JP5807898B2 - モールド金型及びこれを用いた樹脂モールド装置 - Google Patents

モールド金型及びこれを用いた樹脂モールド装置 Download PDF

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Description

本発明は、モールド金型及びこれを用いた樹脂モールド装置に関する。
例えばモータ駆動用インバータとして用いられる高発熱部品においては、図7(a)に示すように半導体チップ51の上面及び下面の双方に放熱用のヒートシンク52,53が設けられる。このようなワークWを樹脂モールドする場合には、上下面のヒートシンク52,53を露出させて樹脂モールドする必要がある。この場合、ヒートシンク52,53の表面に対するフラッシュ防止のため、ワークWの上面及び下面側のヒートシンク52,53を上型54及び下型55のキャビティ面54a,55aでクランプしたまま樹脂モールドするのが望ましい。図7(a)においては、接続端子としてのリードフレーム56をヒートシンク53として利用した構成となっており、ヒートシンク52が半導体チップ51に接着されている。また、上型54のクランプ面にはリリースフィルム56が吸着保持されている。
しかしながら、半導体チップ51に接着等により設けられるヒートシンク52の実装高さや実装される半導体チップの実装高さが数十μm単位でばらつきやすい。このため、図7(b)に示すようにヒートシンク52,53をモールド金型によりクランプすると半導体チップ51に割れが発生するおそれがある。よって、ワークWと隙間を設けて樹脂モールドが行われている。
あるいは、モールド金型の例えば上型側にスイベル構造を有するモールド装置が提案されている。スライド部材がバック部材と傾斜面を介して当接し、バック部材の反対面側中央部に凸部が形成されかつ凸部形成面とばねを介してスイベル部材が揺動可能に連結されている。スイベル部材はキャビティ駒でありワークをクランプする。スライド部材を進退移動させてバック部材を押圧するとスイベル部材が凸部を中心にワークの傾きに倣って傾斜させたままモールドするようになっている(特許文献1、図6参照)。
特開2007−320102号公報
しかしながら、ワークとモールド金型(キャビティ面)との間に隙間を設けて樹脂モールドする場合には、樹脂モールド後にヒートシンクを覆うモールド樹脂をフライス加工や研磨加工等により除去する必要があり、工数が嵩んで製造コストが高くなる。
また、特許文献1の構成では、スライド部材をスライドさせることでバック部材への押圧を強めることでスイベル部材が凸部を中心に揺動するようになっているため、スライド部材の移動量やコイルばねのばね力などの関係からスイベル部材の揺動量も変わりやすい。よって、スイベル部材のヒートシンクのわずかな傾きに追従させる調整が難しい。
また、スイベル部材とバック部材との間に揺動中心(凸部との接点)が存在するため、キャビティ底部を形成するスイベル部材の板厚の回転径を伴って傾くため、水平方向に対する傾斜角が大きくなりやすい。よって、ヒートシンクに対してスイベル部材が片当たりし易く、特にヒートシンクが電極端子を兼ねるような場合には、半導体チップとの電気的接続を維持するためできるだけ局部的に応力集中することは避けたい。
本発明は上記従来技術の課題を解決し、ワークをクランプする際に、キャビティ駒がワーク当接面の傾斜に追従してクランプしてワークを破損することなくクランプすることが可能なモールド金型及びこれを備えて樹脂モールドすることで成形品質を向上させた樹脂モールド装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
モールド金型においては、第1の金型と、前記第1の金型と共にワークをクランプする第2の金型と、前記第1,第2の金型の一方に設けられモールド樹脂が充填されるキャビティ凹部の底部を形成するキャビティ駒が傾動可能に支持されており、前記キャビティ駒に連結された位置決めブロックが、チェイスとベースの間に設けられた支持プレートに一体に組み付けられたサポート駒とこれに重ねて組み付けられたガイド駒との間で位置決めされるように支持され、前記ガイド駒に複数箇所において組み付けられた可動ピンによって、当該ガイド駒より前記キャビティ駒が離間するように付勢されて組み付けられており、前記キャビティ駒は、ワーク当接面と反対面に凸状球面部が形成されており、対向する前記ガイド駒の凹状球面部にガイドされて傾動することを特徴とする。
また、前記第1,第2の金型がワークをクランプする際に、前記キャビティ駒は、ワークと当接する当接面中央部を回転中心として形成された凸状球面部が対向する前記ガイド駒の凹状球面部にガイドされて回転することによりワークの傾きに追従して傾動することを特徴とする。
また、前記キャビティ駒は対向する前記ガイド駒に対してわずかに隙間が形成されるように付勢されて支持されていることを特徴とする。
前記キャビティ駒を含む金型クランプ面にリリースフィルムが吸着保持されており、前記キャビティ駒を支持する支持部には、当該キャビティ駒がクランプ圧に抗して押し戻された際に戻り止めとなるストッパー部が形成されていることを特徴とする。
前記ガイド駒の凹状球面部とは反対面に前記キャビティ駒のワーク当接面中央部を回転中心とする凸状球面部が形成され、前記ガイド駒に対して前記キャビティ駒と共に移動可能に組み付けられる位置決めブロックの対向面に凹状球面部が形成されていることを特徴とする。
樹脂モールド装置においては、上述したいずれかのモールド金型を備えたことを特徴とする。
また、圧着装置においては、第1の金型と、前記第1の金型と共にワークをクランプして圧着する第2の金型と、を具備し、前記第1,第2の金型の一方に設けられたワーク当接面にキャビティ駒が傾動可能に支持されており、前記キャビティ駒は、ワーク当接面と反対面に凸状球面部が形成されており、対向するガイド駒の凹状球面部にガイドされて傾動することを特徴とする。
上記モールド金型及び樹脂モールド装置を用いれば、モールド金型に設けられたキャビティ凹部の底部を形成するキャビティ駒が傾動可能に支持されており、キャビティ駒は、ワーク当接面と反対面に凸状球面部が形成されており、対向するガイド駒の凹状球面部にガイドされて傾動する。これにより、ワークの金型当接面(ヒートシンクなどのクランプ面)が平行でなくても、ワークの傾きに追従してキャビティ駒が傾いてクランプすることができる。よって、ワークの金型当接面にモールド樹脂が入り込むことがなく、製造コストを低減することができる。
また、第1,第2の金型がワークをクランプする際に、キャビティ駒は、ワークと当接する当接面中央部を回転中心として形成された凸状球面部がガイド駒の凹状球面部にガイドされて回転することにより、キャビティ駒のワークと当接する当接面中央部の位置は動かずにワークのわずかな傾きに追従してキャビティ駒を傾斜させてクランプすることができる。
また、キャビティ駒は対向するガイド駒との球面部間にわずかに隙間が形成されるように付勢されて支持されていると、接触力による抵抗が低減され、キャビティ駒の凸状球面部がガイド駒の凹状球面部に沿ってスムーズにガイドされて傾動させることができる。
キャビティ駒の支持部には、当該キャビティ駒がクランプ圧に抗して押し戻された際に戻り止めとなるストッパー部が形成されていると、キャビティ駒のクランプ圧が樹脂圧に負けて押し戻されそうになっても、ストッパー部により戻り止めされるので、ワークに対する過度の負荷をキャビティ駒の戻りにより逃すことができるうえに、キャビティ駒が戻り止めされるので、金型クランプ面に設置されるリリースフィルムの伸びや破れを防ぐことができる。
キャビティ駒のクランプ面にワークの金型当接面が当接し始めると、可動ピンの付勢に抗してワークを傾動させることができるうえに、キャビティ駒に連結された位置決めブロックが、支持プレートに設けられたサポート駒により位置決めされるので、キャビティ駒が傾斜姿勢でもクランプ状態を安定させることができる。
ガイド駒の凹状球面部とは反対面にキャビティ駒のワーク当接面中央部を回転中心とする凸状球面部が形成され、ガイド駒に対してキャビティ駒と共に移動可能に組み付けられる位置決めブロックの対向面に凹状球面部が形成されていると、キャビティ駒がガイド駒に対して傾動するのみならず、位置決めブロックもガイド駒に対して傾動する。よって、キャビティ駒と連結された位置決めブロックもガイド駒に対して傾動することで、キャビティ駒のガイド駒に対する摺動性が高まり、ワークの傾きに対して追従して傾動し易くなる。
また、上述したモールド金型を備えた樹脂モールド装置においては、ワークのクランプ面を露出してモールドする際に、ワークに当接するキャビティ駒の追従性が高いので、クランプ面への樹脂の侵入を防いで成形品質を高めることができる。
上述したモールド金型を備えた圧着装置においては、ワーク上へのフラッシュを効果的に防止しながら、均一にワークを押圧することができるため、電気的接続不具合の発生を防止し高品質な圧着が可能となる。
モールド金型の断面説明図である。 上型クランプ面の平面図である。 ワークにキャビティ駒が当接した状態を示すモールド金型の断面図である。 ワークをクランプした状態のモールド金型の断面図である。 ワーククランプ前、当接状態、クランプ完了に至る金型主要断面図である。 キャビティ駒が押し上げられた状態を示すモールド金型の断面図である。 従来の課題を説明するモールド金型の断面図である。
以下、本発明に係るモールド金型及びこれを用いた樹脂モールド装置の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。以下の実施形態では、上型及び下型にキャビティ凹部が形成され下型側にポットが形成されるトランスファ成形用のモールド金型を用いた樹脂モールド装置を想定して説明する。また、樹脂モールド装置では、下型を可動プラテンに取り付けられて昇降動作可能な可動型とし上型を固定型として説明する。尚、上型を可動型、下型を固定型としても良いし、双方を可動型としても良い。
図1は、本発明に係る樹脂モールド装置の一実施形態の各部の平面配置を示す。
樹脂モールド装置は、第1の金型(上型1)と第1の金型と共にワークWをクランプする第2の金型(下型2)を備えている。上型1にはモールド樹脂が充填される上型キャビティ凹部3、この上型キャビティ凹部3の底部を形成する上型キャビティ駒4(以下「スイベル駒4」という)が昇降可能かつ傾動可能に支持されている。下型2には、下型キャビティ凹部5、図示しないポット及びプランジャなどのモールド樹脂をキャビティ凹部3,5に圧送りするトランスファ機構が設けられている。
また、上型1に対して下型2が公知の型締め機構により開閉される。
図1において、ワークWは、半導体チップ6の両面に例えばリードフレームで構成されるヒートシンク7,8が設けられたものをモールドする場合を想定している。図1では、リードフレーム9と一体的に構成されてその底面側がヒートシンク8として機能する基板に、半導体チップ6が基板実装されている。また、半導体チップ6の上面側にヒートシンク7が接着剤により接着されている。これにより、半導体チップ6はその両面に設けられたヒートシンク7,8を介して冷却される。また、半導体チップ6は、ハンダやワイヤなどで接続されることでヒートシンク7,8やリードフレーム9を介して半導体チップ6と電気的に接続されることもある。この場合、外部のユニットに接続される際の接続端子として機能する。なお、ヒートシンク7,8をセラミックスで構成してもよく、この場合には他の接続端子によって外部のユニットに接続してもよい。このように、半導体チップ6の上下に配置された部材との熱的及び電気的な接続状態を正常に保つため、ヒートシンク7,8に対しては偏った荷重がかからないようにすることが好ましい。
尚、ワークWとしては、リードフレームタイプに限らず、セラミックス基板や樹脂基板に半導体チップが基板実装され、基板底部と半導体チップの両面にヒートシンクが設けられるものであっても良い。例えば、車両やモータを含む電気製品等の駆動回路(トランジスタ、ダイオードなどが実装されたインバータ用の高発熱部品を想定している。
上型1は、スイベル駒4と共に上型キャビティ凹部3を形成する上型インサート10、上型インサート10が組み付けられる上型チェイス11、上型チェイス11を支持する上型ベース12が設けられている。上型ベース12には、スイベル駒4にクランプ圧を作用するコイルばね13が支持プレート14を間に挟んで弾装されている。上型チェイス11及び上型インサート10においてコイルばね13の下方には、スイベル駒4を昇降及び傾動可能に支持する各種可動駒の挿入スペースが形成されている。以下、具体的に説明する。
支持プレート14は、上型チェイス11と上型ベース12との間に形成された収納部11aに昇降可能に設けられている。収納部11aを形成する上型ベース12の端部は、後述する支持プレート14のストッパー部12aを兼用している。また、コイルばね13を収納する上型ベース12の仕切り壁端部も後述する支持プレート14のストッパー部12bを兼用している。支持プレート14のコイルばね13と当接する当接面(上面)とは反対面(下面)にサポート駒15が一体に組み付けられている。サポート駒15にはスイベル駒4をX−Z方向の揺動を許容する凹状の段付面部15aが形成されている。
サポート駒15にはガイド駒16が重ね合わせて組み付けられている。スイベル駒4は、ガイド駒16に複数箇所(図2では4箇所)において組み付けられた可動ピン17が嵌合穴4bに挿入されてクランプ面に向かって付勢されている。サポート駒15とガイド駒16との間にはコイルばね13よりも十分に出力が小さい押圧ばね18が弾装されており、該押圧ばね18によって可動ピン17が突出する向きに付勢されている。これによって、ガイド駒16の凹状球面部16cと対向するスイベル駒4の凸状球面部4cとの間に0.1mm程度の隙間が形成されている。尚、この隙間は必ずしも設ける必要はないが、スイベル駒4とガイド駒16との摺動抵抗を低くして、スイベル駒4の傾動をスムーズに行うためにわずかな隙間を設ける方が望ましい。
尚、可動ピン17の数は上記に限定されるものではないが、スイベル駒4をバランスよく昇降動作させる場合には、図2に示すようにスイベル駒4の四隅に可動ピン17によって押圧することで支持するのが好ましい。上型キャビティ凹部3には、スイベル駒4が2か所に昇降可能に設けられている。尚、上型キャビティ凹部3に設けるスイベル駒4は1個でもよいし、例えば3個や6個といった複数個設けてもよい。また、上型キャビティ凹部3には、上型ランナゲート3aが形成されている。
スイベル駒4は、ガイド駒16の中央部に設けられた貫通孔16aの下方にスリーブボルト19によって吊り下げ支持されている。具体的には、貫通孔16aには筒状のスリーブ20が挿入されている。スリーブ20の上端部は位置決めブロック21に嵌め込まれている。また、スリーブ20の下端部はスイベル駒4に嵌め込まれている。位置決めブロック21は、ボルト孔21aとスリーブ20のスリーブ孔20aが連通するようにガイド駒16の上面部に重ね合わせて設けられている。
スリーブボルト19を位置決めブロック21のボルト孔21a、スリーブ孔20aに挿入してスイベル駒4のねじ穴4aにねじ嵌合することにより、スイベル駒4が位置決めブロック21と連結されてガイド駒16に吊り下げ支持されている。
キャビティ駒4は、ワーク当接面と反対面に当接面中央部Oを中心として凸状球面部4cが形成されている。また、キャビティ駒4と対向するガイド駒16には凹状球面部16cが形成されている。キャビティ駒4は、後述するように凸状球面部4cが凹状球面部16cにガイドされて傾動する。
また、ガイド駒16の凹状球面部16cとは反対面には、ワーク当接面中央部Oを中心として凸状球面部16dが形成されている(図3参照)。また、ガイド駒16の、凸状球面部16dに重ね合わせて設けられる位置決めブロック21の対向面にも凹状球面部21dが形成されている。ワークWをクランプしておらず可動ピン17によってスイベル駒4が押し下げられた状態のときには、凸状球面部16dと凹状球面部21dとが接触状態となる。この凸状球面部16dと凹状球面部21dとは必ずしも必要ではないが、スイベル駒4がガイド駒16との球面に沿って傾動するのみならず、位置決めブロック21もガイド駒16に対して傾動する。よって、スイベル駒4のみならず当該スイベル駒4を支持する位置決めブロック21もガイド駒16に対して傾動を許容することで、スイベル駒4のガイド駒16に対する摺動性が高まり、ワークWに追従して傾動し易くなる。即ち、ワークWをクランプするときには十分に出力の弱い押圧ばね18を縮める力が働くのみであり、凸状球面部16dと凹状球面部21dとの間には隙間ができるため、部材同士の摺動抵抗が発生しない。このため、スイベル駒4を傾斜させるための力をきわめて小さくすることができる。
また、上型1と下型2がワークWをクランプする際に、スイベル駒4は、図3に示すように、ワークWと当接する当接面中央部Oを中心として形成された凸状球面部4cがガイド駒16の凹状球面部16cにガイドされて回転する。同様に位置決めブロック21は凹状球面部位21dが、スイベル駒4のワーク当接面中央部Oを中心として形成された凸状球面部16dにガイドされて回転する。これにより、スイベル駒4がワークW(ヒートシンク7)の傾きに追従して傾動する。
このように、スイベル駒4のワークWと当接する当接面中央部Oの位置は動かずに傾斜させることができるので、ワークWの金型当接面のわずかな傾きに追従してスイベル駒4を傾斜させてクランプすることができる。また、スイベル駒4でクランプしたときには当接面中央部Oを中心として傾斜するだけであり、ワークWの傾斜に対する金型当接面の平面方向への移動はほとんど起こらないので、ワークWに対してせん断方向の力を発生することもなくワークWの内部回路に対してかかる負担は小さい。
また、上型1のキャビティ凹部3を含むクランプ面には、リリースフィルム22が吸着保持されている。リリースフィルム22は、スイベル駒4などの可動駒の隙間にモールド樹脂が入り込まないように設けられる。
リリースフィルム22としては、モールド金型の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、金型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。リリースフィルムは、ロール状に巻き取られた繰出しリールから引き出されて上型クランプ面を通過して巻取りリールへ巻き取られる長尺状のフィルム材や上型クランプ面を覆う程度の大きさの短冊状に切断されたものが用いられる。また、ヒートシンク7に剥離可能な粘着フィルムを貼り付けてフラッシュを防止してもよい。
次に、上述のように構成された樹脂モールド装置の樹脂モールド動作についてモールド金型のクランプ動作を中心に説明する。
図1において、上型1のクランプ面にリリースフィルム22が吸着保持され、型開きしたモールド金型の下型2に、ワークWが搬入される。ワークWはヒートシンク8が下型キャビティ凹部5に位置決めされて載置される。また、図示しないポットには樹脂材(樹脂タブレット、顆粒状樹脂、液状樹脂など)が供給される。
尚、型開きした状態では、上型キャビティ凹部3の底部を構成するスイベル駒4は、押圧ばね18によって付勢された可動ピン17によって押し下げられた状態にあるため、通常のクランプ位置より若干下方に突出した状態にある(図5(a)参照)。よって、ガイド駒16の凹状球面部16cと対向するスイベル駒4の凸状球面部4cとの間に0.1mm程度の隙間が形成されている。
図3において、モールド金型のクランプ動作を開始して上型1に対して下型2を上昇させる。ワークWの上面に相当するヒートシンク7のうち、クランプ部7aがスイベル駒4のクランプ面に当接(片当たり)すると、スイベル駒4がガイド駒16にガイドされて傾動する(図5(b)参照)。即ち、スイベル駒4は、ワークWと当接する当接面中央部Oを中心とする凸状球面部4cがガイド駒16の凹状球面部16cにガイドされて時計回り方向に回転する。同様に位置決めブロック21は凹状球面部位21dが凸状球面部16dにガイドされて回転する。これにより、スイベル駒4がワークW(ヒートシンク7)の当接面のわずかな傾きに追従して傾動する。この際には、ワークWに当接することで上昇したスイベル駒4の角部における嵌合穴4bに可動ピン17が押し上げられることで、コイルばね13よりも十分に小さい力でワークWがクランプされた状態となる。
そして、図4に示すように、モールド金型のクランプが完了すると、スイベル駒4がワークW(ヒートシンク7)の傾きに追従した状態でクランプする(図5(c)参照)。このとき、スイベル駒4はワークWと当接する当接面中央部O(図3参照)を中心とする回転動作が停止し、スイベル駒4が可動ピン17による押圧に抗して押し込まれるため、ガイド駒16の凹状球面部16cと対向するスイベル駒4の凸状球面部4cが密着した状態になる。また、挿入スペース内においてスイベル駒4を傾斜させるためにその周囲には微小の隙間が必要であるがスイベル駒4が押し上げられても、リリースフィルム22に覆われているため、樹脂漏れすることはない。この状態で、図示しないトランスファ機構を作動させて溶融した樹脂をキャビティ凹部3,5へ圧送りして樹脂モールドされる。
この結果、ワークWのヒートシンク7とスイベル駒4、ヒートシンク8と下型2とが密着性が高い状態でクランプするので、ヒートシンク7,8にモールド樹脂が付着することがなく、上述の除去作業が不要となり製造コストを低減することができる。
また、図6において、樹脂量に誤差が生じたり、各ばね13の劣化等により出力が低下してしまったりした場合など、スイベル駒4のクランプ圧より樹脂圧が大きくなる場合が想定される。このとき、スイベル駒4、ガイド駒16及び位置決めブロック21によりサポート駒15を通じて支持プレート14がコイルばね13の付勢力に抗して押し戻されるが、支持プレート14はストッパー部12a,12bにより戻り止めされる。
よって、ワークWに対する過度の負荷をスイベル駒4の戻りにより逃すことができるうえに、スイベル駒4が戻り止めされるので、上型クランプ面に設置されるリリースフィルム22の伸びや破れを防ぐことができる。また、このようにスイベル駒4が昇降することで、ヒートシンク7,8が電極端子を兼ねるような場合には、半導体チップ6との電気的接続を維持するためできるだけ局部的に応力集中することを回避することができる。
上述したモールド金型を用いれば、ワークWの金型当接面(ヒートシンク7などのクランプ面)が平行でなくても、ワークWの傾きに追従してスイベル駒4が傾いてクランプすることができる。よって、ワークWの金型当接面にモールド樹脂が入り込むことがなく、製造コストを低減することができる。
上述したモールド金型を備えた樹脂モールド装置においては、ワークWのクランプ面を露出してモールドする際に、ワークWに当接するスイベル駒4の追従性が高いので、クランプ面への樹脂の侵入を防いで成形品質を高めることができる。
上記実施形態では、キャビティ駒であるスイベル駒4が上型1に設けられているモールド金型について説明したが、下型2側に設けられていても良い。また、上述した実施形態ではヒートシンクが設けられた高発熱部品をワークWとして説明したが、基板上に半導体チップがフリップチップ実装されたワークであってもよく、ウェハ上にウェハが実装されたワークであってもよい。
また、上述したスイベル駒4を備えたモールド金型を、基板上にNCF(Non-Conductive-Film)やACF(異方導電性接着フィルム)を介して実装されたチップを圧着することで固着する圧着装置に転用することもできる。これによれば、チップ上へのフラッシュを効果的に防止しながら、均一にチップを押圧することができるため、電気的接続不具合の発生を防止し高品質な圧着が可能となる。
また、スイベル駒4はワークWと当接する当接面中央部O(図3参照)を中心とする回転動作させるのが好ましいが、スイベル駒4の回転中心は多少上下する位置となっていてもよくスイベル駒4の内部になっていてもよく、ワークWの内部や下面になってもよい。
1 上型
2 下型
3 上型キャビティ凹部
3a 上型ランナゲート
4 スイベル駒(キャビティ駒)
4a ねじ穴
4b 嵌合穴
4c 凸状球面部
5 下型キャビティ凹部
6 半導体チップ
7,8 ヒートシンク
9 リードフレーム
10 上型インサート
11 上型チェイス
11a 収納部
12 上型ベース
12a ストッパー部
13 コイルばね
14 支持プレート
15 サポート駒
15a 段付面部
16 ガイド駒
16c 凹状球面部
16d 凸状球面部
17 可動ピン
18 押圧ばね
19 スリーブボルト
20 スリーブ
20a スリーブ孔
21 位置決めブロック
21a ボルト孔
21d 凹状球面部
22 リリースフィルム

Claims (6)

  1. 第1の金型と、
    前記第1の金型と共にワークをクランプする第2の金型と、
    前記第1,第2の金型の一方に設けられモールド樹脂が充填されるキャビティ凹部の底部を形成するキャビティ駒が傾動可能に支持されており、
    前記キャビティ駒に連結された位置決めブロックが、チェイスとベースの間に設けられた支持プレートに一体に組み付けられたサポート駒とこれに重ねて組み付けられたガイド駒との間で位置決めされるように支持され、前記ガイド駒に複数箇所において組み付けられた可動ピンによって、当該ガイド駒より前記キャビティ駒が離間するように付勢されて組み付けられており、
    前記キャビティ駒は、ワーク当接面と反対面に凸状球面部が形成されており、対向する前記ガイド駒の凹状球面部にガイドされて傾動することを特徴とするモールド金型。
  2. 前記第1,第2の金型がワークをクランプする際に、前記キャビティ駒は、ワークと当接する当接面中央部を回転中心として形成された凸状球面部が対向する前記ガイド駒の凹状球面部にガイドされて回転することによりワークの傾きに追従して傾動する請求項1記載のモールド金型。
  3. 前記キャビティ駒は対向する前記ガイド駒に対してわずかに隙間が形成されるように付勢されて支持されていることを特徴とする請求項1又は2記載のモールド金型。
  4. 前記キャビティ駒を含む金型クランプ面にリリースフィルムが吸着保持されており、前記キャビティ駒を支持する支持部には、当該キャビティ駒がクランプ圧に抗して押し戻された際に戻り止めとなるストッパー部が形成されている請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のモールド金型。
  5. 前記ガイド駒の凹状球面部とは反対面に前記キャビティ駒のワーク当接面中央部を回転中心とする凸状球面部が形成され、前記ガイド駒に対して前記キャビティ駒と共に移動可能に組み付けられる前記位置決めブロックの対向面に凹状球面部が形成されている請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項記載のモールド金型。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかのモールド金型を備えたことを特徴とする樹脂モールド装置。
JP2011065767A 2011-03-24 2011-03-24 モールド金型及びこれを用いた樹脂モールド装置 Active JP5807898B2 (ja)

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