JP5811279B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の操舵制御装置、特に、ステアバイワイヤ方式の車両の操舵制御装置に関する。
車両の転舵輪を制御する車両の操舵装置として、操舵操作子(ステアリングホイール)と転舵輪とを、機械的に分離させたステアバイワイヤ方式の車両の操舵制御装置がある。ステアバイワイヤ方式の車両の操舵制御装置では、モータ制御部(ECU)に演算異常が発生しても転舵輪を転舵可能な状態を維持するために、例えば、二つのモータ制御部を備える(特許文献1参照)。なお、通常時には、二つのモータ制御部のうち、一方のモータ制御部で制御する主制御システム側により、左右の転舵輪に連結したシャフトをそれぞれ駆動させる二つの転舵モータの駆動状態を制御する。
特開2004‐291877号公報
特許文献1に記載されているように、二つのモータ制御部を備える構成では、例えば、一方のモータ制御部で制御する主制御システム側に発生した演算異常を検出し、この検出した演算異常が確定すると、主制御システム側の転舵モータを停止させる。そして、他方のモータ制御部で制御する副制御システム側の転舵モータのみによって、左右の転舵輪に連結したシャフトを駆動させる。
ところで、高度な通信の信頼性を要する車両制御システムにおいては、通信異常が起きた際もシステム内におけるECU間で協調制御を維持するために、2系統の独立した通信(CAN、FlexRay等)を使用した冗長構成が必要である。しかしながら、各ECUに複数の通信ドライバを実装する必要があるため、コストがかかるという問題や、さらに、複数系統分の通信診断を常時実施するため、ECUの演算処理に時間がかかるという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、通信回路に通信異常が発生した場合であっても、通信回路の動作の確実性を向上させることが可能な、車両の操舵制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、第一転舵モータ制御部、第二転舵モータ制御部及び反力モータ制御部が、それぞれ、モータ指令電流演算部と、監視部を備える。第一転舵モータ制御部は、ドライバが操作する操舵輪の操作に応じて、転舵輪を転舵させるための転舵トルクを出力する第一転舵モータを駆動制御し、第二転舵モータ制御部は、操舵輪の操作に応じて、転舵トルクを出力する第二転舵モータを駆動制御する。また、反力モータ制御部は、転舵輪の転舵角と操舵輪の操舵角に応じて、操舵輪へ操舵反力を付与する反力モータを駆動制御する。
各モータ指令電流演算部は、操舵輪の現在の回転角度である現在操舵角と、第一転舵モータまたは第二転舵モータの回転角度との偏差を用いてモータ指令電流を演算する。また、各監視部は、各モータ指令電流演算部がそれぞれ演算したモータ指令電流が演算結果の異なる二つのグループに区分されると判定すると、二つのグループに含まれるモータ指令電流の個数を検出する。さらに、各モータ指令電流演算部は、含まれるモータ指令電流の個数が少ないグループが含むモータ指令電流を演算したモータ指令電流演算部を備えるモータ制御部に異常が発生していると判定する。
そして、異常が発生していると判定されたモータ制御部は、第一転舵モータまたは第二転舵モータのうち一方の回転角度を検出していた転舵角検出部に替えて、他方の転舵角検出部で検出した回転角度を用いてモータ指令電流を演算する。
本発明の一態様によれば、相互監視によりいずれかの制御部で異常があると判定すると、副通信回路によりそれぞれの制御部の動作切り替えを行うため、主通信回路に通信異常が発生した場合であっても、通信回路の動作の確実性を向上させることが可能となる。
本発明の第一実施形態の操舵制御装置を備えた車両の概略構成を示す図である。 第一モータ制御部、第二モータ制御部、反力モータ制御部の詳細な構成を説明するブロック図である。 主データバス通信に通信異常が発生した状態を説明するブロック図である。 副データバス通信に通信異常が発生した状態を説明するブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、本実施形態と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本実施形態の車両の操舵制御装置(以降の説明では、「操舵制御装置」と記載する場合がある)を備えた車両の概略構成を示す図である。
本実施形態の操舵制御装置1を備えた車両は、ステアバイワイヤ(SBW:Steer
By Wire、以降の説明では、「SBW」と記載する場合がある)と呼称するシステム(SBWシステム)を適用した車両である。
ここで、SBWシステムでは、車両の運転者が操舵操作する操舵操作子(ステアリングホイール)の操作に応じて転舵モータを駆動制御し、転舵輪を転舵する制御を行うことにより、車両の進行方向を変化させる。転舵モータの駆動制御は、操舵操作子と転舵輪との間に介装するクラッチを、通常状態である開放状態に切り換えて、操舵操作子と転舵輪との間のトルク伝達経路を機械的に分離した状態で行う。
そして、例えば、断線等、SBWシステムの一部に異常が発生した場合には、開放状態のクラッチを締結状態に切り換えて、トルク伝達経路を機械的に接続することにより、運転者が操舵操作子に加える力を用いて、転舵輪の転舵を継続する。
図1中に示すように、本実施形態の操舵制御装置1は、第一転舵モータ2と、第二転舵モータ4と、クラッチ6と、操舵角検出部8と、第一転舵角検出部10と、第二転舵角検出部12を備える。これに加え、操舵制御装置1は、反力モータ14と、第一モータ制御部16と、第二モータ制御部18と、反力モータ制御部20を備える。
第一転舵モータ2は、第一モータ制御部16が出力する転舵モータ指令電流に応じて駆動するモータであり、回転可能な第一転舵モータ出力軸22を有する。また、第一転舵モータ2は、転舵モータ指令電流に応じて駆動することにより、転舵輪を転舵させるための転舵トルクを出力する。
第一転舵モータ出力軸22の先端側には、歯車(図示せず)を設けてあり、この歯車は、ラックギア24と噛合する。
ラックギア24は、第一転舵モータ出力軸22及び後述する第二転舵モータ出力軸の回転に応じて車幅方向へ変位するラック軸26を有する。
ラック軸26の両端は、それぞれ、タイロッド28及びナックルアーム30を介して、転舵輪32に連結する。
転舵輪32は、車両の前輪(左右前輪)であり、第一転舵モータ出力軸22及び第二転舵モータ出力軸の回転に応じてラック軸26が車幅方向へ変位すると、タイロッド28及びナックルアーム30を介して転舵し、車両の進行方向を変化させる。なお、本実施形態では、転舵輪32を、左右前輪で形成した場合を説明する。これに伴い、図1中では、左前輪で形成した転舵輪32を、転舵輪32FLと示し、右前輪で形成した転舵輪32を、転舵輪32FRと示す。
第二転舵モータ4は、第二モータ制御部18が出力する転舵モータ指令電流に応じて駆動するモータであり、回転可能な第二転舵モータ出力軸34を有する。また、第二転舵モータ4は、転舵モータ指令電流に応じて駆動することにより、転舵輪を転舵させるための転舵トルクを出力する。
第二転舵モータ出力軸34の先端側には、歯車(図示せず)を設けてあり、この歯車は、ラックギア24と噛合する。
クラッチ6は、運転者が操作する操舵操作子36と転舵輪32との間に介装し、反力モータ制御部20が出力するクラッチ指令電流に応じて、開放状態または締結状態に切り換わる。なお、クラッチ6は、通常状態では、開放状態である。
ここで、クラッチ6の状態を開放状態に切り換えると、ステアリングシャフト38の一端側とピニオン軸40の一端側を離間させる。これにより、操舵操作子36と転舵輪32との間のトルク伝達経路を機械的に分離させて、操舵操作子36の操舵操作が転舵輪32へ伝達されない状態とする。なお、ステアリングシャフト38は、一端側をクラッチ6の内部で操舵側クラッチ板(図示せず)に連結し、他端側を操舵操作子36に連結して、操舵操作子36と共に回転する。また、ピニオン軸40は、一端側をクラッチ6の内部で転舵側クラッチ板(図示せず)に連結し、他端側に設けた歯車(図示せず)をラックギア24に噛合させる。
一方、クラッチ6の状態を締結状態に切り換えると、ステアリングシャフト38の一端側とピニオン軸40の一端側を連結する。これにより、操舵操作子36と転舵輪32との間のトルク伝達経路を機械的に結合させて、操舵操作子36の操舵操作が転舵輪32へ伝達される状態とする。
操舵角検出部8は、例えば、レゾルバ等を用いて形成し、操舵操作子36を回転可能に支持するステアリングコラム(図示せず)に設ける。
また、操舵角検出部8は、操舵操作子36の現在の回転角度(操舵操作量)である現在操舵角を検出する。そして、操舵角検出部8は、検出した操舵操作子36の現在操舵角を含む情報信号を、第一モータ制御部16、第二モータ制御部18及び反力モータ制御部20へ出力する。なお、以降の説明では、現在操舵角を、「現在操舵角θs」と記載する場合がある。
第一転舵角検出部10は、例えば、レゾルバ等を用いて形成し、第一転舵モータ2に設ける。
また、第一転舵角検出部10は、第一転舵モータ2の回転角度(転舵角度)を検出する。そして、第一転舵角検出部10は、検出した転舵角度(以降の説明では、「第一転舵モータ回転角」と記載する場合がある)を含む情報信号を、第一モータ制御部16、第二モータ制御部18及び反力モータ制御部20へ出力する。なお、以降の説明では、第一転舵モータ回転角を、「第一実転舵角θt1」と記載する場合がある。
第二転舵角検出部12は、第一転舵角検出部10と同様、例えば、レゾルバ等を用いて形成し、第二転舵モータ4に設ける。
また、第二転舵角検出部12は、第二転舵モータ4の回転角度(転舵角度)を検出する。そして、第二転舵角検出部12は、検出した転舵角度(以降の説明では、「第二転舵モータ回転角」と記載する場合がある)を含む情報信号を、第一モータ制御部16、第二モータ制御部18及び反力モータ制御部20へ出力する。なお、以降の説明では、第二転舵モータ回転角を、「第二実転舵角θt2」と記載する場合がある。
反力モータ14は、操舵操作子36とクラッチ6との間に配置する。
また、反力モータ14は、反力モータ制御部20が出力する反力モータ指令電流に応じて駆動するモータであり、ステアリングシャフト38を回転させて、操舵操作子36へ操舵反力を出力可能である。
ここで、反力モータ14が操舵操作子36へ出力する操舵反力は、転舵輪32に作用しているタイヤ軸力や操舵操作子36の操舵状態に応じて演算する。これにより、操舵操作子36を操舵する運転者へ、適切な操舵反力を伝達する。なお、操舵反力の演算に用いるタイヤ軸力や操舵操作子36の操舵状態は、クラッチ6を開放状態に切り換えて、操舵操作子36と転舵輪32との間のトルク伝達経路を機械的に分離させている状態における、タイヤ軸力や操舵操作子36の操舵状態である。
すなわち、反力モータ14が操舵操作子36へ出力する操舵反力は、運転者が操舵操作子36を操舵する操作方向とは反対方向へ作用する反力である。
第一モータ制御部16は、第二モータ制御部18及び反力モータ制御部20と、CAN(Controller Area Network)等の通信ライン42を介して、情報信号の入出力を行う。
また、第一モータ制御部16は、通信ライン42を介して入力を受けた情報信号や、操舵角検出部8、第一転舵角検出部10及び第二転舵角検出部12から入力を受けた情報信号に基づき、第一転舵モータ2を駆動制御する。なお、第一モータ制御部16の詳細な構成については、後述する。
第二モータ制御部18は、第一モータ制御部16及び反力モータ制御部20と、通信ライン42を介して、情報信号の入出力を行う。
また、第二モータ制御部18は、通信ライン42を介して入力を受けた情報信号や、操舵角検出部8、第一転舵角検出部10及び第二転舵角検出部12から入力を受けた情報信号に基づき、第二転舵モータ4を駆動制御する。なお、第二モータ制御部18の詳細な構成については、後述する。
反力モータ制御部20は、第一モータ制御部16及び第二モータ制御部18と、通信ライン42を介して、情報信号の入出力を行う。
また、反力モータ制御部20は、通信ライン42を介して入力を受けた情報信号や、操舵角検出部8、第一転舵角検出部10及び第二転舵角検出部12から入力を受けた情報信号に基づき、反力モータ14を駆動制御する。なお、反力モータ制御部20の詳細な構成については、後述する。
(第一モータ制御部、第二モータ制御部、反力モータ制御部の詳細な構成)
以下、図1を参照しつつ、図2を用いて、第一モータ制御部16、第二モータ制御部18、反力モータ制御部20の詳細な構成を説明する。
図2は、第一モータ制御部16、第二モータ制御部18、反力モータ制御部20の詳細な構成を説明するブロック図である。
まず、第一モータ制御部16の構成を、図2中に示す他の構成との関連を含めて説明する。
図2中に示すように、第一モータ制御部16は、第一モータ指令電流演算部44と、第一監視部46と、第一切替部48と、第一誤差補正部50を備える。
第一モータ指令電流演算部44は、操舵角検出部8、第一転舵角検出部10及び第二転舵角検出部12が出力した情報信号の入力を受ける。そして、第一モータ指令電流演算部44に演算異常が発生していない通常時では、操舵角検出部8及び第一転舵角検出部10が出力した情報信号に基づき、例えば、現在操舵角θsと第一実転舵角θt1との偏差を用いて、転舵モータ指令電流を演算する。
ここで、転舵モータ指令電流は、運転者による操舵操作子36の操作に応じた目標転舵角を算出し、この算出した目標転舵角に応じて第一転舵モータ2及び第二転舵モータ4を駆動制御するための、電流指令値である。
そして、第一モータ指令電流演算部44は、演算した転舵モータ指令電流を含む情報信号(以降の説明では、「第一モータ指令電流信号」と記載する場合がある)を、第一監視部46及び第一切替部48へ出力する。これに加え、第一モータ指令電流演算部44は、第一モータ指令電流信号を、後述する第二監視部56及び第二切替部58と、第三監視部64へ出力する。
第一監視部46は、第一モータ指令電流演算部44から、第一モータ指令電流信号の入力を受ける。これに加え、第一監視部46は、後述する第二モータ指令電流演算部54から、後述する第二モータ指令電流信号の入力を受ける。さらに、第一監視部46は、後述する第三モータ指令電流演算部62から、後述する第三モータ指令電流信号の入力を受ける。
三種類のモータ指令電流信号の入力を受けた第一監視部46は、各モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流を比較する。そして、比較結果を含む情報信号(以降の説明では、「第一比較結果信号」と記載する場合がある)を、第一切替部48、第一モータ指令電流演算部44及び第一誤差補正部50へ出力する。
ここで、第一監視部46が行なう具体的な処理を説明する。なお、この処理は、後述する第二監視部56及び第三監視部64についても、同様である。
まず、各モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流が、演算結果(演算値)の異なる二つのグループに区分されるか否かを判定する。
各モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流が、演算結果の異なる二つのグループに区分されると判定すると、二つのグループに対し、各グループに含まれる転舵モータ指令電流の個数を検出する。
次に、含まれる転舵モータ指令電流の個数が少ないグループが含む転舵モータ指令電流を演算したモータ指令電流演算部を検出し、この検出したモータ指令電流演算部を、演算異常が発生しているモータ指令電流演算部であると判定する。
第一切替部48は、第一監視部46から、第一比較結果信号の入力を受ける。これに加え、第一切替部48は、第一モータ指令電流演算部44から、第一モータ指令電流信号の入力を受ける。さらに、第一切替部48は、第二モータ指令電流演算部54から、第二モータ指令電流信号の入力を受ける。
上述した各種情報信号の入力を受けた第一切替部48は、まず、第一比較結果信号が含む比較結果を参照し、この比較結果に応じて、第一モータ指令電流信号または第二モータ指令電流信号を、第一誤差補正部50へ出力する。
具体的には、第一監視部46及び第一切替部48は、第一比較結果信号が含む比較結果に応じて、以下の(1‐A)から(1‐D)の処理を行う。
(1‐A)第一モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が、他の二種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値と異なる場合は、第一監視部46が、第一モータ指令電流演算部44に演算異常が発生していると判定する。そして、第一切替部48が、第二モータ指令電流信号を、第一誤差補正部50へ出力する。
(1‐B)第二モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が、他の二種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値と異なる場合は、第一監視部46が、第二モータ指令電流演算部54に演算異常が発生していると判定する。そして、第一切替部48が、第一モータ指令電流信号を、第一誤差補正部50へ出力する。
(1‐C)第三モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が、他の二種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値と異なる場合は、第一監視部46が、第三モータ指令電流演算部62に演算異常が発生していると判定する。そして、第一切替部48が、第一モータ指令電流信号を、第一誤差補正部50へ出力する。
(1‐D)三種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が等しい場合は、第一監視部46が、各モータ指令電流演算部が通常の状態(演算異常が発生していない状態)であると判定する。そして、第一切替部48が、第一モータ指令電流信号を、第一誤差補正部50へ出力する。
すなわち、第一切替部48は、演算異常が発生していると判定したモータ指令電流演算部以外のモータ指令電流演算部が演算した転舵モータ指令電流を、第一転舵モータ2及び第二転舵モータ4を駆動制御するための転舵モータ指令電流として選択する。この選択は、第一監視部46の判定結果に応じて行なう。なお、この処理は、後述する第二切替部58についても、同様である。
また、第一監視部46は、他のモータ指令電流演算部と異なる転舵モータ指令電流を演算した一つのモータ指令電流演算部を、演算異常が発生しているモータ指令電流演算部であると判定する。この判定は、三つのモータ指令電流演算部がそれぞれ演算した、第一モータ指令電流信号、第二モータ指令電流信号、第三モータ指令電流信号に基づいて行なう。なお、この処理は、後述する第二監視部56及び第三監視部64についても、同様である。
ここで、第一監視部46及び第一切替部48が上述した(1‐A)の処理を行う場合、第一比較結果信号の入力を受けた第一モータ指令電流演算部44は、第一モータ指令電流演算部44に演算異常が発生していると判定する。そして、操舵角検出部8及び第二転舵角検出部12が出力した情報信号に基づき、例えば、現在操舵角θsと第二実転舵角θt2との偏差を用いて、転舵モータ指令電流を演算する。これは、第一モータ指令電流演算部44に発生している演算異常が、第一モータ指令電流演算部44の機能低下等に起因せず、第一転舵角検出部10の機能低下等に起因する場合があるためである。これにより、現在操舵角θsと第二実転舵角θt2との偏差を用いて、転舵モータ指令電流を演算することで、第一モータ指令電流演算部44に演算異常が発生する可能性を低減させる。
すなわち、第一モータ指令電流演算部44は、第一監視部46が演算異常と判定していない状態では、第一実転舵角θt1を用いて転舵モータ指令電流を演算する。一方、第一監視部46が演算異常と判定した状態では、第二実転舵角θt2を用いて転舵モータ指令電流を演算する。なお、この処理は、後述する第二モータ指令電流演算部54及び第三モータ指令電流演算部62についても、同様である。
第一誤差補正部50は、第一監視部46、第一切替部48及びモータ間オフセット量検出部52から、情報信号の入力を受ける。
ここで、モータ間オフセット量検出部52は、モータ間オフセット量を検出する。そして、検出したモータ間オフセット量を含む情報信号(以降の説明では、「モータ間オフセット量信号」と記載する場合がある)を、第一誤差補正部50及び後述する第二誤差補正部60へ出力する。なお、モータ間オフセット量検出部52は、第一モータ制御部16及び第二モータ制御部18が備える構成としてもよく、また、第一モータ制御部16及び第二モータ制御部18から独立した構成としてもよい。
モータ間オフセット量とは、第一転舵角検出部10が出力した情報信号が含む第一実転舵角θt1と、第二転舵角検出部12が出力した情報信号が含む第二実転舵角θt2との機械的な偏差である。また、モータ間オフセット量は、例えば、第一転舵モータ出力軸22に設けた歯車とラックギア24とのバックラッシと、第二転舵モータ出力軸34に設けた歯車とラックギア24とのバックラッシに起因して発生する。
また、第一誤差補正部50は、第一監視部46及び第一切替部48が上述した(1‐B)から(1‐D)の処理を行う場合、第一切替部48から入力を受けた第一モータ指令電流信号を、転舵モータ指令電流として、第一転舵モータ2へ出力する。なお、第一誤差補正部50から第一転舵モータ2への、転舵モータ指令電流の出力は、図示しないインバータを介して行なう。
一方、第一監視部46及び第一切替部48が上述した(1‐A)の処理を行う場合、第一誤差補正部50は、モータ間オフセット量検出部52から入力を受けたモータ間オフセット量信号が含むモータ間オフセット量を参照する。そして、第一切替部48から入力を受けた第二モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流を、モータ間オフセット量を用いて補正する。さらに、モータ間オフセット量を用いて補正した転舵モータ指令電流を、第一転舵モータ2へ出力する。
上記の補正は、モータ間オフセット量が、第一実転舵角θt1が第二実転舵角θt2未満である偏差の場合は、第二モータ指令電流信号を、モータ間オフセット量に応じて増加させる補正である。一方、モータ間オフセット量が、第二実転舵角θt2が第一実転舵角θt1未満である偏差の場合は、第二モータ指令電流信号を、モータ間オフセット量に応じて減少させる補正である。
次に、第二モータ制御部18の構成を、図2中に示す他の構成との関連を含めて説明する。
図2中に示すように、第二モータ制御部18は、第二モータ指令電流演算部54と、第二監視部56と、第二切替部58と、第二誤差補正部60を備える。
第二モータ指令電流演算部54は、操舵角検出部8、第一転舵角検出部10及び第二転舵角検出部12が出力した情報信号の入力を受ける。そして、第一モータ指令電流演算部44に演算異常が発生していない通常時では、操舵角検出部8及び第一転舵角検出部10が出力した情報信号に基づき、例えば、現在操舵角θsと第一実転舵角θt1との偏差を用いて、転舵モータ指令電流を演算する。
そして、第二モータ指令電流演算部54は、演算した転舵モータ指令電流を含む情報信号(以降の説明では、「第二モータ指令電流信号」と記載する場合がある)を、第二監視部56及び第二切替部58へ出力する。これに加え、第二モータ指令電流演算部54は、第二モータ指令電流信号を、第一監視部46及び第一切替部48と、第三監視部64へ出力する。
第二監視部56は、第二モータ指令電流演算部54から、第二モータ指令電流信号の入力を受ける。これに加え、第二監視部56は、第一モータ指令電流演算部44から、第一モータ指令電流信号の入力を受ける。さらに、第二監視部56は、第三モータ指令電流演算部62から、第三モータ指令電流信号の入力を受ける。
三種類のモータ指令電流信号の入力を受けた第二監視部56は、各モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流を比較する。そして、比較結果を含む情報信号(以降の説明では、「第二比較結果信号」と記載する場合がある)を、第二切替部58、第二モータ指令電流演算部54及び第二誤差補正部60へ出力する。
第二切替部58は、第二監視部56から、第二比較結果信号の入力を受ける。これに加え、第二切替部58は、第二モータ指令電流演算部54から、第二モータ指令電流信号の入力を受ける。さらに、第二切替部58は、第一モータ指令電流演算部44から、第一モータ指令電流信号の入力を受ける。
上述した各種情報信号の入力を受けた第二切替部58は、まず、第二比較結果信号が含む比較結果を参照し、この比較結果に応じて、第一モータ指令電流信号または第二モータ指令電流信号を、第二誤差補正部60へ出力する。
具体的には、第二監視部56及び第二切替部58は、第二比較結果信号が含む比較結果に応じて、以下の(2‐A)から(2‐D)の処理を行う。
(2‐A)第一モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が、他の二種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値と異なる場合は、第二監視部56が、第一モータ指令電流演算部44に演算異常が発生していると判定する。そして、第二切替部58が、第二モータ指令電流信号を、第二誤差補正部60へ出力する。
(2‐B)第二モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が、他の二種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値と異なる場合は、第二監視部56が、第二モータ指令電流演算部54に演算異常が発生していると判定する。そして、第二切替部58が、第一モータ指令電流信号を、第二誤差補正部60へ出力する。
(2‐C)第三モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が、他の二種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値と異なる場合は、第二監視部56が、第三モータ指令電流演算部62に演算異常が発生していると判定する。そして、第二切替部58が、第一モータ指令電流信号を、第二誤差補正部60へ出力する。
(2‐D)三種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が等しい場合は、第二監視部56が、各モータ指令電流演算部が通常の状態であると判定する。そして、第二切替部58が、第一モータ指令電流信号を、第二誤差補正部60へ出力する。
ここで、第二監視部56及び第二切替部58が上述した(2‐A)または(2‐B)の処理を行う場合、第二比較結果信号の入力を受けた第二モータ指令電流演算部54は、操舵角検出部8及び第二転舵角検出部12が出力した情報信号を参照する。そして、例えば、現在操舵角θsと第二実転舵角θt2との偏差を用いて、転舵モータ指令電流を演算する。これは、第二モータ指令電流演算部54に発生している演算異常が、第二モータ指令電流演算部54の機能低下等に起因せず、第一転舵角検出部10の機能低下等に起因する場合があるためである。これにより、現在操舵角θsと第二実転舵角θt2との偏差を用いて、転舵モータ指令電流を演算することで、第二モータ指令電流演算部54に演算異常が発生する可能性を低減させる。
第二誤差補正部60は、第二監視部56、第二切替部58及びモータ間オフセット量検出部52から、情報信号の入力を受ける。
また、第二誤差補正部60は、第二監視部56及び第二切替部58が上述した(2‐B)から(2‐D)の処理を行う場合、第二切替部58から入力を受けた第一モータ指令電流信号を、転舵モータ指令電流として、第二転舵モータ4へ出力する。なお、第二誤差補正部60から第二転舵モータ4への、転舵モータ指令電流の出力は、図示しないインバータを介して行なう。
一方、第二監視部56及び第二切替部58が上述した(2‐A)の処理を行う場合、第二誤差補正部60は、モータ間オフセット量検出部52から入力を受けたモータ間オフセット量信号が含むモータ間オフセット量を参照する。そして、第二切替部58から入力を受けた第二モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流を、モータ間オフセット量を用いて補正する。さらに、モータ間オフセット量を用いて補正した転舵モータ指令電流を、第二転舵モータ4へ出力する。
次に、反力モータ制御部20の構成を、図2中に示す他の構成との関連を含めて説明する。
図2中に示すように、反力モータ制御部20は、第三モータ指令電流演算部62と、第三監視部64と、反力モータ指令電流演算部66と、クラッチ指令電流演算部68を備える。
第三モータ指令電流演算部62は、操舵角検出部8、第一転舵角検出部10及び第二転舵角検出部12が出力した情報信号の入力を受ける。そして、第一モータ指令電流演算部44に演算異常が発生していない通常時では、操舵角検出部8及び第一転舵角検出部10が出力した情報信号に基づき、例えば、現在操舵角θsと第一実転舵角θt1との偏差を用いて、転舵モータ指令電流を演算する。
そして、第三モータ指令電流演算部62は、演算した転舵モータ指令電流を含む情報信号(以降の説明では、「第三モータ指令電流信号」と記載する場合がある)を、第三監視部64へ出力する。これに加え、第三モータ指令電流演算部62は、第三モータ指令電流信号を、第一監視部46と第二監視部56へ出力する。
第三監視部64は、第三モータ指令電流演算部62から、第三モータ指令電流信号の入力を受ける。これに加え、第三監視部64は、第一モータ指令電流演算部44から、第一モータ指令電流信号の入力を受ける。さらに、第三監視部64は、第二モータ指令電流演算部54から、第二モータ指令電流信号の入力を受ける。
三種類のモータ指令電流信号の入力を受けた第三監視部64は、各モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流を比較する。そして、比較結果を含む情報信号(以降の説明では、「第三比較結果信号」と記載する場合がある)を、第三モータ指令電流演算部62、反力モータ指令電流演算部66及びクラッチ指令電流演算部68へ出力する。
具体的には、第三監視部64は、第三比較結果信号が含む比較結果に応じて、以下の(3‐A)から(3‐D)の処理を行う。
(3‐A)第一モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が、他の二種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値と異なる場合は、第一モータ指令電流演算部44に演算異常が発生していると判定する。
(3‐B)第二モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が、他の二種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値と異なる場合は、第二モータ指令電流演算部54に演算異常が発生していると判定する。
(3‐C)第三モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が、他の二種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値と異なる場合は、第三モータ指令電流演算部62に演算異常が発生していると判定する。
(3‐D)三種類のモータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値が等しい場合は、各モータ指令電流演算部が通常の状態であると判定する。
ここで、第三監視部64が上述した(3‐A)または(3‐C)の処理を行う場合、第三比較結果信号の入力を受けた第三モータ指令電流演算部62は、操舵角検出部8及び第二転舵角検出部12が出力した情報信号を参照する。そして、例えば、現在操舵角θsと第二実転舵角θt2との偏差を用いて、転舵モータ指令電流を演算する。これは、第三モータ指令電流演算部62に発生している演算異常が、第三モータ指令電流演算部62の機能低下等に起因せず、第一転舵角検出部10の機能低下等に起因する場合があるためである。これにより、現在操舵角θsと第二実転舵角θt2との偏差を用いて、転舵モータ指令電流を演算することで、第三モータ指令電流演算部62に演算異常が発生する可能性を低減させる。
反力モータ指令電流演算部66は、例えば、第一転舵角検出部10が出力した情報信号に基づき、第一実転舵角θt1に、予め設定した反力モータ用ゲインを乗算して、反力モータ指令電流を演算する。ここで、反力モータ用ゲインは、反力モータゲイン用マップを用いて、予め設定する。なお、反力モータゲイン用マップは、車速や転舵輪32の転舵角に依存するマップであり、予め形成して、反力モータ指令電流演算部に格納する。
そして、反力モータ指令電流演算部66は、演算した反力モータ指令電流を含む情報信号を、反力モータ指令電流として、反力モータ14へ出力する。なお、反力モータ指令電流演算部66から反力モータ14への、反力モータ指令電流の出力は、図示しないインバータを介して行なう。
なお、本実施形態では、一例として、第三監視部64が上述した(3‐C)の処理を行う場合、反力モータ指令電流演算部66は、反力モータ14への反力モータ指令電流の出力を停止する場合を説明する。
クラッチ指令電流演算部68は、クラッチ指令電流を演算し、この演算したクラッチ指令電流を含む情報信号(以降の説明では、「クラッチ指令電流信号」と記載する場合がある)を、クラッチ6へ出力する。
クラッチ指令電流の演算は、例えば、第一転舵モータ2または第二転舵モータ4の温度と、予め設定したクラッチ締結温度を用いて行う。なお、第一転舵モータ2または第二転舵モータ4の温度は、例えば、第一モータ指令電流信号が含む転舵モータ指令電流の値に基づいて推定する。これは、第一転舵モータ2または第二転舵モータ4の過熱は、電流の通電による抵抗発熱に起因する場合が多いためである。
具体的には、まず、クラッチ6を開放状態に切り換えた状態で、第一転舵モータ2または第二転舵モータ4の温度と、クラッチ締結温度とを比較し、第一転舵モータ2または第二転舵モータ4の温度がクラッチ締結温度を超えているか否かを判定する。
ここで、クラッチ締結温度は、第一転舵モータ2または第二転舵モータ4を正常(通常状態、通常制御)に使用することが困難な使用限界温度よりも、予め設定した温度差分低い温度であり、予め設定して、クラッチ指令電流演算部68に記憶させておく。
なお、上記の使用限界温度は、例えば、第一転舵モータ2または第二転舵モータ4の温度に予め設定されている定格や、「JIS C 4003」等を用いて設定する。
そして、第一転舵モータ2または第二転舵モータ4の温度がクラッチ締結温度を超えていると判定すると、開放状態(通常状態)のクラッチ6を締結状態に切り換える指令信号を演算し、この演算した指令信号を、クラッチ指令電流とする。
なお、クラッチ指令電流演算部68は、第一転舵モータ2または第二転舵モータ4の温度の温度に応じて、締結状態のクラッチ6を開放状態に切り換える指令信号の演算も行う。
なお、本実施形態では、一例として、第三監視部64が上述した(3‐C)の処理を行う場合、クラッチ指令電流演算部68は、開放状態のクラッチ6を締結状態に切り換える指令信号を演算する場合を説明する。
以上説明したように、本実施形態の車両の操舵制御装置1では、通常時には、第一モータ指令電流演算部44が演算した転舵モータ指令電流を用いて、第一転舵モータ2及び第二転舵モータ4を駆動させる。すなわち、通常時では、第一モータ指令電流演算部44を、メイン側(主側)のモータ指令電流演算部として用いる。
一方、第一モータ指令電流演算部44に演算異常が発生した場合には、第二モータ指令電流演算部54が演算した転舵モータ指令電流を用いて、第一転舵モータ2及び第二転舵モータ4を駆動させる。すなわち、通常時では、第二モータ指令電流演算部54を、スレーブ側(従側)のモータ指令電流演算部として用いる。
(動作)
次に、図1及び図2を参照しつつ、図3及び図4を用いて、本実施形態の操舵制御装置1を用いて行なう動作の一例を説明する。なお、図3は、主データバス通信に通信異常が発生した状態を説明するブロック図である。また、図4は、副データバス通信に通信異常が発生した状態を説明するブロック図である。また、以降の説明では、第一モータ制御部16、第二モータ制御部18、反力モータ制御部20を、「制御部16、18、20」と記載する場合がある。
図3及び図4中に示すように、各制御部16、18、20間の主データバス通信診断を行なった結果、診断結果がNGの制御部が存在している場合、診断結果がNGである制御部が存在していることを、主データバスの通信により共有する。そして、システム内の全制御部16、18、20の動作状態を協調して切替える。なお、図3及び図4中では、診断結果NGの制御部間の通信状態を、記号「×」で示す。
また、主データバス通信診断の診断結果がNGである制御部に対しては、システム内の主データバス通信診断を行なった診断結果がOKである制御部から、副データバスにて制御部動作状態切替要求(図中では、「動作切替要求」と示す)を送信する。そして、主データバス通信診断の診断結果がNGである制御部は、送信された制御部動作状態切替要求に応じて、主データバス通信診断の診断結果がOKである制御部と協調するように、動作状態を切替える。
また、システム内のある制御部において、システム内の別のある制御部との副データバス通信診断の診断結果がNGである場合は、副データバス通信診断の診断結果がNGの制御部が存在していることを、主データバスの通信によりシステム内の各制御部で共有する。そして、システム内の各制御部の動作状態を協調して切替える。
なお、動作状態を切替えた後の各制御部の動作状態は、完全に同一状態である必要は無く、システム内の制御部の動作状態に整合が取れていればよい。例えば、動作状態を切替えた後に、システム内のある制御部の状態が「停止」であった時、システム内の他の制御部の状態が全て「停止」に切替る必要は無く、システム内で停止状態の制御部が存在することに対応した動作状態となっていればよい。
上記の態様によれば、主/副で異なる種類のデータバスを使用することにより、同種のデータバスで冗長構成とした場合に対して、データバスの種類に依存した異常に対してロバストになる。
また、システム内制御部の冗長通信を構成している1系統は、主データバスに対して、より簡便な副データバスを使用することにより、高価な主データバス用ドライバを削減することが可能となる。
さらに、システム内の各制御部において、複雑な主データバスの通信診断は1系統分のみで良いため、処理の高速化が可能となり、データバスの通信診断結果に関わらず、システム内制御部の動作状態は常に同一状態に保たれることとなる。
(第一実施形態の効果)
本実施形態では、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)第一転舵モータ制御部16、第二転舵モータ制御部18及び反力モータ制御部20との間で、それぞれの制御部16、18、20での演算状態と指令出力状態とを相互に監視するための主通信回路を設ける。
これに加え、動作切り替えのための信号の通信に使用する、主通信回路よりも通信容量の小さい副通信回路を設ける。ここで、副通信回路は、主通信回路を介しての相互監視により、第一転舵モータ制御部16、第二転舵モータ制御部18及び反力モータ制御部20の、うちいずれかの動作を変更する場合に、動作切り替えのための信号の通信に使用する。
このため、主通信回路を介しての相互監視により、いずれかの制御部16、18、20で異常があると判定すると、副通信回路により、それぞれの制御部16、18、20の動作切り替えを行う。
その結果、主通信回路に通信異常が発生した場合であっても、通信回路の動作の確実性を向上させることが可能となる。これにより、コストが増加するという問題や、ECUの演算処理に時間がかかるという問題を、抑制することが可能となる。
以上、本願が優先権を主張する日本国特許出願2012−146677(2012年6月29日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
1 操舵制御装置
2 第一転舵モータ
4 第二転舵モータ
6 クラッチ
8 操舵角検出部
10 第一転舵角検出部
12 第二転舵角検出部
14 反力モータ
16 第一モータ制御部
18 第二モータ制御部
20 反力モータ制御部
22 第一転舵モータ出力軸
24 ラックギア
26 ラック軸
28 タイロッド
30 ナックルアーム
32 転舵輪(32FL、32FR)
34 第二転舵モータ出力軸
36 操舵操作子
38 ステアリングシャフト
40 ピニオン軸
42 通信ライン
44 第一モータ指令電流演算部
46 第一監視部
48 第一切替部
50 第一誤差補正部
52 モータ間オフセット量検出部
54 第二モータ指令電流演算部
56 第二監視部
58 第二切替部
60 第二誤差補正部
62 第三モータ指令電流演算部
64 第三監視部
66 反力モータ指令電流演算部
68 クラッチ指令電流演算部

Claims (2)

  1. ドライバが操作する操舵輪と転舵輪とが機械的に切り離され、前記操舵輪の操作状態を検出した結果に応じて前記転舵輪を電気的に操作する車両の操舵制御装置において、
    前記操舵輪の現在の回転角度である現在操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記転舵輪を転舵させるための転舵トルクを出力する第一転舵モータ及び第二転舵モータと、
    前記第一転舵モータの回転角度を検出する第一転舵角検出部と、
    前記第二転舵モータの回転角度を検出する第二転舵角検出部と、
    前記操舵輪の操作に応じて前記第一転舵モータを駆動制御する第一転舵モータ制御部と、
    前記操舵輪の操作に応じて前記第二転舵モータを駆動制御する第二転舵モータ制御部と、
    前記操舵輪へ操舵反力を付与する反力モータと、
    前記転舵輪の転舵角を検出または算出し、前記検出または算出した転舵角と、前記操舵輪の操舵角と、に応じて前記反力モータを駆動制御する反力モータ制御部と、を設け、
    前記第一転舵モータ制御部、前記第二転舵モータ制御部及び前記反力モータ制御部は、それぞれ、前記操舵角検出部が検出した現在操舵角と、前記第一転舵角検出部または前記第二転舵角検出部の一方で検出した回転角度と、の偏差を用いてモータ指令電流を演算するモータ指令電流演算部と、前記各モータ指令電流演算部がそれぞれ演算したモータ指令電流に応じて前記第一転舵モータ制御部、前記第二転舵モータ制御部及び前記反力モータ制御部のうちいずれかに異常が発生しているか否かを判定する監視部と、を備え、
    前記各監視部は、前記各モータ指令電流演算部がそれぞれ演算したモータ指令電流が演算結果の異なる二つのグループに区分されると判定すると、前記二つのグループに含まれるモータ指令電流の個数を検出し、さらに、含まれるモータ指令電流の個数が少ないグループが含むモータ指令電流を演算したモータ指令電流演算部を備えるモータ制御部に異常が発生していると判定し、
    前記異常が発生していると判定されたモータ制御部は、前記回転角度を検出していた前記第一転舵角検出部または前記第二転舵角検出部の一方に替えて、他方で検出した回転角度を用いて前記モータ指令電流を演算することを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 前記第一転舵モータが出力する転舵トルクに応じて回転可能な第一転舵モータ出力軸と、
    前記第二転舵モータが出力する転舵トルクに応じて回転可能な第二転舵モータ出力軸と、
    前記第一転舵モータ出力軸及び前記第二転舵モータ出力軸のうち少なくとも一方の回転により変位して前記転舵輪を転舵させるラック軸が有するラックギアと、を備え、
    前記第一転舵モータ出力軸及び前記第二転舵モータ出力軸は、互いに異なる位置で前記ラックギアと噛合することを特徴とする請求項1に記載した車両の操舵制御装置。
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