JP6438794B2 - モールド金型、樹脂モールド装置及び樹脂モールド方法 - Google Patents

モールド金型、樹脂モールド装置及び樹脂モールド方法 Download PDF

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Description

本発明は、モールド金型、樹脂モールド装置及び樹脂モールド方法に関する。
例えば半導体チップを樹脂モールドする方法としてはトランスファ成形若しくは圧縮成形が用いられている。また、発明者は、トランスファ成形装置に圧縮成形機構を取り込んだ樹脂モールド方法としてTCM(トランスファコンプレッションモールド)モールド装置を開発している。この装置では、トランスファモールドする際に、キャビティの容積を十分確保してポットからキャビティへのモールド樹脂の充填を促し、樹脂充填後キャビティ容積を狙い通りの厚さまで圧縮することにより、最終的には、モールド樹脂をキャビティからポット側に押し戻す成形が可能となっている。これにより、トランスファ成形のみでは、モールド樹脂が半導体チップとキャビティ底部との狭い隙間にモールド樹脂が流れ込み難いとする課題を解決できる。
尚、参考までに、本件出願人は同一若しくは異なる樹脂を用いて、キャビティ内樹脂とポット内樹脂として各々供給しておき、モールド金型によってワークをクランプして溶融したポット内樹脂をキャビティへ圧送りして溶融したキャビティ内樹脂と溶融結合することで、モールド樹脂の流動量を抑え、ワークへの負荷を減らしたトランスファ成形による樹脂モールド方法を提案した(特許文献1参照)。
特開2012−146770号公報
しかしながら、上述したトランスファ成形若しくは圧縮成形或いはTCM(トランスファコンプレッションモールド)によっても、以下の場合には、所期の成形品質を満たした樹脂モールドが行うことができない。
即ち、同一のワークを複数(例えば2種類)のモールド樹脂で樹脂モールドする必要がある場合、例えば基板一方面に実装された半導体チップは通常のエポキシ系樹脂でモールドし、基板の他方面には放熱用の樹脂で封止することが求められる。この場合、樹脂特性(流動性、加熱温度等)の異なるモールド樹脂を効率良く充填ししかも成形品質を維持して成形することが求められる。
或いは、同一のモールド樹脂を、大判サイズの基板に半導体チップが多数フリップチップ実装されたワークをアンダーフィルモールドしつつ半導体チップどうしの隙間を埋めるべく基板全体を樹脂封止する場合、通常の構成では樹脂の未充填エリアが発生するおそれがある。
更には、例えば車載用のECU、FBGA、MAP、IGBT等の比較的大型で樹脂量を要するワークをトランスファ成形により樹脂モールドする場合、樹脂の流動量が多く移動経路が長いため、比較的高い樹脂圧で圧送りされるため、ワークである基板にワイヤボンディング実装された半導体チップのワイヤ流れが生じたり、コンデンサなどの端子が樹脂圧により曲がったり、位置ずれを起こしたりするなどの不具合が発生しやすい。
本発明は上記従来技術の課題を解決し、複数の充填空間部に対してトランスファ成形と圧縮成形を並行することで、異なる樹脂或いは同一の樹脂を狭い充填空間部に効率良く充填することが可能なモールド金型及びこれを備えて多様なワークへの樹脂充填性を向上させて高い成形品質を維持することができる樹脂モールド装置及び方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
即ち、上型及び下型を有する一対の金型のうち、前記下型に形成されたポットに連なる下型キャビティと前記上型に形成された上型キャビティが金型クランプ面に形成され、前記上型キャビティ及び前記下型キャビティに対応する位置に載置されるワーク上に第一の樹脂が供給され、型開きした前記下型の前記ポットに第二の樹脂が各々供給されて、前記一対の金型の間で前記ワークがクランプされ、前記第一の樹脂は容積が可変する前記上型キャビティに圧縮成形により充填され、前記第二の樹脂は前記ポットよりトランスファ成形により前記下型キャビティに充填されて、溶融した前記第一の樹脂及び第二の樹脂に各々所定樹脂圧を加えながら前記ワークを挟み込んだ状態で加圧硬化することを特徴とする。
上記モールド金型を用いれば、上型キャビティ及び下型キャビティに対して樹脂圧が作用しやすいトランスファ成形と任意の樹脂圧で成形でき樹脂の流動量が少ない圧縮成形を並行することで、異なる樹脂或いは同一の樹脂を多様なワークに応じて狭い充填空間部に効率良く充填することが可能となる。
前記上型キャビティは、キャビティ駒とこれを囲むクランパにより形成され、前記モールド金型のクランプ動作に応じて前記クランパが前記ワークをクランプしてから前記キャビティ駒が前記上型キャビティの容積が縮小する方向に相対移動して圧縮成形されることが好ましい。
これにより、ワーク上に供給された第一の樹脂をクランパがワークをクランプしてから更なるクランプ動作によってキャビティ駒が第一の樹脂を押圧して上型キャビティの容積が縮小する方向に相対移動することで充填して任意の樹脂圧で圧縮成形することができる。
前記上型キャビティと前記下型キャビティは、異なる金型クランプ面に各々形成されており、前記モールド金型のクランプ動作が進行するにしたがって前記上型キャビティに加圧空間を形成すると共に前記下型キャビティに減圧空間を形成しながら、当該上型キャビティの容積が縮小する方向にキャビティ駒が相対移動して、第一の樹脂が前記ワークに設けられた貫通孔を通じて前記上型キャビティから前記下型キャビティへ充填され、前記ポット内の第二の樹脂が前記第一の樹脂が充填された前記下型キャビティへ充填されるようにしてもよい。
この場合には、例えば大判サイズの基板に半導体チップが多数フリップチップ実装されたワークを、第一の樹脂が上型キャビティから下型キャビティへアンダーフィルモールドしつつ半導体チップどうしの隙間を埋めるべく基板全体を第二の樹脂により下型キャビティへ樹脂封止するので、薄型大判のワークに対しても樹脂充填性を高めて成形品質を維持することができる。
前記上型キャビティを含む金型クランプ面がリリースフィルムにより覆われていることが望ましい。
これにより、圧縮成形される上型キャビティを含む金型クランプ面がリリースフィルムで覆われているので、キャビティ駒とクランパの隙間から第一の樹脂が漏れ出すことはなく、金型メンテナンス作業も軽減することができる。
上述したいずれかのモールド金型を備えた樹脂モールド装置においては、多様なワークに応じて樹脂充填性を向上させて高い成形品質を維持することができる。
上型及び下型を有する一対の金型のうち、前記下型に形成されたポットに連なる下型キャビティと前記上型に形成された上型キャビティが金型クランプ面に形成されたモールド金型を用意する工程と、前記上型キャビティに対応する位置に載置されるワーク上に第一の樹脂が供給され、型開きした前記下型の前記ポットに第の樹脂が各々供給される工程と、前記上型前記下型との間で前記ワークをクランプし、前記第一の樹脂を容積が可変する前記上型キャビティに圧縮成形により充填し、前記第二の樹脂を前記ポットよりトランスファ成形により前記下型キャビティに充填して、溶融した前記第一の樹脂及び第二の樹脂に各々所定樹脂圧を加えながら前記ワークを挟み込んだ状態で加圧硬化させる樹脂モールド工程と、を有することを特徴とする。
第一の樹脂を容積が可変する上型キャビティに圧縮成形により充填し、第二の樹脂をポットよりトランスファ成形により下型キャビティに充填して、溶融した第一の樹脂及び第二の樹脂に各々所定樹脂圧を加えながら加圧硬化させるので、多様なワークへの樹脂充填性並びに成形品質を向上させることができる。
前記第一の樹脂及び第二の樹脂は、異なる樹脂を用いてもよい。これによれば、製品に応じて製造コストや成形品質に見合った樹脂を選択して樹脂モールドすることができる。
前記ワークによって仕切られた前記上型キャビティに前記第一の樹脂が充填され、前記下型キャビティに前記第二の樹脂が各々充填されて加熱硬化させるのが好ましい。
よってワーク両面に異なる成形方法を用いて樹脂充填性を向上させて効率良く樹脂モールすることができる。また、ワークを重ね合わせることで1回の樹脂モールドで異なる或いは同一のワークを樹脂モールドすることができる。
上型キャビティ及び下型キャビティに対してトランスファ成形と圧縮成形を並行することで、異なる樹脂或いは同一の樹脂を狭い充填空間部に効率良く充填することが可能なモールド金型を提供することができる。
また、上記モールド金型を備えて多様なワークへの樹脂充填性を向上させて高い成形品質を維持することができる樹脂モールド装置及び方法を提供することができる。
樹脂モールド装置のレイアウト構成例を示す平面図である。 実施例1に係るモールド金型のモールド動作を説明する断面図である。 実施例1とは形態が異なるワークの樹脂モールド動作を説明する金型断面図である。 他例に係るモールド金型の樹脂モールド動作を説明する断面図である。 他例に係るモールド金型の樹脂モールド動作を説明する断面図である。 他例に係るモールド金型の樹脂モールド動作を説明する断面図である。 他例に係るモールド金型の樹脂モールド動作を説明する断面図である。
以下、本発明に係るモールド金型、樹脂モールド装置及び樹脂モールド方法の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。
先ず、樹脂モールド装置の概略構成について図1のレイアウト図を参照しながら説明する。被成形品であるワーク(樹脂基板、リードフレーム、半導体ウエハ、キャリア等)を供給するとともにポット内に第二の樹脂Raを供給するワーク樹脂供給部A、ワーク上に第一の樹脂Rbを供給する樹脂搭載部B、モールド金型を備えたプレス部C、成形品を収納する成形品収納部Dなどが設けられている。プレス部Cは、2台設けられているが1台でもよく、3台以上設けられていてもよい。
また、ワーク樹脂供給部A、樹脂搭載部Bとプレス部Cとの間を往復動してワークを搬入するローダーEとプレス部Cと成形品収納部Dとの間を往復移動して成形品を搬出するアンローダーFが設けられている(搬送部)。
プレス部Cに備えたモールド金型には、ローダーEによってワーク及び第二の樹脂(例えば樹脂タブレット)と第一の樹脂Rb(ワークに載置されたシート樹脂等)が供給される。尚、第一の樹脂Rbは、プレス部Cに搬入されたワーク上に供給されるようにしてもよい。また、プレス部Cには、モールド金型を型閉じすることによりワークWをクランプし、プランジャを作動させて溶融したポット内樹脂を充填空間部(キャビティ)へ圧送りするトランスファ機構が設けられている。トランファ機構は、型締め機構により昇降駆動される可動プラテンに組み付けられ、型締め機構とは別の駆動源により独立で昇降する均等圧ユニットを備えている。トランスファ機構が動作することにより均等圧ユニットに支持されたプランジャが上昇し、第二の樹脂がトランスファされる。
図2(A)において、モールド金型1を構成する上型2と下型3の概略構成について説明する。尚、以下では、上型2を固定型、上型2に対して接離動する下型3を可動型として説明するものとする。型締め機構は、可動型を駆動させ、駆動源に公知の電動モータを用いトグルリンクなどのリンク機構により昇降するようになっている。
上型2には、上型ベース4に上型キャビティ駒5が一体に設けられている。また上型ベース4には、上型キャビティ駒5の周囲を囲むように上型クランパ6がコイルばね7を介して吊り下げ支持されている。上型クランパ6のポット対向部には上型カル6aが彫り込まれて形成されている。また、上型クランパ6の上型キャビティ駒5の周囲には、上型キャビティ5b(第一の充填空間部)の側面を形成する傾斜面6b及び底面6cが形成されている。底面6cは相対移動する上型キャビティ駒5の下面5aと共にキャビティ底面を形成する(図2(B)参照)。モールド金型1のクランプ動作に応じて上型クランパ6がワークWをクランプしてから上型キャビティ駒5が上型キャビティ5b(第一の充填空間部)の容積が縮小する方向に相対移動して圧縮成形動作をするようになっている。なお、上型キャビティ駒5及び上型クランパ6の少なくとも一方を他の駆動源(モータや油圧等)により昇降させることで、圧縮成形動作をさせるようにしてもよい。
また、上型2の上型カル6a、上型キャビティ5bを含む上型クランプ面には、リリースフィルム8が吸着保持される(吸着面に吸引孔を設けることは公知なため不図示)。リリースフィルム8は、耐熱性を有するもので、金型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するもの、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEPフィルム、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。なお、樹脂の金型面からの離型性や摺動部分における樹脂漏れ防止のためにリリースフィルム8を用いるのが好ましいが、必ずしもリリースフィルム8を用いる必要は無い。この場合、例えば、上型キャビティ駒5と上型クランパ6との隙間からの樹脂漏れを防止するために樹脂漏れ防止のためのシール機構を設けることが好ましく、型面からの樹脂の離型性を確保するために型面に樹脂に対する離型性の高い表面処理を行うことが好ましい。このような表面処理としては、一例として硬質Crメッキ、TiNコーティング、DLCコーティングや、酸化ジルコニウム又は酸化イットリウムなどを含むセラミック層を用いることができる。
下型3には、図示しない下型チェイスにポット9と下型インサート10が支持されている。ポット9には、トランスファ機構により昇降動作するプランジャ11が挿入されている。下型インサート10の下型クランプ面には、下型ランナゲート10a及びこれに連続する下型キャビティ10b(第二の充填空間部)が彫り込まれて形成されている。ポット9内に第二の樹脂Ra(例えば樹脂タブレット12)が充填されて、溶融した当該第二の樹脂Raがプランジャ11によって、下型ランナゲート10aを通じてこれに連続する下型キャビティ10bへ圧送りされる。(図2(B)参照)。
ここで樹脂モールド動作の一例について説明する。尚、ワークWは基板Kの両面に半導体チップTが実装(例えばワイヤボンディング接続等)されたものを想定している。尚、ワークWは、図1に示す樹脂搭載部Bにおいて基板K上に第一の樹脂Rb(例えばシート樹脂等)が供給されて、ローダーEによってプレス部Cに搬入されるものとする。第一の樹脂Rbは、シート樹脂の他に、固形樹脂、顆粒状樹脂、液状樹脂等を用いてもよい。尚、以下では第一の樹脂Rb、第二の樹脂Raともにエポキシ系の同一の樹脂を用いるものとする。
図2(A)に示すように、ローダーE(図1参照)によって型開きしたモールド金型1の下型3のポット9に樹脂タブレット12(第二の樹脂Ra)が供給され、下型キャビティ10b(第二の充填空間部)に対応する位置に第一の樹脂Rbが供給されたワークWが載置される。尚、プレス部Cにおいて下型3にワークWが載置された後で第一の樹脂Rbが供給されるようにしてもよい。また、上型クランプ面には予めリリースフィルム8が吸着保持されているものとする。
図2(B)に示すように、下型3を上昇させて上型2との間でワークWをクランプし、第一の樹脂Rbを圧縮成形により容積が可変する上型キャビティ5b(第一の充填空間部)に充填し、ポット9に装填された樹脂タブレット12(第二の樹脂Ra)が溶融してプランジャ10により上型カル6a、下型ランナゲート10aを通じて下型キャビティ10b(第二の充填空間部)へ圧送りしてトランスファ成形により充填する。この圧縮成形とトランスファ成形は、先ず圧縮成形を完了させてから、トランスファ成形を行ってもよいし、圧縮成形を行いながらトランスファ成形を並行させてもいずれでもよい。このように、例えば、ワークWを挟んで上下に配置された第一の充填空間部である上型キャビティ5bと、第二の充填空間部である下型キャビティ10bとにおいて樹脂圧を平衡させることで、樹脂圧によるワークWの撓みを防止しながら複数個所における成形を同時に行うことが可能となっている。
そして、上型キャビティ5b及び下型キャビティ9bが溶融した第一の樹脂Rb及び第二の樹脂Raに満たされたまま所定樹脂圧を加えながら加圧硬化を並行することで樹脂モールドが行われる。
上記モールド金型1を用いれば、複数の充填空間部に対して樹脂圧が作用しやすいトランスファ成形と任意の樹脂圧で成形できしかも樹脂の流動量が少ない圧縮成形を並行することで、異なる樹脂或いは同一の樹脂を多様なワークWに応じて狭い充填空間部に効率良く充填することが可能となる。
また、樹脂モールド装置においては、多様なワークWに応じて樹脂充填性を向上させて高い成形品質を維持することができる。
尚、上記ワークWは基板の基板両面に半導体チップが実装(例えばワイヤボンディング接続等)されたものとして説明したが、基板の片面に半導体チップが実装されているワークWの半導体チップ搭載面を上型キャビティ5b及び下型キャビティ9bに各々臨むように上下に重ねて貼り合わせた状態で樹脂モールドするようにしてもよい。樹脂モールド後、貼り合わせ面で剥離させると、1回の樹脂モールド動作で2枚のワークWを成形することができる。
また、第一の樹脂Rbと第二の樹脂Raは、任意の形態・任意の組成・任意の性能の樹脂を用いることができる。この場合、樹脂の形態として、固形樹脂、顆粒状樹脂、シート樹脂、液状樹脂等の各種の形態の樹脂を組み合わせて使用することができる。また、樹脂の組成として、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂といった樹脂材料の種別や、これに含有されるフィラー、蛍光体、顔料又は染料などの添加剤の有無や含有量等を異ならせたものを組み合わせて使用することができる。さらに、樹脂の性能として、放熱性、シールド性、充填性又は光学特性(例えば透明度)といった任意の性能の樹脂を組み合わせて使用することができる。
また、第一の樹脂Rbと第二の樹脂Raは、異なる樹脂のみならず形態及び性能の同一の樹脂を組み合わせて用いてもよい。また、ワークの両面を一括成形する場合に限らず、片面に設けられた複数の充填空間部を異なる成形方法で樹脂モールドするようにしてもよい。更には、ワークWの両面に半導体チップが実装されていなくても、片面実装のみであってもよい。
次に他例に係るワークWを樹脂モールドする場合について図3を参照して説明する。モールド金型1及び樹脂モールド装置の構成は、図2と同様であるものとする。
図3(A)は、ワークWである基板Kの上面に第一の半導体チップT1がワイヤボンディング接続されており、下面には第二の半導体チップT2がフリップチップ接続されている。ワークWは、第一の半導体チップT1を含む基板K上に第一の樹脂Rb(エポキシ系樹脂;液状樹脂等)が供給されて下型3に基板Kが載置される。また、ポット9には、第二の樹脂Ra(エポキシ系樹脂;樹脂タブレット12等)が装填される。第二の半導体チップT2及びその周囲に設けられたはんだバンプBPは、下型キャビティ10bのキャビティ底面に当接した状態でモールド金型1がクランプされる。
モールド金型1のクランプ動作が進行すると、上型クランパ6のコイルばね7が押し縮められて上型キャビティ駒5が相対的に下方に移動して上型クランパ6の底面6cと上型キャビティ駒5の下面5aが面一となり上型キャビティ5bが形成されて、第一の樹脂Rbが上型キャビティ5b内に充填される。このとき、任意の樹脂圧で樹脂の流動量が少ない圧縮成形により半導体チップT1を樹脂モールドするので、ワイヤ流れや変形を防いで高品質な成形を行うことができる。なお、この場合、下型キャビティ10bではキャビティ底面にはんだバンプBPが当接した状態となっているため、第一の樹脂Rbの樹脂圧によるワークWの変形(撓み)を低減することもできる。
また、プランジャ11を作動させてポット9内で溶融した第二の樹脂Raを上型カル6a、下型ランナゲート10aを通じて下型キャビティ10bに圧送りしてモールドアンダーフィルを行う。このとき、半導体チップT2と基板Kとの隙間にトランスファ成形により、任意の方向に第二の樹脂Raを流動させることで、ワークWの厚み方向における隙間(一例として半導体チップT2と基板Kとの隙間)に第二の樹脂Raを充填させ易くすることができる。例えば、圧縮成形では樹脂の流れが最小となりワイヤの変形などを防止できる反面、半導体チップT2と基板Kとの隙間に充填するのが困難となる場合がある。従って、この他例においては、このような各成形におけるメリットをそれぞれの目的に合せて選択的に用いることにより、多機能かつ高品位の成形品を効率的に成形することができる。
樹脂モールド後、半導体チップT2以外の基板実装部品(はんだバンプBP,受動部品等)を封止してもよい。また、樹脂モールド後、基板実装部品の露出工程や再配線工程を行って、半導体チップを多段積載した高機能チップを成形するようにしてもよい。
図3(B)は、図3(A)の変形例であり、ワークWは同様であるが、モールド金型1の構成が異なっている。即ち、下型3の下型キャビティ10bの底部には基板実装部品が押し込まれることで弾性的に変形してその先端を保護可能な弾性体13(例えばシリコンゴム、フッ素ゴム又はエンジニアリングプラスチックのシート等)が敷設されている。ワークWの下面に実装された実装部品(はんだバンプBP等)やフリップチップ実装された半導体チップT2の表面を露出させて成形できるので、樹脂モールド後の後工程を簡略化することができる。ワークWがモールド金型1にクランプされると弾性体13に当接して露出されるのは、はんだバンプBPや半導体チップTだけではなく、バンプBPにより接続された基板等であってもよい。
次にモールド金型及びこれらを用いたモールド製品の製造方法の他例について図4乃至図7を参照して説明する。樹脂モールド装置の構成は、図2と同様であるので、ワークWとそれをモールドするモールド金型の構成を中心に説明するものとする。
図4に示すモールド金型でモールドするワークWとしては、基板Kの上面に複数のLEDチップT(第一の半導体チップ)が搭載され、基板Kの下面に放熱ブロックBK及び接続端子用バンプBP(実装部品)が搭載されたものが用いられる。図4において、上型2の上型キャビティ5b(第一の充填空間部)を形成する上型キャビティ駒5には、第一のキャビティ5b1を形成する下面5a(第一凹部)より深さの深い第二のキャビティ5b2(第二凹部)が更に形成されている。また、上型カル6a及び上型キャビティ5bを含む上型クランプ面はリリースフィルム8が吸着保持されている。
また、上型キャビティ5b(第一の充填空間部)に充填される第一の樹脂Rbは透明樹脂(蛍光体が含有されていてもよい)が用いられ、下型キャビティ10bに充填される第二の樹脂Ra(ポット内樹脂)は例えば高放熱性のフィラー(酸化マグネシウムやアルミナ)を含んだエポキシ樹脂が用いられる。
ワークWは、放熱ブロックBK及び接続端子用バンプBPが下型キャビティ10bの底部に当接した状態で下型3に載置される。また、LEDチップTを含む基板上に透明樹脂(第一の樹脂Rb)が供給されたワークWをモールド金型1でクランプすると、上型クランパ6のコイルばね7が押し縮められて上型キャビティ駒5が相対的に下方に移動して上型クランパ6の底面6cと上型キャビティ駒5の下面5aが面一となり第一のキャビティ5b1とそれより深さが深い第二のキャビティ5b2が形成された上型キャビティ5bに透明樹脂(第一の樹脂Rb)が充填される。このとき、キャビティ容積に見合った樹脂量が供給されて圧縮成形によりLEDチップTを樹脂モールドするので、適宜の樹脂圧により成形を行うことができる。また、本実施例のように、LEDチップTを用いる場合には、第一の充填空間部に充填される第一の樹脂Rbには、高価な樹脂が用いられることが多い。圧縮成形によれば、このような高価な樹脂が製造工程で廃棄されるカルやランナに充填されるとなく成形されるため、成形コストを低減できる。
また、プランジャ11を作動させてポット9内で溶融した高放熱性樹脂(第二の樹脂Ra)を上型カル6a、下型ランナゲート10aを通じて下型キャビティ10bに圧送りして放熱ブロック及び接続端子用バンプの周囲をトランスファ成形により樹脂モールドを行うことができる。尚、ワークWは樹脂モールド後にLEDチップTごと(1PKごと)にダイシングされて個片化される。
よって、ワークWの一方面に実装されたLEDチップTを第一のキャビティ凹部5b1に充填される第一の樹脂Rb(透明樹脂)で樹脂モールドされ、第二のキャビティ凹部5b2に充填される第一の樹脂Rb(透明樹脂)でレンズ部を圧縮成形することができ、ワークWの他方面を下型キャビティ10b(第二の充填空間部)に充填される第二の樹脂Ra(高放熱性樹脂)でトランスファ成形することができる。尚、ワークWの下面側で、LEDチップTを保護するチップコンデンサ等の保護素子等を放熱ブロックBK及び接続端子用バンプBPと共に樹脂モールドしてもよい。
次にモールド金型の他例について図5を参照して説明する。樹脂モールド装置の構成は、図2と同様であるので、ワークWとそれをモールドするモールド金型の構成を中心に説明するものとする。
図5において、第一の充填空間部(第一の上型キャビティ)と第二の充填空間部(第二の上型キャビティ)は、同一金型クランプ面(上型クランプ面)に形成されている。また、第二充填空間部(第二の上型キャビティ)へポット9からワークWに形成された貫通孔Hを通じて第二の樹脂Raが充填されるようになっている。
以下、具体的に説明する。ワークWは、基板Kの一方面(上面)に半導体チップTがフリップチップ実装され、その周囲にコンポーネントCPが実装されている。
上型2は、上型ベース4に第二の上型キャビティ駒5Bがコイルばね7Bにより吊り下げ支持されており、その周囲には、第一の上型キャビティ駒5Aが上型ベース4に一体に支持されている。また、上型ベース4には、上型クランパ6がコイルばね7Aにより吊り下げ支持されている。第一の上型キャビティ駒5Aは上型クランパ6の貫通孔に挿入されている。
第一の充填空間部(第一の上型キャビティ5b1)は、第一の上型キャビティ駒5A(キャビティ底部)とこれを囲む上型クランパ6(キャビティ側部及び底部の一部)とで形成される。第二の充填空間部(第二の上型キャビティ5b2)は、第一の上型キャビティ駒5B(キャビティ底部)とこれを囲む上型クランパ6(キャビティ側部)とで形成される。また、また、上記第一の上型キャビティ5b1及び第二の上型キャビティ5b2を含む上型クランプ面には、リリースフィルム8が吸着保持されている。
また、下型3には、ポット9の周囲に下型カル10c、これに連なる下型ランナ10dが彫り込まれて形成されている。ワークWには、基板Kに第一の上型キャビティ5b1に連通する基板貫通孔KHが形成されている。下型ランナ10dは、ワークWの基板貫通孔KHを通じて第二の上型キャビティ5b2と連通している。また、下型ランナ10dには、エアー吸引路10eが連通しており、第二の上型キャビティ5b2に減圧空間を形成するようになっている。
また、コンポーネントCPを含む基板上に第一の樹脂Rbが供給されたワークWをモールド金型1でクランプすると、第二の上型キャビティ5b2から基板貫通孔KH、エアー吸引路10eを通じてエアーが吸引されて減圧空間が形成される。上型クランパ6は基板をクランプしたまま第二のコイルばね7Bが押し縮められて第一の上型キャビティ駒5Aが相対的に下方に移動して上型クランパ6の底面と第一の上型キャビティ駒5Aの下面5とが面一となり、第一の上型キャビティ5b1内に第一の樹脂Rbが充填されてコンポーネントCPが任意の樹脂圧で圧縮成形される。
また、第二の上型キャビティ駒5Bは、半導体チップTに当接したまま第一のコイルばね7Bが押し縮められて押圧したまま、プランジャ11を上昇させて、溶融した第二樹脂をポット9から下型カル10c、これに連なる下型ランナ10d、下型ランナ10dと連通する基板貫通孔KHを通じて第二の上型キャビティ5b2に充填される。これにより、半導体チップTがトランスファ成形によりアンダーフィルモールドされる。
このように、ワークWを樹脂モールドする際に、半導体チップTの周囲に存在するコンポーネントCPは、基板K上に供給される第一の樹脂Rbが第一の上型キャビティ5b1(第一の充填空間部)で圧縮成形によって樹脂モールドされる。また、ポット9から溶融した第二の樹脂Raが、下型カル10c、これに連なる下型ランナ10d、下型ランナ10dと連通する基板貫通孔KHを通じて第二の上型キャビティ5b2にトランスファ成形によりアンダーフィルモールドされる。よって、ワークWの形態に応じて最適な成形方法を適用して並行することで、薄く狭い樹脂充填空間部にアンダーフィルしながら他の部材は圧縮成形することができ、効率良く樹脂モールドすることができる。
次にモールド金型の他例について図6を参照して説明する。樹脂モールド装置の構成は、図2と同様であるので、ワークWとそれをモールドするモールド金型の構成を中心に説明するものとする。
ワークWは、例えば車載用に用いられるECU(Electronic Control Unit)基板Kが用いられ、ECU基板Kの一部である一方の面(図6上面)には、外部接続端子と接続するコネクタ部CNが設けられる。またECU基板Kの他の部分である他方の面(図6下面)には電子部品(半導体チップT)が基板実装されている。コネクタ部CNは、モールド金型1の上型クランプ面に形成された第一の充填空間部(上型キャビティ14b)に収容され、樹脂モールドされる。これにより、基板K外側(図中右側)に向けられて外部に接続される外部端子が設けられた部分を露出させるように型クランプした状態で、基板Kとコネクタ部CNとを接続する配線部分が樹脂モールドされる。また、電子部品(半導体チップT)は下型クランプ面に形成された第二の充填空間部(下型キャビティ10b)に収容されて樹脂モールドされる。
上型2は、上型ベース4に上型キャビティ駒5が一体に支持されている。また、上型ベース4には、上型インサート14がコイルばね15によって吊り下げ支持されている。上型インサート14には、上型カル14a及び上型キャビティ14bが彫り込まれて形成されている。上型キャビティ14bは、上型インサート14に形成されたキャビティ側部とキャビティ底部の一部と上型キャビティ駒5の下面5aとが面一(キャビティ底部)となることで形成される。上型2の上型カル14a及び上型キャビティ14bを含む上型クランプ面にはリリースフィルム8が吸着保持されている。尚、下型3の構成は図2と同様である。下型キャビティ10bと上型キャビティ5bとは、ECU基板Kによって仕切られている。
下型3を構成する下型インサート10の下型クランプ面には、上型カル6aに連なる下型ランナゲート10a及びこれに連なる下型キャビティ10bが設けられている。
ワークWは、コネクタ部CNを含む基板Kの一方の面に第一の樹脂Rb(エポキシ系樹脂;液状樹脂等)が供給されて下型3に基板Kが載置される。また、ポット9には、第二の樹脂Ra(エポキシ系樹脂;樹脂タブレット12等)が装填される。基板Kの他方の面に搭載された半導体チップTは、下型キャビティ10bに収容された状態でモールド金型1がクランプされる。
モールド金型1のクランプ動作が進行すると、上型インサート14のコイルばね15が押し縮められて上型キャビティ駒5が相対的に下方に移動して上型インサート14の底面と上型キャビティ駒5の下面5aが面一となり上型キャビティ14bが形成されて、第一の樹脂Rbが上型キャビティ14b内に充填される。このとき、任意の樹脂圧に調整して圧縮成形によりコネクタ部CNを樹脂モールドする。この場合、コネクタ部CNに対しては、外部端子面側への樹脂漏れを防止するために樹脂圧を高めることが困難となる。
また、プランジャ11を上昇させてポット9内で溶融した第二の樹脂Raを上型カル6a、下型ランナゲート10aを通じて下型キャビティ10bに圧送りしてトランスファ成形を行う。このとき、電子部品(半導体チップT)はトランスファ成形による適正な樹脂圧を加えたまま第二の樹脂Raを充填することができる。そして、溶融した第一の樹脂Rb及び第二の樹脂Raに所定樹脂圧を加えながら加圧硬化を並行して行う。この場合、第一の充填空間部と第二の充填空間部とを分離して、トランスファ成形と圧縮成形とにより電子部品とコネクタ部CNとを別々に成形したことにより、第一の充填空間部と第二の充填空間部の樹脂圧を異ならせながらそれぞれに適した樹脂圧で成形を行うことができる。尚、第一の樹脂Rbと第二の樹脂Raは、同一の樹脂に限らず異なる樹脂を用いてモールドしてもよい。
次にモールド金型の他例について図7を参照して説明する。樹脂モールド装置の構成は、図2と同様であるので、ワークWとそれをモールドするモールド金型の構成を中心に説明するものとする。
ワークWは、基板Kの一方面に半導体チップTがフリップチップ実装されたものが用いられる。また、半導体チップTが実装された基板Kには、チップ搭載面に貫通する基板貫通孔KHが設けられている。半導体チップTは、下型3に形成された下型キャビティ10b(第二の充填空間部)のキャビティ底部に敷設された弾性体13に当接したまま樹脂モールドされる。
モールド金型1の構造は図2と同様であるが、上型2を構成する上型クランパ6の基板当接面には、逃げ凹部(段差部)6dが形成されている。
また、下型3を構成する下型インサート10には、逃げ凹部6dを介して上型キャビティ5bと連通するエアー供給路10f及び逃げ凹部10gを通じて下型キャビティ10bと連通するエアー吸引路10eが形成されている。このような構成により、モールド金型1では、上型キャビティ5bに対して正圧(圧空)を加えると共に、下型キャビティ10bに対して負圧を加えて減圧することができるように構成される。
図7に示すモールド金型1では、上型キャビティ5b(第一の充填空間部)に臨む基板Kの基板貫通孔KH上に第一の樹脂Rb(例えば液状樹脂)が供給され、型開きした下型3のポット9に樹脂タブレット12(第二の樹脂Ra)が供給されてワークWが下型3に載置される。上型キャビティ5b(第一の充填空間部)と下型キャビティ10b(第二の充填空間部)は、ワークWを介して異なる金型クランプ面に各々形成される。上型キャビティ5bを含む上型クランプ面にはリリースフィルム8が吸着保持されている。
下型インサート10に形成されたエアー吸引路10eからエアー吸引動作を開始し、エアー供給路10fから圧縮空気の供給動作を開始したまま、下型3を上昇させて上型2との間でワークWをクランプすると、次いで、図7に示すように、上型キャビティ5b内に加圧空間が形成され、下型キャビティ10b内に減圧空間が形成される。このような圧力差により、第一の樹脂Rbが基板Kに設けられた基板貫通孔KHを通じて加圧される上型キャビティ5b(第一の充填空間部)から吸引される下型キャビティ10b(第二の充填空間部)へ充填される。具体的には、半導体チップTと基板Kとの隙間にアンダーフィルが行われる。次いで、アンダーフィルが適切に行われた後に、上述した圧力差を発生させた状態を解除し、モールド金型1のクランプ動作を進行させる。これにより、上型キャビティ駒5が基板Kの上面を支持した状態となる。続いて、ポット9に装填された樹脂タブレット12(第二の樹脂Ra)が溶融してプランジャ10により上型カル6a、下型ランナゲート10aを通じて下型キャビティ10b(第二の充填空間部)へ圧送りしてトランスファ成形により充填される。これにより、第一の樹脂Rbによりアンダーフィルされた半導体チップTの外周に対して第二の樹脂Raが供給されることで、比較的安価な樹脂を用いてアンダーフィルされたチップTの外周を樹脂モールドすることができる。
このように、半導体チップTがフリップチップ実装されたワークWに対して、アンダーフィル用に用いられるフィラーサイズが小さく高価な樹脂の使用量を最低限に抑えながら、外周を適宜の樹脂で樹脂モールド可能な成形を、1つのモールド金型1における1回の樹脂モールド工程で行うことができる。これにより、生産コストを抑えながら、アンダーフィルにおける樹脂充填性を向上させて高い成形品質を維持しながら効率的に成形することができる。
以上、各実施例として、本発明における好適な形態とそれぞれの作用効果について説明したが、本発明は必要に応じて適宜に変更して実施することができる。例えば、モールド金型1の充填空間部(上型キャビティ若しくは下型キャビティ)に供給される樹脂は、上述した実施例で示す形態に限定されるものではない。また、ワークWは、例えば半導体チップ、受動部品(コンデンサ等)、配線構造体などの部品が搭載された各種の基板(樹脂基板、セラミック基板、金属基板等)であってもよい。また、ワークWは、例えばWLP(Wafer Level Package)成形に用いるウエハや、半導体チップを貼り付けたE−WLP(Embedded Wafer Level Package)成形に用いるキャリアプレートを適宜採用することもできる。これらの組み合わせの一例として、LEDチップが実装されたリードフレームやセラミックス基板であってもよい。また、ワークWとしては、必ずしも半導体チップが実装されていなくてもよく、LEDのリフレクタや放熱板を固定するためのスティフナのような樹脂成形部を形成する基板やリードフレーム等の板状部材であってもよい。このように、ワークWとしては各種の樹脂モールド方法に用いられる任意の対象であってよく、どのようなワークWであっても上述したような好適な効果が得られる。またワークWは、複数のパッケージ領域が一体的に連結されて1つのキャビティ(充填空間部)を構成するマップ型の製品に限らず複数の独立したパッケージ領域が連結されたキャビティ(充填空間部)を構成するマトリクス型の製品の成形に用いる金型であっても良い。
また、モールド金型1は、上型2を固定型、下型3を可動型としたが、下型3を固定型、上型2を可動型としてもよく、双方を可動型としても良い。
上述の実施例においてそれぞれ例示した実施の形態において説明した各種のトランスファ成形及び圧縮成形の組み合わせを入れ替えたり、部分的に追加したりして用いることもできる。
A ワーク樹脂供給部 B 樹脂搭載部 C プレス部 CP コンポーネント CN コネクタ部 D 成形品収納部 E ローダー F アンローダー HB はんだバンプ K 基板 KH 基板貫通孔 Rb 第一の樹脂 Ra 第二の樹脂 T,T1,T2 半導体チップ W ワーク 1 モールド金型 2 上型 3 下型 4 上型ベース 5 上型キャビティ駒 5A 第一の上型キャビティ駒 5B 第二の上型キャビティ駒 5a 下面 5b,14b 上型キャビティ 5b1 第一の上型キャビティ 5b2 第二の上型キャビティ 6 上型クランパ 6a 上型カル 6b 傾斜面 6c 底面 6d,10g 逃げ凹部 7,15 コイルばね 8 リリースフィルム 9 ポット 10 下型インサート 10a 下型ランナゲート 10b 下型キャビティ 10c 下型カル 10d 下型ランナ 10e エアー吸引路 10f エアー供給路 11 プランジャ 12 樹脂タブレット 13 弾性体 14 上型インサート 14a 上型カル

Claims (8)

  1. 上型及び下型を有する一対の金型のうち、前記下型に形成されたポットに連なる下型キャビティと前記上型に形成された上型キャビティが金型クランプ面に形成され、前記上型キャビティ及び前記下型キャビティに対応する位置に載置されるワーク上に第一の樹脂が供給され、型開きした前記下型の前記ポットに第二の樹脂が各々供給されて、前記一対の金型の間で前記ワークがクランプされ、
    前記第一の樹脂は容積が可変する前記上型キャビティに圧縮成形により充填され、前記第二の樹脂は前記ポットよりトランスファ成形により前記下型キャビティに充填されて、溶融した前記第一の樹脂及び第二の樹脂に各々所定樹脂圧を加えながら前記ワークを挟み込んだ状態で加圧硬化することを特徴とするモールド金型。
  2. 前記上型キャビティは、キャビティ駒とこれを囲むクランパにより形成され、前記モールド金型のクランプ動作に応じて前記クランパが前記ワークをクランプしてから前記キャビティ駒が前記上型キャビティの容積が縮小する方向に相対移動して圧縮成形される請求項1記載のモールド金型。
  3. 前記上型キャビティと前記下型キャビティは、異なる金型クランプ面に各々形成されており、前記モールド金型のクランプ動作が進行するにしたがって前記上型キャビティに加圧空間を形成すると共に前記下型キャビティに減圧空間を形成しながら、当該上型キャビティの容積が縮小する方向にキャビティ駒が相対移動して、第一の樹脂が前記ワークに設けられた貫通孔を通じて前記上型キャビティから前記下型キャビティへ充填され、前記ポット内の第二の樹脂が前記第一の樹脂が充填された前記下型キャビティへ充填される請求項1又は請求項2記載のモールド金型。
  4. 前記上型キャビティを含む金型クランプ面がリリースフィルムにより覆われている請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のモールド金型。
  5. 請求項1乃至請求項4記載のいずれか1項記載のモールド金型を備えた樹脂モールド装置。
  6. 上型及び下型を有する一対の金型のうち、前記下型に形成されたポットに連なる下型キャビティと前記上型に形成された上型キャビティが金型クランプ面に形成されたモールド金型を用意する工程と、
    前記上型キャビティに対応する位置に載置されるワーク上に第一の樹脂が供給され、型開きした前記下型の前記ポットに第の樹脂が各々供給される工程と、
    前記上型前記下型との間で前記ワークをクランプし、前記第一の樹脂を容積が可変する前記上型キャビティに圧縮成形により充填し、前記第二の樹脂を前記ポットよりトランスファ成形により前記下型キャビティに充填して、溶融した前記第一の樹脂及び第二の樹脂に各々所定樹脂圧を加えながら前記ワークを挟み込んだ状態で加圧硬化させる樹脂モールド工程と、を有することを特徴とする樹脂モールド方法。
  7. 前記第一の樹脂及び第二の樹脂は、異なる樹脂が用いられる請求項6記載の樹脂モールド方法。
  8. 前記ワークによって仕切られた前記上型キャビティに前記第一の樹脂が充填され、前記下型キャビティに前記第二の樹脂が各々充填されて加熱硬化させる請求項6又は請求項7記載の樹脂モールド方法。
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