JP5808864B2 - 非移行非ハロゲン難燃性熱可塑性ポリウレタン組成物 - Google Patents

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Description

本出願は、2010年3月31日出願の国際出願番号PCT/CN2010/071473号に基づく優先権を主張するものである。
熱可塑性ポリウレタン(TPU)エラストマーは、広範囲の可撓性を有し、種々の方法、射出成形から押出成形およびブロー成形により組み立てることができる。これらはまた、透明性、耐摩耗性、耐化学物質および耐炭化水素性、荷重負荷能力および高い引張強さという性能利点も提供する。したがって、これらは難燃性を要する多くの適用への用途を見出している。TPU組成物に使用される伝統的な難燃剤は、ハロゲンを含有する(いわゆる、ハロゲン化難燃剤)。しかしながら、環境および安全性についての懸念が高まっているために、非ハロゲン化難燃剤(HFFR)材料に対する必要性が高まっており、TPU系組成物に重大な難問を提起している。
液状有機リン酸エステル(例えば、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)またはビスフェノール−Aビス(ジフェニルホスフェート)(BDP))が、HFFR配合物を得るためにポリマーに一般的に使用されている。しかしながら、液状リン酸エステルを含有するHFFR TPU組成物を用いて製造した製品は、経時的なリン酸エステル難燃剤の移行を経験し、そのため、電線およびケーブル外被ならびに絶縁などのいくつかの用途のための非移行要件を満たすことができない。
本発明の一態様は、組成物の総重量基準で10〜89重量%の、熱可塑性ポリウレタンを含む連続樹脂相と;組成物の総重量基準で1〜10重量%の、少なくとも50℃の融点を有する芳香族有機リン酸エステル難燃剤と;組成物の総重量基準で10〜89重量%の、無機水和物難燃剤とを含む、非ハロゲン難燃性組成物を提供する。これらの組成物は、組成物の総重量基準で10重量%以下の、25℃以下の融点を有する液状有機難燃剤を含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量基準で1〜10重量%の、25℃以下の融点を有する液状有機難燃剤をさらに含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、20〜50重量%の、熱可塑性ポリウレタンを含む連続樹脂相と;組成物の総重量基準で2〜8重量%の、少なくとも50℃の融点を有する芳香族ポリリン酸エステルである芳香族有機リン酸エステル難燃剤と;組成物の総重量基準で30〜50重量%の、無機水和物難燃剤と;2〜8重量%の、25℃以下の融点を有する有機難燃剤とを含む。
いくつかのこのような実施形態では、組成物は、25℃以下の融点を有する有機難燃剤を含み、25℃以下の融点を有する有機難燃剤の重量%は少なくとも50℃の融点を有する芳香族有機リン酸エステル難燃剤の重量%と等しいまたはこれよりも低い。いくつかのこのような実施形態では、組成物は25℃以下の融点を有する有機難燃剤を含まない。
組成物の少なくともいくつかの実施形態は、本発明による組成物からなるケーブルが、50℃および80%相対湿度で48時間後に移行を示さないことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、組成物は、20%以下のUL 1581−2001により測定される熱変形率を有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、エポキシ化ノボラック樹脂をさらに含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、連続樹脂相に分散した、または連続樹脂相と共連続の、極性ポリオレフィンをさらに含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも50℃の融点を有する芳香族有機リン酸エステル難燃剤は、高分子量レゾルシノールビス(ジフェニルホルフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)またはこれらの組み合わせである。
全実施形態で、組成物中の全成分の総百分率は100重量%である。
本発明の別の態様は、本発明による組成物を含む電線またはケーブル用の外被または絶縁を提供する。
本組成物の非移行試験のためのセットアップの概略図である。
本発明の一態様は、優れた機械特性および難燃特性を有する非ハロゲン熱可塑性ポリウレタン系組成物を提供する。組成物は、ケーブルおよび電線外被などの成型品中で移行を示さない難燃性有機リン化合物を含む。組成物は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含む連続樹脂相と、少なくとも50℃の融点を有する少なくとも1種の芳香族有機リン酸エステル難燃剤と、無機水和物難燃剤とを含む。芳香族有機リン酸エステル難燃剤は、本組成物から製造された成型品中室温で固形であり、結果として、これらの組成物は液状有機リン酸エステル難燃剤を使用する比較できる難燃性組成物に対して改善した非移行特性を提供する。
「非ハロゲン」および同様の用語は、組成物がハロゲン含量を有さないまたは実質的に有さない、すなわち、イオンクロマトグラフィー(IC)または同様の分析法により測定されるように2000mg/kg未満のハロゲンを含有することを意味する。これ未満のハロゲン含量は、例えば、電線またはケーブル被覆などのブレンドの効果に重要でないとみなされる。
組成物は、電線およびケーブル、自動車部品、建築および建設材料、玩具、人工皮革、ならびに電子機器およびデバイス用の外被および絶縁を含む、種々の成型熱可塑性物品に使用するのに適している。
全融点はASTM法D3418により決定される。
熱可塑性ポリウレタン:
本明細書で使用する「熱可塑性ポリウレタン」(または「TPU」)は、ジイソシアネートと、1種以上の高分子ジオールと、任意選択により1種以上の二官能性連鎖延長剤との反応生成物を指す。TPUは、プレポリマー、準プレポリマー(quasi−prepolymer)またはワンショット法により調製され得る。ジイソシアネートはTPU中でハードセグメントを形成し、芳香族、脂肪族または脂環式ジイソシアネート、ならびにこれらの化合物の2種以上の組み合わせであり得る。ジイソシアネート(OCN−R−NCO)に由来する構造単位の非限定的例は、以下の式(I)により表される:
Figure 0005808864
(式中、Rはアルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレン基である)。これらのジイソシアネートの代表的な例は、米国特許第4,385,133号明細書、第4,522,975号明細書および第5,167,899号明細書中に見出すことができる。適当なジイソシアネートの非限定的例には、4,4’−ジイソシアナトジフェニル−メタン、p−フェニレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、1,4−ジイソシアナト−シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタンおよび2,4−トルエンジイソシアネートが含まれる。
高分子ジオールは得られたTPU中でソフトセグメントを形成する。高分子ジオールは、例えば、200〜10,000g/molの範囲の分子量(数平均)を有することができる。2種以上の高分子ジオールが使用され得る。適当な高分子ジオールの非限定的例としては、ポリエーテルジオール(「ポリエーテルTPU」をもたらす);ポリエステルジオール(「ポリエステルTPU」をもたらす);ヒドロキシ末端ポリカーボネート(「ポリカーボネートTPU」をもたらす);ヒドロキシ末端ポリブタジエン;ヒドロキシ末端ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体;ジアルキルシロキサンとエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドのヒドロキシ末端共重合体;天然油ジオール;およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。上記高分子ジオールの1種以上は、アミン末端ポリエーテルおよび/またはアミノ末端ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体と混合され得る。
二官能性連鎖延長剤は、鎖中に2〜10個の炭素原子を有する脂肪族直鎖および分枝鎖ジオールであり得る。このようなジオールの例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなど;1,4−シクロヘキサンジメタノール;ヒドロキノンビス−(ヒドロキシエチル)エーテル;シクロヘキシレンジオール(1,4−、1,3−および1,2−異性体)、イソプロピリデンビス(シクロヘキサノール);ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミンなど;および上記のいずれかの混合物がある。上記のように、いくつかの場合、二官能性延長剤の微量割合(約20当量%未満)は、得られたTPUの熱可塑性を減じることなく、三官能性延長剤により置き換えられ得る。このような延長剤の例としてはグリセロール、トリメチロールプロパンなどがある。
連鎖延長剤は、特定の反応物成分の選択、ハードおよびソフトセグメントの所望の量、弾性率および引裂強さなどの優れた機械的特性をもたらすのに十分な指標により決定される量でポリウレタンに組み込まれる。
任意選択により、通常は「連鎖停止剤」と呼ばれる、少量のモノヒドロキシル官能性またはモノアミノ官能性化合物が、分子量を制御するために使用され得る。このような連鎖停止剤の例としてはプロパノール、ブタノール、ペンタノールおよびヘキサノールがある。
適当なTPUの非限定的な例としては、全てLubrizol Corporationから市販されているPELLETHANE(商標)、ESTANE(商標)、TECOFLEX(商標)、TECOPHILIC(商標)、TECOTHANE(商標)およびTECOPLAST(商標)熱可塑性ポリウレタン;BASFから市販されているELASTOLLAN(商標)熱可塑性ポリウレタンおよび他の熱可塑性ポリウレタン;ならびにBayer、Huntsman、Merquinsaおよび他の供給者から市販されている追加の熱可塑性ポリウレタン材料が挙げられる。
本発明の実施に使用される連続樹脂相のポリウレタン成分は、上記2種以上のTPUの組み合わせを含有してもよい。
TPUは、組成物の総重量基準で10〜89重量%の量で存在し得る。TPUは、典型的には組成物の総重量基準で少なくとも20重量%(wt.%)の量で存在する。これは、組成物の総重量基準で少なくとも30重量%のTPUを含有する組成物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、約20〜70重量%のTPU、約30〜50重量%のTPU、または約30〜40重量%のTPUを含む。
極性オレフィンポリマー:
非ハロゲンTPU系組成物は、任意選択により極性ポリオレフィンなどの1種以上の追加のポリマーを含むことができる。これらは、組成物の連続樹脂相に分散する、または連続樹脂相と共連続であることができる。
「オレフィンポリマー」、「オレフィン性ポリマー」、「オレフィン性インターポリマー」、「ポリオレフィン」、「オレフィン系ポリマー」および同様の用語は、重合した形態で、ポリマーの総重量基準で大部分の重量%のオレフィン、例えば、エチレンまたはプロピレンを含有するポリマーを意味する。熱可塑性ポリオレフィンは、オレフィンホモポリマーとインターポリマーの両方を含む。「インターポリマー」は、少なくとも2種の異なるモノマーの重合により調製されたポリマーを意味する。インターポリマーは、ランダム、ブロック、均一、不均一などであり得る。この総称は、通常は2種の異なるモノマーから調製されたポリマー、および3種以上の異なるモノマーから調製されたポリマー、例えば、ターポリマー、テトラポリマーなどを指すために使用される共重合体を含む。
「極性オレフィンポリマー」は、1個以上の極性基(時々、極性官能基と呼ぶ)を含有するオレフィンポリマーである。本明細書で使用する「極性基」は、そうでなければ本質的に非極性のオレフィン分子に結合双極子モーメントを与える任意の基である。代表的な極性基には、カルボニル、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、スルホニル基、ニトリル基、アミド基、シラン基などが含まれる。これらの基はグラフトまたは共重合のいずれかを通してオレフィン系ポリマーに導入され得る。極性オレフィン系ポリマーの非限定的例としては、エチレン/アクリル酸(EAA)、エチレン/メタクリル酸(EMA)、エチレン/アクリレートもしくはメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル(EVA)、ポリ(エチレン−コ−ビニルトリメトキシシラン)共重合体、マレイン酸無水物−もしくはシラン−グラフトオレフィンポリマー、ポリ(テトラフルオロエチレン−alt−エチレン)(ETFE)、ポリ(テトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロ−プロピレン)(FEP)、ポリ(エチレン−コ−テトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)(EFEP)、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)、ポリ(フッ化ビニル)(PVF)などが挙げられる。好ましい極性オレフィンポリマーには、DuPont ELVAX(商標)エチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂、The Dow Chemical Company製のAMPLIFY(商標)エチレンエチルアクリレート(EEA)共重合体、 The Dow Chemical Company製のPRIMACOR(商標)エチレン/アクリル酸共重合体、およびThe Dow Chemical Company製のSI−LINK(商標)ポリ(エチレン−コ−ビニルトリメトキシシラン)共重合体が含まれる。
EVAが好ましい極性オレフィンポリマーである。これは、EVAとC−Cアクリル酸アルキル、C−Cメタクリル酸アルキル、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される1種以上のコモノマーとの共重合体を含む。
存在する場合、極性オレフィンポリマーは、典型的には組成物の総重量基準で1〜40重量%に及ぶ量で使用される。
非移行芳香族リン酸エステル難燃剤:
非ハロゲン難燃性組成物は、溶融処理および押出成形温度(例えば、≧150℃)下で溶融するのに十分低いが、室温(23℃)で、最終成型品中で固体として存在し、非移行試験に合格するのに十分高い融点(ASTM D3418により決定される)を有する、リン酸エステルなどの少なくとも1種の芳香族有機リン酸エステル系難燃性化合物を含む。
非移行試験は、図1に示されるアセンブリで行われる。本発明による組成物で構成された2つのケーブル102を2つのプラスチックパネル104の間に挟み、これらをさらに2つのガラスパネル106の間に挟み、500gの荷重108をアセンブリの上部にかける。使用されるプラスチックパネルはPC、ABSおよびPC/ABSである。ケーブルは、3種のパネルの各々の型で試験する(すなわち、3回−パネルの各型で1回)。ケーブルの直径は重要ではない。約0.5mm〜約10mmの直径を有するケーブルが使用され得る。各パネルの寸法は9cm×6cmである。2つのケーブルは、プレートを押圧した後突出する(幅60mm)。次いで、アセンブリを50℃、80%相対湿度で48時間保管する。次いで、プラスチックパネルを90%エタノールで洗浄する。本開示の目的のために、組成物は、目視検査により決定されるように、試験の後、PC、ABSおよびPC/ABSパネル上に残留物もエッチングも観察されなければ、非移行試験に合格する。
非移行芳香族有機リン酸エステル系難燃剤が、潤滑剤として働くように押出成形中に液体として存在することが有利である。したがって、いくつかの実施形態では、非移行芳香族有機リン酸塩系難燃剤化合物は、周囲条件で少なくとも50℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃または少なくとも100℃の融点を有する。
適当な非移行芳香族有機リン酸エステル難燃剤の例としては、その構造が以下に示される、高分子量レゾルシノールビス(ジフェニルホルフェート)(P−RDP)およびレゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)(XDP)などの芳香族ポリリン酸エステルが挙げられる。
Figure 0005808864
Figure 0005808864
高分子量P−RDPについては、nは、例えば、23であることができ、分子量、Mwは6000〜7000であることができる。
非移行芳香族有機リン酸エステル難燃剤は、典型的には組成物の総重量基準で少なくとも1重量%の量で存在する。これは、組成物の総重量基準で少なくとも5重量%の非移行芳香族有機リン酸エステル難燃剤を含有する組成物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、約1〜10重量%の非移行芳香族有機リン酸エステル難燃剤または約2〜8重量%の非移行芳香族有機リン酸エステル難燃剤を含む。
無機水和物:
本組成物中の無機水和物は、組成物に難燃特性を与える。適当な例としては、それだけに限らないが、三水酸化アルミニウム(ATHもしくはアルミニウム三水和物としても知られている)および水酸化マグネシウム(二水酸化マグネシウムとしても知られている)などの金属水酸化物が挙げられる。本発明の無機水和物は、充填剤である水酸化カルシウム、塩基性炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ハンタイトおよびハイドロマグネサイトを含まない。
無機水和物は、組成物の総重量基準で10〜89重量%の量で存在し得る。無機水和物は、典型的には組成物の総重量基準で少なくとも10重量%の量で使用される。これは、無機水和物が組成物の総重量基準で少なくとも30重量%の量で使用される実施形態を含む。例えば、いくつかの実施形態では、無機水和物は、組成物の総重量基準で30〜50重量%の量で使用される。これは、無機水和物が組成物の総重量基準で30〜40重量%の量で使用される実施形態を含む。
液状有機難燃剤:
非移行芳香族有機リン酸エステル難燃剤に加えて、本組成物は、任意選択により1種以上の液状(室温で)有機リン酸エステル難燃剤を含むことができる。これらの液状有機リン酸エステル難燃剤は、室温で組成物から製造された成型品中液体として存在する、および/またはこれらが成型品中の難燃性移行に寄与するような比較的低い融点を有する。例えば、これらの液状有機リン酸エステル難燃剤は、周囲条件で25℃以下の融点(ASTM D3418により決定される)により特徴づけられ得る。組成物中のこれらの液状有機リン酸エステル難燃剤の濃度は、低く、好ましくは非移行芳香族リン酸エステル難燃剤の濃度よりも低くなければならない。本組成物中に任意選択により含まれ得る液状有機リン酸エステル難燃剤の例には、液状RDPおよびビスフェノールAジホスフェート(BPADP)などの芳香族ポリリン酸エステル、ならびにトリブトキシエチルホスフェート(TBEP)、トリメチルホスフェート(TMP)およびトリエチルホスフェート(TEP)などの一リン酸エステルがある。
一実施形態では、25℃以下の融点を有する液状有機難燃剤はビスフェノール−Aビス(ジフェニルホスフェート)(BDP)である。BDPの構造は以下に示される。
Figure 0005808864
本組成物に含まれ得る他の有機難燃剤には、リン系および窒素系難燃剤が含まれる。これらは、それだけに限らないが、リン酸塩、ホスホン酸塩、および窒素含有難燃剤を含む。
いくつかの実施形態では、組成物は液状(室温で)有機難燃剤を含まない。他の実施形態では、組成物は、組成物の総重量基準で10重量%以下、8重量%以下または5重量%以下の液状(室温で)有機難燃剤を含む。例えば、組成物は、組成物の総重量基準で1〜10重量%の液状(室温で)有機難燃剤を含むことができる。これは、組成物が、組成物の総重量基準で2〜8重量%の液状(室温で)有機難燃剤を含む実施形態を含む。
エポキシ化ノボラック樹脂:
本組成物は、任意選択により燃焼中の滴下を防止または最小化するための1種以上のチャー形成剤を含むことができる。例えば、組成物のいくつかの実施形態は、チャー形成剤としてエポキシ化ノボラック樹脂を含む。「エポキシ化ノボラック樹脂」は、有機溶媒中でのエピクロルヒドリンおよびフェノールノボラックポリマーの反応生成物である。適当な有機溶媒の非限定的例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトンおよびキシレンが挙げられる。エポキシ化ノボラック樹脂は、液体、半固体、固体、およびこれらの組み合わせであり得る。
エポキシ化ノボラック樹脂は、典型的には組成物の総重量基準で0.1〜5重量%に及ぶ量で使用される。これは、エポキシ化ノボラック樹脂が組成物の総重量基準で1〜3重量%に及ぶ量で使用される実施形態を含み、エポキシ化ノボラック樹脂が組成物の総重量基準で1.5〜2.5重量%に及ぶ量で使用される実施形態をさらに含む。
任意の添加剤および充填剤:
本発明の組成物は、任意選択により添加剤および/または充填剤も含有することができる。代表的な添加剤には、それだけに限らないが、抗酸化剤、加工助剤、着色剤、紫外線安定剤(UV吸収剤を含む)、帯電防止剤、造核剤、スリップ剤、可塑剤、潤滑剤、粘度調整剤、粘着付与剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、エクステンダー油、掃酸剤、および金属不活性化剤が含まれる。これらの添加剤は、典型的には従来様式および従来量、例えば、組成物の総重量基準で0.01重量%以下〜10重量%以上で使用される。
代表的な充填剤には、それだけに限らないが、種々の金属酸化物、例えば、二酸化チタン;炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムなどの金属炭酸塩;二硫化モリブデンおよび硫酸バリウムなどの金属硫化物および金属硫酸塩;ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛およびメタホウ酸亜鉛などの金属ホウ酸塩;アルミニウム無水物などの金属無水物;珪藻土、カオリンおよびモンモリロナイトなどの粘土;ハンタイト;セライト;アスベスト;地盤鉱物;ならびにリトポンが含まれる。これらの充填剤は、典型的には従来様式および従来量、例えば、組成物の総重量基準で5重量%以下〜50重量%以上で使用される。
適当なUV光安定剤には、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)およびUV光吸収剤(UVA)添加剤が含まれる。
抗酸化剤の例としては、それだけに限らないが、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ−シンナマート)]メタン;ビス[(β−(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−メチルカルボキシエチル)]スルフィド、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)およびチオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナマートなどのヒンダードフェノール;トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトおよびジ−tert−ブチルフェニル−ホスファイトなどのホスファイトおよびホスホナイト;ジラウリルチオジプロピオナート、ジミリスチルチオジプロピオナートおよびジステアリルチオジプロピオナートなどのチオ化合物;種々のシロキサン;重合化2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、n,n’−ビス(1,4−ジメチルペンチル−p−フェニレンジアミン)、アルキル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、混合ジ−アリール−p−フェニレンジアミン、ならびに他のヒンダードアミン劣化防止剤(anti−degradant)または安定剤が挙げられる。
加工助剤の例としては、それだけに限らないが、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸カルシウムなどのカルボン酸の金属塩;ステアリン酸、オレイン酸またはエルカ酸などの脂肪酸;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドまたはN,N’−エチレンビス−ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド;ポリエチレンワックス;酸化ポリエチレンワックス;エチレンオキシドのポリマー;エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体;植物蝋;石油蝋;非イオン性界面活性剤;シリコーン流体およびポリシロキサンが挙げられる。
組成物特性:
組成物は、その耐移行性ならびにその優れた機械特性および難燃特性により特徴づけられ得る。
非移行:
本組成物から製造されたケーブルの移行試験を、以下の実施例に記載のセットアップを使用して、48時間、50℃および80%相対湿度で行う(「非移行試験」)。
熱変形:
本組成物のいくつかの実施形態でコーティングされた電線は、一般的にUL 1581−2001にしたがって350g荷重(3.5±0.2N)をかけると150℃で30%未満の熱変形率を示す。いくつかの実施形態では、コーティングされた電線は、UL 1581−2001にしたがって350g荷重(3.5±0.2N)をかけると150℃で測定される25%以下または20%以下の熱変形を示す。
難燃性:
組成物のいくつかの実施形態でコーティングされた電線は、UL VW−1難燃性に合格する。「VW−1」は、電線およびスリーブのためのUnderwriter’s Laboratory(UL)難燃性である。これは、「垂直電線、クラス1」を示し、UL 1441規格の下で、電線またはスリーブに与えられ得る最高の難燃性である。試験は、電線またはスリーブを垂直位置に置くことにより行う。炎を一定期間その下に設置し、その後取り除く。その後、スリーブの特性を記述する。VW−1燃焼試験は、UL−1581の方法1080にしたがって決定する。
引張強さおよび破断伸び:
本組成物は、その破断点引張強さ(MPa)および破断伸び(%)により特徴づけられ得る。引張強さおよび伸びは、ASTM D4703により調製した圧縮成型試料に対するASTM D−638試験手順にしたがって測定され得る。破断伸びまたは破断までの伸びは、試料が破断する時の試料のひずみである。これは通常、%として表される。
本組成物のいくつかの実施形態は、少なくとも10MPaの破断点引張強さを有する。これは、少なくとも12MPaの破断点引張強さを有する組成物を含み、少なくとも15MPaの破断点引張強さを有する組成物をさらに含む。
本組成物のいくつかの実施形態は、少なくとも200%の破断伸びを有する。これは、少なくとも300%の破断伸びを有する組成物を含み、少なくとも320%の破断伸びを有する組成物をさらに含む。
メルトフローレート:
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D 1238−04、手順C、条件190℃/2.16kgにしたがって測定される。組成物のいくつかの実施形態は、少なくとも10g/10分のMFRを有する。これは、少なくとも12g/10分のMFRを有する組成物を含む。
配合:
組成物は、TPU、任意の追加のポリマー、無機水和物、非移行リン酸エステル難燃剤および任意の追加の有機難燃剤、エポキシ化ノボラック樹脂、添加剤および充填剤を混合することにより形成され得る。混合は、段階的様式または一段階で行われ得、従来のタンブリング装置で行われ得る。組成物は、非移行リン酸エステル難燃剤の融点より上の温度で配合され得る。
組成物の配合は、標準的配合装置により行われ得る。配合装置の例としては、Banbury(商標)またはBolling(商標)密閉式ミキサなどの密閉式バッチミキサがある。あるいは、Farrel(商標)連続ミキサ、Werner and Pfleiderer(商標)二軸ミキサ、またはBuss(商標)混練連続押出機などの連続一または二軸ミキサを使用することができる。利用するミキサの型、およびミキサの運転条件は、粘度、体積抵抗、および押出表面平滑性などの組成物の特性に影響を及ぼすだろう。得られた組成物は、望ましくはさらなる加工のための電線外被、プロファイル、シートまたはペレットなどの物品に成型および形成されることが可能である。
物品:
本発明の別の態様は、本発明の1種以上の組成物を含む、成型または押出成型品などの物品を提供する。
物品は電線およびケーブル外被ならびに絶縁を含む。したがって、いくつかの実施形態では、物品は、電気的伝達が可能な「絶縁」電線を提供するための金属導体および金属導体上のコーティングを含む。本明細書で使用する「金属導体」は、電力および/または電気信号のいずれかを伝達するために使用される少なくとも1種の金属成分である。電線およびケーブルの可撓性が通常望まれるので、金属導体はいずれかの固体横断面を有することができ、または優先的には所与の全体導体直径に増加した可撓性を提供するより小さい電線ストランドで構成され得る。ケーブルは通常内部コアに形成され、次いで保護および装飾的外観を提供するケーブルシースシステムにより囲まれる複数の絶縁電線などのいくつかの成分で構成される。ケーブルシースシステムは、箔または外装などの金属層を組み込むことができ、典型的には表面上にポリマー層を有する。保護/装飾的ケーブルシースに組み込まれる1つ以上のポリマー層は通常ケーブル「外被」と呼ばれる。いくつかのケーブルについては、シースはケーブルコアを囲む唯一の高分子外被層である。絶縁と外被の両方の役割を果たす、導体を囲むポリマーの単層を有するいくつかのケーブルも存在する。本組成物は、電力ケーブル、ならびに金属および光ファイバー通信用途の両方を含む、全範囲の電線およびケーブル製品中の高分子成分としてまたは高分子成分に使用され得る。本発明の組成物を含む絶縁層を含有するケーブルは、種々の型の押出機、例えば、一または二軸型を用いて調製され得る。
以下の実施例は、本発明の種々の実施形態を説明する。全ての部および百分率は特段の指示がない限り、重量による。
以下の実施例は、本発明による熱可塑性組成物を製造する方法の実施形態を説明する。
材料:
この実施例に使用するTPUは、ポリテトラメチレングリコールエーテルTPU(Lubrizol Advanced Materials製のPELLETHANE(商標)2103−90AE;TPU−1)およびエーテル系TPU(Lubrizol Advanced Materials製のESTANE(登録商標)58219、TPU−2)である。使用する前に、TPU試料を真空下90℃で少なくとも6時間予備乾燥する。
水酸化アルミニウム(ATH)を無機水和物として使用する(グレードH42M、Showa Chemical製)。
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)(Supresta製のグレードFyrolflex(登録商標)RDP)を比較実施例1に使用し、ビス(ジフェニルホスフェート)(BDP)(Adekaから入手、グレード名FP600)を到着したままで比較実施例2および本発明の実施例3〜5に使用する。
本発明の実施例に使用する非移行芳香族有機リン酸エステル難燃剤はレゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)(Daihachi Chemical製のPX−200 XPD)および55〜60℃の融点および23の平均n値で6000g/molのMwを有する、室温で固体の高分子量粉末RDP(Yoke Chemical製のp−RDP)である。
実施例はエポキシノボラック(Dow Chemical Company製のDEN438)および以下の添加剤/充填剤:(1)テトラフルオロエチレン−コ−スチレン−コ−アクリロニトリル(Daikin製のグレードAD001);(2)TiO(DuPont製のR350);(3)抗酸化剤(Ciba Specialty Chemicals製のIrganox1010;Ciba Specialty Chemicals製のIrgafos126;およびCiba Specialty Chemicals製のIrgafos MD1024);(4)加工安定剤(Ciba Specialty Chemicals製のIrgafos168);(5)UV安定剤(Ciba Specialty Chemicals製のTinuvin866);および色合わせ添加剤(color match additive)(Clariant製のClariant MB)を含む。
方法:
表Aに示す組成物を二軸押出機で調製し、押出特性および重要特性について評価する。比較実施例(CE)と本発明の実施例(IE)の両方を示す。以下のステップを材料調製および評価に使用する。50L高速ミキサ中に、全てのTPU樹脂および酸化アルミニウム三水和物充填剤の一部を添加し、10秒間混合する。次いで、残りの酸化アルミニウム三水和物を、固形リン酸エステル(XDPまたはp−RDP)、および存在する場合には、液状リン酸エステル(BDPおよびRDP)と共に混合物に添加する。予熱したエポキシ化ノボラックをミキサに徐々に掬い入れる。次いで、Irganox1010およびIrgafos168添加剤を添加する。
いったん全成分をミキサに添加したら、これらを1800RPM下で1分間混合する。次いで、予備混合ブレンドを、170℃のバレル温度、35.5mmのスクリュー直径および38.6のL/Dを有する二軸押出機により約20kg/時間の押出量で押出成形する。最後に、得られたペレットを120℃で6時間乾燥させる。
Figure 0005808864
特徴づけ:
破断点引張強さおよび破断伸びを室温および50mm/分の速度でASTM D−638にしたがって測定する。引張試験はINSTRON 5565 Tensile Testerで行う。引張試験用の標本は、溶融を促進するための低圧サイクルを使用して185℃成型温度で調製し、引き続いて高圧に曝露して1.4×200×200mmプラックに形成した圧縮成型プラックである。型を高圧(15MPa)で保持し、8分の期間にわたって室温に冷却してプラックを凝固させる。
VW−1試験をUL 1581−2001にしたがってVW−1チャンバーで行う。
熱変形試験をUL 1581−2001にしたがって行う。各配合物について、2つの並列試料プラックをオーブンに入れ、150℃で1時間予熱する。次いで、予熱した試料を150℃で1時間同一荷重で押圧する。その後、押圧試料を、荷重を除去することなく、23℃の設定温度のASTM室にさらなる時間入れる。試料プラックの厚さの変化を記録し、熱変形率をHD%=(D−D)/D*100%(式中、Dは元の試料厚さを表し、Dは変形プロセス後の試料厚さを表す)にしたがって計算する。2つの並列試料について計算した変形率を平均する。
非移行試験を上記のように行う。本開示の目的のために、組成物は、目視検査により決定されるように、試験の後、PC、ABSおよびPC/ABSパネル上に残留物もエッチングも観察されなければ、非移行試験に合格する。
データケーブルのための環境試験条件は、1)65℃、非管理湿度、2)40℃、90%相対湿度、および3)−40℃、非管理湿度の典型的な試験ポイントを使用する。最初に、ベースライン検査を行う。次いで、ケーブルを周囲条件で試験室に入れ、その後チャンバー条件を試験ポイント1に適合させる。ケーブルは試験ポイント1に72時間留まり、その後チャンバー条件を最小1時間で周囲条件に戻す。ベースライン検査を行って試験により引き起こされる変化または異常を記述する。プロセスを各試験ポイントについて繰り返す。
結果:
比較実施例(CE)1は、リン酸エステル系難燃剤として液状(25℃未満の融点を有する)有機難燃剤RDPのみを使用し、比較実施例2は、リン酸エステル系難燃剤として液状有機難燃剤BDPのみを使用する。液状有機リン酸エステル難燃剤のみを用いて行うこれら2つの比較実施例は、非移行試験に不合格であり、全プラスチックパネル上に重いエッチングをもたらす。
これに対して、液状有機難燃剤RDPおよびBDPを非移行固形(少なくとも50℃の融点を有する)芳香族有機リン酸エステル難燃剤(PX−200またはP−RDP)で置き換えた、本発明の実施例(IE)1および2は、非移行試験に合格する。比較実施例に対して少なくとも同等の燃料性能および機械特性が得られる。しかしながら、本発明の実施例1および2は、環境試験後のケーブル表面上の粉末残留物により環境試験に不合格である。
本発明の実施例3および4は、リン酸エステル系難燃剤として2%の液状有機難燃剤(BDP)および11.04%の固形芳香族有機リン酸エステル難燃剤(PX−200またはP−RDP)を使用する。この2つの組成物も非移行試験に合格する。比較実施例に対して少なくとも同等の燃料性能および機械特性が得られる。
本発明の実施例5は、リン酸エステル系難燃剤として6.5%の液状有機難燃剤(BDP)および6.5%の固形芳香族有機リン酸エステル難燃剤(PX−200)を使用する。IE5は、全て1.74%のDEN438を使用するCE1〜2およびIE1〜4と比べて、0.86%のDEN438、エポキシノボラックを使用する。IE5は非移行試験に合格する。比較実施例に対して少なくとも同等の燃焼性能および機械特性が得られる。
本発明の実施例6および7は、難燃剤として6.5%の液状有機難燃剤(BDP)および6.5%の固形芳香族有機リン酸エステル難燃剤(PX−200またはP−RDP)を使用し、これらは非移行試験と環境試験の両方に合格する。同等の燃焼性能および機械特性が得られた。本発明の実施例6および7は、1.74%のDEN438を使用することに留意する。
これらの実施例が難燃剤として固形芳香族有機リン酸エステル難燃剤を使用することについての有利な結果を示している。より有利な結果は、液状有機難燃剤と組み合わせて固形芳香族有機リン酸エステル難燃剤を用いることにより得られる。
元素の周期表についての全ての言及は、CRC Press,Inc.、2003が公開し、著作権を所有するthe Periodic Table of the Elementsを参照している。また、族についての任意の言及は、族を番号づけるためのIUPACシステムを使用してこのPeriodic Table of the Elementsに反映される族であるものとする。別段の言及、文脈からの暗示、または当分野での慣習がない限り、全ての部および百分率は重量基準であり、全ての試験法は、本開示の出願日時点の現行のものである。米国特許実務の目的のために、任意の参照特許、特許出願または公開の内容は、特に合成技術、生成物および処理設計、ポリマー、触媒、定義(本開示中に具体的に提供される任意の定義と矛盾しない程度に)の開示、および当分野における一般知識に関して、その全体が参照により組み込まれる(またはその同等のUS版が参照により組み込まれる)。
本開示中の数値範囲は、特に指示しない限り、近似である。数値範囲は、1単位の増加で、より下の値およびより上の値からのこれらの値を含む全ての値を含み、ただし、任意のより下の値と任意のより上の値との間の少なくとも2単位の分離が存在する。例として、例えば、引張強さ、破断伸びなどの、組成、物理的または他の特性が100〜1,000である場合、その意図は、100、101、102などの全ての個々の値および100〜144、155〜170、197〜200などの部分範囲が明確に列挙されていることである。1未満であるまたは1より大きい分数(例えば、1.1、1.5など)を含有する値を含有する範囲については、1単位は適当に0.0001、0.001、0.01または0.1とみなされる。10未満の一桁の数を含有する範囲(例えば、1〜5)については、1単位は典型的には0.1とみなされる。これらは具体的に意図されるものの単なる例であり、列挙される下限値と上限値との間の数値の任意の可能な組み合わせが本開示に明確に述べられているとみなされるべきである。
「周囲条件」は25℃および100kPaの条件を指す。
特に具体的に指示しない限り、化合物に関して使用する場合、単数形は全ての異性体型を含み、逆もまた同様である(例えば、「ヘキサン」は個々にまたは集団的に全てのヘキサンの異性体を含む)。「化合物」および「複合体」という用語は、有機−、無機−および有機金属化合物を指すために互換的に使用される。
特に言及しない限り、「または」という用語は、列挙したメンバーを個々にまたは任意の組み合わせで指す。
本発明を上記説明、図面および実施例を通してかなり詳細に記載してきたが、この詳細は説明を目的としたものである。当業者であれば、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から逸脱することなく多くの変形および修正を行うことができる。

Claims (5)

  1. 非ハロゲン難燃性組成物であって、
    (a)前記組成物の総重量基準で10〜89重量%の、熱可塑性ポリウレタンを含む連続樹脂相と;
    (b)前記組成物の総重量基準で1〜10重量%の、少なくとも50℃の融点を有する芳香族有機リン酸エステル難燃剤と;
    (c)前記組成物の総重量基準で10〜89重量%の無機水和物難燃剤と
    を含み、
    前記組成物の総重量基準で10重量%以下の、25℃以下の融点を有する液状有機難燃剤を含む組成物。
  2. (d)前記組成物の総重量基準で1〜10重量%の、25℃以下の融点を有する液状有機難燃剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  3. 前記芳香族有機リン酸エステル難燃剤がレゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)(XDP)または高分子量レゾルシノールビス(ジフェニルホルフェート)(p−RDP)であり、
    前記無機水和物難燃剤が三水酸化アルミニウム(ATH)であり、
    25℃以下の融点を有する前記液状有機難燃剤がビスフェノール−Aビス(ジフェニルホスフェート)(BDP)である、
    請求項2記載の組成物。
  4. 25℃以下の融点を有する液状有機難燃剤の重量%が少なくとも50℃の融点を有する前記芳香族有機リン酸エステル難燃剤の重量%と等しいまたはこれよりも低い、請求項2記載の組成物。
  5. 請求項1記載の組成物を含む電線またはケーブル用の外被または絶縁層。
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