JP5809210B2 - 中空コアと多孔性シェル層とを有する金属酸化物複合体及びその製造方法 - Google Patents

中空コアと多孔性シェル層とを有する金属酸化物複合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回収と再使用が可能であり、かつ触媒もしくは抗菌剤又は薬物担体として用いることができる、内部が全部又は一部中空であり(中空コア(hollow core)又は部分中空コア(partially hollow core))、シェルとして全体に気孔を有する金属酸化物シェル層を含む、コア/シェル構造の金属酸化物複合体及びその製造方法に関する。
金属酸化物ナノ粒子は、産業的に有用な特有の特性により、その応用が様々に試みられている。例えば、二酸化チタンナノ粒子は、紫外線領域の光を吸収するとラジカルを生成して有機物を分解したり抗菌効果を奏するなどの独特の化学的特性を有するので、光触媒や抗菌剤などの産業的用途に多く用いられている。一方、デグサ(Degussa)P25などの二酸化チタン製品は、約30nmのサイズのナノグレインから構成されており、凝集現象を示すこともあるが、水に十分に分散すると光触媒効果を示す。
しかし、P25や100nm以下の二酸化チタンナノ粒子などの微細な金属酸化物ナノ粒子は、水に分散して触媒もしくは抗菌剤として優れた性能を示すなど、特有の効果を有するが、反応終了後の回収が困難であることが最も大きな問題であった。回収されずに自然界に排出されるナノ粒子は、人体及び環境への有害性が深刻な問題となるため、使用後のナノ粒子の回収はナノ粒子の開発以上に重要な課題である。
近年、磁性ナノ粒子のクラスタをサブミクロンサイズの二酸化チタンビーズの中心に入れて磁性を用いる回収及び利用に関する研究結果(非特許文献1)が発表されている。しかし、この場合は、二酸化チタンビーズの中心にある黒褐色の磁性ナノ粒子が光を相当量吸収するだけでなく、触媒反応に関与するビーズ表面に露出する二酸化チタンの量が相対的に少ないことから、光触媒性能が低いため、光触媒に用いるよりは、表面改質を行ってバイオセンサに用いている。
また、表面積を改善して回収可能なサブミクロンサイズの二酸化チタン複合体を製造する方法(特許文献1)においては、ゾルゲル反応により有機物ポリマービーズ上に無定形二酸化チタンシェルを形成し、それを500℃以上の電気炉で熱処理することにより、有機物ポリマーを燃やして除去し、二酸化チタンをアナターゼ相に結晶化する。この方法は、高温の電気炉を用いるため、エネルギー消費量が多く、高温処理する工程で二酸化チタンナノ結晶が凝集して気孔が減少するため、触媒特性を示す表面積がそれほど大きくない。
二酸化チタンナノ粒子などの金属酸化物ナノ粒子の性能が様々な分野で確認されており、かつその使用量が増加する趨勢にあるので、現状では、その特性を最大限発揮できるように、表面積が大きく、回収可能な金属酸化物複合体及びその製造方法が必要である。
中国特許出願公開第101210120号明細書 韓国公開特許第10−2011−0133405号公報
Analytical Chemistry, Liyun Ji et al., 2012, 84, 2284-2291 Angewandte Chemie International Edition 2009, 48, 5875-5879
本発明の目的は、内部には中空コア構造を有し、前記中空コアが、全部中空であるか、又は前記中空コアの直径より小さい直径の内部粒子を含み、表面には金属酸化物ナノ粒子が凝集して多孔性シェル層を有する、金属酸化物複合体を提供することにある。前記金属酸化物複合体は、前記中空コアが一部のみ中空であり、内部粒子を含む場合、前記内部粒子がまるで玩具のガラガラ(rattle)のように前記シェル層の内部に位置するものであってもよい。
前記金属酸化物複合体は、前記金属酸化物ナノ粒子の表面が多く露出し、ナノ粒子の性能を効果的に示すため、触媒反応や抗菌反応などに適用することができる。これと同時に、前記金属酸化物複合体の重量を用いる遠心分離又は磁性を利用して、前記金属酸化物複合体を回収及び再使用することができる。また、前記金属酸化物複合体は、中空構造及び多孔性の性質を用いて、内部に薬物を入れて所望の位置に送達し、徐々に放出して薬効を持続させる場合にも適用することができる。
つまり、本発明の目的は、材料の表面積が大きいことから金属酸化物ナノ粒子の性能を最大限維持すると共に、回収と再使用が可能であり、かつ触媒もしくは抗菌剤又は薬物担体として用いることができる、内部が全部又は一部中空である金属酸化物複合体及びその製造方法を提供することにある。
二酸化チタンなどの金属酸化物のナノ粒子の性能をそのまま維持すると共に回収と再使用を容易にするために努力し続けてきた本研究チームは、非晶質シリカ物質に水熱反応を起こすとシリカが溶解するという事実を見出した。一方、非晶質金属酸化物ナノ粒子は、水熱反応を起こすと結晶化する。よって、非晶質シリカビーズ上に非晶質金属酸化物ナノ粒子(ナノゲル)が処理前のシェル層を構成するようにクラスタ状の層(処理前のシェル層)を形成しておき、それを水熱反応処理すると、シリカが溶解して内部が全部又は一部中空になり、処理前のシェル層を構成していた非晶質金属酸化物は物質に応じて固有の相(二酸化チタンの場合はアナターゼ相)に結晶化することに着目し、金属酸化物ナノ粒子の特性を維持すると共に後述する構造を有する金属酸化物複合体を製造できることを発見し、本発明を完成するに至った。
本発明の一実施形態による金属酸化物複合体は、互いに連結された金属酸化物ナノ粒子を2層以上含み、前記金属酸化物ナノ粒子間に存在する気孔を有するシェル層と、前記シェル層内部の空間である中空コアとを含む。
前記金属酸化物ナノ粒子は、20nm以下のサイズのものであってもよい。
前記金属酸化物複合体は、前記中空コアの内部に前記中空コアとは異なる大きさで存在する内部粒子をさらに含むものであってもよい。
前記内部粒子は、前記中空コアの直径より小さい直径のものであってもよい。
前記内部粒子は、シリカ粒子、磁性ナノ粒子、磁性ナノ粒子を含むクラスタ、磁性ナノ粒子を含むシリカ粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つであってもよい。
前記金属酸化物複合体の外径は、100nm〜10μmであってもよい。
前記シェル層の厚さは、前記金属酸化物複合体の外径の半分より小さく、20〜100nmの値を有するようにしてもよい。
前記金属酸化物は、ZrO、SnO、CeO、Al、V、Fe、Y、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つであってもよい。
前記磁性ナノ粒子は、FeO、Fe、Fe、CoFe、NiFe、MnFe、Fe、Co、Ni、FeCo、FePt、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むものであってもよい。
前記金属酸化物複合体は、BET法で測定した比表面積が100〜300m/gのものであってもよい。
前記金属酸化物ナノ粒子を構成する金属酸化物は、結晶性を有するものであってもよい。
前記シェル層に含まれる金属酸化物ナノ粒子は、二酸化チタンからなるものであってもよく、前記二酸化チタンは、アナターゼ相のものであってもよい。
本発明の他の実施形態による金属酸化物複合体の製造方法は、シリカを含むコアの表面に、非晶質金属酸化物ナノ粒子を含む処理前のシェル層が形成された処理前の粒子を製造する第1段階と、前記処理前の粒子を水熱処理する工程により、前記コアの全部又は一部が除去されて設けられる中空コアを形成し、前記処理前のシェル層は前記水熱処理によりシェル層を形成し、前記シェル層とその内部の中空コアとを含む金属酸化物複合体を製造する第2段階とを含む。
前記シェル層は、20nm以下のサイズの金属酸化物ナノ粒子が互いに連結されており、前記金属酸化物ナノ粒子間に形成された気孔を含むものであってもよい。
前記第1段階におけるシリカを含むコアは、磁性ナノ粒子又は磁性ナノ粒子を含むクラスタを含むものであってもよい。前記磁性ナノ粒子又は磁性ナノ粒子を含むクラスタは、前記中空コアの内部に存在する内部粒子に含まれるものであってもよい。
前記第1段階における非晶質金属酸化物ナノ粒子は、ZrO、SnO、CeO、Al、V、Fe、又はYからなる非晶質ナノ粒子であってもよい。
前記第1段階における非晶質金属酸化物ナノ粒子は、前記水熱反応により結晶化する金属酸化物からなるものであってもよい。
前記第1段階は、溶媒に分散したシリカと前記金属酸化物ナノ粒子に対応する有機金属前駆体を混合、攪拌する工程からなるものであってもよい。
前記第2段階における水熱処理は、前記処理前の粒子と水を混合した処理前の溶液を準備する準備段階と、前記処理前の溶液を水熱反応器に入れて120℃以上の温度で3時間以上水熱反応させて金属酸化物複合体を含む処理済み溶液を製造する処理段階とを含むものであってもよい。
前記金属酸化物ナノ粒子の有機金属前駆体は、下記化学式1で表されるトリアルコキシ金属又はテトラアルコキシ金属を含むものであってもよい。
M(OR) (化学式1)
上記化学式1において、Mは金属であり、Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであり、zは3又は4である。
前記金属酸化物ナノ粒子は、20nm以下のサイズのものであってもよい。
前記金属酸化物複合体の外径は、100nm〜10μmであってもよい。
前記シェル層の厚さは、前記金属酸化物複合体の外径の半分より小さく、20〜100nmの値を有するようにしてもよい。
本発明のさらに他の実施形態による薬物担体は、前記金属酸化物複合体を含む。前記薬物担体は、前記中空コアの全部又は一部である、前記シェル層内部の空間への薬物の担持が可能であり、前記シェル層の気孔への薬物の流入又は前記シェル層の気孔からの薬物の放出が可能である。
本発明のさらに他の実施形態による触媒は、前記金属酸化物複合体を含む。前記金属酸化物複合体は、前記金属酸化物ナノ粒子が有する触媒活性を有し、かつ容易に回収可能である。
本発明のさらに他の実施形態による抗菌剤は、前記金属酸化物複合体を含む。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の一実施形態による金属酸化物複合体は、気孔を有するシェル層と、前記シェル層内部の空間である中空コアとを含む。
前記シェル層は、金属酸化物ナノ粒子がシェルの形でクラスタを形成したものであってもよい。また、前記シェル層は、前記金属酸化物ナノ粒子が2層以上含まれてナノ粒子同士が連結されてナノ粒子間に気孔を有する構造を有するようにしてもよい。
前記金属酸化物ナノ粒子は、20nm以下のサイズのものであってもよく、このように微細な金属酸化物ナノ粒子を含むように複合体を構成することにより、回収が困難なナノ粒子を複合体の形で回収できるという利点を有する。
前記中空コアは、前記シェル層の内部に存在する全部又は一部が中空の空間であり、一部が中空である場合は、前記中空コア内に前記中空コアより小さいサイズの内部粒子を含んでもよい。
前記内部粒子は、機能性粒子を含んでもよく、前記機能性粒子は、シリカ粒子、磁性ナノ粒子又は磁性を有するクラスタを含むシリカ粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つであってもよい。前記磁性を有するクラスタを含むシリカ粒子は、磁性ナノ粒子のクラスタをシリカが囲む形態の磁性シリカビーズであってもよい。
つまり、前記内部粒子は、単なるシリカであってもよく、磁性ナノ粒子のクラスタコアと前記磁性ナノ粒子のクラスタコアを囲むシェルとからなるコア/シェル構造のものであってもよい。前記磁性を有するクラスタを構成するナノ粒子は、FeO、Fe、Fe、CoFe、NiFe、MnFe、Fe、Co、Ni、FeCo、FePt、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つであってもよく、前記磁性ナノ粒子のクラスタコアは、超常磁性を有するものであってもよい。
前記内部粒子は、前記シェル層内部の中空コア内に位置するようにしてもよく、まるで玩具のガラガラのように内部で動く構造であってもよい。
前記金属酸化物複合体は、内部が全部又は一部中空である中空コア構造を有し、多孔性の金属酸化物シェル層を含み、数百nm〜数μmのサイズの外径と数十nmの厚さを有する。従って、前記金属酸化物複合体は、複合体自体の重量が適度に重いため水分散性がよく、また、沈殿剤を追加することなく低速の遠心分離でも容易に回収することができる。
さらに、前記金属酸化物複合体の外径より小さい気孔を有する市販のフィルタでも容易に分離することができるので、回収及び再使用効率が向上する。前記金属酸化物複合体が磁性を有する内部粒子を含む場合は、磁場でも容易に回収することができる。
前記金属酸化物ナノ粒子の大きさは、20nm以下であり、1〜20nmであってもよい。また、前記シェル層の厚さは、20〜100nmであってもよい。
20nm以下のサイズの金属酸化物ナノ粒子はその回収が特に難しいことが知られている。しかし、前記金属酸化物複合体のシェル層に含まれているように、金属酸化物ナノ粒子が凝集して互いに連結されて2層以上の構造を有する場合は、金属酸化物複合体の構造の維持に適した強度を有すると共に、シェル層内の気孔が十分に確保されて、前記シェル層に含まれる金属酸化物ナノ粒子の表面が十分に露出する。
このような形態は、従来の100nm以下のサイズの金属酸化物ナノ粒子の性能をそのまま維持すると共に回収と再使用を容易にするために努力し続けてきた本研究チームの成果であって、金属酸化物ナノ粒子の性能をなくしやすい高温焼結工程を経ることなく、金属酸化物ナノ粒子を容易に回収できる複合体を提供する。
ただし、前記金属酸化物複合体は、当該金属酸化物複合体のシェル層の結晶化及び水洗工程でシェル層の一部が破壊された形態を有することがある。
前記金属酸化物ナノ粒子を構成する金属酸化物は、ゾルゲル反応を経て水熱反応により結晶化できる金属酸化物に適用することができる。前記シェル層に含まれる金属酸化物ナノ粒子としては、例えばZrO、SnO、CeO、Al、V、Fe、Y、及びこれらの組み合わせを用いることができる。
図1は本発明の一実施形態による金属酸化物複合体の断面を説明する概念図である。
図1を参照すると、右側の図は、内部粒子の一例として超常磁性ナノ粒子から構成されたクラスタを囲むシリカ球を金属酸化物複合体の中空コアの内部に含み、前記中空コアの一部が中空である形態の金属酸化物複合体の断面図である。
図1の左側の図は、金属酸化物複合体の中空コアが中空である形態を示し、内部空間には薬品などの機能性物質を入れることができる。また、シェル層は、金属酸化物ナノ粒子が互いに連結されて構成され、クラスタに類似した形で互いに連結されて比較的一定の厚さの層を形成する。
図1の中央の図は、金属酸化物複合体の内径より小さい直径の内部粒子を金属酸化物複合体の中空コアの内部に含む一例の断面を示す概念図であり、前記内部粒子としてはシリカビーズを例示的に示す。
図1においては、本発明の一実施形態による金属酸化物複合体の例示的ないくつかの形態を示すが、これらに限定されるものではない。金属酸化物ナノ粒子を含むシェル層を有し、その内部の全部又は一部が中空である中空コアを有する金属酸化物複合体であれば、本発明の実施形態に含まれる。
具体的には、本発明の一実施形態による金属酸化物複合体の例示的な形態としては、金属酸化物ナノ粒子を含むシェル層10とその内部空間である中空コア00のみから構成された複合体(左側);金属酸化物ナノ粒子を含むシェル層10と、その内部空間である中空コア00と、中空コア00内に位置するシリカビーズ20とを含む複合体(中央);金属酸化物ナノ粒子を含むシェル層10と、その内部空間である中空コア00と、中空コア00内に位置し、磁性ナノ粒子から構成されたクラスタ30を囲むシリカビーズ(内部粒子)20とを含む複合体(右側)がある。
前記金属酸化物複合体は、その構造上、複合体の内部に大きい空間(中空コア00)を有し、金属酸化物ナノ粒子を含むシェル層にも金属酸化物ナノ粒子間に存在するナノサイズの気孔を多く有する。そのため、化学反応に関与できる表面に露出した金属酸化物ナノ粒子の比率が高いことが特徴である。
つまり、本発明の一実施形態による金属酸化物複合体が有する特有の利点は、金属酸化物ナノ粒子を含む金属酸化物複合体を形成して回収と再使用を容易にしたにもかかわらず、化学反応などに関与する表面金属酸化物ナノ粒子の比率を相対的に高く維持して、触媒または抗菌剤としての活性を犠牲にしないことである。また、本発明においては、従来の高温焼成やエッチングなどにより空洞を形成する方法を用いるのではなく、水熱処理により結晶性金属酸化物ナノ粒子を含むシェル層を形成することにより、経済的で環境にやさしく安全な方法で金属酸化物ナノ粒子を提供することができる。
前記金属酸化物複合体の全体的な大きさや形状に特に制限はないが、100nm〜10μmの外径を有することが好ましい。前記金属酸化物複合体の外径が100nm未満の場合は、ナノ粒子自体が有する特性である凝集現象が金属酸化物複合体間でも発生し、複合体同士の凝集現象が発生することがある。それに対して、前記金属酸化物複合体の外径が10μmを超える場合は、金属酸化物複合体の重量が重くなり、溶媒下での分散が難しくなる。
前記シェル層に含まれる金属酸化物ナノ粒子の大きさは、20nm以下であってもよい。前記シェル層の厚さは、特に制限はないが、少なくとも2層のナノ粒子が蓄積されなければ構造や強度を維持できないことを考慮すると、20nm以上であることが好ましい。また、前記シェル層が厚すぎると当該シェル層の気孔を通過する反応物質の移動が制限されるので、このような問題を最小限に抑えるために、前記シェル層の厚さは、100nm以下であることが好ましい。
つまり、前記シェル層の厚さは、20〜100nmにすることが好ましい。
また、前記金属酸化物複合体の中空コアの空間を確保するために、前記金属酸化物複合体のシェル層内部の中空コア内に位置するシリカビーズは、前記金属酸化物複合体のシェル層内部の直径より小さい直径のものである。
前記金属酸化物複合体は、中空コアを有するので複合体の内部が全部又は一部中空であり、金属酸化物ナノ粒子が互いに連結されて含まれる多孔性シェル層を有することにより、内部に空間を有するだけでなく、前記シェル層に多くの気孔を有する。そのため、化学反応に必要な物質の前記金属酸化物のシェル層の内外への移動が容易である。
前記金属酸化物複合体は、従来の金属酸化物ナノ粒子と類似した特性を有し、かつ回収及び再使用が可能であり、経済的で環境にやさしいという有利な特性を有する複合素材である。
前記金属酸化物複合体は、前記シェル層に含まれる金属酸化物ナノ粒子の特性をそのまま維持して複合体を構成することができるが、触媒、抗菌又は抗ウイルス性複合体、薬物担体などとして活用することができる。
また、前記金属酸化物複合体の内部に磁性を有するナノ粒子又はクラスタを含む場合は、触媒反応又は抗菌反応後、磁場を与えたり遠心分離を行うことにより、金属酸化物複合体を容易に回収することができる。
本発明の他の実施形態による金属酸化物複合体の製造方法は、処理前の粒子を製造する第1段階と、水熱処理する工程により金属酸化物複合体を製造する第2段階とを含む。金属酸化物ナノ粒子は、ナノゲル状の非晶質金属酸化物ナノ粒子に形成してもよく、前記第2段階における水熱処理工程により結晶化してもよい。
金属酸化物ナノ粒子を製造する工程で、高温焼結する工程を行うと、高温の熱処理によりナノ粒子自体の大きさが変化することがあり、このように変化したナノ粒子の大きさに応じて物理的な特性が変化することがある。すなわち、高温の熱処理を行った金属酸化物ナノ粒子は、金属酸化物がナノ物質であることによる特性を失うことがあるという問題がある。
そこで、本研究者らは、高温(約500℃以上)の熱処理工程を行うことなく金属ナノ粒子複合体を製造する例示的な実施形態として、水熱処理により金属酸化物ナノ粒子を結晶化した。
前記第1段階は、シリカを含むコアの表面に、非晶質金属酸化物ナノ粒子を含む処理前のシェル層が形成された、処理前の粒子を製造する段階である。
前記非晶質金属酸化物ナノ粒子は、有機金属前駆体を用いるゾルゲル反応により製造され、水熱反応により結晶化される金属酸化物であれば適用することができる。前記非晶質金属酸化物ナノ粒子としては、例示的に下記化学式2で表される金属酸化物のナノ粒子を適用することができる。
aM (化学式2)
上記化学式2において、aは、非晶質(amorphous)を意味し、Mは、Ti、Zr、Sn、Ce、Al、V、Fe及びYからなる群から選択されるいずれか1つであり、x及びyは、それぞれx=1、y=2(MがTi、Zr、Sn又はCeの場合)又はx=2、y=3(MがAl、V、Fe又はYの場合)の値を有する。
また、前記シリカを含むコアは、シリカからなるコア、シリカに磁性を有する物質が混和したコア、シリカに磁性ナノ粒子(又はそれらのクラスタ)が含まれるコアなどであってもよく、シリカを含んでコアを形成できる物質であれば前記コアとして適用することができる。
つまり、前記処理前の粒子は、前記シリカを含むコアの表面に前記非晶質金属酸化物ナノ粒子が2層以上のコーティング層を形成して処理前のシェル層を形成することができる。従って、前記処理前の粒子は、下記化学式3で表されるものであってもよい。
SiO/aM (化学式3)
上記化学式3において、SiOは、シリカを含むコアを意味し、シリカからなるもののみに限定されるものではない。a、x、y及びMは、それぞれ上記化学式2で定義した通りである。
例えば、前記金属酸化物ナノ粒子は、ZrO、SnO、CeO、Al、V、Fe、Y、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つであってもよい。
前記第1段階は、溶媒に分散したシリカと前記金属酸化物ナノ粒子に対応する有機金属前駆体を混合、攪拌する工程からなるものであってもよい。
前記有機金属前駆体は、下記化学式1で表され、前記シェル層の金属酸化物ナノ粒子に対応するものであり、トリアルコキシ金属又はテトラアルコキシ金属であってもよい。
M(OR) (化学式1)
上記化学式1において、Mは金属であって、具体的には、Ti、Zr、Sn、Ce、Al、V、Fe及びYからなる群から選択されるいずれか1つであってもよい。Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つである。zは3又は4である。
前記第2段階は、前記処理前の粒子を水熱処理する工程により、前記コアの全部又は一部が除去されて設けられる中空コアを形成し、前記処理前のシェル層は前記水熱処理によりシェル層を形成し、前記シェル層とその内部の中空コアとを含む金属酸化物複合体を製造する段階である。水熱処理工程により前記金属酸化物複合体からシリカの全部又は一部を除去し、前記処理前のシェル層に含まれる非晶質金属酸化物ナノ粒子を結晶化する効果を得ることができる。
前記第2段階における水熱処理は、前記処理前の粒子と水を混合した処理前の溶液を準備する準備段階と、前記処理前の溶液を水熱反応器に入れて120℃以上の温度で水熱反応させて金属酸化物複合体を含む処理済み溶液を製造する処理段階とを含むものであってもよい。
このような工程で、コアに含まれるシリカは溶解して処理前のシェル層又はシェル層の気孔から除去され、処理前のシェル層に含まれる非晶質金属酸化物ナノ粒子又は金属酸化物ナノ粒子の前駆体は結晶化する。
例えば、前記金属酸化物ナノ粒子として二酸化チタンを適用する場合は、シリカ又は磁性シリカを含む塩基性エタノール溶液などの溶媒にゾルゲル反応を行うことが可能なチタンの有機金属前駆体を添加して徐々に反応させて、シリカ上に非晶質二酸化チタンシェル層(処理前のシェル層)を形成し、その非晶質シェル層(処理前のシェル層)とコアとを含む処理前の粒子を水洗して水熱反応により結晶化すると、非晶質二酸化チタンシェル層(処理前のシェル層)がアナターゼ結晶相に変化し、前記シェル層内部のシリカは反応濃度に応じて全部又は一部が溶解して除去されることにより、金属酸化物複合体を製造することができる。
前記水熱反応は、温度が低いほど、時間が短いほど、非晶質シェル層(処理前のシェル層)とコアとを含む処理前の粒子の濃度が濃いほど、溶解するシリカの量が少なくなるので、温度と時間と濃度の相関関係を適切に制御して所望の量のシリカを除去することができる。
例えば、150℃で3時間水熱処理した場合に0.05wt%/vのシリカが完全に溶解し、180℃で3時間水熱処理した場合に0.1wt%/vのシリカが完全に溶解したことを確認した。
つまり、前記水熱処理により、前記コアに含まれるシリカの全部又は一部を除去することができる。前記コアがシリカからなる場合は、水熱処理後、i)コアのシリカが一部は除去され、一部は除去されずに残ってシリカからなる内部粒子を構成(形成)したり、ii)コアのシリカが全部除去されて内部粒子のない空間を形成する。また、前記コアがシリカと磁性ナノ粒子とを含む場合は、i)コアのシリカが一部除去されて残存するシリカと磁性ナノ粒子とが内部粒子を構成したり、ii)コアのシリカが全部除去されて磁性ナノ粒子が凝集して内部粒子を構成する。
すなわち、水熱処理後のコアは、内部粒子を構成することもあり、全部除去されて前記中空コア内に内部粒子が残っていないこともある。
以下、金属酸化物ナノ粒子として二酸化チタンナノ粒子を適用した二酸化チタン複合体を製造する方法を例に挙げて説明する。まず、コアを構成する磁性ナノ粒子のクラスタとして酸化鉄ナノ粒子クラスタを選択し、非特許文献2に記載された方法により製造した。
酸化鉄ナノ粒子クラスタは、5〜10nmのサイズの小さい酸化鉄ナノ粒子が凝集して全体直径約500nmのクラスタを形成したものであり、外部磁場に対して速い反応を示す特性を有する(50〜80emug−1)。このような磁性体をコアとして使用することにより、最終的に製造された内部が一部中空である二酸化チタン複合体は磁性を有する。磁性体コアは、前述した酸化鉄ナノ粒子クラスタにのみ限定されるものではなく、磁性を有する粒子であれば本発明の一実施形態となり得る。
次に、シェル物質としてシリカを選択し、ストーバー(Stober)法により前記磁性体コア上にシリカ層を直接成長させることにより、磁性体コアとシリカシェルとから構成されたビーズを製造した。前記磁性体コアとシリカシェルとから構成されたビーズは、本研究者らが出願した特許文献2に記載された方法により製造することができ、例えば、過剰量のテトラエトキシシラン(TEOS)を用いて磁性体コアを囲むシリカシェルを形成し、その後、磁石を用いて磁性体を囲んでいるシリカと囲んでいないシリカとを分離し、磁性体を囲んでいるシリカビーズのみを選別する工程で製造することができる。
前記磁性体を囲んでいるシリカシェルは、使用した磁性体コアとTEOSの比率によって厚さが異なり、TEOSの量が多くなるほどシリカシェル層が厚くなる。磁性体コアを含まないシリカビーズは、購入するか、又はストーバー法により合成することができる。
前記合成又は購入したシリカを含む塩基性エタノール溶液にチタンの有機金属前駆体を徐々に注入し、15時間よく攪拌することにより、非晶質二酸化チタンナノ粒子からなるシェル層(処理前のシェル層)がシリカコア上に形成されたSiO/aTiO複合体を製造することができる。
次に、前記製造されたSiO/aTiO複合体をエタノールと水で水洗し、オートクレーブに入れて密封し、その後、予め150〜180℃に加熱したオーブンに入れて3時間水熱反応させることにより、シリカが全部又は一部溶出し、非晶質二酸化チタンがアナターゼ相に結晶化した二酸化チタン複合体SiO/cTiO(前記cはcrystallineの略字である。)を製造することができる。水熱反応温度は、前記温度から上下に拡張可能であり、水熱反応温度が高くなるほどシリカの溶解量が多くなる。
以上、金属酸化物ナノ粒子として二酸化チタンナノ粒子を適用した例を具体的に説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、前記方法を適用して金属酸化物複合体を製造できるものであれば前記金属酸化物ナノ粒子として適用することができる。前記金属酸化物複合体自体についての説明は、前述した本発明の一実施形態による金属酸化物複合体についての説明と重複するので省略する。
本発明による金属酸化物複合体によれば、内部が全部又は一部中空であり、多孔性金属酸化物シェル層を有する複合体を提供することができ、シェル層の大きさは数百nm〜数μmの範囲を有する。前記金属酸化物複合体は、多孔体の特性と内部が全部又は一部中空である中空の特性を活用して、効率的な光触媒として用いることができるだけでなく、抗菌性を利用してウイルス及びバクテリアの捕集及び除去にも用いることができ、空洞に薬物を入れて徐々に放出する薬物担体としても用いることができる。また、内部が全部又は一部中空である金属酸化物複合体は、複合体の重量又は磁性により、通常の遠心分離又は磁場を用いて容易に回収することができ、回収後もシェル層を構成する表面の金属酸化物ナノ粒子の物理化学的性質が保存されるので、再使用が可能な経済的で環境にやさしい素材を提供する。
本発明による金属酸化物複合体の製造方法によれば、シリカコア/金属酸化物シェル構造の非晶質複合体を水熱反応させることにより、金属酸化物を結晶化すると共にシリカの全部又は一部を溶解して金属酸化物複合体シェルを製造する、経済的で効率的な方法を提供する。
本発明の一実施形態による金属酸化物複合体の断面を説明する概念図である。 本発明の実施例1で製造した処理前の粒子(SiO/aTiO複合体、シリカビーズ上に非晶質二酸化チタンシェル層を形成したコア/シェル構造)の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1で製造した金属酸化物複合体のサンプル1(内部が全部又は一部中空であり、アナターゼ結晶相を有する二酸化チタン複合体、SiO/cTiO)の走査型電子顕微鏡写真である。 図3の粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 図3の粒子のXRDパターンを示すグラフである。 本発明の実施例1で製造した金属酸化物複合体のサンプル2(内部が全部中空であり、アナターゼ結晶相を有する二酸化チタン複合体)の透過型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例2で製造した金属酸化物複合体(磁性二酸化チタン複合体、内部が一部中空であり、内部に磁性シリカを含み、アナターゼ結晶相を有する二酸化チタン複合体)の透過型電子顕微鏡写真である。 図7の金属酸化物複合体のXRDパターンを示すグラフである。 実施例1のサンプル2(内部が全部中空であり、アナターゼ結晶相を有する二酸化チタン複合体)及びデグサP25の光触媒活性を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、本発明は、ここに説明する実施例に限定されるものではなく、様々な異なる形態に実現することができる。
内部が全部又は一部中空である二酸化チタン複合体シェルの製造
(1)第1段階:シリカビーズ上に非晶質二酸化チタンナノ粒子から構成されたシェル層を有するコア/シェル構造のSiO /aTiO 複合体の製造
シリカビーズは、購入するか、又はストーバー法により合成したものを使用した。
丸底フラスコに無水エタノール750mLと5w%/vのシリカビーズ(0.75g、平均直径281nm、シリカコア)が分散したエタノール溶液15mLを入れてよく混合した。この溶液に濃アンモニア水(28〜30%の水溶液)3.3mLを入れてよく混合し、その後、オルトチタン酸テトラブチル(tetrabutylorthotitanate, TBOT)9mLを徐々に加えて15時間攪拌し、前記シリカコアの表面に処理前のシェル層が形成された処理前の粒子(SiO/aTiO複合体)を形成した。
前記処理前の粒子であるSiO/aTiO複合体をエタノール及び水、遠心分離を用いて数回洗浄及び乾燥して重量を測定し(平均直径357nm、重量1.26g)、水37.5mLに分散させて保管した。
図2は前記処理前の粒子を走査型電子顕微鏡で観察した写真を示す。図2のSEM画像から分かるように、球状粒子の表面に微細な粒子がコーティングされて凸凹のある表面を有することが確認された。
(2)第2段階:SiO /aTiO 複合体におけるシェルを構成する非晶質二酸化チタンのアナターゼ相への結晶化
1)前記第1段階で製造したSiO/aTiO複合体の溶液12.5mL(0.42g)を取って水60mLと十分に混合して処理前の溶液を製造し、それをテフロンコーティングされた水熱反応器(オートクレーブ)に入れて密封した(全体溶液に対するSiOの濃度:0.5w%/v)。
前記水熱反応器を150℃に予め加熱しておいたオーブンに入れて3時間水熱反応させ、処理済み溶液を製造した。
前記処理済み溶液を冷却して遠心分離し、内部が全部又は一部中空である二酸化チタン複合体(実施例1の金属酸化物複合体のサンプル1)を得て、それを水12.5mLに分散させて分散溶液を製造して保管した。
前記分散溶液の半分を取って乾燥させて重量を測定した結果、0.13gであり、前記製造された分散溶液中の二酸化チタン複合体全体の重量は0.26gであると推定された。
生成された二酸化チタン複合体全体の総量が、処理前の粒子であるSiO/aTiO複合体の総量より0.14g減少したことが分かり、減少の相当な部分は溶解して除去されたシリカと二酸化チタンゲルが結晶化する際に発生した水に起因するものと推定される。
図3〜図5は前記生成された二酸化チタン複合体のSEM画像、TEM画像及びXRDパターンをそれぞれ示す。図4のTEM画像から、内部が全部又は一部中空である二酸化チタン複合体の形態を確認することができ、図5のXRDパターンから、二酸化チタンがアナターゼ相に結晶化したものであることを確認することができる。
2)前記1)の水熱反応において、SiO/aTiO複合体溶液の濃度を、SiO濃度基準で0.5w%/vから0.1w%/vに調整し、水熱反応温度を180℃にし、残りの条件は同一にして水熱反応を行うことにより、二酸化チタン複合体(実施例1の金属酸化物複合体のサンプル2)を製造した。
図6は前記サンプル2のTEM分析結果を示す。図6のTEM画像から、内部が全部中空である二酸化チタンシェル層を有する金属酸化物複合体が生成されたことを確認することができる。
また、前記サンプル2のBET法を用いた比表面積の測定結果は214m/gであり、48〜56m/gの比表面積を有するP25(デグサ製)よりはるかに優れた比表面積を有することが確認された。
内部が一部中空である構造の、磁性を有する内部粒子を含む二酸化チタン複合体の製造
(1)磁性を有するクラスタを含む磁性シリカビーズの製造
1)FeCl(1.95g、12.0mmol)とクエン酸三ナトリウム(0.60g、2.04mmol)をエチレングリコール60mLに溶解し、酢酸ナトリウム(3.60g、26.5mmol)を添加して磁性クラスタの処理前の溶液を製造し、それを30分間攪拌した。その攪拌された処理前の溶液をテフロンコーティングされた水熱反応器(オートクレーブ)に移して密封し、200℃のオーブンで14時間反応させ、磁性ナノ粒子のクラスタが含まれる溶液を製造した。
前記溶液を常温に冷却し、クラスタをエタノールと蒸留水で3回ずつ水洗し、磁石で磁性ナノ粒子のクラスタを集めてエタノール30mLに分散させた。その磁性ナノ粒子のクラスタが分散した溶液1mLを取り、固体を分離及び乾燥して重量を測定した結果、0.0241gであり、磁性クラスタの平均直径は508nmであった。
2)磁性ナノ粒子のクラスタ上にシリカシェルを形成するために、前記エタノールに磁性ナノ粒子のクラスタを分散させた溶液15mLを取り、ここにエタノールを追加して3Lにした。
ここに蒸留水300mLとクエン酸三ナトリウム1.35gを追加して攪拌機で攪拌した。ここに濃アンモニア水90mLを追加して1時間攪拌し、その後TEOS135mLを添加して20℃で14時間攪拌し、磁性ナノ粒子のクラスタとそれを囲むシリカシェルとからなる磁性シリカビーズを製造した。その溶液を遠心分離し、沈殿物をエタノールと水で数回水洗し、さらに磁石で分離してエタノール15mLに分散させた。
前記溶液1mLを取り、固体を分離及び乾燥して重量を測定した結果、0.0619g(平均直径721nm)であった。つまり、シリカシェルにより増加した重量は0.0379gであり、シリカシェルの厚さは107nmである。
3)次いで、実施例1のシリカビーズを前記磁性シリカビーズで代替して同一の反応を次のように行った。
(2)第1段階:磁性シリカビーズ上に非晶質二酸化チタンナノ粒子から構成されたシェル層を有するコア/シェル構造の磁性SiO /aTiO 複合体の製造
丸底フラスコに無水エタノール300mLと前記磁性シリカビーズ(平均直径721nm)が分散したエタノール溶液14mLを入れて薄め、濃アンモニア水1.32mLを入れて攪拌した。次に、TBOT1.8mLを徐々に加えて15時間攪拌し、前記磁性シリカビーズの表面に平均厚さが55nmの非晶質二酸化チタンを有する処理前の粒子(磁性SiO/aTiO複合体)を製造した。
前記処理前の粒子をエタノール及び水、磁石を用いて数回洗浄し、水28mLに分散させた。前記処理前の粒子を分散させた溶液2mLを取り、固体を分離及び乾燥して重量を測定した結果、0.0822g(平均直径832nm)であった。つまり、非晶質二酸化チタンシェルにより増加した重量は0.0203gであり、シェルの厚さは55nmである。
(3)第2段階:磁性SiO /aTiO 複合体における非晶質二酸化チタンのアナターゼ相への結晶化
1)前記第1段階で製造した磁性SiO/aTiO複合体(平均直径832nm)溶液3mLを取って水90mLと十分に混合して処理前の溶液を製造し、それをテフロンコーティングされた水熱反応器(オートクレーブ)に入れて密封した(シリカ基準で約0.1w%/v)。
前記水熱反応器を150℃に予め加熱しておいたオーブンに入れて3時間結晶化反応させ、処理済み溶液を製造した。
前記処理済み溶液を冷却して遠心分離し、内部が一部中空である磁性二酸化チタン複合体(実施例2のサンプル)を得て、それを水3mLに分散させて分散溶液を製造して保管した。
前記分散溶液2mLを取り、それに含まれる固体を分離した後に乾燥させて重量を測定した結果、0.0438gであった。これは、同一の体積の磁性SiO/aTiO複合体溶液から乾燥させた試料(0.0822g)より0.0384g減少したものであり、その減少分は、処理前の粒子のコアに含まれるシリカが溶解し、処理前のシェル層を構成していた二酸化チタンゲルが結晶化して発生する水が除去されたからであると判断される。
図7及び図8は生成された実施例2の二酸化チタン複合体のTEM画像及びXRDパターンをそれぞれ示す。図7のTEM画像から、処理前の粒子のコアに含まれるシリカのほとんどが溶解して磁性ナノ粒子のクラスタが玩具のガラガラのように二酸化チタンシェルの内部で特定の位置に固定されることなく存在する二酸化チタン複合体の画像を確認することができ、図8のXRDパターンから、実施例2の金属酸化物複合体にFe(マグネタイト)結晶とアナターゼ相に結晶化した二酸化チタンが存在することを確認することができる。
二酸化チタン複合体の触媒活性及び回収実験
触媒活性実験は、P25(デグサ)、実施例1で合成したサンプル2の二酸化チタン複合体試料、及び二酸化チタン粒子を含まないサンプル(図9のUV参照)に対してそれぞれ実施した。P25及び実施例1のサンプル2は、それぞれTiO基準で0.01mg/mLの濃度で用い、10ppm濃度のメチレンブルー50mLに加え、2つの15WのUV−Bランプが30cm上方に位置するように注文製作したボックスを使用して光触媒反応を行った。
図9は、光触媒反応中に毎時間3mLの試料を採取して吸光スペクトルを測定し、50分間反応させてその結果を示すものである。
二酸化チタン複合体シェルがP25と類似した性能を有することを確認し、反応後に遠心分離を用いて全量回収した。光触媒効果は従来と同一又は従来より優れ、遠心分離などの方法で全量回収できることを確認した。従って、実施例1のサンプル2の二酸化チタン複合体が従来の市販の二酸化チタンより優れた素材として評価される。
以上、本発明の好ましい実施例を詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義される本発明の様々な変形や改良形態も本発明の権利範囲に含まれる。
00 全部又は一部が中空である中空コア
10 金属酸化物ナノ粒子を含むシェル層
20 シリカビーズ
30 磁性ナノ粒子のクラスタ

Claims (16)

  1. 互いに連結された金属酸化物ナノ粒子を2層以上含み、前記金属酸化物ナノ粒子間に存在する気孔を有するシェル層と、前記シェル層内部の空間である中空コアとを含み、
    前記金属酸化物ナノ粒子は、20nm以下のサイズのものである、金属酸化物複合体であって、前記中空コアは非晶質シリカからなるコアの表面に、TiO ,ZrO 、SnO 、CeO 、Al 、V 、Fe 、Y 、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される非晶質金属酸化物ナノ粒子を含むシェル層が形成され、これを水熱処理して、前記コア中の非晶質シリカの全部又は一部が除去されて設けられ、前記処理前のシェル層は前記水熱処理により結晶化してシェル層を形成されるものである、金属酸化物複合体。
  2. 前記中空コアの内部に前記中空コアとは異なる大きさで存在する内部粒子をさらに含み、
    前記内部粒子は、前記中空コアの直径より小さい直径のものである、請求項1に記載の金属酸化物複合体。
  3. 前記内部粒子は、シリカ粒子、磁性ナノ粒子、磁性ナノ粒子を含むクラスタ、磁性ナノ粒子を含むシリカ粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つである、請求項2に記載の金属酸化物複合体。
  4. 前記金属酸化物複合体の外径は、100nm〜10μmである、請求項1に記載の金属酸化物複合体。
  5. 前記シェル層の厚さは、前記金属酸化物複合体の外径の半分より小さく、20〜100nmの値を有する、請求項4に記載の金属酸化物複合体。
  6. 前記磁性ナノ粒子は、FeO、Fe、Fe、CoFe、NiFe、MnFe、Fe、Co、Ni、FeCo、FePt、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むものである、請求項3に記載の金属酸化物複合体。
  7. 前記金属酸化物複合体は、BET法で測定した比表面積が100〜300m/gのものである、請求項1に記載の金属酸化物複合体。
  8. 前記シェル層に含まれる金属酸化物ナノ粒子は、二酸化チタンからなるものであり、前記二酸化チタンは、アナターゼ相のものである、請求項1に記載の金属酸化物複合体。
  9. 非晶質シリカからなるコアの表面に、TiO ,ZrO 、SnO 、CeO 、Al 、V 、Fe 、Y 、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つである非晶質金属酸化物ナノ粒子を含む処理前のシェル層が形成された処理前の粒子を製造する第1段階と、
    前記処理前の粒子を120℃以上で水熱処理する工程により、前記コアの全部又は一部が除去され設けられる中空コアを形成するとともに、前記処理前のシェル層は前記水熱処理により結晶化してシェル層を形成し、前記シェル層とその内部の中空コアとを含む金属酸化物複合体を製造する第2段階とを含み、
    前記シェル層は、20nm以下のサイズの金属酸化物ナノ粒子が互いに連結されており、前記金属酸化物ナノ粒子間に形成された気孔を含むものである、金属酸化物複合体の製造方法。
  10. 前記第1段階におけるシリカを含むコアは、磁性ナノ粒子又は磁性ナノ粒子を含むクラスタを含み、
    前記磁性ナノ粒子又は磁性ナノ粒子を含むクラスタは、前記中空コアの内部に存在する内部粒子に含まれるものである、請求項に記載の金属酸化物複合体の製造方法。
  11. 前記第1段階は、溶媒に分散した非晶質シリカと前記非晶質金属酸化物ナノ粒子に対応する有機金属前駆体を混合、攪拌する工程からなるものである、請求項に記載の金属酸化物複合体の製造方法。
  12. 前記第2段階における水熱処理は、前記処理前の粒子と水を混合した処理前の溶液を準備する準備段階と、前記処理前の溶液を水熱反応器に入れて150℃以上の温度で3時間以上水熱反応させてコア中の非晶質シリカの一部又は全部を除去するとともに非晶質金属酸化物ナノ粒子を結晶化して互いに連結された金属酸化物ナノ粒子を2層以上含み、前記金属酸化物ナノ粒子間に存在する気孔を有するシェル層複合体を含む処理済み溶液を製造する処理段階とを含むものである、請求項に記載の金属酸化物複合体の製造方法。
  13. 前記金属酸化物ナノ粒子の有機金属前駆体は、下記化学式1で表されるトリアルコキシ金属又はテトラアルコキシ金属を含むものである、請求項11に記載の金属酸化物複合体の製造方法。
    M(OR) (化学式1)
    上記化学式1において、Mは金属であり、Rは炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであり、zは3又は4である。
  14. 請求項1に記載の金属酸化物複合体を含む薬物担体。
  15. 請求項1に記載の金属酸化物がTiO である複合体を含む触媒。
  16. 請求項1に記載の金属酸化物複合体を含む抗菌剤。
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