JP4824603B2 - 浮上ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、加圧気体の噴出により、ワークを非接触の状態で支持する浮上ユニットに関する。
加圧気体を利用した機器の分野では、加圧気体を噴出面から噴出させ、液晶ガラスや薄型大型基板等の薄板状ワークを、該噴出面と非接触の状態で支持する浮上ユニットが、従来から一般的に知られている。そして、そのような浮上ユニットの中において、当出願人は、うねったワークでも確実に浮上力を作用させことができる浮上ユニットを以前に提案した(特許文献1参照)。この浮上ユニットにおける特徴は、ワークにうねりが生じても噴出面がそのうねりに追従できるという点にある。
その構成を、図8を参照しつつ簡単に説明する。図8は浮上ユニットの縦断面図である。同図に示すように、この浮上ユニット80は支持体81と、上面に加圧気体の噴出面82aを有する揺動体82とを備えている。支持体81の上端部には球体部83が設けられ、揺動体82にはその下面に収容凹部84が設けられている。収容凹部84の底面にはOリング85が装着され、前記球体部83は、その球面上部がOリング85の内周部と当接した状態で収容凹部84に収容されている。そして、このOリング85と球体部83の球面83aとの当接により、揺動体82が支持体81に対して揺動自在に支持されている。
前記球体部83の下部には。ウェーブワッシャ86を介在した二個の平ワッシャ87,88が設けられるとともに、それらはスナップリング89によって抜け止めされている。上側の第1ワッシャ87は、その内周縁部が球体部83の球面下部と当接するように、ウェーブワッシャ86によって上方に向けて付勢されている。これにより、支持体81による揺動体82の支持が安定化されている。なお、Oリング85の内側の空間を加圧室91といい、Oリング85と第1ワッシャ87との間の空間を球面室92という(後述する図9参照)。
支持体81及び揺動体82には、それぞれ加圧気体用の通路93,94が形成されている。両通路93,94は加圧室91を介して連通され、揺動体82の通路94は噴出面82aにつながっている。このため、支持体81の通路93に加圧気体が導入されると、その加圧気体は加圧室91、揺動体82の通路94を介して、揺動体82の噴出面82aに供給される。そして、この加圧気体が噴出面82aから噴出することにより、噴出面82a上に載置されたワークに浮上力が作用し、ワークが浮上するようになっている。
このように構成された浮上ユニット80では、ワークがうねっていても揺動体82がそのうねりに追従し、噴出面82aをワークの底面と平行な状態に配置される。このため、うねったワークにも確実に浮上力を作用させることができる。
特開2006−319309号公報
ところで、Oリング等のように、押圧力によって変形してシール機能を発揮するシール手段の場合、シール力を確実に得るためには、シール手段に対して押圧力を加え、そのシール手段を押しつぶす必要がある。その押圧力がない又は不十分であれば、十分なシール力が得られず、シール手段が介在していても流体の漏れが生じることになる。
この点に関して上記従来の浮上ユニット80をみると、加圧気体が導入されれば、加圧室91の圧力が増加して球面室92の圧力との差圧がOリング85に対する押圧力となり、確実なシール力が得られるようにも思える。
しかしながら、当発明者は、従来の浮上ユニット80では、Oリング85のシール力が不十分であることを突き止めた。その問題点を、図9を参照しながら説明する。図9はOリング周辺部分の概略を拡大して示した縦断面図である。なお、同図はあくまで概略を示すものであり、Oリング85の位置や揺動体82の断面形状等、すべてが正確に反映されていない。
上記浮上ユニット80において、加圧気体を導入する前の状態では、Oリング85に作用する押圧力は揺動体82の自重のみである。そして、揺動体82はその揺動が円滑に行われるよう軽量化されており、Oリング85に確実なシール力を生じさせるだけの十分な重さを有していない。このため、図9に示すように、加圧気体の導入直後では、Oリング85と球体部83の球面83aとの間、Oリング85と収容凹部84の内側面84aとの間から加圧気体が漏れ、球面室92に至る。球面室92の下部では球体部83の球面83aと第1ワッシャ87とが当接し、その当接部分は特にシールされていないが、ウェーブワッシャ86の付勢力Fによって当接力が高められている。そのため、球面室92が加圧されてもその加圧分が抜けにくくなっており、加圧気体の導入当初に球面室92へ加圧気体が漏れると、球面室92の圧力P2が大気圧から加圧されたままの状態で維持されてしまう。
そうすると、加圧気体の導入が進んで加圧室91の圧力P1が高まっても、十分な差圧(P1−P2)が発生しないため、Oリング85に対して十分な押圧力を加えられず、Oリング85はシール機能を発揮できない。そして、これによって加圧気体が漏れやすくなり、噴出面82aに供給されるはずの加圧気体が球面室92に漏れて球面室92の圧力P2をより高める。その結果、差圧がより小さくなってOリング85に対する押圧力もさらに小さくなるという悪循環に陥る。また、球面室92の下部はシールされていないため、球面室92の加圧度が進行すれば、付勢力Fに抗して、球面83aと第1ワッシャ87との当接部分から加圧気体が外に漏れてしまう。このような様々な要因が原因となって、従来の浮上ユニット80では、意図していた浮上力が得られなくなってしまう。
そこで、本発明は、変形によってシール機能を発揮するシール手段に対し十分な押圧力を加えて、シール手段のシール機能を確実に発揮できる浮上ユニットを提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果、より踏み込んだ具体的手段等を示しつつ説明する。
まず、本発明の浮上ユニットは前提として次の構成を備えている。すなわち、この浮上ユニットは、加圧気体が噴出する噴出面を有する揺動体と、該揺動体を支持する支持体とを備えている。前記支持体には球体部が設けられ、該球体部は前記揺動体に設けられた収容空間に収容されている。前記収容空間には該収容空間の内面と前記球体部の球面中央より上部とに当接して両者の間をシールするとともに、その当接によって前記揺動体を前記支持体に対して揺動自在に支持させる環状のシール手段が設けられている。このシール手段により、前記収容空間は、該シール手段と前記球体部の球面との当接部分より上方の第1空間と、前記当接部分より下方の第2空間とに区画されている。前記支持体には前記第1空間に開口する支持体流路が設けられるとともに、前記揺動体には一端が前記噴出面につながり、他端が前記第1空間に開口する本体流路が設けられ、支持体流路から前記第1空間を介して噴出面に加圧気体が供給されるようになっている。そして、前記シール手段は、加圧気体の導入による前記第1空間の圧力上昇に伴って変形され、その変形によりシール機能を発揮するものである。
そして、かかる前提構成に加え、本発明の浮上ユニットでは、前記第2空間を大気開放状態とする開放通路が設けられている。
この構成によると、支持体流路に加圧気体を導入した直後においては、シール手段はシール機能を発揮できない状態にあるため、第1空間に導入された加圧気体は第2空間に漏れる。この第2空間に漏れた加圧気体は開放通路を介して大気中に排気されることから、第2空間の圧力は常時大気圧に保たれる。そうすると、加圧気体の導入が進めば、第1空間の圧力の高まりとともに第2空間の圧力との間で十分な差圧が生じる。この差圧(押圧力)により、シール手段は変形されてシール機能を確実に発揮できる。
前記開放通路は前記揺動体に設けられ、該揺動体の外面と前記第2空間の内面とに開口する通路であることが好ましい。これによれば、従来の浮上ユニットで用いられていた揺動体を利用し、その揺動体に対して開放通路を容易に形成することができる。したがって、この構成は極めて汎用性が高いといえる。
また、上記浮上ユニットにおいて、揺動体に球体部が、支持体に収容空間が設けられた点で支持構成を逆にした構成としてもよい。かかる構成においても、前記開放通路が設けられることで、シール手段に対して十分な押圧力を加えることができるという技術的思想は同様に得られる。この場合、前記開放通路が前記支持体に設けられれば、浮上ユニットとしての汎用性が高まるという点についても同様である。
また、浮上ユニットは、前記シール手段と前記球体部の球面との当接位置と反対側で前記球面と当接する環状当接部材と、前記環状当接部材が球面と常時当接するように該環状当接部材を付勢する付勢手段とを備えた構成を前提とする場合もある。この構成では、環状当接部材の存在によって球体部を安定した状態で保持できる。また、付勢手段により環状当接部材の当接力が高められ、安定性がより強化されている。ただ、当接力の高まりにより、第2空間に漏れた加圧気体がより排気されにくくなる。このため、前記開放通路が設けたことの効果がより顕著なものとなる。
そして、このように環状当接部材が設けられた構成にあっては、その環状当接部材に前記開放通路が形成されてもよい。この構成によれば、従来の浮上ユニットで用いられていた揺動体や支持体をそのまま利用でき、その点で汎用性が高まる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
ここで、本実施形態の浮上ユニットは、上記従来の浮上ユニットと基本構成を同じくするが、まずその基本構成を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。なお、図1は浮上ユニットを示す縦断面図、図2は図1の一点鎖線で囲んだ領域の拡大図である。
図1及び図2に示すように、浮上ユニット10は支持体11と、その支持体11によって揺動自在に支持される揺動体12とを備えている。
支持体11は基部21を備えている。基部21の上端面には、その上端面から上方に延びる上側軸部22が形成されている。上側軸部22の上端面には、その上端面から上方に延びる取付軸部23が設けられている。上側軸部22及び取付軸部23はそれぞれ横断面円形状に形成され、取付軸部23の横断面積は上側軸部22のそれよりも若干小さく形成されている。このため、上側軸部22の上端面のうち、取付軸部23を除いた部分は円環状の球体支持面24となっている。
前記基部21の下端面には、その下端面から下方に延びる下側軸部25が形成されている。下側軸部25には、ネジ溝等の被取付部26が形成されている。そして、この被取付部26により、支持体11がベース等の取付対象に取り付けられるようになっている。
そして、前記上側軸部22、取付軸部23及び下側軸部25の中心軸は同一であり、その中心軸は支持体11の中心軸でもある。この中心軸に沿って、支持体11には取付軸部23の上端面と下側軸部25の下端面に開口する支持体流路としての気体流路27が一直線状に設けられている。また、この支持体11の中心軸は浮上ユニット10の中心線でもあり、それを基準として後述する各部及び各部材が設けられている。
前記上側軸部22及び前記取付軸部23には、二個の平ワッシャ31,32及び一個のウェーブワッシャ33が挿通されている。平ワッシャ31,32はその内周縁部に面取り加工が施されたものが用いられている。各ワッシャ31,32は、基部21の側から第2ワッシャ32、付勢手段としてのウェーブワッシャ33、環状当接部材としての第1ワッシャ31の順で前記両軸部22,23に挿通され、二個の平ワッシャ31,32の間にウェーブワッシャ33が介在した状態となっている。
各ワッシャ31〜33が挿通された状態で、前記取付軸部23には球体部36が設けられている。この球体部36には、取付軸部23の横断面と略同一形状をなす貫通孔37が形成されている。球体部36には貫通孔37の中心軸と直交する一対の端面が形成され、貫通孔37はその両端面で開口している。両端面のうちの一方は、貫通孔37の開口を除いた部分が前記球体支持面24と同一形状かつ同一面積となる円環状に形成された球体被支持面38となっている。なお、他方の端面は説明の便宜上、上端面39とする。そして、球体被支持面38を下にして球体部36の貫通孔37に、球体被支持面38と球体支持面24とが当接するまで、取付軸部23が圧入され、これにより取付軸部23に球体部36が取り付けられている。球体部36の球体被支持面38と上端面39との間は取付軸部23よりも長く形成されているため、球体部36が取り付けられた状態では、球体部36の上端面39より下方に取付軸部23の上端が位置している。
次に、前記揺動体12の構成を説明すると、この揺動体12は縦断面が略T字形状をなすように形成されている。揺動体12の下面の中央部には、前記球体部36を収容可能な収容凹部41が形成されている。収容凹部41は揺動体12の下面に形成された第1凹部42と、その第1凹部42の底面に形成された第2凹部43とで構成されている。
第1凹部42は、揺動体12の横断面において、前記平ワッシャ31,32の外径と略同一径の円形状をなすように形成されている。第1凹部42の内側面には、環状の取付溝44が形成されている。一方、第2凹部43も、揺動体12の横断面において、円形状をなすように形成されている。第2凹部43の内側面43aには、第2凹部43の底面を拡径してシール装着溝45が設けられ、そのシール装着溝45にはシール手段としてのOリング46が収容されている。
第2凹部43には、前記支持体11の前記球体部36が収容されている。本実施形態では、この第2凹部43が球体部36の収容空間となっている。その収容状態では、球体部36の球面36aがその上部で前記Oリング46と当接している。この当接により、第2凹部43の内面(内側面43a及び底面)と球体部36の球面36aとの間がシールされるとともに、揺動体12が支持体11に対して揺動自在に支持されている。そして、このOリング46を介した支持により、支持体11の中心軸と揺動体12の中心軸とが一致した状態が維持される。この当接状態では、球体部36の上端面が第2凹部43の底面から下方に離間し、Oリング46の内側には空間が形成されている。この空間を第1空間としての加圧室47という。
前記球体部36が前記第2凹部43に収容された状態で、前記各ワッシャ31〜33は球体部36側に寄せられている。そして、前記取付溝44にスナップリング48が設けられることで、各ワッシャ31〜33が基部21側へ移動することが規制され、第1ワッシャ31の内周縁部が球体部36の球面36aと当接した状態で維持される。この第1ワッシャ31と球面36aとが当接した部分と、前記Oリング46が球面36aと当接した部分との間に形成される空間を第2空間としての球面室49という。また、ウェーブワッシャ33により、第1ワッシャ31は上方に付勢され、第2ワッシャ32を介してスナップリング48が下方に付勢される。これにより、第1ワッシャ31と球面36aとの当接力が高められるとともに、スナップリング48が取付溝44の壁面に押圧されて、スナップリング48と取付溝44との間のガタが防止される。
前記第2凹部43の底面において、前記Oリング46の内側であり、前記球体部36の上端面39と対峙する部分には、その上端面39よりも大きな開口を有する導入溝51が形成されている。また、揺動体12の上面12aには、多孔質収容溝52が形成されている。多孔質収容溝52には多孔質体53が上面12aから突出した状態で収容されている。この多孔質体53の上面53aが噴出面となっている。
多孔質体53は、焼結三フッ化樹脂、焼結四フッ化樹脂といったフッ素樹脂により形成されている。なお、多孔質体は、焼結ナイロン樹脂、焼結ポリアセタール樹脂等の合成樹脂材料や、焼結アルミニウム、焼結銅、焼結ステンレス等の金属材料、焼結カーボン、焼結セラミックス等の材料で形成してもよい。また、多孔質体53はその上面53aが揺動体12の上面12aと面一となるように設けられてもよい。
多孔質収容溝52の底面には流通溝54が形成されている。揺動体12にはこの流通溝54の底面と前記導入溝51の底面で開口し、両溝52,54間を連通する気体流路55が一直線状に形成されている。この気体流路55により、Oリング46でシールされた加圧室47を介して流通溝54が支持体11の気体流路27と連通される。
このように構成された浮上ユニット10において、気体流路27に加圧気体が供給されると、この加圧気体は加圧室47、揺動体12の気体流路55を介して流通溝54に導入された後、多孔質体53の上面53aから噴出される。この加圧気体の噴出により、多孔質体53の上面53aに載置されたワークを浮上させる。
そして、揺動体12に対して外部から力が作用すると、揺動体12はその力に倣い、球体部36の球面36aとOリング46との当接部分で摺動しながら、支持体11に対して傾斜する。この揺動体12が傾斜した状態を、二点鎖線で図1に示した。これにより、揺動体12はワークのうねりに追従して傾斜し、多孔質体53の上面53aがワークの底面と平行な状態に配置される。その結果、うねったワークにも確実に浮上力を作用させることができる。
揺動体12が傾斜するに際して、球体部36の球面36aとOリング46との接触は周方向の線接触であり、両者の間に生じる摺動抵抗は低減されている。また、揺動体12は球体部36の球面36aと第1ワッシャ31との当接部分でも摺動しながら傾斜し、ウェーブワッシャ33の付勢力によりその傾斜中及び傾斜した後の状態でも両者の当接状態が維持されている。これにより、支持体11による揺動体12の支持が安定化されている。
ここで、本実施形態の浮上ユニットは、以上の基本構成に加えて、次のような特徴的構成を備えている。すなわち、揺動体12には、その外面12bと第2凹部43の内側面43aとで開口する開放通路61が設けられている。この開放通路61により、球面室49と揺動体12の外部との間が連通され、球面室49が大気開放状態となっている。
この開放通路61が形成されたことの作用を、図3を参照しながら説明する。図3はOリング周辺部分の概略を拡大して示した縦断面図である。なお、同図はあくまで概略を示すものであり、Oリング46の位置や揺動体12の断面形状等、すべてが正確に反映されていない。
気体流路27を介して加圧室47に加圧気体を導入した直後においては、Oリング46によるシール力が不十分であり、Oリング46と球体部36の球面36aとの間、Oリング46と第2凹部43の内側面43aとの間から加圧気体が漏れ、球面室49に至る。この点は、本発明の課題において指摘した通りである。ただ、本実施形態の浮上ユニット10では、開放通路61によって球面室49が大気開放状態となっている。このため、図3に示すように、加圧気体が球面室49に漏れても、その加圧気体は開放通路61を介して大気中に排気されることになり、球面室49の圧力P2は常時大気圧に保たれる。
そうすると、加圧気体の導入が進めば、加圧室47の圧力P1と球面室49の圧力P2との差圧(P1−P2)は、意図した通りのものが得られ、Oリング46に対して十分な押圧力が加えられる。これにより、Oリング46による確実なシール力が得られることになる。
このように、本実施の形態では、球面室49と揺動体12の外部との間を連通する開放通路61が設けられたことにより、Oリング46に対して十分な押圧力を加えることが可能となり、確実なシール力が得られる。このため、加圧気体の導入が進んだ状態で、Oリング46によって加圧気体が球面室49に漏れることを防止する効果が大幅に改善される。そしてその結果、ワークに対して十分な浮上力を作用させることができるという優れた効果が得られる。
なお、本実施形態は上記内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
上記実施形態では、揺動体12において、第2凹部43の内側面43aと外面12cとで開口する開放通路61が設けられているが、開放通路はこれ以外の構成であってもよい。例えば、図4に示すように、第1ワッシャ31の内周縁部に設けられた溝部62によって開放通路が構成されてもよい。これにより、第1ワッシャ31がその内周縁部で球面36aと当接した状態が維持されながら、球面室49に漏れた加圧気体は溝部62を介して外部に排気される。このため、溝部62が開放通路としての役割を果たす。
また、第1ワッシャ31の内周縁部と球面36aとが当接した部分より下方の空間と球面室49との間を連通する連通孔63が第1ワッシャ31に形成されれば、その連通孔63も開放通路としての役割を果たす。
さらに、図5に示すように、第1ワッシャ31の内周縁部31aに切欠き部64を設ければ、その切欠き部64も開放通路としての役割を果たす。この場合、加圧気体の排気を効率よく行うべく、第1ワッシャ31の周方向全域にわたって、等間隔で切欠き部64が設けられることが好ましい。なお、このように等間隔で複数設けられる構成とする点については、前記溝部62や前記連通孔63についても同様である。
その他、揺動体12に連通溝を形成してもよい。その構成例を図6に示す。図6(a)は揺動体12の縦断面図であり、図6(b)は揺動体12の下面図である。同図に示すように、揺動体12には連通溝65が設けられている。連通溝65は、第2凹部43の内側面43aであって球面室49が形成される部分から、第1凹部42の内側面にかけて形成され、揺動体12の下端面12cで開口している。このような連通溝65によっても、球面室49と浮上ユニット10の外部とが連通され、開放通路としての役割を果たす。
図示は省略するが、支持体11及び球体部36に開放通路が設けられてもよい。この場合、開放通路の一端は球面36aのうちOリング46と当接する部分より下方で開口し、他端は第1ワッシャ31と球面36aとが当接する部分より下方で開口する。かかる構成によっても、球面室49と浮上ユニット10の外部との間が連通され、球面室49に漏れた加圧気体を排気できる。
上記実施形態では、球体部36は支持体11に設けられ、収容凹部41及びOリング46は揺動体12に設けられ、それにより揺動体12が揺動自在に支持される構成としたが、その支持構成は逆であってもよい。その例として、図7に浮上ユニット70を示す。この構成では、支持体71に収容凹部72が形成され、その収容凹部72にはOリング73が配設されている。また、支持体71には収容凹部72に連通する気体流路74が形成されている。一方、揺動体75には球体部76が設けられている。また、揺動体75には一端が多孔質体77につながり、他端がOリング73でシールされた空間を介して前記支持体71の気体流路74に連通する気体流路78が形成されている。このため、各気体流路74,78を介して多孔質体77に加圧気体が供給され、それにより多孔質体77の上面77aから加圧気体が噴出する。そして、球体部76が収容凹部72内に収容され、Oリング73と当接することにより、揺動体75が揺動自在に支持される。この支持構成は、上記実施形態における支持構成の上下を逆転させただけのものであり、その詳細な説明は省略する。そして、支持体71には、収容凹部72と支持体71の外部とを連通する開放通路79が形成されている。したがって、この浮上ユニット70によっても上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
上記実施形態では、Oリング46がシール装着溝45に収容される構成としたが、シール装着溝45を省略し、従来の浮上ユニット70と同様、第2凹部43の底面にOリング46が装着されるように構成してもよい(図8参照)。また、Oリング46と球面36aとの当接部分は図1で図示された位置に限定されるものではない。例えば、揺動体12の横断面において、第2凹部43を拡径するとともに、それに合わせてOリング46の外径も拡径すれば、球面36aとOリング46とは図示の位置よりも下方で当接することになる。なお、各軸部22,23の横断面形状、揺動体12の横断面における収容凹部41の形状は円形状である必要はなく、例えば、角形状であってもよい。
上記実施形態では、押圧によってシール力が生じるシール手段としてOリング46を用いたが、それ以外に例えば、Dリング等であってもよい。
上記実施形態では、第1ワッシャ31と第2ワッシャ32との間に付勢手段としてのウェーブワッシャ33を介在させたが、付勢手段としては、それ以外に、皿バネやコイルバネ等のバネ、ゴム等の弾性体であってもよい。
本実施形態の浮上ユニットを示す縦断面図である。 図1の一点鎖線で囲んだ領域の拡大図である。 Oリング周辺部分の概略を拡大して示す縦断面図である。 開放通路の別形態を示す概略縦断面図である。 第1ワッシャの上面図である。 (a)は揺動体の縦断面図であり、(b)は揺動体の下面図である。 別の実施形態の浮上ユニットを示す縦断面図である。 従来の浮上ユニットの縦断面図である。 図8において、Oリング周辺部分の概略を拡大して示す縦断面図である。
符号の説明
10…浮上ユニット、11…支持体、12…揺動体、25…支持体流路としての気体流路、31…環状当接部材としての第1ワッシャ、33…付勢手段としてのウェーブワッシャ、36…球体部、36a…球面、41…収容凹部、43…収容空間としての第2凹部、46…シール手段としてのOリング、47…第1空間としての加圧室、49…第2空間としての球面室、53…多孔質体、53a…噴出面としての上面、55…本体流路としての気体流路、61…開放通路。

Claims (5)

  1. 加圧気体を噴出面から噴出させて、該噴出面と非接触の状態でワークを支持する浮上ユニットであって、
    前記噴出面を有する揺動体と、該揺動体を支持する支持体とを備え、
    前記支持体には球体部が設けられ、該球体部は前記揺動体に設けられた収容空間に収容され、
    前記収容空間には該収容空間の内面と前記球体部の球面中央より上部とに当接して両者の間をシールするとともに、その当接によって前記揺動体を前記支持体に対して揺動自在に支持させる環状のシール手段が設けられ、
    前記シール手段により、前記収容空間は、該シール手段と前記球体部の球面との当接部分より上方の第1空間と、前記当接部分より下方の第2空間とに区画され、
    前記支持体には前記第1空間に開口する支持体流路が設けられるとともに、前記揺動体には一端が前記噴出面につながり、他端が前記第1空間に開口する本体流路が設けられ、支持体流路から前記第1空間を介して噴出面に加圧気体が供給されるようにし、
    前記シール手段は、加圧気体の導入による第1空間の圧力上昇に伴って変形され、その変形によりシール機能を発揮するものであり、
    前記シール手段と前記球体部の球面との当接位置と反対側で前記球面と当接する環状当接部材と、
    前記環状当接部材が球面と常時当接するように該環状当接部材を付勢する付勢手段と、
    を備え、
    前記第2空間を大気開放状態とする開放通路が設けられたことを特徴とする浮上ユニット。
  2. 前記開放通路は前記揺動体に設けられ、該揺動体の外面と前記第2空間の内面とに開口する通路である請求項1に記載の浮上ユニット。
  3. 加圧気体を噴出面から噴出させて、該噴出面と非接触の状態でワークを支持する浮上ユニットであって、
    前記噴出面を有する揺動体と、該揺動体を支持する支持体とを備え、
    前記揺動体には球体部が設けられ、該球体部は前記支持体に設けられた収容空間に収容され、
    前記収容空間には該収容空間の内面と前記球体部の球面中央より部とに当接して両者の間をシールするとともに、その当接によって前記揺動体を前記支持体に対して揺動自在に支持させる環状のシール手段が設けられ、
    前記シール手段により、前記収容空間は、該シール手段と前記球体部の球面との当接部分より下方の第1空間と、前記当接部分より上の第2空間とに区画され、
    前記支持体には前記第1空間に開口する支持体流路が設けられるとともに、前記揺動体には一端が前記噴出面につながり、他端が前記第1空間に開口する本体流路が設けられ、支持体流路から前記第1空間を介して噴出面に加圧気体が供給されるようにし、
    前記シール手段は、加圧気体の導入による前記第1空間の圧力上昇に伴って変形され、その変形によりシール機能を発揮するものであり、
    前記シール手段と前記球体部の球面との当接位置と反対側で前記球面と当接する環状当接部材と、
    前記環状当接部材が球面と常時当接するように該環状当接部材を付勢する付勢手段と、
    を備え、
    前記第2空間を大気開放状態とする開放通路が設けられたことを特徴とする浮上ユニット。
  4. 前記開放通路は前記支持体に設けられ、該支持体の外面と前記第2空間の内面とに開口する通路である請求項に記載の浮上ユニット。
  5. 記環状当接部材に前記開放通路が形成された請求項1乃至4のいずれかに記載の浮上ユニット。
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