上記の問題に対処するには、浮上ユニットの設置数を増やし、うねりの発生を抑制することが考えられる。しかし、浮上ユニットの設置数を増加させれば、その分、設置コストや大量のエア消費によるランニングコストが増大してしまい、実用性に欠けるという別の問題がある。
そこで、本発明は、うねったワークの端部でも、確実に非接触の状態でワークを保持できる浮上ユニット、及びそれを備えた浮上装置の提供を主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果、より踏み込んだ具体的手段等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.加圧気体が噴出する噴出面(上面12a)と、
その噴出面の受動的な傾斜を自由化する揺動手段(凹状球面部23,凸状球面部33等で構成される球面軸受け構造)とを備え、
前記噴出面から噴出する加圧気体によって、その噴出面と非接触の状態でワーク(ガラス基板G)を支持する傾斜機能付き浮上ユニット(改良浮上ユニット12)。
手段1によれば、噴出面に対して外力が作用すると、揺動手段により、噴出面がその外力に倣って傾斜した状態となる。このため、浮上ユニットでワークを非接触支持する際、ワーク自身にうねりが生じていたとしても、そのワークがまず載置された段階で、噴出面がワークの傾斜に倣って傾斜した状態となる。そして、その状態で加圧気体を噴出面から噴出させれば、ワークはその底面が噴出面と略平行に対面した状態で浮上し、加圧気体の噴出による浮上力をワークに対して確実に作用させることができる。このため、ワークのうねりによる傾斜のため加圧気体が外に逃げて接触しやすいワークの端部にこの浮上ユニットを配置すれば、その端部においても確実に非接触の状態でワークを保持できる。なお、ここでいう傾斜とは設置面(ベース2の上面2a)に対する傾斜をいう。
手段2.前記噴出面を有する揺動体(揺動基体31,多孔質ユニット41)を基台に対して球面軸受け(凹状球面部23,凸状球面部33)により支持し、それによって前記揺動手段を構成したこと特徴とする手段1記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段2によれば、球面軸受けにより揺動体を支持することで噴出面の自由な傾斜を可能としているため、構成を複雑にすることなく、噴出面のあらゆる方向への自由な傾斜を実現することができる。
手段3.前記基台及び前記揺動体のうち、一方に凹状球面部を、他方に凸状球面部を設け、その球面部同士を合わせた状態で揺動体を基台で支持し、両者の間に加圧気体を介在させることで前記球面軸受けを構成したことを特徴とする手段2に記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段3によれば、揺動体と基台との間に介在する加圧気体により、球面軸受けにおける摩擦抵抗がなくなり、わずかな外力が作用しただけでも噴出面を滑らかな動作で傾斜させることができる。また、基台と揺動体とが非接触となるから、噴出面が傾斜する際に塵埃を発生させることがなく、クリーンルーム内での設置に適している。
手段4.前記基台及び前記揺動体の内部に両者を連結する弾性チューブ(弾性チューブ55)を設け、該弾性チューブ内を通して前記噴出面に加圧気体を供給するようにし、さらに弾性チューブの周囲に揺動体の揺動に伴う弾性チューブの変形を許容する変形許容空間(弾性チューブ55と収容孔54の壁面との間の空隙)を形成したことを特徴とする手段2に記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段4によれば、基台と揺動体とを連結するように設けられた弾性チューブの付勢力により、ワークの支持作業後に揺動体は自然と初期位置に復帰する。この場合に、初期位置にて噴出面が水平となるようにすることで、次回の作業時において噴出面上にワークを載置する際、揺動体の角部分にワークを接触させることなく好適に載置作業を行うことができる。また、弾性チューブの周囲に変形許容空間が形成されていることで、弾性チューブは揺動体の揺動に伴って変形可能であり、噴出面の自由な傾斜を阻害することはない。さらに、噴出面への加圧気体の供給が弾性チューブ内を通して行われ、当該加圧気体は途中で漏れ出ることなく全て噴出面に供給される。よって、噴出面に充分な加圧気体を供給でき、さらには浮上ユニットへの加圧気体の供給量を抑えることが可能となりランニングコストの低減にもつながる。
手段5.噴出面から噴出する加圧気体によって、その噴出面と非接触の状態でワークを支持する浮上ユニットであって、
前記噴出面を備え、同一の曲率半径を有する凹状球面部及び凸状球面部のうちの一方を、噴出面と反対側に形成した揺動体(揺動基体31,多孔質ユニット41)と、
前記凹状球面部及び凸状球面部のうちの他方を形成し、球面部同士を合わせた状態で揺動体を支持する基台とを備え、
前記基台と前記揺動体との間に加圧気体を介在させることで、揺動体を球面に沿って揺動可能とし、この揺動により噴出面の受動的な傾斜を自由化したことを特徴とする傾斜機能付き浮上ユニット。
手段5によれば、揺動体あるいは噴出面に対して外力が作用すると、揺動体はその外力に倣い球面に沿った形で揺動し、噴出面も傾斜した状態となる。このため、浮上ユニットでワークを非接触支持する際、ワーク自身にうねりが生じていたとしても、ワークがまず載置された段階で、噴出面がワークの傾斜に倣って傾斜した状態となる。そして、その状態で加圧気体を噴出面から噴出させれば、ワークの底面と噴出面は略平行に対面した状態で浮上し、加圧気体の噴出による浮上力をワークに対して確実に作用させることができる。このため、ワークの傾斜のために加圧気体が外に逃げて接触しやすいワークの端部にこの浮上ユニットを配置すれば、その端部でも確実に非接触の状態でワークを保持できる。また、噴出面の自由な傾斜を球面軸受けにより実現し、しかも、加圧気体の存在により球面軸受けでは摩擦抵抗がないため、前述した手段2及び手段3と同様の作用効果が得られる。
手段6.前記基台に第1気体流路(第1流路24)を形成し、前記揺動体には前記噴出面につながる第2気体流路(第2流路37,第3流路47)を形成し、両者を前記凹状球面部及び凸状球面部で開口させるとともに、その開口同士が対峙するように構成した手段5に記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段6によれば、第1気体流路に加圧気体を供給すれば、球面軸受け部分への加圧気体の供給と、噴出面への加圧気体の供給を同時に行うことができる。このため、浮上ユニットに供給される加圧気体の供給経路を一本化でき、配管構成を簡素化できる。
手段7.前記揺動体が傾斜した状態でも前記第2気体流路の開口が塞がれないよう、前記第1気体流路の開口及び第2気体流路の開口うちの一方を広口に(テーパ状にして広口に)形成したことを特徴とする手段6に記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段7によれば、揺動体が傾斜した状態でも、第2気体流路の開口が塞がれてしまうことを回避できる。これにより、加圧気体は第2気体流路に流入する時に流通が絞られることなく、噴出面に充分な加圧気体を供給できる。
手段8.前記揺動体が基台から外れることを防止する外れ防止手段(凹部27,外れ防止ピン39)を設けたことを特徴とする手段2乃至7のいずれかに記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段8によれば、外れ防止手段により、揺動体が基台から外れることを防止できる。このため、揺動体の揺動を安定させることができ、また、揺動体が傾斜した状態を安定して保持することもできる。
手段9.前記揺動体の揺動を所定の範囲に規制する揺動規制手段(凹部27,外れ防止ピン39)を設けたことを特徴とする手段2乃至8のいずれかに記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段9によれば、揺動規制手段により、揺動体の揺動が所定の範囲内に規制されるため、揺動体の揺動を安定させることができる。
手段10.前記揺動体の外周には筒状をなす覆筒体を設け、その覆筒体で前記基台の側面の少なくとも上部を隠すように構成したことを特徴とする手段2乃至9のいずれかに記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段10によれば、筒状をなす覆筒体により基台の側面上部が隠されているため、球面軸受け部分を通過した加圧気体は、基台の側面と覆筒体の内面との間を通過し、基台の側面と覆筒体の内端部との間に形成された開口部分(開口部13)から排出される。そして、この開口部分は下向きに開口しているから、加圧気体も下方向に向けて排出される。このため、排出される加圧気体がワークに吹きかかるおそれを低減できる。
手段11.前記外れ防止手段及び前記揺動規制手段を、基台側面に形成された凹部と、前記覆筒体に設けられ、先端が前記凹部に遊挿される外れ防止ピンとで構成したことを特徴とする手段10に記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段11によれば、覆筒体に設けられた外れ防止ピンにより、揺動体が基台から外れることの防止だけでなく、揺動体の揺動の規制も併せて行われることになり、このピンだけで外れ防止手段と揺動規制手段の両手段を兼用できる。このため、部品点数を少なくでき、構成も簡単にすることができる。なお、外れ防止ピンは凹部に遊挿されているため、揺動体の揺動自体は許容されている。
手段12.前記揺動体の水平方向の重量バランスを調整するバランス調整手段(ネジ孔81,ネジ82)を設けたことを特徴とする手段2乃至11のいずれかに記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段12によれば、バランス調整手段によりワークを支持しない状態にて噴出面が水平となるように揺動体の水平方向の重量バランスを調整することで、ワークの支持作業後に噴出面は自然と水平となる。これにより、次回の作業時において噴出面上にワークを載置する際、揺動体の角部分にワークを接触させることなく好適に載置作業を行うことができる。
なお、上記手段4を備えた構成では、弾性チューブにより揺動体が初期位置に付勢されるが、この場合にバランス調整手段を備えていることで初期位置を噴出面が水平となる位置とすることができる。
手段13.前記噴出面を多孔質体によって形成したことを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の傾斜機能付き浮上ユニット。
手段13によれば、多孔質体の表面から加圧気体が噴出されるため、加圧気体が多孔質体を通過する際の絞りによって好適に静圧を発生させることができる。しかも、単なる絞り通路よりも均等に静圧をワークとの間に発生させることができる。その結果、ワークを非接触状態で一層安定して保持することができる。
手段14.多数の浮上ユニット(浮上ユニット1)を備え、その浮上ユニットの噴出面(上面)から噴出される加圧気体によって、薄板状のワーク(ガラス基板G)を非接触支持する浮上装置であって、
前記多数の浮上ユニットのうち、平面視における四隅又は端部には、手段1乃至13のいずれかに記載の傾斜機能付き浮上ユニット(改良浮上ユニット12)を配置したことを特徴とする浮上装置。
手段14によれば、ワークを浮上させた際、うねりのためにワークの端部では加圧気体が外に逃げて接触してしまうが、その端部に傾斜機能付き浮上ユニットが配置されているため、その端部でも確実に非接触の状態でワークを保持できる。また、四隅はもっとも加圧気体が逃げやすい場所であるため、そこに傾斜機能付き浮上ユニットを設けただけでも、従来に比べてより確実に非接触状態での保持が可能となる。さらに、四隅又は端部にのみ傾斜機能付き浮上ユニットを設けるだけであるから、浮上装置としてのコスト増加の抑制にもつながる。
手段15.多数の浮上ユニット(浮上ユニット1)を備え、その浮上ユニットの噴出面(上面)から噴出される加圧気体によって、薄板状のワークを非接触支持する浮上装置であって、
前記多数の浮上ユニットのすべてを、手段1乃至13のいずれかに記載の傾斜機能付き浮上ユニット(改良浮上ユニット12)としたことを特徴とする浮上装置。
手段15によれば、浮上ユニットの数を従来の浮上装置よりも少なくすると浮上ユニット間のワークの撓みが大きくなるが、すべての浮上ユニットが傾斜機能付き浮上ユニットであるため、撓みが大きくなったとしても確実に非接触の状態でワークを保持できる。浮上ユニットの数を少なくすることで、浮上装置への加圧気体の供給量が減ぜられ、ランニングコストの低減を図ることができる。さらには、浮上装置への浮上ユニットの設置時にて、各浮上ユニットの噴出面の高さ調整などといった作業性を良好なものとすることができる。また、位置ズレを修正するワークの大きさは常に同じではなく小さい場合もあるため、すべての浮上ユニットを傾斜機能付き浮上ユニットとすることで、小さいワークであっても確実に非接触の状態でワークを保持できる。
(第1の実施の形態)
以下、発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図1は傾斜機能付き浮上ユニットの断面図(図2のA−A線断面図)、図2は傾斜機能付き浮上ユニットの斜視図、図3はガラス基板の載置から浮上までの様子を示した模式図、図4はガラス基板の位置ズレが修正された状態を示す平面図である。そして、以下では、上下とは鉛直方向をいうものとする。
図4に示したように、ワークとしてのガラス基板Gの位置ズレを修正する装置では、ガラス基板Gを非接触支持する浮上装置を備えている。浮上装置では、浮上ユニット1が、この図では図示しないベース2上に設置され、全体として図4の前後左右に多数配置されている。具体的には、等間隔で格子状に配置されている。浮上ユニット1は2種類で構成されている。一つは従来から存在する一般浮上ユニット11であり、もう一つは、傾斜機能付き浮上ユニット12(以下、改良浮上ユニット12という。)である。
ここで、一般浮上ユニット11をすべて使用してガラス基板Gを非接触支持した場合、図4の前後左右両端部で接触するという問題が発生する。このため、その前後左右両端部に改良浮上ユニット12が配置されている。
また、各浮上ユニット1は、その上面で同一平面を形成するように載置されている。そして、各浮上ユニット1の上面から噴出されるエアにより、ガラス基板Gが微小な間隔をおいて支持されている。ガラス基板Gの周囲に設けられた複数の修正ローラSは、位置ズレを修正するために設けられたものである。この修正ローラSが、図示しない駆動装置によってガラス基板Gの側面に接離する方向(図4に図示した矢印の方向)に同期して移動することで、位置ズレが修正される。
次に、前記改良浮上ユニット12の構成について詳しく説明する。なお、一般浮上ユニット11については、その基本的構成は従来と同じであり、ただその上面が前述のとおり改良浮上ユニット12の上面12aと同一平面を形成するように構成されているだけである。このため、その詳細な説明は省略する。
図1及び図2に示したように、改良浮上ユニット12は平面視において円形状をなす基台21を備えている。その円の中心を通る上下方向の中心線は改良浮上ユニット全体の中心線とされ、改良浮上ユニット12を構成する後述の各部及び各部材はこの中心線を基準として設けられている。基台21にはその上面21aに凹状球面をなす凹状球面部23が形成されている。また、基台21にはその内部に第1気体流路としての第1流路24が形成されている。第1流路24は凹状球面部23の中央部に一方が開口し、他方は底面21bで開口するように形成されている。第1流路24の凹状球面部23での開口部24aはテーパ状に形成され、広口となっている。他方、底面21bでの開口部24bの周囲にはOリング26が設けられている。
基台21はベース2に直接載置され、適宜の固定手段でベース2に固定される。ベース2にはその上面2aで開口するエア流路3が形成されており、そのエア流路3の開口に前記第1流路24の開口部24bを合わせるようにして、基台21が載置される。このため、ベース2外から供給されてエア流路3を流通するエアが第1流路24に供給される。このとき、前記Oリング26により、基台21の底面21bとベース2の上面2aとの間はシールされているため、その間からのエア漏れが防止されている。
基台21には、その凹状球面部23の上に平面視において、基台21よりも大径の円形状をなす揺動基体31が設けられている。揺動基体31は後述する多孔質ユニット41とともに揺動体を構成している。揺動基体31はその上面31aが平坦に形成されている。これに対し、その下面側、すなわち基台21側は凸状球面をなす凸状球面部33となっていて、その凸状部分と前記基台21の凹状球面部23の凹状部分とを合わせるようにして配置されている。そして、凸状球面部33はその曲率半径が凹状球面部23の曲率半径と同じとなるように形成されている。このため、凸状球面部33と凹状球面部23とは凹凸が重なり合った状態となっている。
前記揺動基体31は、その揺動基体31の外径に合わせた内径を有する円筒状の覆筒体34の中空部分に収容されている。前述したように、平面視において揺動基体31の外径は基台21よりも大径であるため、この覆筒体34により、揺動基体31だけでなく、前記基台21の周囲もほぼ覆われている。そして、覆筒体34はその上面34aが揺動基体31の上面31aと同一平面をなす状態で揺動基体31にボルト36で固定されている。
また、揺動基体31にはその内部に第2流路37が形成されている。第2流路は後述する第3流路47とともに第2気体流路を構成している。第2流路37は揺動基体31の上面31aの中央部で一方が開口し、他方は前記凸状球面部33の中央部(頂上部分)で開口するように形成されている。そして、第2流路37の凸状球面部33での開口部37aは、後述のように揺動基体31が傾斜しても、第1流路24の開口部24aの範囲内に存在するよう、狭口に形成されている。
ここで、揺動基体31は前記基台21から外れないような構成が採られている。その構成について説明する。前記覆筒体34の下部では、その内面34bが基台21の側面21cと対峙する状態となっているが、その覆筒体34の下部には、覆筒体34の内外を貫通する一対の貫通孔38が互いに反対側に位置するように形成されている。そして、この貫通孔38には、覆筒体34の外面34c側から外れ防止ピン39が圧入され、覆筒体34の外面34cから突出しない状態で覆筒体34に固定されている。一方、前記基台21の側面21cには一対の凹部27が互いに反対側に位置するように形成されている。そして、この凹部27には前記外れ防止ピン39の先端部が遊挿されている。すなわち、凹部27はその開口面積が外れ防止ピン39の横断面より若干大きく形成され、外れ防止ピン39は遊びをもって凹部27に挿入されている。このため、揺動基体31及び覆筒体34はその遊びの分だけガタついた状態となりながらも、基台21から外れないように構成されている。なお、このガタつきが揺動基体31の傾斜を許容する。
揺動基体31の上面31aには多孔質ユニット41が設けられ、ボルト42により揺動基体31に固定されている。多孔質ユニット41はユニット本体43と多孔質体44とで構成されている。ユニット本体43にはその上面43aに収容溝45が形成され、その収容溝45に多孔質体44が上面43aから突出した状態で収容されている。ちなみに、多孔質体44の上面44aから凸状球面部33の下端までの長さ寸法は、凸状球面部33の曲率半径よりも短くなっている。収容溝45の底面には流通溝46が形成されている。また、ユニット本体43にはその内部に第3流路47が形成されている。第3流路47は流通溝46の底面で一方が開口し、他方はユニット本体43の底面43bの中央部で開口するように形成されている。そして、ユニット本体43の底面43bでの開口部47aは、前記第2流路37の開口部37bよりも狭口となっている。また、その開口部47aの周囲にはOリング49が設けられている。
前記多孔質体44は、焼結三フッ化樹脂、焼結四フッ化樹脂といったフッ素樹脂により形成されている。そして、前記流通溝46にエアが供給されると、そのエアが多孔質体44の微細孔を通過し、上面44aから噴出する。なお、多孔質体44は、フッ素樹脂以外でも、焼結ナイロン樹脂、焼結ポリアセタール樹脂等の合成樹脂材料や、焼結アルミニウム、焼結銅、焼結ステンレス等の金属材料、焼結カーボン、焼結セラミックスなどで形成してもよい。
上記の如く構成された改良浮上ユニット12では、ベース2のエア流路3を介して基台21の第1流路24にエアが供給されると、そのエアは第1流路24から揺動基体31の第2流路37、さらに多孔質ユニット41の第3流路47及び流通溝46を通過して多孔質体44に供給される。そうして、多孔質体44の上面44a、すなわち改良浮上ユニット12の上面12aからエアが噴出される。このエア噴出により、改良浮上ユニット12の上面12aに載置されたガラス基板Gを浮上させ、それを非接触状態で支持する浮上力が発生する。なお、本実施の形態では、改良浮上ユニット12の上面12a(多孔質体44の上面44a)が噴出面となっている。
また、第1流路24に供給されたエアは基台21と揺動基体31との間、すなわち凹状球面部23と凸状球面部33との間も流通する。このエアの流通により両者の間にはエア膜が生成し、これにより両者間での摩擦抵抗がなくなる。このように、基台21の凹状球面部23と揺動基体31の凸状球面部33とで球面軸受けが構成されている。そして、この球面軸受けにより、揺動基体31や多孔質ユニット41に対して外部から力が作用すると、揺動基体31及び多孔質ユニット41は前述したガタ付きの範囲でその力に倣い、凹状球面部23に沿って回動し、ベース2の上面2aに対し傾斜した状態となる。これを倣い動作という。なお、凹状球面部23と凸状球面部33との間を流通したエアは、凹状球面部23の外周縁部分から流出し、基台21の側面21cと覆筒体34の内面34bとの間を通過した後、浮上ユニット12の下部にある開口部13から排出される。そして、この開口部13は下方向に向けて開口しているため、エアも下方向に向けて排出される。
次に、上記のような改良浮上ユニット12と一般浮上ユニット11とで構成される複数の浮上ユニット1を用いた、ガラス基板Gの位置ズレを修正する装置の動作を説明する。その動作の中で、ガラス基板Gを非接触支持する動作については、改良浮上ユニット12の動作を図3に基づいて特に詳しく説明する。なお、図3では、動作をわかりやすくするため、覆筒体34が省略されている。
前述したように、この装置では、一般浮上ユニット11及び改良浮上ユニット12がベース2上に多数設置されている(図4参照)。そして、まず、図示しない搬送手段によってガラス基板Gが各浮上ユニット1の上面に載置される。
ここで、ガラス基板Gは、同基板Gに施された各種処理により、載置される前の段階でそれ自身すでにある程度のうねりが生じている。このため、図3(a)に示すように、ガラス基板Gが載置される前の状態で、基板Gと改良浮上ユニット12の上面12aとが非平行状態となっている。また、ガラス基板Gが載置される時点では、凹状球面部23と凸状球面部33との間にエア膜を生成して摩擦抵抗を低減するだけのエアが第1流路24に供給されている。これにより、倣い動作が可能な状態となっている。このエア供給により、改良浮上ユニット12の上面12aからもエアが噴出することになるが、ガラス基板Gを浮上させるだけの浮上力は生じない。
そして、搬送手段によりガラス基板Gを下降させ、各浮上ユニット1上に載置する。すると、改良浮上ユニット12では、図3(b)に示すように、揺動基体31及び多孔質ユニット41がガラス基板Gの傾きに倣って回動し、傾斜した状態となって基板Gはその底面が改良浮上ユニット12の上面12aに面接触した状態で接触支持される。
次いで、各浮上ユニット1にベース2のエア流路3を介してエアを供給し、各浮上ユニット1の上面からそのエアを噴出させる。ここではガラス基板Gを浮上させる浮上力の発生に充分なエアが供給される。すると、浮上力の作用によりガラス基板Gは各浮上ユニット1の上面から浮上し、その上面から微小な間隔をおいて非接触支持される。そして、改良浮上ユニット12では、図3(c)に示したように、その上面12aとガラス基板Gの底面(改良浮上ユニット12側の面)とが略平行に対面した状態で浮上し、その状態で非接触支持される。このため、改良浮上ユニット12の上面12aから噴出したエアによる浮上力がガラス基板Gに確実に作用することとなり、基板Gがその上面12aに接触する可能性はほとんどなくなる。この改良浮上ユニット12は、一般浮上ユニット11を用いると基板Gのうねりのために接触という問題が生じる箇所、すなわち図4における前後左右の両端部に設置されているため、その接触という問題を解消できる。
その後、ガラス基板Gの周囲に設けられた複数の修正ローラSにより、位置ズレが修正される。この実施形態では改良浮上ユニット12の使用によりガラス基板Gと浮上ユニット1との接触という問題が解消されているため、この位置ズレ修正時に、ガラス基板Gに傷がつくことはない。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、以下の優れた効果を有する。
本実施の形態によれば、ガラス基板G自身のうねりのため、基板Gと改良浮上ユニット12の上面12aとが非平行状態にあっても、その基板Gが改良浮上ユニット12の上面12aに載置されると、揺動基体31及び多孔質ユニット41がガラス基板Gの傾きに倣って回動する。この倣い動作により、改良浮上ユニット12の上面12aはガラス基板Gの傾斜に倣って傾斜し、その上面12aに基板Gの底面が面接触した状態で基板Gは改良浮上ユニット12に支持される。この状態でエアをその上面12aから噴出させれば、ガラス基板Gはその底面が上面12aと略平行に対面した状態で浮上し、エア噴出による浮上力を基板Gに対して確実に作用させることができる。そこで、ガラス基板Gの傾斜のためにエアが外に逃げて接触しやすい基板Gの端部にこの改良浮上ユニット12を配置すれば、その端部においても確実に非接触の状態で基板Gを保持できる。
そして、このように改良浮上ユニット12は、ガラス基板Gのうねりに追従して浮上力を確実に作用させることができるため、基板Gが大きくうねるような場合でも、確実な非接触保持が可能となる。そうすると、浮上ユニット1の設置数を少なくして(浮上力の発生箇所を少なくして)より大きなうねりがガラス基板Gに生じるような状態にすることも可能となる。したがって、浮上ユニット1の設置数を少なくしてコストも削減できるというメリットも派生して生じる。
本実施の形態では、凹状球面部23と凸状球面部33とで構成される球面軸受けにより揺動基体31及び多孔質ユニット41を支持することで、改良浮上ユニット12の上面12aの自由な傾斜を可能としている。このため、構成を複雑にすることなく、その上面12aのあらゆる方向への自由な傾斜を実現することができる。
本実施の形態では、基台21と揺動基体31との間に介在するエアにより、球面軸受けにおける摩擦抵抗がなくなり、わずかな外力が作用しただけでも改良浮上ユニット12の上面12aを滑らかな動作で傾斜させることができる。また、基台21と揺動基体31とが非接触となるから、上面12aが傾斜する際に塵埃を発生させることがなく、クリーンルーム内での設置に適している。
本実施の形態では、第1流路24にエアを供給すれば、凹状球面部23と凸状球面部33との間へのエア供給と、改良浮上ユニット12の上面12aへのエア供給を同時に行うことができる。このため、改良浮上ユニット12へのエアの供給経路を一本化でき、配管構成を簡素化できる。
本実施の形態では、第1流路24と第2流路37とをつなぐ部分では、第1流路24の開口部24aがテーパ状に形成されて広口となり、第2流路の開口部37aは狭口となっている。このため、揺動基体31及び多孔質ユニット41がガラス基板Gの傾斜に倣って傾斜した状態でも、その開口部24aの範囲内に第2流路37の開口部37aが配置されている。これにより、揺動基体31及び多孔質ユニット41が傾斜しても、第2流路37の開口部37aはその一部又は全部が塞がれてエアの流通が絞られることがなく、浮上ユニット12の上面12aに充分なエアを供給できる。
本実施の形態では、外れ防止ピン39が基台21の凹部27に遊挿されているため、揺動基体31及び多孔質ユニット41の傾斜動作が規制されるとともに、それらが基台21から外れることを防止できる。このため、改良浮上ユニット12の上面12aの傾斜動作が安定し、また、その傾斜状態を安定して保持することもできる。しかも、外れ防止と揺動規制の両機能を果たすため、部品点数を少なくでき、構成も簡単となる。
本実施の形態では、覆筒体34により基台21の側面21c上部が隠されているため、球面軸受け部分、すなわち凹状球面部23と凸状球面部33との間を通過したエアは、基台21の側面21cと覆筒体34の内面34bとの間を通過し、開口部13から排出される。そして、この開口部13は下向きに開口しているから、エアも下方向に向けて排出される。このため、その排出されるエアがガラス基板Gに吹きかかるおそれを低減できる。
(第2の実施の形態)
以下の説明では、上記第1の実施の形態と異なる点について図5を用いて説明し、同一部分については説明を省略する。なお、改良浮上ユニット50を構成する後述の各部及び各部材は、改良浮上ユニット50の中心線を基準として設けられている。
図5に示すように、基台21の内部には上下に貫通しエア流路3の流路径よりも大きな孔径の取付孔51が形成されており、ユニット本体43の底面43bには取付孔51の孔径と同一の溝径の取付溝52が形成されている。なお、ユニット本体43の内部には、一方が取付溝52の底面で開口し、他方が流通溝46の底面で開口するようにして、エア流路53が形成されている。また、揺動基体31の内部には上下に貫通し取付孔51よりも大きな孔径の収容孔54が形成されている。そして、取付孔51から取付溝52に亘って弾性チューブ55が挿入されている。
弾性チューブ55の両端は、取付孔51及び取付溝52の壁面に接着されている。この接着により、弾性チューブ55と取付孔51及び取付溝52の壁面との間が気密状態となっている。また、弾性チューブ55により、浮上ユニット50の上面50aが水平となる位置に揺動基体31及び多孔質ユニット41が位置決めされている。弾性チューブ55の内径はエア流路3の流路径と同一となっており、エア流路3から供給されるエアは弾性チューブ55内を通過して多孔質体44に供給される。ここで、本実施の形態では、凹状球面部23と凸状球面部33との球面軸受けがすべり軸受けにより構成されているが、上記のとおり気密状態となっているため、両球面部23,33間にエアが漏れ出ることはない。
弾性チューブ55の外周面と収容孔54の壁面との間には変形許容空間としての空隙が形成されている。これにより、ガラス基板Gの支持作業時において倣い動作に伴う弾性チューブ55の変形が許容され、さらには倣い動作の際に収容孔54の下側端部が弾性チューブ55に衝突することが防止されている。よって、弾性チューブ55を設けた構成において、倣い動作が阻害されることはない。一方、ガラス基板Gの支持作業後には、弾性チューブ55の付勢力により揺動基体31及び多孔質ユニット41が初期位置(上面50aが水平となる位置)に復帰する。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、以下の優れた効果を有する。
本実施の形態によれば、弾性チューブ55の付勢力により、ガラス基板Gの支持作業後には揺動基体31及び多孔質ユニット41は自然と初期位置に復帰する。これにより、次回の作業時において上面50a上にガラス基板Gを載置する際、多孔質体44の角部分などにガラス基板Gを接触させることなく好適に載置作業を行うことができる。この場合に、弾性チューブ55の外周面と収容孔54の壁面との間に空隙が形成されていることにより、倣い動作を阻害することはない。
また、多孔質体44へのエアの供給が弾性チューブ55内を通じて行われ、当該エアは途中で漏れ出ることなく全て多孔質体44へ供給される。よって、多孔質体44へ充分なエアを供給でき、さらには浮上ユニット50へのエアの供給量を抑えることが可能となりランニングコストの低減にもつながる。
また、弾性チューブ55を設けることにより、揺動基体31及び多孔質ユニット41を初期位置に復帰させる機能と、エア漏れを防止する機能とが付加されている。これにより、構成を複雑なものとすることなく、両機能を付加することができる。
(他の実施の形態)
なお、実施の形態は上記した内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
上記第1の実施の形態では、第1流路24に供給されたエアが凹状球面部23と凸状球面部33との間を流通することでエア膜を生成させているが、他の構成を採用することもできる。例えば、凹状球面部23に多孔質体を設けて、その多孔質体から凸状球面部33に向けてエアを噴出させる構成、両者の間を単なるすべり軸受けで支持した構成などでもよい。
上記各実施の形態では、揺動基体31に多孔質ユニット41をボルト42で固定する構成としたが、多孔質ユニットを省略し、揺動気体31に直接、多孔質体44を設けた構成としてもよい。この場合、揺動基体31が揺動体を構成することになる。そして、この構成によれば、部品点数が少なくなるため、コストの低減に寄与できる。
上記各実施の形態では、揺動基体31の下面側に凸状球面部33を形成して球面軸受けを構成したが、球面軸受けを図5に示す構成としてもよい。すなわち、図5では、揺動基体61の凸状球面部62を揺動基体61の側面部分に設けた構成となっている。この揺動基体61にはその上部に多孔質ユニット63が設けられている。ハウジング64には給気孔65が形成されており、この給気孔65にエアが供給されると、揺動基体61内のエア通路66を介して多孔質体63aにエアが供給される。これにより、多孔質体63aの上面からエアが噴出し、図示しないガラス基板を浮上させる。また、給気孔65に供給されたエアは凸状球面部62とハウジング64の凹状球面部67との間を流通し、両者の間にエア膜を生成する。これにより、揺動基体61の倣い動作が可能となる。なお、凸状球面部62と凹状球面部67との間は単なるすべり軸受けの構成としてもよいし、ボールベアリングを設けた構成としてもよい。
上記各実施の形態では、凹状球面部23と凸状球面部33とで構成される球面軸受けを設けて多孔質ユニット41の揺動を可能としたが、図7に示すように、多孔質ユニット41とベース2との間にベローズ68を設けて多孔質ユニット41の揺動を可能とした構成でもよい。また、ベローズ68にも限定されず、ゴム等の弾性体を介在させてもよい。この場合、これらの介在部材が揺動手段を構成する。
上記各実施の形態では、改良浮上ユニット12を図4における前後左右の両端部のみに設置した構成としたが、すべてを改良浮上ユニット12としてもよい。これにより、浮上ユニットの数を少なくすることで浮上ユニット間のガラス基板Gの撓みが大きくなったとしても、確実に非接触の状態でガラス基板Gを保持できる。そして、浮上ユニットの数を少なくすることで、浮上装置へのエアの供給量が減ぜられ、ランニングコストの低減を図ることができる。さらには、浮上装置への浮上ユニットの設置時にて、各浮上ユニットの高さ調整などといった作業性を良好なものとすることができる。さらには、位置ズレを修正するガラス基板Gの大きさは常に同じではなく小さい場合もあるため、すべて改良浮上ユニット12とすれば、小さいガラス基板Gが載置された場合でも確実な非接触支持を行うことができる。
また、四隅はもっともエアが逃げやすい場所であるため、そこに改良浮上ユニット12を設けただけの構成でもよい。この構成でも、従来に比べれば、より確実な非接触状態での保持が可能となる。
上記各実施の形態では、基台21に凹状球面部23を設け、揺動基体31に凸状球面部33を設けたが、両球面部23,33をそれぞれ逆に設けてもよい。すなわち、基台21に凸状球面部を設け、揺動基体31に凹状球面部を設けた構成としてもよい。
上記第1の実施の形態では、多孔質体44へのエア供給と、球面軸受け部分へのエア供給とを、第1流路24という共通の経路で行う構成としたが、それぞれ別の供給経路で行うように構成してもよい。
上記各実施の形態では、エアを噴出させることでガラス基板Gを浮上させるように構成したが、噴出させる加圧気体としてはエアに限定されることはない。例えば、窒素などの気体であってもよい。
上記第1の実施の形態では、ガラス基板Gが載置される時点では両球面部23,33の間にエア膜を生成して摩擦抵抗を低減するだけのエアが第1流路24に供給され、その後、ガラス基板Gを浮上させる浮上力の発生に充分なエアが供給される構成であったが、ガラス基板Gが載置された時点で上記浮上力の発生に充分なエアが供給される構成としてもよい。この場合、エア膜の生成動作とガラス基板Gの浮上動作とが同時に完了され、位置ズレ修正作業の時間効率の向上を実現することができる。
ガラス基板Gが浮上装置上に配置されていない状態(ニュートラル状態)において上面12aが水平となるための構成を、上記各実施の形態に付加してもよい。例えば、図8及び図9に示すように、ユニット本体43の側部に、中心側に延びるネジ孔81を等間隔(90°間隔)で4つ形成する。そして、各ネジ孔81に六角孔付きのネジ82をねじ込む。この場合、各ネジ82のねじ込み量を調整することで、ニュートラル状態において上面12aが水平となるように揺動基体31及び多孔質ユニット41の水平方向の重量バランスを調整することができる。ちなみに、上面12aから凸状球面部33の下端までの長さ寸法が凸状球面部33の曲率半径よりも短くなっているため、ニュートラル状態において両球面部23,33の間にエア膜が生成されると、揺動基体31及び多孔質ユニット41は水平方向の重量バランスが調整された位置に自然と復帰する。以上より、上記のとおり重量バランスを調整することで、ガラス基板Gの支持作業後に上面12aは自然と水平となり、次回の作業時にガラス基板Gの載置作業を好適に行うことができる。
上記第2の実施の形態では、両球面部23,33間を単なるすべり軸受けで支持した構成であったが、ボールベアリングを設けた構成としてもよい。
上記第2の実施の形態において覆筒体34を設けない構成としてもよい。かかる構成とすることにより、浮上ユニット50の構成を簡素化することができる。なお、この場合、弾性チューブ55が外れ防止手段及び揺動規制手段を構成する。
12…傾斜機能付き浮上ユニット(改良浮上ユニット)、12a(44a)…噴出面としての上面、21…基台、23…揺動手段及び球面軸受けを構成する凹状球面部、24…第1気体流路を構成する第1流路、27…外れ防止手段及び揺動規制手段を構成する凹部、31…揺動体を構成する揺動基体、33…揺動手段及び球面軸受けを構成する凸状球面部、34…覆筒体、37…第2気体流路を構成する第2流路、39…外れ防止手段及び揺動規制手段を構成する外れ防止ピン、41…揺動体を構成する多孔質ユニット、44…多孔質体、47…第2気体流路を構成する第3流路、50…傾斜機能付き浮上ユニット(改良浮上ユニット)、50a(44a)…噴出面としての上面、51…取付孔、52…取付溝、54…収容孔、55…弾性チューブ、81…バランス調整手段を構成するネジ孔、82…バランス調整手段を構成するネジ。