以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る、水中ポンプ1を用いた水中ポンプシステム20を示す。この水中ポンプシステム20は、2台の同じ水中ポンプ1が貯留槽21内における同じ高さ位置(本実施形態では、貯留槽21の水平な底面)に設置されてなる。本実施形態では、貯留槽21は、内部に水(汚水)が流入して貯留される合併浄化槽や排水処理槽であるが、これに限らず、水が貯留されかつ排水が必要な槽であれば、どのようなものであってもよい。そして、後述の如く、貯留槽21内の水位に応じて、水中ポンプ1が貯留槽21内の水を貯留槽21外へ排出する。
2台の水中ポンプ1は同じものであるので、以下では、1つの水中ポンプ1の構成のみを説明する。また、2台の水中ポンプ1について区別するときには、一方を水中ポンプ1Aといい、他方を水中ポンプ1Bという。
図2に示すように、水中ポンプ1のポンプ本体1aは、モータ2を収容する金属製のモータケーシング3と、このモータケーシング3の上ケーシング部3aの上側を覆うように上ケーシング部3aに装着された樹脂製のモータカバー5と、ポンプ本体1aの最下部に位置して不図示の羽根車を収容する樹脂製のポンプケーシング6と、モータケーシング3とポンプケーシング6との間に配置され、内部に潤滑油を収容する油室を構成する油室ハウジング7とを備えている。
上記モータ2は、駆動軸2bを含むロータ部2aと、このロータ部2aの外周側を囲むように配設されたステータ部2cとを有している。駆動軸2bは、油室ハウジング7と上ケーシング部3とにそれぞれ軸受8を介して上下方向に軸心回りに回転自在に支持されている。駆動軸2bの下部は、油室ハウジング7を上下方向に貫通してポンプケーシング6まで延びて、その下端部に上記羽根車が装着されている。
ポンプケーシング6の下面には、ポンプケーシング6内に水を吸い込むための吸込み口6aが設けられており、ポンプケーシング6の上面には、吐出管18が接続される吐出口6bが設けられている。また、ポンプケーシング6の下面における吸込み口6aを除く部分には、水中ポンプ1を貯留槽21の底面に設置するための複数の脚6cが設けられており、これら脚6cにより、吸込み口6aは貯留槽21の底面から僅かに離れた高さ位置に位置することになる。
水中ポンプ1が起動(運転)される、つまり、モータ2が駆動されると、ロータ部2a(駆動軸2b)及び上記羽根車が回転し、これにより、貯留槽21内の水が吸込み口6aからポンプケーシング6内に吸い込まれ、この吸い込まれた水が吐出口6bからポンプケーシング6の外側へ吐出される。図1に示すように、吐出口6bには、貯留槽21の外側へ延びる吐出管18が接続されるので、この吐出管18を介して、貯留槽21内の水が貯留槽21外へ排出されることになる。
上記上ケーシング部3aの上面には、回路基板12が取り付けられている。この回路基板12は、プリント基板からなり、この回路基板12上に、制御コントローラ13やその他の電装品を含む回路部品と、後述の第1水位センサ10とが実装されている。回路基板12上には、銅箔で形成された導通パターンがプリントされており、上記実装された回路部品と導通パターンとによって、モータ2を駆動するための回路が構成されている。尚、回路基板12には、水中ポンプ1の外部の電源からモータ2等に電力を供給する電源ケーブルが接続されており、この電源ケーブルは、モータカバー5を貫通して上方へ延びている。
ポンプ本体1aには、貯留槽21内の水位が第1所定水位以上であることを検出する第1水位センサ10が設けられている。本実施形態では、第1水位センサ10は、静電容量型水位センサであって、2つの電極10a,10b(10c)を有している。一方の電極10aは、上記第1所定水位に対応する高さ位置に位置付けられていて、モータカバー5の外側に露出している。第1水位センサ10自体の他方の電極10bは、モータカバー5内で金属製のモータケーシング3の上ケーシング部3aに接続されているため、本実施形態では、モータケーシング3が第1水位センサ10の他方の電極10cを構成することになる。
そして、空気の比誘電率は約1であり、また水の比誘電率は50であるため、一方の電極10aと他方の電極10c(モータケーシング3)との間の誘電率の測定結果による相違から、電極10aが水に浸かっているか、又は、空気中に露出しているかを識別することができる。したがって、貯留槽21内の水位が第1所定水位以上になると、電極10aが水に浸かる(このとき、モータケーシング3も水に浸かる)ため、第1水位センサ10は、貯留槽21内の水位が第1所定水位以上であることを検出することができることになる。第1水位センサ10は、電極10aが水に浸かっているとき、ON状態となり、電極10aが水に浸かっていないとき、OFF状態となるものとする。
尚、第1水位センサ10としては、上記のような構成のものに限らず、例えば、モータケーシング3又はモータカバー5に取り付けられるセンサ本体部と、該センサ本体部に互いに近接して配設された一対の電極とを有し、2つの電極が共に水に浸かったときに、貯留槽21内の水位が第1所定水位以上であることを検出するようなものであってもよい。或いは、第1水位センサ10をフロートスイッチで構成してもよい(後述の実施形態3で説明する第2水位センサ11も同様である)。
上記第1所定水位は、貯留槽21内への水の流入速度が所定速度(通常生じ得る速度の最大値)以下である場合において、該第1所定水位で1つの水中モータ1を起動しないと、貯留槽21から水が溢れる可能性がある水位よりも低い水位であって、この水位で毎回水中ポンプ1が起動しても水中ポンプ1の起動頻度が頻繁になり過ぎない水位である。
上記制御コントローラ13は、水中ポンプ1の起動及び停止を制御する制御手段を構成する。本実施形態では、制御コントローラ13は、周知のマイクロコンピュータをベースとするものであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)等を有し、そのプログラムの実行により後述の如く水中ポンプ1を動作させる。尚、制御手段としては、CPUのようにプログラムで動作するものに限らず、種々の回路部品を組み合わせてなる制御回路で構成することも可能である。このような制御回路は、例えば、後述の如く第1水位センサ10のON状態になってから第1所定時間T1又は第2所定時間T2後に水中ポンプ1を起動させるための2種類のタイマ回路(遅延回路)を有する。
制御コントローラ13は、回路基板12上の導通パターンを介して、第1水位センサ10からのON又はOFF情報を入力する。そして、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の起動タイミングとして、第1水位センサ10により貯留槽21内の水位が上記第1所定水位以上であることを検出したことを少なくとも含む第1の所定条件が成立したときである第1の起動タイミング、又は、第1水位センサ10による上記検出状態にありかつ上記第1の起動タイミングよりも遅いタイミングであって第2の所定条件が成立したときである第2の起動タイミングに設定する。
本実施形態では、上記第1の所定条件は、第1水位センサ10による上記検出がなされかつ該検出状態(第1水位センサ10のON状態)が第1所定時間T1継続した、という条件である。上記第2の所定条件は、第1水位センサ10による上記検出状態が、上記第1所定時間T1よりも長い第2所定時間T2継続した、という条件である。
上記第1所定時間T1は、第1水位センサ10の電極10aが水に浸かり始める際のチャタリングによる誤作動を防止するための時間であって、誤作動を防止出来る範囲で出来る限り短いことが好ましい。本実施形態では、T1=3sとする。本実施形態では、このように第1の起動タイミングは、第1水位センサ10による上記検出がなされかつ該検出状態が第1所定時間T1継続したときであるが、第1水位センサ10による上記検出がなされたときであってもよい。この場合、後述のフローチャート(図3)では、T1=0とすればよい。
上記第2所定時間T2は、貯留槽21内への水の流入速度が上記所定速度以下である場合において、第1の起動タイミングで起動した一方の水中ポンプ1Aの排水動作により、後述の如く第2の起動タイミングとされている他方の水中ポンプ1Bにて、第1水位センサ10による上記検出から第2所定時間T2が経過する前に、第1水位センサ10による上記検出がなされなくなる(第1水位センサ10がOFF状態となる)ような時間である。本実施形態では、T2=20sとする。
また、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の起動後において、第1水位センサ10による上記検出がなされなくなった後(第1水位センサ10がOFF状態となった後)に第3の所定条件が成立したときに、該水中ポンプ1を停止させる。
上記第3の所定条件は、本実施形態では、第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったとき(第1水位センサ10がOFF状態となったとき)から、予め設定された設定時間Tsが経過した、という条件である。この設定時間は、水中ポンプ1が停止したときに、貯留槽21内の水位が、吸込み口6aよりも高い水位であって水中ポンプ1の起動及び停止が頻繁に行われない水位(上記第1所定水位との差が出来る限り大きい水位)になるような時間である。
さらに、制御コントローラ13は、上記第1の起動タイミングで水中ポンプ1を起動させたときには、該水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを上記第2の起動タイミングに設定する。
また、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが上記第2の起動タイミングに設定されているときにおいて、上記第1水位センサ10による上記検出がなされた後、上記第2の所定条件が成立する前(第1水位センサ10による上記検出状態が第2所定時間T2継続する前)に第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったとき(第1水位センサ10がOFF状態になったとき)には、水中ポンプ1の起動タイミングを上記第2の起動タイミングから上記第1の起動タイミングに変更設定する一方、上記第2の所定条件が成立して(第1水位センサ10による上記検出状態が第2所定時間T2継続して)上記第2の起動タイミングで水中ポンプ1を起動させたときには、該水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを、上記第1の起動タイミング及び上記第2の起動タイミングの中の1つのタイミング(上記第1の起動タイミング又は上記第2の起動タイミング)にランダムに設定する。すなわち、第2の起動タイミングで起動した水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングは、1/2の確率で、上記第1の起動タイミング又は上記第2の起動タイミングとなる。
ここで、制御コントローラ13による制御動作を図3のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS1で、カウンタ値nを1にセットする。このカウンタ値nは、後述のステップS11で3になることはあるが、3になっても、後述のステップS13で1又は2となるので、基本的に1又は2にしかならない。尚、ステップS1で、カウンタ値nを2に設定してもよく、或いは、1又は2にランダムに設定してもよい。
次のステップS2で、カウンタ値nが1であるか否かを判定する。このステップS2の判定がYESであるとき、つまりn=1であるときには、ステップS3に進んで、第1水位センサ10がON状態になってからの起動タイミングまでの時間TnをT1(上記第1所定時間)に設定し、しかる後にステップS5に進む。一方、ステップS2の判定がNOであるとき、つまりn=2であるときには、ステップS4に進んで、上記時間TnをT2(上記第2所定時間)に設定し、しかる後にステップS5に進む。すなわち、n=1のとき、水中ポンプ1の起動タイミングが第1の起動タイミングに設定され、n=2のとき、水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されることになる。
上記ステップS5では、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定する。このステップS5の判定がNOであるときには、ステップS5の動作を繰り返す一方、ステップS5の判定がYESになると、ステップS6に進む。
上記ステップS6では、第1水位センサ10がON状態になってからの経過時間T(第1水位センサ10がON状態になったときにカウントを開始したタイマ(制御コントローラ13内に設けられている)によるカウント時間)がTn(T1又はT2)以上であるか否かを判定する。このステップS6の判定がNOであるときには、ステップS7に進む一方、ステップS6の判定がYESであるときには、ステップS10に進む。
上記ステップS7では、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定し、このステップS7の判定がYESであるときには、上記ステップS6に戻る。一方、ステップS7の判定がNOであるとき、つまり、第1水位センサ10のON状態がTn時間継続する前に第1水位センサ10がOFF状態となったときには、ステップS8に進んで、カウンタ値nが2であるか否か、つまり、水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているか否かを判定する。
上記ステップS8の判定がYESであるときには、ステップS9に進んで、n=1に設定し、しかる後にステップS2に戻る。すなわち、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているときにおいて、第1水位センサ10による上記検出がなされた後、第1水位センサ10による上記検出状態が第2所定時間T2継続する前に第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったときには、nを1に設定して、ステップS3でTnをT1に設定することになる。つまり、水中ポンプ1の起動タイミングを第2の起動タイミングから第1の起動タイミングに変更設定することになる。
上記ステップS8の判定がNOであるときには、カウンタ値nを変更することなく(n=1のまま)、ステップS2に戻る。すなわち、ステップS8の判定がNOとなるのは、第1の起動タイミングに設定されているときに、第1水位センサ10の電極10aが水に浸かり始める際のチャタリングにより、第1水位センサ10がON状態になってから直ぐにOFF状態となった場合や当該水中ポンプ1Aとは別の水中ポンプ1Bが先に起動した場合であると考えられるので、そのままステップS2に戻す。
上記ステップS6の判定がYESであるときに進むステップS10では、水中ポンプ1を起動する。すなわち、n=1であれば、水中ポンプ1を第1の起動タイミングで(第1水位センサ10のON状態がT1時間継続したときに)起動させ、n=2であれば、水中ポンプ1を第2の起動タイミングで(第1水位センサ10のON状態がT2時間継続したときに)起動させることになる。
次のステップS11では、カウンタ値nに1を加算し、次のステップS12で、カウンタ値nが2よりも大きいか否かを判定する。
上記ステップS12の判定がYESであるとき、つまり水中ポンプ1を第2の起動タイミングで起動させたときには、ステップS13に進んで、カウンタ値nを1又は2にランダムに設定し、しかる後にステップS14に進む。一方、ステップS12の判定がNOであるとき、つまり水中ポンプ1を第1の起動タイミングで起動させたときには、そのままステップS14に進む(n=2となっている)。すなわち、水中ポンプ1を第2の起動タイミングで起動させたときには、カウンタ値nを1又は2にランダムに設定する、つまり、水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを、第1の起動タイミング及び第2の起動タイミングの中の1つのタイミング(第1の起動タイミング又は第2の起動タイミング)にランダムに設定する。一方、水中ポンプ1を第1の起動タイミングで起動させたときには、カウンタ値nを2にする、つまり、水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを、第2の起動タイミングに設定する。
上記ステップS14では、水中ポンプ1の停止条件(上記第3の所定条件)が成立したか否か、つまり第1水位センサ10がOFF状態となったときから設定時間Tsが経過したか否かを判定する。このステップS14の判定がNOであるときには、ステップS14の動作を繰り返し、ステップS14の判定がYESになると、ステップS15に進んで、水中ポンプ1を停止させ、しかる後にステップS2に戻る。
上記制御コントローラ13による制御動作により、2台の水中ポンプ1の貯留槽21内設置直後における1回目の起動では、いずれの水中ポンプ1についてもn=1であるので、2台の水中ポンプ1が第1の起動タイミングで略同時に起動する。また、2回目の起動では、ステップS11でn=2となっているので、2台の水中ポンプ1が第2の起動タイミングで略同時に起動する。尚、ステップS1でカウンタ値nを、1に設定する代わりに、2に設定した場合には、貯留槽21内設置直後における1回目の起動で、2台の水中ポンプ1が第2の起動タイミングで略同時に起動することになる。
第2の起動タイミングでの起動後、ステップS13で、2台の水中ポンプ1の次の起動タイミングが、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムにそれぞれ設定されるので、1/2の確立で、一方の水中ポンプ1Aと他方の水中ポンプ1Bとで起動タイミングが異なるようになる。また、たとえ同じ起動タイミングとなったとしても、2台の水中ポンプ1が再び第2の起動タイミングで略同時に起動した後は、2台の水中ポンプ1の次の起動タイミングが、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムに設定されるので、遅かれ早かれ、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なるようになる。
こうして2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なるようになれば、以後の起動は、通常、一方の水中ポンプ1Aと他方の水中ポンプ1Bとで交互に生じる。すなわち、一方の水中ポンプ1Aの起動タイミングが第1の起動タイミングに設定され、他方の水中ポンプ1Bの起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているとした場合、水中ポンプ1Aは、第1水位センサ10のON状態がT1時間(3秒)継続したときに(第1の起動タイミングで)、第2の起動タイミングに設定されている水中ポンプ1Bよりも先に起動する(ステップS10)。貯留槽21内への水の流入速度が上記所定速度以下である場合には、水中ポンプ1Aの起動による排水動作により、水中ポンプ1Bにて、第1水位センサ10のON状態がT2時間(20秒)継続する前に、第1水位センサ10がOFF状態となる(ステップS7の判定がNOとなる)。このため、水中ポンプ1Bは起動することがなく、水中ポンプ1Bの起動タイミングが第2の起動タイミングから第1の起動タイミングに変更される(ステップS9)。また、水中ポンプ1Aは、上記停止条件が成立したときに停止する(ステップS15)。この水中ポンプ1Aでは、ステップS11でn=2となるので、水中ポンプ1Aの次の起動タイミングが第2の起動タイミングとなる。この結果、次回は、水中ポンプ1Bが起動し、水中ポンプ1Aは起動しないことになる。
また、水中ポンプ1Aの起動後、貯留槽21内への水の流入速度が上記所定速度よりも大きいために、水中ポンプ1Bにて、第1水位センサ10による上記検出状態がT2時間継続したときには、水中ポンプ1Bも起動するので、2台の水中ポンプ1の作動により、貯留槽21から水が溢れるのを防止することができる。このようにして水中ポンプ1Bが起動した場合、この水中ポンプ1Bの次の起動タイミングは、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムに設定されるので、問題は生じない。すなわち、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが同じになる可能性はあるが、同じになっても、上記の如く、遅かれ早かれ、2台の水中ポンプ1で起動タイミングが異なるようになる。
さらに、使用している間に何等かの異常が生じて2台の水中ポンプ1の起動タイミングが同じになったとしても、上記の如く、遅かれ早かれ、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なるようになる。
したがって、本実施形態1では、2台の同じ水中ポンプ1を貯留槽21内に設置する際に、一方の水中ポンプ1Aの起動タイミングを他方の水中ポンプ1Bの起動タイミングと異ならせるような作業を行う必要がなく、しかも、長期間に亘って2台の水中ポンプ1の自動交互運転を確実に行えるようにすることができる。
尚、ステップS1で、カウンタ値nを1又は2にランダムに設定する(つまり、水中ポンプ1の貯留槽21内設置直後の起動タイミングを、上記第1の起動タイミング及び上記第2の起動タイミングの中の1つのタイミング(上記第1の起動タイミング又は上記第2の起動タイミング)にランダムに設定する)ようにすれば、最初から、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なる場合があり、2台の水中ポンプ1をより一層早期に交互運転させることが可能になる。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係る、制御コントローラ13による制御動作を示す。本実施形態では、制御コントローラ13による制御動作でカウンタ値nを用いないようにして、水中ポンプ1の起動タイミングを、上記第1の起動タイミング及び上記第2の起動タイミングの中の1つのタイミング(上記第1の起動タイミング又は上記第2の起動タイミング)に設定するようにしたものであり、ハード構成は、上記実施形態1と同様である。
すなわち、最初のステップS21で、第1水位センサ10がON状態になってからの起動タイミングまでの時間TnをT1(上記実施形態1のT1と同じであって、第1所定時間に相当する)に設定する。上記時間Tnは、T1又はT2(上記実施形態1のT2と同じであって、第2所定時間に相当する)に設定されるものである。尚、ステップS21で、上記時間TnをT2に設定してもよく、或いは、T1又はT2にランダムに設定してもよい。
次のステップS22で、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定する。このステップS22の判定がNOであるときには、ステップS22の動作を繰り返す一方、ステップS22の判定がYESになると、ステップS23に進む。
上記ステップS23では、第1水位センサ10がON状態になってからの経過時間T(第1水位センサ10がON状態になったときにカウントを開始したタイマーによるカウント時間)がTn(T1又はT2)以上であるか否かを判定する。このステップS23の判定がNOであるときには、ステップS24に進む一方、ステップS23の判定がYESであるときには、ステップS27に進む。
上記ステップS24では、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定し、このステップS24の判定がYESであるときには、上記ステップS23に戻る。一方、ステップS24の判定がNOであるとき、つまり、第1水位センサ10のON状態がTn時間継続する前に第1水位センサ10がOFF状態となったときには、ステップS25に進んで、TnがT2であるか否か、つまり、水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているか否かを判定する。
上記ステップS25の判定がYESであるときには、ステップS26に進んで、TnをT1に設定し、しかる後にステップS22に戻る。すなわち、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているときにおいて、第1水位センサ10による上記検出がなされた後、第1水位センサ10による上記検出状態が第2所定時間T2継続する前に第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったときには、TnをT1に設定することになる。つまり、水中ポンプ1の起動タイミングを第2の起動タイミングから第1の起動タイミングに変更設定することになる。
上記ステップS25の判定がNOであるときには、Tnを変更することなく(Tn=T1のまま)、ステップS22に戻る。これは、上記のように、第1水位センサ10の電極10aが水に浸かり始める際のチャタリングや当該水中ポンプ1Aとは別の水中ポンプ1Bが先に起動した場合を考慮したものである。
上記ステップS23の判定がYESであるときに進むステップS27では、水中ポンプ1を起動する。すなわち、Tn=T1であれば、水中ポンプ1を第1の起動タイミングで(第1水位センサ10のON状態がT1時間継続したときに)起動させ、Tn=T2であれば、水中ポンプ1を第2の起動タイミングで(第1水位センサ10のON状態がT2時間継続したときに)起動させることになる。
次のステップS28では、TnがT1であるか否かを判定する。このステップS28の判定がYESであるとき、つまり水中ポンプ1を第1の起動タイミングで起動させたときには、ステップS29に進んで、TnをT2に設定し、しかる後にステップS31に進む。一方、ステップS28の判定がNOであるとき、つまり水中ポンプ1を第2の起動タイミングで起動させたときには、ステップS30に進んで、TnをT1又はT2にランダムに設定し、しかる後にステップS31に進む。
上記ステップS31では、水中ポンプ1の停止条件(上記第3の所定条件)が成立したか否か、つまり第1水位センサ10がOFF状態となったときから設定時間Ts(上記実施形態1のTsと同じ)が経過したか否かを判定する。このステップS31の判定がNOであるときには、ステップS31の動作を繰り返し、ステップS31の判定がYESになると、ステップS32に進んで、水中ポンプ1を停止させ、しかる後にステップS22に戻る。
本実施形態では、水中ポンプ1の起動タイミングは、上記実施形態1と同様に設定される。これにより、2台の水中ポンプ1の貯留槽21内設置直後における1回目の起動では、2台の水中ポンプ1が第1の起動タイミングで略同時に起動し、2回目の起動では、2台の水中ポンプ1が第2の起動タイミングで略同時に起動する。そして、2回目の起動後、ステップS30で、2台の水中ポンプ1の次の起動タイミングが、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムにそれぞれ設定されるので、1/2の確立で、一方の水中ポンプ1Aと他方の水中ポンプ1Bとで起動タイミングが異なるようになる。また、たとえ同じ起動タイミングとなったとしても、2台の水中ポンプ1が再び第2の起動タイミングで略同時に起動した後は、2台の水中ポンプ1の次の起動タイミングが、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムに設定されるので、遅かれ早かれ、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なるようになる。したがって、上記実施形態1と同様の作用効果が得られる。
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3を示し、上記第1水位センサ10に加えて、貯留槽21内の水位が、上記第1所定水位よりも高い第2所定水位以上であることを検出する第2水位センサ11を設けるようにしたものである。
上記第2水位センサ11は、第1水位センサ10と同様の静電容量型水位センサであって、一方の電極11aは、上記第2所定水位に対応する高さ位置に位置付けられるように、モータカバー5の上側に突出して延びている支持棒23に取り付けられて支持されている。他方の電極は、図示は省略するが、第1水位センサ10と同様にモータケーシング3で構成されている。したがって、貯留槽21内の水位が上記第2所定水位以上になると、電極11aが水に浸かるため、第2水位センサ11は、貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることを検出することができることになる。第2水位センサ11は、電極11aが水に浸かっているとき、ON状態となり、電極11aが水に浸かっていないとき、OFF状態となるものとする。この第2水位センサ11からのON又はOFF情報も、第1水位センサ10からのON又はOFF情報と同様に、制御コントローラ13に入力される。
制御コントローラ13は、上記実施形態1及び2と同様に、水中ポンプ1の起動タイミングとして、第1の所定条件が成立したときである第1の起動タイミング、又は、第2の所定条件が成立したときである第2の起動タイミングに設定する。
本実施形態では、上記第1の所定条件は、上記第1水位センサ10により貯留槽21内の水位が上記第1所定水位以上であることを検出した、という条件であり、上記第2の所定条件は、第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が上記第2所定水位以上であることを検出した、という条件である。尚、本実施形態では、上記実施形態1で説明したチャタリングを考慮しないが、これを考慮してもよい。この場合、第1の起動タイミングは、第1水位センサ10による上記検出がなされかつ該検出状態が上記第1所定時間T1継続したとき(第1水位センサ10による上記検出後に上記第1の所定条件が成立したとき)であり、第2の起動タイミングは、第2水位センサ11による上記検出状態が第3所定時間T3継続したときとなる。第3所定時間T3は、第1所定時間T1と同様に、チャタリングによる誤作動を防止するための時間であって、第1所定時間T1と同じ時間(例えば3s)とすればよいが、それに限定されず自由に設定することができ、第1所定時間T1とは異なってもよい。
上記第2所定水位は、上記実施形態1(及び実施形態2)における上記第2所定時間T2と同様に、貯留槽21内への水の流入速度が上記所定速度以下である場合において、第1の起動タイミングで起動した水中ポンプ1Aの排水動作により、第2の起動タイミングとされている水中ポンプ1Bにて、第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることが検出される前に、第1水位センサ10による貯留槽21内の水位が第1所定水位以上であることの検出がなされなくなるような水位である。
そして、制御コントローラ13は、上記第1の起動タイミングで水中ポンプ1を起動させたときには、該水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを上記第2の起動タイミングに設定する。
また、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが上記第2の起動タイミングに設定されているときにおいて、第1水位センサ10による上記検出がなされた後、上記第2の所定条件が成立する前(第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることを検出する前)に第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったときには、水中ポンプ1の起動タイミングを上記第2の起動タイミングから上記第1の起動タイミングに変更設定する一方、上記第2の所定条件が成立して(第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることを検出して)上記第2の起動タイミングで水中ポンプ1を起動させたときには、該水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを、上記第1の起動タイミング及び上記第2の起動タイミングの中の1つのタイミング(上記第1の起動タイミング又は上記第2の起動タイミング)にランダムに設定する。
さらに、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の起動後において、第1水位センサ10による上記検出がなされなくなった後に第3の所定条件が成立したとき(第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったときから設定時間Tsが経過したとき)に、該水中ポンプ1を停止させる。
ここで、制御コントローラ13による制御動作を図6のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS41で、カウンタ値nを1にセットする。このカウンタ値nは、後述のステップS51で3になることはあるが、3になっても、後述のステップS53で1又は2となるので、基本的に1又は2にしかならない。尚、ステップS41で、カウンタ値nを2に設定してもよく、或いは、1又は2にランダムに設定してもよい。
次のステップS42で、カウンタ値nが1であるか否かを判定する。このステップS42の判定がYESであるとき、つまりn=1であるときには、ステップS43に進んで、第1又は第2の起動タイミングに対応する基準水位Lnを、第1所定水位L1に設定し、しかる後にステップS45に進む。一方、ステップS42の判定がNOであるとき、つまりn=2であるときには、ステップS44に進んで、上記基準水位Lnを第2所定水位L2に設定し、しかる後にステップS45に進む。
上記ステップS45では、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定する。このステップS45の判定がNOであるときには、ステップS45の動作を繰り返す一方、ステップS45の判定がYESになると、ステップS46に進む。
上記ステップS46では、貯留槽21内の水位Lが基準水位Ln(L1又はL2)以上であるか否かを判定する。n=1であれば、ステップS46の判定は、ステップS45と実質的に同じ判定である。ステップS46の判定がNOであるときには、ステップS47に進む一方、ステップS46の判定がYESであるときには、ステップS50に進む。
上記ステップS47では、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定し、このステップS47の判定がYESであるときには、上記ステップS46に戻る。一方、ステップS47の判定がNOであるときには、ステップS48に進んで、カウンタ値nが2であるか否か、つまり、水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているか否かを判定する。
上記ステップS48の判定がYESであるときには、ステップS49に進んで、n=1に設定し、しかる後にステップS42に戻る。すなわち、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているときにおいて、第1水位センサ10による上記検出がなされた後、第2水位センサ11による上記検出がなされる前に第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったときには、nを1に設定して、ステップS43で基準水位LnをL1に設定することになる。つまり、水中ポンプ1の起動タイミングを第2の起動タイミングから第1の起動タイミングに変更設定することになる。
上記ステップS48の判定がNOであるときには、カウンタ値nを変更することなく(n=1のまま)、ステップS42に戻る。本実施形態で、このような動作になるのは、n=1の場合(第1の起動タイミングに設定されている場合)において、ステップS45〜S47の動作の間に第1水位センサ10がON状態からOFF状態になるようなチャタリングが発生したときであるが、ステップS45〜S47の動作の間の時間は極めて短いので、ステップS45の判定がYESになると、通常は、ステップS46の判定もYESとなってステップS50に進むことになり、上記の動作は殆ど起こらない。尚、ステップS47の判定がNOであるときには、ステップS48の動作を省略して、ステップS49に進むようにしてもよい。
上記ステップS46の判定がYESであるときに進むステップS50では、水中ポンプ1を起動する。すなわち、n=1であれば、水中ポンプ1を第1の起動タイミングで(第1水位センサ10により貯留槽21内の水位が第1所定水位以上であることを検出したときに)起動させ、n=2であれば、水中ポンプ1を第2の起動タイミングで(第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることを検出したときに)起動させることになる。
次のステップS51では、カウンタ値nに1を加算し、次のステップS52で、カウンタ値nが2よりも大きいか否かを判定する。
上記ステップS52の判定がYESであるとき、つまり水中ポンプ1を第2の起動タイミングで起動させたときには、ステップS53に進んで、カウンタ値nを1又は2にランダムに設定し、しかる後にステップS54に進む。一方、ステップS52の判定がNOであるとき、つまり水中ポンプ1を第1の起動タイミングで起動させたときには、そのままステップS54に進む(n=2となっている)。すなわち、水中ポンプ1を第2の起動タイミングで起動させたときには、カウンタ値nを1又は2にランダムに設定する、つまり、水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムに設定する。一方、水中ポンプ1を第1の起動タイミングで起動させたときには、カウンタ値nを2にする、つまり、水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを、第2の起動タイミングに設定する。
上記ステップS54では、水中ポンプ1の停止条件(上記第3の所定条件)が成立したか否か、つまり第1水位センサ10がOFF状態となったときから設定時間Ts(上記実施形態1のTsと同じ)が経過したか否かを判定する。このステップS54の判定がNOであるときには、ステップS54の動作を繰り返し、ステップS54の判定がYESになると、ステップS55に進んで、水中ポンプ1を停止させ、しかる後にステップS42に戻る。
上記制御コントローラ13による制御動作により、2台の水中ポンプ1の貯留槽21内設置直後における1回目の起動では、いずれの水中ポンプ1についてもn=1であるので、2台の水中ポンプ1が第1の起動タイミングで(第1水位センサ10により貯留槽21内の水位が第1所定水位以上であることを検出したときに)略同時に起動する。また、2回目の起動では、ステップS51でn=2となっているので、2台の水中ポンプ1が第2の起動タイミングで(第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることを検出したときに)略同時に起動する。
2回目の起動後、ステップS53で、2台の水中ポンプ1の次の起動タイミングが、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムにそれぞれ設定されるので、1/2の確立で、一方の水中ポンプ1Aと他方の水中ポンプ1Bとで起動タイミングが異なるようになる。また、たとえ同じ起動タイミングとなったとしても、2台の水中ポンプ1が再び第2の起動タイミングで略同時に起動した後は、2台の水中ポンプ1の次の起動タイミングが第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムに設定されるので、遅かれ早かれ、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なるようになる。
こうして2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なるようになれば、以後の起動は、通常、一方の水中ポンプ1Aと他方の水中ポンプ1Bとで交互に生じる。すなわち、一方の水中ポンプ1Aの起動タイミングが第1の起動タイミングに設定され、他方の水中ポンプ1Bの起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているとした場合、水中ポンプ1Aは、第1水位センサ10がONになったとき、つまり第1水位センサ10により貯留槽21内の水位が第1所定水位以上であることを検出したときに(第1の起動タイミングで)、第2の起動タイミングに設定されている水中ポンプ1Bよりも先に起動する(ステップS50)。貯留槽21内への水の流入速度が上記所定速度以下である場合には、水中ポンプ1Aの起動による排水動作により、水中ポンプ1Bにて、第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることを検出する前に、第1水位センサ10がOFF状態となる(ステップS47の判定がNOとなる)。このため、水中ポンプ1Bは起動することがなく、水中ポンプ1Bの起動タイミングが第2の起動タイミングから第1の起動タイミングに変更される(ステップS49)。また、水中ポンプ1Aは、上記停止条件が成立したときに停止する(ステップS55)。この水中ポンプ1Aでは、ステップS51でn=2となるので、水中ポンプ1Aの次の起動タイミングが第2の起動タイミングとなる。この結果、次回は、水中ポンプ1Bが起動し、水中ポンプ1Aは起動しないことになる。
また、水中ポンプ1Aの起動後、貯留槽21内への水の流入速度が上記所定速度よりも大きいために、水中ポンプ1Bにて、第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることが検出されたときには、水中ポンプ1Bも起動するので、2台の水中ポンプ1の作動により、貯留槽21から水が溢れるのを防止することができる。このようにして水中ポンプ1Bが起動した場合、この水中ポンプ1Bの次の起動タイミングは、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムに設定されるので、問題は生じない。すなわち、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが同じになる可能性はあるが、同じになっても、上記の如く、遅かれ早かれ、2台の水中ポンプ1で起動タイミングが異なるようになる。
さらに、使用している間に何等かの異常が生じて2台の水中ポンプ1の起動タイミングが同じになったとしても、上記の如く、遅かれ早かれ、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なるようになる。
したがって、本実施形態3においても、上記実施形態1及び2と同様の作用効果を得ることができる。
(実施形態4)
図7は、本発明の実施形態4に係る、制御コントローラ13による制御動作を示す。本実施形態では、上記実施形態3のように第1水位センサ10及び第2水位センサ11を設けた場合において、上記実施形態2のように、制御コントローラ13による制御動作でカウンタ値nを用いないようにして、水中ポンプ1の起動タイミングを、上記第1の起動タイミング及び上記第2の起動タイミングの中の1つのタイミング(上記第1の起動タイミング又は上記第2の起動タイミング)に設定するようにしたものであり、ハード構成は、上記実施形態3と同様である。
すなわち、最初のステップS61で、第1又は第2の起動タイミングに対応する基準水位Lnを第1所定水位L1に設定する。尚、ステップS61で、上記基準水位Lnを第2所定水位L2に設定してもよく、或いは、第1所定水位L1又は第2所定水位L2にランダムに設定してもよい。
次のステップS62で、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定する。このステップS62の判定がNOであるときには、ステップS62の動作を繰り返す一方、ステップS62の判定がYESになると、ステップS63に進む。
上記ステップS63では、貯留槽21内の水位Lが基準水位Ln(L1又はL2)以上であるか否かを判定する。基準水位LnがL1であれば、ステップS63の判定は、ステップS62と実質的に同じ判定である。ステップS63の判定がNOであるときには、ステップS64に進む一方、ステップS63の判定がYESであるときには、ステップS67に進む。
上記ステップS64では、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定し、このステップS64の判定がYESであるときには、上記ステップS63に戻る。一方、ステップS64の判定がNOであるときには、ステップS65に進んで、基準水位LnがL2であるか否か、つまり、水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているか否かを判定する。
上記ステップS65の判定がYESであるときには、ステップS66に進んで、基準水位LnをL1に設定し、しかる後にステップS62に戻る。すなわち、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているときにおいて、第1水位センサ10による上記検出がなされた後、第2水位センサ11による上記検出がなされる前に第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったときには、基準水位LnをL1に設定することになる。つまり、水中ポンプ1の起動タイミングを第2の起動タイミングから第1の起動タイミングに変更設定することになる。
上記ステップS65の判定がNOであるときには、Lnを変更することなく(Ln=L1のまま)、ステップS62に戻る。このような動作になるのは、第1の起動タイミングに設定されている場合において、ステップS62〜S64の動作の間に第1水位センサ10がON状態からOFF状態になるようなチャタリングが発生したときであるが、ステップS62〜S64の動作の間の時間は極めて短いので、ステップS62の判定がYESになると、通常は、ステップS63の判定もYESとなってステップS67に進むことになり、上記の動作は殆ど起こらない。尚、ステップS64の判定がNOであるときには、ステップS65の動作を省略して、ステップS66に進むようにしてもよい。
上記ステップS63の判定がYESであるときに進むステップS67では、水中ポンプ1を起動する。すなわち、Ln=L1であれば、水中ポンプ1を第1の起動タイミングで(第1水位センサ10により貯留槽21内の水位が第1所定水位以上であることを検出したときに)起動させ、Ln=L2であれば、水中ポンプ1を第2の起動タイミングで(第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることを検出したときに)起動させることになる。
次のステップS68では、基準水位LnがL1であるか否かを判定する。このステップS68の判定がYESであるとき、つまり水中ポンプ1を第1の起動タイミングで起動させたときには、ステップS69に進んで、基準水位LnをL2に設定し、しかる後にステップS71に進む。一方、ステップS68の判定がNOであるとき、つまり水中ポンプ1を第2の起動タイミングで起動させたときには、ステップS70に進んで、基準水位LnをL1又はL2にランダムに設定し、しかる後にステップS71に進む。
上記ステップS71では、水中ポンプ1の停止条件(上記第3の所定条件)が成立したか否か、つまり第1水位センサ10がOFF状態となったときから設定時間Ts(上記実施形態1のTsと同じ)が経過したか否かを判定する。このステップS71の判定がNOであるときには、ステップS71の動作を繰り返し、ステップS71の判定がYESになると、ステップS72に進んで、水中ポンプ1を停止させ、しかる後にステップS62に戻る。
本実施形態では、水中ポンプ1の起動タイミングは、上記実施形態3と同様に設定される。これにより、2台の水中ポンプ1の貯留槽21内設置後における1回目の起動では、2台の水中ポンプ1が第1の起動タイミングで(第1水位センサ10により貯留槽21内の水位が第1所定水位以上であることを検出したときに)略同時に起動し、2回目の起動では、2台の水中ポンプ1が第2の起動タイミングで(第2水位センサ11により貯留槽21内の水位が第2所定水位以上であることを検出したときに)略同時に起動する。そして、2回目の起動後、ステップS70で、2台の水中ポンプ1の次の起動タイミングが、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムにそれぞれ設定されるので、1/2の確立で、一方の水中ポンプ1Aと他方の水中ポンプ1Bとで起動タイミングが異なるようになる。また、たとえ同じ起動タイミングとなったとしても、2台の水中ポンプ1が再び第2の起動タイミングで略同時に起動した後は、2台の水中ポンプ1の次の起動タイミングが、第1の起動タイミング又は第2の起動タイミングにランダムに設定されるので、遅かれ早かれ、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なるようになる。したがって、上記実施形態1〜3と同様の作用効果が得られる。
(実施形態5)
図8は、本発明の実施形態5を示し、第1及び第2の起動タイミングをそれぞれ決めるための第1及び第2の所定条件を、上記実施形態1〜4とは異ならせたものである。
本実施形態では、上記第1の所定条件は、複数種存在し、これら複数種の第1の所定条件は、それぞれ、貯留槽21内の水位が、予め上記第1所定水位以上でかつ互いに異なるように設定された複数の水位からなる第1水位群の該各水位以上である、という条件である。上記複数種の第1の所定条件が成立しているときには、第1水位センサ10による上記検出がなされていることになる。
上記第1水位群の上記複数の水位として、本実施形態では、2つの水位LL1,LL2とするが、3つ以上であってもよい。水位LL1は、上記第1水位群の上記複数の水位の中で最も低い水位であり、上記第1所定水位と同じであってもよく、第1所定水位よりも高い水位であってもよい。上記水位LL2は、後述の水位LH1(第2水位群の水位の中で最も低い水位)よりも低い水位である。上記第1水位群において低い順に並ぶ水位の中で相隣接する水位の差(本実施形態では、水位LL1と水位LL2との差)は、想定される流入速度、水中ポンプ1の排水能力、液面の波立ち等を考慮して、一方の水中ポンプ1Aが起動すれば、その起動水位(例えばLL1)よりも高い水位でかつ隣接する起動水位(LL2)に、他方の水中ポンプ1Bにおいて達することがないよう十分な差が設けられている。但し、その相隣接する水位の差は、第1水位群の水位の中で最も高い水位(水位LL2)と後述の第2水位群の水位の中で最も低い水位(水位LH1)との差よりも小さいことが好ましい。
上記第1の起動タイミングとしては、上記複数種の第1の所定条件にそれぞれ対応して複数のタイミングがあることになる。すなわち、本実施形態では、第1の起動タイミングとして、2つの水位LL1,LL2にそれぞれ対応するタイミングがあり、水位LL2に対応するタイミングの方が、水位LL1に対応するタイミングよりも遅いタイミングとなる。
本実施形態では、上記第2の所定条件も、複数種存在し、これら複数種の第2の所定条件は、上記第1の所定条件成立よりも後の互いに異なるタイミングで成立するように設定されていて、それぞれ、貯留槽21内の水位が、予め設定された複数の水位(上記第1水位群の水位よりも高くかつ互いに異なるように設定された複数の水位)からなる第2水位群の該各水位以上である、という条件である。上記複数種の第2の所定条件が成立しているときには、第1水位センサ10による上記検出状態にある。
上記第2水位群の上記複数の水位として、本実施形態では、2つの水位LH1,LH2とするが、3つ以上であってもよい。2つの水位LH1,LH2は、上記実施形態3及び4における上記第2所定水位と同様の水位であり、ここでは、水位LH2の方が水位LH1よりも高い水位である。水位LH1は、水位LL2よりも高い水位である。
上記第2の起動タイミングは、上記複数種の第2の所定条件にそれぞれ対応して複数種のタイミングがあることになる。すなわち、第2の起動タイミングとして、2つの水位LH1,LH2にそれぞれ対応するタイミングがあり、水位LH2に対応するタイミングの方が、水位LH1に対応するタイミングよりも遅いタイミングとなる。水位LH1に対応するタイミングは、水位LL2に対応するタイミングよりも遅いタイミングとなる。
貯留槽21内の水位が、上記第1水位群及び上記第2水位群の各水位以上であることを、それぞれ個別の水位センサによって検出してもよく、或いは、上記各水位を、第1水位センサ10がONになってからの時間に対応する仮想的な水位として、第1水位センサ10がONになってから、上記各水位に対応するように予め設定した時間が経過したことによって検出するようにしてもよい。このように時間により検出する場合、上記複数種の第1の所定条件は、第1水位センサ10による上記検出がなされたこと及び該検出状態が互いに異なる所定時間継続したことのうちの複数の条件となる。また、上記複数種の第2の所定条件は、上記第1の所定条件成立よりも後の互いに異なるタイミングで成立するように設定されていて、第1水位センサ10による上記検出状態が互いに異なる所定時間継続したという条件となる。尚、水位LL1を上記第1所定水位と同じにした場合には、水位LL1は第1水位センサ10により検出されることになる。
制御コントローラ13は、上記実施形態1〜4と同様に、水中ポンプ1の起動タイミングとして、第1の所定条件が成立したときである第1の起動タイミング、又は、第2の所定条件が成立したときである第2の起動タイミングに設定する。
そして、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の起動タイミングを第1の起動タイミングに設定する際には、該水中ポンプ1の起動タイミングを、該第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の1つのタイミングに設定するとともに、水中ポンプ1の起動タイミングを第2の起動タイミングに設定する際には、該水中ポンプ1の起動タイミングを、該第2の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の1つのタイミングに設定する。
ここで、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の起動タイミングを、上記第2の起動タイミングから上記第1の起動タイミングに変更設定する際には、該水中ポンプ1の起動タイミングを、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の最も低い水位(水位LL1)に対応するタイミング(貯留槽21内の水位が上記第1所定水位よりも低い水位から上昇する場合において、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の最も早いタイミング)に設定することが好ましい。これは、起動しなかった水中ポンプ1が、次回には起動することとなり、2台の水中ポンプ1が早期に交互運転する可能性が高くなるからである。
また、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが上記第2の起動タイミングに設定されているときにおいて、上記第2の所定条件が成立して上記第2の起動タイミングで水中ポンプ1を起動させたときには、該水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミング及び上記第2の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の予め決められた所定の複数のタイミングのうちの1つのタイミングにランダムに設定する(所定の複数のタイミングから1つのタイミングをランダムに選択して設定する)。
上記所定の複数のタイミングには、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の少なくとも1つのタイミングと、上記第2の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の少なくとも1つのタイミングとが含まれていてもよく、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングのみの中の2つ以上のタイミングが含まれていてもよく(上記第2の起動タイミングにおける上記複数のタイミングのいずれも含まれない)、或いは、上記第2の起動タイミングにおける上記複数のタイミングのみの中の2つ以上のタイミングが含まれていてもよい(上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングのいずれも含まれない)。
本実施形態では、上記所定の複数のタイミングには、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の全てのタイミング(水位LL1,LL2にそれぞれ対応するタイミング)と、上記第2の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の全てのタイミング(水位LH1,LH2にそれぞれ対応するタイミング)とが含まれるようにしている。尚、起動した水中ポンプ1を次回には起動し難くする観点から、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の、最も低い水位LL1以外の水位(LL2)に対応するタイミングと、上記第2の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の少なくとも1つのタイミングとが含まれるようにしてもよい。
ここで、上記第1〜第4実施形態においても、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているときにおいて、第2の所定条件が成立して第2の起動タイミングで水中ポンプ1を起動させたときには、該水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを、第1の起動タイミング及び第2の起動タイミングの中の予め決められた所定の複数のタイミングのうちの1つのタイミングにランダムに設定する、と言える。この場合、上記所定の複数のタイミングは、それぞれ1つのタイミングしかない第1及び第2の起動タイミングが含まれることになる。
さらに、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の貯留槽21内設置直後の起動タイミングを、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミング及び上記第2の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の予め決められた所定の複数のタイミングのうちの1つのタイミングにランダムに設定する。ここでの所定の複数のタイミングには、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングのみの中の2つ以上のタイミングが含まれていることが好ましい。すなわち、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の貯留槽21内設置直後の起動タイミングを、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の1つのタイミング(水位LL1又は水位LL2に対応するタイミング)にランダムに設定することが好ましい。これは、貯留槽21内設置直後に試験運転する場合に、起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されている場合とは異なり、水中ポンプ1の起動が早期に行われ、試験時間の短縮化を図ることができるからである。
上記制御コントローラ13による制御動作を図8のフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートで、Lnは、図6及び図7のフローチャートと同様の基準水位であって、ここでは、LL1、LL2、LH1、LH2のいずれかに設定される。LLxは、第1の起動タイミングに対応する水位LL1,LL2のいずれかであり、LHxは、第2の起動タイミングに対応する水位LH1,LH2のいずれかである。
最初のステップS81で、基準水位Lnを初期値Lsに設定する。この初期値Lsは、LL1、LL2、LH1及びLH2の中の予め決められた所定の複数の水位のうちの1つの水位にランダムに設定する。上記所定の複数の水位は、第1の起動タイミングに対応する水位LL1及びLL2であることが好ましい。
次のステップS82で、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定する。このステップS82の判定がNOであるときには、ステップS82の動作を繰り返す一方、ステップS82の判定がYESになると、ステップS83に進む。
上記ステップS83では、貯留槽21内の水位Lが基準水位Ln(LL1、LL2、LH1又はLH2)以上であるか否かを判定する。ステップS83の判定がNOであるときには、ステップS84に進む一方、ステップS83の判定がYESであるときには、ステップS86に進む。
上記ステップS84では、第1水位センサ10がON状態にあるか否かを判定し、このステップS84の判定がYESであるときには、上記ステップS83に戻る。一方、ステップS84の判定がNOであるときには、ステップS85に進んで、基準水位LnをLLx(LL1又はLL2)に設定し、しかる後にステップS82に戻る。すなわち、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが第2の起動タイミングに設定されているとき(LnがLHxに設定されているとき)において、第1水位センサ10による上記検出がなされた後、上記第2の所定条件が成立する前(貯留槽21内の水位LがLn以上となる前)に、第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったときには、基準水位LnをLLxに設定することになる。つまり、水中ポンプ1の起動タイミングを第2の起動タイミングから第1の起動タイミングに変更設定することになる。このステップS85では、基準水位Lnを、LL1及びLL2のうちの予め決められた一方の水位に設定してもよく、LL1又はLL2にランダムに設定してもよいが、特にLL1(第1の起動タイミングに対応する水位の中の最も低い水位)に設定することが好ましい。
一方、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが第1の起動タイミングに設定されているとき(LnがLLxに設定されているとき)において、上記第1の所定条件が成立する前(貯留槽21内の水位LがLn以上となる前)に、第1水位センサ10による上記検出がなされなくなったときには、基準水位LnをLLxのままとするが、改めてLLxに設定してもよい。尚、水位LL1を上記第1所定水位と同じにした場合において、LnがLL1に設定されているときにおいてステップS84の判定がNOとなるのは、上記実施形態3及び4で説明したように、ステップS82〜S84の動作の間に第1水位センサ10がON状態からOFF状態になるようなチャタリングが発生したときであるが、このときも、基準水位LnをLL1のままとするが、改めてLLxに設定してもよい。
上記ステップS83の判定がYESであるときに進むステップS86では、水中ポンプ1を起動する。すなわち、Ln=LLxであれば、水中ポンプ1を第1の起動タイミング(LLxに対応するタイミング)で起動させ、Ln=LHxであれば、水中ポンプ1を第2の起動タイミング(LHxに対応するタイミング)で起動させることになる。
次のステップS87では、基準水位LnがLLx(LL1又はLL2)であるか否かを判定する。このステップS87の判定がYESであるときには、ステップS88に進んで、基準水位LnをLHx(LH1又はLH2)に設定し、しかる後にステップS90に進む。ステップS88において、基準水位LnをLH1又はLH2にランダムに設定してもよく、LH1及びLH2のうちの予め決められた一方の水位に設定してもよい。一方、ステップS87の判定がNOであるときには、ステップS89に進んで、Lnを、LL1,LL2,LH1及びLH2の中の1つの水位にランダムに設定し、しかる後にステップS90に進む。
上記ステップS90では、水中ポンプ1の停止条件(上記第3の所定条件)が成立したか否か、つまり第1水位センサ10がOFF状態となったときから設定時間Ts(上記実施形態1のTsと同じ)が経過したか否かを判定する。このステップS90の判定がNOであるときには、ステップS90の動作を繰り返し、ステップS90の判定がYESになると、ステップS91に進んで、水中ポンプ1を停止させ、しかる後にステップS82に戻る。
したがって、本実施形態5では、水中ポンプ1の貯留槽21内設置直後の起動タイミングが、水位LL1,LL2,LH1及びLH2の中の1つの水位に対応するタイミングにランダムに設定されるので、上記設置直後から、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なる可能性が高くなる。また、水位LL1及びLL2の中の1つの水位に対応するタイミングにランダムに設定した場合でも、上記設置直後から、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なる可能性が高くなるとともに、上記設置直後に試験運転する場合に、水中ポンプ1の起動が早期に行われ、試験時間の短縮化を図ることができて好ましい。
また、2台の水中ポンプ1の貯留槽21内設置直後の起動タイミングが同じであったとしても、また、起動タイミングが異なっているにも拘わらず2台とも起動したとしても、ステップS89における基準水位のランダム設定により、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なる可能性が高くなる。すなわち、4つの水位の中の1つの水位に対応するタイミングにランダムに設定されるので、上記実施形態1〜4の場合よりも、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが異なる可能性が高くなる。よって、2台の水中ポンプ1の自動交互運転を確実に行えるようになる。
ここで、水位LL1と水位LL2との差が小さい場合において、一方の水中ポンプ1Aの起動タイミングが、水位LL1に対応するタイミングに設定され、かつ、他方の水中ポンプ1Bの起動タイミングが、水位LL2に対応するタイミングに設定されたとすると、一方の水中ポンプ1Aの起動後に、他方の水中ポンプ1Bも起動して、2台の水中ポンプ1の起動タイミングが共に第2の起動タイミングになる可能性が高くなる。そこで、水位LL1と水位LL2との差を十分に大きくする(つまり、起動タイミングの差を所定値以上にする)ことによって、一方の水中ポンプ1Aのみが起動することになる。そして、該一方の水中ポンプ1Aの停止後の起動タイミングが、水位LH1又はLH2に対応するタイミング(第2の起動タイミング)となり、他方の水中ポンプ1Bの起動タイミングは、そのままのタイミング(LL2に対応するタイミング)であるので、水位LL2と水位LH1との差を、水位LL1と水位LL2との差よりも大きくしておくことで、次回は他方の水中ポンプ1Bのみが起動し易くなる。
(実施形態6)
本実施形態では、上記実施形態5に対して、第2の所定条件を1種類としたものであり、第2の所定条件は、貯留槽21内の水位が、予め上記第1水位群の水位よりも高く設定された水位(LHとする)以上である、という条件である。水位LHは、上記実施形態3及び4における上記第2所定水位と同様の水位であり、上記実施形態5における水位LH1及びLH2の一方と同じか、又は、水位LH1及びLH2の中間の水位とする。第1の所定条件は、上記実施形態5と同様であり、第1水位群の複数の水位は、水位LL1,LL2とする。水位LL2と水位LHとの差は、水位LL1と水位LL2との差よりも大きい。
上記実施形態5と同様に、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の起動タイミングを第1の起動タイミングに設定する際には、該水中ポンプ1の起動タイミングを、該第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の1つのタイミングに設定する。
制御コントローラ13は、水中ポンプ1の起動タイミングを、上記第2の起動タイミングから上記第1の起動タイミングに変更設定する際には、該水中ポンプ1の起動タイミングを、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の最も低い水位(水位LL1)に対応するタイミングに設定することが好ましい。
また、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の停止中であって該水中ポンプ1の起動タイミングが上記第2の起動タイミングに設定されているときにおいて、上記第2の所定条件が成立して上記第2の起動タイミングで水中ポンプ1を起動させたときには、該水中ポンプ1の停止後における次の起動タイミングを、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミング及び上記第2の起動タイミングの中の予め決められた所定の複数のタイミングのうちの1つのタイミングにランダムに設定する。
上記所定の複数のタイミングには、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の少なくとも1つのタイミングと、第2の起動タイミングとが含まれていてもよく、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングのみの中の2つ以上のタイミングが含まれていてもよい(上記第2の起動タイミングは含まれない)。
本実施形態では、上記所定の複数のタイミングには、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の全てのタイミング(水位LL1,LL2にそれぞれ対応するタイミング)と、第2の起動タイミング(水位LHに対応するタイミング)とが含まれるようにしている。尚、起動した水中ポンプ1を次回には起動し難くする観点から、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングの中の、最も低い水位LL1以外の水位(つまり水位LL2)に対応するタイミングと、上記第2の起動タイミングとが含まれるようにしてもよい。
さらに、制御コントローラ13は、水中ポンプ1の貯留槽21内設置直後の起動タイミングを、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミング及び上記第2の起動タイミングの中の予め決められた所定の複数のタイミングのうちの1つのタイミングにランダムに設定する。ここでの所定の複数のタイミングには、上記第1の起動タイミングにおける上記複数のタイミングのみの中の2つ以上のタイミングが含まれていることが好ましい。
本実施形態の制御コントローラ13による制御動作は、図8のフローチャートと同様であり、LHx(LH1,LH2)がLHに変更になるだけである。
したがって、本実施形態6では、上記実施形態5と同様の作用効果が得られ、長期間に亘って2台の水中ポンプ1の自動交互運転を確実に行えるようになる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記各実施形態では、水中ポンプ1の停止条件である第3の所定条件を、第1水位センサ10がOFF状態となったときから設定時間Tsが経過した、という条件としたが、これには限られず、例えば、貯留槽21内の水位が第1所定水位よりも低い停止水位以上であることを検出する停止用水位センサを別途に設けて、この停止用水位センサにより上記停止水位以上であることの検出がなされなくなったときとしてもよい。但し、上記各実施形態のような条件とする方が、水中ポンプ1の停止に関して第1水位センサ10を兼用することができて好ましく、特に上記実施形態1及び2では、水位センサの数を全体で1つにすることができるので、より一層好ましい。
上記実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。