JP2008132920A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008132920A
JP2008132920A JP2006321849A JP2006321849A JP2008132920A JP 2008132920 A JP2008132920 A JP 2008132920A JP 2006321849 A JP2006321849 A JP 2006321849A JP 2006321849 A JP2006321849 A JP 2006321849A JP 2008132920 A JP2008132920 A JP 2008132920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
motor
steering
command value
current feedback
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006321849A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyasu Aoki
友保 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2006321849A priority Critical patent/JP2008132920A/ja
Publication of JP2008132920A publication Critical patent/JP2008132920A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

【課題】何れかの電流検出手段で異常が発生して、例えば正常なものを識別不可能な場合あるいは電流検出センサ全部が異常発生した場合においても、モータの電流値を使用せずに、モータの電流値を推定してアシスト制御を継続することができる。
【解決手段】電流フィードバック処理器39は、電流検出器37a,38bの検出結果に基づいて電流フィードバック指令値を処理する第1電流フィードバック処理部39aと、モータ20の端子電圧vr,a,vr,b,vr,cと前記モータ20のモータ角度信号θとに基づいて前記モータ20の電流値を推定して、この推定結果に基づいて電流フィードバック指令値を処理する第2電流フィードバック処理部39bとを備え、コントロールユニット30は異常検出器41の判定結果に基づいてモータ20を制御する。
【選択図】図2

Description

本願発明は、操舵者が操向ハンドルを操舵する際にステアリング機構に操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に異常が検出された場合にも操舵補助力を付与し続けることができる電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
車両用電動パワーステアリング装置の制御装置は、操向ハンドルに発生する操舵トルクを検出し、当該操舵トルクに少なくとも基いて指令値(電流指令値)を演算し、この演算結果に基づいてモータの出力トルクを制御している。これにより、車両用電動パワーステアリング装置は、ステアリング装置に対して操舵補助力を付与して、操舵者の操舵を支援している。なお、当該車両用電動パワーステアリング装置では、前記モータの出力トルクを、減速機とギアまたはベルト等の伝導機構を介して操向ハンドル、あるいはラック軸に伝達していることによりステアリング装置に操舵補助力を付与している。
このような車両用電動パワーステアリング装置は、操舵補助力(アシストトルク)を正確に発生させるために、複数の電流検出センサ(電流検出手段)を備えて、制御装置によりモータの電流値を検出して処理し、電流フィードバック指令値としてフィードバックしてモータの制御を行っている。このフィードバック制御では、電流制御値と電流フィードバック指令値との差が小さくなるようにモータを制御してアシスト制御を実現するものであり、一般にPWM(パルス幅変調)制御におけるデュ−ティ比の調整で制御を行っている。
このような従来の制御装置では、モータの電流値を正常に検出できない異常事態に備え、フェイルセーフ機能が実装されている。しかしながら、従来実装されるフェイルセーフ機能は、異常を発生したと判断するとすぐにアシスト制御を停止するものであった。これは、従前の電動パワーステアリング装置の適用車両が軽自動車の範囲であったため、従来の安全思想に基づいてなされたとしても安全側に傾くと判断されていた。実際に軽自動車ではアシスト制御が停止した場合にでも、車両重量が軽量であったため操舵者が充分に操舵可能であった。
しかしながら、近年では電動パワーステアリング装置の適用が、排気量が2リットルクラスの大型車両まで拡大し、これら大型車両ではアシスト制御が停止した場合、操舵者の操舵力が多大となってしまい、操舵困難となってしまう嫌いがあった。
この対策として、モータの電流値を検出する電流検出センサの故障後はアシスト制御を制限して矩形波でアシスト制御を施すもの(例えば、特許文献1参照)、あるいは故障したモータの相の電流を異常が発生していない相の電流から推定してアシスト制御を継続するもの(例えば、特許文献2参照)がある。
特開2005−39899号公報 特開2005−184966号公報
しかし、特許文献1では、電流を使用しないオープンループ系の制御を行うため、ステアリング装置に振動あるいは騒音が発生してしまう問題があった。また、特許文献2では、故障の部位の特定が難しく、複数のセンサで異常が発生した場合にはアシスト制御を継続できない虞があった。
また、従来の車両用電動パワーステアリング装置では、電流検出センサの何れかで異常が発生した場合、アシスト制御を継続させるためには、アシスト制御が可能な異常状態とアシスト制御が不可能な異常状態とを区別する必要があった。即ち、複数ある電流検出センサのうち、異常発生したものと正常なものとを識別することができなければ、残存する正常なものを利用してアシスト制御することができないというものであり、またその識別を実現するためには別途装置を拵える必要が生じ、コストが高くなってしまう嫌いがあった。
本発明は上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は何れかの電流検出手段で異常が発生して、例えば正常なものを識別不可能な場合あるいは電流検出センサ全部が異常発生した場合においても、モータの電流値を使用せずに、モータの電流値を推定してアシスト制御を継続することができる安価な車両用電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る電動パワーステアリング装置のトルクセンサは、下記(1)〜(2)の構成により達成される。
(1) 操向ハンドルに発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルクに基いて電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータと、当該モータの電流値を検出する電流検出手段と、電流フィードバック指令値を処理する電流フィードバック処理手段と、前記電流フィードバック指令値と前記電流指令値とに基づいて電流制御値を演算出力して前記モータを制御する電流制御手段と、を備えた車両用電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記電流検出手段の検出結果により異常を検出する異常検出手段を備え、前記電流フィードバック処理手段は、前記電流検出手段の検出結果に基づいて電流フィードバック指令値を処理する第1電流フィードバック処理部と、前記モータの端子電圧と前記モータの回転数とに基づいて前記モータの電流値を推定して、この推定結果に基づいて電流フィードバック指令値を処理する第2電流フィードバック処理部と、を有し、且つ前記異常検出手段が異常を検出しない場合には、前記第1電流フィードバック処理部の処理結果により前記モータを制御し、前記異常検出手段が異常を検出した場合には、前記第2電流フィードバック処理部の処理結果により前記モータを制御することを特徴とする車両用電動パワーステアリング装置の制御装置。
(2) 前記モータが3相ブラシレスモータであり、前記第2電流フィードバック処理部は、前記モータの界磁電流Iとトルク電流Iを推定するdq軸電流推定値算出手段と、前記モータの各相のモータ端子電圧を界磁電圧Vとトルク電圧Vとに変換する三軸/dq軸電圧変換器とを有し、且つ前記dq軸電流推定値算出手段は、前記界磁電圧Vと前記トルク電圧Vと前記モータの回転数と1サンプリング周期前の界磁電流Iとトルク電流Iとを入力として、dq軸電流を推定することを特徴とする前記(1)に記載の車両用電動パワーステアリング装置の制御装置。
何れかの電流検出手段で異常が発生して、例えば正常なものを識別不可能な場合あるいは電流検出センサ全部が異常発生した場合においても、モータの電流値を使用せずに、モータの電流値を推定してアシスト制御を継続することができ、且つ製造コストを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両用電動パワーステアリング装置の制御装置の実施形態について、図面に従って説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態である車両用電動パワーステアリング装置の構成について、図1および図2に従って説明する。図1は、車両用電動パワーステアリング装置の全構成を示す概略図である。図2はコントロールユニットの一般的な機能とその機能の動作手順を示す制御ブロック構成図である。なお、図2において、例えば後述する操舵補助指令値演算器12は独立したハードウェアとしての操舵補助指令値演算器を示すものではなく、例えばCPUで実行されるプログラムの一機能として実現される操舵補助指令値演算機能を示すものである。また、本実施形態に制御ブロック構成はこれにより何ら制限を受けるものではなく、適宜様々な制御ブロックが適用できる。
本実施形態に係る車両用電動パワーステアリング装置では、操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a,4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に結合されている。また、モータ20には、当該モータの回転角度を検出する、例えばレゾルバなどにより構成されるモータ角度検出回路21が取り付けられている。そして、電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(制御装置)30には、バッテリ14からイグニションキー11およびリレー13を経て電力が供給される。これによりコントロールユニット30は、トルクセンサ10、車速センサ12、モータ角度検出回路21のそれぞれで検出された操舵トルク信号Tと車速信号Vとモータ角度信号θとに基づいてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値Iに基づいてモータ20に供給する電流(アシスト電流)を制御することにより、操向ハンドル1に操舵補助力を付与して、アシスト制御を実現している。
コントロールユニット30は主としてMPUから構成される。当該MPU内部においてROMなどに格納され、制御機能を実現する制御プログラムが読み込みこまれて、前記アシスト制御が実施される。
コントロールユニット30のアシスト制御の流れを図2の制御ブロック構成図に従って説明する。なお、本実施形態では、モータ20はa相、b相、c相の三相を有したブラシレス同期モータであり、コントロールユニット30はこれら三相にそれぞれ印加する電流をロータ回転座標系上のd軸およびq軸として取り扱って電流制御するベクトル制御を実施して、前記モータ20を回転駆動している。
コントロールユニット30のベクトル制御の流れを図2の制御ブロック構成図に従って説明する。コントロールユニット30は、操舵補助指令値演算器(操舵補助指令値演算手段)31と電流指令値演算器32と電流制御器(電流制御手段)33とdq軸/三相軸変換器34とデューティ比演算器35とインバータ回路36と電流検出センサ(電流検出手段)37a,37bとモータ端子電圧検出器38a,38b,38cと電流フィードバック処理器39と出力切換器(出力切換手段)40と異常検出器(異常検出手段)41とモータ角速度演算器42とモータ角加速度演算器43と収斂性補償器44と慣性補償器45とSAT推定補償器46と加算器47a,47b,47cと減算器48a,48bとを備えて構成される。
また、当該コントロールユニット30に入力される前記操舵トルク信号Tと前記車速信号Vと前記モータ角度信号θなどの外部から入力される外部情報信号は、前記コントロールユニット30で演算処理できるように、例えば図示しないA/D変換器にてアナログ信号からデジタル信号に変換されている。なお、前記速度信号Vなどの信号は車両に搭載されているCANなどのデジタル通信回線を経由して、コントロールユニット30に入力されてもよい。また、これら信号は図示しない増幅器で増幅され、また図示しないローパスフィルタにて濾波処理が適宜施されている。
ここで、アシスト制御を実現するための前記コントロールユニット30の動作の流れについて説明する。
コントロールユニット30に入力される、トルクセンサ10で検出された操舵トルク信号Tと、車速センサ12で検出された車速信号Vとは操舵補助指令値演算器31に入力される。当該操舵補助指令値演算器31は、入力された操舵トルク信号Tおよび車速信号Vとに基づいてモータ20に供給する電流の制御目標値(アシスト指令)である操舵補助指令値Iを決定する。
また、操舵トルクは、車両が停止した状態では最も大きく、一方車速が大きいほど前記操舵トルクは小さくなる特性がある。したがって、操舵補助指令値演算器31では、操舵トルク信号Tとモータ20に供給される操舵補助指令値Iとの関係を車速信号Vに応じて変化させることによって、操舵フィーリングを向上させるとともに車両挙動の安定化を図っている。
前記操舵補助指令値Iは加算器47aとSAT推定補償器46とに出力される。また、前記操舵トルク信号Tは、SAT推定補償器46にも入力される。
一方、前記モータ角速度演算器42では、前記モータ角度検出回路21で検出されたモータ角度信号θを取り込み、当該モータ角度信号θを例えば微分処理を施してモータ角速度ωを算出する。当該モータ角速度ωは収斂性補償器44と、モータ角加速度演算器43と、SAT推定補償器46とにそれぞれ入力される。さらに、当該モータ角加速度演算器43は、前記モータ角速度ωを、例えばさらに微分処理を施してモータ角加速度αを算出し、慣性補償器45とSAT推定補償器46とに出力する。
収斂性補償器44は、前記モータ角速度ωを入力として、車両の収斂性を改善するために、操向ハンドル1の回転を妨げる方向に前記操舵補助指令値Iを補正して当該操向ハンドル1の振れ回る動作に対してブレーキをかけるようになっており、操舵後の当該操向ハンドル1の挙動を安定化する。
そして、慣性補償器45は、前記モータ角加速度演算器43で算出され出力されたモータ角加速度αを入力として、操向ハンドル1やピニオンラック機構5やモータ20や減速ギア3などの駆動系に係る慣性系の変動に応じて前記操舵補助指令値Iを補正して補助トルクの変動を抑制する。これにより、操舵者に駆動系の慣性が伝達しないように働き、操舵フィーリングを向上させている。
また、SAT推定補償器46は、前記操舵トルク信号Tと操舵補助指令値Iと前記モータ角加速度αと前記モータ角速度ωとを入力とし、操向ハンドル1の操作を助ける方向に前記操舵補助指令値Iを補正し、操舵後の操向ハンドル1の戻りを改善する。
さらに、加算器47cは、前記慣性補償器45の出力と前記SAT推定補償器46の出力とを加算処理して加算器47bに出力する。当該加算器47bは、前記加算器47cの出力と収斂性補償器44との出力とを加算処理して加算器47aに出力する。
加算器47aは、前記加算器47bの出力と前記操舵補助指令値Iとを入力として、これら入力を加算処理した後に電流指令値演算器32に出力される。当該電流指令値演算器32は、前記加算器47aの出力に基づいて、モータ20各相の電流指令値をロータ回転座標系のd軸およびq軸の各電流指令値として算出し、それぞれを減算器48a,48bに出力する。
次に、電流フィードバック処理器39について説明する。
電流フィードバック処理部39は、第1電流フィードバック処理部39aと第2フィードバック処理部392bを有して構成される。
前記第1電流フィードバック処理器39aは、モータ20のa相、b相とにそれぞれ付設された電流検出センサ38a,38bによりそれぞれ検出された,a相,b相の電流検出値ir,a,ir,bを入力とする。ここで、次式に示す三相モータの電流値の関係式がある。
Figure 2008132920
この式(1)により、三相モータの2相から検出される電流検出値ir,a,ir,b関しd・q軸における電流値の回転座標系変換式は式(2)として簡略化できる。ただし、πは円周率である。
Figure 2008132920
したがって、前記第1電流フィードバック処理器39aは、前記電流検出値ir,a,ir,bが入力されて、式(2)に基づきd軸およびq軸における電流値を演算して、電流フィードバック指令値として、前記電流フィードバック処理器の後段に設けられた出力切換器40に出力する。
また、前記第2電流フィードバック処理演算器39bでは、モータ20の各相に付設されたモータ端子電圧検出器38a,38b,38cにより検出される各相の電圧検出値vr,a,vr,b,vr,cが入力され、d軸およびq軸における電流値を推定演算して、電流フィードバック指令値として出力切換器40に出力する。
前記前記第2電流フィードバック処理演算器39bにおけるd軸およびq軸における電流値を推定演算は、次に示す同期モータの電圧電流方程式に基づいて算出している。
Figure 2008132920
なお、iはd軸における電流値(界磁電流)、iはq軸における電流値(トルク電流)、Vはd軸における電圧値(界磁電圧)、Vはq軸における電圧値(トルク電圧)、Rはモータ20の巻線抵抗、Lはモータ20のインダクタンス、ωはモータ20内での回転磁界の角速度、Keは誘起電圧定数、sはd/dt(ラプラス演算子)である。
さらに、ここでサンプリング周期tsで微分を差分商で置き換えて、s・i={i(k)−i(k−1)}/ts、s・i={i(k)−i(k−1)}/ts(ただし、kは整数)とし、式(3)を離散化すると式(4)が導き出される。
Figure 2008132920
したがって、式(4)によれば1サンプリング周期前の電流検出値i(k−1),i(k−1)と、電圧値V,Vと、モータ角速度ωと、によりd軸およびq軸における電流値を推定演算することができることがわかる。
この演算の流れを図3に従って詳細に説明する。
第2電流フィードバック処理器39bは、三軸/dq軸電圧変換器51とdq軸電流推定値算出器50と遅延演算器52,52を備えている。
三軸/dq軸電圧変換器51では、各相の電圧検出値vr,a,vr,b,vr,cが入力され、変換演算を行って界磁電圧Vとトルク電圧Vとを算出し、dq軸電流推定値算出器50に出力する。
ここで、遅延演算器は、dq軸電流推定値算出器50の出力である界磁電流i(k)とトルク電流i(k)とにより、1サンプリング周期前の界磁電流i(k−1)とトルク電流i(k−1)とを算出してdq軸電流推定値算出器50に出力する。
dq軸電流推定値算出器50では、界磁電流i(k−1)とトルク電流i(k−1)と、界磁電圧Vとトルク電圧Vと、モータ角速度ωとを入力として、式(4)に従って界磁電流i(k)とトルク電流i(k)とを推定演算する。これら処理をサンプリング周期ごとに行うことにより、次々にd軸およびq軸における電流値を推定演算する。また、当該推定演算にあたっては、推定誤差を除去するためローパスフィルタなどの濾波処理を施してもよい。
ここで、再び図2に戻って説明を続ける。
異常検出器41は、前記第1電流フィードバック処理部39aと同じく前記電流検出値ir,a,ir,bが入力され、コントロールユニット30の出力異常の判定を行い、その判定結果を出力切換器40に出力する。出力切換器40は、当該判定結果に基づき、前記第1電流処理演算器と前記第2電流フィードバック処理演算器との出力の切換えを選択的に行う。即ち、前記出力切換器40は、前記判定結果が正常であった場合には第1電流処理演算器の演算結果を、前記判定結果が異常であった場合には第2電流フィードバック処理演算器の演算結果をそれぞれ切り換えて最終的な電流フィードバック指令値i,iとして出力する。
なお、異常検出器41の異常判定は、前記前記電流検出値ir,a,ir,bが正常状態(通常稼動状態)では検出されない値を示す場合によって行うか、あるいは前記電流検出値ir,a,ir,bと前述した第2電流フィードバック処理部39bの出力値(推定演算値)との偏差を算出し当該偏差が予め設定される閾値異常の値を示す場合によって行うが、特にこれに限らず種々のものが採用できる。
そして、減算器48a,49bでは、前記電流指令値演算器32の出力(電流値)から、出力切換器40の出力(電流フィードバック値i,i)をd軸、q軸それぞれで減算処理する。この電流フィードバックにより、モータ20の出力トルクの制御を実現している。
電流制御器33は、前記減算器48a,48bの出力を取り込みd軸およびq軸の電圧指令値を演算して、その演算結果をdq/三軸変換器に出力する。当該dq/三軸変換器では、モータ20に実際に印加する制御指令値(電圧値)を各相別に等価変換してデューティ比演算器36に伝達する。当該デューティ比演算器36では、前記dq/三軸変換器の出力結果に基づいてPWM(パルス幅変調)信号の演算を行ってインバータ回路37を駆動する。
インバータ回路37は、図示しない複数のFET(電界効果トランジスタ)駆動回路などから構成され、当該FET駆動回路は前記PWM信号によって、ON/OFFされ、実際にモータ20に印加される電流を制御する。これにより、モータ20は操舵補助指令値Iに基づく駆動電流が供給されて、操向ハンドル1に操舵補助力を伝達して、操舵者の操舵支援を実現している。
なお、コントロールユニット30には、上述の伝達関数のほか、適宜種々の制御部および補償器などを有すことができ、例えばモータ最大電流制限部、自己診断部、情報通信部などを有すことができる。なお、前記情報通信部は、LANやCANなどの情報ネットワークで構成することができる。
したがって、本実施形態によれば、電流フィードバック処理器39は、電流検出器37a,38bの検出結果に基づいて電流フィードバック指令値を処理する第1電流フィードバック処理部39aと、モータ20の端子電圧vr,a,vr,b,vr,cと前記モータ20のモータ角度信号θとに基づいて前記モータ20の電流値を推定して、この推定結果に基づいて電流フィードバック指令値を処理する第2電流フィードバック処理部39bとを備え、コントロールユニット30は異常検出器41が異常を検出しない場合には前記第1電流フィードバック処理部39aの処理結果によりモータ20を制御し、前記異常検出器41が異常を検出した場合には前記第2電流フィードバック処理部39bの処理結果により前記モータを制御するので、何れかの電流検出手段で異常が発生して、例えば正常なものを識別不可能な場合あるいは電流検出センサ全部が異常発生した場合においても、モータの電流値を使用せずに、モータの電流値を推定してアシスト制御を継続することができる。
さらに、本実施形態によれば、例えば、電流検出器37a,38bの一方が異常発生して正常なものを識別不可能な場合、あるいは電流検出器37a,38b全部が異常発生した場合などにおいても、別途装置を設けることなくアシスト制御を継続することができるので、製造コストを抑制することができる。
(第2実施形態)
さらに、図4を参照して、本発明に係る第2実施形態の電動パワーステアリング装置の制御装置について説明する。なお、前述の図1および図2に示した構造と同様な部分の構成については図1および図2と同符号で示し、その説明を簡略化あるいは省略する。
本実施形態では、電流制御においてベクトル制御を行わず、モータ20の相ごとに電流フィードバック指令値をフィードバックして制御を行っている構成である。
電流フィードバック処理器139では、第1電流フィードバック処理演算器139aと第2電流フィードバック処理演算器139bとを備えており、前記第1電流フィードバック処理演算器139aには、電流検出器37a,37cにより検出された電流検出値ir,a,ir,cが入力され、また第2電流フィードバック処理演算器139bにはモータ端子電圧検出器38a,38b,38cにより検出される各相の電圧検出値vr,a,vr,b,vr,cが入力される。なお、本実施形態では、前記電流検出器37a,37cはモータ20のa相とc相とに付設されている。
前記第1電流フィードバック処理演算器139aは、上述した式(1)の関係式があるので、
Figure 2008132920

の式により、残るモータ20のb相の電流値により算出して、モータ20のa相、b相、c相の電流検出値ir,a,ir,b,ir,cを出力切換器141に電流フィードバック値i,i,iとして出力する。
また、三軸―dq軸の電流変換は、
Figure 2008132920

により行うことができるので、この逆変換行列を用いてdq軸から三軸への電流変換は、
Figure 2008132920

により演算することができる。
したがって、前記第2電流フィードバック処理演算器139bは、図5に示した処理を行うことにより、モータ20のa相、b相、c相の電流値を推定して、電流フィードバック値i,i,iとして出力する。即ち、第2電流フィードバック処理演算器139bは、三軸/dq軸電圧変換器51とdq軸電流推定値算出器50と遅延演算器52,52と、さらにdq軸/三軸変換器153とを備えて、dq軸電流推定値算出器50から出力された演算結果を上述した式(7)に従って三相に変換して電流フィードバック値i,i,iを出力している。
ここで再度、図4に戻って説明を続ける。
出力切換器141は、前記第1電流フィードバック処理演算器139aと前記第2電流フィードバック処理演算器139bとの演算結果を取り込む。そして、当該出力切換器141は、異常検出器40が異常を検出しない場合には前記第1電流フィードバック処理演算器139aの演算結果を、異常検出器40が異常を検出する場合には前記第2電流フィードバック処理演算器139bの演算結果を最終的な電流フィードバック値i,i,iとして減算器48a,48b,48cに出力する。
一方、電流指令値演算器132は、加算器47aの出力に基いて、モータ20の各相の電流制御値をそれぞれ算出して、減算器48a,48b,48cに出力する。当該減算器48a,48b,48cは、前記電流指令値演算器132と前記出力切換器140との出力とを取り込み、前記電流指令値演算器132の出力から前記出力切換器140の出力をモータ20の各相に対応して減算演算し、その演算結果を電流制御器133に出力する。当該電流制御器133は前記減算器48a,48b,48cの出力結果に基づき、モータ20の各相における電圧指令値を算出して、この算出結果をデューティ比演算器36に伝達する。それ以外の様態は、第1実施形態と同様である。
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様な効果を奏するが、特に電流フィードバック値をモータ20の各相に対応してそのままフィードバックするので、dq軸への変換演算回数を減らすことができ、演算処理の速度を向上させることができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の様態はこれら実施形態に限られるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。例えば、本実施形態では処理の大部分をソフトウエアにて行っているが、その一部またはすべてをFPGA(Field Programable Gate Array)などのハードウエアで実現してもよい。また、本発明の様態では操舵補助指令値演算器は操舵トルク信号と車速信号とが入力され、これら入力値に基いて操舵指令値を演算したが、少なくとも操舵トルク信号が入力されていればよい。
さらに、第2電流フィードバック処理部の電流推定精度が十分に高ければ、電流検出器を設けず、常時、推定電流でアシスト制御を実施することができ、これにより電動パワーステアリング装置を低コスト化することができるとともに、信頼性の高い電動パワーステアリング装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置を示す概略模式図である。 本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニットのブロック構成図である。 第1実施形態に係る第2電流フィードバック処理器を示すブロック構成図である。 本発明の第2実施形態に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニットのブロック構成図である。 第2実施形態に係る第2電流フィードバック処理器を示すブロック構成図である。
符号の説明
1 操舵ハンドル
2 コラム軸
3 減速ギア
4a,4b ユニバーサルジョイント
5 ピニオンラック機構
6 タイロッド
10 トルクセンサ
11 イグニッションキー
12 車速センサ
14 バッテリ
20 モータ
21 モータ角度検出回路
30 コントロールユニット(制御装置)
31 操舵補助指令値演算器
32 電流指令値演算器(電流指令値演算手段)
33,133 電流制御器(電流制御手段)
37a,37b,37c 電流検出器(電流検出手段)
39 電流フィードバック処理手段
39a,139a 第1電流フィードバック処理器(第1電流フィードバック処理器手段)
39b,139b 第2電流フィードバック処理器(第2電流フィードバック処理器手段)
40,140 出力切換器(出力切換手段)
41 異常検出器(異常検出手段)
50 dq軸電流推定値算出器(dq軸電流推定値算出手段)
51 三軸/dq軸電圧変換器(三軸/dq軸電圧変換手段)
52 遅延素子

Claims (2)

  1. 操向ハンドルに発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも前記操舵トルクに基いて電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータと、当該モータの電流値を検出する電流検出手段と、電流フィードバック指令値を処理する電流フィードバック処理手段と、前記電流フィードバック指令値と前記電流指令値とに基づいて電流制御値を演算出力して前記モータを制御する電流制御手段と、を備えた車両用電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記電流検出手段の検出結果により異常を検出する異常検出手段を備え、
    前記電流フィードバック処理手段は、前記電流検出手段の検出結果に基づいて電流フィードバック指令値を処理する第1電流フィードバック処理部と、前記モータの端子電圧と前記モータの回転数とに基づいて前記モータの電流値を推定して、この推定結果に基づいて電流フィードバック指令値を処理する第2電流フィードバック処理部と、を有し、且つ
    前記異常検出手段が異常を検出しない場合には、前記第1電流フィードバック処理部の処理結果により前記モータを制御し、
    前記異常検出手段が異常を検出した場合には、前記第2電流フィードバック処理部の処理結果により前記モータを制御することを特徴とする車両用電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記モータが3相ブラシレスモータであり、
    前記第2電流フィードバック処理部は、前記モータの界磁電流Iとトルク電流Iを推定するdq軸電流推定値算出手段と、前記モータの各相のモータ端子電圧を界磁電圧Vとトルク電圧Vとに変換する三軸/dq軸電圧変換器とを有し、且つ
    前記dq軸電流推定値算出手段は、前記界磁電圧Vと前記トルク電圧Vと前記モータの回転数と1サンプリング周期前の界磁電流Iとトルク電流Iとを入力として、dq軸電流を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両用電動パワーステアリング装置の制御装置。
JP2006321849A 2006-11-29 2006-11-29 電動パワーステアリング装置の制御装置 Pending JP2008132920A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006321849A JP2008132920A (ja) 2006-11-29 2006-11-29 電動パワーステアリング装置の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006321849A JP2008132920A (ja) 2006-11-29 2006-11-29 電動パワーステアリング装置の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008132920A true JP2008132920A (ja) 2008-06-12

Family

ID=39558078

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006321849A Pending JP2008132920A (ja) 2006-11-29 2006-11-29 電動パワーステアリング装置の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008132920A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012079214A1 (en) * 2010-12-13 2012-06-21 Mediatek Singapore Pte. Ltd. In-vehicle protection system using multiple processing units and/or using mobile phone module to send positioning information
CN104417607A (zh) * 2013-08-29 2015-03-18 株式会社捷太格特 电动动力转向装置
US9065378B2 (en) 2012-02-22 2015-06-23 Denso Corporation AC motor control apparatus
US9676368B2 (en) 2010-12-13 2017-06-13 Mediatek Singapore Pte. Ltd. In-vehicle protection system using multiple processing units and/or using communication module to send positioning information

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012079214A1 (en) * 2010-12-13 2012-06-21 Mediatek Singapore Pte. Ltd. In-vehicle protection system using multiple processing units and/or using mobile phone module to send positioning information
CN102741094A (zh) * 2010-12-13 2012-10-17 联发科技(新加坡)私人有限公司 使用多个处理单元及/或使用行动电话模块以发送定位信息的车用防护系统
US9120445B2 (en) 2010-12-13 2015-09-01 Mediatek Singapore Pte. Ltd. In-vehicle protection system using multiple processing units and/or using mobile phone module to send positioning information
US9676368B2 (en) 2010-12-13 2017-06-13 Mediatek Singapore Pte. Ltd. In-vehicle protection system using multiple processing units and/or using communication module to send positioning information
US9065378B2 (en) 2012-02-22 2015-06-23 Denso Corporation AC motor control apparatus
CN104417607A (zh) * 2013-08-29 2015-03-18 株式会社捷太格特 电动动力转向装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9688302B2 (en) In-vehicle electronic control apparatus
JP6179098B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP1728705B1 (en) Electric power steering apparatus, and method for detecting abnormality of angle detector thereof
US8272474B2 (en) Electric power steering system
WO2010001579A1 (ja) モータ制御装置およびそれを備えた車両用操舵装置
CN101780810B (zh) 电子式动力转向装置
JP6061117B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP3483036B1 (en) Steering control apparatus
CN108688716B (zh) 转向操纵控制装置
JP4778248B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2008290664A (ja) 電動パワーステアリング装置
US11919581B2 (en) Steering control device
JP4910486B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4107030B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2008132920A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP4487988B2 (ja) 電気式動力舵取装置
JP4644013B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2007283891A (ja) 車両用操舵装置
JP3915595B2 (ja) レゾルバを用いた回転角度検出装置およびこの装置を用いた制御装置
JP2006131179A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4759992B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
WO2019016967A1 (ja) 操舵制御装置、電動パワーステアリング装置
EP2130743B1 (en) Electric power steering apparatus
JP5880874B2 (ja) 車両の操舵制御装置
JP2006337208A (ja) 電動パワーステアリング装置