JP5808380B2 - 葬祭車 - Google Patents

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本発明は葬儀等に用いられる葬祭車で、詳しくは遺体に対する処置から出棺まで全て車室内で完結できる葬祭車に関する。
昭和40年代までの死亡場所は病院よりも自宅が多かった。自宅で葬儀を行い、自宅から火葬場まで出棺するのが一般的であった。ところが、近年になると、死亡場所の9割が病院になり、斯かる変化のなかで移動問題が発生した。病院から安置施設へ、安置施設から式場へ、式場から火葬場へ、火葬場から自宅へといった移動が高齢者に負担になっている。
こうしたなか、上記問題を改善しようとする移動式斎場車の発明が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
特開平11−235270号公報 実開平6−38971号公報
しかるに、特許文献1の移動式斎場は、その段落0006に記載のごとく、「宗家の庭、駐車場、空き地などに搬入し、霊柩を霊柩安置室に納棺安置して斎場を設置し、出棺時には納棺状態のまま斎場を移動して洗骨を受けるよう構成」するが、車室内に葬儀式典のためのスペースが存在しない。段落0011で、「斎場の設置にあたっては、床部に僧侶の読経座や遺族座のスペースを確保できるようにしたり、そのために登勾欄(階段)を設けたりしてもよい。」と記載するが、具体的開示がなく、祭壇,霊柩安置室のレイアウトを見る限り困難視される。
特許文献2の移動式葬祭場車は、その段落0006に記載のごとく「自動車の車内に葬儀用の祭壇を設置すること、床部分に畳を設置することによって、車内で通夜、葬儀、弔問客接待を行うことができる」ようになっている。しかし、畳敷きに固定されるため、例えば車両後部から棺を出し入れする場合、いちいち靴を脱がねばならず使い勝手が悪かった。
また、特許文献1,2に共通する問題として、床面ゾーンに遺体保全処置、遺体安置室、及び葬儀式典のための設営スペースが十分確保できなかった。例えば、死後なるべく早く処置を行い、遺体の損傷を最小限に留める遺体保全処理が行われる場合があるが、特許文献1,2にはその遺体保全処置のための設営スペースが確保できていなかった。火葬までの日数が大幅に延びることが予想される場合、通常、エンバーミング処置が施されるが、その処置スペースが十分確保されてなかった。
さらに、特許文献1,2の移動式葬祭場車は、納棺された棺が搭載されている間、他からの依頼を引き受けて対応するのは不可能であった。納棺された棺が片付くまでは、次の棺を載せることはできなかった。
本発明は、上記問題を解決するもので、床面ゾーンに遺体保全処置、遺体安置室、及び葬儀式典用の設営スペースを確保して、病院等へ迎えに行き、遺体の処置から、通夜,葬儀を経て、火葬場への出棺までの全てを車内で完結でき、さらに、納棺された棺が搭載されている間でも、他からの依頼を受けて、通夜,葬儀等を行うことのできる葬祭車を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、ルーフパネル(21)とリアパネル(22)と両サイドパネル(23)とを備えて、床面(1)の上方を囲う車室空間(20)を形成し、且つ該リアパネル(22)に車外の棺(9a)を車室内へ搬入できる後扉(22d)を設けたボディ(2)と、前記リアパネル(22)寄りの床面(1)上に設置され、且つ下部(4n)に車両前後方向に導通する通り抜け口(40)を設けて、骨組み本体(41)が設置されたままで、前記後扉(22d)を空けたその扉口(220)から該通り抜け口(40)を通って車両前方の床面(1)上へ棺(9a)を搬入できるようにした祭壇(4)と、床面ゾーン(Z)に遺体保全処置、遺体安置室、及び葬儀式典のための設営スペース(S)と、を具備し、且つ前記祭壇(4)を含む葬儀式典設備(3)が車両に搭載又は牽引されて移動できるようにしたことを特徴とする葬祭車にある。
請求項2の発明たる葬祭車は、請求項1で、ルーフパネル(21)に開口部(210)が形成され、該開口部(210)及びその周りのルーフパネル部分(211)を含めた上方をカバーシェル(71)で囲って、遺体保存用の保冷空間(70)が設けられるようにした収容庫(7)と、該開口部(210)に蓋をする蓋体(79)と、納棺された棺(9)を、前記床面(1)上又は該床面近くから前記開口部(210)の高さ以上まで持上げる昇降装置(6)と、をさらに具備し、且つ納棺された前記棺(9)を該開口部(210)から保冷空間(70)内のルーフパネル部分(211)上に載置できるようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明たる葬祭車は、請求項1又は2で、両サイドパネル(23)の両内壁面(23a)から車幅方向中央へ向けて張り出し、それぞれの表面(51a)が水平配設される座部(51)と、該座部(51)に対し回動可能にし、その先端縁から下方へ向け側面視L字状に屈曲してなる先端部(52)と、を有して、車両前後方向に走るサイドパネル(23)沿いに腰掛台(5a)を形成する一方、水平配設された該座部(51)の先に該先端部(52)を延在させ、該座部と該先端部とで床面(1)上方の車幅方向を敷き詰めて、乗員がこれらの上に座ることができる座面形成部(5b)に形づくり、また該座部(51),先端部(52)を折り畳んで、双方を前記内壁面(23a)側へ寄せることができるようにした腰掛け併用座面形成装置(5A)を、さらに具備することを特徴とする。請求項4の発明たる葬祭車は、請求項2又は3で、昇降装置(6)が、車両前後方向に二本ずつ夫々配される雄ねじ部(61a)の軸間距離(L6)を棺(9a)の縦長(L9)よりも短くして、両サイドパネル(23)寄りの四方に立設する支軸(61)と、各雄ねじ部(61a)に雌ねじ部材(62)を螺合させると共に、雌ねじ部材(62)同士をバー(63)で連結してなる昇降具(6a)と、前記支軸(61)を回動させるアクチュエータ(6b)と、を具備し、且つ床面(1)に床開口(10)を設けて、アクチュエータの作動で、該支軸(61)を回動させて昇降具(6a)が上下動し、さらに該床開口(10)を潜って床面(1)よりも下方域に該昇降具(6a)が配されるようにしたことを特徴とする。
請求項1の発明のごとく、祭壇(4)がリアパネル(22)寄りの床面(1)上に設置され、扉口(220)から該通り抜け口(40)を通って車両前方の床面(1)上へ棺(9a)を搬入できるようにすると、棺の搬入,搬出を円滑にし、且つ設営スペース(S)を大きくとることができる。遺体保全処置、遺体安置室、及び葬儀式典を、その使用面積,使用空間が大きな設営スペースで行えるようになる。請求項2の発明のごとく、収容庫(7)と蓋体(79)と昇降装置(6)とが設けられると、該収容庫を使って遺体を保冷保管できるので、時間経過に伴う遺体の損傷を極力抑えることができる。また、収容庫を使って遺体を保冷保管すると、ルーフパネル下の車室空間が空くので、他からの依頼を受けて、その通夜,葬儀等を執り行うことができる。
請求項3の発明のごとく、腰掛け併用座面形成装置(5A)を具備すると、遺族側の要求に応えて、通夜,葬儀の葬儀会場のスタイルを腰掛けタイプにも床面,畳み敷き面に座るタイプのどちらでも対応できる。且つ、座部(51),先端部(52)を折り畳んで、双方を前記内壁面(23a)側へ寄せると、遺体保全処置、遺体安置室のための設営スペース(S)を十二分に確保できる。請求項4の発明のごとく、アクチュエータの作動で、支軸(61)を回動させて昇降具(6a)が上下動し、さらに床開口(10)を潜って床面(1)よりも下方域に昇降具(6a)が配されるようにすると、遺体保全処置や葬儀式典で、昇降具が邪魔になることがない。支軸もサイドパネル寄りに立設するので、邪魔にならない。設営スペース(S)を広々と使えるようになる。
本発明の葬祭車は、遺体保全処置、遺体安置室、及び葬儀式典のための設営スペースを確保して、遺体の処置から出棺までの全てを車内で完結でき、加えて、納棺された棺が車両に搭載されている間でも、他からの依頼を受けて、通夜,葬儀等を行えるなど多大な効を奏する。
実施形態1の葬祭車で、その水平概略断面図である。 図1のII-II線矢視図である。 図1の縦断面図である。 図3から葬儀のレイアウトに変更した縦断面図である。 図4の水平概略断面図である。 図5の要部横断面図で、VI-VI線矢視図である。 図6から先端部を水平にし、畳み敷き面を形成した要部横断面図である。 図6の座部,先端部を折畳んだ状態にした要部横断面図である。 図7における座部と先端部の接続部周りの拡大説明図である。 図9のX-X線矢視図である。 図9のXI-XI線矢視図である。 図7の畳み敷き面を形成した状態下の図5に対応する水平概略断面図である。 病院等から遺体を車室内へ搬入する様子の姿態図で、図1に対応する断面図である。 伝動手段の他態様図で、その平面図である。 図14のXV-XV線矢視図である。 図15に代わる別態様図である。 実施形態2の葬祭車の縦断面図で、図3に対応する断面図である。 図17のXVIII-XVIII線矢視図である。 図17のIXX-IXX線矢視図である。 実施形態3の葬祭車の横断面図で、図2に対応する断面図である。 図20のXXI-XXI線矢視図である。 図20のXXII-XXII線矢視図である。
以下、本発明に係る葬祭車について詳述する。
(1)実施形態1
図1〜図16は本発明の葬祭車の一形態で、図1はその水平概略断面図、図2は図1のII-II線矢視図、図3は図1の縦断面図、図4は図3から葬儀のレイアウトに変更した縦断面図、図5は図4の水平概略断面図、図6は図5の要部横断面図、図7は図6から先端部を水平にし、畳み敷き面を形成した要部横断面図、図8は図6の座部,先端部を折畳んだ状態にした要部横断面図、図9は図7における座部と先端部の接続部周りの拡大説明図、図10は図9のX-X線矢視図、図11は図9のXI-XI線矢視図、図12は図7の畳み敷き面を形成した状態下の水平断面図、図13は病院等から遺体を車室内へ搬入する様子の姿態図で、図1に対応する水平断面図、図14,図15は伝動手段の他態様図で、図14はその平面図、図15は図14のXV-XV線矢視図、図16は図15に代わる別態様図を示す。尚、各図は図面を判り易くするため、サイドパネル23等の断面を表すハッチングの図示を省略し、また各構成部は簡素化して大きく描く。
本発明の葬祭車は、ボディ2と葬儀式典設備3と収容庫7と昇降装置6と設営スペースSと、を具備して、祭壇4を含む葬儀式典設備3が車両VLに搭載又は牽引されて移動できるようにしたものである。
ここでの葬祭車は、図1〜図3のごとく、バスの乗客が乗る車室内及びルーフパネル部分を改造した移動葬祭バスとするが、例えば、ボディ2たるコンテナと該コンテナ内に祭壇4と設営スペースSを有して、これらをトレーラに載せ、トレーラトラクタに牽引させる葬祭車であってもよい。図中、符号VLは車両、符号TRは車体フレームFに取り付けたタイヤ、符号DSは運転席、符号HLはハンドル、符号kは仕切壁を示す。
ボディ2は、ルーフパネル21とリアパネル22と両サイドパネル23を備えて、床面1の上方を囲う車室空間20を形成し、且つ該リアパネル22に車外の棺9aを車室内へ搬入できる後扉22dを設けたシェルである(図1〜図4)。
詳しくは、床面1の上方をルーフパネル21とリアパネル22と両サイドパネル23で囲って車室空間20を形成し、さらに両サイドパネル23の前端縁をフロントパネル24で連結して、外界と遮断できるバスタイプの車室空間20を形成したボディ2とする。ルーフパネル21,サイドパネル23等は、図示しないピラー,ラフタで強度補強される。各パネル21〜23にはウィンドガラスが適宜組付けられている。はしご型車体フレームFに、図示しない縦根太,横根太を取付け、その上方に床板を水平に張って床面1が形成され、下面開口の中空箱状ボディ2が床面1上方から該床面上に被せるようにして、ボディ2の下部を車体フレームFに固着し、車室外と隔てる車室空間20を形成する。
ボディ2のルーフパネル21には、車室空間20側から後述する収容庫7へとつながる開口部210が設けられる。符号23dは車両前方側に設置され、葬儀列席者等の乗員用前扉、符号230は前扉口を示す。
葬儀式典設備3とは、通夜,葬儀に必要な祭壇4と、通夜、葬儀に参加する列席者用の腰掛け又は座面形成装置5と、を備える葬儀設備をいう(図4)。
祭壇4は霊に供物をささげる台で、祭具を置き、通夜,葬儀の祭祀に用いられる壇である。本実施形態の祭壇4は図1,図3ごとくの台形状で、板材で形成した階段状の骨組み本体41と、これに上方から覆い被せる覆い布49とを有する。図1,図4のごとく、一対の階段状側板部42を両サイドパネル23にそれぞれ沿わせるように起立させて、両側板部42の上縁部分に棚部43を橋渡しした後、これらを組付け固定することで、骨組み本体41が形成される。該骨組み本体41は、リアパネル22寄りの床面1上に分解可能に組立てられて、下部4nに車両前後方向に導通する通り抜け口40が設けられる。この組み立てられた骨組み本体41に覆い布49を上から被せると、通夜,葬儀に用いる祭壇4が完成する。覆い布49の下方部分をめくり上げれば、図3の矢印で示すように、骨組み本体41が設置されたままで、前記後扉22dを空けたその扉口220から該通り抜け口40を通って車両前方の床面1上へ棺9aを搬入できる構成になっている。祭壇4は、平面視で両サイドパネル23間の車幅方向を略埋めて、リアパネル22寄り(リアパネル22に当接する場合を含む。)から車両前方へ向け、棚部43が図3のごとく階段状に下がるよう配して、車両後部の床面1上に設置される。
符号44は補強柱、符号45は補強梁を示す。双方で側板部42と棚部43とで祭壇形状に保たれるよう補強するが、例えば側板部42をなしにし、これに代え、補強柱44を強度補強して祭壇4とすることもできる。
通夜,葬儀に参加する列席者用の腰掛け又は座面形成装置5は、列席者が腰掛けて通夜や葬儀の式典に参列できる椅子形態装置、又は畳み敷き面5b1等の座面の上に座って通夜や葬儀の式典に参列できる座面形成装置をいう。
本実施形態の通夜,葬儀に参加する列席者用の腰掛け又は座面形成装置5は、椅子にも畳み敷き等の座面にも切り替え対応できる腰掛け併用座面形成装置5Aになっている。座部51と先端部52を有して、図4〜図6ごとくの腰掛台5aを形成する一方、水平配設された該座部51の先に該先端部52を延在させて図7,図12ごとくの畳み敷き面5b1の座面形成部5bを形づくり、さらに座部51,先端部52を折り畳んで、双方を内壁面23a側へ寄せることができる腰掛け併用座面形成装置5Aとする。
詳しくは、両サイドパネル23の両内壁面23aから車幅方向中央へ向けて張り出し、それぞれの表面51aが水平配設される座部51と、該座部51に対し回動可能にし、その先端縁から下方へ向け側面視L字状に屈曲してなる先端部52と、を有して、車両前後方向に走るサイドパネル23沿いに腰掛台5aを形成する(図4〜図6)。平面視矩形の座部51が、祭壇4よりも車両前方側で且つ車両前後方向中央域のサイドパネル内壁面23aに、腰掛台高さに配した蝶番511で回動自在に取着される(図5〜図8)。そして、車両前後方向長さを座部51と略同じにした平面視矩形の先端部52が、座部51側の主ピン51p,先端部52側の主ピン用孔52phを介して、回動自在に座部51の先端縁に取付けられる(図9〜図11)。
両座部51を車幅方向中央へ水平に張り出し、且つその先端から先端部52を垂下させ、図6ごとくの腰掛け台5aが形成される。主ピン51p近くの先端部52側の枠フレーム52Fに鉤状引掛け具52fを取付けており、引掛け具52fの先端部分を主ピン51p近くに設けた座部側の孔51fに挿着して、該腰掛け台5aが安定保持される。符号BRはバックレスト(図6以外は図示省略)を示す。
また、図6の状態から、引掛け具52fを孔51fから外し、主ピン51pを中心に先端部52を水平に広がるよう持ち上げ、水平に張り出す両座部51の先に先端部52を延ばすと、該座部51と該先端部52とで図7,図12のごとく車幅方向を敷き詰めた畳み敷き面5b1の座面形成部5bを形づくる。先端部52の車幅方向長さは、座部51の車幅方向長さの約半分とする。座部51の表面51aや先端部52の表面52aには畳表のむしろが貼着されており、乗員(例えば遺族,参列者)は畳み敷き面5b1上に座ってくつろぐことができる。図7中、符号512は補助柱、符号53は支え柱の備品で、これらで座部51,先端部52を下から受け支え、畳み敷き面5b1を水平に保形維持する。加えて、座部51の枠フレーム51Fには主ピン51p近くの枠体51Fからガイドピン51gが突出すると共に、先端部52の枠フレーム52Fには図9〜図11のごとくガイドピン51gが挿通する半月状のガイドピン用孔52ghが設けられる。このガイドピン用孔52ghによってガイドピン51gの動きを規制し、図9で説明すると、水平配設された先端部52が主ピン51pを中心にして上方に反るのを防ぐ。
さらに、座部51,先端部52を折り畳んで、図8のごとく双方を前記内壁面23a側へ寄せることができる腰掛け併用座面形成装置5Aとする。図7,図8で、補助柱512,支え柱53を外した後、主ピン51pを軸にして、鎖線矢印のごとく先端部52を座部51の裏面側へ折り畳んだ後、実線矢印のごとくヒンジ511を中心に該座部51を回動させ、サイドパネル内壁面23aへ寄せることができる。床面1が広く使える状態になる。符号10dは座部51と床面1との干渉を避ける副開口部で、座部51をサイドパネル23に寄せた後、副開口部10dには蓋がされる。尚、座部51,先端部52は、車両前後方向に長い一枚物の矩形形状としたが(図4,図12)、複数に分割できる。
葬儀式典設備3に、前記祭壇4と前記腰掛け又は座面形成装置5の他、焼香台31や僧侶用椅子32等を備えると、より好ましくなる。通夜,葬儀等の式典を円滑に行えるからである。
焼香台31は香をたく時に用いる台である(図4)。列席者は葬儀等で焼香台31の前に進み、仏前,霊前で香をたいて拝む。僧侶用椅子32は、背もたれのない図示ごとくの椅子で、通夜,葬儀で僧侶が使用する。
収容庫7は遺体91を保冷状態で保管できる保冷空間70を有する収納庫である(図3,図4)。本実施形態は、ルーフパネル21に開口部210が形成され、該開口部210及びその周りのルーフパネル部分211を含めた上方をカバーシェル71で囲って遺体保存用の保冷空間70が設けられるようにした収容庫7とする。具体的には、運転席DS側に近い車両前方部位のルーフパネル21に棺9aが通り抜ける大きさの開口部210を設けると共に、該開口部210とその周りのルーフパネル部分211を、下面側開口の椀状カバーシェル71で覆って、収容庫7とする。
平面視縦長の棺9aは、その長手方向を車両前後方向に合わせて、図1のようにリアパネル22の扉口220から車室内へ搬入され、長手方向をそのまま維持して車両前方へ運ばれる。前記開口部210は、この移動した棺9aの平面視姿態よりも一回り大きな開口とし、図2のように車幅方向の略中央に設けられる。保冷空間70内で、開口部210の両脇のルーフパネル部分211には、図2のごとく納棺された棺9を載置保管できるスペースが設けられる。開口部210には開閉自在の蓋体79が取付けられて、該開口部210を封止できる(図4)。開口部210に蓋体79で蓋をした状態下の保冷空間70内には、該保冷空間70内に置かれたドライアイス78又は保冷機(図示せず)からの冷気が供給されるようにして、遺体91を保冷可能にする。符号73は開口部210近くのルーフパネル部分211上に取り付けられたフリーローラを示す。該フリーローラ73は、開口部210を通ってその高さ以上に持上げられて保冷空間70内に入った棺9a又は納棺された棺9を、開口部210脇のルーフパネル部分211上へ円滑移動させる役目を果たす。
昇降装置6は、納棺された棺9を、前記床面1上又は該床面近くから前記開口部210以上の高さまで持上げるリフトである(図1〜図4)。
本実施形態の昇降装置6は、車両前後方向に二本ずつ夫々配される雄ねじ部61aの軸間距離L6を棺9aの縦長L9よりも短くして、両サイドパネル23寄りの四方に支軸61が立設する。各支軸61のほぼ全軸長に雄ねじ部61aが形成される。各雄ねじ部61aにナット形の雌ねじ部材62を螺合させると共に、雌ねじ部材62同士をバー63で連結してなる方形枠の昇降具6aを設け、さらに一の支軸61を回動させるアクチュエータ6bたる減速機付きモータが配備される。アクチュエータ6bの作動で、伝動手段6c(ベルト伝動装置66)を介して、支軸61を回動させて昇降具6aが上下動し、昇降具6aに載せた棺9が、該開口部210を通り抜け、保冷空間70内のルーフパネル部分211上に載置保管できるようにしている。
詳しくは、図2,図3のごとく、両サイドパネル内壁面23a沿いに、それぞれ二本の支軸61が、該開口部210内に配される棺9aの縦長L9よりも軸間距離L6を短くして、車両前方エリアの床面1に対し垂直起立する。そして、各支軸61の雄ねじ部61aに螺合させた雌ねじ部材62同士を棒状部材からなるバー63で連結して枠状昇降具6aとする。車幅方向に走る二本のバー63が図1,図2のごとく棺9aの下に潜り込んで、該昇降具6aの上動に伴い棺9aを持上げられるようにしている。図1の平面視でいえば、開口部210の真下の床面1上又はその近くに配した昇降具6a上に納棺された棺9が運ばれる。この運ばれた棺9が昇降具6aの上動で持上げられるよう、車幅方向に走る二本のバー63はそれぞれ棺9,開口部210とクロスするように配設される。加えて、車幅方向に走る前記二本のバー63の略中央上面には嵩上げ部64が設けられる。納棺された棺9が開口部210の高さ以上まで持上げられるようにするためである(図2)。
ここでは、各支軸61の上側軸受65aをルーフパネル21に取着する一方、各支軸61の下側軸受65bを床下の車体フレームFに取着する。一のサイドパネル23沿いに在る二つの支軸61を、図3のごとくルーフパネル21の上側へ突出させ、そのうちの一つの支軸61上部に減速機付きモータ6bのモータ軸を連結し、且つ該支軸61の上部に歯付プーリ66aを固着する。他の支軸61の上部にも歯付プーリ66aを固着する。両歯付プーリ66aに歯付ベルト66bが掛けられ、両支軸61にモータ6bの回動(正回転又は逆回転)が精確に伝達される。さらに、両支軸61の下部に歯付プーリ66aをそれぞれ固着し、また両支軸61が車幅方向で対向する相手方支軸61のそれぞれの部位に歯付プーリ66aを固着する。且つ図2のごとく、それぞれ対向する歯付プーリ66aに歯付ベルト66bが掛けられ、モータ6bの回動(正回転又は逆回転)が四つの支軸61に精確に伝達される。モータ作動で、各支軸61を回動させて、棺9を載せた昇降具6aが上下動するようになっている。
また、本実施形態は床面1に床開口10を設け、モータ6bの作動で、昇降具6aが下降し、該床開口10を潜って、床面1よりも下方域に配されるようにしている(図3)。昇降具6aの不要時は、これを床面1下に収め、床面ゾーンZに遺体保全処置、遺体安置室、及び葬儀式典のための設営スペースSを大きくとるためである。尚、前記モータ6bは、図示しないブラケットを介して、収容庫7の内壁に取付けられている。
設営スペースSは、車室内で、遺体安置室として用いる際に、又は遺体保全処置や葬儀式典を行う際に、必要な空間,場所をいう。具体的には、これらの作業,遺体安置,葬儀式典が行なわれる床面1上の車室空間20になる。運転席後ろの仕切壁kからリアパネル22までの床面ゾーンZのうち、祭壇4を設置にした図13の状態でも、祭壇4よりも車両前方の広い床面ゾーンZを設営スペースSとして活用できる。昇降具6aを床面1下に配して床開口10を敷蓋19で塞ぎ、また、腰掛け併用座面形成装置5Aは図1,図8のように折り畳んでサイドパネル23に寄せるので、本葬祭車は、床面1を遺体保全処置等の設営スペースSとして広々と使用できる構造になっている。
したがって、病院等から遺体91を引き取った後に、床面1上の車室空間20内の該設営スペースSで、遺体91が経時的に損傷していくのを抑える遺体保全処置を速やかに行うことができる(図13)。
また、該設営スペースSの床面1上で、遺体91を棺に入れて安置することができる。本発明の床面ゾーンZは、床面1及びその上方空間を指し、ルーフパネル21上に設けた収容庫7も床面ゾーンとみなす。該収容庫7は遺体安置室として活用できる。納棺された棺9を収容庫7に保冷して、安置させてもよい(図2)。
また、図13の状態から図4,図5のように祭壇4下の床面1上に納棺された棺9を置き、腰掛け台5aを組み立てると共に焼香台31,僧侶用椅子32を並べると、該設営スペースSが、椅子に腰掛ける形での通夜,葬儀の葬儀式典の会場となる。また、図4,図5の腰掛け台5aを図7,図12の座面形成部5bに変えると、該設営スペースSが、座面(畳み)に座る形の通夜,葬儀の葬儀式典の会場になる。
ところで、遺体保全処置に関しては、病院の施設や看護師の業務として行われてきたが、近年、死亡場所が自宅から病院へと移行する状況下、病院側の慢性的人材不足で看護師の技術向上の環境が整っていない問題がある。その一方で、遺体保全処置に対する遺族側の期待は高まっている。
遺体保全処置には、遺族より依頼のあった衣装を故人に着せ、表情を整えるにとどまらず、エンバーミング処置(遺体衛生保全処置)を施すことがある。エンバーミングとは遺体91を長期保存するために防腐処理を施すことをいう。「現代のエンバーミングは、具体的には以下の方法で行われている。1.全身の消毒処理、及び洗浄を行う。2.遺体の表情を整え、必要に応じて髭を剃るなどの処理を行う。3.遺体に少切開(主に頚部など)を施し、動脈より体内に防腐剤を注入。同時に静脈より血液を排出する。4.腹部に約1cmの穴を開け、そこから鋼管を刺し胸腔・腹腔部に残った体液や、腐敗を起こしやすい消化器管内の残存物を吸引し除去する。また同時にそれらの部分にも防腐剤を注入する。5.切開を施した部位を縫合し、事故などで損傷箇所がある場合はその部分の修復も行う。この時、切開を行った部分にはテープ等を貼り目立たなくする。6.再度全身・毛髪を洗浄し、遺族より依頼のあった衣装を着せ、表情を整え直した上で納棺する。」(フリー百科事典『ウィキペディア』)とあり、本実施形態は、図13のごとく、上記1〜6の項目作業に必要な広さの設営スペースSを備える所望の葬祭車になっている。
図中、符号Wはトイレ装置、符号Tは飲料用装置を示す。
尚、本実施形態の葬祭車は、伝動手段6cにベルト伝動装置66を用いたが、これに限定されず、例えば図14,図15のようなチェン伝動装置67とすることもできる。四本の各支軸61は、その上端部がルーフパネル21上に設けた嵩上げ柱6eを挿通して上方に突出する。各支軸61の上端部分に鎖車67aが固着され、四つの鎖車67aを周回するようにチェン67bが巻回される。一の支軸61にアクチュエータ6bたる減速機付きモータを取付け、アクチュエータ6bの作動でその支軸61を回動させる。該支軸61の回動に伴い、チェン伝動装置67により他の支軸61も連動して回動し、昇降具6aが上下動するようになっている。図2〜図4のような伝動手段6は、四本の支軸61の雄ねじ部61aに加工精度が要求され、ピッチ誤差が大きいと、コギングや昇降具6aの上下動に支障をきたす虞がある。これに対し、図14,図15の伝動手段6は、四つの鎖車67aをチェン67bで周回するので、雄ねじ部61aのピッチ誤差の許容範囲が大きくなり、より好ましくなっている。符号671aはテンション用鎖車を示す。図16はルーフパネル部分211に起立させたブラケットBRへ、テンション用鎖車671aを取付けて、安定保持させた図15に代わる別態様図を示す。図14〜図16における他の構成は図1〜図13と同様で、その詳細を省く。図1〜図13と同一符号は同一又は相当部分を示す。
次に、本葬祭車の一使用例を説明する。逝去の知らせを受け、遺体91を病院等まで迎えに行き、図示しないストレッチャー等でリアパネル22の扉口220から車室内へ搬入する。遺体91は祭壇下部4nの通り抜け口40を潜り抜けて、その車両前方の床面1上の設営スペースSに運ばれる(図13)。そして、台Rに載せた遺体91の消毒処理,洗浄や、遺体91の表情を整える遺体保全処理を行う。昇降具6a,腰掛け併用座面形成装置5Aが片付けられており、広くなった設営スペースSは、遺体保全処理を行うに十分な作業スペースが確保されている。作業スペースが広いので、遺族の要求を受け、車室内での前記エンバーミング処理にも迅速対応できる。
次いで、遺体91が棺9aに収められる。該棺9aが置かれた床面1及びその周りがそのまま遺体安置室の設営スペースSとなる。
ここで、都市部では、火葬場併設の式場利用が飽和状態で、空くまでに平均五日間ほど要する。死後から時間経過が大きければ、その分、遺体91は損傷を受ける。その遺体91の姿に心を痛める遺族は少なくない。斯かる場合、本葬祭車では保冷空間70のある遺体保存用収容庫7を有しており、ここに納棺された棺9を安置する。収容庫7が保冷保存の遺体安置室として供される。
その後、通夜,葬儀を行う。本葬祭車では車室空間20内で円滑に営まれる。床面ゾーンZで車両後部に祭壇4を設置すると共に、その車両前方側の床面1上に、腰掛け併用座面形成装置5Aで腰掛けタイプにするか(図4,図5)、畳み敷き面5b1にする座面形成部5bを形づくって(図7,図12)、通夜,葬儀の会場が速やかに造られる。焼香台31や僧侶用椅子32を所定場所に配し、さらに位牌等の仏具を配して、車内で通夜,葬儀の葬儀式典を執り行う。
続いて、棺9を本葬祭車に載せたまま火葬場まで出棺、しかる後、初七日法要を執り行った後、列席者等を送迎し、一連の上記葬祭行事を無事終えることとなる。
(2)実施形態2
本実施形態は、実施形態1の昇降装置に代え、図17〜図19の昇降装置6を備えた葬祭車とする。図14〜図16の昇降装置6は、収容空間7側に伝動手段6c,減速機付きモータ6bを設けたが、ここでは床面1下に伝動手段6c,減速機付きモータ6bを設ける。尚、四本の支軸61,雄ねじ部材62,バー63,嵩上げ部64,軸受65,昇降具6a等の基本構造は、実施形態1と同じにする。
一の支軸61の下端側に在る車体フレームFに、底面が平らな凹形の窪みF1を形成し、該窪みF1に減速機付きモータ6bを設置する(図17,図18)。そのモータ軸と前記支軸61とを連結し、該支軸61の下部に鎖車67aを固着する。他の支軸61の下部にも鎖車67aを固着し、四つの鎖車67aを周回するようにチェン67bが巻回される(図19)。各鎖車67a,チェン67bのチェン伝動装置67及び減速機付きモータ6bが、床下空間100内に配設される。減速機付きモータ6bの作動で連結する支軸61を回動させる。該支軸61の回動に伴い、チェン伝動装置67により他の三本の支軸61も連動して回動し、昇降具6aが上下動する。
本昇降装置6は、図14〜図16の昇降装置6と違って、嵩上げ柱6eが不要になる。且つチェン伝動装置67及び減速機付きモータ6bが、収容空間70から床下空間100へ移るので、ルーフパネル21は棺9aが収まる高さが確保できれば足り、車高を低く設定できる。
他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
(3)実施形態3
本実施形態は、実施形態1,2の昇降装置に代え、図20〜図22の昇降装置6を備えた葬祭車とする。図14〜図16の昇降装置6における減速機付きモータ6bは、そのまま収容空間70内に残したまま、収容空間7側に在る伝動手段6cを全て床面1下に配設した昇降装置になっている。四本の支軸61,雄ねじ部材62,バー63,嵩上げ部64,軸受65,昇降具6a等の基本構造は、実施形態1と同じにする。
一の支軸61を、図20のごとくルーフパネル21の上側へ突出させ、該支軸61上部に減速機付きモータ6bのモータ軸を連結し、且つ該支軸61の下部に鎖車67aを固着する。他の支軸61の下部にも鎖車67aを固着し、四つの鎖車67aを周回するようにチェン67bが巻回される。各鎖車67a,チェン67bのチェン伝動装置67が、床下空間内に配設される。減速機付きモータ6bの作動で連結する支軸61を回動させる。該支軸61の回動に伴い、チェン伝動装置67により他の三本の支軸61も連動して回動し、昇降具6aが上下動する。
本昇降装置6も、図14〜図16の昇降装置と違って、嵩上げ柱6eが不要になる。且つチェン伝動装置67が、収容空間70から床下空間100へ移るので、車高を低く設定できる。また本昇降装置6は、清浄が理想の駆動部たるアクチュエータ6bを天井側収容空間70に置いて、埃や油滓の出る伝動手段6cは床面1下に置くので、実施運行上、より好ましくなっている。
他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
このように構成した葬祭車は、既述のごとく遺体91に対する処置から出棺までの全てを車内で完結できる。従来、病院から安置施設へ、安置施設から式場へ、式場から火葬場へ、火葬場から自宅へといった移動があり、高齢者には負担であり、そのため大切な故人との最後の別れの機会を十分満たせない問題があったが、前述した一連のすべての行事を車内で充足対応できるため、斯かる負担や満たされない気持ちを一挙解消する。
加えて、本葬祭車によれば、移動,遺体保全処置,遺体安置,通夜や葬儀の式場をすべて同じ車室空間20内で済ませることができ、且つこうした各事柄を実施する場所を選ばないという特徴を有する。そのため、『最後の別れの時間は車で移動できる所ならどこへでも行くことができる』という『過ごし方の提案』ができ、無限の可能性を秘めている。例えば、『生まれ育った伊豆の海が見たい。』といっていた故人の最後の望みを叶えるべく、通夜の朝に東京を出発し、生まれ故郷を巡りながら、縁の人達との別れの時間をもった後、東京に戻って、通夜,葬儀を行うことができる。
また、近年、死亡場所が病院になったことにより、安置場所として帰る場所が自宅かそれ以外の場所かを選択する必要に迫られている。しかし、マンション化等の居住空間の変化によって自宅に帰らない選択をする人が増えている。加えて、近年は葬儀が小型化する家族葬の台頭により、自宅を安置場所として選択すると、第三者に死亡が知られてしまい、葬儀が行い難いというリスクを生んでいる。こうした事情もあって、安置を専門にする『安置所』という施設があるが、この安置所は交通の便が良い生活圏には設置し難く、辺鄙な場所が多い。面会などの二次的な安置所への移動負担も増える。
本葬祭車は、遺体安置室のための設営スペースSを有しており、こうした問題に対しても一気に解決する。
また、死亡者数の増加に伴い、都市部では特に葬儀場,火葬場の稼働率がキャパシティを大きく上回っている。そのため、火葬までの日程が延び、遺体91の損傷,衛生面でのリスクが高くなっているが、車内に祭壇4,葬儀式典の設営スペースSを有して葬儀を執り行うことができるので、死後からの時間経過を最小限にくい止め、遺体91の損傷を小さくできる。
特に、本葬祭車によれば、特許文献1,2と違って、遺体保存用の保冷空間70を有する収容庫7を備えるので、遺体91の損傷を極力抑え、遺体損傷が遺族に与える精神的ダメージをなくすことができる。
さらに、本葬祭車は、車室内に特許文献1,2で確保できなかったエンバーミング処置の遺体保全処置の設営スペースSも有しており、その処置をも車室内で実施できる。エンバーミング処理が行われた遺体91は、注入される薬剤の濃度や量により数日〜二週間程度まで常温での保存が可能となる。徹底した処置を行えば、保存可能期間を更に延ばすことができる。
さらにいえば、収容庫7に納棺された棺9を保冷保管し、蓋体79で開口部210に蓋がされておれば、床面1上の車室空間20は空き状態になるので、例えば緊急に執り行われる別の遺族の通夜や葬儀の式典に使用できる。特許文献1,2の移動式葬祭場車では、納棺された棺が搭載されている間、他からの依頼を引き受けて対応するのは不可能であったが、本葬祭車は対応可能になり、本葬祭車の稼働率を上げることにつながる。
このように本発明の葬祭車は、上述した数々の優れた効果を発揮し、極めて有益である。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。床面1,ボディ2,葬儀式典設備3,腰掛け又は座面形成装置5,昇降装置6,収容庫7,床面ゾーン,設営スペースS,車両等の形状,大きさ,個数,材料,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、昇降装置6は実施形態のもの以外にジャッキタイプの装置を採用できる。
1 床面
10 床開口
2 ボディ
20 車室空間(車室内)
21 ルーフパネル
210 開口部
211 ルーフパネル部分
22 リアパネル
23 サイドパネル
23a 内壁面
3 葬儀式典設備
4 祭壇
40 通り抜け口
41 骨組み本体
5A 腰掛け併用座面形成装置
5a 腰掛け台
5b 座面形成部
51 座部
52 先端部
6 昇降装置
6a 昇降具
6b アクチュエータ(モータ)
61 支軸
61a 雄ねじ部
62 雌ねじ部材
63 バー
7 収容庫
70 収容空間
71 カバーシェル
9 納棺された棺(棺)
9a 棺
S 設営スペース
Z 床面ゾーン

Claims (4)

  1. ルーフパネル(21)とリアパネル(22)と両サイドパネル(23)とを備えて、床面(1)の上方を囲う車室空間(20)を形成し、且つ該リアパネル(22)に車外の棺(9a)を車室内へ搬入できる後扉(22d)を設けたボディ(2)と、
    前記リアパネル(22)寄りの床面(1)上に設置され、且つ下部(4n)に車両前後方向に導通する通り抜け口(40)を設けて、骨組み本体(41)が設置されたままで、前記後扉(22d)を空けたその扉口(220)から該通り抜け口(40)を通って車両前方の床面(1)上へ棺(9a)を搬入できるようにした祭壇(4)と、
    床面ゾーン(Z)に遺体保全処置、遺体安置室、及び葬儀式典のための設営スペース(S)と、を具備し、且つ前記祭壇(4)を含む葬儀式典設備(3)が車両に搭載又は牽引されて移動できるようにしたことを特徴とする葬祭車。
  2. 前記ルーフパネル(21)に開口部(210)が形成され、該開口部(210)及びその周りのルーフパネル部分(211)を含めた上方をカバーシェル(71)で囲って、遺体保存用の保冷空間(70)が設けられるようにした収容庫(7)と、
    該開口部(210)に蓋をする蓋体(79)と、
    納棺された棺(9)を、前記床面(1)上又は該床面近くから前記開口部(210)の高さ以上まで持上げる昇降装置(6)と、をさらに具備し、且つ納棺された前記棺(9)を該開口部(210)から保冷空間(70)内のルーフパネル部分(211)上に載置できるようにした請求項1記載の葬祭車。
  3. 前記両サイドパネル(23)の両内壁面(23a)から車幅方向中央へ向けて張り出し、それぞれの表面(51a)が水平配設される座部(51)と、該座部(51)に対し回動可能にし、その先端縁から下方へ向け側面視L字状に屈曲してなる先端部(52)と、を有して、車両前後方向に走るサイドパネル(23)沿いに腰掛台(5a)を形成する一方、水平配設された該座部(51)の先に該先端部(52)を延在させ、該座部と該先端部とで床面(1)上方の車幅方向を敷き詰めて、乗員がこれらの上に座ることができる座面形成部(5b)に形づくり、また該座部(51),先端部(52)を折り畳んで、双方を前記内壁面(23a)側へ寄せることができるようにした腰掛け併用座面形成装置(5A)を、さらに具備する請求項1又は2に記載の葬祭車。
  4. 前記昇降装置(6)が、車両前後方向に二本ずつ夫々配される雄ねじ部(61a)の軸間距離(L6)を棺(9a)の縦長(L9)よりも短くして、両サイドパネル(23)寄りの四方に立設する支軸(61)と、各雄ねじ部(61a)に雌ねじ部材(62)を螺合させると共に、雌ねじ部材(62)同士をバー(63)で連結してなる昇降具(6a)と、前記支軸(61)を回動させるアクチュエータ(6b)と、を具備し、且つ床面(1)に床開口(10)を設けて、アクチュエータの作動で、該支軸(61)を回動させて昇降具(6a)が上下動し、さらに該床開口(10)を潜って床面(1)よりも下方域に該昇降具(6a)が配されるようにした請求項2又は3に記載の葬祭車。
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