JP5812369B2 - 含フッ素ナノコンポジット粒子の製造法 - Google Patents
含フッ素ナノコンポジット粒子の製造法 Download PDFInfo
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Description
RF-A-OH 〔I〕
(ここで、RFはパーフルオロアルキル基であり、Aはアルキレン基である)で表される含フッ素アルコールとアルコキシシランとを、アンモニア水触媒の存在下で縮合反応させて含フッ素ナノコンポジット粒子を製造する方法によって達成される。
CnF2n+1(CH2)dOH 〔II〕
n:1〜10、好ましくは1〜8
d:1〜6、好ましくは2
で表されるポリフルオロアルキルアルコール等が用いられる。
まず、一般式
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cI
で表されるポリフルオロアルキルアイオダイド、例えば
CF3(CH2CH2)I
CF3(CH2CH2)2I
C2F5(CH2CH2)I
C2F5(CH2CH2)2I
C3F7(CH2CH2)I
C3F7(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CH2)I
C4F9(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)3(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)2(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CF2CF2)2(CH2CH2)2I
C4F9(CF2CF2)3(CH2CH2)I
をN-メチルホルムアミド HCONH(CH3)と反応させ、ポリフルオロアルキルアルコールとそのギ酸エステルとの混合物とした後、酸触媒の存在下でそれに加水分解反応させ、ポリフルオロアルキルアルコール
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH
を形成させる。
(R1O)pSi(OR2)q(R3)r 〔III〕
R1、R3:H、C1〜C6のアルキル基またはアリール基
R2:C1〜C6のアルキル基またはアリール基
ただし、R1、R2、R3が共にアリール基であることはない
p+q+r:4 ただし、qは0ではない
で表され、例えばトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が用いられる。
CF3(CF2)3(CH2)2OH〔FA-4〕0.25gを30mlのメタノール中に加えて溶解させ、その溶液中にシリカゾル(日産化学製品メタノールシリカゾル;30重量%ナノシリカ含有、平均粒子径11nm)1.67g(ナノシリカとして0.50g)およびテトラエトキシシラン(東京化成製品;密度0.93g/ml)0.25mlを加え、マグネチックスターラで攪拌しながら、25重量%アンモニア水0.25mlを加え、5時間反応を行った。
○:均一に分散して、分散液は透明
△:やや分散して、分散液は白濁
×:分散せず、分散媒中に沈殿
参考例1において、25重量%アンモニア水が種々に変更された。
参考例1〜5において、含フッ素アルコールとして CF3(CF2)5(CH2)2OH〔FA-6;C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)OH〕が同量(0.25g)用いられた。
参考例1〜5において、含フッ素アルコールとして CF3(CF2)7(CH2)2OH〔FA-8;C2F5(CF2CF2)3(CH2CH2)OH〕が同量(0.25g)用いられた。
参考例1〜5において、含フッ素アルコールとして CF3(CF2)3CH2(CF2)5(CH2)2OH〔DTFA;C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OH〕が同量(0.25g)用いられた。
参考例2において、含フッ素アルコールとして次のような化合物が同量(0.25g)用いられた。
参考例21:CF3(CF2)2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2OH 〔PO-3-OH〕
〃 22:CF3(CF2)2O〔CF(CF3)CF2O〕4CF(CF3)CH2OH 〔PO-6-OH〕
〃 23:HOCH2〔CF(CF3)OCF2〕2CF2OCF(CF3)CH2OH 〔OXF3PO-OH〕
〃 24:HOCH2CF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕nOCF2
CF2O〔CF(CF3)CF2O〕mCF(CF3)CH2OH (n+m=6) 〔OXF8PO-OH〕
〃 25:HOCH2CF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕nOCF2
CF2O〔CF(CF3)CF2O〕mCF(CF3)CH2OH (n+m=12) 〔OXF14PO-OH〕
なお、収率は、テトラアルコキシシランが自己縮合反応し、3次元のシロキサン結合Si-Oを形成させ、その内の -O-Si-O-〔SiO2〕骨格を生成するものとして、下記計算式より求めた。なお、シリカが用いられない場合には、C=0として計算される。
収率(%)=A/〔B+C+(D×E×F/G)〕×100
A:生成コンポジット重量(g)
B:含フッ素アルコール重量(g)
C:シリカ重量(g)
D:テトラアルコキシシラン容量(ml)
E:テトラアルコキシシラン密度(g/ml)
F:テトラアルコキシシラン由来のSiO2モル重量(g/モル)
G:テトラアルコキシシランモル重量(g/モル)
表1
含フッ素ナノシリカ
aq.NH3 回収量 収率 コンポジット粒子径(nm) 重量減
参考例 (ml) (g) (%) 焼成前 800℃焼成後 (%)
1 0.25 0.582 71 36.8± 9.9 39.0± 3.1 7
2 0.50 0.559 68 30.1± 7.3 39.5± 9.9 7
3 1.0 0.352 43 69.1±13.9 45.3±10.9 7
4 2.0 0.419 51 41.5±10.2 42.6± 9.2 7
5 4.0 0.571 70 34.0± 7.6 139.8±25.5 7
6 0.25 0.500 61 35.3± 8.3 53.3±11.4 8
7 0.50 0.580 71 40.5±11.3 40.5±12.0 6
8 1.0 0.590 72 40.5±13.0 62.3±18.5 6
9 2.0 0.488 60 105.3±19.0 97.5±30.2 7
10 4.0 0.426 52 45.4±13.2 60.9±17.1 6
11 0.25 0.521 64 41.7±13.7 81.7±21.6 7
12 0.50 0.481 59 28.2± 6.0 32.2± 9.8 6
13 1.0 0.475 58 56.6±11.5 53.7±10.2 6
14 2.0 0.516 63 53.6±11.4 55.1±14.5 6
15 4.0 0.565 69 39.7± 9.2 35.4±12.8 7
16 0.25 0.580 71 54.5±19.3 71.9±15.3 7
17 0.50 0.604 74 44.3±13.8 46.2±10.4 7
18 1.0 0.523 64 55.6±12.3 53.1±14.7 8
19 2.0 0.504 62 53.6±10.3 54.0±12.9 6
20 4.0 0.578 71 63.6±14.1 72.0±15.5 6
21 0.5 0.556 68 42.2± 4.2 35.2± 8.4 5
22 0.5 0.580 71 130.5±27.5 29.8± 5.8 7
23 0.5 0.466 57 55.5± 7.9 23.7± 7.1 5
24 0.5 0.359 44 96.9±10.9 30.0± 6.9 11
25 0.5 0.507 62 90.8±14.8 47.2± 9.7 20
表2
例 H 2 O MeOH EtOH DCE THF
参考例1 △ ○ ○ ○ ○
〃 2 ○ ○ ○ ○ ○
〃 3 ○ ○ ○ ○ ○
〃 4 ○ ○ ○ ○ ○
〃 5 ○ ○ ○ ○ ○
〃 6 ○ ○ ○ ○ ○
〃 7 ○ ○ ○ ○ ○
〃 8 △ ○ ○ ○ ○
〃 9 ○ ○ ○ ○ ○
〃 10 ○ ○ ○ ○ ○
〃 11 ○ ○ ○ ○ ○
〃 12 ○ ○ ○ ○ ○
〃 13 ○ ○ ○ ○ ○
〃 14 ○ ○ ○ ○ ○
〃 15 ○ ○ ○ ○ ○
〃 16 ○ ○ ○ ○ ○
〃 17 ○ ○ ○ ○ ○
〃 18 ○ ○ ○ ○ ○
〃 19 ○ ○ ○ ○ ○
〃 20 ○ ○ ○ ○ ○
〃 21 ○ ○ ○ ○ ○
〃 22 ○ ○ ○ ○ ○
〃 23 ○ ○ ○ ○ ○
〃 24 ○ ○ ○ ○ ○
〃 25 ○ ○ ○ ○ ○
参考例13〜15において、メタノールシリカゾルが用いられなかった。
参考例18〜20において、メタノールシリカゾルが用いられなかった。
参考例21において、メタノールシリカゾルが用いられず、25%アンモニア水量が種々変更して用いられた。
参考例22において、メタノールシリカゾルが用いられず、25%アンモニア水量が種々変更して用いられた。
参考例23において、メタノールシリカゾルが用いられず、25%アンモニア水量が4.0mlに変更して用いられた。
参考例24において、メタノールシリカゾルが用いられず、25%アンモニア水量が4.0mlに変更して用いられた。
参考例25において、メタノールシリカゾルが用いられず、25%アンモニア水量が4.0mlに変更して用いられた。
表3
含フッ素ナノ
aq.NH3 回収量 収率 コンポジット粒子径(nm) 重量減
例 (ml) (g) (%) 焼成前 800℃焼成後 (%)
実施例1 1.0 0.065 20 54.5±12.0 16.6± 3.8 18
〃 2 2.0 0.059 19 21.1± 6.0 26.4± 6.0 17
〃 3 4.0 0.065 20 37.3± 8.1 49.6±11.2 17
参考例31 1.0 0.072 23 41.0± 8.7 16.3± 3.9 17
〃 32 2.0 0.044 14 47.5±10.1 24.4± 5.7 20
〃 33 4.0 0.069 22 81.5±14.5 24.2± 5.6 25
〃 34 1.0 0.073 23 48.3± 4.8 34.2± 4.4 16
〃 35 2.0 0.073 23 53.1± 5.1 38.0± 9.2 12
〃 36 4.0 0.067 21 45.1± 6.5 51.1±16.8 12
〃 37 1.0 0.070 22 141.5±31.8 26.6± 6.3 16
〃 38 2.0 0.048 15 80.2±31.2 80.5±21.2 13
〃 39 4.0 0.063 20 69.2±10.1 69.4±12.5 12
〃 40 4.0 0.051 16 60.5±12.4 55.1±12.1 12
〃 41 4.0 0.063 20 55.7± 8.9 65.4±12.1 13
〃 42 4.0 0.171 54 63.2± 6.7 53.5± 7.8 −
表4
例 H 2 O MeOH EtOH DCE THF
実施例1 ○ ○ ○ ○ ○
〃 2 ○ ○ ○ ○ ○
〃 3 △ ○ ○ ○ ○
参考例31 ○ ○ ○ ○ ○
〃 32 ○ ○ ○ ○ ○
〃 33 ○ ○ ○ ○ ○
〃 34 ○ ○ ○ ○ ○
〃 35 ○ ○ ○ ○ ○
〃 36 ○ ○ ○ ○ ○
〃 37 ○ ○ ○ ○ ○
〃 38 △ ○ ○ ○ ○
〃 39 ○ ○ ○ ○ ○
〃 40 ○ ○ ○ ○ ○
〃 41 △ ○ ○ ○ ○
〃 42 ○ ○ ○ ○ ○
前記参考例1〜25で得られた焼成前の含フッ素ナノシリカコンポジット粒子(参考例51〜75)のメタノール分散液(粒子濃度5g/L)を、ガラスプレパラートにディッピングし、室温下で乾燥させ、得られた薄層表面に室温条件下で4μlの液滴を静かに接触させ、n-ドデカンまたは水に付着した液滴の接触角(単位:°)を、θ/2法により接触角計(協和界面化学製DropMaster 300)で測定した。なお、水については経時的な測定が行われた。得られた結果は、次の表5に示される。
表5
水 (経過時間:分)
例 コンポジット ドデカン 0 5 10 15 20 25 30
参考例51 参考例1 35 21 10 0 0 0 0 0
〃 52 〃 2 7 22 17 15 13 11 10 7
〃 53 〃 3 4 7 0 0 0 0 0 0
〃 54 〃 4 0 7 0 0 0 0 0 0
〃 55 〃 5 0 0 0 0 0 0 0 0
〃 56 〃 6 49 28 0 0 0 0 0 0
〃 57 〃 7 46 48 27 26 24 20 20 17
〃 58 〃 8 16 19 19 16 14 13 10 8
〃 59 〃 9 14 11 0 0 0 0 0 0
〃 60 〃 10 19 16 7 0 0 0 0 0
〃 61 〃 11 114 37 34 33 31 30 30 28
〃 62 〃 12 108 61 58 52 49 46 45 41
〃 63 〃 13 123 59 17 0 0 0 0 0
〃 64 〃 14 125 23 13 10 8 0 0 0
〃 65 〃 15 127 91 18 4 0 0 0 0
〃 66 〃 16 82 30 21 20 14 9 0 −
〃 67 〃 17 71 64 61 58 56 55 52 52
〃 68 〃 18 55 79 77 75 68 61 58 52
〃 69 〃 19 80 95 75 63 57 50 47 42
〃 70 〃 20 47 113 82 72 64 57 53 49
〃 71 〃 21 72 23 0 0 0 0 0 0
〃 72 〃 22 62 0 0 0 0 0 0 0
〃 73 〃 23 49 18 0 0 0 0 0 0
〃 74 〃 24 51 24 11 0 0 0 0 0
〃 75 〃 25 66 17 0 0 0 0 0 0
前記実施例1〜3および参考例31〜42で得られた焼成前の含フッ素ナノシリカコンポジット粒子(参考例4〜6、参考例81〜92)について、参考例51〜75と同様にして、接触角の測定が行われた。得られた結果は、次の表6に示される。
表6
水 (経過時間:分)
例 コンポジット ドデカン 0 5 10 15 20 25 30
実施例4 実施例1 50 52 48 45 38 34 29 25
〃 5 〃 2 45 62 54 47 44 37 33 25
〃 6 〃 3 43 35 29 26 22 18 14 9
参考例81 参考例31 98 81 69 61 57 53 50 44
〃 82 〃 32 73 86 69 51 45 36 28 22
〃 83 〃 33 43 61 51 48 44 36 29 24
〃 84 〃 34 42 27 17 17 17 15 15 14
〃 85 〃 35 51 30 25 23 23 22 20 19
〃 86 〃 36 34 23 0 0 0 0 0 0
〃 87 〃 37 59 43 18 15 13 13 12 11
〃 88 〃 38 64 51 37 35 35 34 31 31
〃 89 〃 39 61 34 28 27 24 24 23 23
〃 90 〃 40 54 33 12 11 10 10 9 8
〃 91 〃 41 63 90 42 40 40 38 37 37
〃 92 〃 42 64 91 47 45 44 42 42 42
Claims (2)
- 一般式
RF-A-OH 〔I〕
(ここで、RFはパーフルオロアルキル基であり、Aはアルキレン基である)で表される含フッ素アルコールとアルコキシシランとを、アンモニア水触媒の存在下で縮合反応させることを特徴とする含フッ素ナノコンポジット粒子の製造法。 - 一般式〔I〕で表される含フッ素アルコールとして、一般式
CnF2n+1(CH2)dOH 〔II〕
(ここで、nは1〜10、dは1〜6の整数である)で表されるポリフルオロアルキルアルコールが用いられる請求項1記載の含フッ素ナノコンポジット粒子の製造法。
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