18の空気流量QNの変化量ΔQNが所定閾値を超えているか否かを判断する。例えば、ノズル番号N3の空気流量QNの変化量ΔQ3は所定閾値以下であるとする。これに対して、ノズル番号N4の空気流量QNの変化量ΔQ4は、同図に示すように変化量ΔQ3と比べて大きく、所定閾値を超えているとする。この場合、吸着異常検出部514は、ノズル番号N4の吸着ノズル18が吸着異常であると判断する。同様にして、吸着異常検出部514は、すべての吸着ノズル18について、空気流量QNの変化量ΔQNが所定閾値を超えているか否かを判断して、吸着異常の有無を検出する。なお、所定閾値は、部品Pが正規の吸着姿勢で吸着ノズル18に吸着されているときに許容されるエアーのリーク流量であり、予めシミュレーション、実機による測定等によって導出することができる。所定閾値は、制御装置51のメモリに記憶されている。
ノズルホルダ17が回転停止され、作業位置S1に割出された吸着ノズル18が下降して部品Pを吸着している間に、先行位置S1+1に割出された吸着ノズル18と部品Pの先行位置側面画像77aが部品認識用カメラ21によって撮像される。これと同時に、後行位置S1−1に割出された吸着ノズル18と部品Pの後行位置側面画像77bが部品認識用カメラ21によって撮像される。先行位置側面画像77aおよび後行位置側面画像77bは、一画面78上に取得される。先行位置側面画像77aおよび後行位置側面画像77bは、画像認識部513に入力されて、画像認識される。
吸着異常検出部514は、先行位置側面画像77aおよび後行位置側面画像77bの部品Pの吸着状態に基づいて吸着異常であるか否かを判断する。例えば、吸着異常検出部514は、先行位置側面画像77aに基づいて吸着ノズル18の先端部18aに吸着された部品Pの高さを測定し、部品Pの表裏が反対に吸着されていないかを判断する。また、吸着異常検出部514は、後行位置側面画像77bに基づいて部品Pの吸着の有無を判断する。吸着異常検出部514は、部品Pが正規の吸着姿勢で吸着されていないときに吸着異常であると判断することができる。
図5(A)は、部品Pが正規の吸着姿勢で吸着ノズル18に吸着されている状態を示している。この場合、吸着異常検出部514は、吸着異常でないと判断する。同図(B)は、部品Pが傾斜した姿勢で吸着ノズル18に吸着されている状態を示している。この場合、吸着異常検出部514は、吸着異常であると判断する。これにより、吸着異常の検出精度を向上させることができる。特に、空気流量QNの変化量ΔQNが所定閾値以下であり、部品Pの吸着状態が安定しているが、正規の吸着姿勢で部品Pが吸着されていない場合に、撮像される部品Pの吸着状態に基づいて吸着異常を検出することができ、吸着異常の検出精度を向上させることができる。
吸着異常検出部514は、吸着ノズル18の空気流量QNの変化量ΔQNが所定閾値以下であり、かつ、撮像される部品Pの吸着状態が正常であるときに、部品Pが吸着ノズル18に正常に吸着されていると判断する。吸着異常検出部514は、少なくとも一方の条件を充足しない場合に吸着異常であると判断する。同様にして、吸着異常検出部514は、すべての吸着ノズル18について吸着異常であるか否かを判断する。実装制御部511は、吸着異常検出部514によって吸着異常が検出されると、吸着異常が検出された吸着ノズル18を用いた部品Pの装着を中止する。なお、実装制御部511は、部品装着ヘッド10の移動速度を低下させて、吸着異常が検出された吸着ノズル18を用いた部品Pの装着を継続することもできる。
すべての吸着ノズル18に部品Pが吸着されると、Y軸サーボモータ11およびX軸サーボモータが駆動されてY軸スライダ12およびX軸スライダ13が移動される。これにより、部品装着ヘッド10は、CCDカメラ75上に移動され、複数の吸着ノズル18に吸着保持された部品PがCCDカメラ75によって撮像される。CCDカメラ75は、部品Pの吸着ノズル18に対する位置ずれ、角度ずれを検出することができる。その後、部品装着ヘッド10は、Y軸サーボモータ11およびX軸サーボモータにより、所定位置に位置決めされたプリント基板上に移動される。このとき、部品装着ヘッド10は、CCDカメラ75によって検出された位置ずれ、角度ずれに応じて移動位置が補正される。
続いて、θ軸モータ19の回転により、作業位置S1に割出された吸着ノズル18に吸着保持された部品Pの角度ずれが補正されて、所定の姿勢に制御される。また、Z軸モータ20が正転されて、ノズルレバー41によってノズルスピンドル33が圧縮スプリング35の付勢力に抗して下方に押下げられ、吸着ノズル18の先端部18aに吸着された部品Pがプリント基板に装着されるまで押下げられる。このとき、部品Pがプリント基板に到達する付近で、割出された吸着ノズル18に対して正圧・負圧供給装置14から正圧が供給される。
これにより、割出された吸着ノズル18内の負圧を消失させて、吸着ノズル18から部品Pを順に解放してプリント基板に装着することができる。その後、Z軸モータ20が逆転されることにより、ノズルレバー41が上方に移動され、圧縮スプリング35の付勢力により吸着ノズル18が最上端に移動した状態まで押上げられる。部品装着ヘッド10が装着位置に移動すると、ノズルホルダ17の回転割出し動作中に吸着ノズル18の上下方向(Z軸方向)の進退移動が同時に行われる。
流量算出部512は、各吸着ノズル18が上昇端位置まで押上げられたときに、流量センサ101を用いて、正圧源14dから吸着ノズル18に供給される空気流量QPを測定する。図8は、部品装着の際の吸着ノズル18のノズル番号Nと空気流量QPの関係の一例を示す図である。横軸は、吸着ノズル18のノズル番号Nを示し、縦軸は、空気流量QPを示している。複数の吸着ノズル18のうち最初に部品Pを装着する吸着ノズル18をノズル番号N1の吸着ノズル18とする。そして、ノズル番号N1の吸着ノズル18が部品Pを装着して上昇端位置まで押上げられたときに測定される空気流量QPをQ11とする。
プリント基板の装着位置に部品Pの装着が終了すると、実装制御部511によりY軸サーボモータ11およびX軸サーボモータが駆動される。そして、部品装着ヘッド10は、プリント基板上の次の装着位置に移動する。その後、ノズルホルダ17が回動され、次のノズル番号N2の吸着ノズル18が割出される。そして、ノズル番号N2の吸着ノズル18が部品Pを装着して上昇端位置まで押上げられたときに空気流量QPが測定される。このときの空気流量QPをQ2とする。以下、同様にして、最後に部品Pを装着する吸着ノズル18まで順に空気流量QPを測定する。同図では、ノズル番号N5の吸着ノズル18まで空気流量QPが測定されたときの空気流量QPの変化を曲線L2で示している。同図に示すように、正圧源14dから吸着ノズル18に供給される空気流量QPは、吸着ノズル18が部品Pを装着する毎に階段状に増加している。
流量算出部512は、複数の吸着ノズル18のうちの一の吸着ノズル18が部品Pを装着してから次の吸着ノズル18が部品Pを装着するまでの空気流量QPの変化量ΔQPを算出する。但し、ノズル番号N1の吸着ノズル18の変化量ΔQ11は、空気流量Q11とする。例えば、ノズル番号N2の吸着ノズル18の変化量ΔQ12は、ノズル番号N2の吸着ノズル18の空気流量Q12からノズル番号N1の吸着ノズル18の空気流量Q11を減算して算出することができる。ノズル番号N3の吸着ノズル18の変化量ΔQ13は、ノズル番号N3の吸着ノズル18の空気流量Q13からノズル番号N2の吸着ノズル18の空気流量Q12を減算して算出することができる。以下、同様にして、最後に部品Pを装着する吸着ノズル18まで空気流量QPの変化量ΔQPを算出する。
装着異常検出部515は、流量算出部512によって算出される吸着ノズル18の空気流量QPの変化量ΔQPが所定閾値未満であるか否かを判断する。例えば、ノズル番号N3の空気流量QPの変化量ΔQ13は所定閾値以上であるとする。これに対して、ノズル番号N4の空気流量QPの変化量ΔQ14は、同図に示すように変化量ΔQ13と比べて小さく、所定閾値未満であるとする。この場合、装着異常検出部515は、ノズル番号N4の吸着ノズル18が装着異常であると判断する。同様にして、装着異常検出部515は、すべての吸着ノズル18について、空気流量QPの変化量ΔQPが所定閾値未満であるか否かを判断して、装着異常の有無を検出する。
なお、所定閾値は、部品Pの持ち帰りなどの装着異常がなく部品Pをプリント基板に装着するときに許容されるエアーのリーク流量であり、予めシミュレーション、実機による測定等によって導出することができる。所定閾値は、制御装置51のメモリに記憶されている。装着異常検出部515によって装着異常が検出されると、実装制御部511は、部品装着ヘッド10を停止させる。なお、部品装着ヘッド10の移動速度を低下させて、他の部品Pの装着を継続することもできる。
本実施形態では、部品装着ヘッド10は、負圧源14aと各吸着ノズル18とを連通する負圧分岐流路14bの負圧源14a側に負圧源14aに吸入される空気流量QNを測定する流量センサ100を有している。そして、吸着異常検出部514は、負圧源14a側の空気流量QNの変化量ΔQNから部品Pの吸着異常を検出する。部品Pが安定した状態で吸着ノズル18に吸着されている場合は、吸着ノズル18の先端部18aの吸入口は部品Pによって適切に塞がれるので、空気流量QNの変化量ΔQNは小さくなる。逆に、吸着ノズル18に対して部品Pが不安定な状態で吸着されている場合は、吸着ノズル18の先端部18aの吸入口と部品Pとの間に間隙が生じて、空気流量QNの変化量ΔQNは大きくなる。つまり、吸着異常検出部514は、空気流量QNの変化量ΔQNから部品Pの吸着異常を検出することができるので、部品Pの吸着状態が安定しているか否かの判断が容易である。
また、吸着異常検出部514は、複数の吸着ノズル18のうちの一の吸着ノズル18が部品Pを吸着してから次の吸着ノズル18が部品Pを吸着するまでの空気流量QNの変化量ΔQNが所定閾値を超えているときに吸着異常であると判断するので、すでに部品Pを吸着している吸着ノズル18のエアーのリーク状態に依存することなく、吸着異常を検出することができる。そのため、部品Pの吸着異常を高精度に検出することができる。
さらに、吸着異常検出部514は、部品認識用カメラ21によって撮像される部品Pの吸着状態に基づいて吸着異常であるか否かを判断する。そのため、部品Pが正規の吸着姿勢で吸着ノズル18に吸着されているか否かを認識することができ、吸着異常の検出精度を向上させることができる。
本実施形態では、部品装着ヘッド10は、正圧源14dと各吸着ノズル18とを連通する正圧分岐流路14eの正圧源14d側に正圧源14dから供給される空気流量QPを測定する流量センサ101を有している。そして、装着異常検出部515は、正圧源14d側の空気流量QPの変化量ΔQPから部品Pの装着異常を検出する。部品Pがプリント基板に装着された場合、部品Pを装着した吸着ノズル18の吸入口は部品Pを吸着していないので、正圧源14d側の空気流量QPの変化量ΔQPは大きくなる。逆に、部品Pの持ち帰りなどの装着異常が生じると、吸着ノズル18の吸入口は部品Pによって塞がれているので、正圧源14d側の空気流量QPの変化量ΔQPは小さくなる。
したがって、装着異常検出部515は、正圧源14d側の空気流量QPの変化量ΔQPから部品Pの装着異常を検出することができ、流量センサ101下流側のエアー経路の影響を受けることなく、部品Pの装着異常を検出することができる。そのため、部品Pの装着異常を高精度に検出することができる。また、正圧源14d側に設けられる流量センサ101を用いて装着異常を検出するので、吸着ノズル18の先端部18aを撮像して部品Pの装着異常を検出する場合と比べて、部品実装機1を小型化、低コスト化することができる。
本実施形態では、部品装着ヘッド10は、複数の吸着ノズル18が鉛直軸線ALと同芯の円周上において回動可能に保持されているロータリヘッドである。ロータリヘッドにおいて、吸着異常検出部514は、空気流量QNの変化量ΔQNから部品Pの吸着異常を検出することができ、部品Pの吸着異常を高精度に検出することができる。また、本実施形態では、負圧分岐流路14bの負圧源14a側に流量センサ100が1つ設けられているので、吸着ノズル18の各先端部18aにそれぞれ流量センサ100を設ける場合と比べて、部品実装機1を低コスト化することができる。
また、装着異常検出部515は、複数の吸着ノズル18のうちの一の吸着ノズル18が部品Pを装着してから次の吸着ノズル18が部品Pを装着するまでの正圧源14d側の空気流量QPの変化量ΔQPが所定閾値未満のときに部品Pの装着異常であると判断するので、すでに部品Pを装着済みの吸着ノズル18のエアーのリーク状態に依存することなく、装着異常を検出することができる。そのため、ロータリヘッドにおいて、部品Pの装着異常を高精度に検出することができる。
(3)その他
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、本実施形態では、吸着異常検出部514は、先行位置側面画像77aおよび後行位置側面画像77bの2つの側面画像を用いて、部品Pの吸着異常を検出したが、吸着異常検出部514は、1つの側面画像を用いて部品Pの吸着異常を検出することもできる。また、吸着異常検出部514は、3つ以上の側面画像を用いて部品Pの吸着異常を検出することもできる。
1:部品実装機、
10:部品装着ヘッド、
100,101:流量センサ、
14a:負圧源、14b:負圧分岐流路、
14d:正圧源、14e:正圧分岐流路、
18:吸着ノズル、
21:部品認識用カメラ、
514:吸着異常検出部、
515:装着異常検出部

Claims (4)

  1. 複数の部品を吸着して基板に装着する複数の吸着ノズルを有する部品装着ヘッドと前記部品の吸着異常を検出する吸着異常検出部を有する制御装置とを備える部品実装機であって、
    前記部品装着ヘッドは、負圧源と各前記吸着ノズルとを連通する分岐流路の前記負圧源側に前記負圧源に吸入される空気流量を測定する流量センサを有し、
    前記制御装置は、前記複数の吸着ノズルのうちの一の吸着ノズルが部品を吸着してから次の吸着ノズルが部品を吸着するまでの前記空気流量の変化量を、前記次の吸着ノズルが部品を吸着したときの前記空気流量から前記一の吸着ノズルが部品を吸着したときの前記空気流量を減算して算出する流量算出部を有し、
    前記吸着異常検出部は、前記流量算出部によって算出された前記空気流量の変化量が所定閾値を超えているときに前記吸着異常であると判断することを特徴とする部品実装機。
  2. 前記複数の吸着ノズルの先端部にそれぞれ吸着される前記部品を撮像する部品認識用カメラをさらに備え、
    前記吸着異常検出部は、前記撮像される前記部品の吸着状態に基づいて前記吸着異常であるか否かを判断する請求項1に記載の部品実装機。
  3. 複数の部品を吸着して基板に装着する複数の吸着ノズルを有する部品装着ヘッドと前記部品の装着異常を検出する装着異常検出部を有する制御装置とを備える部品実装機であって、
    前記部品装着ヘッドは、正圧源と各前記吸着ノズルとを連通する分岐流路の前記正圧源側に前記正圧源から供給される空気流量を測定する流量センサを有し、
    前記制御装置は、前記複数の吸着ノズルのうちの一の吸着ノズルが部品を装着してから次の吸着ノズルが部品を装着するまでの前記空気流量の変化量を、前記次の吸着ノズルが部品を装着したときの前記空気流量から前記一の吸着ノズルが部品を装着したときの前記空気流量を減算して算出する流量算出部を有し、
    前記装着異常検出部は、前記流量算出部によって算出された前記空気流量の変化量が所定閾値未満のときに前記装着異常であると判断することを特徴とする部品実装機。
  4. 前記部品装着ヘッドは、前記複数の吸着ノズルが軸線と同芯の円周上において回動可能に保持されているロータリヘッドである請求項1〜3のいずれか一項に記載の部品実装機。
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