JP5257050B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特に第1制御部及び第2制御部等の複数の制御部で構成されるシステムに通信速度の異なる2系統以上の通信を行う通信路を設けることによって、データ通信の信頼性向上を図るようにした電動パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助力)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図5に示して説明すると、ステアリングホイール1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、ステアリングホイール1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ステアリングホイール1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値Iの演算を行い、演算された電流指令値Iに基づいてモータ120に供給する電流を制御する。
このような電動パワーステアリング装置の制御装置において、動作の相互監視と情報の分散処理によってシステムの信頼性を向上すると共に、CPUやMCU(Micro Controller Unit)若しくはMPU(Micro Processor Unit)の処理負荷を軽減する目的で、第1制御部及び第2制御部の2つのCPU又はMCUでコントロールユニット30を構成する制御装置が出現している。そして、演算情報と動作状況との情報交換を高速かつリアルタイムに行うことにより、通信の高速化とソフトウェアの処理負荷の問題を解決するため、第1制御部と第2制御部間のデータ通信をシリアル通信で行う制御装置が提案されている。
図6はその一例を示しており、コントロールユニット30は、トルクセンサ10からの操舵トルクT及び車速センサ12からの車速V等に基づいてモータ電流指令値を演算する第1制御部31Aと、この第1制御部31Aにより算出されたモータ電流指令値に基づいて、モータ駆動部33を介してモータ20を駆動する第2制御部32Aとを備えている。本例ではモータ20が3相(U,V,W)になっているため、モータ駆動部33も3相ブリッジ回路となっており、U相のFET31U及び32U、V相のFET31V及び32V、W相のFET31W及び32Wで構成されている。また、モータ20の各相電流IU、IV、IWは電流検出部34の電流検出器34U、34V、34Wで検出され、それぞれ第2制御部32Aにフィードバックされている。第2制御部32Aは、生成した各相モータ電流指令値と電流検出部34からのモータ電流Iu、Iv、Iwとの偏差がそれぞれ0となるように、モータ駆動部33を介してモータ20を制御する。更に、第1制御部31Aと第2制御部32Aとの間は、シリアルポートを介したシリアル通信路35により相互接続されている。
このような構成において、第1制御部31Aは、先ずトルクセンサ10により検出された操舵トルクT及び車速センサ12により検出された車速Vを読込んでモータ電流指令値を演算し、演算したモータ電流指令値をシリアル通信路35により第2制御部32Aへ送信する。モータ電流指令値は、シリアルに1ビットずつ順次第2制御部32Aへ送信される。
一方、第2制御部32Aにおいては、先ずシリアル通信が正常に行われているか否か、例えばチェックサム等によりシリアル通信の正常或いは異常を判定する。そして、シリアル通信が正常に行われていると判定した場合、第2制御部32Aはシリアル通信路35により送信されたモータ電流指令値を受信し、この受信したモータ電流指令値に基づいてモータ駆動部33を介してモータ20を駆動制御する。また、シリアル通信が正常に行われていない異常と判定した場合、第2制御部32Aはモータ20の駆動制御を停止する。即ち、シリアル通信が異常の場合には、第2制御部32Aへのデータ送信が途切れ、第2制御部32Aはモータ電流指令値(目標値)を認識できない認識不能の状態となる。そして、モータ電流指令値が不明な状態でモータ20が駆動制御された場合、モータ20は予期しない挙動を示す恐れがあるため、モータ20の駆動制御を停止する。
しかし、シリアル通信が正常に行われているか否かを判定するために、チェックサムやCRC(Cyclic Redundancy Check)等のチェックコードを生成して照合演算を行っていたのでは、ソフトウェアの処理負荷が大きくなってしまうという問題がある。
この問題を解決するための電動パワーステアリング装置の制御装置が、特開2007−161141号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に記載の装置では、シリアル通信によりデータを第1MCUから第2MCUに送信する際に、第1MCUで元のデータと反転したデータを生成して、反転データを第2MCUに送信するようにしている。第2MCUにおいて、送信されてきた反転データを再度反転して、送信されてきた元のデータと比較し、両データが一致すれば正常であると判定して通信完了とする。一方、両データが一致しない場合には異常が生じているので、所定の異常処理を実行するようにしている。
また、特開2004−173370号公報(特許文献2)には、第1MPUと第2MPUによってモータを制御し、第1MPUと第2MPUとの間にシリアル通信ライン及びパラレル通信ラインを設けたモータ制御装置が開示されている。第1MPUは、シリアル通信ライン及びパラレル通信ラインによってモータ指令値を第2MPUに伝送する。第2MPUはシリアル通信が正常に行われていると判断したときは、シリアル通信ラインにより送られてきたモータ指令値を受信するようにし、一方、シリアル通信が正常に行われていないと判断したときは、パラレル通信ラインにより送られてきたモータ指令値を受信するようにしている。
特開2007−161141号公報 特開2004−173370号公報
従来の電動パワーステアリング装置では、通信路に故障が生じた場合或いはノイズにより発生する通信エラーが発生した場合に、直ちにモータ制御を停止する必要があるという問題がある。特に高速通信(例えば60kbps)はノイズの影響を受けやすく、従来の高速通信を目的とした装置では、上記のような故障や通信エラー発生の頻度が高く、ステアリング装置を操舵する際に運転者が違和感を持つ事が想定される。
特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置によれば、シリアル通信に異常が生じていると判定した場合、モータ制御を停止して所定の異常処理を行うようにしているが、所定の異常処理の内容については具体的に開示されていない。
また、特許文献2に記載のモータ制御装置は、シリアル通信が正常に行われていないと判断されたとき、パラレル通信ラインにより送られてきたモータ指令値を受信するようにしている。しかし、パラレル通信ラインにより送られてきたモータ指令値は、通常時のシリアル通信ラインにより送られるモータ指令値に比べて精度が落ちるという問題がある。
本発明は上述のような事情によりなされたものであり、本発明の目的は、モータを第1制御部及び第2制御部の複数の制御部で分散制御してシステムの安全性を向上させると共に、通信速度の異なる2系統以上の通信路を設け、いずれかの通信路に異常(故障を含む)が発生した場合でも、異常が発生した通信路以外の他の通信路によって、モータ制御を継続できるようにした電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算部と、モータの電流値及び前記電流指令値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を付与する前記モータを駆動制御するモータ駆動制御部とを具備すると共に、前記電流指令値演算部及び前記モータ駆動制御部が相互に通信可能な第1制御部及び第2制御部で構成されている電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記第1制御部と前記第2制御部との間に、通信速度の異なる2系統以上の通信路を設けてデータ通信を行い、前記2系統以上の通信路の内いずれかの通信路に異常が発生した場合でも、前記異常が発生した通信路以外の他の通信路によって前記データ通信を継続させ、前記2系統以上の通信路が、高速シリアル通信が可能である高速通信路と、低速シリアル通信が可能である低速通信路とで構成され、前記低速通信路で前記データ通信を行う場合、前記第1制御部は前記第2制御部に送信するセンサ信号を、前記第2制御部で処理が行われる時間に合わせて推定する推定処理を行うことにより達成される。
本発明の上記目的は前記第2制御部は、通常時は前記高速通信路によるデータ通信によって受信したデータを用いて前記モータの制御を行うことによって、或いは前記第1制御部及び前記第2制御部は前記高速通信路によるデータ通信における異常を検出する異常検出部を備え、前記異常検出部が前記異常を検出した場合、前記第2制御部は前記低速通信路によるデータ通信によって受信したデータを用いて前記モータの制御を行うことによって、或いは前記異常検出部が前記異常を検出しなくなったときに、前記第2制御部は前記高速通信路によるデータ通信によって受信したデータを用いて前記モータの制御を行うことによって或いは前記高速通信路のシリアル通信速度が60kbps以上であることによって、或いは前記低速通信路のシリアル通信速度が9.0kbps程度であることによって、より効果的に達成される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、モータを制御するためのCPUやMCU等で成る第1制御部と第2制御部との間に通信速度の異なる2系統以上の通信路を設けているため、高速通信路に異常が発生した場合でも、異常発生していない他の通信路を用いることによってモータ制御を継続させることができる。このため、電動パワーステアリング装置のモータ制御システムにおける安全性の向上を実現することができる。
また、通信速度9.0kbps程度の低速通信は、通信速度60kbps以上の高速通信に比べてノイズの影響を受けにくいため、異常発生時に低速通信路を用いることは、システムの安全性を向上させる上で効果的である。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、少なくともステアリングシャフトに発生する操舵トルク及び車速に基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算部と、モータの電流値及び電流指令値に基づいてステアリング機構に操舵アシストを付与するモータを駆動制御するモータ駆動制御部とを具備すると共に、電流指令値演算部及びモータ駆動制御部が相互に通信可能な第1制御部及び第2制御部で構成されており、第1制御部と第2制御部との間には通信速度の異なる2系統以上の通信路を設けてデータ通信を行う。2系統以上の通信路の内いずれかの通信路で異常が発生した場合でも、異常発生していない他の通信路を用いてデータ通信を行うようにするので、モータ制御を継続させることができ、電動パワーステアリング装置のモータ制御システムにおける安全性の向上を実現することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の構成例を図6に対応させて示す図である。本発明では、モータ電流指令値を演算するCPUやMPU等で成る第1制御部31と、電流指令値及び計測されたモータ電流値Iu、Iv、Iwに基づいてモータ20を制御するCPUやMPU等で成る第2制御部32とを具備しており、モータ20には、ロータの回転位置を示す電気角であるモータ回転角θmを検出するモータ回転角センサ(図示せず)が取り付けられている。検出されたモータ回転角θmは第2制御部32に入力され、角速度の算出等に利用される。
第1制御部31にはトルクセンサ10からの操舵トルクT及び車速センサ12からの車速Vがそれぞれ入力され、第1制御部31は、少なくとも入力された操舵トルクT及び車速Vに基づいてモータ駆動のためのモータ電流指令値を演算する。また、第2制御部32には、モータ回転角センサからモータ回転角θmが入力され、電流検出部34で計測されたモータ電流Iu、Iv、Iwが入力される。モータ駆動装置33のFET31U及びFET32U間の接続点33Uはモータ20のU相巻線に接続され、FET31V及びFET32V間の接続点33Vはモータ20のV相巻線に接続され、FET31W及びFET32W間の接続点33Wはモータ20のW相巻線に接続されている。第2制御部32はPI制御、慣性等の各種補償、PWM制御等を経て、モータ駆動のための制御指令をモータ駆動装置33に供給する。
電流検出部34は、モータ駆動装置33からモータ20へ出力される3相の励磁電流Iu、Iv、Iwをそれぞれ検出するU相電流検出部34U、V相電流検出部34V及びW相電流検出部34Wを備えている。U相電流検出部34U、V相電流検出部34V及びW相電流検出部34Wで検出されたU相励磁電流Iu、V相励磁電流Iv及びW相励磁電流Iwはそれぞれ第2制御部32にフィードバックされている。
第1制御部31と第2制御部32との間には、データの通信を行うために通信速度の異なる2系統の通信路として高速通信路36及び低速通信路37が設けられており、本例では高速通信路36では通信速度60kbps以上の高速シリアル通信が行われ、低速通信路37では通信速度9kbps程度の低速シリアル通信が行われるようになっている。高速通信路36を用いた高速シリアル通信によるデータ通信、及び低速通信路37を用いた低速シリアル通信によるデータ通信は常時行われている。第2制御部32は、通常時は高速シリアル通信によって送信されるデータを使用する。第1制御部31及び第2制御部32は、高速シリアル通信の異常(故障を含む)を検出する異常検出部(若しくは異常検出機能)を備えており、異常検出部で異常を検出した場合には、第2制御部32は低速シリアル通信によって送信されるデータを使用する。通信異常の検出は、ハードウェア又はソフトウェアで行うことができる。第2制御部32が低速シリアル通信によって送信されるデータを使用している間も高速シリアル通信は継続されており、異常検出部において高速シリアル通信の異常が検出されなくなったときには、再度第2制御部32は高速シリアル通信によって送信されるデータを使用する。
第1制御部31と第2制御部32において行われる制御の動作例を、図2のフローチャートを参照して説明する。
第1制御部31は先ずトルクセンサ10により検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vを読み込み(ステップS10)、これらのセンサ信号に基づいてモータ電流指令値の演算を行う(ステップS11)。演算されたモータ電流指令値は、高速通信路36を用いた高速シリアル通信及び低速通信路37を用いた低速シリアル通信によって第2制御部32に送信されるが(ステップS12)、通常時において第2制御部32は、高速シリアル通信によって送信されるモータ電流指令値を使用する(ステップS20)。このモータ電流指令値に基づいてモータ20の制御を行う(ステップS21)。
即ち、異常発生のない通常時は、第2制御部32は高速通信路36を用いた高速シリアル通信によって送信されるデータを用いる。高速シリアル通信では図3(A)に示されるように、データ通信に要する時間が短いため、第1制御部31においてセンサ信号が読み込まれる毎にモータ電流指令値が演算され、そのモータ電流指令値が第2制御部32に送信される。第2制御部32は、第1制御部31から送信されたモータ電流指令値を受信して、そのモータ電流指令値に基づいてモータ20を制御する動作を繰り返す。
一方、第1制御部31及び第2制御部32には異常検出部が備えられており、高速通信路36による高速シリアル通信に異常が発生した場合に、第1制御部31及び第2制御部32において異常が検出されるようになっている(ステップS13及びステップS22)。つまり、一方で通信異常が発生すると、他方もハードウェア上通信異常が発生する。これ以降は、高速シリアル通信の異常が検出されなくなるまで、第1制御部31及び第2制御部32間の制御は、低速通信路37による低速シリアル通信によって行う。
高速通信路36の異常発生後においても、第1制御部31は先ず操舵トルクT及び車速Vを読み込む(ステップS14)。低速シリアル通信の場合、第1制御部31からデータを送信した時間と第2制御部32でデータが受信される時間との間に差が生じ、この誤差が無視できなくなる。そこで、第1制御部31は、読み込んだセンサ信号から、第2制御部32でデータが受信される時間のセンサ信号を推定し(ステップS15)、推定されたセンサ信号からモータ電流指令値を演算し(ステップS16)、演算されたモータ電流指令値を低速通信路37の低速シリアル通信で第2制御部32に送信する(ステップS17)。
第2制御部32は低速シリアル通信によって送信されたモータ電流指令値を使用し(ステップS23)、このモータ電流指令値に基づいてモータ20の制御を行う(ステップS24)。以降は、低速通信路37による低速シリアル通信によるモータ20の制御が継続される。
即ち、異常発生後は、第2制御部は低速通信路37を用いた低速シリアル通信によって送信されるデータを用いる。低速シリアル通信では図3(B)に示されるように、第1制御部31でデータを送信する時間と第2制御部32でデータを受信する時間との差を無視できないため、センサ信号が読み込まれると読み込まれたセンサ信号に基づいて、データが送信され第2制御部32で受信される時間におけるセンサ信号を推定し、推定されたセンサ信号に基づいてモータ電流指令値を演算し、そのモータ電流指令値を低速通信路37で第2制御部32に送信する。第2制御部32は、第1制御部31から送信されたモータ電流指令値を受信して、そのモータ電流指令値に基づいてモータ20を制御する。低速通信路37を用いた場合、データ通信に要する時間を無視できないため、センサ信号が読み込まれる毎にモータ電流指令値の推定値を送信することはできない。そのため、第2制御部32は次にモータ電流指令値が受信されるまでの間、その前に受信されたモータ電流指令値の値に基づいてモータ制御を行う。
第2制御部32が低速通信路37を用いた低速シリアル通信によって送信されるデータを使用している間も、高速通信路36を用いた高速シリアル通信は行われている。異常検出部において高速シリアル通信の異常が検出されなくなった場合(ステップS18及びステップS25)、第1制御部31の制御はステップS10に戻り、第2制御部32の制御はステップS20に戻る。つまり、一方で通信異常が復帰すると、他方もハードウェア上通信異常が復帰する。そして、第2制御部32は、再度高速通信路37を用いた高速シリアル通信によって送信されるデータを使用するようになる。なお、通信異常が復旧しない場合は、通信異常が毎回発生する。
異常検出部による高速シリアル通信の異常の検出は、例えばタイムアウトエラーやオーバーランエラーの有無に基づいて行う。異常検出部は、予め設定された所定時間内に次のデータ(ビット)が送られてこない場合に、タイムアウトエラーを検出する。データ受信中に次のデータが送られてきた場合には、異常検出部はオーバーランエラーを検出する。
また、異常検出部はチェックサムによりシリアル通信エラーを検出するようにしても良い。この場合、第1制御部31はモータ電流指令値のチェックサムを計算し、このチェックサムを添付してデータを第2制御部32に送信する。第2制御部32は、送信されてきたモータ電流指令値からチェックサムを計算して、第1制御部31から送られてきたチェックサムと一致するか検査する。両者が異なる場合、高速シリアル通信に異常が発生していることが検出される。
或いは、特許文献1に記載されているように、第1制御部31で元のデータと反転したデータを生成して第2制御部32に送信し、第2制御部32で反転データを再度反転して元のデータと比較することによって、高速シリアル通信に異常が発生していることを検出するようにしても良い。
また、異常検出部を第2制御部32に設け、第1制御部31に低速通信路37で送信するようにしても良い。
図4は、センサ信号読み込みからモータ制御に至るまでの、各動作のタイミングを説明する図であり、図4(A)は高速通信路36を用いた場合を示し、図4(B)は低速通信路37を用いた場合を示している。
図4(A)に示されるように、高速通信路36を用いる場合はデータ通信が短時間でできるため、センサ信号が読み込まれる毎に第1制御部31はモータ電流指令値を送信し、第2制御部32は送信されたモータ電流指令値を受信し、そのモータ電流指令値に基づいてモータ制御を行っている。
低速通信路37を用いる場合はデータ通信に要する時間を無視できないため、図4(B)に示されるように第1制御部31はセンサ信号の推定を行う。推定処理(a)では、推定処理(a)が行われている間に読み込まれるセンサ信号に基づいて、時間(a)におけるセンサ信号の推定値を算出し、算出された値は暫定推定値(a)となる。操舵感に与える違和感を軽減するために推定許容範囲(a)を設けており、暫定推定値(a)が推定許容範囲(a)に含まれるか否かの判定を行う。本例の場合、暫定推定値(a)は推定許容範囲(a)に含まれるので、暫定推定値(a)を推定値(a)として、時間(a´)に推定値(a)に基づいて算出されたモータ電流指令値(a)を第2制御部32へ送信する。モータ電流指令値(a)は時間(a)に第2制御部32で受信され、第2制御部32は次に受信するモータ電流指令値(b)が送信されるまでの間、モータ電流指令値(a)に基づいてモータ制御を行う。
次に第1制御部31は、推定処理(b)において、時間(b)におけるセンサ信号を推定する。図4(B)に示されるように、この推定処理(b)で算出された暫定推定値(b)は推定許容範囲(b)を超えているので、推定許容範囲(b)の上限を推定値(b)として、推定値(b)に基づいてモータ電流指令値(b)を算出する。そして、第1制御部31は時間(b´)にモータ電流指令値(b)を送信し、第2制御部32は時間(b)にモータ電流指令値(b)を受信する。第2制御部32は次に受信するモータ電流指令値(c)が送信されてくるまで、モータ電流指令値(b)に基づいてモータ制御を行う。
以下同様の手順で推定処理(c)を行い、時間(c´)にモータ電流指令値(c)を第2制御部32に送信し、第2制御部32は時間(c)にモータ電流指令値(c)を受信して、モータ電流指令値(c)に基づいてモータ制御を行う。
上述では、センサ信号として操舵トルクTを例に説明したが、車速Vや操舵角についても同様の処理を行う。
低速通信路37を用いる場合に設けられた推定許容範囲は、操舵トルクTの変動率、操舵角速度等から運転者が車両との追従性を損なうことのない操舵感を得ることのできる範囲に設定される。この推定許容範囲は、車両の特性によって変化するため、車両毎に調節できるようになっている。
なお、本発明では、高速通信路36を用いた高速シリアル通信を行う場合には、第1制御部31においてセンサ信号が読み込まれる毎にモータ電流指令値(例えば4byte)が演算され、そのモータ電流指令値を第2制御部32に送信して、モータ20の制御を行うようにしている。このような制御を操舵感に違和感を与えることなく行うためには、1ms以内にモータ電流指令値が到達していれば良く、4byte/1ms=32bit/0.001s=32kbpsとなり、データ受信から制御する時間も必要であり、32kbpsの約倍、つまり約60kbps以上の速度が必要である。また、低速シリアル通信が、ノイズの影響を受けにくく、システムの安全性を向上させるものであるためには、低速通信路37で行われる低速シリアル通信の通信速度は9.0kbps程度であることが好ましい。通信速度はCPUやMCUの性能、或いは電動パワーステアリングの仕様によって異なってくることであり、本発明では少なくとも通信速度が異なる2系統(高速と低速)の通信路が具備されていれば良い。
また、上述の実施形態では、第1制御部31と第2制御部32の間に設けられる通信路を、高速通信路36と低速通信路37の2系統の通信路にしているが、第1制御部31と第2制御部32の間に設けられる通信路は、通信速度の異なる2系統以上、例えば3系統、4系統の通信路であっても良い。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の制御装置の構成例を示すブロック図である。 第1制御部と第2制御部において行われる制御の動作例を示すフローチャートである。 第1制御部と第2制御部の各シーケンス図である。 センサ信号読み込みからモータ制御に至るまでの、各動作のタイミングを説明する図である。 一般的な電動パワーステアリング装置の構成例を示す図である。 従来の電動パワーステアリング装置の制御装置の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
10 トルクセンサ
12 車速センサ
13 バッテリ
20 モータ
30 コントロールユニット
31、31A 第1制御部
32、32A 第2制御部
33 モータ駆動部
34 電流検出部
35 シリアル通信路
36 高速通信路
37 低速通信路

Claims (6)

  1. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算部と、モータの電流値及び前記電流指令値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を付与する前記モータを駆動制御するモータ駆動制御部とを具備すると共に、前記電流指令値演算部及び前記モータ駆動制御部が相互に通信可能な第1制御部及び第2制御部で構成されている電動パワーステアリング装置において、
    前記第1制御部と前記第2制御部との間に、通信速度の異なる2系統以上の通信路を設けてデータ通信を行い、前記2系統以上の通信路の内いずれかの通信路に異常が発生した場合でも、前記異常が発生した通信路以外の他の通信路によって前記データ通信を継続させ、
    前記2系統以上の通信路が、高速シリアル通信が可能である高速通信路と、低速シリアル通信が可能である低速通信路とで構成され、
    前記低速通信路で前記データ通信を行う場合、前記第1制御部は前記第2制御部に送信するセンサ信号を、前記第2制御部で処理が行われる時間に合わせて推定する推定処理を行うことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記第2制御部は、通常時は前記高速通信路によるデータ通信によって受信したデータを用いて前記モータの制御を行う請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記第1制御部及び前記第2制御部は前記高速通信路によるデータ通信における異常を検出する異常検出部を備え、前記異常検出部が前記異常を検出した場合、前記第2制御部は前記低速通信路によるデータ通信によって受信したデータを用いて前記モータの制御を行う請求項又はに記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記異常検出部が前記異常を検出しなくなったときに、前記第2制御部は前記高速通信路によるデータ通信によって受信したデータを用いて前記モータの制御を行う請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記高速通信路のシリアル通信速度が60kbps以上である請求項乃至のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記低速通信路のシリアル通信速度が9.0kbps程度である請求項乃至のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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